JP5141730B2 - 熱交換器及び冷凍空調装置 - Google Patents
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Description
また、高性能でコンパクトな冷凍空調装置を得ることを目的としている。
なるようにして折り返し、3以上の複数の積層数で積層配置したので、熱交換器が 二次
元的に大型化することなくコンパクトとなり、また、第1扁平管と第2扁平管の幅方向だ
けでなく積層方向にも大きくできるため、圧力損失の増大を招くことなく、低温流体及び
高温流体の流量を増加させて熱交換特性を増大させることができる。
図1は本発明の実施の形態1による熱交換器10を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)の矢印b方向の側面図、図1(c)は図1(a)のc−c線での断面図、図1(d)は図1(b)のd−d線での断面図である。
図において、第1扁平管1及び第2扁平管2はそれぞれ低温流体及び高温流体が流れる複数の貫通穴を有しており、扁平な面で互いに接触するように、かつそれぞれの長手方向(第1扁平管と第2扁平管とが接触する面における各流体の流れ方向:L方向)が並行になるように、交互に積層され、ロウ付け等で接合されている。
第1扁平管1は積層方向(S方向)に並んだ3本の第1扁平管1a,1b,1c、第2扁平管2は積層方向(S方向)に並んだ2本の第2扁平管2a,2bからなり、第1扁平管1a,1b,1cの両端と第2扁平管2a,2bの両端とが積層方向から見て重ならないように、第1扁平管1a,1b,1cと第2扁平管2a,2bとは、両端部が扁平な面に沿ってそれぞれ所定角度曲がっている。即ち、第1扁平管1a,1b,1cの両端部と第2扁平管2a,2bの両端部とを、それぞれ長手方向(L方向)と積層方向(S方向)とのいずれにも直交する方向(W方向)に、かつ第1扁平管1の両端と第2扁平管2の両端とが互いに交差しないように曲げて構成されている。
また、第1扁平管1a,1b,1cは両端部でそれぞれ第1入口ヘッダー3と第1出口ヘッダー4とに接続され、並列流路を構成する。
また、2本の第2扁平管2a,2bは両端部でそれぞれ第2入口ヘッダー5と第2出口ヘッダー6とに接続され、並列流路を構成する。
さらに、第1扁平管1の貫通穴の流路断面積(流体の流れ方向と垂直な断面積)または数を第2扁平管2より大きく構成し、第1扁平管1の全流路面積は第2扁平管より大きくしてある。
また、本実施の形態では、図1(d)に示すように、複数の扁平管1a,1b,1cの端部を積層方向に曲げて、扁平管の厚み方向に重ねて、管状ヘッダーの開口端に接続している。
また、本実施の形態において、第1入口ヘッダー3は管軸方向Aが鉛直方向になるように設置されている。
また、ここでは、第1扁平管1及び第2扁平管2の貫通穴が一列になっている場合を示したが、貫通穴は一列である必要はなく、複数の列をなしていてよい。
また、貫通穴の形状は矩形であるが、円形でもよく、また、内面に突起物を形成することにより伝熱面積を大きくして、熱交換特性をさらに向上させることもできる。
また、封入する使用冷媒量の増加も抑制できるため、コンパクトで環境性の高い熱交換器を提供することができる。
また、3000番台や6000番台の比較的高強度のアルミニウム合金では肉厚をさらに薄くできるため、より小型、低コスト化を図ることができる。
図2(a)において、本冷凍空調装置の冷媒回路は、二酸化炭素を冷媒として用い、圧縮機20、放熱器21、減圧装置22、冷却器23が順に接続された冷媒回路であって、熱交換器10の第1入口ヘッダー3と冷却器23、第1出口ヘッダー4と圧縮機20、第2入口ヘッダー5と放熱器21、及び第2出口ヘッダー6と減圧装置22とがそれぞれ接続されている。また、第1入口ヘッダー3を管状ヘッダーで構成し、第1出口ヘッダー4、第2入口ヘッダー5、及び第2出口ヘッダー6のそれぞれを、管状ヘッダー、または、管軸が、並列流路を構成する複数の扁平管の扁平な面に直交する枝分岐ヘッダーで構成する。枝分岐ヘッダーの場合はヘッダー側面に、上記複数の扁平管が接続される。
ここで、熱交換器10は、上記実施の形態1の熱交換器を用いており、各扁平管を、アルミニウム合金、銅及び銅合金のような比較的延性の大きな材質、または肉薄の可とう性部材で構成すれば、第1扁平管1及び第2扁平管2は共に、長手方向(L方向)を揃えて並行に、扁平な面で接合されており、またヘッダーは両端に接続されているので、長手方向を比較的剛性が小さい積層方向に自在に曲げることができるため、室外ユニット内に実装する場合、図に示すように、圧縮機20などの容器類のシェル周りに沿わせて配置したり、または、容器や配管との間の隙間スペースを有効利用することができ、装置への実装効率が上がり、装置全体の小型化に寄与する。
さらに、管状ヘッダーで構成される第1入口ヘッダー3は、管軸方向が鉛直方向になるように配置されているので、各貫通穴へ流れる流体に働く重力に差が生じないため、気液比率に及ぼす影響を抑制することができる。このため、流体の温度効率を最大化、圧力損失が最小化することができ、熱交換の性能を増加させることができる。
なお、第2入口ヘッダー5を管状ヘッダーで構成し、この第2入口ヘッダー5に気液二相冷媒が流入する場合は、第2入口ヘッダー5において同様な効果を奏する。
図5(a)において、本冷凍空調装置の冷媒回路は、圧縮機20、放熱器21、減圧装置22、冷却器23が順に接続された冷媒回路であって、熱交換器10の第2入口ヘッダー5(管状ヘッダー)と放熱器21、第2出口ヘッダー6と減圧装置22とが接続されている。また、第1出口ヘッダー4、補助圧縮機40、補助凝縮器41、補助減圧装置42、第1入口ヘッダー3が順に接続された第2冷媒回路を有している。第2冷媒回路は、HFC系冷媒、HC系冷媒またはアンモニアを用いた蒸気圧縮式冷凍サイクルで動作するように構成されている。
ここで、熱交換器10は、上記実施の形態1の熱交換器を用いており、各扁平管を、アルミニウム合金、銅及び銅合金のような比較的延性の大きな材質、または肉薄の可とう性部材で構成すれば、第1扁平管1及び第2扁平管2は共に、長手方向(L方向)を揃えて並行に、扁平な面で接合されており、またヘッダーは両端に接続されているので、長手方向を比較的剛性が小さい積層方向に自在に曲げることができるため、ユニット内に実装する場合、図2(b)、(c)と同様、圧縮機などの容器類のシェル周りに沿わせて配置したり、または、容器や配管との間の隙間スペースを有効利用することができ、装置への実装効率が上がり、装置全体の小型化に寄与する。
なお、図5(b)、(c)では、圧縮機20、補助圧縮機40の他に、冷媒回路内の冷媒量を適正量に調整する液溜め容器43が追加されたユニットの場合において、熱交換器10を液だめ容器43の周りに設置した例であり、容器類が多くなるほど、設置スペースの自由度が増え、実装効率向上に寄与する。
なお、図2、図4、及び図5に示す冷凍空調装置は、例えば、ルームエアコンやパッケージエアコン、給湯器、及び冷凍機のような定置式冷凍空調装置に適用できる。
また、この管状ヘッダーは管軸方向が鉛直方向となるように配置されているため、各貫通穴に流れる流体に働く重力に差が生じないため、流体を扁平管の各貫通穴へ適正に流すことができ、流体の温度効率を最大化、さらには圧力損失を最小化することができ、熱交換器の性能を増加させることができる。
また、熱交換器がコンパクトに構成できるとともに、封入する使用冷媒量の増加も抑制できるため、コンパクトで環境性の高い冷凍空調装置を提供することができる。
図6(a)は本発明の実施の形態2による熱交換器10を示す図であり、図6(a)は図1(b)と同様の方向からみた側面図、図6(b)は図6(a)のb−b線での断面図である。
図において、第1入口ヘッダー3、第1出口ヘッダー4、第2入口ヘッダー5(図示を省略)、第2出口ヘッダー6(図示を省略)の少なくともいずれか1つは、それぞれ両端が開口した管形状の管状ヘッダーであり(図6では全てのヘッダーが管状ヘッダー)、図6(b)に示すように、複数の扁平管1a,1b,1cの端部を円弧状に湾曲させるとともに、環状に並べて管状ヘッダーの開口端に接続し、この開口端の中央部には内壁50が形成されている。
なお、扁平管の管端は管状ヘッダー内部から見て内壁と面一でも、突き出したり引っ込めて接続されていても良い。
また、第1入口ヘッダー3の両開口端の間、即ち、第1入口ヘッダー3の内部には、流路断面積が前後の流路断面積より小さいオリフィス51が設けられている。その他の構成は、実施の形態1と同様のため説明を省略する。
なお、オリフィス51は第1入口ヘッダー3のみならず、その他のヘッダーに設けても同様の効果が得られる。
なお、図7では第1扁平管1a,1bを2本で構成したが、本数は1本のものでも3本以上のものでも良い。
図8に示す管状ヘッダーは、一端において、管外周を径方向に変形させて、扁平管が接続される開口部52a,52b,52cを設けるとともに、中央部を接合して内壁50を形成している。
管状ヘッダーをこのように構成することにより、ヘッダー構造が簡素化でき、より一層コンパクトになるとともに、製造過程においても大幅な簡素化を図ることができる。
なお、図9においては、左側の開口端に扁平管が接続される。
また、オリフィス51により流体を増速させて中心部に衝突させることができるため、増速及び衝突の際に、気液の混合がさらに促進され、各貫通穴への均等分配性を高めることができ、流体の温度効率を最大化、さらには圧力損失を最小化することができ、熱交換器の性能を増加させることができる。
図10は本発明の実施の形態3による熱交換器10を示す図であり、図10(a)は正面図、図10(b)は図10(a)のb−b線での断面図、図10(c)は図10(a)のc−c線での断面図である。
図において、第1扁平管1及び第2扁平管2はそれぞれ低温流体及び高温流体が流れる複数の貫通穴を有しており、扁平な面で互いに接触するように、かつそれぞれの長手方向(第1扁平管と第2扁平管とが接触する面における各流体の流れ方向:L1方向とL2方向)が直交するように、交互に積層され、ロウ付け等で接合されている。
第1扁平管1は6本の扁平管1a,1b,1c,1d,1e,1fからなり、扁平管1a,1b,1c、及び扁平管1d,1e,1fは、それぞれ扁平な面に沿って、扁平管1の幅方向(流れ方向に直交する方向:W1方向)に並んでいる。また、扁平管1a,1b,1cと扁平管1d,1e,1fとは積層方向(S方向)に並んで配置されている。また、各扁平管1a,1b,1c,1d,1e,1fの上下端同士は第1入口ヘッダー管3及び第1出口ヘッダー4に接続され、並列流路を構成する。
第2扁平管2は長手方向(L2方向)で折返して3段に積層され、両端はそれぞれ第2入口ヘッダー5及び第2出口ヘッダー6と接続されている。
また、第1扁平管の長手方向(L1方向)の長さは第2扁平管の長手方向(L2方向)の長さより短くしている。
また、図10では、6本の第1扁平管のそれぞれの貫通穴の流路断面積または数は全て同じであるが、第2扁平管2の出口側と接触する扁平管ほど、貫通穴の流路断面積または数を大きくしてもよい。
同様に、第2扁平管2の貫通穴の流路断面積または数は、第1扁平管1の入口側と接触する側ほど大きくしてもよい。
さらに、各ヘッダー3〜6はそれぞれ接続配管3a、4a、5a、6aと接続されている。
また、第1扁平管の幅または長さと、第2扁平管の幅または長さとを異なる構成にすることができるので、低温流体と高温流体の種類に応じて扁平管の長さ及び幅を変え、それぞれの流体の温度効率を最大化、さらには圧力損失を最小化することができ、熱交換性能の増加、また流体を熱交換器に送り循環させるための駆動装置の動力増加を抑制できる。
また、積層方向に並んだ複数の扁平管もその端部同士が比較的近接しているので、管状ヘッダーに接続する際、各扁平管の端部を積層方向に曲げることにより、扁平管の端部を一箇所に束ねるための配管の取り回しが容易となり、熱交換器全体をコンパクトに構成することができる。
また、本実施の形態では、6本の第1扁平管1と、折返して構成された1本の第2扁平管2により積層方向に5層積層された熱交換器を示したが、積層方向に並ぶ第1扁平管の数、及び扁平な面に沿って並ぶ第1扁平管の数は本実施の形態の数に限ることはない。
また、積層方向にのみ並ぶ複数の第1扁平管により並列流路を構成してもよいし、扁平な面に沿って並ぶ複数の第1扁平管のみで並列流路を構成し、扁平な面に沿って並ぶ該複数の第1扁平管を積層方向に折返す構成としても良い。
さらに、第2扁平管2に対しても、第1扁平管と同様の構成とし、第1扁平管と第2扁平管の両方が、扁平な面に沿って並んだ、あるいは積層方向に並んだ並列流路としてもよい。
第2扁平管2を並列流路とした場合には、第1扁平管1と同様、第2入口ヘッダー5または第2出口ヘッダー6を管状ヘッダーとするとよい。
また、貫通穴の形状は矩形であるが、円形でもよく、また、内面に突起物を形成することにより伝熱面積を大きくして、熱交換特性をさらに向上させることもできる。
また、本実施の形態の熱交換器を用いれば、第2扁平管2の貫通穴の流路断面積または数を、第1扁平管1の入口側と接触する扁平管ほど大きくして、第1扁平管1の入口側と接触する扁平管ほど高温冷媒が多く流れるように構成することができるので、第2扁平管2を流れる高温冷媒の多くの流量を、冷却性能が高い第1扁平管1の入口側を流れる低温冷媒と熱交換させることができるため、熱交換性能を上げることができる。
図11は本発明の実施の形態4による熱交換器10を示す図であり、図11(a)は斜視図、図11(b)は図11(a)のb−b線での断面図である。
図において、第1扁平管1及び第2扁平管2はそれぞれ低温流体及び高温流体が流れる複数の貫通穴を有しており、扁平な面で互いに接触するように、かつそれぞれの長手方向(第1扁平管と第2扁平管とが接触する面における各流体の流れ方向:L方向)が並行になるように、ロウ付け等で接合されている。
また、各扁平管を、アルミニウム合金、銅及び銅合金のような比較的延性の大きな材質、または肉薄の可とう性部材で構成すれば、第1扁平管1及び第2扁平管2は共に、長手方向(L方向)を揃えて並行に、扁平な面で接合されており、またヘッダーは両端に接続されているので、長手方向(L方向)に直交する方向に対し自在に折返せる構成となっている。図11では、第1扁平管と第2扁平管とを3段に折返すことにより第1扁平管と第2扁平管とを積層した構成であり(積層方向:S方向)、第1扁平管1の両端はそれぞれ第1入口ヘッダー3及び第1出口ヘッダー4に、第2扁平管2の両端はそれぞれ第2入口ヘッダー5及び第2出口ヘッダー6に接続されている。
また、第1扁平管1は扁平面に沿って並んだ3本の扁平管1a,1b,1cからなり、並列流路を構成する。
また、第1入口ヘッダー3は、実施の形態1及び実施の形態2に示した管状ヘッダーとなっている。第1出口ヘッダー4、第2入口ヘッダー5、及び第2出口ヘッダー6は、管軸方向と扁平管の扁平な面とが並行になるようにして、各扁平管をヘッダー側面に接続するヘッダーである。
その他の構成は、実施の形態3と同様のため、説明を省略する。
また、第1扁平管に接続される第1ヘッダーと第2扁平管に接続される第2ヘッダーとは、共に各扁平管の両端部にのみ設ければよいので、ヘッダー同士が干渉することがない。
また、低温流体と高温流体の流れの向きを対向させることができるため、温度効率が増加し、熱交換性能を増加させることができる。
また、第1扁平管及び第2扁平管の少なくともいずれか一方(図11では第1扁平管のみ)は、扁平面に沿って並んだ複数の扁平管により並列流路を構成しているので、圧力損失を増大させること無く、流体流量を増加させて熱交換特性を増大させることができる。また、熱交換器に流体を送り循環させるための駆動装置の動力増加を招くことがない。
また、並列流路を構成する扁平管に接続される入口ヘッダーまたは出口ヘッダーのいずれかは管状ヘッダーであるので(図11では第1入口ヘッダーのみ)、実施の形態3と同様の効果を奏する。
本実施の形態の熱交換器は、例えば長手方向を比較的剛性が小さい積層方向に自在に曲げることができるため、冷凍空調装置の室外ユニット内に実装する場合、圧縮機などの容器類のシェル周りに沿わせて配置したり、容器や配管との間の隙間スペースに配置することができ、装置への実装効率が上がり、装置全体の小型化に寄与する。
図12は本発明の実施の形態5による熱交換器10を示す図であり、図12(a)は正面図、図12(b)は図12(a)のb−b線での断面図、図12(c)は図12(a)のc−c線での断面図である。
図において、第1扁平管1及び第2扁平管2はそれぞれ低温流体及び高温流体が流れる複数の貫通穴を有しており、扁平な面で互いに接触するように、かつそれぞれの管内を流れる流体の流れ方向(L1方向、L2方向)が直交するように、3以上の複数の積層数(図12では6)で交互に積層され、ロウ付け等で接合されている。
第1扁平管1は3本の扁平管1a,1b,1cからなり、扁平管1a,1b,1cは積層方向(S方向)に並んで配置され、各扁平管の上下端同士は第1入口ヘッダー管3及び第1出口ヘッダー4に接続され、並列流路を構成する。
第2扁平管2は長手方向(L2方向)で折返して3段に積層され、両端はそれぞれ第2入口ヘッダー5及び第2出口ヘッダー6と接続されている。
また、各ヘッダーはそれぞれ接続配管3a、4a、5a、6aと接続されている。
また、図12では、3本の第1扁平管の貫通穴の流路断面積または数は全て同じであるが、第2扁平管2の出口側と接触する扁平管ほど、貫通穴の流路断面積または数を大きくしてもよい。
同様に、第2扁平管2の貫通穴の流路断面積または数は、第1扁平管1の入口側と接触する側ほど大きくしてもよい。
また、貫通穴の形状は矩形であるが、円形でもよく、また、内面に突起物を形成することにより伝熱面積を大きくして、熱交換特性をさらに向上させることもできる。
また、銅及び銅合金製の接続配管3a〜6aを設けることにより、外部の銅配管との取り付けがさらに容易となる。
また、3000番台や6000番台の比較的高強度のアルミニウム合金では肉厚をさらに薄くできるため、より小型、低コスト化を図ることができる。
また、本実施の形態の熱交換器を用いれば、第2扁平管2の貫通穴の流路断面積または数を、第1扁平管1の入口側と接触する貫通穴ほど大きくして、第1扁平管1の入口側と接触する貫通穴ほど高温冷媒が多く流れるように構成することができるので、第2扁平管2を流れる高温冷媒の多くの流量を、冷却性能が高い第1扁平管1の入口側を流れる低温冷媒と熱交換させることができるため、熱交換性能を上げることができる。
また、熱交換器がコンパクトに構成できるとともに、封入する使用冷媒量の増加も抑制できるため、コンパクトで環境性の高い冷凍空調装置を提供することができる。
図13は本発明の実施の形態6による熱交換器を示す図であり、図13(a)は斜視図、図13(b)は図13(a)のb−b線での断面図である。
図において、第1扁平管1及び第2扁平管2はそれぞれ低温流体及び高温流体が流れる複数の貫通穴を有しており、扁平な面で互いに接触するように、かつそれぞれの長手方向(第1扁平管と第2扁平管とが接触する面における各流体の流れ方向:L方向)が並行になるように、ロウ付け等で接合されている。
また、各扁平管を、アルミニウム合金、銅及び銅合金のような比較的延性の大きな材質、または肉薄の可とう性部材で構成すれば、第1扁平管1及び第2扁平管2は共に、長手方向(L方向)を揃えて並行に、扁平な面で接合されており、またヘッダーは両端に接続されているので、長手方向(L方向)に直交する方向に対し自在に折返せる構成となっている。図13では、第1扁平管と第2扁平管とを3段に折返すことにより第1扁平管と第2扁平管とを積層方向に6層積層した構成であり(積層方向:S方向)、第1扁平管1の両端はそれぞれ第1入口ヘッダー3及び第1出口ヘッダー4に、第2扁平管2の両端はそれぞれ第2入口ヘッダー5及び第2出口ヘッダー6に接続されている。
また、第1入口ヘッダー3、第1出口ヘッダー4、第2入口ヘッダー5、及び第2出口ヘッダー6は、管軸方向と扁平管の扁平な面とが並行になるようにして、各扁平管をヘッダー側面に接続するヘッダーである。
また、第1扁平管に接続される第1ヘッダーと第2扁平管に接続される第2ヘッダーとは、共に各扁平管の両端部にのみ設ければよいので、ヘッダー同士が干渉することがない。
また、低温流体と高温流体の流れの向きを対向させることができるため、温度効率が増加し、熱交換性能を増加させることができる。
第1ヘッダー入口3に気液二相状態の低温流体が流入する場合は、第1扁平管内の流れが鉛直下向きになるように配置する方が望ましく、この場合、重力分離により第1入口ヘッダー内に液面が形成されやすく、第1扁平管の貫通穴のそれぞれに冷媒が均等分配されやすくなる。
図14は本発明の実施の形態7による熱交換器を示す図であり、図14(a)は斜視図、図14(b)はxz面での断面図、図14(c)はxy面での断面図である。
図において、第1扁平管1及び第2扁平管2はそれぞれ低温流体及び高温流体が流れる複数の貫通穴を有しており、長手方向(第1扁平管と第2扁平管とが接触する面における各流体の流れ方向:L方向)が並行になるように一体成形されている。一体成形された第1扁平管1及び第2扁平管2は、アルミニウム合金、銅及び銅合金のような比較的延性の大きな材質、または肉薄の可とう性部材で構成されており、長手方向途中で折り曲げて3段で構成されている。また、一体成形された第1扁平管1及び第2扁平管2の両端には、扁平管の扁平な面と管軸方向とが並行になるようにして、管状部材が接続されており、管状部材の内部に長手方向に仕切板52を挿入することにより、第1入口ヘッダー3と第2出口ヘッダー6とが仕切板52を介して隣接配置され、第1出口ヘッダー4と第2入口ヘッダー5とが仕切板52を介して隣接配置された構成となっており、第1扁平管1の両端で第1入口ヘッダー3及び第1出口ヘッダー4が接続され、第2扁平管2の両端で第2入口ヘッダー5及び第2出口ヘッダー6が接続されている。
第1扁平管の流路と第2扁平管の流路が一体となった管は、例えばアルミニウムの押出し成形により加工することができる。
また、扁平管の一体成形、ヘッダーの一体化により、一層コンパクトとなるとともに、製造の大幅な簡素化を図ることができる。
図15は本発明の実施の形態8による熱交換器を示す図であり、図15(a)は斜視図、図15(b)はxz面での断面図、図15(c)はyz面での断面図である。
実施の形態6の第1扁平管1と第2扁平管2に相当する複数の貫通穴を有した流路をそれぞれ3段、合計6段配列して一体成形された多孔管60と、多孔管60の両端に設けられた第1ヘッダー体61、第2ヘッダー体62とから構成されている。第1ヘッダー体61は、内部に多孔管の1段目〜4段目と、5段目と、6段目とを仕切る仕切板、並びに多孔管の5段目及び6段目の流路にそれぞれ連通するように接続された第1出口管611及び第2入口管612を備えている。第2ヘッダー体62は、多孔管の1段目と、2段目と、3段目〜6段目とを仕切る仕切板、並びに多孔管の1段目及び2段目の流路にそれぞれ連通するように接続された第1入口管621及び第2出口管622を備えている。また、第1ヘッダー体61に内蔵され多孔管60の2段目と3段目の流路を連通させる第1カバー613、第2ヘッダー体62に内蔵され多孔管60の3段目と6段目の流路を連通させる第2カバー623が設けられている。
また、ここでは一体成形された多孔管60の場合を示したが、第1扁平管及び第2扁平管を積層させて多孔管を構成してもよい。
また、ここでは、各段の流路を構成する貫通穴が一列になっている場合を示したが、貫通穴は一列である必要はなく、複数の列をなしていてよい。
図16は本発明の実施の形態9による熱交換器を示す図であり、図16(a)は斜視図、図16(b)はyz面での断面図、図16(c)は多孔管の詳細図である。
実施の形態6の第1扁平管1と第2扁平管2とに相当する複数の貫通穴を有した流路をそれぞれ3段、合計6段配列して一体成形された多孔管60と、多孔管60の両端に設けられた第1ヘッダー体61、及び第2ヘッダー体62から構成される。
また、第1ヘッダー体61及び第2ヘッダー体62に内蔵され、多孔管60の1、3、5段目の流路と連通するようにそれぞれ接続された第1内部ヘッダー631及び第2内部ヘッダー632を備え、さらに、第1内部ヘッダー631及び第2内部ヘッダー632には、それぞれ高温流体を外部に取り出す第2入口管612、第2出口管622が接続されている。
また、ここでは一体成形された多孔管の場合を示したが、第1扁平管及び第2扁平管を積層させて多孔管を構成してもよい。
図17は本発明の実施の形態10による熱交換器を示す図であり、図17(a)は斜視図、図17(b)はxy面での断面図である。
第1扁平管1及び第2扁平管2はそれぞれ低温流体及び高温流体が流れる複数の貫通穴を有しており、扁平な面で互いに接触するように、かつそれぞれの長手方向(第1扁平管と第2扁平管とが接触する面における各流体の流れ方向:L方向)が並行になるように、交互に積層され、ロウ付け等で接合されている。
第1扁平管1は積層方向(S方向)に並んだ3本の第1扁平管1a,1b,1c、第2扁平管2は積層方向(S方向)に並んだ3本の第2扁平管2a,2b,2cからなり、第1扁平管1a,1b,1cの両端と第2扁平管2a,2bの両端とが積層方向から見て重ならないように、第1扁平管1a,1b,1cと第2扁平管2a,2b,2cとは、両端部が扁平な面に沿ってそれぞれ所定角度曲がっている。即ち、第1扁平管1a,1b,1cの両端部と第2扁平管2a,2b,2cの両端部とを、それぞれ長手方向(L方向)と積層方向(S方向)とのいずれにも直交する方向(W方向)に、かつ第1扁平管1の両端と第2扁平管2の両端とが互いに交差しないように曲げて構成されている。
また、第1扁平管1a,1b,1cは両端部でそれぞれ第1入口ヘッダー3と第1出口ヘッダー4とに接続され、並列流路を構成する。
また、第2扁平管2a,2b,2cは両端部でそれぞれ第2入口ヘッダー5と第2出口ヘッダー6とに接続され、並列流路を構成する。
さらに、第1扁平管1の貫通穴の流路断面積(流体の流れ方向と垂直な断面積)または数を第2扁平管2より大きく構成し、第1扁平管1の全流路面積は第2扁平管より大きくしてある。
また、第1扁平管と第2扁平管の幅方向だけでなく積層方向にも大きくできるため、圧力損失の増大により流体を熱交換器に送り循環させるための駆動装置の動力増加を招くことなく、低温流体及び高温流体の流量を増加させて熱交換特性を増大させることができる。
また、製造時ロウ付け等により扁平管やヘッダーを接合する際の加工の簡素化を図ることができる。
また、ここでは、第1扁平管1及び第2扁平管2の貫通穴が一列になっている場合を示したが、貫通穴は一列である必要はなく、複数の列をなしていてよい。
第1ヘッダー入口3に気液二相状態の低温流体が流入する場合は、第1扁平管内の流れが鉛直下向きになるように配置する方が望ましく、この場合、重力分離により第1入口ヘッダー内に液面が形成されやすく、第1扁平管の貫通穴のそれぞれに冷媒が均等分配されやすくなる。
また、第1扁平管と第2扁平管との少なくとも一方の扁平管を、扁平な面に沿って並んだ、または積層方向に並んだ複数の扁平管で構成したので、圧力損失を増大させること無く、流体流量を増加させて熱交換特性を増大させることができる。
また、並列流路を構成する扁平管に接続される入口ヘッダーまたは出口ヘッダーのいずれかを管状ヘッダーとし、並列流路を構成する複数の扁平管を束ねて、管状ヘッダーの開口端に、管状ヘッダーの管軸方向と並列流路を構成する複数の扁平管内の流体の流れ方向とが同一方向となるようにして接続すれば、上記開口端における各扁平管の貫通穴は、管状ヘッダーの他方の開口端から流入または流出する流体に対し、ほぼ均等に配置されるため、各貫通穴に対する流路抵抗差は小さくなり、流体が均等に分配または混合されるので、各扁平管における流量が均一化でき、熱交換性能が向上する。
また、第1扁平管と第2扁平管との少なくとも一方の扁平管を、扁平な面に沿って並んだ複数の扁平管で構成し、上記複数の扁平管が並列流路を構成するようにすれば、圧力損失を増大させること無く、流体流量を増加させて熱交換特性を増大させることができる。 また、上記並列流路を構成する扁平管に接続される入口ヘッダーまたは出口ヘッダーのいずれかを管状ヘッダーとし、並列流路を構成する複数の扁平管を束ねて、管状ヘッダーの開口端に、管状ヘッダーの管軸方向と並列流路を構成する複数の扁平管内の流体の流れ方向とが同一方向となるようにして接続すれば、上記開口端における各扁平管の貫通穴は、管状ヘッダーの他方の開口端から流入または流出する流体に対し、ほぼ均等に配置されるため、各貫通穴に対する流路抵抗差は小さくなり、流体が均等に分配または混合されるので、各扁平管における流量が均一化でき、熱交換性能が向上する。
また、第1扁平管と第2扁平管との少なくとも一方の扁平管を、積層方向に並んだ複数の扁平管で構成し、上記複数の扁平管が並列流路を構成するようにしたので、圧力損失を増大させること無く、流体流量を増加させて熱交換特性を増大させることができる。
また、上記複数の扁平管の両端を、第1扁平管の両端と第2扁平管の両端とが互いに交差しないように、各流体の流れ方向と積層方向とのいずれにも直交する方向に曲げて構成するので、第1扁平管と第2扁平管とを、流れ方向が並行となるように交互に積層しても、各扁平管の両端に接続されるヘッダーが干渉することがない。
また、並列流路を構成する扁平管に接続される入口ヘッダーまたは出口ヘッダーのいずれかを管状ヘッダーとし、並列流路を構成する複数の扁平管を束ねて、管状ヘッダーの開口端に、管状ヘッダーの管軸方向と並列流路を構成する複数の扁平管内の流体の流れ方向とが同一方向となるようにして接続すれば、上記開口端における各扁平管の貫通穴は、管状ヘッダーの他方の開口端から流入または流出する流体に対し、ほぼ均等に配置されるため、各貫通穴に対する流路抵抗差は小さくなり、流体が均等に分配または混合されるので、各扁平管における流量が均一化でき、熱交換性能が向上する。
Claims (13)
- 低温流体が流れる貫通穴を有する扁平状の第1扁平管と、高温流体が流れる貫通穴を有する扁平状の第2扁平管と、上記第1扁平管の両端にそれぞれ接続された第1入口ヘッダー及び第1出口ヘッダーと、上記第2扁平管の両端にそれぞれ接続された第2入口ヘッダー及び第2出口ヘッダーとを備えた熱交換器であって、上記第1扁平管と上記第2扁平管とは、扁平な面で互いに接触するように、かつ上記低温流体の流れ方向と上記高温流体の流れ方向とが並行となるように、かつ上記第1扁平管の上記第2扁平管に接触しない扁平な面どうしが上記第2扁平管を介さずに互いに対向する状態で、且つ、上記第2扁平管の上記第1扁平管に接触しない面どうしが上記第1扁平管を介さずに互いに対向する状態で折返され、3以上の複数の積層数で積層配置され、
上記第1扁平管と上記第2扁平管との少なくとも一方の扁平管を、扁平な面に沿って並んだ複数の扁平管で構成し、該複数の扁平管と、該複数の扁平管の両端にそれぞれ設けた入口ヘッダー及び出口ヘッダーとにより並列流路を構成すると共に、上記入口ヘッダーまたは上記出口ヘッダーのいずれかを、両端が開口した管状ヘッダーで構成し、上記並列流路を構成する複数の扁平管を束ねて、上記管状ヘッダーの開口端に、上記管状ヘッダーの管軸方向と上記並列流路を構成する複数の扁平管内の流体の流れ方向とが同一方向となるようにして接続したことを特徴とする熱交換器。 - 第1の扁平管および第2の扁平管の両端部は、それら第1扁平管および第2扁平管を積層してなる積層部の対角に配置したことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 第1扁平管と第2扁平管とは、可とう性部材により構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の熱交換器。
- 第1入口ヘッダーまたは第1出口ヘッダーと、第2入口ヘッダーまたは第2出口ヘッダーとは、管状部材により一体成形され、上記管状部材の内部に設けられた仕切り板を介して隣接していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
- 第1扁平管及び第2扁平管は、それぞれ複数の貫通穴を有し、上記第1扁平管の貫通穴と上記第2扁平管の貫通穴とは、数、流路断面積、配列ピッチの少なくとも一つが異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
- 低温流体及び高温流体の少なくとも一方は、気液二相状態の流体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換器。
- 低温流体及び高温流体の少なくとも一方は、気液二相状態の流体であり、第1扁平管または第2扁平管内を流れる上記気液二相状態の流れ方向が、鉛直方向となるように、第1扁平管または第2扁平管を配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱交換器。
- 並列流路を構成する複数の扁平管は、各扁平管の端部を円弧状に湾曲させて環状に並べ、管状ヘッダーの開口端に接続したことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 管状ヘッダーの内部に、流路断面積が前後の流路断面積より小さいオリフィスを設けたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 低温流体及び高温流体の少なくとも一方は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱交換器。
- 第1扁平管または第2扁平管をアルミニウム合金で構成し、各ヘッダーを鉄鋼で構成したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱交換器。
- 低温流体が流れる貫通穴を有する扁平状の第1扁平管と、高温流体が流れる貫通穴を有する扁平状の第2扁平管と、上記第1扁平管の両端にそれぞれ接続された第1入口ヘッダー及び第1出口ヘッダーと、上記第2扁平管の両端にそれぞれ接続された第2入口ヘッダー及び第2出口ヘッダーとを備えた熱交換器であって、上記第1扁平管と上記第2扁平管とは、扁平な面で互いに接触するように、かつ上記低温流体の流れ方向と上記高温流体の流れ方向とが並行となるようにして折返され、3以上の複数の積層数で積層配置され、第1扁平管と第2扁平管との少なくとも一方の扁平管を、扁平な面に沿って並んだ複数の扁平管で構成し、該複数の扁平管と、該複数の扁平管の両端にそれぞれ設けた入口ヘッダー及び出口ヘッダーとにより並列流路を構成すると共に、上記入口ヘッダーまたは上記出口ヘッダーのいずれかを、両端が開口した管状ヘッダーで構成し、上記並列流路を構成する複数の扁平管を束ねて、上記管状ヘッダーの開口端に、上記管状ヘッダーの管軸方向と上記並列流路を構成する複数の扁平管内の流体の流れ方向とが同一方向となるようにして接続し、並列流路を構成する複数の扁平管は、各扁平管の端部を円弧状に湾曲させて環状に並べ、管状ヘッダーの開口端に接続したことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱交換器を用いた冷凍空調装置。
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