JP5140155B2 - 動物細胞の凍結保存用担体、それを用いた凍結保存用バイオデバイス及び凍結保存方法 - Google Patents
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Description
これらの有用物質を産生する細胞は、主に細胞培養の際にガラスやプラスチックなどの接着基質に接着しないと、生存、増殖ができない足場依存性を有する「接着細胞」であるため、その培養は、例えばTCフラスコなどのプラスチック培養容器の平らな底面に細胞を接着させた状態で行われる。
細胞を接着基質に接着させると細胞が伸展してしまい、そのまま凍結すると細胞膜に大きなストレスがかかり細胞が死滅するが、当該方法を用いれば、剥離した細胞を球形に近い形状で維持することができるので、液相内で細胞を生存させたまま凍結保存することができるからである。
1)細胞を接着して増殖させた培養容器内の培地をピペットで吸い上げて除去する。
2)上記培養容器内にトリプシンを加え、細胞を剥離する。
3)剥離した細胞をピペットで吸い上げて遠沈管に回収して遠心分離を行い、トリプシンを含む上澄み液を除去する。
4)得られた細胞を血清に懸濁し、該懸濁液を保存液に滴下して混合する。
5)細胞が懸濁した上記保存液をクライオチューブに分注して凍結する。
更に凍結保存に係る一連の操作は、上述のように培養容器から剥がした細胞を保存液に懸濁させてから凍結する必要があるために煩雑であり、また血清を高濃度に含む培地を用いるためにコスト高である。
(1)粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞を担持して凍結保存し、解凍したときの該動物細胞の生存率が、懸濁法により凍結保存し、解凍したときの動物細胞の生存率以上である
(2)粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞を担持して凍結保存し、解凍したときの該動物細胞の生存細胞密度が、懸濁法により凍結保存し、解凍したときの動物細胞の生存細胞密度以上である
の少なくとも一方を満足する動物細胞凍結保存用担体であって、該開口部の最大長が、10μm〜120μmであり、該曲面部の曲率半径が、0.5μm〜40μmであり、該シートが、網状体であり、該網状体が繊維から成り、該繊維が長手方向とほぼ垂直な断面に曲線部を有しており、該繊維の繊維径が1μm〜80μmである動物細胞凍結保存用担体とすることで、凍結保存後に解凍した細胞の生存率や生存細胞密度が向上し、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記開口部を形成する内壁の少なくとも一部に曲面部を有し、
次の条件(1)及び(2):
(1)粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞を担持して凍結保存し、解凍したときの該動物細胞の生存率が、懸濁法により凍結保存し、解凍したときの動物細胞の生存率以上である
(2)粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞を担持して凍結保存し、解凍したときの該動物細胞の生存細胞密度が、懸濁法により凍結保存し、解凍したときの動物細胞の生存細胞密度以上である
の少なくとも一方を満足する動物細胞凍結保存用担体であって、
上記開口部の最大長が、10μm〜120μmであり、
上記曲面部の曲率半径が、0.5μm〜40μmであり、
上記シートが、網状体であり、
上記網状体が繊維から成り、該繊維が長手方向とほぼ垂直な断面に曲線部を有しており、
上記繊維の繊維径が1μm〜80μmである
ことを特徴とする。
(1)粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞を担持して凍結保存し、解凍したときの該動物細胞の生存率が、懸濁法により凍結保存し、解凍したときの動物細胞の生存率以上である
(2)粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞を担持して凍結保存し、解凍したときの該動物細胞の生存細胞密度が、懸濁法により凍結保存し、解凍したときの動物細胞の生存細胞密度以上である
の少なくとも一方を満足する動物細胞凍結保存用担体であって、該開口部の最大長が、10μm〜120μmであり、該曲面部の曲率半径が、0.5μm〜40μmであり、該シートが、網状体であり、該網状体が繊維から成り、該繊維が長手方向とほぼ垂直な断面に曲線部を有しており、該繊維の繊維径が1μm〜80μmである動物細胞凍結保存用担体を用いることで、動物細胞の凍結保存操作中に細胞が受けるダメージを軽減し、凍結・解凍後の動物細胞の生存率や生存細胞密度を向上させることのできる動物細胞の凍結保存用担体、凍結保存用バイオデバイス及び凍結保存方法を提供することができる。
上述の如く、本発明の動物細胞凍結保存用担体は、ほぼ同一形状の開口部が一定のピッチで複数個穿設されたシートを備えた動物細胞凍結保存用担体であって、上記開口部を形成する内壁の少なくとも一部に曲面部を有し、動物細胞を担持して凍結保存し、解凍したときの該動物細胞の生存率、生存細胞密度のいずれか一方又は双方が、懸濁法により凍結保存し、解凍したときの動物細胞と同等以上である。
ここで「開口部の最大長」とは、当該開口部の輪郭内に引ける線分のうち最長のものの長さを意味するものとする。
開口部の最大長が10μm未満では、動物細胞が開口部に進入することができず、表面を覆うように伸展して接着することがあり得る。
一方、開口部の最大長が120μmを超えると、動物細胞を付着させても、開口部を形成する内壁同士が離れすぎているため、該細胞が開口部を閉塞するように固定化されない場合があり、その結果、孔が残存する確率が上がって高密度とならない可能性がある。
一方、一般的に、平面状の部位に付着した動物細胞は球形を保持することができずに伸展してしまうことが多い。
従って、本発明の担体を用いると解凍後の細胞生存率を高く維持することができる。また同じ理由により、凍結保存後の再培養の際、解凍後の初期増殖速度が従来に比べて早くなる。
ここで動物細胞とは、動物由来の細胞であれは、どのような細胞であってもよく、例えば繊維芽細胞、骨芽細胞、肝細胞等を挙げることができる。
具体的には、本発明の動物細胞凍結保存用担体を用いた場合の生存率は、動物細胞を該凍結保存用担体に担持し、該動物細胞にとって最適の条件下で培養した後、培養後の動物細胞を担持した凍結保存用担体を保存液に浸漬して−80℃で凍結保存し、所定日数経過後に培養温度で解凍したときの全細胞数に対する生存細胞数の割合をいう。
一方、懸濁法における生存率は、動物細胞をTCフラスコで最適の条件下にて培養した後にトリプシンで剥離し、該動物細胞を保存液に懸濁して−80℃で凍結保存し、所定日数経過後に培養温度で解凍したときの全細胞数に対する生存細胞数の割合をいう。
上述のシートの材料は、例えば、樹脂、セラミックス、金属及びガラス等の有機材料であっても、無機材料であってもよく、骨格となる材料に上記材料をコーティングなどの表面処理加工により施したものであってもよい。
例えば有機繊維としては、各種の天然及び合成繊維、例えば、絹や綿などの天然繊維、ナイロン(登録商標)、アクリル及びポリエステルなどの合成繊維を挙げることができ、一方、無機繊維としては、各種の金属繊維やガラス繊維、セラミックス繊維を挙げることができる。
なお、該繊維はモノフィラメントであるかマルチフィラメントであるかは不問であり、更には、狭義の繊維のみならず、撚糸などでもよい。
断面に曲線部を有する繊維を用いてシートを形成すると、この曲線部によって作られた曲面部をシートの開口部の内壁に構成することが容易となる。但し、それ以外の方法、例えば繊維の織り方、編み方などによっても開口部の内壁に曲面部を構成することは可能である。
図1は、本発明の動物細胞凍結保存用バイオデバイスの一実施形態を示す顕微鏡写真である。
同図において、本発明の凍結保存用バイオデバイスは、本発明の動物細胞凍結保存用担体10と、その開口部の曲面部に接着したほぼ球形の動物細胞20とを備える。動物細胞20の粒径は、5μm〜50μm、好ましくは10〜30μmとすることができ、また動物細胞凍結保存用担体10の開口部の最大長は、動物細胞20の(分裂直後粒径)〜(成長後粒径×10)とすることができる。
かかる動物細胞としては、特に限定されるものではないが、特に接着性の動物細胞、例えば動物の繊維芽細胞や神経細胞等を挙げることができる。
このときに用いる培地としては、細胞をカルチャーボトルで培養するときに用いる標準的な培地でよい。
また、この凍結保存用バイオデバイスの厚み方向に積層される細胞数は、たかだか10個程度なので、これらの接着した細胞に対しては、酸素及び栄養源を迅速に供給することが容易であり、培養効率を向上することができる。
なお、かかる開口部の閉塞に応じて、本来ほぼ球状をなす動物細胞は、細胞同士が接着して固定化されているシート領域では、立方体状や直方体状をなしていることがある。
図2は、本発明の凍結保存方法の一実施形態を示す模式図である。
同図においては、本実施形態の工程のうち、動物細胞凍結保存用バイオデバイスを作製する工程(A)、動物細胞凍結保存用バイオデバイスを、保存液に浸漬して凍結保存する工程(B−1)及び動物細胞凍結保存用バイオデバイスを、保存液を使用しないで凍結保存する工程(B−2)を示す。即ち、工程(A)にて作製された動物細胞凍結保存用バイオデバイスは、例えば工程(B−1)や工程(B−2)にて凍結保存することができる。
また上記工程(B−2)においては、培養時に使用した培養液を細胞の周囲に残存させたまま凍結保存することによって、改めて保存液を用いることなく凍結保存することができる。
したがって、工程(B−1)及び工程(B−2)の何れの方法ともコスト的に有利であり、特に高価な血清を含む保存液等を用いる系において、その必要量を低減できることによる効果は大きい。
一般的に、解凍時間が短い方が、細胞にかかるストレスが少なく、解凍後の細胞生存率が高くなる傾向にあるため、解凍時間の短縮もまた、解凍後の動物細胞の生存率向上や増殖速度の増大に寄与する。
また他の実施形態においては、保存液と共に解凍した動物細胞凍結保存用バイオデバイスをそのまま再培養に供することもできる。
1.動物細胞凍結保存用バイオデバイスの作製
本発明の動物細胞凍結保存用担体として、ナイロン製メッシュ(繊維径35μm、開口部60μm)を用いた。動物細胞としてマウス繊維芽細胞3T3L1を用いた。培地は、血清入り培地[Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium(DMEM)、仔ウシ血清(FBS)10%、抗生物質1%]を用いた。
図3に示すように、上記細胞を懸濁した培地(105セル/ml)を5mm×5mmの動物細胞凍結保存用担体10a上に滴下し、37℃、5%CO2としたインキュベータ内で3日間、振盪培養した。培養後、固定された細胞数を測定し、細胞密度とした。
図4に示すように、培養細胞が動物細胞凍結保存用担体に固定された動物細胞凍結保存用バイオデバイス30aをガラスボトムディッシュ60にピンセットで移した。このガラスボトムディッシュの底面には直径10mm、深さ0.5mm程度のくぼみがあり、動物細胞凍結保存用バイオデバイス30aを入れて0.1mlの保存液[ウシ血清75%、ジメチルスルホキシド(DMSO)10%、DMEM10%、グルコース30g/L]を滴下した。次いで、このガラスボトムディッシュを密封し、−80℃のフリーザで凍結保存した。
上記凍結保存から3日後、ガラスボトムディッシュの底面を37℃のお湯に浸して解凍し、解凍に要する時間を測定した。その後、解凍した細胞の生存率を測定した。生存率は、解凍した細胞に生死判別試薬(Molecular Probes,inc.:LIVE/DEAD Viabillity/Cytotoxicity Kit for Animal Cells)を添加し、顕微鏡で生細胞数と死細胞数を計測して算出した。
TCフラスコで培養した3T3L1細胞を、従来、動物細胞を凍結保存するときに一般に用いられている懸濁法で凍結保存した。具体的な作業は以下の通りである。マウス繊維芽細胞3T3L1をTCフラスコで培養後、TCフラスコの底面に接着している細胞をトリプシンで剥離させた。剥離させた液から遠心分離によってトリプシンを除去し、細胞を1mlの保存液中に懸濁した。次いで、該懸濁液を−80℃のディープフリーザーで凍結保存し、3日後に解凍した。その後、実施例1と同様に細胞密度、解凍時間、生存率を測定した。
TCフラスコで培養した3T3L1細胞を、TCフラスコの底面に接着、伸展したまま凍結保存した。具体的な作業は以下の通りである。マウス繊維芽細胞3T3L1をTCフラスコで培養した。細胞はTCフラスコの底面に接着して伸展した。TCフラスコ内の培地を吸い取り、保存液を添加して凍結保存した。3日後に解凍した。実施例1と同様に生存率を測定した。
3T3L1細胞を凍結保存用担体に固定して培養した後、懸濁法で凍結保存した。具体的な作業は以下の通りである。マウス繊維芽細胞3T3L1をメッシュ形状担体に固定し、数日間培養した。細胞が担体の全体に拡がって4×106個/cm2の密度で接着したところで、酵素を用いて担体から細胞を剥がし、保存液に懸濁させて、凍結保存した。3日後に解凍した。実施例1と同様に生存率を測定した。
また、比較例1−2の伸展した細胞の生存率は0.2%となり、実施例1の細胞の生存率と比較して著しく低い。
更に、比較例1−3の伸展していない細胞の生存率は88%となったが、生存細胞密度は実施例1の300分の1である。
1.チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)を用いた凍結保存用バイオデバイスの作製
CHO細胞をTCフラスコで培養後、酵素(GIBCO社製TrypLE Express)で剥離した。遠心分離によって酵素を除去し、再び培地に懸濁した。培地は血清入り培地(DMEM、FBS10%、抗生物質1%、ヒスチジン・チロシン液2%)を用いた。実施例1と同様に図3に示す方法でナイロンメッシュにCHO細胞を固定した。
作製した凍結保存用バイオデバイスの顕微鏡写真を図5に示す。実施例1の3T3L1細胞と同様にCHO細胞は伸展することなく、球形のまま担体に高密度に接着した。
図6に示すとおり、凍結保存用バイオデバイス30bをガラスボトムディッシュ60に載せ(同図(a)参照。)、100μLの保存液を滴下した(同図(b)参照。)。保存液には無血清保存液(セルバンカー無血清タイプ、十慈フィールド社製BLC−2)を用いた。プログラムフリーザーを用いて1℃/minの速度に制御して−50℃まで凍結した(同図(c)参照。)。その後、−80℃のディープフリーザーに移し、3日間保存した。
ディッシュをディープフリーザーから取り出し、ディッシュの底面を指で暖めることによって解凍した。5秒程度で解凍が完了した。
担体に固定された細胞を酵素(GIBCO社製TrypLE Express)で剥離し、生存率を測定した。
担体に固定された細胞を酵素(GIBCO社製TrypLE Express)で剥離し、培地に懸濁して25cm2TCフラスコに播種した。所定時間経過後のフラスコ底面に接着した細胞数を目視で計数した。以下の式(1)から倍加時間(DT、細胞数が2倍に増殖するまでにかかる時間)を求めた。ここで、t1、t2は培養時間、N1は時間t1の時の細胞数、N2は時間t2の時の細胞数を示す。播種からコンフルエントまでのDTの最小値を、その代の倍加時間とした。
DT=(t2−t1)log2/(logN2−logN1)…(1)
TCフラスコで培養したCHO細胞を、従来、動物細胞を凍結保存するときに一般に用いられている懸濁法で凍結保存した。具体的な作業は以下の通りである。CHO細胞をTCフラスコで培養後、酵素(GIBCO社製TrypLE Express)で剥離した。遠心分離によって酵素を除去し、無血清保存液(セルバンカー無血清タイプ、十慈フィールド社製BLC−2)に懸濁した。プログラムフリーザーを用いて1℃/minの速度に制御して−50℃まで凍結した。その後、−80℃のディープフリーザーに移し、3日間保存した。実施例2と同様に生存率及び増殖速度を測定した。
TCフラスコで培養したCHO細胞を、TCフラスコの底面に接着、伸展したまま凍結保存した。具体的な作業は以下の通りである。CHO細胞をTCフラスコで培養した。細胞はTCフラスコの底面に接着して伸展した。TCフラスコ内の培地を吸い取り、保存液を添加して凍結保存した。3日後に解凍した。実施例2と同様に生存率を測定した。
また、実施例2では、比較例2−1の約300倍の密度で細胞を凍結保存することができる。
更に、比較例2−2の伸展した細胞の生存率は0.4%となり、実施例2の細胞の生存率と比較して著しく低い。
本実験から、CHO細胞が凍結によって受けるダメージは従来法と遜色ないレベルであり、CHO細胞を凍結保存する際にも本発明が有効であることがわかった。
1.担体のコラーゲンコーティング
コラーゲン溶液(新田ゼラチン社製、Cellmatrix Type I−C、ブタ皮由来のペプシン可溶化Type−Iコラーゲン)を10−3M−HClで希釈した液に担体を浸漬し、すぐに取り出して12時間風乾した後、培地で2回洗浄した。
DG44細胞はCHO細胞を浮遊性に改良し、さらに無血清培養できるように改良した細胞である。DG44細胞(GIBCO社製)をスピナーフラスコで浮遊培養した。培地は無血清培地(CD DG44培地、GIBCO社製)を用いた。DG44細胞が浮遊している培地を遠心分離によって濃縮し、コラーゲンコーティングを施したナイロンメッシュに実施例1と同様に図3に示す方法で固定した。
実施例2と同じ方法で凍結保存及び解凍した。保存液には無血清保存液(CDDG44培地、7.5%DMSO)を用いた。
解凍したバイオデバイスに培地を添加し、軽く撹拌した後、遠心分離で細胞を剥離して生存率と生存細胞密度を測定した。
従来、動物細胞を凍結保存するときに一般に用いられている懸濁法でDG44細胞を凍結保存した。具体的な作業は以下の通りである。DG44細胞をスピナーフラスコで浮遊培養後、遠心分離によって培地を除去し、無血清保存液(CD DG44培地、7.5%DMSO)に懸濁した。プログラムフリーザーを用いて1℃/minの速度に制御して−50℃まで凍結した。その後、−80℃のディープフリーザーに移し、3日間保存した。実施例3と同様に生存率と生存細胞密度を測定した。
実施例3のバイオデバイスでは実施例1及び実施例2の各細胞と同様DG44細胞は伸展することなく、球形のまま担体に接着し、メッシュの孔を埋めていることがわかる。
なお、コラーゲンコーティングしていないナイロンメッシュを用いて、実施例3と同様な方法で作製したDG44細胞の凍結保存用バイオデバイスではDG44細胞はほとんど接着しなかった。
20 動物細胞
30、30a、30b 動物細胞凍結保存用バイオデバイス
40 液体培地
50 保存液
60 ガラスボトムディッシュ
Claims (4)
- ほぼ同一形状の開口部が一定のピッチで複数個穿設されたシートを備えた動物細胞凍結保存用担体であって、
上記開口部を形成する内壁の少なくとも一部に曲面部を有し、
次の条件(1)及び(2):
(1)粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞を担持して凍結保存し、解凍したときの該動物細胞の生存率が、懸濁法により凍結保存し、解凍したときの動物細胞の生存率以上である
(2)粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞を担持して凍結保存し、解凍したときの該動物細胞の生存細胞密度が、懸濁法により凍結保存し、解凍したときの動物細胞の生存細胞密度以上である
の少なくとも一方を満足する動物細胞凍結保存用担体であって、
上記開口部の最大長が、10μm〜120μmであり、
上記曲面部の曲率半径が、0.5μm〜40μmであり、
上記シートが、網状体であり、
上記網状体が繊維から成り、該繊維が長手方向とほぼ垂直な断面に曲線部を有しており、
上記繊維の繊維径が1μm〜80μmである
ことを特徴とする動物細胞凍結保存用担体。 - 請求項1に記載の動物細胞凍結保存用担体と、上記曲面部に接着した粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞とを備えることを特徴とする動物細胞凍結保存用バイオデバイス。
- 請求項2に記載の動物細胞凍結保存用バイオデバイスを凍結保存する工程を含むことを特徴とする動物細胞の凍結保存方法。
- 更に、粒径が5μm〜50μmであるほぼ球形の動物細胞を懸濁した液体培地と、請求項1に記載の動物細胞凍結保存用担体とを培養することで上記動物細胞凍結保存用バイオデバイスを作製する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の動物細胞の凍結保存方法。
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