JP4861974B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明はエンジンの排気浄化装置に係り、詳しくは排気通路を流通する排ガス中に噴射ノズルから還元剤を噴射して下流側の後処理装置に供給する排気浄化装置に関するものである。
この種の排ガス中に還元剤を噴射して下流側の後処理装置に供給する排気浄化装置としては、例えば選択還元型のNOx触媒を備えたものがある。周知のように選択還元型のNOx触媒は排ガス中のNOxを還元するためにアンモニア(NH)を必要とすることから、排気通路のNOx触媒の上流側に配置した噴射ノズルから還元剤として尿素水を噴射し、尿素水が排気熱及び排ガス中の水蒸気により加水分解されて生成されるアンモニアを利用してNOx還元作用を得ている。
NOx触媒のNOx還元作用は尿素水の供給状態の影響を強く受け、良好な還元作用を得るには、排ガス中に尿素水を十分に拡散させて、NOx触媒の各部位に均等にアンモニアを供給する必要がある。このような要望を達成するために排気通路に排ガスを撹拌するための手段を設けた種々の対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1の技術では、その図1,2に示すようにエンジンの排気管の下流側にNOx触媒を収容したケースを接続し、排気管内の軸線上に尿素水インジェクタの噴射ノズルを設けると共に、排気管の噴射ノズルの排気上流側に4枚のフィンを備えたフィン装置を配設し、排ガスがフィン装置を流通する際にフィンの作用で旋回流を生起させ、この旋回流の略中心に沿って噴射ノズルから尿素水を噴射して排ガス中への拡散促進を図っている。
特開2006−29233号公報(図1,2)
しかしながら、上記特許文献1の技術では、旋回流の略中心に沿って尿素水を噴射することにより排ガスへの拡散を促進しているため、噴射ノズルを排気管内の軸線近傍に配設することが必須となる。結果として噴射ノズルの位置が限定されることから、使用する尿素水インジェクタの種類が制限されるという問題を抱えている。
即ち、一般的に尿素水インジェクタには、尿素水を圧縮空気と共に噴射する所謂エアアシスト方式と、圧縮空気を用いずに尿素水のみを噴射する所謂エアレス方式とがあり、後者のエアレス方式のものでは、尿素水の噴射量を調整するソレノイドバルブと、実際に尿素水を噴射する噴射ノズルとの間の距離が長いと、ソレノイドバルブを閉じた後にソレノイドバルブと噴射ノズルとの間に残留する尿素水が固化して目詰まりを生じる可能性があるため、ソレノイドバルブと噴射ノズルとを一体化している。
このエアレス方式の尿素水インジェクタを上記特許文献1の技術に適用した場合、噴射ノズルと共にソレノイドバルブも排気管内に配設する必要が生じ、高温の排ガスに晒されることによりソレノイドバルブに絶縁不良や焼き付き等が発生してしまう。このため、特許文献1の技術では、エアレス方式の尿素水インジェクタを採用することができず、使用可能な尿素水インジェクタが、ソレノイドバルブと噴射ノズルとを別体としたエアアシスト方式に限定されてしまうという問題があった、
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、尿素水を排ガス中に十分に拡散させてNOx触媒の各部位に均等に供給して良好な浄化性能を達成できると共に、エアレス方式を含めて種々の方式の尿素水インジェクタを任意に使用することができるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの排気通路に配設されてエンジンからの排ガスが導入されるケーシングと、ケーシング内を上流側ケーシングと下流側ケーシングに区画すると共に、上流側ケーシングの内周面に対して所定の間隔をおいて対向する取付面を有する隔壁と、下流側ケーシング内に収容されて還元剤の供給を受けて浄化作用を奏する後処理装置と、上流側ケーシング内に配設されて外周面に内外を連通させる多数の孔が貫設され、一端が取付面に接続されて取付面に形成された連通孔を介して内部を下流側ケーシング内と連通させ、他端が上流側ケーシングの内周面を貫通して外部に露出して蓋体により閉塞された拡散パイプと、上流側ケーシング外で蓋体に本体を固定されると共に、本体より蓋体を介して拡散パイプ内に噴射ノズルが挿入され、噴射ノズルから還元剤を噴射する還元剤噴射手段とを備えたものである。
従って、エンジンの排ガスは排気通路を経て上流側ケーシングに導入され、拡散パイプの各孔を経て内部に流入して下流側ケーシングへと案内されて後処理装置を流通する。拡散パイプの各孔を経た排ガスは拡散パイプ内で相互に衝突して撹拌され、この撹拌中の排ガスに噴射ノズルから還元剤が噴射されるため、還元剤が十分に拡散された状態で下流側ケーシング側に移送される。結果として還元剤は下流側の後処理装置の各部位に均等に供給され、供給された還元剤により後処理装置による浄化作用が最大限に発揮される。
一方、上流側ケーシングの内周面を貫通して拡散パイプの他端を外部に露出させて蓋体で閉塞し、この蓋体に還元剤供給手段の本体を固定し、本体より蓋体を介して拡散パイプ内に噴射ノズルを挿入している。従って、還元剤噴射手段の本体と噴射ノズルとを一体化した上で、排ガスの熱による影響を受けない拡散パイプの外部に本体を配置することにより、本体に内蔵されたソレノイドバルブの絶縁不良や焼き付き等が未然に防止される。
請求項2の発明は、請求項1において、隔壁が、上流側ケーシングの内周面に対して所定の間隔をおいて対向すると共に、下流側ケーシング内の後処理装置の入口に対して斜めに面した傾斜面を有し、拡散パイプが、傾斜面に形成された連通孔を介して内部を下流側ケーシング内と連通させたものである。
従って、傾斜面が斜状に配置されていることから連通孔は楕円形状をなして、下流側ケーシング内に対する拡散パイプの開口面積が拡大されると共に、傾斜面と共に連通孔が後処理装置の入口に対して斜めに面しているため、拡散パイプ内からの排ガスを円滑に後処理装置に導くことが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1において、上流側ケーシング内の拡散パイプに対して隔壁の連通孔を介して内部を連通させるように下流側ケーシング内に下流側拡散パイプを配設し、下流側拡散パイプの外周面に内外を連通させる多数の孔を形成したものである。
従って、排ガスの撹拌は、拡散パイプの各孔を流通する際に加えて下流側拡散パイプの各孔を流通する際にも得られ、結果として還元剤の拡散が一層促進される。
請求項4の発明は、請求項1において、噴射ノズルが、拡散パイプの軸線に沿って上流側から下流側に向けて還元剤を噴射するものである。
従って、拡散パイプ内で排ガスは相互に衝突して撹拌されることから、排ガスが衝突する拡散パイプの中心部の撹拌作用が最も強いが、還元剤が噴射ノズルから拡散パイプの軸線に沿って噴射されることから、結果として拡散パイプ内を移送中の還元剤は強い撹拌作用に継続して晒され、その拡散促進が一層確実なものになる。
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、還元剤を排ガス中に十分に拡散させて後処理装置の各部位に均等に供給して良好な浄化性能を達成できると共に、本体と噴射ノズルとを一体化した還元剤噴射手段でも排ガスの熱によりトラブルを生じることなく使用可能とし、もって種々の方式の還元剤噴射手段を任意に使用することができる。
請求項2の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、拡散パイプ内からの排ガスを円滑に後処理装置に導いて排ガスの圧損を低減することができる。
請求項3の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、下流側拡散パイプによる排ガスの撹拌作用により還元剤の拡散を一層促進することができる。
請求項4の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、拡散パイプの中心部の強い撹拌作用を利用して、還元剤の拡散を一層促進することができる。
以下、本発明を選択還元型のNOx触媒を備えたディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。本実施形態の排気浄化装置はトラックに搭載されており、図1ではトラックへの搭載状態と同様の配置でエンジン1及び排気浄化装置2を示すと共に、トラックの床下を部分的に示している。なお、以下の説明では、車両を主体として前後方向及び左右方向を規定する。
トラックの車体フレーム3としては、前後方向に延設した左右一対のサイドメンバ3aを複数のクロスメンバ3b(1本のみ図示)により相互に連結した所謂ラダーフレームが採用され、この車体フレーム3上にエンジン1等のパワープラント、及びキャビンや荷台3c等が搭載されている。図1では、車体フレーム3が部分的に示されると共に、車体フレーム3上に載置された荷台3cが二点鎖線で示され、この荷台3cの下側の床下に排気浄化装置2が設置されている。
エンジン1は車体フレーム3の左右のサイドメンバ3a間に位置し、直列6気筒ディーゼルエンジンとして構成されている。エンジン1の各気筒には燃料噴射弁4が設けられ、各燃料噴射弁4は共通のコモンレール5から加圧燃料を供給され、開弁に伴って対応する気筒の筒内に燃料を噴射する。
エンジン1の吸気側には吸気マニホールド6が装着され、吸気マニホールド6に接続された吸気管7には、上流側よりエアクリーナ8、ターボチャージャ9のコンプレッサ9a、インタクーラ10が設けられている。また、エンジン1の排気側には排気マニホールド12が装着され、排気マニホールド12には上記コンプレッサ9aと同軸上に連結されたターボチャージャ9のタービン9bが接続されている。タービン9bには排気管13(排気通路)が接続され、排気管13に上記排気浄化装置2が設けられている。
一方、エンジン1の後部には変速機15が結合され、変速機15の出力軸にはプロペラシャフト16の前端が連結されている。プロペラシャフト16は車体の床下で左右のサイドメンバ3a間を後方に延設され、その後端は図示しないディファレンシャルギアを介して左右の後輪に接続されている。
上記排気管13は、車体の床下のプロペラシャフト16と右側のサイドメンバ3aとの間において後方に延設されており、その後端には上記排気浄化装置2のケーシング22が接続されると共に、排気管13のケーシング22より若干上流位置には、後述するDPF28の強制再生用の燃料噴射弁21が設置されている。ケーシング22は前後方向に沿った円筒状をなし、ケーシング22の下流端には排気管23(排気通路)の前端が接続され、排気管23は右方に湾曲形成されて後端を車両右側に開口させている。なお、車体フレーム3上の排気浄化装置2の配置はこれに限ることはなく、例えば右側のサイドメンバ3aの右側方に排気浄化装置2を配置してもよい。
図2はケーシング22内の隔壁24周辺の構成を示す部分拡大断面図、図3は拡散パイプ33の内部構造を示す図2に対応する断面図である。
排気浄化装置2のケーシング22は外観上では単一のものであるが、ケーシング22内は隔壁24により前後に区画されていることから、実質的にケーシング22は前後一対のケーシングと見なすことができる。そこで、以下の説明では、隔壁24により区画されたケーシング22内の前側の空間を上流側ケーシング22aと称し、後側の空間を下流側ケーシング22bと称する。隔壁24はケーシング22内の前後方向の略中央位置で平面視においてクランク状をなし、左右に面した中央面24a(取付面)、中央面24aの前端と連続する前後に面した右面24b、同じく中央面24aの後端と連続する前後に面した左面24cから構成されている。従って、隔壁24の中央面24aは、一方の面を上流側ケーシング22aの内周面に対して対向させ、他方の面を下流側ケーシング22bの内周面に対して対向させている。
上流側ケーシング22a内の上流側には前段酸化触媒27が配設され、下流側には排ガス中のPM(パティキュレートマター)を捕集するためのウォールフロー式のDPF(ディーセルパティキュレートフィルタ)28が配設されている。また、下流側ケーシング22b内の上流側にはアンモニア(NH)の供給により排ガス中のNOxを還元する選択還元型NOxのNOx触媒29(後処理装置)が配設され、下流側には後段酸化触媒30が配設されている。
上流側ケーシング22a内において隔壁24の中央面24aと上流側ケーシング22aの内周面との間には拡散パイプ33が配設されている。拡散パイプ33は同一径で左右方向に延びる円筒状をなし、その軸線Lは上流側及び下流側ケーシング22a,22bの並設方向と直交している。拡散パイプ33の右端は中央面24aに溶接され、拡散パイプ33の内部は中央面24aに形成された連通孔34を介して下流側ケーシング22b内と連通している。拡散パイプ33の左端は上流側ケーシング22aの内周面を貫通して外部に露出し、露出した開口端は蓋体35が溶接されて閉塞されている。蓋体35には尿素水インジェクタ36の本体36bが配設され、本体36bからは蓋体35を貫通して噴射ノズル36aが拡散パイプ33内に突出して軸線L上に位置している。
尿素水インジェクタ36は圧縮空気を用いずに尿素水のみを噴射する所謂エアレス方式として構成されており、その本体36bには図示しないタンクから圧送される還元剤として所定圧の尿素水が供給されており、供給された尿素水は本体36bに内蔵されたソレノイドバルブの開閉に応じて噴射ノズル36aから拡散パイプ33内に噴射される。噴射ノズル36aからの尿素水の噴射方向は、拡散パイプ33の軸線Lに沿って隔壁24の連通孔34の中心部を指向している。
上流側ケーシング22a内において拡散パイプ33の外周面には多数の孔33aが貫設され、これらの孔33aを介して上流側ケーシング22a内と拡散パイプ33内とが相互に連通している。拡散パイプ33の各孔33aは全て同一径の円形状に形成されると共に、上流側ケーシング22a内への露出部分に均等に分散配置されている。また、各孔33aの総開口面積は、拡散パイプ33の通路断面積と略等しく設定されている。但し、各孔33aの形状や総開口面積の設定は必ずしもこれに限ることはなく、例えば四角状に設定してもよい。
一方、エンジン1の各気筒の燃料噴射弁4、強制再生用の燃料噴射弁21、尿素水インジェクタ36等のデバイス類、及び図示しないセンサ類はECU41(電子コントロールユニット)に接続され、センサ類からの検出情報に基づいてECU41により駆動制御される。例えばECU41は機関回転速度や負荷等のエンジン1の運転状態に基づき、燃料噴射弁4の噴射量、噴射圧、噴射時期を制御してエンジン1を運転する。
運転中のエンジン1から排出された排ガスは排気管13を経て上流側ケーシング22a内に導入され、前段酸化触媒27及びDPF28を流通した後、下流側に位置する拡散パイプ33の各孔33aを経て内部に流入する。拡散パイプ33内において排ガスには尿素水インジェクタ36の噴射ノズル36aから尿素水が噴射され、この尿素水と共に排ガスは拡散パイプ33内を右方に移送されて隔壁24の連通孔34を経て下流側ケーシング22b内に排出される。その後、排ガスはNOx触媒29及び後段酸化触媒30を通過し、排気管23を経て車両右側から外部に排出される。
ECU41はエンジン1の運転状態や尿素水インジェクタ36近傍に設置された図示しない温度センサの検出値等に基づき、尿素水インジェクタ36からの尿素水の噴射量を制御する。噴射された尿素水は排ガスと共に拡散パイプ33内から下流側ケーシング22b内を経てNOx触媒29まで移送されるが、この過程において排気熱及び排ガス中の水蒸気により加水分解されてアンモニアを生成する。このようにして生成されたアンモニアを利用してNOx触媒29上で排ガス中のNOxが無害なNに還元される。なお、DPF28でのPMの燃焼により発生するCO,HC、及びNOx触媒24上で生じた余剰アンモニアは後段酸化触媒30により処理される。
そして、上記NOx触媒29上で良好なNOx還元作用を実現するには、NOx触媒29の各部位に均一にアンモニアを供給する必要があり、そのためには尿素水を排ガス中に良好に拡散させることが重要となる。この対策として本実施形態ではケーシング22内に拡散パイプ33を設けており、以下、当該拡散パイプ33による作用効果を詳述する。
DPF28を流通後の排ガスは拡散パイプ33の各孔33aを経て内部に流入し、図3に矢印で示すように、拡散パイプ33内では周囲の各孔33aを経て排ガスが全周より中心部に集約されて相互に衝突しながら下流側ケーシング22b側に向けて移送される。衝突により排ガスは強力に撹拌され、この撹拌中の排ガスに尿素水インジェクタ36から尿素水が噴射されるため、尿素水は排ガス中に十分に拡散・霧化された状態で下流側ケーシング22b側に移送される。
また、拡散パイプ33内での撹拌作用は排ガスが衝突する中心部が最も強いが、尿素水が尿素水インジェクタ36の噴射ノズル36aから拡散パイプ33の軸線Lに沿って噴射されることから、結果として拡散パイプ33内を移送中の尿素水は強い撹拌作用に継続して晒されることになる。よって、尿素水の拡散促進が一層確実なものになると共に、拡散パイプ33の内周面への付着がより確実に防止される。
以上の要因により、拡散パイプ33内に噴射された尿素水が排ガス中に十分に拡散され、拡散パイプ33内において尿素水の加水分解により生成されたNH(アンモニア)は下流側のNOx触媒29の各部位に均等に供給される。よって、NOx触媒29によるNOx還元作用が最大限に発揮され、排ガス中に含まれるNOxを確実に浄化することができる。
一方、上流側ケーシング22aの内周面を貫通して拡散パイプ33の左端を外部に露出させて蓋体35により閉塞し、この蓋体35に尿素水インジェクタ36の本体36bを固定し、本体36bより蓋体35を介して拡散パイプ33内に噴射ノズル35aを挿入している。従って、本体36bと噴射ノズル35aとを一体化したエアレス方式の尿素水インジェクタ36を採用した上で、排ガスの熱による影響を受けない拡散パイプ33の外部に本体36bを配置することにより、本体36bに内蔵されたソレノイドバルブの絶縁不良や焼き付き等を未然に防止することができる。無論、本体と噴射ノズルとを一体化したエアアシスト方式の尿素水インジェクタであっても何ら支障なく使用でき、結果として種々の方式の尿素水インジェクタを任意に使用することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本実施形態の排気浄化装置2の構成は種々に変更可能であり、以下、その別例を説明する。
図4は隔壁24の形状を変更した別例を示す図2に対応する断面図である。
この別例では、上記実施形態の隔壁24の中央面24a及び右面24bを斜状に配置された傾斜面51に変更しており、傾斜面51は上流側ケーシング22aの内周面に対して所定間隔をおいて対向すると共に、NOx触媒29の入口に対して斜めに面している。拡散パイプ33は傾斜面51に形成された連通孔52を関して下流側ケーシング22b内に開口しているが、傾斜面51が斜状に配置されていることから連通孔62は楕円形状をなして、下流側ケーシング22b内に対する拡散パイプ33の開口面積が拡大されている。また、NOx触媒29の入口に対して連通孔34が直交する上記実施形態と異なり、傾斜面51と共に連通孔52がNOx触媒29の入口に対して斜めに面している。従って、拡散パイプ33内からの排ガスを円滑にNOx触媒29に導いて、この箇所での排ガスの圧損を低減することができる。
図5は下流側ケーシング22bにも拡散パイプを配設した別例を示す図2に対応する断面図である。
この別例では、上流側ケーシング22a内と同様に下流側ケーシング22b内にも同一形状の拡散パイプを同一配置で配設している。説明の便宜上、この追加した拡散パイプを下流側拡散パイプ61と称するが、両拡散パイプ33,61の内部は相互に連通している。従って、拡散パイプ33内に各孔33から流入した排ガスは尿素水と共に右方の下流側拡散パイプ61内へと移送され、この下流側拡散パイプ61の各孔61aを経て下流側ケーシング22b内に排出される。よって、排ガスの撹拌は、拡散パイプ33の各孔33aを流通する際に加えて下流側拡散パイプ61の各孔61aを流通する際にも得られ、結果として尿素水の拡散を一層促進することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、選択還元型のNOx触媒29を備えたディーゼルエンジン1の排気浄化装置2に具体化したが、適用対象はこれに限ることはない。例えばガソリンエンジンでも希薄燃焼運転時を想定してNOx触媒29を備える場合があるため、このようなガソリンエンジンに適用してもよい。
また、上記実施形態では、NOx触媒29に供給する尿素水の拡散のために拡散パイプ33の撹拌作用を利用したが、その利用態様はこれに限ることはない。例えば上記実施形態のDPF28に関する説明からも明らかなように、燃料噴射弁21から供給される未燃燃料を前段酸化触媒27上で酸化反応させてDPF28を昇温する強制再生では、前段酸化触媒27による酸化反応を最大限に発揮させるために、未燃燃料を前段酸化触媒27の各部位に均等に供給することが望ましい。そこで、前段酸化触媒27の上流側に上記実施形態と同様の拡散パイプ33を設けると共に、その拡散パイプ33に燃料噴射弁21を配置し、拡散パイプ33内で撹拌された排ガス中に燃料噴射弁21から未燃燃料を噴射して拡散を図るようにしてもよい。この場合には、DPF28が本発明の後処理装置に相当することになる。
また、他のNOx浄化用触媒として公知の吸蔵型NOx触媒では、NOxの代わりにSOx(硫黄酸化物)が吸蔵されて浄化性能が低下する所謂硫黄被毒が生じるため、NOx触媒の上流側に前段酸化触媒を配置して未燃燃料の酸化反応熱によりNOx触媒を昇温して吸蔵されているSOxを除去するSOxパージを実行する必要がある。そこで、このSOxパージのために、上記DPF28の強制再生と同様の拡散パイプ33に関する構成を適用してもよい。この場合には、吸蔵型NOx触媒が本発明の後処理装置に相当することになる。
また、上記実施形態では、上流側ケーシング22aを前段酸化触媒27及びDPF28の収容に利用したが、上流側ケーシング22aの用途はこれに限ることはなく、例えば消音器のケーシングとしてもよい。
実施形態のエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。 ケーシング内の隔壁周辺の構成を示す部分拡大断面図である。 拡散パイプの内部構造を示す図2に対応する断面図である。 隔壁の形状を変更した別例を示す図2に対応する断面図である。 下流側ケーシングにも円筒フィンを配設した別例を示す図2に対応する断面図である。
符号の説明
1 エンジン
13,23 排気管(排気通路)
22 ケーシング
22a 上流側ケーシング
22b 下流側ケーシング
24 隔壁
24a 中央面
29 NOx触媒(後処理装置)
33 拡散パイプ
33a,61a 孔
34,52 連通孔
36 噴射ノズル
36a 先端
51 傾斜面
61 上流側拡散パイプ
L,L0 軸線

Claims (4)

  1. エンジンの排気通路に配設されて該エンジンからの排ガスが導入されるケーシングと、
    上記ケーシング内を上流側ケーシングと下流側ケーシングに区画すると共に、該上流側ケーシングの内周面に対して所定の間隔をおいて対向する取付面を有する隔壁と、
    上記下流側ケーシング内に収容されて還元剤の供給を受けて浄化作用を奏する後処理装置と、
    上記上流側ケーシング内に配設されて外周面に内外を連通させる多数の孔が貫設され、一端が上記取付面に接続されて該取付面に形成された連通孔を介して内部を上記下流側ケーシング内と連通させ、他端が上記上流側ケーシングの内周面を貫通して外部に露出して蓋体により閉塞された拡散パイプと、
    上記上流側ケーシング外で上記蓋体に本体を固定されると共に、該本体より蓋体を介して上記拡散パイプ内に噴射ノズルが挿入され、該噴射ノズルから還元剤を噴射する還元剤噴射手段と
    を備えたことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 上記隔壁は、上記上流側ケーシングの内周面に対して所定の間隔をおいて対向すると共に、上記下流側ケーシング内の上記後処理装置の入口に対して斜めに面した傾斜面を有し、
    上記拡散パイプは、上記傾斜面に形成された連通孔を介して内部を上記下流側ケーシング内と連通させたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 上記上流側ケーシング内の拡散パイプに対して上記隔壁の連通孔を介して内部を連通させるように上記下流側ケーシング内に下流側拡散パイプを配設し、該下流側拡散パイプの外周面に内外を連通させる多数の孔を形成したことを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 上記噴射ノズルは、上記拡散パイプの軸線に沿って上流側から下流側に向けて還元剤を噴射することを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。
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