JP5141242B2 - 微細針状構造を備えた部材の製造方法、光学素子の製造方法及び微細針状構造を備えた部材の製造装置 - Google Patents

微細針状構造を備えた部材の製造方法、光学素子の製造方法及び微細針状構造を備えた部材の製造装置 Download PDF

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Description

この発明は、母材の表面に多数の微細針状構造を備えた部材を製造する方法と、この製造方法を利用して光学素子を製造する方法と微細針状構造を備えた部材を製造するための製造装置とに関する。
従来、微細針状構造を備えた部材としては、例えば、本発明者等により提案された光学素子などが知られている(下記、特許文献1参照)。この光学素子は、誘電体多層薄膜やナノ粒子膜等からなる反射防止膜を表面に設ける代わりに、光学素子の表面に円錐形等の微細な針形状の凸部を多数設けることで、優れた反射防止機能が得られるようにしたものである。
表面に微細針状構造を備えた部材を製造する方法としては、例えば、光学素子の母材の表面に、ランダムに点状微細エリアを設け、この微細エリア以外をドライエッチングすることで製造する方法が挙げられる。ランダムに点状微細エリアを設ける方法としては、スパッタリングにより光学素子の母材の表面にスパッタリング粒子を付着させる方法を採用することも可能であり、更に、スパッタリングとドライエッチングとを同時に行うこうとも可能である。
特開2005−99707号公報
しかしながら、微細針状構造を備えた部材では、多数の微細な針形状の凸部を出来るだけ均一な密度でランダムに形成することで、微細針状構造により得られる作用効果を向上することができる。ところが、多数の微細な針形状の凸部を均一な密度で設けるには手間を要し、特に、より大きな部材において多数の微細な針形状の凸部を均一な密度で設けることは容易でなかった。
そこで、この発明は、母材の大きさに拘わらず、多数の微細な針形状の凸部を均一な密度で設けることが容易な微細針状構造を備えた部材の製造方法を提供することを課題とする。また、大きさに拘わらず微細針状構造により得られる優れた反射防止特性を確保し易い光学素子製造方法を提供することを他の課題とし、そのような微細針状構造を備えた部材を製造するのに好適に使用可能な製造装置を提供することを別の課題とする。
上記課題を解決するこの発明の微細針状構造を備えた部材の製造方法は、プラズマが形成される空間に母材とスパッタリング材料とを露出して配置し、前記スパッタリング材料からのスパッタリング粒子を前記母材の被加工面に付着させつつ該被加工面をドライエッチングして、前記母材の前記被加工面に多数の微細針状構造を形成することにより、微細針状構造を備えた部材を製造する方法において、スパッタリング用電極とエッチング用電極とを対向して設け、前記スパッタリング用電極側に前記スパッタリング材料を配置すると共に前記エッチング用電極側に前記母材を配置することで、前記空間を介して前記スパッタリング材料と前記母材の前記被加工面とを対向させ、前記スパッタリング用電極に第1の高周波電力を印加すると共に、前記エッチング用電極に第2の高周波電力を印加して前記微細針状構造を形成することを特徴とする。
また、この発明の光学素子の製造方法は、光学素子用母材を所定形状に形成すると共に所定の表面精度に仕上げた後、該光学素子用母材の表面に請求項1乃至4の何れか一つに記載の製造方法により微細針状構造からなる反射防止表面構造を形成することを特徴とする。
また、この発明の製造方法により製造された光学素子は、前記の製造方法により形成された微細針状構造からなる反射防止表面構造を表面に備えている
また、この発明の微細針状構造を備えた部材の製造装置は、上記の微細針状構造を備えた部材の製造方法により微細針状構造を備えた部材を製造する装置であり、前記スパッタリング用電極には第1の高周波電力が印加可能であると共に、前記エッチング用電極には第2の高周波電力が印加可能に構成され、且つ、前記スパッタリング用電極側にスパッタリング材料が配置されると共に前記エッチング用電極側に母材が配置されると、前記スパッタリング材料と前記母材の前記被加工面とがプラズマが形成される空間を介して対向するように構成されたことを特徴とする。
この発明の微細針状構造を備えた部材の製造方法によれば、スパッタリング用電極とエッチング用電極とを対向して設け、スパッタリング用電極側にスパッタリング材料を配置すると共にエッチング用電極側に母材を配置することで、プラズマが形成される空間を介してスパッタリング材料と母材の被加工面とを対向させて加工を行うので、母材の大きさに拘わらず、スパッタリング材料からスパッタリング粒子を均一な密度で放出させて母材の被加工面に均一な密度で付着させ易い。しかも、スパッタリング用電極に第1の高周波電力を印加すると共にエッチング用電極に第2の高周波電力を印加するので、スパッタリング材料からスパッタリング粒子を放出して母材に付着させる速度と、母材のドライエッチングの速度とを調整し易くできる。そのため、母材の大きさに拘わらず、母材の被加工面全体に均一な密度で微細針状構造を形成することが可能である。
また、この発明の光学素子の製造方法によれば、光学素子用母材を所定形状に形成すると共に所定の表面精度に仕上げた後、この光学素子用母材の表面に前記のような製造方法により微細針状構造からなる反射防止表面構造を形成するので、微細針状構造を形成後に加工を行う必要がない。そのため、作製された微細針状構造に損傷を与えることがなく、微細針状構造の性状を維持することが可能で、大きさに拘わらず、優れた反射防止特性を有する光学素子を製造することが可能である。
また、この発明の製造方法により製造された光学素子によれば、前記製造方法により形成された微細針状構造からなる反射防止表面構造を表面に備えているので、大きさに拘わらず表面に均一な密度で微細針状構造からなる反射防止表面構造が存在するため、優れた反射防止特性を得やすい。
また、この発明の微細針状構造を備えた部材の製造装置によれば、スパッタリング用電極とエッチング用電極とが対向して設けられ、スパッタリング用電極に第1の高周波電力を印加可能であると共にエッチング用電極に第2の高周波電力を印加可能に構成され、しかも、スパッタリング用電極側にスパッタリング材料が配置されると共にエッチング用電極側に母材が配置されると、スパッタリング材料と母材の被加工面とがプラズマが形成される空間を介して対向するように構成されているので、母材の大きさに拘わらず、母材の被加工面全体に均一な密度で微細針状構造を形成することが可能である。
以下、この発明の実施の形態について説明する。
まず、この実施の形態において製造する微細針状構造を備えた部材とは、少なくとも一部の表面に微細な針形状の凸部がランダムに多数形成された部材である。例えば、各種のレンズ等の光透過部材、光吸収部材、光回折部材などのような光学素子などが挙げられる。光学素子の場合、光入射面や出射面となる表面全面に均一な密度で微細針状構造からなる反射防止表面構造が形成されている。
微細針状構造を備えた部材は、後述する反応性イオンエッチング(RIE)により加工可能な材料からなる。例えば、石英ガラス、シリコン基板、各種の樹脂材料等からなる。
微細針状構造を有する部材の形状は、用途に応じた精度で形成された外形形状を呈しており、板状であっても立体形状であってもよい。針形状の凸部の大きさや密度は、製造方法により適宜調整された条件に依存したものとなっている。特に限定されるものではないが、例えば、反射防止表面構造の場合、微細針状構造の凸部の長さは30nm〜1000nm、各凸部の配置間隔は5nm〜200nmのようなものである。
次に、このような微細針状構造を備えた部材を製造するための製造装置について説明する。図1は、この実施の形態の微細針状構造を備えた部材の製造装置を示す。
この微細針状構造を備えた部材の製造装置は、気密性を有する真空チャンバ16を備え、真空チャンバ16内にスパッタリング用電極13とエッチング用電極15とが対向して配置され、両電極13、15間にプラズマが形成される空間17が設けられている。
また、真空チャンバ16には、吸引路26と反応ガス導入路28とが接続されている。吸引路26には、図示しない真空ポンプ等が設けられており、真空チャンバ16内の気体や微粒子を吸引して排出可能となっている。稼働中に真空チャンバ16の内圧を、例えば、10Pa以下で維持可能に構成されている。
反応ガス導入路28には、図示しない反応ガス供給源が設けられており、真空チャンバ16内の減圧状態を維持しつつ、真空チャンバ16内に反応ガスを存在させることが可能となっている。稼働中に、反応ガスを所定分圧で維持可能に構成されている。なお、反応ガスについては後述する。
スパッタリング用電極13及びエッチング用電極15は、それぞれ平板状に形成されており、スパッタリング用電極13が上方に、エッチング用電極15が下方に、それぞれ水平に配置されて互いに平行となっている。
スパッタリング用電極13及びエッチング用電極15には、それぞれに高周波電力を発生する交流電源23、25が接続され、真空チャンバ16がアース27で接地されており、エッチング用電極15とスパッタリング用電極13とに、それぞれ独立に高周波電力が印加可能となっている。この実施の形態では、スパッタリング用電極13に印加される第1の高周波電力とエッチング用電極15に印加される第2の高周波電力とを、別々に調整可能に構成されている。
エッチング用電極15は、加工対象である母材OWを載置可能となっている。エッチング用電極15の大きさは、母材OWと同一又は母材OWより大きいことが好適である。母材OWの被加工面PRの全面に微細針状構造を均一な密度で形成し易いからである。
このエッチング用電極15は、真空チャンバ16との間に高周波電圧が印加されることで、低圧反応ガスを用いて空間17にプラズマを発生させると共に、プラズマ発生領域17aで生成されたイオンやラジカル等の活性種を母材OWの被加工面PRに衝突させて、母材OWのエッチングを行うためのものである。
スパッタリング用電極13は、スパッタリング材料が装着可能なものであってもよいが、ここでは、スパッタリング用電極13自体がスパッタリング材料により形成されている。構造を簡単にするためである。
このスパッタリング用電極13は、真空チャンバ16との間に高周波電圧が印加されることで、低圧反応ガスを用いて空間17にプラズマを発生させると共に、プラズマ発生領域17aで生成されたイオン等の活性種をスパッタリング用電極13の表面に衝突させて、スパッタリング粒子SPを放出させるためのものである。
スパッタリング用電極13は、エッチング用電極15上に載置された母材OWの被加工面PRの鉛直方向上方に、空間17を介して広い範囲で対向して配置されている。スパッタリング用電極13と母材OWの被加工面PRとの対向させる面積は母材OWの大きさに応じて適宜設定可能であるが、母材OWの被加工面PRに母材OWの全周縁から10mm以上離間した領域を有する場合、この領域の少なくとも一部、好ましくは全領域にスパッタリング用電極13を対向させることが好適である。このような領域が存在する場合、母材OWの周縁の外側からスパッタリング粒子SPを均一に付着させることが容易でなく、この領域に対向させることで、微細針状構造を母材OWの被加工面PRに均一に形成し易くできるからである。
また、母材OWの被加工面PRとスパッタリング用電極13との間の間隔は、高周波電力が印加されることでプラズマ発生領域17aが形成可能であるとと共に、反応ガス導入路28から導入された反応ガスが流動可能な程度の間隔で調整されている。
スパッタリング用電極13を構成するスパッタリング材料は、最終的に製造される部材には残留しないので、特に限定されないが、好ましくは、同一の反応ガスを用いて形成されるプラズマの活性種が衝突することにより、母材OWよりもスパッタリング粒子SPが放出され易い材料が好ましい。母材OWに付着されるスパッタリング粒子SPを母材OWより除去し易くすれば、母材OW表面に残留し難いからである。具体的には、このスパッタリング材料としては、Al、Al、CrO、Cr、及びNiのうち少なくとも一種を含む材料が好適である。
エッチング用電極15の材質は特に限定されず、プラズマを用いたエッチング装置或いはスパッタリング装置に使用可能なものであればよい。
反応ガスは、高周波電力によりプラズマを形成可能であって、プラズマからの活性種によりスパッタリング材料のスパッタリングが可能であると共に、母材OWの反応性イオンエッチング(RIE)が可能なガスである。例えば、Ar/CF、CHF、及びSFのうち少なくとも一種のガス、CCl等の塩素系ガス、酸素などの混合ガスを用いてもよい。
この反応ガスは、母材OW及びスパッタリング材料に合わせて選択するのが好ましく、前述のようにスパッタリング材料に対するエッチング速度より母材OWに対するエッチング速度が大きい反応ガスを使用するのが好適である。
具体的には、母材OWが石英ガラスの場合、CF及びOからなるガス、更にシリコン基板の場合、CCl及びCFからなるガスを用いてもよい。
次に、このような製造装置を用いて微細針状構造を備えた部材を製造する方法について説明する。
図1に示す製造装置において、エッチング用電極15上に母材OWを載置して、空間17を介してスパッタリング用電極13と母材OWの被加工面PRとを対向させて空間17に露出した状態で配置する。
なお、母材OWは、微細針状構造を除いて目的の部材の形状及び精度に予め作製されたものを用いる。光学素子を製造する場合、予め目的とする光学素子の所定形状に十分な精度で形成されると共に、光学素子の光入射面や出射面に要求される十分な表面精度に仕上げられたものを使用する。
そして、吸引路26から真空チャンバ16内の気体を吸引除去すると共に、反応ガス導入路28から反応ガスを供給して、反応ガスが存在した状態で真空チャンバ16内を所定の減圧雰囲気にすることで、準備を完了する。
この状態で、スパッタリング用電極13とエッチング用電極15とに別々に調整された高周波電力を印加する。このとき、スパッタリング用電極13には、スパッタリング粒子SPを適度に放出可能な程度となるように第1の高周波電力を印加する。一方、エッチング用電極15には、第1の高周波電力より大きい第2の高周波電力を印加する。
すると、 図2(a)に示すように、プラズマにより発生したイオンやラジカル等の活性種が、第1の高周波電力に応じてプラズマ発生領域17aから陰極降下部17bを通してスパッタリング材料側に飛散して衝突し、スパッタリング粒子SPを放出させる。このスパッタリング粒子SPは飛散して母材OWの被加工面PRに降下し、母材OWの被加工面PR上にランダムに付着する。
一方、図2(b)に示すように、プラズマにより発生した活性種は母材OW側にも飛散し、第2の高周波電力に応じてプラズマ発生領域17aから陰極降下部17bを通して母材OWの被加工面PRに衝突する。すると、スパッタリング粒子SPが付着している部位では、スパッタリング粒子SPがマスクとなり、活性種がスパッタリング粒子SPに衝突して再放出される。スパッタリング粒子SPが付着していない部位では母材OW自体に衝突して微細量が除去される。同時に、反応ガスによる反応により母材OWの微細量が除去される。そのため、母材OWの被加工面PRではランダムに付着したスパッタリング粒子SPの周りの母材OWの除去量が多くなり、エッチングによりランダムに微細な凹凸形状が形成される。
更に、微細な凹凸形状が形成されると、明確ではないが、凹凸形状の頂部の帯電等により、その後に飛散するスパッタリング粒子SPが凹凸形状の頂部に付着し易くなるため、凹凸頂部に更にスパッタリング粒子SPが付着し、これにより凹形状のエッチングが進み、針形状の凸部の高さが成長する。そして、図2(c)に示すように、針形状の凸部が所望量に成長することで、微細針状構造を備えた部材の製造が完了する。
このようにして製造された微細針状構造を備えた部材は、母材OWの被加工面PRの全面にランダムに多数の微細な針状の凸形状が形成されている。
このようにして製造された微細針状構造を備えた部材が、光学素子であって光の入射面や出射面に微細針状構造が形成された場合、微細針状構造が巨視的な意味で母材OWと一体の反射防止層となる反射防止表面構造を形成することができる。この反射防止表面構造の厚さや構造が波長よりも小さな場合、光学素子の表面において空気の屈折率から母材OWの屈折率まで連続的に変化する領域となる。そのため、光学素子と空気との界面での反射や散乱を高度に防止できる。
また、微細針状構造からなる反射防止表面構造は、誘電体多層薄膜やナノ粒子膜等からなる反射防止膜に比較べ、母材OWと一体に形成されているため耐光性を確保でき、また、光線の入射角度に応じて透過特性が変化するという入射角依存性が極めて少ない。
以上のようにして微細針状構造を備えた部材を製造すれば、スパッタリング用電極13からのスパッタリング粒子SPを母材OWにランダムに付着させつつ母材OWをドライエッチングするので、母材OWのスパッタリング粒子SPが付着した部位のエッチング速度をその周囲に比べて遅くでき、これにより母材OWの被加工面PRにランダムに凸形状が配置された微細針構造を形成することが可能である。
その際、スパッタリング用電極13とエッチング用電極15とを対向して設け、エッチング用電極15側に母材OWを配置することで、空間17を介してスパッタリング用電極13と母材OWの被加工面PRとを対向させるので、空間17からの活性種を母材OWの被加工面PRに対向しているスパッタリング用電極13の表面に均一に衝突させ易く、スパッタリング用電極13からスパッタリング粒子SPを均一な密度で放出させて母材OWの被加工面PRに広く均一な密度で付着させ易くできる。
しかも、スパッタリング用電極13に第1の高周波電力を印加すると共に、エッチング用電極15に第1の高周波電力とは別に調整される第2の高周波電力を印加する加工するので、スパッタリング用電極13からスパッタリング粒子SPを放出して母材OWに付着させる速度と、母材OWのドライエッチングの速度とを別々に調整し易い。
その結果、母材OWの大きさに拘わらず空間17を介してスパッタリング用電極13と対向している母材OWの被加工面PRの全体に均一な密度で微細針状構造を形成することが容易であり、より大きな部材の広い表面であっても多数の微細な針形状の凸部を均一な密度で微細針状構造を形成することが可能である。
特に、母材OWの被加工面PRに、母材OWの全周縁から10mm以上離間した領域を有する場合、母材OWの周縁の外側にスパッタリング材料を配置していてもその領域に均一にスパッタリング粒子SPを母材OWの表面に付着させ難いが、その領域の少なくとも一部にスパッタリング用電極13を対向させれば、母材OWの被加工面PRの全面に確実に均一にスパッタリング粒子SPを付着させ易くでき、母材OWの被加工面PRに均一な密度で微細針状構造を形成することが容易である。
また、スパッタリング用電極13に対するエッチング速度より母材OWに対するエッチング速度が大きい反応ガスを空間17に存在させて加工するので、エッチング速度の比に応じて微細針状構造を形成することができ、また、母材OWに付着されるスパッタリング粒子SPを母材OWより除去し易くでき、母材OWの被加工面PRにスパッタリング粒子SPを残留し難くできる。
更に、スパッタリング用電極13に第1の高周波電力を印加すると共に、エッチング用電極15に第1の高周波電力とは異なる第2の高周波電力を印加するので、空間17から母材OWに衝突させる活性種の運動量や密度を、スパッタリング用電極13に衝突させる活性種の運動量や密度等を異ならせることができる。そのため、母材OWに対するスパッタリング粒子SPの付着量と、母材OWのエッチング量とを調整し易くでき、母材OW被加工面PRに形成される微細針状構造の性状を調整することが容易である。
また、このような製造方法により、光学素子を製造する場合には、光学素子用の母材OWを所定形状に形成すると共に所定の表面精度に仕上げた後、母材OWの表面に微細針状構造からなる反射防止表面構造を形成するので、微細針状構造を作製した後で、母材OWに加工を行う必要がない。そのため、作製された微細針状構造に損傷を与えることがなく、微細針状構造の性状を維持することが可能で、高度な反射防止特性を達成することが可能である。
なお、上記実施の形態は、この発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば、上記実施の形態では、スパッタリング用電極13をスパッタリング材料により形成した例について説明したが、スパッタリング用電極13とスパッタリング材料とを別部材として準備し、スパッタリング用電極13のエッチング用電極15側に装着するようにしてもよい。その場合、スパッタリング用電極は母材OWと同一の大きさであるか、母材OWより大きくしてもよい。
また、上記では、エッチング用電極15の表面に直接母材OWを載置した例について説明したが、エッチング用電極15の表面に他の部材を介して母材OWを配置してもよい。更に、エッチング用電極15にスパッタリング用電極13とは別のスパッタリング部材を載置し、エッチング用電極15においてもスパッタリング粒子SPを発生させることも可能である。
また、上記では、母材OWの被加工面PRのエッチング処理では、スパッタリング用電極13から常時スパッタリング粒子SPを放出させる例について説明したが、母材OWの被加工面PRのエッチング処理の最終段階において、スパッタリング材料のスパッタリングを先に終了させてもよい。更に、エッチング処理の後に、フッ化水素酸を含むエッチャント等を用いたウェットエッチング及び洗浄を行うことで、得られる微細針構造の表面にスパッタリング粒子SPが確実に残留しないようにすることも可能である。
更に、上記実施の形態では、光学素子を製造する例について説明したが、製造する微細針状構造を備えた部材としては、他の用途の部材であっても同様に製造することが可能であり、例えば微細針状構造により撥水性が付与された各種の部材を製造してもよい。
また、上記実施の形態では、スパッタリング用電極13に第1の高周波電力を印加すると共に、エッチング用電極15に第1の高周波電力より大きい第2の高周波電力を印加する例について説明したが、各高周波電力は特に限定されるものではなく、適宜設定可能であり、例えば、第1の高周波電力と第2の高周波電力を同じに調整することも可能であり、第1の高周波電力より第2の高周波電力を小さく調整することも可能である。
以下、この発明の実施例について説明する。
図1に示すような静電容量型RIE装置を用い、直径150mmで厚さが0.625mmのシリコン基板の表面に多数の微細針状構造を作製した。
エッチング用電極15としてSUS製の直径280mmの板材を配置し、このエッチング用電極15の上方にスパッタリング用電極13としてアルミナ製の直径200mmの板材を配置し、互いに平行に配置された両電極間の距離を40mmとした。
エッチング用電極15の上面にシリコン基板を載置し、真空チャンバ16内を真空引きすると共に、CF、CCl及び酸素からなる反応ガスを存在させ、真空チャンバ16内の圧力を6Paとした。そして、スパッタリング用電極13と真空チャンバ16との間に13.56MHzの高周波電力を80Wとなるように印加すると共に、エッチング用電極15と真空チャンバ16との間に13.56MHzの高周波電力を150Wとなるように印加して、20分間スパッタリングを行いつつエッチングを行った。
その結果、シリコン基板のスパッタリング用電極13側の表面である被加工面PR全面に、均一に微細針状構造が形成され、被加工面PR全面がシリコンブラックと呼ばれる黒色を呈していた。
[比較例]
電極の構成を異ならせる他は実施の形態1と同一にして、シリコン基板の表面に多数の微細針状構造を作製した。
ここでは、スパッタリング用電極13を設けず、代わりに、エッチング用電極15の上面にアルミナ製の直径200mmの板材を載置し、このアルミナ製の板材の上面の略中央にシリコン基板を載置した。また、エッチング用電極15と真空チャンバ16との間に13.56MHzの高周波電力を150Wとなるように印加して、20分間スパッタリングを行いつつエッチングを行った。
その結果、シリコン基板のスパッタリング用電極13側の表面である被加工面PRの外周側に、シリコンブラックと呼ばれる黒色の部位がリング状に形成され、内側部分には、加工前のシリコン基板の光沢が残っていた。リング状の部位の幅は、最大30mmで最小10mmとなっていた。
この発明の実施の形態の微細針状構造を備えた部材の製造装置の構成を説明する概念図である。 この発明の実施の形態の微細針状構造を備えた部材の製造方法の工程を説明する図であり、(a)は処理開始時、(b)は処理途中、(c)は処理終了時を示す。
符号の説明
16 真空チャンバ
13 スパッタリング用電極
15 エッチング用電極
17 空間
26 吸引路
28 反応ガス導入路
23、25 交流電源
OW 母材
PR 被加工面

Claims (6)

  1. プラズマが形成される空間に母材とスパッタリング材料とを露出して配置し、前記スパッタリング材料からのスパッタリング粒子を前記母材の被加工面に付着させつつ該被加工面をドライエッチングして、前記母材の前記被加工面に多数の微細針状構造を形成することにより、微細針状構造を備えた部材を製造する方法において、
    スパッタリング用電極とエッチング用電極とを対向して設け、
    前記スパッタリング用電極側に前記スパッタリング材料を配置すると共に前記エッチング用電極側に前記母材を配置することで、前記空間を介して前記スパッタリング材料と前記母材の前記被加工面とを対向させ、
    前記スパッタリング用電極に第1の高周波電力を印加すると共に、前記エッチング用電極に第2の高周波電力を印加して前記微細針状構造を形成することを特徴とする微細針状構造を備えた部材の製造方法。
  2. 前記母材の前記被加工面は、該母材の全周縁から10mm以上離間した領域を有し、該領域の少なくとも一部に前記スパッタリング材料を対向させることを特徴とする請求項1に記載の微細針状構造を備えた部材の製造方法。
  3. 前記スパッタリング材料に対するエッチング速度より前記母材に対するエッチング速度が大きい反応ガスを前記空間に存在させることを特徴とする請求項1又は2に記載の微細針状構造を備えた部材の製造方法。
  4. 前記第1の高周波電力と前記第2の高周波電力とは異なることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の微細針状構造を備えた部材の製造方法。
  5. 光学素子用母材を所定形状に形成すると共に所定の表面精度に仕上げた後、該光学素子用母材の表面に請求項1乃至4の何れか一つに記載の製造方法により微細針状構造からなる反射防止表面構造を形成することを特徴とする光学素子の製造方法。
  6. 請求項1乃至4の何れか一つに記載の製造方法により微細針状構造を備えた部材を製造する装置であり、
    スパッタリング用電極とエッチング用電極とが対向して設けられ、
    前記スパッタリング用電極には第1の高周波電力が印加可能であると共に、前記エッチング用電極には第2の高周波電力が印加可能に構成され、且つ、
    前記スパッタリング用電極側にスパッタリング材料が配置されると共に前記エッチング用電極側に母材が配置されると、前記スパッタリング材料と前記母材の前記被加工面とがプラズマが形成される空間を介して対向するように構成されたことを特徴とする微細針状構造を備えた部材の製造装置。
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