JP2006192630A - 記録装置、記録ヘッド部温度制御方法、および液体噴射装置 - Google Patents

記録装置、記録ヘッド部温度制御方法、および液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 主な熱発生源であるキャリッジモータの駆動によって、記録ヘッド部の環境温度が42℃を超えた場合、インクが外気に触れるノズル開口において、インクの粘度変化による吐出不良の発生する虞が生じるため、記録ヘッド部の環境温度が例えば42℃を超えないように温度を制御する。
【解決手段】 記録ヘッド部13に温度検出手段202であるサーミスタ206を配設し、サーミスタ206により得られる記録ヘッド部13の温度の値と、予め設定されたしきい値とを比較し大小を判断する判断手段207を備え、判断手段207は、記録ヘッド部13の温度の値が前記しきい値より大きいと判断した場合、キャリッジ10の記録動作における主走査動作間において、キャリッジモータ200を休止させるように制御するキャリッジモータ休止制御手段208を備えた記録ヘッド部温度制御手段203を実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録装置において、キャリッジに温度検出手段を配設し、記録ヘッド部の温度を制御することによって、記録ヘッドを保護する記録ヘッド部温度制御手段を備えた記録装置、記録ヘッド部温度制御方法、および液体噴射装置に関するものである。
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
従来については、例えば記録装置では、記録ヘッド部を備えたキャリッジが主走査方向に移動することで被記録材に記録が行われる。前記キャリッジは記録装置に設けられたキャリッジモータの駆動により移動する。前記キャリッジモータには例えばDCモータなどの電動モータが使用される。
ところで、キャリッジモータなどの電動モータは、駆動するときの消費電力に応じて発熱する。該電動モータは高速駆動、キャリッジ移動時の過大な摺動抵抗等が原因で、該電動モータに過度の負荷がかかった場合、該電動モータの温度が規格温度を超えることが起こり得る。この場合、電動モータが熱で故障しないように、即ち、電動モータを保護するため、所定時間の休止を入れる発熱制限制御を行うものが知られている(例えば特許文献1)。
一方、記録ヘッド部においては、記録ヘッド部の駆動条件として、環境温度(該記録ヘッド部の近傍温度)が10〜42℃となるように設計されており、該記録ヘッド部の環境温度が、42℃を超えることはなかった。
特開2003−79179号公報
しかしながら、高速印字記録を目的にキャリッジモータの駆動速度が速くなり、また、記録装置の小型化による部材の密集化等により、記録ヘッド部の環境温度が42℃を超える虞が生じた。記録装置内において、温度上昇の大きい要因としてキャリッジモータがあり、キャリッジモータの表面温度が上昇したため、該記録ヘッド部の環境温度も上昇して、しきい値42℃を超えたと考えられる。
このとき、該記録ヘッド部の環境温度が42℃を超えた場合、インクが外気に触れるノズル開口において、インクの粘度変化による吐出不良の発生する虞が生じる。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、該記録ヘッドの環境温度がしきい値を超えないように、該記録ヘッド部の環境温度を制御する記録ヘッド部温度制御手段を備えた記録装置を提供することにある。
また、本発明は、記録ヘッド部の温度の値と、予め設定されたしきい値とを比較し大小を判断し、前記温度の値が前記しきい値を超えた場合は、キャリッジモータの駆動を休止させる記録ヘッド部温度制御方法を提供すること目的とするものである。
尚、本明細書では「記録ヘッド部の環境温度」とは、記録装置内であって該記録ヘッド部近傍の温度を指し、「周辺温度」とは、記録装置を使用する記録装置の周辺である、所謂、室内温度を指す。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、主走査方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジを駆動させるキャリッジモータと、前記キャリッジに搭載され、ノズル開口から被記録材へインクを吐出する記録ヘッド部とを備えた記録装置であって、前記キャリッジに温度検出手段が配設され、前記温度検出手段から得る温度値によって前記記録ヘッド部の温度を制御する記録ヘッド部温度制御手段を備えたことを特徴とする記録装置である。
本発明の第1の態様によれば、記録装置は記録ヘッド部温度制御手段を備えているので、記録ヘッド部の温度を制御することができる。従って、記録ヘッド部の温度上昇によるインクの粘度変化を抑制することができる。その結果、インク吐出不良の発生の虞がなく、良好な画質を記録することができる。また、ノズル開口のインクの詰まり、所謂、ノズル詰まりをも防止することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記温度検出手段は、主走査方向において、前記キャリッジモータと前記ノズル開口との間に設けられていることを特徴とする記録装置である。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記温度検出手段は、主走査方向において、主な発熱源である前記キャリッジモータと前記ノズル開口との間に設けられているので、該温度検出手段によって得られた値が、実際の前記ノズル開口の温度の値を下回る虞がない。即ち、該温度検出手段によって得られた値を制御すれば、確実にインク吐出不良を防止することができる。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記温度検出手段は、副走査方向において、前記キャリッジモータと前記ノズル開口との間に設けられていることを特徴とする記録装置である。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果に加え、前記温度検出手段は、副走査方向において、主な発熱源である前記キャリッジモータと前記ノズル開口との間に設けられているので、該温度検出手段によって得られた値が、実際の前記ノズル開口の温度の値を下回る虞がない。即ち、該温度検出手段によって得られた値を制御すれば、より確実にインク吐出不良を防止することができる。
本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記温度検出手段は、前記記録ヘッド部に設けられたプリント基板に設けられると共に、該プリント基板上の前記ノズル開口側に配設されていることを特徴とする記録装置である。
記録ヘッド部の環境温度が上昇すると、記録ヘッド部の中でも、特に空気にインクが触れるノズル開口が、温度変化の影響を受けやすい。
そこで、本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれかの態様と同様の作用効果に加え、前記温度検出手段は、前記記録ヘッド部に設けられたプリント基板上の前記ノズル開口側に配設されているので、該温度検出手段を前記ノズル開口の近傍に配設することが可能である。従って、該温度検出手段は、前記ノズル開口近傍の温度を検出することができる。その結果、インク吐出不良の発生をより確実に防止することができる。
本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれか一の態様において、被記録材を搬送する搬送用モータを備えた記録装置であって、前記温度検出手段は、副走査方向において、前記搬送用モータと前記ノズル開口との間に設けられていることを特徴とする記録装置である。
低画質の記録を実行した場合や、被記録材の面積に対して記録する面積が小さい場合においては、搬送用モータの駆動が速く、1枚当たりの記録時間が短い。即ち、単位時間当たりの搬送用モータの駆動量が比較的多くなる。従って、搬送用モータの発熱量が多くなり、記録ヘッド部に熱による影響を与える虞がある。
そこで、本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれかの態様と同様の作用効果に加え、前記温度検出手段は、副走査方向において、発熱源である前記搬送用モータと前記ノズル開口との間に設けられているので、該温度検出手段によって得られた値が、実際の前記ノズル開口の温度の値を下回る虞がない。即ち、該温度検出手段によって得られた値を制御すれば、確実にインク吐出不良を防止することができる。
本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれか一の態様において、前記温度検出手段は、サーミスタであることを特徴とする記録装置である。
サーミスタとは、温度検出用抵抗体の一種、即ち、半導体であり、温度に対する抵抗変化の割合が大きいため、一般的に高感度検出器として使用が知られている。
そこで、本発明の第6の態様によれば、第1から第5のいずれかの態様と同様の作用効果に加え、前記温度検出手段は、サーミスタであるので、感度よく温度を検出することができる。
さらに、該サーミスタは、軽量、かつ、小型であるものを使用することが可能であり、キャリッジの走査駆動に影響を与える虞がない。
本発明の第7の態様は、第1から第6のいずれか一の態様において、前記記録ヘッド部温度制御手段は、前記温度検出手段により得られる記録ヘッド部の温度の値と、予め設定されたしきい値とを比較し大小を判断する判断手段を備え、前記判断手段は、前記記録ヘッド部の温度の値が前記しきい値より大きいと判断した場合、前記キャリッジの記録動作における主走査動作間において、前記キャリッジモータを休止させるように制御するキャリッジモータ休止制御手段を備えたことを特徴とする記録装置である。
本発明の第7の態様によれば、第1から第6のいずれかの態様と同様の作用効果に加え、前記判断手段は、前記記録ヘッド部の温度の値が前記しきい値より大きいと判断した場合、例えば2走査毎に前記キャリッジモータを休止させるように制御することが可能なキャリッジモータ休止制御手段を備えているので、該キャリッジモータの発熱を抑制することができる。即ち、記録ヘッド部における温度上昇の主な原因である前記キャリッジモータの発熱を抑制するので、該記録ヘッド部の温度上昇を抑止、または温度を低下させることができる。従って、確実にインク吐出不良を防止することができる。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記キャリッジモータ休止制御手段は、前記キャリッジの記録動作における各主走査動作間のそれぞれにおいて、前記キャリッジモータを休止させることを特徴とする記録装置である。
本発明の第8の態様によれば、第7の態様と同様の作用効果に加え、キャリッジモータの休止は、前記キャリッジの記録動作における各主走査動作間のそれぞれにおいて行われる。従って、被記録材一枚当たりの休止回数を多くすることができる。即ち、1枚当たりの積算休止時間が長い場合でも、該キャリッジモータの一回当たりの休止時間を非常に短時間にすることが可能である。その結果、ユーザに不快感を与える虞がない。
本発明の第9の態様は、第7または第8の態様において、主走査方向において、前記キャリッジが前記キャリッジモータへ近接・遠離移動する主走査動作であって、前記近接移動から停止し反転する位置を第1の位置、前記遠離移動から停止し反転する位置を第2の位置とし、前記キャリッジモータ休止制御手段は、前記第2の位置における休止時間が、前記第1の位置における休止時間より長くなるように制御することを特徴とする記録装置である。
本発明の第9の態様によれば、第7または第8の態様と同様の作用効果に加え、1枚当たりの積算休止時間を変えずに、主な発熱源である前記キャリッジモータからの距離が遠離した前記第2の位置における休止時間を、前記キャリッジモータからの距離が近接した前記第1の位置における休止時間より長くすることができる。従って、前記記録ヘッド部は、主な発熱源である前記キャリッジモータによる熱の影響を受けにくくすることができる。即ち、前記記録ヘッド部の温度上昇を、より効果的に抑制することができる。
本発明の第10の態様は、主走査方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジを駆動させるキャリッジモータと、ノズル開口から被記録材へインクを吐出する記録ヘッド部と、前記キャリッジに温度検出手段とを備えた記録装置における記録ヘッド部温度制御方法であって、前記温度検出手段により得られる記録ヘッド部の温度の値と、予め設定されたしきい値とを比較し大小を判断し、前記記録ヘッド部の温度の値が前記しきい値より大きいと判断した場合、前記キャリッジの記録動作における主走査動作間において、前記キャリッジモータを休止することを特徴とする記録ヘッド部温度制御方法である。
本発明の第10の態様によれば、前記記録ヘッド部温度制御方法は、前記温度検出手段により得られる記録ヘッド部の温度の値と、予め設定されたしきい値とを比較し大小を判断し、前記記録ヘッド部の温度の値が前記しきい値より大きいと判断した場合、前記キャリッジの記録動作における主走査動作間において、例えば2走査毎に前記キャリッジモータを休止する。従って、該キャリッジモータの発熱を抑制することができる。即ち、記録ヘッド部における温度上昇の主な原因である前記キャリッジモータの発熱を抑制するので、該記録ヘッド部の温度上昇を抑止、または温度を低下させることができる。従って、確実にインク吐出不良を防止することができる。
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記キャリッジの記録動作における各主走査動作間のそれぞれにおいて、前記キャリッジモータを休止することを特徴とする記録ヘッド部温度制御方法である。
本発明の第11の態様によれば、第10の態様と同様の作用効果に加え、第8の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第12の態様は、第10または第11の態様において、主走査方向において、前記キャリッジが前記キャリッジモータへ近接・遠離移動する主走査動作であって、前記近接移動から停止し反転する位置を第1の位置、前記遠離移動から停止し反転する位置を第2の位置とし、前記第2の位置における休止時間が、前記第1の位置における休止時間より長くなるように制御することを特徴とする記録ヘッド部温度制御方法である。
本発明の第12の態様によれば、第10または第11の態様と同様の作用効果に加え、第9の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第13の態様は、主走査方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジを駆動させるキャリッジモータと、ノズル開口から被噴射媒体へ液体を吐出する液体噴射ヘッド部とを備えた液体噴射装置であって、前記キャリッジに温度検出手段が配設され、前記温度検出手段から得る温度値によって液体噴射ヘッド部の温度を制御する液体噴射ヘッド部温度制御手段を備えたことを特徴とする液体噴射装置である。
以下、本願発明に係る記録ヘッド部温度制御手段、該記録ヘッド部温度制御手段を使用することによって実行される記録ヘッド部温度制御方法及び該記録ヘッド部温度制御手段を備えた液体噴射装置の一例である記録装置について説明する。最初に本願発明の液体噴射装置、そしてその一例である記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
図1はインクジェットプリンタの外観を示す斜視図、図2はインクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図である。ここで説明するインクジェットプリンタ100は図1に示すようにプリンタ本体3の上面の操作パネル101から前面側にかけての部位に設けられる上面カバー4と、上面右隅部に液晶モニター画面7と、その周辺に設けられる操作ボタン6と、前面下部に排出用スタッカ50を兼ねた前面カバーと、前面カバーを手前に拡開することによって現れるディスクトレイ挿入用の手挿しスロット8と、上面後方寄りに自動給送装置2における上面開口を閉塞する給送用トレイカバー9とを備えるインクジェットプリンタである。符号46に示すのは、インクジェットプリンタ100の電源をON、OFFする電源スイッチである。またこのインクジェットプリンタ100は、パーソナルコンピューターを使用しないでダイレクトに記録が実行できるタイプのインクジェットプリンタである。
上面カバー4は、奥部側に設けられる図示しないヒンジ部を回動中心として手前側を上方へ拡開できる開閉式のカバーである。そして上面カバー4を拡開することによって、プリンタ本体3の内部へのアクセスが可能となり、インクカートリッジAの交換等のメンテナンス作業ができるようになっている。また液晶モニター画面7と操作ボタン6の一部はパーソナルコンピューターに接続しないでダイレクトに記録を実行する場合に使用される部分である。
また手挿しスロット8は、CD−R、C−RW,DVD等の光ディスクのラベル面に記録を実行する場合に使用するディスクトレイを挿入する一例としてフロントローディング方式のスロットである。そして光ディスクをセットしたディスクトレイを所定の挿入位置まで手挿しスロット8に手挿し挿入すると、ディスクトレイは自動的に搬送経路内に導かれるようになっている。排出用スタッカ50は記録実行時において拡開され、拡開された排出用スタッカ50の上面は、記録が実行された用紙Pが積畳される載置面51になっている。
また自動給送装置2は、被液体噴射材の一例である被記録材P(以下単に用紙Pともいう)を複数枚積畳し得る給送用トレイ5と、給送用トレイ5上の用紙Pを給送用ローラ14に向けて押上げるホッパ16と、ホッパ16との挟圧送り作用によって給送用トレイ5上の上位の用紙Pをピックアップする給送用ローラ14と、最上位の用紙Pのみが給送されるように重送された後続の用紙Pを最上位の用紙Pから分離する分離作用部の一例である図示しない分離パッドないしリタードローラと、分離された後続の用紙Pを給送用トレイ5上に戻す図示しない戻しレバーとを備えている。
次に、用紙Pの搬送経路に従ってインクジェットプリンタ100の内部構造の概略を説明する。給送用トレイカバー9を奥部側に設けられている図示しないヒンジ部を回動中心として、手前側を上方に、そして斜め後方に向けて拡開することによって自動給送装置2が現れ、内部の給送用トレイ5が使用できるようになっている。給送用トレイ5は、最も搬送方向上流側に設けられおり、複数枚の用紙Pを積畳する被液体噴射材積畳部の一例である部材である。
また、給送用トレイ5には、用紙Pの側端面(エッジ)に当接し、用紙Pの搬送方向となる副走査方向Yへの円滑な搬送を案内するエッジガイド15が設けられている。給送用トレイ5上の用紙Pは、給送用ローラ14の回転軸17の回転に伴って、ホッパ16が所定のタイミングで上昇し、給送用ローラ14に向けて押し上げられる。そして給送用ローラ14の回転に伴って最上面に位置する用紙Pから順番に給送用ローラ14近傍に設けられる分離作用部の一例である図示しない分離パッドないしリタードローラの力を借りて単位数ずつピックアップして搬送方向下流に向けて搬送される。
給送用ローラ14の下流には、用紙Pの通過を検出する被液体噴射材検出手段の一例である図示しない被記録材検出手段(以下単に検出レバーという)が設けられており、検出レバーの下流には搬送用駆動ローラ19aと搬送用従動ローラ19bとによって構成される搬送用ローラ19が設けられている。このうち搬送用従動ローラ19bは、搬出用従動ローラ用のローラホルダ18の下流側において軸支され、当該ローラホルダ18は、図示しないねじりコイルバネによって搬送用従動ローラ19bが常に搬送用駆動ローラ19aに圧接したニップ状態になるように回動付勢されている。
そして、搬送用ローラ19によって挟圧された状態で搬送される用紙Pは、記録ポジション26に導かれ、記録ポジション26には用紙Pに記録を実行する液体噴射実行手段の一例である記録実行手段の主たる構成要素として、主走査方向Xに往復可能に走行し得るキャリッジガイド軸12によって軸支され、無端ベルト11によって駆動されるキャリッジ10が設けられている。そして、該キャリッジ10の下面には、用紙P等に液体の一例であるインクを吐出(噴射)して記録を実行する液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド部13が搭載されている。また、キャリッジ10には液体カートリッジの一例であるインクカートリッジAが装着されている。
記録ヘッド部13の下方には、記録ヘッド部13と対向して記録ヘッド部13のヘッド面と用紙P等との間のプラテンギャップPGを規定するプラテン28が設けられている。そしてキャリッジ10とプラテン28との間に用紙P等を主走査方向Xと直交する副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド部13を主走査方向Xに一往復させる間に記録ヘッド部13から用紙P等にインクを噴射する動作とを交互に繰り返すことによって用紙P等の記録面のほぼ全面に亘って所望の記録が実行される。尚、上記プラテンギャップPGは高精度の記録を実行する上で極めて重要な要素となっており、用紙Pの厚さの変化やディスクトレイ等の使用に応じて適宜調節されるようになっている。
記録ヘッド部13の下流には排出用駆動ローラ20aと、排出用従動ローラ20bとによって構成される被液体噴射材排出手段の一例である排出用ローラ20が設けられている。また排出用従動ローラ20b近傍の搬送方向上流には、排出用補助従動ローラ22が設けられている。そして排出用ローラ20によって排出された用紙Pは更に搬送方向下流に位置する被液体噴射材受け部の一例である排出用スタッカ50上の載置面51に排出されるようになっている。
排出用従動ローラ20bと排出用補助従動ローラ22は、その外周に複数の歯を有する歯付きローラであり、それぞれを保持するローラホルダによって自由回転可能に軸支されている。また上記搬送用従動ローラ19bは搬送用駆動ローラ19aよりその軸芯位置が幾分搬送方向下流側に位置するように配設されている。このような配設態様をとることによって用紙Pは搬送用ローラ19と排出用ローラ20との間において僅かに下に凸となる俗に「逆ぞり」と呼ばれている湾曲状態が形成される。これにより記録ヘッド部13に対向する位置にある用紙Pはプラテン28に押し付けられ、用紙Pの浮き上がりが防止されて正常に記録が実行されるようになっている。
続いて、本発明に係る記録ヘッド部温度制御手段203の概略構成について、図3〜図6を参照しながら説明する。
図3は、本発明に係るキャリッジ周辺のインクカートリッジを除く上面図であり、図4は、図3に示すキャリッジ周辺を矢印Gの示す如く、CRモータが配設された1桁側から80桁側へ向かって見た側面図である。図5および図6は、図3の記録ヘッド部の要部を拡大した図である。そのうち、図5(A)は記録ヘッド部の正面図、同図(B)は下面図、図6(A)は上面図、同図(B)は側面図である。
図3および図4に示す如く、キャリッジ10は、キャリッジモータ200(以下、CRモータ)が駆動すると無端ベルトを介して主走査方向Xへ移動することができる。キャリッジ10の下部には、記録ヘッド部13が設けられ、さらに記録ヘッド部13の下面、即ち、用紙Pと対向する面に用紙Pに向かってインクを吐出するノズル開口201aが設けられている。ノズル開口201aは副走査方向Yに複数設けられ、ノズル開口列201を形成されている。さらにノズル開口列201は主走査方向Xに複数列形成されている。
また、記録ヘッド部13には、インクの吐出を制御するためのプリント基板204が配設されており、プリント基板204には温度を検出することができる半導体のサーミスタ206が搭載されている。サーミスタ206は、温度に対する抵抗変化の割合が大きいため、一般的に高感度検出器として使用が知られている。サーミスタ206の抵抗から得ることができる温度の情報は、後述する判断手段207およびCRモータ休止制御手段208を備えた制御部208bへ送られ、制御部208bはCRモータ200の駆動を制御することができる。
本実施形態の記録装置は、主走査方向Xに移動するキャリッジ10と、キャリッジ10を駆動させるCRモータ200と、キャリッジ10に搭載され、ノズル開口201aから被記録材である用紙Pへインクを吐出する記録ヘッド部13とを備えた記録装置としてのインクジェットプリンタ100であって、インクジェットプリンタ100は、キャリッジ10に温度検出手段202であるサーミスタ206が配設され、温度検出手段202から得る温度値によって記録ヘッド部13の温度を制御する記録ヘッド部温度制御手段203を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ100である。
従って、インクジェットプリンタ100は記録ヘッド部温度制御手段203を備えているので、記録ヘッド部13の温度を制御することができる。即ち、記録ヘッド部13の温度上昇によるインクの粘度変化を抑制することができる。
このうち、温度検出手段202であるサーミスタ206は、主走査方向Xにおいて、CRモータ200とノズル開口201aとの間に設けられているのが示されている。
その結果、温度検出手段202によって得られた値が、実際のノズル開口201aの温度の値を下回る虞がない。即ち、温度検出手段202によって得られた値を制御すれば、確実にインク吐出不良を防止することができる。
さらに、本実施形態の温度検出手段202であるサーミスタ206は、副走査方向Yにおいて、CRモータ200とノズル開口201aとの間に設けられている。
その結果、温度検出手段202によって得られた値が、実際の前記ノズル開口201aの温度の値を下回る虞がない。即ち、温度検出手段202によって得られた値を制御すれば、より確実にインク吐出不良を防止することができる。
図5(A)は、図3および図4に示す記録ヘッド部13を、矢印Jの示す如く、搬送方向の上流側から下流側へ向かって見た正面図である。
図5(B)は、図4に示す記録ヘッド部13を、矢印Lの示す如く、記録ヘッド部13の下方側、即ち、用紙側から上方側へ向かって見た下面図である。
図6(A)は、図3に示す記録ヘッド部13であって、図4の矢印Kの示す如く、記録ヘッド部13の上方側から下方側、即ち、用紙側へ向かってみた上面図である。
図6(B)は、図3に示す記録ヘッド部13を、矢印Hの示す如く、80桁側から1桁側へ向かって見た側面図である。
図5(A)に示す如く、温度検出手段202であるサーミスタ206は、記録ヘッド部13に設けられたプリント基板204であって、該プリント基板上のノズル開口側に配設されている。
従って、温度検出手段202を、ノズル開口201aの近傍に配設することが可能である。即ち、温度検出手段202は、空気にインクが触れるため、温度変化の影響を受けやすいノズル開口201aの近傍の温度を検出することができる。その結果、インク吐出不良の発生をより確実に防止することができる。
また、本実施形態の温度検出手段202は、サーミスタ206であるので、感度よく温度を検出することができる。さらに、サーミスタ206は、軽量、かつ、小型であるものを使用することが可能であり、キャリッジ10の走査駆動に影響を与える虞がない。
図7は、キャリッジ10の主走査方向Xへの移動の様子を表すキャリッジ周辺の上面図である。
図7に示す如く、搬送用駆動ローラ19aを介して、被記録材である用紙Pを搬送する搬送用モータ205が、CRモータ200の搬送方向の上流側に配設されている。
ここで、低画質の記録を実行した場合や、用紙Pの面積に対して記録する面積が小さい場合においては、搬送用モータ205の駆動が速く、1枚当たりの記録時間が短い。即ち、単位時間当たりの駆動量が比較的多くなる。従って、搬送用モータ205の発熱量が多くなり、記録ヘッド部13へ熱による影響を与える虞がある。
そこで、図7に示す如く、本実施形態の温度検出手段202であるサーミスタ206は、副走査方向Yにおいて、搬送用モータ205とノズル開口201aとの間に設けられている。
その結果、温度検出手段202によって得られた値が、実際のノズル開口201aの温度の値を下回る虞がない。即ち、温度検出手段202によって得られた値を制御すれば、確実にインク吐出不良を防止することができる。
図7に示す符号209、209aは本発明に係るCRモータ休止制御手段208におけるキャリッジ10の休止する第1の位置であり、符号210、210aは第2の位置である。また、符号Qは、記録領域を示すが、詳しくは後に説明する。
図8は、本発明にかかる記録ヘッド部温度制御手段203である。同図(A)は記録ヘッド部温度制御手段203のブロック図であり、同図(B)は(A)の方法を示すフローチャートである。
図8(A)には、キャリッジ10に配設された温度検出手段202であるサーミスタ206が、記録ヘッド部13の温度を検出し、検出された情報が、判断手段207である制御部208bへ送られるのが示されている。制御部208bは、CRモータ200へ信号を送って駆動を制御する。
図8(B)は、同図(A)の制御部208bにおけるCRモータ休止制御手段208の判断手段207である。ステップ(以下、単に「S」と記す)10では、給送用ローラ14によって用紙Pが給紙され記録が開始される。記録開始に伴いCRモータ200の駆動によりCRモータ表面温度が上昇し、記録ヘッド部13の環境温度が上昇する。
そこで、S20では、サーミスタ206により得られる記録ヘッド部13の温度の値と、予め設定されたしきい値とを比較し大小関係を判断する。記録ヘッド部13の温度の値が、しきい値を超えていればS30に進み、超えていなければ温度制御をする必要がないので制御ルーチンを終了しそのまま記録する。
S30では、制御部208bからCRモータ200へ信号を送り、キャリッジ10の記録動作における各主走査動作間、即ち、1走査毎にCRモータ200の駆動を休止させる。その結果、CRモータ表面温度の上昇を抑制することができる。従って、記録ヘッド部13の環境温度の上昇も抑制することができる。
尚、この1走査毎にCRモータ200の駆動を休止させる制御は、次回のS20の判断時まで継続する。従って、S20の判断は、用紙Pを給紙し始めたときに行うように設定する、または、常にS20の判断が行われるようにすることも可能である。
前者の用紙Pを給紙し始めたとき、即ち、給紙毎にS20の判断が行われるようにした場合、制御部208bの負担を減らすことができ、スループットに影響する虞がない。このとき、記録中に記録ヘッド部13のサーミスタ206の換算温度が上昇するが、予めマージンを持たせてしきい値を低く設定することが可能である。
一方、後者の常にS20の判断が行われるようにした場合、常に記録ヘッド部13のサーミスタ206の換算温度を監視できるので、より確実に環境温度の上昇による影響から記録ヘッド部13を保護することができる。即ち、より確実にインク吐出不良を防止することができる。
図9に示すのは、制御部208bからCRモータ200への信号であるCRモータ電流と、それに対応したキャリッジ速度である。縦軸は、それぞれCRモータ電流、キャリッジ速度を示し、一方の横軸はそれぞれ時間Tを示す。
同図(A)は、通常の記録動作におけるキャリッジ10の主走査方向Xへの往復動作を表す。CRモータ電流が正の時は、1桁側から80桁側への往路、一方の負の時は、80桁側から1桁側への復路を表す。キャリッジ速度は、CRモータ電流と対応して、速度が正の時は、1桁側から80桁側への往路、一方の負の時は、80桁側から1桁側への復路を表す。このとき、キャリッジ10が、往路から復路、または、復路から往路へと反転する際の僅かな時間においてキャリッジ速度が0になり停止状態になるが、これは休止ではない。
同図(B)は、本願の記録ヘッド部温度制御手段203のCRモータ休止制御手段208によるキャリッジ10の主走査方向Xへの往復動作を表す。キャリッジ10の1走査毎、即ち、往路と復路が反転する時に、CRモータ200の駆動が休止する。このように本明細書では、休止とは、CRモータ休止制御手段208および方法によって積極的に休止(停止)させた場合を指す。
同図(C)には、(B)の休止時間をキャリッジ10の反転位置によって変更した例が示されている。これについては、後に詳しく説明する。
図10および図11(A)は、本発明にかかる記録ヘッド部温度制御手段203の実施時の測定データである。
測定条件は、インクジェットプリンタ100の使用する周辺温度については、30℃、および35℃の2水準を設け、用紙1枚当たりの積算休止時間については、5秒、10秒、33秒の3水準を設けた。判断手段207については、用紙Pを給紙し始めたとき、即ち、給紙毎にS20の判断が行われる。従って、記録ヘッド部13の駆動条件である環境温度10〜42℃に対して温度の上限に2℃のマージンを設けてCRモータ休止制御開始のしきい値を40℃とした。
尚、本明細書では「周辺温度」とは、使用するインクジェットプリンタ100の周辺である、所謂、室内温度を指す。また、位置に対しての停止を「停止」とし、特に本発明のCRモータ休止制御手段208および方法による時間に対しての停止を「休止」と定義している。
そして、これらを組み合わせて[条件1〜4]を設定し、それぞれの条件を以下に示す。
[条件1]周辺温度30℃、1枚当たりの積算休止時間5秒
[条件2]周辺温度35℃、1枚当たりの積算休止時間5秒
[条件3]周辺温度35℃、1枚当たりの積算休止時間10秒
[条件4]周辺温度35℃、1枚当たりの積算休止時間33秒
また、温度の測定箇所は、1桁側に配設されたCRモータ200の表面、空間1桁側における記録ヘッド部13の高さ、空間80桁側における記録ヘッド部13の高さ、および記録ヘッド部13のサーミスタ206である。
ここで、サーミスタ206においては、サーミスタ206から得る換算温度を示し、記録ヘッド部13の実際の温度とみなす。即ち、ここでは、サーミスタ換算温度と実際の記録ヘッド部13の温度の差は考慮しない。また、測定データ結果の説明は、条件1〜4に対応するグラフを用いて以下、説明する。
図12は、図10の[条件1]におけるグラフ図である。縦軸は、それぞれの測定箇所における温度(℃)を示す。一方の横軸は、記録開始からの経過時間(分)を示す。
記録を開始するとCRモータ200が駆動するので、1桁側に配設されたCRモータ表面温度は急激に上昇する。それに伴い、空間1桁側の温度が緩やかに上昇する。一方の空間80桁側の温度は、1桁側に配設されたCRモータ200から離れているため、空間1桁側よりもさらに緩やかに上昇する。このとき、キャリッジ10は1桁側と80桁側との間を移動するため、記録ヘッド部サーミスタ換算温度は、前記空間1桁側と80桁側との平均値と略同程度に上昇する。そして記録開始から82分経過したところで、記録ヘッド部サーミスタ換算温度が、しきい値40℃を超えているのが示されている。従って、判断手段207は、記録ヘッド部13の温度の値が前記しきい値より大きいと判断し、CRモータ休止制御手段208は、CRモータ休止制御開始、即ち、1走査毎にCRモータ200の駆動を休止させるように制御する。
図7に示す如く、このときの停止位置は、主走査方向Xにおいて、キャリッジ10がCRモータ200へ近接・遠離移動する主走査動作であって、前記近接移動から反転するために停止する位置を第1の位置209と、前記遠離移動から反転するために停止する位置を第2の位置210である。
即ち、本発明にかかる実施例では、第1の位置209は、CRモータ200の配設された位置側の位置である1桁側であり、第2の位置210は、CRモータ200の配設された位置と反対側の位置である80桁側である。
ここで注意すべきは、キャリッジ10が斜線部で示す記録領域Qのみを記録する場合、一走査において、記録するデータが無くなるとき、即ち、側端領域に白色部分が存在するとき、キャリッジ10は前記データが無くなった位置から移動方向を反転する。言い換えると、1桁側または80桁側の側端部までキャリッジ10が到達しない場合がある。その場合は前記反転する直前の前記データが無くなった位置が、第1の位置209a、または第2の位置210aとなる。
続いて休止時間について詳しく説明する。
本実施形態のCRモータ休止制御手段208は、キャリッジ10の記録動作における各主走査動作間のそれぞれにおいて、CRモータ200の駆動を休止させるように制御することを特徴とする。
図11(B)には、条件毎の用紙1枚当たりの積算休止時間と1走査毎の休止時間とが示されている。例えば[条件1]のように用紙1枚当たりの積算休止時間5秒の場合、仮に用紙1枚当たりの総走査数が220パスとすると、1走査毎に休止させる時間は、

5(秒)÷220(パス)=23(ミリ秒/パス)

となる。即ち、第1の位置209および第2の位置210において、キャリッジ10を23(ミリ秒)休止させることになる。
従って、この間、CRモータ200は休止するので、該CRモータ200の発熱を抑制することができる。その結果、グラフにも示されているように、記録ヘッド部13における温度上昇の主な原因であるCRモータ200の発熱を抑制するので、該記録ヘッド部13の温度上昇を抑止、または温度を低下させることができる。
また、CRモータ200の休止時間は、23(ミリ秒)と非常に短時間にすることが可能である。その結果、ユーザに不快感を与える虞がない。
さらに、記録を続け記録開始から136分経過したところで、記録を終了するとCRモータ200は、次の記録指示があるまでしばらく停止するので、該CRモータ表面温度は急激に下降する。それに伴い、空間1桁側の温度が緩やかに下降する。一方の空間80桁側の温度は、1桁側に配設されたCRモータ200から離れているため、空間1桁側よりもさらに緩やかに下降する。上昇時と同様に、記録ヘッド部サーミスタ換算温度は、前記空間1桁側と80桁側との平均値と略同程度に下降する。
記録開始から82分経過時のCRモータ休止制御開始から136分経過時の記録終了までの間、常に、1走査毎にCRモータ200の駆動を休止させていたが、これは記録ヘッド部サーミスタ換算温度が、その間、常にしきい値を超えていたためである。仮に、しきい値を下回れば、判断手段207によってCRモータ休止制御は解除され、1走査毎にCRモータ200を休止させずに駆動、即ち、通常の記録動作をさせる。
尚、上記の計算式は双方向記録方法におけるものであるが、単方向記録方法では、通常キャリッジ10の1往復で1走査と数える。この場合は往路と復路との間に休止を入れることができるのは勿論である。
図13は、図10の[条件2]におけるグラフ図である。[条件2]における条件は、周辺温度35℃、1枚当たりの積算休止時間5秒であり、[条件1]と比較して周辺温度が5℃高くなっている。従って、記録開始後のCRモータ表面温度の上昇が、[条件1]のときよりも急激になっている。即ち、周辺温度が[条件1]よりも高いため、それぞれの箇所において、温度が上昇し易い。従って、記録ヘッド部サーミスタ換算温度も上昇し易く、記録開始31分経過時にしきい値40℃を超え、判定手段によってCRモータ休止制御が開始される。
即ち、周辺温度が高い場合、記録ヘッド部13のサーミスタ換算温度は、しきい値を超え易いことが示されている。その他については、[条件1]で説明したことと同様であるので、説明は省略する。
図14は、図11(A)の[条件3]におけるグラフ図である。[条件3]における条件は、周辺温度35℃、1枚当たりの積算休止時間10秒であり、[条件2]と比較して1枚当たりの積算休止時間が5秒長くなっている。従って、CRモータ休止制御開始から記録終了までの間のCRモータ表面温度の上昇をより一層効果的に抑制することができる。従って、記録ヘッド部サーミスタ換算温度の上昇も、より一層効果的に抑制することができる。
図15は、図11(A)の[条件4]におけるグラフ図である。[条件4]における条件は、周辺温度35℃、1枚当たりの積算休止時間33秒であり、[条件3]と比較して1枚当たりの積算休止時間がさらに23秒長くなっている。従って、CRモータ休止制御開始から記録終了までの間のCRモータ表面温度の上昇をより一層効果的に抑制することができると共に、CRモータ表面温度の水準を下げることができる。従って、記録ヘッド部13の温度上昇も、より一層効果的に抑止、または、該温度を低下させることができる。
以上においてCRモータ休止制御手段208は、1走査毎にキャリッジ10を休止するように制御していた。
さらに、本実施形態では、主走査方向Xにおいて、キャリッジ10がCRモータ200へ近接・遠離移動する主走査動作であって、前記近接移動から停止し反転する位置を第1の位置209、前記遠離移動から停止し反転する位置を第2の位置210とし、CRモータ休止制御手段208は、第2の位置210における休止時間が、第1の位置209における休止時間より長くなるように制御することを特徴とする。
図9(C)に示すようにように、上記のCRモータ休止制御手段208において、例えば1枚当たりの積算休止時間を変えずに、主な発熱源であるCRモータ200からの距離が遠離した第2の位置210における休止時間が、CRモータ200からの距離が近接した第1の位置209における休止時間より長くなるように制御することも可能である。図10から図15には、第2の位置210である空間80桁側は、CRモータ200が配設されている第1の位置209である空間1桁側より温度が低いことが示されている。即ち、記録ヘッド部13を、より温度が低い第2の位置210において、より長く休止させることによって、主な発熱源であるCRモータ200による熱の影響を受けにくくすることができる。即ち、記録ヘッド部13の温度上昇を、より効果的に抑制することができる。
尚、これらの条件は、CRモータ200の大きさ、駆動速度等によって発熱量が異なり、CRモータ200の配設位置や内部構造等によって、記録ヘッド部13に与える熱の影響も異なる。従って、1枚当たりの積算休止時間およびしきい値は、設計によって異なり、記録装置の機種毎に適宜設定されるものである。
また、インクカートリッジは、キャリッジ10に搭載せずにチューブを用いて記録ヘッド部13にインクを供給することもできるのは勿論である。
さらに、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係る記録装置の概観斜視図 本発明に係る記録装置の側面図 本発明に係るキャリッジ周辺の上面図 本発明に係るキャリッジ周辺の側面図 本発明に係る記録ヘッド部の正面図および下面図 本発明に係る記録ヘッド部の上面図および側面図 本願のキャリッジの第1の位置および第2の位置を示す平面図 本願の記録ヘッド部温度制御手段のブロック図およびフローチャート 本願のCRモータ休止制御手段におけるキャリッジ速度のグラフ図 本発明に係る記録ヘッド部温度制御手段の測定データ(条件1、2) 本発明に係る記録ヘッド部温度制御手段の測定データ(条件3、4) 図10の[条件1]におけるグラフ図 図10の[条件2]におけるグラフ図 図11の[条件3]におけるグラフ図 図11の[条件4]におけるグラフ図
符号の説明
2 自動給送装置、3 プリンタ本体、4 上面カバー、
5 給送用トレイ、6 操作ボタン、7 液晶モニター画面(画面)、
8 手挿しスロット(ディスクトレイ用の)、9 給送用トレイカバー、
10 キャリッジ、11 無端ベルト、12 キャリッジガイド軸、13 記録ヘッド、14 給送用ローラ、15 エッジガイド、16 ホッパ、
17 回転軸(給送用ローラの)、18 ローラホルダ(搬送用従動ローラ用の)、
19 搬送用ローラ、19a 搬送用駆動ローラ、19b 搬送用従動ローラ、
20 排出用ローラ、20a 排出用駆動ローラ、20b 排出用従動ローラ、
22 排出用補助従動ローラ、26 記録ポジション、28 プラテン、
50 排出用スタッカ、51 載置面、100 インクジェットプリンタ(記録装置)、
101 操作パネル、200 CRモータ(キャリッジモータ)、201 ノズル開口列、
201a ノズル開口、202 温度検出手段、203 記録ヘッド部温度制御手段、
204 プリント基板、205 搬送用モータ、206 サーミスタ、207 判断手段、
208 CRモータ休止制御手段、208b 制御部、209 第1の位置、
210 第2の位置、P 用紙(被記録材)、Q 記録領域、X 主走査方向、
Y 副走査方向、PG プラテンギャップ、A インクカートリッジ、

Claims (13)

  1. 主走査方向に移動するキャリッジと、
    前記キャリッジを駆動させるキャリッジモータと、
    前記キャリッジに搭載され、ノズル開口から被記録材へインクを吐出する記録ヘッド部とを備えた記録装置であって、
    前記キャリッジに温度検出手段が配設され、
    前記温度検出手段から得る温度値によって前記記録ヘッド部の温度を制御する記録ヘッド部温度制御手段を備えたことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1において、前記温度検出手段は、主走査方向において、前記キャリッジモータと前記ノズル開口との間に設けられていることを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1または2において、前記温度検出手段は、副走査方向において、前記キャリッジモータと前記ノズル開口との間に設けられていることを特徴とする記録装置。
  4. 請求項1から3において、前記温度検出手段は、前記記録ヘッド部に設けられたプリント基板に設けられると共に、該プリント基板上の前記ノズル開口側に配設されていることを特徴とする記録装置。
  5. 請求項1から4において、被記録材を搬送する搬送用モータを備えた記録装置であって、
    前記温度検出手段は、副走査方向において、前記搬送用モータと前記ノズル開口との間に設けられていることを特徴とする記録装置。
  6. 請求項1から5において、前記温度検出手段は、サーミスタであることを特徴とする記録装置。
  7. 請求項1から6において、前記記録ヘッド部温度制御手段は、前記温度検出手段により得られる記録ヘッド部の温度の値と、予め設定されたしきい値とを比較し大小を判断する判断手段を備え、
    前記判断手段は、前記記録ヘッド部の温度の値が前記しきい値より大きいと判断した場合、前記キャリッジの記録動作における主走査動作間において、前記キャリッジモータを休止させるように制御するキャリッジモータ休止制御手段を備えたことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項7において、前記キャリッジモータ休止制御手段は、前記キャリッジの記録動作における各主走査動作間のそれぞれにおいて、前記キャリッジモータを休止させることを特徴とする記録装置。
  9. 請求項7または8において、主走査方向において、前記キャリッジが前記キャリッジモータへ近接・遠離移動する主走査動作であって、
    前記近接移動から停止し反転する位置を第1の位置、
    前記遠離移動から停止し反転する位置を第2の位置とし、
    前記キャリッジモータ休止制御手段は、
    前記第2の位置における休止時間が、前記第1の位置における休止時間より長くなるように制御することを特徴とする記録装置。
  10. 主走査方向に移動するキャリッジと、
    前記キャリッジを駆動させるキャリッジモータと、
    ノズル開口から被記録材へインクを吐出する記録ヘッド部と、
    前記キャリッジに温度検出手段とを備えた記録装置における記録ヘッド部温度制御方法であって、
    前記温度検出手段により得られる記録ヘッド部の温度の値と、予め設定されたしきい値とを比較し大小を判断し、
    前記記録ヘッド部の温度の値が前記しきい値より大きいと判断した場合、前記キャリッジの記録動作における主走査動作間において、前記キャリッジモータを休止することを特徴とする記録ヘッド部温度制御方法。
  11. 請求項10において、前記キャリッジの記録動作における各主走査動作間のそれぞれにおいて、前記キャリッジモータを休止することを特徴とする記録ヘッド部温度制御方法。
  12. 請求項10または11において、主走査方向において、前記キャリッジが前記キャリッジモータへ近接・遠離移動する主走査動作であって、
    前記近接移動から停止し反転する位置を第1の位置、
    前記遠離移動から停止し反転する位置を第2の位置とし、
    前記第2の位置における休止時間が、前記第1の位置における休止時間より長くなるように制御することを特徴とする記録ヘッド部温度制御方法。
  13. 主走査方向に移動するキャリッジと、
    前記キャリッジを駆動させるキャリッジモータと、
    ノズル開口から被噴射媒体へ液体を吐出する液体噴射ヘッド部とを備えた液体噴射装置であって、
    前記キャリッジに温度検出手段が配設され、
    前記温度検出手段から得る温度値によって液体噴射ヘッド部の温度を制御する液体噴射ヘッド部温度制御手段を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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