JP5141633B2 - 画像処理方法及びそれを用いた画像情報符号化装置 - Google Patents
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Description
その後、原画像解像度面において、階層ベクトルを中心とする小領域を動き探索(以下Refine(リファイン)と記載する)することで所望の動きベクトルを得る。
フレームメモリから参照画像データを転送して、リファイン処理装置の処理能力に応じたサーチエリア(±X,±Y)の固定領域を探索するのが一般的である。
しかしながら、この引用文献1には、階層ベクトルを用いたリファインにおけるメモリのサーチエリアをワード単位としてアクセスまたはサーチすることを開示していない。
ところで、上述のとおりフレームメモリへのアクセスはワード単位で行うため、サーチエリアと階層ベクトルの値により、アクセスはするがリファイン処理には使用しないデータが存在する。
1.第1の実施形態(第1のリファインサーチ方法)
2.第2の実施形態(第2のリファインサーチ方法)
3.第3の実施形態(リファイン装置を用いた画像情報符号化装置)
[第1のリファインサーチの方法]
第1の実施形態であるリファインサーチ方法について説明する。ここで、リファインは、原画像解像度面上において、階層ベクトルを用いた精(ファイン)動きベクトルの探索のことを示す。なお、階層ベクトルは粗動きベクトルとも称する。
例えば縮小画面において、ブロックマッチングにより粗動きベクトルを求める。その後、この粗動きベクトルを用いて原画像解像度面でリファインサーチを行う。
次に、階層サーチの1例を示す。
入力画像と参照画像を縮小した画像データを用いて、縮小した画像面の特定した画像ブロックを所定サーチエリアの範囲で1画素ずつずらして差分の絶対値をとる。これを繰り返すことにより、差分絶対値の総和の一番小さい値からベクトル値を求める。
Sum(x,y)=Σi=0,3Σj=0,3{abs(ri,j−ci,j)}
・・・(1)
として、サーチ位置(x,y)における差分絶対値の総和が求まる。ここでabs{ }は{ }の絶対値を表す。
MVx,y=minSum(x,y) ・・・(2)
から求まる。
ここで、式(2)の右辺は、差分の絶対値の総和Sum(x,y)が最小となる時の(x,y)を示す。
Sum(0,0)=|r0−c0|+|r1−c1|+|r2−c2|+|r3−c3|+|r8−c4|+・・・+|r27−c15|
・・・・(3)
Sum(0,1)=|r1−c0|+|r2−c1|+|r3−c2|+|r4−c3|+|r9−c4|+・・・+|r28−c15|
・・・・(4)
・・・
Sum(3,3)=|r27−c0|+|r28−c1|+|r29−c2|+|r30−c3|+|r35−c4|+・・・+|r54−c15|
・・・・(5)
となる。
例えば、上記Sum(0,0)〜Sum(3,3)の中で、Sum(2,3)が最小であると、粗動きベクトルVMx,yはVM2,3となる。
このような操作を行い、1フレーム内のm×nブロックの(0,0)〜(n−1,m−1)について粗動きベクトルを探索する。
次に、縮小画面で求めた階層ベクトル(粗動きベクトル)MVx,yを用いて、原画像解像度面におけるリファインについて説明する。
次に、参照画面データを記憶するメモリのアドレス配列について説明する。図3に、このメモリのアドレスを平面状にマップ化した例を示す。メモリは、一般に半導体記憶装置で構成され、例えば、SDRAM(Static Dynamic Random Access Memory)、DRAM等で構成される。
メモリマップにおいて、ワード単位の境界を縦線で示し、1つの囲まれた領域は8×1ピクセルを示す1ワード単位を示し、太線の点線で囲まれた領域をサーチエリアeとし、実線で囲まれた領域をサーチセンターの画像ブロック(エリア)fとする。
図3において、メモリのアドレスを視覚的に理解し易くするために座標表示してマップ化した例を示す。メモリマップにおいて、X座標をan−24,an−23,・・・,an,an+1,・・・,an+31、Y座標をbn−6,bn−5,・・・,bn,bn+1,・・・,bn+25とする。また、この座標に対するメモリのアドレスを(an−24,bn−6)〜(an+31,bn+25)とし、X(座標)方向に8×1ピクセル単位の境界に縦線を設けて見やすくした。この例では、X方向のアクセス単位を8×1ピクセルとしたが、この単位はこれに限定されるものではなく、例えば4×2ピクセルのように1ワードに格納するピクセルの単位で構成されても良い。
図3(a)の場合、サーチエリアeは(an−10,bn−4)〜(an+25,bn+19)の範囲であり、画像エリアfのX座標の開始アドレスがanであるので、8×1ピクセル単位に一致しているので、「余り」が無い。
次に、リファインにおけるメモリのサーチ方法について図3(a)〜(d)について説明する。
図3(a)において、画像エリアfのアドレスは(an,bn)〜(an+15,bn+15)の範囲を示す。サーチ領域(サーチエリアとも記載する)eを画像エリアfよりX方向に±10、Y方向に±4と設定する場合、サーチエリアeのアドレスは(an−10,bn−4)〜(an+25,bn+19)となる。
しかしながら、不図示の制御装置でメモリをワード単位でアクセスする場合、X座標のアドレスは、an−16,an−8,an,・・・,an+32,・・・となる。
ところが、リファイン時は、塗りつぶされたエリア(領域)d,hはサーチする必要はない。このために、リファイン時に、サーチされない領域までアクセスする不利益がある。
図3(a)においては、例えば、メモリをサーチするアドレスを(an−8,bn−4)〜(an+23,bn+19)とする。この結果、サーチエリアeは、従来のサーチエリアeより狭い領域となる。すなわち、(an−16,bn−4)〜(an−9,bn+19)の領域と(an+24,bn−4)〜(an+31,bn+19)の領域はサーチしない。
これ以外にも、圧縮効率との兼ね合いであるが、サーチエリアを、メモリマップのX座標を8×1ピクセル単位で変更してよい。例えば、(an−8,bn−4)〜(an+31,bn+19)、(an−16,bn−4)〜(an+23,bn+19)としてもよい。
サーチエリアを設定する場合、ただサーチエリアを狭めればいいというわけではなく、リファインサーチエリアが規定される領域より狭ければ圧縮性能が落ちてしまうことになる。
固定リファインのX方向のan−10からan−9のようにサーチの対象が狭い場合に、an+16からan+9のデータアクセスを止めることでメモリアクセスによる消費電力の削減を実現するのと同時にリファイン処理の高速化が実現できる。
図3(c)の場合、サーチエリアeのX座標の終端のアドレスはan+23で8×1ピクセル単位の整数倍となっているが、サーチエリアeの開始アドレスがワード単位と一致していないので、X座標のアドレスan−8以下のみを探索しないようにする。
また、図3(d)において、サーチエリアeのX座標の開始のアドレスはan−16で8×1ピクセル単位の整数倍となっているが、サーチエリアeの終了アドレスが8×1ピクセル単位と一致していないので、X座標のアドレスan+16以上の領域を探索しないようにする。
このように、階層ベクトルを用いてリファイン処理を行うときに、メモリを8×1ピクセル単位でサーチすることにより、メモリアクセスの低減による消費電力の削減と短時間での動き探索することができる。
上述のように、本発明は、リファインサーチが固定サーチエリアで指定される場合に、1ワード内に含まれるサーチ対象ピクセルの割合に応じてそのワード列へのアクセスを取り止めるようにした。
[第2のリファインサーチ方法]
次に、図面を参照し、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、サーチポイントを飛び飛びでサーチしている様子を示していて、塗りつぶしたポイントはサーチしないことで、ポイント数を削減している。
リファインのセンター(=(an,bn)に対して、飛び飛びでサーチするポイントの領域を、X(座標)方向成分マイナス16(an−16)からマイナス7(an−7)の範囲を示す。具体的には、図4(a)のメモリマップでは、(an−16,bn−4)、(an−14,bn−4)、(an−12,bn−4)、・・・、(an−16,bn+4)、・・・、(an−8,bn+4)と飛び飛びにサーチする。
また、X(座標)方向のプラス7(an+7)からプラス16(an+16)に対して、(an+7,bn−4)、(an+9,bn−4)、・・・、(an+7,bn+4)、・・・、(an+15,bn+4)と飛び飛びのポイントをサーチする。
この領域は、階層ベクトルが指し示すサーチセンター(an,bn)=(0,0)から遠い領域を表現している。それ以外の領域(an−6,bn−4)、・・・、(an+6,bn+4)については、全てのポイントをサーチする。
図4(b)において、メモリマップで(an−16,bn−4)〜(an−13,bn+4)の領域と(an+5,bn−4)〜(an+8,bn+4)の領域は飛び飛びにサーチする。一方、(an−12,bn−4)〜(an+4,bn+4)の領域では全てのポイントについてサーチする。
以下、図4(c),(d)においても、上述したサーチ操作と同様な動作を行う。
例えば、図5(a)に示すように、サーチエリアeをサーチセンター(an,bn)に対して階層ベクトルの距離が等しい菱形の内域の全てのポイントを探索し、この菱形の外部領域を例えば1ポイント毎にサーチするようにしてもよい。また、これ以外に例えば、この菱形領域の外部域のサーチポイントを2(またはそれ以上)ポイント毎に飛び飛びにサーチしてもよい。
さらに、他の形状の例として、図5(b)に示す5角形でもよく、この外部領域を所定の画素毎に粗くサーチし、内部領域は、全ての画素について細かくサーチする。
このように、本発明は、階層ベクトル(粗動きベクトル)の大きさに応じて、設定された領域内は細かくサーチし、領域外は粗く、例えば飛び飛びにサーチするようにした。なお、形状はこれらに限定されるのもではなく、少なくとも領域を2つに分類することができればよく、他の多角形、円、楕円等であってもよい。
[画像処理装置の構成]
図6に示すように、画像情報符号化装置100は、A/D(アナログ/ディジタル)変換装置101、画面並べ替えバッファ102、加算器103、直交変換装置104、量子化装置105、可逆符号化装置106、蓄積バッファ107、逆量子化装置108、逆直交変換装置109、デブロックフィルタ110、フレームメモリ(フル解像度)111、間引き装置112、フレームメモリ(1/N2解像度)113、動き予測・補償装置(1/N2解像度)114、イントラ予測装置115、動き予測・補償装置(フル解像度)116並びにレート制御装置117で構成される。
次に、図6に示す画像情報符号化装置100の動作について説明する。
画像情報符号化装置100は、入力される画像信号Sinは、まず、A/D変換装置101においてディジタル信号に変換され、画面並べ替えバッファ102で、出力される画像圧縮情報のGOP構造に応じ、フレームの並べ替えが行われる。イントラ符号化が行われる画像に関しては、入力画像と、イントラ予測装置115により生成される画素値の差分情報が直交変換装置104に入力され、離散コサイン変換、カルーネン・レーベ変換等の直交変換が行われる。
参照画像情報は加算器103に送られ、画面並べ替えバッファ102から供給された画像情報と演算処理されて差分信号へ変換される。
また、動き予測・補償装置114では、フレームメモリ113に格納された画素値を用い、4×4ブロック、8×8ブロック、若しくは16×16ブロック等の画素ブロックを用いて、ブロックマッチングにより、当該ブロックに対する最適な粗動きベクトル情報の探索を行う。
ピクチャをフィールド符号化する際には、間引き処理は、第一フィールドと第二フィールドに分けて行う。
また、他のリファイン処理では、元画像解像度の参照画面を用いて、サーチ領域を少なくとも2個に分割してサーチセンターに近いエリアをすべてサーチし、遠いエリアを飛び飛びにサーチする。
また、この動き予測・補償装置116は、同時に動きベクトル情報を可逆符号化装置106に出力し、その情報は可変長符号化、算術符号化の可逆符号化処理が施されて、画像圧縮情報を形成する。
Claims (4)
- 画像圧縮情報を出力する画像圧縮情報装置における階層探索に基づく動きベクトルの探索を行う画像情報符号化方法であって、
複数のフレーム画像を所定の圧縮率で圧縮して下位の階層の複数の縮小画面を生成するステップと、
上記複数の縮小画面を用いて第1の動きベクトルを探索するステップと、
上記フレーム画像を記憶しているメモリ上でワードを単位として形成されるサーチエリアを切り替えるステップと、
上記切り替えられたサーチエリアで、上記第1の動きベクトルを用いて第2の動きベクトルを探索するステップと、
を有し、
上記第2の動きベクトルの探索において、1ワード内に占めるサーチ対象が占める割合により、当該ワードへのメモリアクセスを中止する、
画像情報符号化方法。 - 上記縮小画面を所定ビットのブロックに分割し、分割したブロックを用いて上記第1の動きベクトルを求める、
請求項1記載の画像情報符号化方法。 - 上記ブロックは、N×M画素(N,M=2nでnは正の整数)で構成される、
請求項2記載の画像情報符号化方法。 - 画像圧縮情報を出力する画像圧縮情報装置における階層探索に基づく動きベクトルの探索を行う画像情報符号化装置であって、
複数のフレーム画像を所定の圧縮率で圧縮して下位の階層の複数の縮小画面を生成する縮小画面生成装置と、
上記複数の縮小画面を用いて第1の動きベクトルを探索する第1の動き予測装置と、
上記フレーム画像を記憶しているメモリ上でワードを単位として形成されるサーチエリアを切り替え、当該切り替えられたサーチエリアで、上記第1の動きベクトルを用いて第2の動きベクトルを探索する第2の動き予測装置と、
を有し、
上記第2の動き予測装置は、上記第2の動きベクトルの探索において、1ワード内に占めるサーチ対象が占める割合により、当該ワードへのメモリアクセスを取りやめる、
画像情報符号化装置。
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