JP5140953B2 - 芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂及びその製造方法 - Google Patents

芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はエポキシ樹脂硬化剤や、エポキシ樹脂の原料として有用な芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂及びその製造方法に関する。
芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂の代表例の1つである4,4’−ビフェニルジイルジメチレン−フェノール樹脂の製法としては、フェノール化合物を50〜200℃に加熱溶融し、無触媒下これに芳香族ビスハロゲノメチル化合物を分割添加することが開示されている(特許文献1参照)。この方法に従うと、4,4’−ビフェニルジイルジメチレン−フェノール樹脂を製造する場合、溶融状態のフェノールに無触媒下高融点結晶(mp.139℃)である4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルを分割添加しなければならない。この場合、添加した4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル結晶はフェノールに溶解しつつ、液−液および液−固相で、塩化水素ガスを発生しながら反応が開始、進行するので、反応熱のスムーズな除去等の反応コントロールは難しい。また発生する塩化水素ガスは反応の触媒にもなり得、系内に蓄積し加速度的に反応を促進する恐れがあるので、反応中、減圧下塩化水素を除去しつつ行っており、工業的製法としては満足するものではない。
この発生塩化水素ガスによる反応の暴走防止の為、アルカリ物質を共存させて製造を行う方法が提案されている。(特許文献2参照)。しかし、この方法では、アルカリ物質は発生塩化水素と等モル量必要でありコスト的には問題が残る。
また、反応溶媒として低級アルコールをフェノールの10〜50重量%共存させることで、反応の流動性を増し、急激な発熱が起きても還流による反応熱の除去を行う方法も提案されている(特許文献3参照)。しかし、この場合も溶媒の回収、再使用という煩雑な工程が必要になる。
特開平06−100667号公報 特開平10−130352号公報 特開2001−040053号公報
本発明は、芳香族ビスハロゲノメチル化合物とフェノール化合物との縮合反応を工業的に行うに際し、急激な発熱等を抑制し、反応を制御した状態で進行させる方法を得ること、及び難燃性、耐酸化性,耐熱性等に優れ、再現性の良い品質のそろった芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂を得ること、を目的としたものである。
本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、原料A中に含まれる微量の遷移金属化合物または典型金属化合物がフェノール化合物との縮合反応の開始に深く関与すること、およびその量を制御することで、再現性よく安全に縮合反応が進行する事を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明により、半導体封止剤用硬化剤、接着剤、成形材料、塗料等として有用な化合物である芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂を、急激な発熱、激しい塩化水素ガスの発生なく、再現性よく品質を揃え、かつ安全に製造する方法を提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する芳香族ビスハロゲノメチル化合物(原料A)は、一般式(I)で示される化合物である。
(A)一般式(I) R−(CHX) (I)
(式中、Rはフェニレン基、ビフェニレン基、二価のビフェニルエーテル残基、またはナフチレン基を示し、Xはハロゲン原子を示す)
具体的には、1,4−ジハロゲノメチルベンゼン、1,2−ジハロゲノメチルベンゼン、1,3−ジハロゲノメチルベンゼン、4,4’−ジハロゲノメチルビフェニル、2,2’−ジハロゲノメチルビフェニル、2,4’−ジハロゲノメチルビフェニル、
4,4’−ジハロゲノメチルビフェニルエーテル、2,2’−ジハロゲノメチルビフェニルエーテル、2,4’−ジハロゲノメチルビフェニルエーテル、2、7−ビス(ハロゲノメチル)ナフタレンが挙げられる。
好ましくは、1,4−ジハロゲノメチルベンゼン、4,4’−ジハロゲノメチルビフェニル、4,4’−ジハロゲノメチルビフェニルエーテルが挙げられ、より好ましくは1,4−ジハロゲノメチルベンゼン、4,4’−ジハロゲノメチルビフェニルである。
なお、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が上げられるが、好ましくもちいられるのは塩素原子である。
これらの原料は、単独でも2種以上を混合して用いることもできるが、好ましくは単独で使用する。
本発明で用いられるフェノール化合物(原料B)は、
(B)一般式(II)
Figure 0005140953

(式中R、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示す。)で表される。
具体的には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノールなどが挙げられる。好ましくは、式中R、Rの少なくとも1つは炭素原子数1〜5のアルキル基を含有するフェノール化合物であり、さらに好ましくは少なくとも1個のメチル基を含むフェノール化合物が挙げられる。
これらのフェノール化合物は単独でも、2種以上を混合して用いることもできるが、好ましくは、単独で使用する。
芳香族ビスハロゲノメチル化合物(原料A)とフェノール化合物(原料B)とを縮合反応させて得られる本発明の芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂は、下記式(III)に示す化合物である。
Figure 0005140953
(式中nは繰り返し数を表し、1〜15の整数)
ところで、本発明において使用される原料Aの具体的な合成法を塩素の場合を例に示すと、対応する芳香族化合物と塩素の光反応(特許文献4参照)、または対応する芳香族化合物のクロロメチル化反応(特許文献5、非特許文献1参照)によって合成される。塩素の光反応の場合、高圧ランプで光照射が必要であり、装置的制約があることに加え、未クロル化のメチル体、ジクロロメチル体等の副生物の生成が避けられず、必ずしも高選択率で目的物が得られないのが現状である。一方、クロロメチル化反応の場合、簡便な装置を使用して高選択率で目的物が得られる利点を有している。このクロロメチル化反応では、反応触媒として遷移金属元素化合物または典型金属元素化合物が使用されることが多い。従って原料A中には微量ではあるが、これら遷移金属元素または典型金属元素が含まれていることが一般的である。
欧州特許391696号明細 特開平03−188029号公報 工業化学雑誌(1968),71(6)869.
本発明において使用される原料A中に含有される遷移金属元素または典型金属元素は、
15ppm以下に制御する必要がある。これら含有量の下限値については、何ら制限はなく、低いことに越したことはないが、分析方法の測定下限値以下、通常、0.01ppm程度で充分である。15ppm以下の場合であれば、反応自体に何ら悪影響を与えることはなく、原料Aをそこまで精製するには煩雑な精製操作が必要となり経済的とは言えない。
よって、これらの元素は通常、15ppm〜0.01ppm、好ましくは10ppm〜0.01ppmであり、さらに好ましくは5ppm〜0.01ppmである。
遷移金属元素または典型金属元素の含有量が15ppmを超えると縮合開始温度の低下、縮合速度の向上が起こり、縮合反応を制御しつつ開始し、反応を続行することが困難になり、縮合度合い或いは縮合位置選択性等にバラツキが生じる。
含有される遷移金属元素または典型金属元素としては、亜鉛、ビスマス、コバルト、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、錫、などが挙げられ、一般的に含有される元素としては、鉄、亜鉛、アルミニウム、チタンおよび錫である。特に含有される元素としては鉄、亜鉛およびアルミニウムである。
これらの元素の含有量は、それぞれの元素として15ppm以下であるが、上記元素が混在している場合においても、各元素の総含有量は一般に30ppm以下、0.01ppm以上が望ましい。好ましくは、15ppm以下、0.01ppm以上であり、さらに好ましくは10ppm以下、0.01ppm以上であり、最も好ましくは5ppm以下、0.01ppm以上である。
上記含有される遷移金属元素または典型金属元素の化合物としての形態は、原料Aの製造方法からして、通常は塩化物が考えられる。具体的には塩化亜鉛、塩化ビスマス(III)、塩化コバルト(II)、塩化鉄(III)、塩化ニッケル(II)、塩化銅(II)、塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化錫(IV)などが含有されていると推定される。
上記の遷移金属元素または典型金属元素の含有量を15ppm以下に制御する方法としては、蒸留、溶媒抽出や晶析等有機化合物の通常の精製方法が挙げられる。
このような方法で遷移金属元素または典型金属元素を除去した原料A中の各元素含有量は、通常誘導プラズマ発光分析法或いは誘導結合プラズマ質量分析法により測定される。
芳香族ビスハロゲノメチル化合物(原料A)とフェノール化合物(原料B)の縮合反応に当たっては、原料Bの使用量は原料A1モルに対して通常1.3〜5倍モル、好ましくは1.4〜ら4.7倍モルである。
本発明では、反応溶媒は通常使用しないが、反応を円滑にする目的で溶媒を使用する場合もある。この時の溶媒としては、低級アルコール(炭素数1〜6の脂肪族アルコール)が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールやシクロヘキサノールも挙げられる。溶媒の使用量については特に制限はないが、溶媒の回収コストや回収率からしてフェノールに対し50重量%以下共存させることが好ましく、10重量%未満がさらに好ましい。
反応温度は、原料Aおよび原料Bの組み合わせや溶媒使用の有無や種類ならびに量により異なるが、通常40〜180℃、好ましくは50〜170℃であるが、最も好ましくは
反応系が均一となる温度から160℃である。
反応時間は、反応条件により異なるが、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜15時間である。反応時間がこれらより短いと縮合が十分完結しない場合がある。
また、反応時間がこれ以上長い場合では、本発明の反応は通常完結しておりなんらメリットはない。
原料の仕込み方法についても、何ら制限はない。
通常は全原料を一括投入したのち、決められた反応温度まで徐々に昇温すればよく、昇温途中の激しい発熱、塩化水素の激しい発生もなく、簡便に行うことが出来る。
本発明で得られる芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂は、エピクロルヒドリンと反応させて得られるエポキシ樹脂の原料として、さらには、エポキシ樹脂の硬化剤、半導体封止剤用硬化剤、接着剤、成形材料、塗料、ポリアミド添加剤、ブタジエンポリマーの改質材等として用いることができる。
ビフェニレン基の場合には、難燃性にすぐれているので、特に難燃剤としても有用である。
以下に実施例を示し、本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。尚、表1および表2には原料仕込みから油浴温度60℃あるいは90℃までに発生した塩化水素の割合(重量%)を示した。使用したフェノール化合物はこの温度付近までには一般に溶融するので、この温度より高い温度で、安定して反応が進行することが再現性の面でも望ましい。
一方、より低温で、フェノール化合物が半溶融状態のまま反応が進行すると、制御も難しく、反応の再現性で問題を生ずる。
実施例1
300mlセパラブル3つ口フラスコに、m−クレゾール(原料B)138.86g(1284.08mmol)、ZnおよびFeの含有量が分析方法の検出限界以下(Zn<1ppm、Fe<1ppm)まで精製した4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル(原料A)75.05g(297.03mmol)を採り、窒素ガスを50ml/分で導入した。油浴を30分かけて60℃に加熱昇温し、30分間その温度を保った。この間m−クレゾールが溶解した時点で200rpmで攪拌を開始した。ついで1時間かけて110℃に昇温し、この温度で3時間保持した後、150mlの水で2回洗浄した。
その後再び160℃まで昇温し、残存する水、m−クレゾールを留去した。ついで系の圧力を徐々に減じ3mmHgまでして残存するm−クレゾールを留去し、107.53gの4,4’−ビフェニルジイルメチレン−m−クレゾール樹脂を得た。
反応中に発生する塩化水素は、同伴する窒素ガスで反応系外に追い出し、アルカリ水溶液にトラップし、一定温度範囲内ごとに測定した。
反応中塩化水素の発生量を表1に示すが、m−クレゾールが十分に溶解する間(室温〜60℃)の塩化水素の発生は18.2%(原料Aに対する理論%)であり、特別な発熱もなく、安定して反応が進行した。
なお、使用した原料Aの物性値は以下のとおりである。
原料Aの純度:99.4%(液体クロマトグラフィーでの面積百分率)
原料Aが含有する遷移金属および典型金属化合物:誘導プラズマ発光分析法で測定
得られた4,4’−ビフェニルジイルメチレン−m−クレゾール樹脂の物性:
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)分析より
Mn=540、Mw=682 n=1の存在比 47.8%であった。
比較例1
300mlセパラブル3つ口フラスコに、m−クレゾール138.86g(1284.08mmol)、Znを52ppm含有する4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル(原料A)75.05g(297.03mmol)を採り、窒素ガスを50ml/分で導入した。ついで実施例1と同様に昇温、反応、後処理を行い107.45gの4,4’−ビフェニルジイルメチレン−m−クレゾール樹脂を得た。
反応中塩化水素の発生量を表1に示すが、急激な発熱は無かったものの、m−クレゾールが十分に溶解する間(室温〜60℃)の塩化水素の発生は51.5%(原料Aに対する理論%)であった。
なお、使用した原料Aの物性値は以下のとおりである。
原料Aの純度:99.4%(液体クロマトグラフィーでの面積百分率)
原料Aが含有する遷移金属および典型金属化合物:誘導プラズマ発光分析法で測定
得られた4,4’−ビフェニルジイルメチレン−m−クレゾール樹脂の物性:
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)分析より
Mn=544、Mw=684 n=1の存在比47.7%であった。
実施例2
300mlセパラブル3つ口フラスコに、p−クレゾール(原料B)138.85g(1283.98mmol)、Znの含有量が分析方法の検出限界以下(Zn<1ppm、Fe<1ppm)まで精製した4、4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル(原料A)75.04g(296.99mmol)を採り、窒素ガスを50ml/分で導入した。油浴を30分かけて60℃に加熱昇温し、30分間その温度を保った。この間p−クレゾールが溶解した時点で200rpmで攪拌を開始した。ついで1時間かけて110℃に昇温し、この温度で3時間保持した後、150mlの水で2回洗浄した。その後再び160℃まで昇温し、残存する水、p−クレゾールを留去した。ついで系の圧力を徐々に減じ3mmHgまでして残存するp−クレゾールを留去し、107.21gの4,4’−ビフェニルジイルメチレン−p−クレゾール樹脂を得た。
反応中塩化水素の発生量を表1に示すが、室温〜60℃の塩化水素の発生は1.8%(原料Aに対する理論%)であり、特別な発熱もなく、安定して反応が進行した。
なお、使用した原料Aの物性値は以下のとおりである。
原料Aの純度:99.4%(液体クロマトグラフィーでの面積百分率)
原料Aが含有する遷移金属および典型金属化合物:誘導結合プラズマ質量分析法で測定
得られた4,4’−ビフェニルジイルメチレン−p−クレゾール樹脂の物性:
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)分析より
Mn=548、Mw=686 n=1の存在比 45.6%であった。
比較例2
300mlセパラブル3つ口フラスコに、p−クレゾール138.98g(原料B)(1285.19mmol)、Znを55ppm含有する4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル(原料A)75.04g(296.99mmol))を採り、窒素ガスを50ml/分で導入した。ついで実施例2と同様に昇温、反応、後処理を行い106.68gの4,4’−ビフェニルジイルメチレン−p−クレゾール樹脂を得た。
反応中塩化水素の発生量を表1に示すが、急激な発熱はないものの、塩化水素の発生量は11.6%であった。
なお、使用した原料Aの物性値は以下のとおりである。
原料Aの純度:99.4%(液体クロマトグラフィーでの面積百分率)
原料Aが含有する遷移金属および典型金属化合物:誘導プラズマ発光分析法で測定
得られた4,4’−ビフェニルジイルメチレン−p−クレゾール樹脂の物性:
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)分析より
Mn=559、Mw=706 n=1の存在比 43.9%であった。
比較例3
300mlセパラブル3つ口フラスコに、p−クレゾール138.86g(原料B)(1284.08mmol)、Feを27ppm含有する4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル(原料A)75.06g(297.07mmol))を採り、窒素ガスを50ml/分で導入した。ついで実施例2と同様に昇温、反応、後処理を行い107.01gの4,4’−ビフェニルジイルメチレン−p−クレゾール樹脂を得た。
反応中塩化水素の発生量を表1に示すが、塩化水素の発生量は7.5%であった。
なお、使用した原料Aの物性値は以下のとおりである。
原料Aの純度:99.4%(液体クロマトグラフィーでの面積百分率)
原料Aが含有する遷移金属および典型金属化合物:誘導プラズマ発光分析法で測定
得られた4,4’−ビフェニルジイルメチレン−p−クレゾール樹脂の物性:
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)分析より
Mn=552、Mw=697 n=1の存在比45.2%であった。
実施例3
300mlセパラブル3つ口フラスコに、3,4−キシレノール(原料B)129.33g(1058.69mmol)、ZnおよびFeの含有量が分析方法の検出限界以下(Zn、Fe<1ppm)まで精製した1,4−ジクロロメチルベンゼン(原料A)75.06g(426.62mmol)を採り、窒素ガスを50ml/分で導入した。油浴を45分かけて90℃に加熱昇温し、30分間その温度を保った。この間3,4−キシレノールが溶解した時点で200rpmで攪拌を開始した。ついで34分かけて110℃に昇温し、この温度で1時間保持した後、更に1時間かけて160℃に昇温し、この温度で3時間保持した。その後、150mlの水で2回洗浄した。その後再び160℃まで昇温し、残存する水、3,4−キシレノールを留去した。ついで系の圧力を徐々に減じ3mmHgまでして残存する3,4−キシレノールを留去し、121.13gのp−キシリレンジイルメチレン−3,4−キシレノール樹脂を得た。
反応中に発生する塩化水素は、同伴する窒素ガスで反応系外に追い出し、アルカリ水溶液にトラップし、一定温度範囲内ごとに測定した。
反応中塩化水素の発生量を表2に示すが、3,4−キシレノールが十分に溶解する間(室温〜90℃)の塩化水素の発生は0.8%(原料Aに対する理論%)であり、特別な発熱もなく、安定して反応が進行した。
なお、使用した原料Bの物性値は以下のとおりである。
原料Bの純度:99.5%(液体クロマトグラフィーでの面積百分率)
原料Bが含有する遷移金属および典型金属化合物:誘導プラズマ発光分析法で測定
得られたp−キシリレンジイルメチレン−3,4−キシレノール樹脂の物性:
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)分析より
Mn=545、Mw=688 n=1の存在比 45.5%であった。
比較例4
300mlセパラブル3つ口フラスコに、3,4−キシレノール(原料B)129.30g(1058.45mmol)、Znを50ppm含有するp−キシリレンジクロリド(原料AB)75.07g(426.68mmol)を採り、窒素ガスを50ml/分で導入した。ついで実施例3と同様に昇温、反応、後処理を行い120.04gのp−キシリレンジイルメチレン−3,4−キシレノール樹脂を得た。
反応中塩化水素の発生量を表2に示すが、急激な発熱はないものの、塩化水素の発生量は12.6%であった。
なお、使用した原料Bの物性値は以下のとおりである。
原料Bの純度:99.5%(液体クロマトグラフィーでの面積百分率)
原料Bが含有する遷移金属および典型金属化合物:誘導プラズマ発光分析で測定
得られたp−キシリレンジイルメチレン−3,4−キシレノール樹脂の物性:
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)分析より
Mn=550、Mw=692 n=1の存在比 43.9%であった。
表1、表2に昇温過程における塩化水素の発生量をまとめて示した。
Figure 0005140953
Figure 0005140953
得られた4,4’−ビフェニルジイルメチレン−クレゾール樹脂の他の物性値を表3に
p−キシリレンジイルメチレン−3,4−キシレノール樹脂の他の物性値を表4に示した。
各物性の測定方法は、以下の通りである。
(1)含有金属元素:誘導プラズマ発光分析法或いは誘導結合プラズマ質量分析法にて測
定した。
(2)軟化点:環球法(昇温4℃/分)にて測定した。
(3)ICP粘度:ICP粘度計(150℃)にて測定した。
(4)pH測定前処理:試料8g、純水80mlを採り、95℃で20時間加熱後水溶液
を測定した。
(5)電気伝導度:試料8g、純水80mlを採り、95℃で20時間加熱後水溶液を測
定した。
(6)水分:カールフィシャー法にて測定した。
Figure 0005140953
Figure 0005140953
表1および表2より、重金属を多く含む樹脂では、フェノール化合物が溶融する時間帯でより多くの塩化水素の発生がおこり、反応の制御も難しい。さらに、表3および表4より、得られた樹脂の電気伝導度も一般に高い傾向にある。

Claims (10)

  1. (A)一般式(I) R−(CHX) (I)
    (式中、Rはフェニレン基、ビフェニレン基、二価のビフェニルエーテル残基、またはナフチレン基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表される芳香族ビスハロゲノメチル化合物(原料A)と、
    (B)一般式(II)
    Figure 0005140953
    (式中R、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、式中R 、R のうち少なくとも一つは、炭素原子数1〜5のアルキル基である)で表されるフェノール化合物(原料B)を反応させることにより一般式(III)の芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂を製造する方法において、原料Aに含有される遷移金属元素および典型金属元素の各元素の含有量を15ppm〜0.01ppmに制御することを特徴とする芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂の製造方法。
    Figure 0005140953
    (式中、Rは式(I)における定義に同じ。R、Rは式(II)における定義に同じ。nは繰り返し数を表し、1〜15の整数)
  2. 反応溶媒を用いず、40〜180℃で反応させることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂の製造方法。
  3. (A)芳香族ビスハロゲノメチル化合物(原料A)1モルに対して、
    (B)フェノール化合物(原料B)を1.3〜5倍モル使用することを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂の製造方法。
  4. 触媒としてプロトン酸を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂の製造方法。
  5. (A)一般式(I)が4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルである請求項1に記載の芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂の製造方法。
  6. (A)一般式(I)が1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼンである請求項1に記載の芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂の製造方法。
  7. (B)一般式(II)がm−クレゾールである請求項1に記載の芳香族ジメチレン―フェノール化合物樹脂の製造方法。
  8. (B)一般式(II)がp−クレゾールである請求項1に記載の芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂の製造方法。
  9. (B)一般式(II)が3,4−キシレノールである請求項1に記載の芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法により得られる芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂。
JP2006201464A 2006-07-25 2006-07-25 芳香族ジメチレン−フェノール化合物樹脂及びその製造方法 Active JP5140953B2 (ja)

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