JP5141903B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、記録ヘッド等の液体噴射ヘッドから記録紙等の被噴射材へインクを噴射して記録紙等への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を液体噴射ヘッドから被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する液体噴射装置の一例としてインクジェットプリンタが公知である。例えばシリアルヘッド型インクジェットプリンタは、記録紙(被噴射材)の搬送方向と交差する方向へ往復動する記録ヘッドからインク(液体)を噴射して記録紙の記録面(液体噴射面)にドットを形成する動作と、前記搬送方向へ所定の搬送量で記録紙を搬送する動作とが交互に繰り返されることによって、記録紙の記録面に記録が実行される。このようなインクジェットプリンタは、記録ヘッドの往復動作や記録紙の搬送動作を高精度に制御して高精度な記録を実現することを目的として、記録ヘッドの移動量を検出するための公知のリニアエンコーダや記録紙の搬送量を検出するための公知のロータリエンコーダを備えているのが一般的である。
このような液体噴射装置においては、液体噴射ヘッドから被噴射材に噴射した液体の一部がミスト化して液体噴射装置内を浮遊することがある。例えばインクジェットプリンタにおいては、記録ヘッドから噴射したインクの一部がインクミストとなってプリンタの内部空間を浮遊する。このインクミストは、例えば記録紙に付着すると記録画質が低下する要因となる。また、リニアエンコーダやロータリエンコーダのスケールにインクミストが付着すると、スケールセンサによるスケールの読み取り精度が低下する虞がある。つまり、エンコーダのスケールに付着したインクミストは、記録ヘッドの移動量や記録紙の搬送量の検出精度が低下して記録精度が低下してしまう要因となる。
このインクミストを低減させることを目的とした従来技術の一例としては、記録ヘッドによるインク噴射領域の近傍に帯電部材を配設し、インクミストの極性と異なる極性で帯電部材を帯電させて、インク噴射領域で発生するインクミストを帯電部材の静電気で誘引して除去するインクジェットプリンタが公知である(例えば、特許文献1又は2を参照)。
特開2006−335531号公報 特開2006−335532号公報
しかしながら、上記従来技術において帯電部材に吸引されたインクミストは、その帯電部材に帯電した静電気による誘引力のみで帯電部材の表面に付着した状態となる。そのため、例えばプリンタ内部空間をキャリッジが往復動する際に生ずる気流や振動等によって、あるいは摩擦等で帯電した他のプリンタ構成要素や記録紙の静電気に誘引される等によって、帯電部材の表面に付着したインクミストの一部が帯電部材から離脱して、プリンタの内部空間に再飛散してしまう虞がある。このようなことから上記従来技術においては、液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体を効率的に低減させることができない虞がある。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体を効率的に低減させることにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、被噴射材に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に走査させる走査手段と、回転駆動力源の駆動力を前記走査手段にベルトで伝達する駆動力伝達機構と、を備えた液体噴射装置において、当該液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体を吸収して保持するための液体吸収材が前記ベルトに設けられている、ことを特徴とした液体噴射装置である。
回転駆動力源の駆動力をベルトで伝達する駆動力伝達機構においては、ベルトが掛架されるプーリや回転体等とそのベルトとの間に生ずる接触帯電や剥離帯電によってベルトに静電気が帯電する。そして、帯電したベルトからの誘導帯電によって、そのベルトに設けられた液体吸収材にも静電気が帯電することとなる。したがって、液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体は、この帯電した液体吸収材の静電気に誘引されて液体吸収材に捕捉され、さらに、そのまま液体吸収材に吸収される。そのため、液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体は、ベルトの液体吸収材に捕捉された後、その液体吸収材の内部にしっかりと保持されることになる。このようにして本発明は、液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体を確実に捕捉して確実に保持することができるので、ミスト化した液体の再飛散を未然に防止することができる。
これにより本発明の第1の態様に記載の液体噴射装置によれば、液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体を効率的に低減させることができるという作用効果が得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様に記載の液体噴射装置において、前記液体吸収材のクリーニング手段を備えている、ことを特徴とした液体噴射装置である。
液体吸収材の液体吸収性能や液体保持性能等は、液体吸収材に液体が蓄積されていくことによって徐々に低下していくことになる。このようなことから本発明においては、液体吸収材に蓄積された液体を除去して液体吸収材の液体吸収性能や液体保持性能等を回復させることが可能なクリーニング手段を設けるのが好ましい。それによって、液体吸収材の液体吸収性能や液体保持性能等を常に一定以上に維持することが可能になるので、ミスト化した液体の除去効率が低下してしまうことを未然に防止することが可能になる。
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様に記載の液体噴射装置において、被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する制御を実行する制御装置を備え、前記制御装置は、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、前記ベルトを所定回転量だけ回転させる制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
液体噴射ヘッドの走査手段に駆動力を伝達するベルトは、被噴射材に対する液体噴射制御の実行中に回転する。したがって、少なくとも被噴射材に対する液体噴射制御を実行しているときは、ベルトに配設された液体吸収材に一定以上の静電気が帯電した状態が維持されるので、ミスト化した液体を液体吸収材で誘引して吸収することが可能な状態となる。しかし、被噴射材に対する液体噴射制御が終了してベルトが停止した状態になると、液体吸収材に帯電した静電気は、徐々に放電されて減少していくことになる。他方、ミスト化した液体は、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後もしばらくの間は液体噴射装置の内部空間を浮遊していることが多い。
このようなことから本発明においては、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、ベルトを所定回転量だけ回転させる制御を実行するのが好ましい。それによって、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、その回転量に応じた帯電量でベルトの液体吸収材に静電気を帯電させることができる。すなわち、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、ミスト化した液体を液体吸収材で誘引して吸収することが可能な状態をより長時間持続させることができる。したがって、液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体を被噴射材に対する液体噴射制御の終了後においても効率的に低減させることができる。
本発明の第4の態様は、被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、被噴射材に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に走査させる走査手段と、回転駆動力源の駆動力を前記走査手段にベルトで伝達する駆動力伝達機構と、を備えた液体噴射装置において、前記ベルトに付着した液体を除去するためのベルトクリーニング手段と、被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する制御を実行する制御装置とを備え、前記制御装置は、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、前記ベルトを所定回転量だけ回転させる制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
液体噴射ヘッドの走査手段に駆動力を伝達するベルトは、被噴射材に対する液体噴射制御の実行中に回転する。それによってベルトには、ベルトが掛架されるプーリや回転体等とそのベルトとの間に生ずる接触帯電や剥離帯電によって静電気が帯電する。したがって、少なくとも被噴射材に対する液体噴射制御を実行しているときは、ベルトに一定以上の静電気が帯電した状態が維持されるので、ミスト化した液体をベルトに吸着させてベルトクリーニング手段で回収することが可能な状態となる。しかし、被噴射材に対する液体噴射制御が終了してベルトが停止した状態になると、ベルトに帯電した静電気は徐々に放電されて減少していくことになる。他方、ミスト化した液体は、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後もしばらくの間は液体噴射装置の内部空間を浮遊していることが多い。
本発明の第4の態様に記載の液体噴射装置において制御装置は、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、ベルトを所定回転量だけ回転させる制御を実行する。それによって、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、その回転量に応じた帯電量でベルトに静電気を帯電させることができる。すなわち、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、ミスト化した液体をベルトに吸着させてベルトクリーニング手段で回収することが可能な状態をより長時間持続させることができる。したがって、本発明の第4の態様に記載の液体噴射装置によれば、液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体を被噴射材に対する液体噴射制御の終了後においても効率的に低減させることができるという作用効果が得られる。
本発明の第5の態様は、前述した第3の態様又は第4の態様に記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該被噴射材に対する液体噴射制御のモードに基づいて前記所定回転量を増減調整する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体の量は、例えば、一の被噴射材に噴射する液体の総噴射量が多くなるに従って増加する。また、被噴射材の液体噴射面に形成する液体ドットが小さくなるに従って、液体噴射ヘッドから噴射される液体は、よりミスト化しやすくなっていく。そのためミスト化する液体の量は、一の被噴射材に噴射する液体の総噴射量が同じであっても、被噴射材の液体噴射面に形成する液体ドットが小さくなるに従って増加する傾向となる。すなわち、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後に浮遊するミスト化した液体の量は、その被噴射材に対する液体噴射制御の内容によって異なるとともに、その液体噴射制御の内容から推測することが可能である。
ここで、解像度、噴射する液滴の大きさ等、被噴射材に対する液体噴射制御の内容は、これらの内容が予め規定されている複数のモードから一のモードを選択することによって設定される。モードは、被噴射材の種類や大きさ、被噴射材の四辺に余白を設けるか否か等に応じて、ユーザによって任意にあるいは自動的に選択される。したがって、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後に浮遊するミスト化した液体の量は、この液体噴射制御のモードから特定することができる。
このようなことから本発明においては、被噴射材に対する液体噴射制御のモードに基づいて前記の所定回転量を増減調整するのが好ましい。それによって、被噴射材に対する液体噴射制御を実行している間にミスト化する液体の量に応じて、液体噴射制御の終了後におけるベルト又は液体吸収材の帯電量を調整することが可能になる。すなわち、ミスト化した液体をベルト又は液体吸収材で誘引して回収可能な状態を液体噴射制御の終了後に持続させる時間を、その液体噴射制御中にミスト化した液体の量に応じて的確に調整することが可能になる。したがって、液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体を被噴射材に対する液体噴射制御の終了後においても効率的に低減しつつ、ベルトを回転させることによるベルトの摩耗や電力消費を必要最小限に止めることが可能になる。
本発明の第6の態様は、前述した第3の態様又は第4の態様に記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該被噴射材に対する液体噴射制御のモードに基づいて、前記ベルトを前記所定回転量だけ回転させる制御を実行する際の前記ベルトの回転速度を設定する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
このように、液体噴射制御の終了後にベルトを所定回転量だけ回転させる制御を実行する際には、ベルトの回転速度を調整することによって、液体噴射制御の終了後におけるベルト又は液体吸収材の帯電量を調整するようにしても良い。このような態様においても本発明の第5の態様に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
本発明の第7の態様は、前述した第3〜第6の態様のいずれかに記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該液体噴射装置の電源OFF操作を検出したときは、前記ベルトを前記所定回転量だけ回転させる制御を実行した後、当該液体噴射装置の電源OFF制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
このような特徴によれば、液体噴射装置の電源OFF後も一定時間、ベルト又は液体吸収材に静電気が帯電し続けるので、ミスト化した液体をベルト又は液体吸収材で誘引して回収可能な状態を液体噴射装置の電源OFF後も一定時間持続させることができる。それによって、液体噴射装置の内部空間を浮遊しているミスト化した液体を液体噴射装置の電源OFF後においても効率的に低減させることができる。
本発明の第8の態様は、前述した第7の態様に記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該液体噴射装置の電源OFF操作を検出したときは、直近の被噴射材に対する液体噴射制御の終了後に実行した前記ベルトを回転させる制御時の回転量より多い回転量又はそのときの回転速度より速い回転速度で前記ベルトを回転させる制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
このような特徴によれば、液体噴射装置の電源OFF後におけるミスト化した液体の除去効果の持続時間をより長くすることが可能になるので、電源OFF後の液体噴射装置の内部空間を浮遊しているミスト化した液体をさらに効率的に低減させることができる。また、直近の被噴射材に対する液体噴射制御に対応する回転量又は回転速度を基準とすることによって、液体噴射装置の電源OFF操作を検出した時点におけるミスト化した液体の浮遊量を可能な限り正確に推測することが可能になる。したがって、液体噴射装置の電源OFF後におけるミスト化した液体の除去効果の持続時間を、そのときのミスト化した液体の浮遊量に応じて的確に設定することができる。
本発明の第9の態様は、前述した第7の態様又は第8の態様に記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該液体噴射装置の電源OFF操作を検出したときに、直近の被噴射材に対する液体噴射制御の終了時から一定時間が経過している場合には、前記ベルトを回転させる制御を実行せずに当該液体噴射装置の電源OFF制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
液体噴射装置の内部空間におけるミスト化した液体の浮遊量は、被噴射材に対する液体噴射制御中及びその直後が最も多いが、時間が経過するに従って徐々に沈静化して減少していく。そして、液体噴射制御の終了時から一定時間が経過した後の液体噴射装置の内部空間は、ミスト化した液体がほとんど浮遊していない状態となる。このようなことから本発明においては、電源OFF操作を検出したときに直近の液体噴射制御の終了時から一定時間が経過している場合には、ベルトを回転させる制御を実行せずに液体噴射装置の電源OFF制御を実行するのが好ましい。それによって、無駄なベルトの摩耗や電力消費を回避することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<インクジェットプリンタの概略構成>
まず、本発明に係る「液体噴射装置」としてのインクジェットプリンタ50の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、インクジェットプリンタ50の要部斜視図であり、図2は、その要部側面図である。
本発明に係るインクジェットプリンタ50は、「被噴射材」としての記録紙Pをインクジェットプリンタ50の内部へ給送する自動給送装置70を備えている。また、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている記録紙Pの記録面(液体噴射面)に「液体」としてのインクを噴射して記録を実行する「液体噴射ヘッド」としての記録ヘッド62を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、記録紙Pに対して記録ヘッド62を相対的に副走査方向Yへ走査させる「走査手段」を構成する搬送駆動ローラ51、搬送従動ローラ52、排出駆動ローラ54及び排出従動ローラ55を備えている。
自動給送装置70は、給送用トレイ71及び給送用ローラ72を備えている。給送用トレイ71は、複数の記録紙Pが積重された状態で載置されて収容される。給送用ローラ72は、図示していない給送用モータの回転駆動力で回転する。給送用トレイ71に積重された記録紙Pは、最上位にある記録紙Pが給送用ローラ72の外周面に当接し、その給送用ローラ72の回転により、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52との当接部分に先端が到達する位置まで給送される。
搬送駆動ローラ51は、表面に高摩擦被膜が施されており、搬送用モータ57の回転駆動力が伝達されて回転する。搬送従動ローラ52は、従動回転可能に軸支され、図示していないばね等の付勢手段の付勢力で搬送駆動ローラ51の外周面に当接している。自動給送装置70により給送された記録紙Pは、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とで挟持され、搬送駆動ローラ51の駆動回転によってプラテン53上を副走査方向Yへ搬送される。
記録ヘッド62は、プラテン53上の記録紙Pに対して記録ヘッド62を相対的に主走査方向X(副走査方向Yと交差する方向)へ走査させる「走査手段」としてのキャリッジ61の底部に配設されている。記録ヘッド62のヘッド面には、インクを噴射するための多数の噴射ノズルが配設されている。キャリッジ61は、記録ヘッド62のヘッド面とプラテン53上の記録紙Pの記録面とが略平行となる状態を維持しつつ主走査方向Xへ往復動可能に、キャリッジガイド軸56に支持されている。
給送用ローラ72と搬送駆動ローラ51との間の給送路には、記録紙Pの副走査方向Yの先端位置及び後端位置を検出するための紙検出器33が配設されている。また、キャリッジ61の底部には、記録紙Pの主走査方向Xの両端位置を検出するためのPWセンサ34が配設されている。電源スイッチ35はインクジェットプリンタ50の電源ON/OFF操作を行うためのスイッチである。紙検出器33、PWセンサ34及び電源スイッチ35の出力信号は、記録制御部100に入力される。
プラテン53上の記録紙Pは、キャリッジ61が主走査方向Xへ往復動しながら記録ヘッド62のヘッド面から記録面にインクを噴射してドットを形成する動作と、搬送駆動ローラ51の駆動回転により所定の搬送量で副走査方向Yへ搬送する動作とが交互に繰り返されることによって記録が実行される。そしてインク噴射後の記録紙Pは、排出駆動ローラ54と排出従動ローラ55とで挟持され、排出駆動ローラ54の駆動回転により副走査方向Yへ搬送されて排出される。これらの一連の記録制御は、マイコン制御回路を有する「制御装置」としての記録制御部100により実行される。
<キャリッジ61の駆動機構>
つづいて、キャリッジ61を主走査方向Xへ往復動させる機構について、引き続き図1及び図2を参照しながら説明する。
キャリッジ駆動用モータ(図示せず)の回転軸に配設された駆動プーリ(図示せず)と従動プーリ63との間には、キャリッジベルト64が掛架されている。キャリッジベルト64は、例えばウレタン等で形成された無端ベルトである。キャリッジ61には、このキャリッジベルト64の一部が連結されている。従動プーリ63は、従動プーリホルダ631を介して回転自在に軸支されている。キャリッジ61は、キャリッジ駆動用モータが回転してキャリッジベルト64が双方向回転することによって主走査方向Xへ往復動する(駆動力伝達機構)。
インクジェットプリンタ50は、記録紙Pに対する記録ヘッド62の相対的な主走査位置を検出するためのリニアエンコーダ32を備えている。リニアエンコーダ32は、リニアスケール321及びリニアスケールセンサ322を有している。リニアスケール321は、テープ状のスケール部材であり、多数のスリットが所定間隔で等間隔に形成されている。このリニアスケール321は、図示の如くキャリッジベルト64に近接する位置に、キャリッジ61の往復動方向(主走査方向X)と略平行に配設されている。リニアスケール321は、インクジェットプリンタ50の筐体フレーム11のサイドフレーム13間に、コイルばね12を介して張設されている。リニアスケールセンサ322は、リニアスケール321のスリットを検出可能なセンサであり、キャリッジ61に搭載されている。リニアスケールセンサ322の出力信号は記録制御部100に入力される。
<搬送駆動ローラ51及び排出駆動ローラ54の駆動機構>
つづいて、搬送駆動ローラ51及び排出駆動ローラ54を回転させて記録紙Pを副走査方向Yへ搬送する機構について、引き続き図1及び図2を参照しながら説明する。
搬送駆動ローラ51の端部には歯車511が配設されている。また、排出駆動ローラ54の回転軸541の端部には歯車542が配設されている。そして、搬送用モータ57の駆動プーリ571、歯車511及び歯車542には、紙送りベルト58が掛架されている。紙送りベルト58は、例えばウレタン等で形成された無端ベルトである。搬送用モータ57の回転駆動力は、この紙送りベルト58を介して歯車511及び歯車542に伝達され、それによって搬送駆動ローラ51及び排出駆動ローラ54が回転する。
インクジェットプリンタ50は、記録紙Pに対する記録ヘッド62の相対的な副走査位置を検出するためのロータリエンコーダ31を備えている。ロータリエンコーダ31は、ロータリスケール311及びロータリスケールセンサ312を有している。ロータリスケール311は、円板状のスケール部材であり、多数のスリットが同心円上に等間隔に形成されている。このロータリスケール311は、歯車511に一体に設けられており、図示の如く紙送りベルト58に近接する位置に配設されている。ロータリスケールセンサ312は、ロータリスケール311のスリットを検出可能なセンサであり、ロータリスケール311の近傍に配設されている。ロータリスケールセンサ312の出力信号は記録制御部100に入力される。
<第1実施例>
本発明の第1実施例について、図3を参照しながら説明する。
図3は、本発明の第1実施例を図示したものであり、キャリッジベルト64の一部を拡大図示した平面図である。
本発明の第1実施例は、上記のインクジェットプリンタ50において、キャリッジベルト64の外周面にインク吸収材65を設けたものである。インク吸収材65は、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストを吸収して保持するためのものである(液体吸収材)。インク吸収材65の材料としては、例えばフェルトやウレタンスポンジ等を用いることができる。また、インク吸収材65は、キャリッジベルト64の外周面の一部に設けても良いが、より効率的にインクミストを回収する上ではキャリッジベルト64の外周面の全周にわたって設けるのが好ましい。
キャリッジベルト64を双方向に回転させることによって、キャリッジ61を主走査方向Xへ往復動させることができる。そのときキャリッジベルト64には、主に従動プーリ63と接離する部分で生ずる接触帯電や剥離帯電によって静電気が帯電する。そして、キャリッジベルト64に設けられたインク吸収材65には、帯電したキャリッジベルト64からの誘導帯電によって静電気が帯電することとなる。インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストは、この帯電したインク吸収材65の静電気に誘引されてインク吸収材65に捕捉される。したがって、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストを低減させることができる。
さらに、インク吸収材65に捕捉されたインクミストは、そのままインク吸収材65に吸収されるため、インク吸収材65の内部にしっかりと保持される。それによって、インク吸収材65で捕捉したインクミストの一部がインクジェットプリンタ50の内部空間に再飛散してしまうことを未然に防止することができる。したがって本発明によれば、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストを効率的に低減させることができる。
<第2実施例>
本発明の第2実施例について、図4を参照しながら説明する。
図4は、本発明の第2実施例を図示したものであり、紙送りベルト58が配設された部分を図示した斜視図である。
本発明の第2実施例は、上記のインクジェットプリンタ50において、搬送駆動ローラ51及び排出駆動ローラ54に駆動力を伝達するための紙送りベルト58の外周面にインク吸収材59を設けたものである。インク吸収材59は、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストを吸収して保持するためのものである(液体吸収材)。インク吸収材59の材料としては、第1実施例のインク吸収材65と同様に、例えばフェルトやウレタンスポンジ等を用いることができる。
紙送りベルト58を回転させることによって、搬送駆動ローラ51及び排出駆動ローラ54を回転させることができる。そのとき紙送りベルト58には、主に歯車511や歯車542と接離する部分で生ずる接触帯電や剥離帯電によって静電気が帯電する。そして、紙送りベルト58に設けられたインク吸収材59には、帯電した紙送りベルト58からの誘導帯電によって静電気が帯電することとなる。インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストは、この帯電したインク吸収材59の静電気に誘引されてインク吸収材59に捕捉される。したがって、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストを低減させることができる。
さらに、インク吸収材59に捕捉されたインクミストは、そのままインク吸収材59に吸収されるため、インク吸収材59の内部にしっかりと保持される。それによって、インク吸収材59で捕捉したインクミストの一部がインクジェットプリンタ50の内部空間に再飛散してしまうことを未然に防止することができる。したがって本発明によれば、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストを効率的に低減させることができる。
また本発明においては、必須の構成要素ではないが、インク吸収材59に蓄積されたインクを除去してインク吸収材59のインク吸収性能やインク保持性能等を回復させることが可能な「クリーニング手段」を設けるのが好ましい。より具体的には、例えば紙送りベルト58のインク吸収材59に摺接係合するインク除去部材591を設け、インク吸収材59に保持されている固化したインクをインク除去部材591で掻き落として除去すれば良い(図4)。それによって、インク吸収材59のインク吸収性能やインク保持性能等を常に一定以上に維持することが可能になるので、インク吸収材59によるインクミストの除去効率が低下してしまうことを未然に防止することが可能になる。
<第3実施例>
第3実施例は、上記の第1実施例と第2実施例とを組み合わせたインクジェットプリンタ50において、さらに記録紙Pに対する記録制御の終了後に、紙送りベルト58及びキャリッジベルト64を所定速度で所定回数だけ回転させる制御を記録制御部100が実行するものである。このような制御を実行する目的は、記録紙Pに対する記録制御の実行後も依然としてインクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊しているインクミストを効率的に除去することである。以下、図5に図示したフローチャートを参照しながら説明する。
図5は、記録紙Pに対する記録制御の終了後に実行される制御のフローチャートである。
まず、記録紙Pに対する記録制御が終了したか否かを判定する(ステップS1)。記録紙Pに対する記録制御がまだ終了していない場合には(ステップS1でNo)、そのまま当該手順を終了する。他方、記録紙Pに対する記録制御が終了している場合には、記録終了後に、ユーザによるインクジェットプリンタ50の電源OFF操作が行われているか否かを判定する(ステップS2)。
電源OFF操作が行われていない場合には(ステップS2でNo)、つづいて、直前の記録紙Pに対する記録制御を実行したときの記録モードが専用紙モードであったか否かを判定する(ステップS3)。記録モードが専用紙モードでなかった場合には(ステップS3でNo)、記録モードが普通紙モードである判定し、動作速度Sc1で動作回数Nc1だけキャリッジ61を往復動させる(ステップS5)。他方、記録モードが専用紙モードであった場合には(ステップS3でYes)、つづいて、直前の記録紙Pに対する記録制御が縁なし記録であったか否かを判定する(ステップS4)。縁なし記録でなかった場合には(ステップS4でNo)、動作速度Sc2で動作回数Nc2だけキャリッジ61を往復動させる(ステップS6)。縁なし記録であった場合には(ステップS4でYes)、動作速度Sc3で動作回数Nc3だけキャリッジ61を往復動させる(ステップS7)。
キャリッジ61の往復動作(ステップS5、S6又はS7)の実行後、つづいて、紙詰まり等によってインクジェットプリンタ50の内部に残留したままの記録紙Pがあるか否かを判定する(ステップS8)。残留している記録紙Pがある場合には(ステップS8でYes)、その状態で搬送駆動ローラ51を回転させると紙ジャムが生ずる虞があることから、そのまま当該手順を終了する。そして、残留している記録紙Pがない場合には(ステップS8でNo)、回転速度Sf1で回転量Nf1に相当する回転量だけ搬送駆動ローラ51を回転させる(ステップS9)。
他方、記録終了後にユーザによるインクジェットプリンタ50の電源OFF操作が行われていた場合には(ステップS2でYes)、最後に記録紙Pに対する記録制御を実行した時点から所定時間が経過しているか否かを判定する(ステップS11)。所定時間が経過している場合には(ステップS11でYes)、そのまま当該手順を終了し、所定時間が経過していない場合には(ステップS11でNo)、前記のステップS3及びS4と同様の手順を実行する(ステップS12及びS13)。
このとき、直近の記録紙Pに対する記録制御を実行したときの記録モードが普通紙モードであった場合には(ステップS12でNo)、動作速度Sc4で動作回数Nc4だけキャリッジ61を往復動させる(ステップS14)。他方、記録モードが専用紙モードであった場合には(ステップS12でYes)、縁なし記録でなかったときは動作速度Sc5で動作回数Nc5だけキャリッジ61を往復動させ(ステップS15)、縁なし記録であったときは動作速度Sc6で動作回数Nc6だけキャリッジ61を往復動させる(ステップS16)。
そして、キャリッジ61の往復動作(ステップS14、S15又はS16)の実行後、前記のステップS8及びS9と同様の手順を実行する(ステップS17、S18)。このとき、残留している記録紙Pがない場合には(ステップS17でNo)、回転速度Sf2で回転量Nf2に相当する回転量だけ搬送駆動ローラ51を回転させる(ステップS18)。
このように、記録紙Pに対する記録制御を実行した後、紙送りベルト58、キャリッジベルト64を所定回転速度(Sc1〜6、Sf1、2)で所定回転量(Nc1〜6、Nf1、2)だけ回転させる制御を実行する。それによって、記録紙Pに対する記録制御を実行した後、紙送りベルト58のインク吸収材59及びキャリッジベルト64のインク吸収材65に、その回転速度及び回転量に応じた帯電量で静電気を帯電させることができる。すなわち、記録紙Pに対する記録制御を実行した後において、紙送りベルト58のインク吸収材59及びキャリッジベルト64のインク吸収材65でインクミストを誘引して吸収することが可能な状態をより長時間持続させることができる。したがって、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストを記録紙Pに対する記録制御を実行した後においても効率的に低減させることができる。
このとき、紙送りベルト58及びキャリッジベルト64の回転速度及び回転量は、上記説明したステップS3〜S7及びS12〜S16のような手順で、記録モード等に応じて増減調整するのが好ましい。ここで、「液体噴射制御のモード」としての記録モードについて説明する。インクジェットプリンタ50の記録モードとしては、専用紙モードと普通紙モードとがあり、記録紙Pへの記録実行時には、記録紙Pの種類等に応じていずれかの記録モードが選択される。
専用紙モードは、主に写真用紙等の記録紙Pに画像記録を実行するための高精細モードであり、比較的小さいインクドットを記録紙Pの記録面に高密度に形成して高画質な記録を実行するモードである。また一般的に写真用紙等の専用紙は、記録面にコーティング等が施されているためインク吸収性が低い。このようなことから専用紙モードにおいては、比較的多くのインクミストが発生しやすくなる。また、専用紙モードにおいては、さらに縁なし記録か否かによってインクミストの発生量が異なってくる。縁なし記録の場合には、記録紙Pの外側にインクを打ち捨てながら記録が実行されることからインクミストの発生量がさらに増加する傾向となる。
他方、普通紙モードとは、主に普通紙等の記録紙Pにテキスト記録を実行するためのモードであり、記録紙Pの記録面に低密度にインクドットを形成して高速な記録を実行するモードである。また一般的に普通紙は、記録面にコーティング等が施されていないため、記録面のインク吸収性が高い。このようなことから普通紙モードにおいては、発生するインクミストの量は比較的少なく、ほとんど発生しない場合もある。
すなわち、記録紙Pへの記録実行時に発生するインクミストの量は、記録実行時における記録モード等の記録制御内容から推測することができる。例えば普通紙モードによる記録実行時より専用紙モードによる記録実行時の方が、インクミストの発生量は相対的に多くなる。さらに専用紙モードにおいては、縁なし記録実行時の方がインクミストの発生量は相対的に多くなる。また、各記録モードにおけるインクミストの発生量は、例えば記録実行直後のインクミストの浮遊量を各記録モードについて測定する実験等によって特定することが可能である。
したがって、例えばキャリッジ61の動作速度Sc1〜3及び動作回数Nc1〜3は、記録紙Pへの記録実行時に発生するインクミストの量に応じた帯電量でキャリッジベルト64のインク吸収材65が帯電するように、記録モード等に応じて設定すれば良い。キャリッジ61の動作速度及び動作回数とインク吸収材65の帯電量との相関関係は、例えば、キャリッジ61の動作速度及び動作回数を順次変更しながら帯電量を実測する実験等により特定することが可能である。例えば、Sc1=Sc2=Sc3としてNc1<Nc2<Nc3となるように設定しても良いし、Nc1=Nc2=Nc3としてSc1<Sc2<Sc3となるように設定しても良い。より具体的には、例えば動作回数Nc1〜3=10回で一定値とし、動作速度Sc1=200cps(1/10inch per sec)、動作速度Sc2=300cps、動作速度Sc3=400cpsとすれば良い。
尚、普通紙モードの場合には、インクミストの発生量が極めて少なくほとんど影響がない場合もある。そのような場合には、キャリッジ61の動作回数Nc1、4を0に設定してキャリッジベルト64の回転を全く行わないようにしても良い。さらに普通紙モードの場合には、紙送りベルト58の回転をパスするステップを図5のフローチャートに追加しても良い。また、インクミストの発生量は記録紙Pのサイズによっても変動することから、キャリッジ61の動作速度Sc1〜6及び動作回数Nc1〜6、搬送駆動ローラ51の回転速度Sf1、2及び回転量Nf1、2は、記録紙Pのサイズに応じてさらに増減調整するようにしても良い。
このように、記録紙Pへの記録実行後に実行するキャリッジ61の往復動の動作速度及び動作回数を記録モード等に応じて増減調整することによって、記録実行後におけるキャリッジベルト64のインク吸収材65の帯電量を記録紙Pへの記録実行時に発生したインクミストの量に応じて的確に増減調整することができる。すなわち、記録紙Pへの記録実行後において、キャリッジベルト64のインク吸収材65でインクミストを誘引して回収可能な状態を持続させる時間を、記録実行中に発生したインクミストの量に応じて的確に調整することが可能になる。したがって、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストを記録紙Pへの記録実行後においても効率的に低減させつつ、記録実行後にキャリッジベルト64を回転させることに起因したキャリッジベルト64の摩耗や電力消費を必要最小限に止めることが可能になる。
また、インクジェットプリンタ50の電源OFF操作を検出したときには、所定の電源OFF制御を実行する前に、上記説明したステップS12〜S18のような手順で紙送りベルト58及びキャリッジベルト64の回転制御を実行するのが好ましい。それによって、インクジェットプリンタ50の電源OFF後も一定時間、紙送りベルト58のインク吸収材59及びキャリッジベルト64のインク吸収材65に静電気が帯電し続けるので、これらでインクミストを誘引して回収可能な状態をインクジェットプリンタ50の電源OFF後も一定時間持続させることができる。したがって、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊しているインクミストをインクジェットプリンタ50の電源OFF後においても効率的に低減させることができる。
さらに、インクジェットプリンタ50の電源OFF操作を検出したときには、直近の記録制御後に実行した紙送りベルト58及びキャリッジベルト64を回転させる制御時の回転量より多い回転量又はそのときの回転速度より速い回転速度で、紙送りベルト58及びキャリッジベルト64を回転させる制御を実行するのが好ましい。それによって、インクジェットプリンタ50の電源OFF後におけるインクミスト除去効果の持続時間をより長くすることが可能になるので、電源OFF後のインクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊しているインクミストをさらに効率的に低減させることができる。そして、このとき直近の記録制御後に紙送りベルト58及びキャリッジベルト64を回転させたときの回転量又は回転速度を基準とすることで、インクジェットプリンタ50の電源OFF操作を検出した時点におけるインクミストの浮遊量を可能な限り正確に推測することが可能になる。したがって、インクジェットプリンタ50の電源OFF後におけるインクミスト除去効果の持続時間を、そのときのインクミストの浮遊量に応じて的確に設定することができる。
例えば、キャリッジ61の動作速度Sc1〜6を一定速度とした場合には、キャリッジ61の動作回数Nc4〜6は、記録紙Pへの記録実行後におけるキャリッジ61の動作回数Nc1〜3に対して相対的に多い回数に設定すれば良い。また例えば、キャリッジ61の動作回数Nc1〜6を一定回数とした場合には、キャリッジ61の動作速度Sc4〜6は、記録紙Pへの記録実行後におけるキャリッジ61の動作速度Sc1〜3に対して相対的に速い回転速度に設定すれば良い。搬送駆動ローラ51の回転速度Sf1、2及び回転量Nf1、2についても同様である。
さらに、インクジェットプリンタ50の電源OFF操作を検出したときに、直近の記録紙Pに対する記録制御の終了時から一定時間が経過している場合には(図5のステップ11でYesの場合)、インクジェットプリンタ50の内部空間にはインクミストがほとんど浮遊していない状態である場合が多い。このような場合には、紙送りベルト58及びキャリッジベルト64を回転させる制御を実行せずに、そのままインクジェットプリンタ50の電源OFF制御を実行するのが好ましい。それによって、無駄なベルトの摩耗や電力消費を回避することが可能になる。この記録制御の終了時からインクジェットプリンタ50の内部空間にインクミストがほとんど浮遊していない状態になるまでの時間は、例えば実験等により測定すれば良い。
<他の実施例>
上記の第3実施例の変形例としては、例えば、紙送りベルト58のインク吸収材59又はキャリッジベルト64のインク吸収材65のいずれか一方のみを設けるようにしても良い。この場合の制御手順は、図5に図示したフローチャートにからインク吸収材を設けていないベルトの回転制御に関する手順を除いた手順とすれば良い。
また上記の第3実施例の変形例としては、紙送りベルト58又はキャリッジベルト64のインク吸収材に代えて、ベルトに付着したインクを除去して回収するベルトクリーニング手段を設けても良い。ベルトクリーニング手段としては、例えばベルトに付着したインクを掻き取る部材(例えば図4のインク除去部材591のような部材)を設ければ良い。あるいは、外周面にインク吸収材が施された従動ローラを紙送りベルト58又はキャリッジベルト64の外周面に当接する位置に配設しても良い。
尚、本発明は、上記説明した実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
インクジェットプリンタの要部斜視図。 インクジェットプリンタの要部側面図。 キャリッジベルトの一部を拡大図示した平面図(第1実施例)。 紙送りベルトが配設された部分を図示した斜視図(第2実施例)。 記録制御の終了後に実行される制御のフローチャート(第3実施例)。 記録制御の終了後に実行される制御のフローチャート(第3実施例)。
符号の説明
50 インクジェットプリンタ50、51 搬送駆動ローラ、52 搬送従動ローラ、53 プラテン、54 排出駆動ローラ、55 排出従動ローラ、56 キャリッジガイド軸、57 搬送用モータ、58 紙送りベルト、59 紙送りベルトのインク吸収材、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、63 従動プーリ、64 キャリッジベルト、65 キャリッジベルトのインク吸収材、100 記録制御部、591 インク除去部材、P 記録紙、X 主走査方向、Y 副走査方向

Claims (9)

  1. 被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    被噴射材に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に走査させる走査手段と、
    回転駆動力源の駆動力を前記走査手段にベルトで伝達する駆動力伝達機構と、を備えた液体噴射装置において、
    当該液体噴射装置の内部空間を浮遊するミスト化した液体を吸収して保持するための液体吸収材が前記ベルトに設けられている、ことを特徴とした液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、前記液体吸収材のクリーニング手段を備えている、ことを特徴とした液体噴射装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液体噴射装置において、被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する制御を実行する制御装置を備え、
    前記制御装置は、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、前記ベルトを所定回転量だけ回転させる制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置。
  4. 被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    被噴射材に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に走査させる走査手段と、
    回転駆動力源の駆動力を前記走査手段にベルトで伝達する駆動力伝達機構と、を備えた液体噴射装置において、
    前記ベルトに付着した液体を除去するためのベルトクリーニング手段と、
    被噴射材の液体噴射面に液体を噴射する制御を実行する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、被噴射材に対する液体噴射制御の終了後、前記ベルトを所定回転量だけ回転させる制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置。
  5. 請求項3又は4に記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該被噴射材に対する液体噴射制御のモードに基づいて前記所定回転量を増減調整する、ことを特徴とした液体噴射装置。
  6. 請求項3又は4に記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該被噴射材に対する液体噴射制御のモードに基づいて、前記ベルトを前記所定回転量だけ回転させる制御を実行する際の前記ベルトの回転速度を設定する、ことを特徴とした液体噴射装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該液体噴射装置の電源OFF操作を検出したときは、前記ベルトを前記所定回転量だけ回転させる制御を実行した後、当該液体噴射装置の電源OFF制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置。
  8. 請求項7に記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該液体噴射装置の電源OFF操作を検出したときは、直近の被噴射材に対する液体噴射制御の終了後に実行した前記ベルトを回転させる制御時の回転量より多い回転量又はそのときの回転速度より速い回転速度で前記ベルトを回転させる制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置。
  9. 請求項7又は8に記載の液体噴射装置において、前記制御装置は、当該液体噴射装置の電源OFF操作を検出したときに、直近の被噴射材に対する液体噴射制御の終了時から一定時間が経過している場合には、前記ベルトを回転させる制御を実行せずに当該液体噴射装置の電源OFF制御を実行する、ことを特徴とした液体噴射装置。
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