JP2006183508A - 内燃機関の排ガス攪拌装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 内燃機関1の排気通路11に筒状をなす本体21を配置して本体21内に一対のベーン23を立設し、これらのベーン23により排ガスを案内して旋回流の生起により攪拌作用を得ると共に、本体21の中心にベーン23が存在しない流通部24を形成して、ベーン23による圧力損失を軽減する。
【選択図】 図5
Description
そして、蒸気温度の低下のために単に蒸気を流通させるだけの産業用ボイラでは多少の圧力損失があっても何ら問題は生じないが、内燃機関においては排ガスの圧力損失が機関性能に多大な影響を与え、しかも機関の運転状態に応じて排ガス流量と共に圧力損失が大幅に変化することから、攪拌装置を設けたときに生じる圧力損失による燃費悪化や出力低下等は無視できない問題となる。
そして、ベーンにより案内される際に排ガスは圧力損失を生じるが、排気通路の中心部に形成された空間(以下、流通部と称する)を流れる排ガスはベーンにより案内されることなく下流側へと流通するため、ベーンによる圧力損失は発生せず、全体としての排ガスの圧力損失はより小さなものとなる。
従って、内燃機関の排気通路とは別体で攪拌装置を製作可能となり、製造コストが低減される。
従って、排ガスの流通に伴って本体に下流側への力が作用しても、鍔部により本体がフランジ部に係止されるため、例えば溶接等により本体を固定する対策を実施する必要がない。
従って、例えば図9に示すようにベーン幅が過度に増加すると、十分な面積の流通部が形成されなくなって排ガスの圧力損失が増大する一方、ベーン幅が過度に縮小すると旋回流の生起が不足するため、これらの制限に基づき排気通路の内径に対してベーンの幅を10〜20%の範囲内で設定すれば、排ガスの攪拌作用と圧力損失とを高次元で両立可能となる。
従って、例えば図8に示すように、ベーンの形成角度が過度に増加すると排ガスの圧力損失が増大する一方、ベーンの形成角度が過度に縮小すると旋回流の生起が不足するため、これらの制限に基づきベーンの形成角度を90〜180degの範囲内で設定すれば、排ガスの攪拌作用と圧力損失とを高次元で両立可能となる。
請求項2の発明の内燃機関の排ガス攪拌装置によれば、請求項1に加えて、排気通路とは別体で攪拌装置を製作することにより製造コストを低減することができる。
請求項4及び5の発明の内燃機関の排ガス攪拌装置によれば、請求項1乃至3に加えて、ベーン幅やベーンの形成角度を最適設定することにより、排ガスの攪拌作用と圧力損失とを高次元で両立することができる。
図1は本実施形態の排ガス攪拌装置が適用されたディーゼル内燃機関を示す全体構成図であり、内燃機関1は直列6気筒機関として構成されている。内燃機関1の各気筒には燃料噴射弁2が設けられ、各燃料噴射弁2は共通のコモンレール3から加圧燃料を供給され、機関の運転状態に応じたタイミングで開弁して各気筒の筒内に燃料を噴射する。
内燃機関1の運転中においてエアクリーナ6を経て吸気通路5内に導入された吸気はターボチャージャ7のコンプレッサ7aにより加圧された後にインタクーラ8、吸気絞り弁9、吸気マニホールド4を経て各気筒に分配され、各気筒の吸気行程で筒内に導入される。筒内では所定のタイミングで燃料噴射弁2から燃料が噴射されて圧縮上死点近傍で着火・燃焼し、燃焼後の排ガスは排気マニホールド10を経てタービン7bを回転駆動した後に排気絞り弁12、攪拌装置13、燃料ノズル14、NOx触媒15、消音器を経て外部に排出され、このとき排ガス中のNOxがNOx触媒15により吸蔵されて大気中への放出が防止される。
図1に示すように、排気通路11の燃料ノズル14が設置された個所より若干上流側には接続個所としてフランジ11aが設けられ、このフランジ11aの下流側に攪拌装置13が配置されている。図2は攪拌装置13を排気上流側から見た正面図、図3は図2のIII−III線に相当する側断面図、図4は排気通路11内での攪拌装置13の配置状態を示す側断面図、図5はベーンによる旋回流の生起状況を示す斜視図である。
本体21内の180°相対向する2箇所にはベーン23が形成され、後述するように各ベーン23は本体21にスリット26を形成して内周側に直角に起立させたものである。結果として本体21にはベーン23に対応する形状の抜き孔21bが形成される一方、各ベーン23を本体21の内周側に起立させたときの皺の発生を防止するためにベーン23には長手方向に所定間隔をおいて逃げ部23aが形成されている(図3,4では逃げ部23aを省略)。各ベーン23は本体21の軸方向(排ガスの流通方向)に向けて相互に同一方向(図2において反時計周り)に螺旋状をなしながら延設され、本体21の中心には両ベーン23が存在せずに上流側と下流側とが直接連通する流通部24が形成されている。
次に、以上のように構成された攪拌装置13の製作手順を説明する。
図6は鋼板25にベーン23に対応するスリット26を形成した段階の攪拌装置13の製作手順を示す説明図、図7は鋼板25を円筒状に湾曲した段階の攪拌装置13の製作手順を示す説明図である。まず、図6に示すように、鋼板25を攪拌装置13の本体21に対応する長方形状の外形にプレスで打ち抜き、次いで両ベーン23に対応する形状のスリット26を同じくプレスにより打ち抜く。尚、これらの打ち抜き作業は同一工程で同時に実施してもよい。
その後、本体21の各スリット26の個所を内周側に向けてプレス加工すると、折曲線27を起点として各ベーン23が内周側に直角に起立する。プレス加工の際にベーン23の先端縁は本体21の内周側、即ち縮径方向に変位しながらベーン23の起立を妨害することになるが、このときベーン23の先端縁に形成された三角状の逃げ部23aが次第に閉じ方向に変形するため、ベーン23は無理な変形により皺を発生することなく本体21内で起立する。そして、ベーン23が直角に起立した時点で先端縁の各逃げ部23aは完全に閉じるため、ベーン23の表面は逃げ部23aを有しない1枚板と同様の滑らかな形状をなし、排ガスの流れを妨げることなく円滑に案内可能となる。
ベーン23の起立角度についても直角に限らず任意の角度に変更可能である。
以上の工程により攪拌装置13が製作され、完成後の攪拌装置13をフランジ11aによる接続個所から排気通路11内に配置した上で、鍔部22をフランジ11aに対して溶接すると、攪拌装置13の設置が完了する。このように攪拌装置13は排気通路11とは別体で製作可能なため製作作業を実施し易く、しかも板金加工により1枚の鋼板25から製作できるため、ひいては製造コストを低減することができる。
図8はベーン角度θを変更して旋回流(1分間当たりの排ガスの回転数であり、ベーン23による攪拌作用を表す指標と見なせる)と圧力損失とを測定した試験結果であり、当該試験はベーン幅W=35mm、ベーン長L=100mm、ベーン数N=2、本体の内径D=106mmの条件の下に実施した。
ところで、排気通路11内での攪拌装置13の設置状態や攪拌装置13自体の構成に関して、本実施形態は種々に変更可能であり、以下、その別例を説明する。
11 排気通路
21 本体
22 鍔部
23 ベーン
24 流通部
Claims (5)
- 内燃機関の排気通路に上流側から添加物供給手段と排ガス浄化装置とを順に備え、上記添加物供給手段の上流側又は下流側に位置する排気通路の内面に排ガス流通方向に対して所定の角度をなして複数のベーンを配設すると共に、該ベーンを排気流通路中央部に排ガスの流通方向に沿って空間を有するように排気通路内面から延出して形成したことを特徴とする内燃機関の排ガス攪拌装置。
- 上記各ベーンを筒状をなす本体の内面に立設し、該本体を上記排気通路内に固定したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排ガス攪拌装置。
- 上記本体の排ガス流通方向の上流側に鍔部を形成し、該鍔部を上記排気通路を接続するフランジ部に係止させたことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の排ガス攪拌装置。
- 上記排気通路の径方向における上記ベーンの幅を該排気通路の内径に対して10〜20%の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の内燃機関の排ガス攪拌装置。
- 上記排気通路の周方向における上記ベーンの形成角度を90〜180degの範囲内に設定したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の内燃機関の排ガス攪拌装置。
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