JP5140645B2 - 木質板状建材の塗装方法 - Google Patents
木質板状建材の塗装方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5140645B2 JP5140645B2 JP2009173886A JP2009173886A JP5140645B2 JP 5140645 B2 JP5140645 B2 JP 5140645B2 JP 2009173886 A JP2009173886 A JP 2009173886A JP 2009173886 A JP2009173886 A JP 2009173886A JP 5140645 B2 JP5140645 B2 JP 5140645B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating
- groove
- paint
- wooden
- flooring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
上記のような木質板状建材は、表面化粧材と木質基材とを積層一体化した後、切削加工により、表面に溝部(化粧溝)を形成したり、表面縁部に面取り部を形成したりするようにしている。
また、表面化粧材は比較的薄く、通常、溝部の底部は、木質基材の層内にまで達するように形成されており、これにより、溝部の内面(切削面)には、木質基材が露出する。この結果、溝部以外の表面と溝部との塗装後の色調の差異がより一層顕著となる。
すなわち、表面に溝部が形成され、表面縁部に面取り部が形成された木質板状建材の表面全体に、上述のような方法により塗装を施した場合には、溝部には塗料が溜まり易いため、該溝部が濃色となる一方、表面縁部の面取り部には、塗料が付着し難く、この面取り部と溝部との塗装後の色調が異なるという問題があった。
このような表面縁部の面取り部は、例えば、床材や壁材、天井材などのように複数枚の木質板状建材を、隣接する木質板状建材同士を互いに接合するようにして施工対象に対して施工する場合には、これら木質板状建材の端部間の目地溝を構成することとなり、このようなものでは、特に、目地溝を構成する面取り部と溝部との色調差が目立つという問題があった。
本実施形態に係る木質板状建材の塗装方法を用いて塗装される木質板状建材は、図2(a)に示すように、床材1を例示している。
この床材1は、後記する塗装方法を用いて着色塗装処理がなされた後、図2(b)に示すように、複数枚の塗装後の床材1Aを、相互に実接合させて、根太や捨て張り合板等の床下地に敷設されて施工される。
以下、塗装前の床材1の構成の一例についてまず説明する。
突板4は、天然銘木を、厚さが100μm〜1.0mm程度に薄くスライスして形成された薄シート状とされており、本実施形態では、突板4の厚さを、0.2mm程度としている。
木質板層6としては、合板やパーティクルボード、インシュレーションボードなどが挙げられる。
MDF層5は、当該床材1の表面硬度を高めるべく積層されており、その厚さは、例えば、表面硬度の確保とコスト的な観点から、1.0mm程度〜5.0mm程度としてもよい。
これら実接合部7,8は、隣接する床材1A,1A(図2(b)参照)同士を接合する接合部を構成し、図例では、雄実部7と雌実部8とを備えた本実接合構造としているが、雇い実接合や相じゃくり接合構造等の他の接合構造とされたものとしてもよい。
この溝部2は、例えば、複数枚の細長状(短冊状)の突板の端部が突き合わせられて木質基材5Aの表面に貼着されているような場合には、その継ぎ目に沿って形成するようにしてもよい。図例では、床材1の長手方向に沿う複数本(図例では2本)の縦溝部と、幅方向に沿う複数本(図例では4本)の横溝部とが形成された例を示している。
これら溝部2の形成箇所や本数は、意匠性等の観点から適宜、選択可能である。
つまり、本実施形態では、図2(b)に示すように、隣接する床材1A,1A同士が接合された際に、各床材1A,1Aに形成された面取り部3,3によって、これら床材1A,1Aの端部間の目地溝3Aを形成しており、この目地溝3Aの断面形状が溝部2と略同寸同形状となるように面取り部3が形成されている。
上記のように溝部2及び面取り部3が形成された床材1の表面1aには、これらの部位において木質基材5A(図例では、MDF層5)が露出し、突板4の表面色(地色)との色調の不連続性が形成される。本実施形態では、これら溝部2及び面取り部3を含む床材1の表面1aの全面に亘って、後記する着色塗装処理を施すことで、薄塗膜層9を形成し、これら各部位における色調差を緩和するようにしている。
また、図例では、目地溝3Aと溝部2との断面形状を、略同寸同形状としたものを例示しているが、これらが互いに異なる断面形状とされたものとしてもよい。
さらに、これら目地溝3A及び溝部2の深さや幅は、突板4の厚さに応じて、適宜、設定可能であるが、本実施形態のように、床材の場合においては、0.5mm〜1.5mm程度としてもよい。上述のように、0.2mm程度の厚さの突板4を貼着した本実施形態では、これら目地溝3A及び溝部2の深さを0.6mm程度とし、その幅を、1.5mm程度としてもよい。
図例の塗装装置は、第1塗装部10、第2塗装部20、及び第3塗装部30を塗装方向(搬送方向)下流側に向けてこの順に配置して構成され、これら各塗装部により塗布された塗料を乾燥する乾燥機40をこれらのさらに下流側に配置している。
スポンジロール11には、ドクターロール12が圧接されており、塗料タンク14から供給された塗料15の量が調整されながらスポンジロール11に供給される。
このスポンジロール11は、その下方を搬送される床材1に圧接、弾接されて、その適度な変形により、床材1の表面1aに形成された溝部2内に入り込むようにして塗装が可能とされている。
また、このスポンジロール11は、床材1の搬送方向(図1の白抜き矢印の方向)に対して正方向に回転される。
リバースロール16は、このスポンジロール11とは逆方向に回転されており、例えば、鍍金処理が施された金属リバースロールを採用するようにしてもよい。
第3塗装部30は、第2塗装部20と略同様の構成であり、第2ゴムロール31と、その下方に配設された搬送ローラ33と、第2ゴムロール31に圧接されたドクターロール32と、塗料35を供給する塗料タンク34とを備えている。
これら第2塗装部20及び第3塗装部30の各ゴムロール21,31は、その下方を搬送される床材1に圧接、弾接されているが、溝部2内には殆ど入り込まない程度の硬度を有し、床材1の表面1aのうち、主に、溝部2以外の面取り部3を含む表面の塗装が可能とされている。
乾燥機40は、第3塗装部30のローラ対31,33を介して搬送される塗装後の床材1を受け入れ、搬送する搬送コンベア42と、この搬送コンベア42の上方に配設され、搬送コンベア42上に載置または搬送コンベア42上を搬送される床材1の表面1aに対して温風を供給するドライヤー41とを備えている。
尚、図1では、床材1に形成された実接合部7,8、溝部2及び面取り部3の図示を省略している。
本実施形態では、各塗装部10,20,30から供給される塗料15,25,35は、着色成分として白色顔料を主成分とした水性合成樹脂着色剤を希釈剤で希釈した水性合成樹脂塗料を用いるようにしている。
上記水性合成樹脂着色剤には、適宜、粘度調整剤や界面活性剤が添加されている。
また、本実施形態では、各塗装部10,20,30の塗料15,25,35は、第1塗装部10の塗料15よりも第2塗装部20及び第3塗装部30の塗料25,35が高濃度となるように濃度調整されている。
また、上記塗料としては、白色系やその他の水性ステインを、適宜、希釈したものとしてもよい。
さらに、第2塗装部20及び第3塗装部30の各塗料25,35の濃度は、同程度の濃度としてもよい。
さらにまた、上記した着色剤と希釈剤との配合比は、一例であり、塗装対象である床材1の表面1a(溝部2及び面取り部3を含む)の地色や、塗装後の所望する色調等に応じて適宜、選択可能である。
まず、床材1の表面1aには、第1塗装部10のスポンジロール11の塗料15が塗布され、このスポンジロール11の塗料15は、溝部2の内面及び面取り部3を含み、床材1の表面1a全体に亘って塗布される。
次いで、このスポンジロール11の下流側に配されたリバースロール16が床材1の搬送方向に対して逆回転しながら、床材1の表面1aに塗布された塗料15を掻き取るようにして床材1の表面1aに摺接することで、塗料15が溝部2内に流し込まれ、溝部2の内面が着色塗装される。
この第1塗装部10における床材1の表面1aへの塗布は、主に溝部2に対してなされ、溝部2以外の面取り部3を含む床材1の表面1aには、塗料15が低濃度であるとともに、リバースロール16による掻き取りによって薄く塗布された程度である。
これら各塗料25,35は、上述のように、第1塗装部10の塗料15よりも高濃度に調整されているので、溝部2以外の床材1の表面1aに対して、十分な着色塗装処理が施される。特に、面取り部3は、傾斜面とされているので、塗料が付着し難いが、これら第2塗装部20及び第3塗装部30による高濃度の塗料25,35が塗布されることで、面取り部3にも十分に高濃度の塗料25,35が付着し、着色される。
尚、上記した各塗装部10,20,30における各塗料15,25,35の塗布量は、塗装対象である木質板状建材の表面物性(染み込み易さ等)や、形成したい塗膜層の膜厚に応じて、適宜、調整可能である。
次いで、上記のように各塗装部10,20,30において着色塗装処理がなされた後、これらの下流側の乾燥機40内へ搬送し、適宜の温度、時間で乾燥させ、図2(b)に示すように、床材1の表面1aの全面に亘って薄塗膜層9が形成された床材1Aが形成される。
また、面取り部3及び溝部2以外の表面にも面取り部3と同様の着色塗装処理がなされるので、床材1の表面1aの全面において色調差を緩和することができる。
また、本実施形態では、塗装対象を、実接合部7,8を有した床材1とし、塗装後に施工された際に、隣接する床材1A,1A同士の面取り部3,3によって目地溝3Aを形成するものとしている。本実施形態によれば、この目地溝3Aと、溝部2との色調差が緩和できるので、施工後の床材1Aの意匠性を向上させることができる。
また、塗装対象としての木質板状建材の構成は、上記した例に限られず、木質基材の表面に表面化粧材を積層一体化し、表面に溝部が形成され、表面縁部に面取り部が形成されたものであればよい。例えば、実接合部を有さないものとしてもよく、また、木質基材の積層構造も合板等の木質板とMDFとを積層したものに限られず、木質板のみやMDFのみによって木質基材が構成されたものとしてもよい。または、MDFに代えて、他の硬質ボードを表面化粧材の下層に介在させたものとしてもよい。
さらに、図例では、木質板状建材の表面縁部の四周の全周に亘って面取り部が形成されたものを例示しているが、少なくとも一辺の表面縁部に面取り部が形成されたものとしてもよい。
また、乾燥機を設けずに、自然乾燥としてもよく、また、塗料の種類に応じて他の乾燥機を採用するようにしてもよい。例えば、紫外線硬化型塗料を用いる場合には、紫外線照射ランプ等を乾燥機として採用するようにしてもよい。
さらにまた、本発明に係る塗装方法を実行した後に、仕上げ処理として、表面研磨を施したり、クリヤー塗装を施したりするようにしてもよい。
1a 床材表面
2 溝部
3 面取り部
4 突板(表面化粧材)
5 MDF層(中密度繊維板)
5A 木質基材
6 木質板層(木質板)
10 第1塗装部
11 スポンジロール
15 第1塗装部の塗料
16 リバースロール
20 第2塗装部
21 第1ゴムロール
25 第2塗装部の塗料
30 第3塗装部
31 第2ゴムロール
35 第3塗装部の塗料
Claims (2)
- 木質基材と表面化粧材とを積層し、表面には前記木質基材の層内に底部が達するように溝部が形成され、表面縁部には面取り部が形成された木質板状建材の表面を塗装する方法であって、
スポンジロールとこのスポンジロールの下流側に配されたリバースロールとを有した第1塗装部と、この第1塗装部の下流側に配された第1ゴムロールを有した第2塗装部と、この第2塗装部の下流側に配された第2ゴムロールを有した第3塗装部とを用い、前記第1塗装部の塗料よりも前記第2塗装部及び前記第3塗装部の塗料を高濃度にして、前記木質板状建材の表面を塗装するようにしたことを特徴とする木質板状建材の塗装方法。 - 請求項1において、
前記木質基材が木質板の表面側に中密度繊維板を積層した構成とされ、前記溝部の底部がこの中密度繊維板の層内に達するように形成されている木質板状建材の塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009173886A JP5140645B2 (ja) | 2009-07-27 | 2009-07-27 | 木質板状建材の塗装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009173886A JP5140645B2 (ja) | 2009-07-27 | 2009-07-27 | 木質板状建材の塗装方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011025162A JP2011025162A (ja) | 2011-02-10 |
JP5140645B2 true JP5140645B2 (ja) | 2013-02-06 |
Family
ID=43634551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009173886A Expired - Fee Related JP5140645B2 (ja) | 2009-07-27 | 2009-07-27 | 木質板状建材の塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5140645B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0461964A (ja) * | 1990-06-26 | 1992-02-27 | Matsushita Electric Works Ltd | 木質建築材の着色方法 |
JP2001199027A (ja) * | 2000-01-24 | 2001-07-24 | Daiken Trade & Ind Co Ltd | 建築用化粧板の製造方法 |
JP2008050896A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-03-06 | Matsushita Electric Works Ltd | 溝加工床材およびその加工方法 |
-
2009
- 2009-07-27 JP JP2009173886A patent/JP5140645B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011025162A (ja) | 2011-02-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8042484B2 (en) | Appliance and method for surface treatment of a board shaped material and floorboard | |
US10336032B2 (en) | Method for producing a printing material and a directly printed decorative panel | |
US20040191547A1 (en) | Process for finishing a wooden board and wooden board produced by the process | |
ES2357639T3 (es) | Tablero de compuesto de madera con enchapado de madera auténtica y procedimiento para mejorar su acabado. | |
RU2626948C2 (ru) | Однослойное насыпание порошковых поверхностей | |
US20130302625A1 (en) | High-gloss surface by means of hot-coating | |
JP2008050896A (ja) | 溝加工床材およびその加工方法 | |
US10544592B2 (en) | Method and device for producing coated, and in particular painted, building boards and associated painted building board | |
JP5140645B2 (ja) | 木質板状建材の塗装方法 | |
JP5787203B2 (ja) | より自然な木目を木材表面に形成する方法および装置 | |
JP2001199027A (ja) | 建築用化粧板の製造方法 | |
JP2009172947A (ja) | 木質複合床材の表面塗装方法 | |
JP2009184305A (ja) | 化粧板 | |
JP2008274595A (ja) | 化粧シート貼り床材およびその面取り加工部への塗装方法 | |
JP2017124511A (ja) | 木質化粧板及び木質化粧板の製造方法 | |
JP2012086156A (ja) | 板状建材の製造方法及び板状建材 | |
US20240044152A1 (en) | Surface products with multiple veneer segments | |
TWI526593B (zh) | 防水天花板磚及其製造方法 | |
JP5589757B2 (ja) | 床材の製造方法 | |
US20060037270A1 (en) | Surface treatment of floorboards to eliminate panelization | |
JP2015123438A (ja) | 化粧板の下地処理方法 | |
EP1898024A1 (en) | Covering panel with bevelled edges having varying cross-section, and method of making the same | |
JP2010048057A (ja) | 化粧板の防水処理方法 | |
JP6425211B2 (ja) | 板状建材の製造方法 | |
JP2006233637A (ja) | 木質床材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111219 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20120111 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121024 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121030 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121119 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5140645 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151122 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |