JP5140410B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明はエンジンの排気浄化装置に係り、詳しくは排気通路に設けた撹拌手段により排ガスを撹拌しながら、還元剤噴射手段から噴射した還元剤を排ガス中に拡散させて下流側の後処理装置に供給する排気浄化装置に関するものである。
この種の還元剤を利用して排ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置としては、例えばSCR触媒(選択還元型NOx触媒)を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
当該特許文献1の技術は、エンジンの排気通路に上流側より酸化触媒及びSCR触媒を配設し、酸化触媒とSCR触媒との間を接続する排気管内に還元剤として尿素水を噴射する噴射ノズルを配置すると共に、排気管内の噴射ノズルの上流側にフィン装置を配設している。フィン装置はスチール製の円盤形状をなすベース板をプレス成型して製作しており、このベース板を排気管内に上流側と下流側とに区画するように配設している。ベース板上には軸線を中心とした4枚のフィンを下流側に所定角度で折曲形成すると共に、ベース板上に各フィンに対応する形状の流通孔を形成し、各流通孔を通過した排ガスを各フィンの傾斜に倣って案内して排ガスに旋回流を生起させ、この旋回流により噴射ノズルから噴射された尿素水を排ガス中に拡散させている。
特開2006−29233号公報
しかしながら、排気通路に設けられたフィン装置はエンジンからの排ガスの圧力が常に作用し、特に片持ち支持されながら排ガスの案内時に反力を受けるフィンは、その基端近傍に大きな応力が集中する。
しかも、排気通路内を流通する排ガスはエンジン回転速度に応じた脈動を発生しており、フィン装置の各フィンはこの排ガスの脈動を常に受けている。エンジンの上限回転速度での脈動周波数よりもフィンの固有振動数が十分に高い場合には問題はないが、ベース板から片持ち支持された各フィンは剛性が低くて固有振動数もかなり低いため、排ガスの脈動周波数の領域内にフィンの固有振動数が入ってしまう。よって、エンジン回転速度の変化に伴って排ガスの脈動周波数がフィンの固有振動数と一致したときにフィンが共振して破損する懸念があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、排ガスを案内する際にフィン装置のフィンに生じる応力を低減すると共に、排ガスの脈動周波数がフィンの固有振動数と一致したときの共振を未然に回避し、もってフィンの破損を防止することができるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの排気通路に配設され、還元剤を供給されて浄化作用を奏する後処理装置と、後処理装置の上流側の排気通路内に還元剤を噴射する還元剤噴射手段と、後処理装置の上流側の排気通路内に配設され、排気通路を上流側と下流側とに区画するベース板上に一側を起点としてフィンを所定角度で折曲し、フィンの折曲によりベース板上に開口した流通孔を経て排ガスを流通させながらフィンにより流通方向を変更して撹拌する撹拌手段とを備え、撹拌手段が、ベース板上に扇状をなす複数枚のフィンが周方向に列設され、各フィンが周方向の一側を起点として他側をベース板上より離間させるように折曲されて、流通孔を経た排ガスに各フィンにより旋回流を生起させて撹拌するように構成され、各フィンの最外周側の基端から所定長さがベース板に対して連結部により連結されており、各フィンが、プレス成型によりベース板で基端を除く周囲を打ち抜かれて折曲されて略平板状をなすと共に、フィンの形状に対応して流通孔が上記ベース板上に形成され、連結部が、プレス成型時にフィンの基端近傍とベース板との間が引延し方向に塑性変形して形成されて、フィンに対して所定角度をなすように連結されたものである。
従って、エンジンの排ガスは排気通路を経て撹拌手段に到達し、撹拌手段の流通孔を経て下流側に流通しながらフィンにより旋回流を生起して撹拌され、これにより噴射手段から噴射された還元剤が排ガス中に良好に拡散されて後処理装置による排ガスの浄化に利用される。
ベース板に対してフィンは片持ち支持されており、排ガスを案内する際の反力によりフィンの基端には応力が集中するが、フィンの基端から所定長さが連結部を介してベース板に連結されていることから、この箇所の応力が緩和されて破損が未然に防止される。また、連結部によりフィンの基端から所定長さがベース板に連結されていることから、ベース板上からのフィンの支持は単なる片持ち支持に比較して強固なものとなり、それに伴ってフィンの固有振動数が増加する。このため、エンジンの上限回転速度でも排ガスの脈動周波数はフィンの固有振動数に到達せず、フィンの共振による破損が未然に防止される。
しかも、旋回流を生起するときの撹拌手段のフィンは外周側ほど多くの排ガスを案内して大きな反力を受けることから、特にフィンの最外周側の基端近傍に応力が集中すると共に、最外周側が最も撓み易くて剛性が低いが、各フィンの最外周側に連結部が形成されていることから、この箇所の応力が緩和され且つ剛性と共に固有振動数が増加し、これによりフィンの破損が未然に防止される。
加えて、フィン装置のプレス成型時に同時に連結部が形成されるため、その製造工程が簡略化されて製造コストが低減される。
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、排ガスに旋回流を生起させる際に撹拌手段のフィンに生じる応力を低減すると共に、排ガスの脈動周波数がフィンの固有振動数と一致したときの共振を未然に回避し、もってフィンの破損を防止でき、しかもプレス成型と同時に連結部を形成することにより、フィン装置の製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる
以下、本発明をディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図であり、エンジン1は4サイクル直列6気筒機関として構成されている。エンジン1の各気筒には燃料噴射弁2が設けられ、各燃料噴射弁2は共通のコモンレール3から加圧燃料を供給され、機関の運転状態に応じたタイミングで開弁して各気筒の筒内に燃料を噴射する。
エンジン1の吸気側には吸気マニホールド4が装着され、吸気マニホールド4に接続された吸気通路5には、上流側よりエアクリーナ6、ターボチャージャ7のコンプレッサ7a、インタクーラ8が設けられている。また、エンジン1の排気側には排気マニホールド9が装着され、排気マニホールド9には上記コンプレッサ7aと同軸上に連結されたターボチャージャ7のタービン7bを介して排気通路10が接続されている。
エンジン1の運転中においてエアクリーナ6を経て吸気通路5内に導入された吸気はターボチャージャ7のコンプレッサ7aにより加圧された後にインタクーラ8、吸気マニホールド4を経て各気筒に分配され、各気筒の吸気行程で筒内に導入される。筒内では所定のタイミングで燃料噴射弁2から燃料が噴射されて圧縮上死点近傍で着火・燃焼し、燃焼後の排ガスは排気マニホールド9を経てタービン7bを回転駆動した後に排気通路10を経て外部に排出される。
上記排気通路10には本発明の排気浄化装置が設けられ、排気浄化装置は上流側ケーシング11、下流側ケーシング12、及び両ケーシング11,12間に配設されたミキシング室13を備えている。上流側ケーシング11内には上流側より前段酸化触媒14及びDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)15が収容され、下流側ケーシング12内には上流側よりSCR触媒(選択還元型NOx触媒であり、本発明の後処理装置)16及び後段酸化触媒17が収容されている。
全体としてミキシング室13は排気流通方向の中間部を縮径させたベンチュリ状をなし、上流側ケーシング11の下流端から下流側に向けてテーパ状に縮径した後に、再びテーパ状に拡径して下流側ケーシング12の上流端に連続している。ミキシング室13内の最上流位置にはフィン装置18(撹拌手段)が設けられており、このフィン装置18の詳細については後述する。
ミキシング室13内のフィン装置18の下流側には噴射ノズル19(還元剤噴射手段)が配設されており、この噴射ノズル19はミキシング室13の外周一側から中心に向けて延設され、その先端19aをミキシング室13の中心で排気下流側に指向させている。噴射ノズル19にはミキシング室13の外周に設置された電磁弁20を介して図示しない尿素タンクから所定圧の尿素水が供給されており、電磁弁20の開閉に応じて噴射ノズル19の先端19aに貫設された噴射孔からミキシング室13の外周に向けて放射状に尿素水が噴射される。詳細は説明しないが、噴射ノズル19の電磁弁20や上記エンジン1の燃料噴射弁2等は、図示しない制御装置により駆動制御されるようになっている。
図2はフィン装置18とミキシング室13とを排気下流側より見た分解斜視図、図3は同じくフィン装置18とミキシング室13とを排気上流側より見た組立斜視図である。
図1に示すように、上流側ケーシング11の下流端とミキシング室13の上流端との間はフランジ11a,13aを介して接続され、同様にミキシング室13の下流端と下流側ケーシング12の上流端との間もフランジ13b,12aを介して接続されている。図3ではミキシング室13の上流側のフランジ13aを示しているが、フランジ13aは周方向に列設された多数のボルト孔13cを利用して図示しないボルト及びナットで相手側のフランジ11aに接続され、他のフランジ13b,12aについても同様の接続構造を採っている。
上記フィン装置18は、板厚tのスチール製のベース板22をプレス成型して製作され、全体として円盤形状をなしている。ベース板22上は周方向に等分されて、扇状をなす複数枚のフィン23がベース板22の軸線を中心として周方向に列設されており、各フィン23の間にはベース板22の半径方向に延設されたスポーク部24が形成されている。各スポーク部24の外端は、所定幅の環状をなしてベース板22の外周を形作るリム部25に接続され、各スポーク部24の内端はベース板22の中心において相互に接続されている。なお、各スポーク部24の内端はベース板22の中心と完全に一致せずに若干偏心しており、これに伴って各フィン23の内周側もベース板22の中心に対して偏心している。但し、これに限ることはなく、各スポーク部24の内端をベース板22の中心に完全に一致させてもよい。
各フィン23はベース板22の周方向の一側に位置するスポーク部24と連続し、他側のスポーク部24及び外周側のリム部25に対してはプレス成形時に分断されている。各フィン23はプレス成型時に一側のスポーク部24を起点として他側をベース板22上より離間させるように排気下流側に向けて同一角度で折曲形成され、各フィン23のベース板22に対する角度はα(図5に示す)に設定されている。各フィン23の折曲に伴ってベース板22上には各フィン23の形状に対応する扇状の流通孔26が形成され、これらの流通孔26を介して上流側ケーシング11内とミキシング室13内とが相互に連通している。
図4はフィン装置18を排気下流側より見た部分拡大図、図5は連結部の詳細を示す図4のA矢視図、図6は同じく連結部の詳細を示す図4のVI−VI線断面図、図7はフィン23と流通孔26との関係を示す図4のVII−VII線断面図である。
上記のように各フィン23の最外周側はベース板22のリム部25に対して分断されており、その断面は、図7に示すようにベース板22に対してフィン23の外周が排気下流側に離間した形状をなしている。但し、図4〜6に示すように、各フィン23の最外周側における基端側(スポーク部24に近い側)では、所定長さL(直接長さ)に亘ってフィン23の外周とリム部25の内周とが連結部27を介して相互に連結されている。
この連結部27はベース板22をプレス成形する際に、フィン23とリム部25とを分断することなくプレス型の相対移動に伴って引延し方向に塑性変形させることにより形成したものである。但し、連結部27の形成方法はこれに限ることはなく、例えば、フィン23の外周とリム部25の内周との間隙に長さLに亘って別部材の板片を溶接して形成してもよい。
図3に示すように、ミキシング室13の上流側のフランジ13aの内周には環状段差部28が形成されており、フィン装置18はこの環状段差部28内に配設されて、外周のリム部25をフランジ13aに対して周方向に所定間隔で溶接され、これによりミキシング室13に対してフィン装置18が固定されている。
次に、以上のように構成されたエンジン1の排気浄化装置の作用を説明する。
エンジン1から排出された排ガスは排気マニホールド9、ターボチャージャ7のコンプレッサ7a、及び排気通路10を経て上流側ケーシング11内に導入され、前段酸化触媒14及びDPF15を経て流通する際に、含有しているパティキュレートをDPF15に捕集される。その後、排ガスはフィン装置18の各流通孔26に分岐しながら流通してミキシング室13内に導入され、各流通孔26を流通した直後にフィン23に衝突してフィン角度αに倣って流通方向を変更される。その結果、ミキシング室13内において排ガスはミキシング室13の軸線を中心とした旋回流を生起し、その排ガス中に噴射ノズル19から尿素水が噴射される。排ガスによる旋回流はミキシング室13の断面積変化に倣って一旦縮小した後に再び拡大し、これにより尿素水が排ガス中に良好に拡散される。ミキシング室13内での移送中に尿素水は排気熱及び排ガス中の水蒸気により加水分解されてNHを生成し、生成されたNHによりSCR触媒16上では排ガス中のNOxが無害なNに還元されてNOxの浄化が行われる一方、このときの余剰NH3が後段酸化触媒17によりNOに酸化されて処理される。
排ガス中への尿素水の拡散状況はミキシング室13内で生起される旋回流による撹拌作用の強弱に応じて大きく変化し、旋回流により排ガスが強く撹拌されるほど尿素水が排ガス中に良好に拡散し、ひいては尿素水から生成されるアンモニアをSCR触媒16の入口の各部位に均等に供給してNOx浄化作用を向上できる。そのためには排ガスの流通方向を急激に変更して強い旋回流を生起させる必要があり、この観点からフィン角度αとして比較的小さな角度が設定されているのであるが、結果として、図2,3等からも明らかなように、フィン装置18の各フィン23は排ガスの流通を妨げるように配置されて排ガスの案内時に大きな反力を受ける。また、[発明が解決しようとする課題]でも述べたように、フィン装置18のフィン23はエンジン回転速度に応じた排ガスの脈動を常に受けており、排ガスの脈動がフィン23の固有振動数と一致したときには共振を発生する。
上記フィン23の外周に形成された連結部27は、これらの要因によるフィン23の破損を防止するための対策である。排ガスを案内する際の反力による応力は、ベース板22のスポーク部24から片持ち支持されたフィン23の基端近傍に集中しており、扇状のフィン23は外周側ほど多くの排ガスを案内して大きな反力を受けることから、特にフィン23の最外周側の基端近傍に応力が集中し、この箇所が破損する可能性が高い。本実施形態では、このフィン23の最外周側の基端近傍に相当する領域を、長さLに亘って連結部27を介してリム部25の内周に連結している。よって、この箇所の応力が大幅に緩和されて破損が未然に防止される。
また、スポーク部24から片持ち支持されたフィン23の剛性は本来低く、必然的に固有振動数もかなり低いものであるが、連結部27を介してフィン23をリム部25に連結することにより、ベース板22上からのフィン23の支持は単なる片持ち支持に比較してより強固なものとなり、それに伴ってフィン23の固有振動数が増加する。特に扇状をなすフィン23では排ガスの脈動を受けたときに最外周側が最も撓み易いが、この最外周側を連結部27によりリム部25と連結していることから、フィン23の剛性と共に固有振動数が効率的に増加する。
本発明者は、以上の連結部27の効果を検証すべく、連結部27を備えない従来技術のフィン装置と連結部27を備えた本実施形態のフィン装置18とを解析モデルに基づいて比較するシミュレーション試験を実施した。これらのフィン装置18の仕様及び試験結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005140410
表1中の熱応力とは、固有振動数とは、フィン23の1次の固有振動数を意味し、面圧による応力とは、排ガス案内時の反力によりフィン23の最外周側の基端近傍に発生する応力を意味し、面圧による変位量とは、同じく排ガス案内時の反力によりベース板22の中心部が排気下流側に撓んだときの変位量を意味する。固有振動数の単位はHzであり、応力の単位はMPaであり、変位量の単位はmmであるが、表1では、従来技術を100としたときの実施形態の割合として示している。
この表1に示すように、従来技術に比較して実施形態では、固有振動数が大幅に増加している。従って、従来技術ではエンジン1の上限回転速度付近で排ガスの脈動周波数がフィン23の固有振動数を上回って共振により破損の虞が生じるのに対し、固有振動数が遥かに高い本実施形態では、たとえエンジン1が上限回転速度に達しても排ガスの脈動周波数はフィン23の固有振動数に到達せず共振は発生しない。即ち、本実施形態では、どのようなエンジン回転域であってもフィン23は共振せず、共振によるフィン23の破損を確実に防止することができる。
また、面圧による応力及び変位量に関しては、従来技術に対して本実施形態では大幅に低減されている。応力はフィン23の破損し難さを端的に表す指標であることから、本実施形態では排ガスを案内する際にフィン23の基端近傍の最外周側に生じる応力が低減され、応力集中によるフィン23の破損を防止することができる。また、ベース板22の中心部の変位量が小さいことは、連結部27の形成により各フィン23の剛性と共にベース板22全体の剛性が増加していることを意味し、この点からもフィン23の破損防止の効果が得られていることが判る。
ここで、大略的には連結部27が長いほど排ガスの案内時にフィン23に生じる応力が低下すると共に、フィン23の固有振動数が増加して共振の可能性が減少する。但し、応力については、連結部27が長いほど応力集中が緩和されて好ましいだけであるのに対し、固有振動数については、エンジン1の全回転域でフィン23の共振を防止するために、少なくとも上限回転速度での排ガスの脈動周波数よりもフィン23の固有振動数を高く設定する必要があり、明確な目標値が存在する。そこで、例えば本実施形態では、固有振動数が以下の手順で設定される。
まず、本実施形態のエンジン1は4サイクル直列6気筒機関であることから、その上限回転速度を2500rpmとすると、上限回転速度における排ガスの脈動周波数N(Hz)は、次式より導き出される。
N=2500/60×6/2=126
即ち、この場合、フィン装置18のフィン23は最大で126Hzの排ガスの脈動を受けることになる。そこで、連結部27の長さ誤差等を考慮した余裕分を見込んで150Hz以上にフィン23の固有振動数の目標値を設定する。そして、連結部27を種々の長さに変更した試験を実施した結果、この固有振動数の目標値を達成する連結部27の長さLとして30mmが割り出されたものである。
但し、連結部27の長さは、このような固有振動数の観点から必ずしも設定する必要はなく、例えばフィン23の基端近傍の最外周側に発生する応力を指標として設定してもよい。また、言うまでもないが、最適な連結部27の長さはフィン装置18やエンジン1の仕様に応じて異なることから、当然上記30mmに限定されるものではない。
一方、連結部27の形成はフィン23の破損防止作用を奏するものの、排ガスの流れに対する影響に関しては、フィン23の最外周側において若干流れを妨げるに過ぎない。フィン23の最外周側での排ガスの流通状況は旋回流の生起にほとんど関係ないことから、連結部27を備えない場合と同様に旋回流を生起できる。例えばフィン23の周方向の開口部に連結部27を形成した場合には、排ガスの流れが連結部27により大きく妨害されて十分な旋回流を生起できなくなることは明らかであるが、このような弊害を発生することなく、フィン装置18の本来の排ガス撹拌作用を達成できると共に、連結部27の形成が圧損の増加にも繋がらないことから、エンジン性能の低下を引き起こす要因にもならない。
加えて、本実施形態では、フィン装置18のプレス成型時に同時に連結部27を形成している。従って、フィン装置18の製造工程を簡略化して製造コストを低減できると共に、塑性変形により形成された連結部27は、例えばベース板22に別部材の板片を溶接した場合のような溶接剥離等のトラブルも発生しないため、その信頼性が高いという利点もある。
ここで、本発明の撹拌手段は、上記実施形態のフィン装置18のような排ガスに旋回流を生起する形式のものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。そこで、排ガスを撹拌する形式のフィン装置として具体化した別例を、以下に説明する。
図8は別例のフィン装置を示す正面図、図9は同じく連結部の詳細を示す図8のIX−IX線断面図である。
フィン装置31のベース板32はスチール製の円盤形状をなし、ベース板32上には台形状をなす4枚のフィン33が縦横に配列されている。各フィン33は、左右一組ずつ上底(短辺側)を相互に対向させた左右対称の姿勢をなして、それぞれ下底(長辺側)をベース板32と連続させ、上底を含む他の3辺をプレス成型によりベース板32から分断されている。また、各フィン33はプレス成型の際に下底を基端として所定角度で排気下流側に向けて折曲形成され、これによりベース板32上にはフィン33の形状と対応する台形状の流通孔34が形成されている。
各フィン33の基端近傍の両側には所定長さの連結部35が形成されている。上記実施形態と同じく、これらの連結部35はフィン33のプレス成型時に、フィン33とベース板32とを分断せずに引延し方向に塑性変形させて形成したものである。
以上のように構成されたフィン装置31が上記実施形態と同様にミキシング室13の上流側のフランジ13aに固定され、エンジン1の運転中にはフィン装置31の各流通孔34を流通した直後にフィン33に衝突してフィン角度に倣って流通方向を変更される。左右のフィン33が対称に配列されていることから、フィン33により流通方向を変更された排ガスは左右から衝突してミキシング室13内で十分に撹拌され、その排ガス中に噴射ノズル19から尿素水が噴射されてSCR触媒16のNOx浄化に利用される。
そして、重複する説明はしないが、各フィン33に連結部35を形成したことにより、上記実施形態と同様にフィン33の固有振動数が増加すると共に、フィン33の基端近傍に発生する応力が低減され、これらの要因によりフィン33の破損を未然に防止することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、NOx浄化用にSCR触媒16を備えたディーゼルエンジン1の排気浄化装置に具体化したが、還元剤の供給を要する後処理装置を備えたエンジンであればこれに限ることはなく、例えばガソリンエンジンに適用してもよい。
また、例えば排ガス中のNOxを吸蔵する吸蔵型NOx触媒を排気通路に備え、吸蔵したNOxをNOx触媒から放出還元するために、還元剤として燃料を排気通路内に噴射するNOxパージを定期的に実行する必要があるエンジンに適用してもよい。この場合には図1においてSCR触媒16を吸蔵型NOx触媒に置換し、噴射ノズル19から尿素水に代えて燃料を噴射する構成となるが、フィン装置18に連結部41を形成することによる作用効果は上記実施形態と同様に得られる。
実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。 フィン装置とミキシング室とを排気下流側より見た分解斜視図である。 同じくフィン装置とミキシング室とを排気上流側より見た組立斜視図である。 フィン装置を排気下流側より見た部分拡大図である。 連結部の詳細を示す図4のA矢視図である。 同じく連結部の詳細を示す図4のVI−VI線断面図である。 フィンと流通孔との関係を示す図4のVII−VII線断面図である。 別例のフィン装置を示す正面図である。 同じく連結部の詳細を示す図8のIX−IX線断面図である。
符号の説明
1 エンジン
12 下流側ケーシング(排気通路)
13 ミキシング室(排気通路)
16 SCR触媒(後処理装置)
18,31 フィン装置(撹拌手段)
19 噴射ノズル(還元剤噴射手段)
22,32 ベース板
23,33 フィン
26,34 流通孔
27,35 連結部

Claims (1)

  1. エンジンの排気通路に配設され、還元剤を供給されて浄化作用を奏する後処理装置と、
    上記後処理装置の上流側の上記排気通路内に還元剤を噴射する還元剤噴射手段と、
    上記後処理装置の上流側の上記排気通路内に配設され、該排気通路を上流側と下流側とに区画するベース板上に一側を起点としてフィンを所定角度で折曲し、該フィンの折曲によりベース板上に開口した流通孔を経て排ガスを流通させながら上記フィンにより流通方向を変更して撹拌する撹拌手段とを備え、
    上記撹拌手段は、上記ベース板上に扇状をなす複数枚のフィンが周方向に列設され、各フィンが周方向の一側を起点として他側をベース板上より離間させるように折曲されて、上記流通孔を経た排ガスに各フィンにより旋回流を生起させて撹拌するように構成され、各フィンの最外周側の基端から所定長さが上記ベース板に対して連結部により連結されており、
    上記各フィンは、プレス成型によりベース板で上記基端を除く周囲を打ち抜かれて折曲されて略平板状をなすと共に、該フィンの形状に対応して上記流通孔が上記ベース板上に形成され、
    上記連結部は、上記プレス成型時に上記フィンの基端近傍と上記ベース板との間が引延し方向に塑性変形して形成されて、上記フィンに対して所定角度をなすように連結されたことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
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