JP2006183508A - 内燃機関の排ガス攪拌装置 - Google Patents

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智 平沼
Ritsuko Shinozaki
律子 篠▲崎▼
Shinichi Saito
真一 斎藤
Yasuko Suzuki
康子 鈴木
Takuya Kitasei
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Abstract

【課題】 排気通路内を流通する排ガスを効率よく攪拌できる共に、ベーンによる排気通路の圧力損失の増大を抑制できる内燃機関の排ガス攪拌装置を提供する。
【解決手段】 内燃機関1の排気通路11に筒状をなす本体21を配置して本体21内に一対のベーン23を立設し、これらのベーン23により排ガスを案内して旋回流の生起により攪拌作用を得ると共に、本体21の中心にベーン23が存在しない流通部24を形成して、ベーン23による圧力損失を軽減する。
【選択図】 図5

Description

本発明は内燃機関の排ガス攪拌装置に係り、詳しくは内燃機関の排ガスを攪拌して排ガスと排ガス中に供給された成分の混合を促進する排ガス攪拌装置に関するものである。
例えば産業用ボイラでは、蒸気通路内を流通する蒸気に対して水をスプレー噴射して蒸気温度を低下させる蒸気温度低減器が設けられているが、効率的に蒸気温度を低下させるために攪拌装置により蒸気と水とを攪拌することで混合促進を図っている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に開示された技術では、蒸気通路内に配置した噴射ノズルを中心として攪拌装置の多数のベーンを周方向に列設し、蒸気通路内を流通する蒸気を各ベーンにより斜め方向に案内して旋回流を生起させ、この旋回流中に噴射ノズルから水を噴射して蒸気と水とを混合している。
一方、内燃機関では排ガス中の成分の混合促進を目的として排ガスの攪拌が要求される場合があり、例えばリーン運転によりリーンNOx触媒に吸蔵されたNOxをパージすべく排気通路に還元剤として燃料を供給したときには、排ガスと燃料との混合を促進してNOxパージが効率的に行われるように排ガスを攪拌することが望ましく、このような用途に上記攪拌装置を適用することが考えられる。
特開平8−42811号公報(図1,2)
ところで、上記特許文献1の攪拌装置では、図2から明らかなように中心の噴射のノズルを取囲むように蒸気通路の略全体に各ベーンを配置している。これは蒸気通路内を流通するほぼ全ての蒸気をベーンにより案内して旋回流の生起に貢献させるように配慮した結果であるが、その反面、かなりの圧力損失を生じるという特性を有する。
そして、蒸気温度の低下のために単に蒸気を流通させるだけの産業用ボイラでは多少の圧力損失があっても何ら問題は生じないが、内燃機関においては排ガスの圧力損失が機関性能に多大な影響を与え、しかも機関の運転状態に応じて排ガス流量と共に圧力損失が大幅に変化することから、攪拌装置を設けたときに生じる圧力損失による燃費悪化や出力低下等は無視できない問題となる。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、排気通路内を流通する排ガスを効率よく攪拌できる共に、ベーンによる排気通路の圧力損失の増大を抑制することができる内燃機関の排ガス攪拌装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気通路に上流側から添加物供給手段と排ガス浄化装置とを順に備え、添加物供給手段の上流側又は下流側に位置する排気通路の内面に排ガス流通方向に対して所定の角度をなして複数のベーンを配設すると共に、ベーンを排気流通路中央部に排ガスの流通方向に沿って空間を有するように排気通路内面から延出して形成したものである。
従って、内燃機関の運転時には排気通路内を流通する排ガスがベーンに案内されて旋回流を生起するため、排気通路内に添加物が供給されたとき、例えばNOx触媒に吸蔵されたNOxを放出・還元させるべく還元剤として燃料が供給されたとき等には、生起した旋回流により排ガスと燃料とが良好に混合されてNOxの放出・還元が効率よく行われる。
そして、ベーンにより案内される際に排ガスは圧力損失を生じるが、排気通路の中心部に形成された空間(以下、流通部と称する)を流れる排ガスはベーンにより案内されることなく下流側へと流通するため、ベーンによる圧力損失は発生せず、全体としての排ガスの圧力損失はより小さなものとなる。
請求項2の発明は、請求項1において、各ベーンを筒状をなす本体の内面に立設し、本体を排気通路内に固定したものである。
従って、内燃機関の排気通路とは別体で攪拌装置を製作可能となり、製造コストが低減される。
請求項3の発明は、請求項2において、本体の排ガス流通方向の上流側に鍔部を形成し、鍔部を排気通路を接続するフランジ部に係止したものである。
従って、排ガスの流通に伴って本体に下流側への力が作用しても、鍔部により本体がフランジ部に係止されるため、例えば溶接等により本体を固定する対策を実施する必要がない。
請求項4の発明は、請求項1乃至3において、排気通路の径方向におけるベーンの幅を排気通路の内径に対して10〜20%の範囲内に設定したものである。
従って、例えば図9に示すようにベーン幅が過度に増加すると、十分な面積の流通部が形成されなくなって排ガスの圧力損失が増大する一方、ベーン幅が過度に縮小すると旋回流の生起が不足するため、これらの制限に基づき排気通路の内径に対してベーンの幅を10〜20%の範囲内で設定すれば、排ガスの攪拌作用と圧力損失とを高次元で両立可能となる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4において、排気通路の周方向におけるベーンの形成角度を90〜180degの範囲内に設定したものである。
従って、例えば図8に示すように、ベーンの形成角度が過度に増加すると排ガスの圧力損失が増大する一方、ベーンの形成角度が過度に縮小すると旋回流の生起が不足するため、これらの制限に基づきベーンの形成角度を90〜180degの範囲内で設定すれば、排ガスの攪拌作用と圧力損失とを高次元で両立可能となる。
以上説明したように請求項1の発明の内燃機関の排ガス攪拌装置によれば、ベーンにより排気通路内を流通する排ガスに旋回流を生起させて効率よく攪拌できると共に、排気通路の中心部にベーンが存在しない流通部を形成し、ベーンによる排気通路の圧力損失の増大を抑制することができる。
請求項2の発明の内燃機関の排ガス攪拌装置によれば、請求項1に加えて、排気通路とは別体で攪拌装置を製作することにより製造コストを低減することができる。
請求項3の発明の内燃機関の排ガス攪拌装置によれば、請求項2に加えて、鍔部により本体を排気通路内のフランジ部に係止することにより、本体を固定するための対策を省略することができる。
請求項4及び5の発明の内燃機関の排ガス攪拌装置によれば、請求項1乃至3に加えて、ベーン幅やベーンの形成角度を最適設定することにより、排ガスの攪拌作用と圧力損失とを高次元で両立することができる。
以下、本発明をリーンNOx触媒を備えたディーゼル内燃機関用の排ガス攪拌装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の排ガス攪拌装置が適用されたディーゼル内燃機関を示す全体構成図であり、内燃機関1は直列6気筒機関として構成されている。内燃機関1の各気筒には燃料噴射弁2が設けられ、各燃料噴射弁2は共通のコモンレール3から加圧燃料を供給され、機関の運転状態に応じたタイミングで開弁して各気筒の筒内に燃料を噴射する。
内燃機関1の吸気側には吸気マニホールド4が装着され、吸気マニホールド4に接続された吸気通路5には、上流側よりエアクリーナ6、ターボチャージャ7のコンプレッサ7a、インタクーラ8、アクチュエータ9aにより開閉駆動される吸気絞り弁9が設けられている。又、内燃機関1の排気側には排気マニホールド10が装着され、排気マニホールド10には上記コンプレッサ7aと同軸上に連結されたターボチャージャ7のタービン7bが接続されている。タービン7bには排気通路11が接続され、排気通路11には上流側からアクチュエータ12aにより開閉駆動される排気絞り弁12、攪拌装置13、排気通路11内に燃料を噴射するための燃料ノズル14(添加物供給手段)、リーンNOx触媒15、及び図示しない消音器が設けられている。
周知のようにNOx触媒15は主としてO2の存在する酸化雰囲気でNOxを吸蔵し、主としてHC,COの存在する還元雰囲気中でNOxを放出・還元する機能を有する。排気マニホールド10と吸気マニホールド4とはEGR通路16を介して接続され、EGR通路16にはアクチュエータ17aにより開閉駆動されるEGR弁17が設けられている。
内燃機関1の運転中においてエアクリーナ6を経て吸気通路5内に導入された吸気はターボチャージャ7のコンプレッサ7aにより加圧された後にインタクーラ8、吸気絞り弁9、吸気マニホールド4を経て各気筒に分配され、各気筒の吸気行程で筒内に導入される。筒内では所定のタイミングで燃料噴射弁2から燃料が噴射されて圧縮上死点近傍で着火・燃焼し、燃焼後の排ガスは排気マニホールド10を経てタービン7bを回転駆動した後に排気絞り弁12、攪拌装置13、燃料ノズル14、NOx触媒15、消音器を経て外部に排出され、このとき排ガス中のNOxがNOx触媒15により吸蔵されて大気中への放出が防止される。
上記吸気絞り弁9、排気絞り弁12、EGR弁17の各アクチュエータ9a,12a,17a、燃料噴射弁2、燃料ノズル14等は図示しないECU(電子コントロールユニット)に接続され、センサ類からの検出情報に基づいてECUにより駆動制御される。例えばECUは機関回転速度や負荷に基づいて燃料噴射弁2の噴射量及び噴射時期を制御して内燃機関1を運転すると共に、アクチュエータ17aによりEGR弁17の開度を制御して排気側から吸気側に還流されるEGR量を調整し、図示しないウエストゲートの開度を制御してターボチャージャ7の過給圧を調整する。
更に、ECUは機関の運転状態から求めたNOx量を逐次加算することでNOx触媒15のNOx吸蔵量を推定し、推定したNOx吸蔵量が所定値に達したときには燃料ノズル14から還元剤として燃料を噴射するNOxパージ処理を実施して、NOx触媒15に吸蔵されたNOxを放出・還元する。尚、NOxパージ処理では吸気絞り弁9や排気絞り弁12を適宜閉弁側に制御することにより排気流量を制限してNOxパージの効率化を図る。
そして、このNOxパージ処理では排ガスと燃料ノズル14から噴射された燃料とが良好に混合するように攪拌装置13により排ガスが攪拌されており、以下、当該攪拌装置13の構成について詳述する。
図1に示すように、排気通路11の燃料ノズル14が設置された個所より若干上流側には接続個所としてフランジ11aが設けられ、このフランジ11aの下流側に攪拌装置13が配置されている。図2は攪拌装置13を排気上流側から見た正面図、図3は図2のIII−III線に相当する側断面図、図4は排気通路11内での攪拌装置13の配置状態を示す側断面図、図5はベーンによる旋回流の生起状況を示す斜視図である。
攪拌装置13は全体として筒状をなして内部に一対のベーン23を備えており、1枚の鋼板を板金加工して製作されている。詳述すると攪拌装置13の本体21は、鋼板を湾曲形成して相互に当接した両端縁を溶接部21aにより接合されて円筒状をなし、本体21の排気上流側には鍔部22が形成されている。
本体21内の180°相対向する2箇所にはベーン23が形成され、後述するように各ベーン23は本体21にスリット26を形成して内周側に直角に起立させたものである。結果として本体21にはベーン23に対応する形状の抜き孔21bが形成される一方、各ベーン23を本体21の内周側に起立させたときの皺の発生を防止するためにベーン23には長手方向に所定間隔をおいて逃げ部23aが形成されている(図3,4では逃げ部23aを省略)。各ベーン23は本体21の軸方向(排ガスの流通方向)に向けて相互に同一方向(図2において反時計周り)に螺旋状をなしながら延設され、本体21の中心には両ベーン23が存在せずに上流側と下流側とが直接連通する流通部24が形成されている。
図4に示すように、攪拌装置13は排気通路11のフランジ11aによる接続個所から排気通路11内に配設され、本体21を排気通路11の内周に嵌合させると共に、鍔部22を排気通路11のフランジ11aに形成された凹部11b内に当接させている。鍔部22の周囲は溶接部22aによりフランジ11aに対して接合され、これにより攪拌装置13は排気通路11内の所定位置に固定されている。
ここで、排ガスの流通に伴って攪拌装置13には下流側への力が作用するが、この力には鍔部22が対抗して攪拌装置13を所定位置に保持するため、溶接部22aによる攪拌装置13の固定を省略してもよい。
次に、以上のように構成された攪拌装置13の製作手順を説明する。
図6は鋼板25にベーン23に対応するスリット26を形成した段階の攪拌装置13の製作手順を示す説明図、図7は鋼板25を円筒状に湾曲した段階の攪拌装置13の製作手順を示す説明図である。まず、図6に示すように、鋼板25を攪拌装置13の本体21に対応する長方形状の外形にプレスで打ち抜き、次いで両ベーン23に対応する形状のスリット26を同じくプレスにより打ち抜く。尚、これらの打ち抜き作業は同一工程で同時に実施してもよい。
図6では本体21を左右方向に展開した姿勢で鋼板25を示した上で、ベーン23を形作るスリット26を実線で表現し、後でベーン23を起立させるときの折曲線27を破線で表現しているが、本体21内でベーン23が排ガスの流通方向(図6の上下方向)に対して螺旋をなすように、鋼板25上では所定角度に傾斜してベーン23の形状がスリット26により形作られる。そして、各ベーン23の先端縁(折曲線27の反対側)には所定間隔をおいて6箇所が三角状に打ち抜かれ、打ち抜き後には三角状の領域が脱落して対応する形状の逃げ部23aが形成される。
次いで、鋼板25には図6の左右方向にロール加工が施されて図7に示す円筒状に湾曲され、相互に当接した両端縁が溶接されて溶接部21aとなり、これにより円筒状の本体21が形成される。又、このロール加工と同時に鋼板25の一側には絞り加工が施され、本体21から略直角に折曲する鍔部22が形成される。
その後、本体21の各スリット26の個所を内周側に向けてプレス加工すると、折曲線27を起点として各ベーン23が内周側に直角に起立する。プレス加工の際にベーン23の先端縁は本体21の内周側、即ち縮径方向に変位しながらベーン23の起立を妨害することになるが、このときベーン23の先端縁に形成された三角状の逃げ部23aが次第に閉じ方向に変形するため、ベーン23は無理な変形により皺を発生することなく本体21内で起立する。そして、ベーン23が直角に起立した時点で先端縁の各逃げ部23aは完全に閉じるため、ベーン23の表面は逃げ部23aを有しない1枚板と同様の滑らかな形状をなし、排ガスの流れを妨げることなく円滑に案内可能となる。
尚、このように逃げ部23aはベーン23の起立(変形)を許容するためのものであり、その個数や形状は上記した例に限らず任意に変更可能である。又、
ベーン23の起立角度についても直角に限らず任意の角度に変更可能である。
以上の工程により攪拌装置13が製作され、完成後の攪拌装置13をフランジ11aによる接続個所から排気通路11内に配置した上で、鍔部22をフランジ11aに対して溶接すると、攪拌装置13の設置が完了する。このように攪拌装置13は排気通路11とは別体で製作可能なため製作作業を実施し易く、しかも板金加工により1枚の鋼板25から製作できるため、ひいては製造コストを低減することができる。
そして、内燃機関1の運転時には、排気通路11内を流通する排ガスが攪拌装置13の本体21内を流通することになり、図5に示すように攪拌装置13の上流側ではほぼ平行流として移送される排ガスが攪拌装置13のベーン23により螺旋状に案内されて旋回流を生起し、旋回流を保ったまま燃料ノズル14へと移送される。その結果、上記したNOxパージ処理により燃料ノズル14から燃料が噴射されているときには、旋回流を利用して排ガスと燃料とが良好に混合されるため、燃料によるHCを均一に含んだ排ガスがNOx触媒15上に供給されてNOxの放出・還元が効率的に行われる。
攪拌装置13の本体21内において排ガスはベーン23により案内される際に圧力損失を生じるが、本体21の中心の流通部24を流れる排ガスはベーン23により案内されることなく下流側へと流通するため、ベーン23による圧力損失は一切発生せず、全体としての排ガスの圧力損失はより小さなものとなる。よって、攪拌装置13を設けたことによる排ガスの圧力損失の増大を抑制し、圧力損失に起因する燃費悪化や出力低下等の不具合を防止した上で、上記のように排ガスを良好に攪拌してNOxパージを効率的に実施することができる。
ところで、周知のように攪拌装置13による排ガスの攪拌作用と圧力損失とはトレードオフの関係にあり、双方の条件を高次元で満足可能なベーン形状が存在し、本実施形態のように本体21の中心に流通部24を形成して圧力損失の低減を図った場合であっても、流通部24を形成した上で最適なベーン形状を特定可能であり、以下、最適なベーン形状の設定について説明する。
まず、本実施形態のように螺旋状をなすベーン23は、図2,3に示すように本体21内での径方向のベーン23の幅W、本体21内での周方向のベーン23の形成角度θ、本体21内での軸方向のベーン23の長さL、ベーン23の枚数Nによって概略の形状を特定できる。
図8はベーン角度θを変更して旋回流(1分間当たりの排ガスの回転数であり、ベーン23による攪拌作用を表す指標と見なせる)と圧力損失とを測定した試験結果であり、当該試験はベーン幅W=35mm、ベーン長L=100mm、ベーン数N=2、本体の内径D=106mmの条件の下に実施した。
基本的に旋回流と圧力損失との関係はトレードオフのため、ベーン角度θを増加させるほど旋回流と共に圧力損失も増加する傾向となるが、ベーン角度θが180deg付近で旋回流の増加が頭打ちになるのに対して圧力損失は更に増加することから、ベーン角度θの上限値は180deg程度が好ましい。又、排ガス攪拌のために要する旋回流はベーン角度θが90deg以上でないと得られないため、ベーン角度θの下限値は90deg程度が好ましい。よって、ベーン角度θは90〜180degで設定することが望ましいことが判る。
図9はベーン幅Wを変更して旋回流と圧力損失とを測定した試験結果であり、当該試験はベーン角度θ=100deg、ベーン長L=100mm、ベーン数N=2、内径D=106mmの条件の下に実施した。ここで、本体21内の中心の流通部24はベーン幅Wに応じて形成され、それに応じて流通部24による圧力損失の軽減作用が大きく変動するため、ベーン幅Wの設定は本実施形態では特に重要なものとなる。
ここでも旋回流と圧力損失とはトレードオフの関係にあるが、ベーン幅Wが20mm以上では圧力損失の増大が著しいことが判る。この現象はベーン幅Wの増加により十分な面積の流通部24が形成されなくなって流通部24の作用が不足するためと推測され、これによりベーン幅Wの上限値は20mm程度が好ましい。又、排ガス攪拌のために要する旋回流はベーン幅Wが10mm以上でないと得られないため、ベーン幅Wの下限値は10mm程度が好ましい。よって、ベーン幅Wは10〜20mm程度の程度の範囲内、本体21の内径D(=106mm)を基準とした比率で表現すれば、約0.1〜0.2Dの範囲内で設定することが望ましいことが判る。
尚、ベーン長L及びベーン数Nについても同様の試験を実施したが、ベーン長Lやベーン数Nを変更しても旋回流と圧力損失との関係に顕著な改善は見出せなかった。よって、これらの要件は攪拌装置13の製作上の観点から、例えばベーン長Lについては本体21の内径Dを基準として0.2〜1.0Dの範囲内に、ベーン数Nについては2〜4の範囲内に設定すればよい。
以上の試験結果から、ベーン角度θ及びベーン幅Wを上記推奨範囲内に設定すれば、排ガスの攪拌作用と圧力損失とを高次元で両立でき、必然的に本実施形態の流通部24による圧力損失の軽減作用が十分に得られ、圧力損失による内燃機関1の性能低下を未然に防止できる。
ところで、排気通路11内での攪拌装置13の設置状態や攪拌装置13自体の構成に関して、本実施形態は種々に変更可能であり、以下、その別例を説明する。
まず、攪拌装置13の設置状態に関しては、図10に示すように攪拌装置13の鍔部22を省略して、排気通路11の内周面に攪拌装置13を直接溶接してもよい。又、図11に示すように、アルミや銅等の塑性変形し易い材料により攪拌装置13を製作し、鍔部22を排気通路11のフランジ11a間で挟持させることで攪拌装置13を固定すると共に、このときの鍔部22をフランジ11a間のガスケットとして利用してもよい。この場合には攪拌装置13を溶接固定していないため排気通路11内から容易に脱着可能であり、何らかの要因によりベーン23が変形したり或いはベーン23にスラッジが堆積したりしたときには、排気通路11内から攪拌装置13を取り外して交換や清掃作業を実施できるという利点も得られる。
攪拌装置13の構成に関しては、本実施形態のように鋼板25の板金加工による製作に代えて、例えば図12に示すように半割状に本体21を鋳造した上でそれぞれの内周面に1枚板のベーン23を溶接固定し、その後に相互に溶接結合して本体21として完成させてもよい。又、排気通路11に対して攪拌装置13を別体で設けることなく、排気通路11の内周面に直接ベーン23を溶接固定してもよい。
一方、本実施形態のように本体21の内周にベーン23を形成することなく、例えば図13に示すように、円盤状の鋼板31にベーン32を折曲形成してもよい。詳述すると、鋼板31の中心部に本実施形態の流通部に相当する流通孔33を貫設し、この流通孔33の周囲に多数のベーン形状にスリット34(実線で示す)を形成した上で、折曲線35(破線で示す)を起点として各ベーン32を所定角度で起立させる。このように構成した攪拌装置30を内燃機関1の排気通路11に配置すると、ベーン32の起立角度に沿って排ガスが案内されて旋回流を生起するが、中心の流通孔33により圧力損失が軽減されるため実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、リーンNOx触媒15を備えたディーゼル内燃機関1用の排ガス攪拌装置に具体化したが、排ガスの攪拌を要する内燃機関であれば種別はこれに限らず、例えば尿素を利用してNOxを還元する選択還元型SCR触媒を備えた内燃機関に適用し、攪拌装置13により排ガスを攪拌して噴射ノズルから供給される尿素との混合を促進するようにしてもよい。又、リーンNOx触媒15を備えたガソリンエンジンに適用してもよい。
更に、上記実施形態では燃料ノズル14の上流側に攪拌装置13を配置したが、攪拌装置13の位置はこれに限ることはなく、燃料ノズル14の下流側でもよいし、攪拌装置13の本体21内に燃料ノズル14を配置してもよい。
実施形態の排ガス攪拌装置が適用されたディーゼル内燃機関を示す全体構成図である。 攪拌装置を排気上流側から見た正面図である。 図2のIII−III線に相当する側断面図である。 排気通路内での攪拌装置の配置状態を示す側断面図である。 ベーンによる旋回流の生起状況を示す斜視図である。 鋼板にベーンに対応するスリットを形成した段階の攪拌装置の製作手順を示す説明図である。 鋼板を円筒状に湾曲した段階の攪拌装置の製作手順を示す説明図である。 ベーン角度を変更して旋回流と圧力損失とを測定した試験結果を示す図である。 ベーン幅を変更して旋回流と圧力損失とを測定した試験結果を示す図である。 鍔部を省略した攪拌装置の別例を示す側断面図である。 鍔部をガスケットとして利用した攪拌装置の別例を示す側断面図である。 本体を2分割で製作した攪拌装置の別例を示す正面図である。 円盤状の鋼板から製作した攪拌装置の別例を示す正面図である。
符号の説明
1 内燃機関
11 排気通路
21 本体
22 鍔部
23 ベーン
24 流通部

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に上流側から添加物供給手段と排ガス浄化装置とを順に備え、上記添加物供給手段の上流側又は下流側に位置する排気通路の内面に排ガス流通方向に対して所定の角度をなして複数のベーンを配設すると共に、該ベーンを排気流通路中央部に排ガスの流通方向に沿って空間を有するように排気通路内面から延出して形成したことを特徴とする内燃機関の排ガス攪拌装置。
  2. 上記各ベーンを筒状をなす本体の内面に立設し、該本体を上記排気通路内に固定したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排ガス攪拌装置。
  3. 上記本体の排ガス流通方向の上流側に鍔部を形成し、該鍔部を上記排気通路を接続するフランジ部に係止させたことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の排ガス攪拌装置。
  4. 上記排気通路の径方向における上記ベーンの幅を該排気通路の内径に対して10〜20%の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の内燃機関の排ガス攪拌装置。
  5. 上記排気通路の周方向における上記ベーンの形成角度を90〜180degの範囲内に設定したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の内燃機関の排ガス攪拌装置。
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