JP5139704B2 - 軟質ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Description

本発明は軟質ポリウレタンフォームに関する。更に詳しくは、本発明は、イソシアネート末端プレポリマーを用いて製造され、優れた難燃性を有し、且つ反発弾性が十分に低い軟質ポリウレタンフォームに関する。
従来、衝撃によって破損し易い装置等の所要箇所には衝撃緩衝材が配設され、衝撃から保護されている。例えば、パーソナルコンピュータのハードディスクドライブ(HDD)では、筐体内部の上下の四隅、計8箇所に発砲樹脂からなる柱状の衝撃緩衝材を配設し、且つHDD本体の側面には発砲樹脂からなる板状の衝撃緩衝材を配設し、衝撃から保護することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、低分子量ポリオールを使用し、イソシアネートインデックスを100未満と低くして製造した低反発の軟質ポリウレタンフォームを、精密オフィスオートメーション(OA)機器等の制振材として用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、精密OA機器等の用途では、環境規制によりハロゲン化合物を原材料として用いないことが推奨されている。また、精密OA機器、特に内蔵されているHDD等では、従来の軟質ポリウレタンフォームの場合、揮発成分の放出に対する対策が十分になされておらず、揮発成分の揮散が問題になることがある。
特開2005−256982号公報 特開2001−288240号公報
しかし、非ハロゲン系難燃剤を用いてなり、より優れた難燃性を有し、且つより低い反発弾性を有する軟質ポリウレタンフォームが必要とされている。また、軟質ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基とポリオール等が有するヒドロキシル基とが反応して生成する樹脂であるが、イソシアネートインデックスを低くした場合、低反発のフォームが得られるとしても、生成したフォームに未反応物が残留し易く、このようなフォームからなる衝撃緩衝材では、フォームに残留している未反応物から揮発成分が揮散し、HDD等が誤動作する等の問題が発生することがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、非ハロゲン系難燃剤を用いてなる軟質ポリウレタンフォームであり、優れた難燃性を有し、且つ反発弾性が十分に低く、揮発成分が揮散するという問題もない軟質ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.イソシアネート末端プレポリマーを水を用いて架橋させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、非ハロゲン系難燃剤及びアクリル樹脂を含有し、反発弾性率が20%以下であり、
上記アクリル樹脂は、水溶液又はエマルジョンであることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
.上記非ハロゲン系難燃剤が水酸化アルミニウムである上記1.に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
.上記軟質ポリウレタンフォームを100質量%とした場合に、上記非ハロゲン系難燃剤の含有量が45〜80質量%である上記1.又は2.に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
.密度が200〜450kg/mである上記1.乃至.のいずれか1項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
.上記イソシアネート末端プレポリマーの製造に用いられたポリオールの少なくとも一部が3官能以上のポリオールである上記1.乃至.のうちのいずれか1項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
.非イオン界面活性剤を含有する上記1.乃至.のうちのいずれか1項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
本発明の軟質ポリウレタンフォームによれば、イソシアネート末端プレポリマーを過剰の水により架橋させてなり、所要量の非ハロゲン系難燃剤を含有しているため、優れた難燃性を有し、且つアクリル樹脂を含有しているため、反発弾性を十分に低くすることができ、精密OA機器等の衝撃緩衝材として有用である。更に、難燃剤が非ハロゲン系である環境規制の面での問題もない。
また、非ハロゲン系難燃剤が水酸化アルミニウムである場合は、所要量の難燃剤を容易に含有させることができ、優れた難燃性を有する軟質ポリウレタンフォームとすることができる。
更に、軟質ポリウレタンフォームを100質量%とした場合に、非ハロゲン系難燃剤の含有量が45〜80質量%である場合は、JIS K 6911 B法によるV−0級に合格する優れた難燃性を有する軟質ポリウレタンフォームとすることができる。
また、密度が200〜450kg/mである場合は、反発弾性が十分に低く、より優れた衝撃緩衝性を有する軟質ポリウレタンフォームとすることができる。
更に、イソシアネート末端プレポリマーの製造に用いられたポリオールの少なくとも一部が3官能以上のポリオールである場合は、より多くの架橋構造を有し、優れた伸び及び引張強さ等を有する軟質ポリウレタンフォームとすることができる。
また、非イオン界面活性剤を含有する場合は、その整泡作用により、十分な衝撃緩衝性を有する軟質ポリウレタンフォームとすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の軟質ポリウレタンフォーム(以下、「フォーム」ということもある。)は、イソシアネート末端プレポリマー(以下「プレポリマー」ということもある。)を水を用いて架橋させてなり、非ハロゲン系難燃剤及びアクリル樹脂を含有し、反発弾性率が20%以下である。
[1]イソシアネート末端プレポリマー
上記「イソシアネート末端プレポリマー」は、ポリオールに化学当量を越えるポリイソシアネートを反応させることにより生成する。このプレポリマーのイソシアネート基(NCO基)含有量は10〜30質量%、特に15〜25質量%とすることができる。NCO基含有量は、フォームの架橋密度に影響し、これによりフォームの硬度、加工性等が変化する。NCO基含有量が10質量%未満であると、フォーム原料の粘度が上昇して取り扱い難くなったり、反応ガスの発生量が少なくなって均質なフォームが生成し難くなることがある。一方、この含有量が30質量%を越えると、反応ガスの発生量が過剰になり、発泡度が高くなってフォームの密度が低下し、所要の硬度等を有するフォームとすることができない場合がある。
ポリオールは特に限定されず各種のポリオールを用いることができる。このポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリエーテルエステルポリオール等が挙げられ、特にポリエーテルポリオールが好ましい。また、ポリマーポリオール、即ち、ポリエーテルポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチルメタアクリレート等のエチレン性不飽和結合を有する化合物をグラフト重合させてなるポリオールを用いることもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、2個以上の活性水素を有する出発物質に、アルキレンオキサイドをランダム付加重合又はブロック付加重合させてなるポリオールを用いることができる。そのようなポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、サッカロール、及びチレンジアミン等の芳香族アミンなどの活性水素化合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、α−メチルトリメチレンオキサイド、3,3’−ジメチルトリメチレンオキサイド等のオキサイドを付加重合させたものなどが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、ショ糖等の低分子量ポリオールと、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等のカルボン酸との縮合反応により生成するポリオールを用いることができる。更に、ポリオールとしては、ラクトンエステルとして分類されるカプロラクトン、メチルバレロラクトンの開環縮合物であるポリオール等を用いることもできる。
ポリオールは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等の種類のことなるポリオールを併用することもできる。
ポリイソシアネートは特に限定されず、軟質ポリウレタンフォームの製造に一般に用いられポリイソシアネートを用いることできる。このポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、粗TDI、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、製MDIの他、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートを用いることができる。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添MDI、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートを用いることもできる。これらのポリイソシアネートのうちでは、末端イソシアネート基の含有量を容易に低下させることができ、且つプレポリマーの粘度の上昇が少ないTDIが特に好ましい。
ポリイソシアネートは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、1種のみ用いられることが多い。
ポリオールとポイソシアネートとの組み合わせは特に限定されないが、ポリイソシアネートとしてTDIを使用し、ポリオールの出発物質としてエチレングリコール等の2官能のポリオールとトリメチロールプロパン等の3官能以上のポリオールとを併用することが好ましい。トリメチロールプロパン等の3官能以上のポリオールを出発物質として用いた場合、より多くの架橋構造をフォームに導入することができ、優れた伸び及び引張強さ等を有する軟質ポリウレタンフォームとすることができる。尚、出発物質として用いるポリオールはすべてが3官能以上のポリオールであってもよい。
[2]水
上記「水」は特に限定されず、例えば、イオン交換水、水道水、蒸留水等の各種の水を用いることができる。フォーム製造時の水の使用量は、プレポリマーを100質量部とした場合に、30〜100質量部とすることができ、40〜80質量部、特に40〜70質量部、更に40〜60質量部であることが好ましい。水が30〜100質量部であれば、所定の発泡倍率のフォームとすることができ、且つ発泡後の水の除去も容易である。
[3]アクリル樹脂
上記「アクリル樹脂」(このアクリル樹脂には、メタクリル樹脂及びアクリルモノマーと他のモノマーとの共重合樹脂も含まれるものとする。)は、水溶性アクリル樹脂でもよく、水分散性アクリル樹脂でもよい。このアクリル樹脂は、水溶性であるときは水溶液として、水分散性であるときは水分散体(エマルジョン)として配合され用いられる。水溶液又はエマルジョンの配合量は特に限定されないが、プレポリマーを100質量部とした場合に、水溶液又はエマルジョンに含有されるアクリル樹脂が30〜70質量部、特に40〜60、特に40〜50質量部となる配合量であることが好ましい。
アクリルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げられ、それぞれ各種のモノマーを用いることができる。また、種類の異なるモノマーを併用することもできる。更に、これらのアクリルモノマーと、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、エチレン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、イタコン酸及びマレイン酸等の各種のモノマとを共重合させることもできる。また、好ましいアクリル樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸オクタデシル等が挙げられる。
フォーム製造時に配合される水溶液又はエマルジョンに含有されるアクリル樹脂の含有量は特に限定されないが、水溶液又はエマルジョンを100質量%とした場合に、アクリル樹脂の含有量が30〜60質量%、特に35〜55質量%、更に40〜50質量%であることが好ましい。また、フォーム製造時に配合される水溶液又はエマルジョンは、プレポリマーを100質量部とした場合に、70〜130質量部、特に80〜120質量部、更に90〜110質量部であることが好ましい。
[4]非ハロゲン系難燃剤
上記「非ハロゲン系難燃剤」は特に限定されず、各種の非ハロゲン系難燃剤を用いることができる。この非ハロゲン系難燃剤は無機系難燃剤でもよく、有機系難燃剤でもよい。無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト、三酸化アンチモン、ポリリン酸アンモニウム、炭酸カルシウム及び活性炭等が挙げられる。これらの無機系難燃剤のうちでは、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、ポリリン酸アンモニウム及び炭酸カルシウムが好ましい。これらの難燃剤は、フォーム製造のための他の原料との混合が容易であり、且つ含有量が少量であっても難燃性を十分に向上させることができる。更に、伸び、引張強さ等の他の物性に及ぼす影響も小さく、その観点でも有利である。
また、有機系難燃剤としてはリン系難燃剤が好ましい。このリン系難燃剤としては、例えば、非ハロゲン系リン酸エステル、非ハロゲン系縮合リン酸エステル等が挙げられ、これらのうちでは非ハロゲン系リン酸エステルを主成分とする難燃剤が好ましい。この難燃剤を用いた場合、フォーム製造のための原液の粘度を低く抑えることができ、攪拌効率が向上し、且つ均質なフォームとすることができる。
上記の非ハロゲン系リン酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリイソブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート等が挙げられる。
難燃剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、無機系難燃剤と有機系難燃剤とを併用することもできる。
非ハロゲン系難燃剤の含有量は、フォームを製造することができ、且つ十分な難燃性が得られる限り特に限定されないが、フォームを100質量%とした場合に、45〜80質量%、特に50〜80質量%、更に50〜70質量%であることが好ましい。難燃剤の含有量が45質量%未満であると、難燃性が十分に向上しないことがある。一方、80質量%を越えると、伸び、引張強さ、圧縮残留歪等の物性が低下するため好ましくない。難燃剤の含有量が45〜80質量%であれば、優れた難燃性を有し、且つ物性もほとんど低下せず、衝撃緩衝材として有用なフォームとすることができる。
フォームの密度は難燃剤の含有量によって変化する。このフォームは、100kg/m未満の低密度品から450kg/m程度の高密度品まで各種のフォームとすることができるが、フォームの密度は200〜450kg/mであることが好ましい。フォームの密度が200〜450kg/mであれば、優れた難燃性を有し、且つ十分な伸び、引張強さ等を併せて有するフォームとすることができる。
[5]界面活性剤
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、製造時の混合攪拌に際して、整泡剤として作用する界面活性剤を配合することが好ましい。界面活性剤を配合することにより、攪拌が容易となり、且つ気泡の安定化を図ることができる。より具体的には、ポリイソシアネート、ポリオール等の各々の原料の混合、乳化を促進し、気泡の合一を防止し、気泡膜を安定化して反応液の流動を制御し、均質なフォームとすることができる。
整泡剤として作用する界面活性剤としては、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びシリコン系界面活性剤を用いることができる。フォームの製造にはシリコン系界面活性剤が用いられることが多いが、シリコン系界面活性剤を用いた場合、低分子量シロキサンが生成し、フォームが汚染されることがある。従って、このような問題のない非イオン界面活性剤を用いることが多い。界面活性剤(整泡剤)の配合量は特に限定されないが、プレポリマーを100質量部とした場合に、0.2〜0.8質量部、特に0.3〜0.7質量部とすることができる。
[6]反発弾性率
上記「反発弾性率」は、JIS K 6400に準拠して測定することができ、フォームから100×100×50mm、又はこれを越える寸法の試験片を切り出し、試験片の上面より500mmの高さから直径16mm、質量16gの鋼球を落下させ、跳ね返った最高の高さを落下高さ(500mm)に対する百分率で表したものである。従って、数値が小さいほど、低反発であり、衝撃緩衝性に優れていることになる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの反発弾性率は20%以下であり、特に10%以下、更に7%以下とすることができる。また、容易に5%以下とすることもでき、極めて低反発であり、優れた衝撃緩衝性を有するフォームとすることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
ポリオールと過剰のポリイソシアネートとを用いてイソシアネート末端プレポリマーを作製し、このプレポリマーと、水と、非ハロゲン系難燃剤と、アクリルエマルジョンと、非イオン界面活性剤と、を用いて自然発泡により軟質ポリウレタンフォームを製造した。
(1)プレポリマーの作製
平均分子量2000のポリエチレングリコール(三洋化成社製、商品名「PEG−2000」)2モルと、トリメチロールプロパン1モルとを混合し、混合物を5〜15トルの圧力下に100〜110℃で乾燥して水を除去した。その後、得られた乾燥後の混合物を、6モルのトルエンジイソシアネート(TDI)が投入された反応容器に約1時かけて徐々に添加し、添加する間、ポリオールとTDIとの混合物を撹拌した。混合物の添加が終了した後、更に3時間撹拌を継続し、その間、反応容器内の温度を60℃に維持した。最終の反応生成物には10モル%の過剰のTDIが残留し、含有されていた。また、ヒドロキシル基はすべてイソシアネートによりキャップされ、ポリオールとTDIとの間に多少の連鎖伸張が生じていた。得られたNCO末端プレポリマーのNCO含有量は、20質量%であった。
(2)軟質ポリウレタンフォームの製造
上記(1)で得られたイソシアネート末端プレポリマーに、表1に記載の配合割合で、水、アクリルエマルジョン(日本ゼオン社製、商品名「LX852」、固形分含有量;45質量%、pH;6)、非イオン界面活性剤(旭電化工業社製、商品名「L62」)、難燃剤(昭和電工社製、水酸化アルミニウム、商品名「ハイジライトH10」又は大八化学社製、リン系難燃剤、商品名「SH800」)を配合して攪拌し、この配合物を高さ200mm、縦200mm、横200mmの角型の容器に投入し、自然発泡させた。自然発泡後、乾燥炉において、70℃で8時間静置して水分を除去し、その後、室温にて24時間静置し、次いで、フォームから所定寸法の試験片を切り出した。
Figure 0005139704
尚、表1における難燃剤比率は、フォームに含有される難燃剤の質量割合(重量%)である。即ち、難燃剤比率=[難燃剤配合量/難燃剤配合量+アクリルエマルジョン配合量×0.45+プレポリマー配合量+界面活性剤配合量−10.5(気体となって消失する損失量である。)]である。
(3)物性評価
以下のようにしてフォームの密度、反発弾性及び難燃性を評価した。
(a)密度
JIS K 6400に準拠して測定した。
(b)反発弾性
JIS K 6400に準拠した試験機により、JIS K 6400に準拠して測定した。即ち、試験片(縦100mm、横100mm、厚さ50mmの板状体)に、高さ500mmから鋼球(直径16mm、質量16g)を自然落下させ、そのときの鋼球の跳ね返り高さを読み取ることにより、反発弾性率を求めた。また、3個の試験片について得られた3個の数値の中央値をそれぞれの試験片の反発弾性率とした。
(c)難燃性
JIS K 6911 5.24.2B法により評価した。装置としては、JIS K 6911に準拠した垂直燃焼試験装置を用いた。具体的には、空気の流れの無いチャンバー内において、試験片(長さ127mm、幅12.7mm、厚さ0.8mm)の長さ方向の上端をクランプ付きリングスタンドに設けたクランプで挟持し、その後、試験片の下端中央部に高さ19mmの青色炎に調節したバーナーの炎を10秒間接炎させ、接炎後、バーナーを試験片から152mm以上離してフレーミング(有炎燃焼)時間を測定した。フレーミングが停止した後、直ちにバーナーの炎を再度、試験片の同じ箇所に10秒間接炎させ、再び152mm以上離し、フレーミング時間とグローイング(赤熱燃焼)時間とを測定した。
尚、バーナーとしてはブンゼンバーナー(管の長さが101.6mm、内径9.5mm)を使用し、燃焼用ガスボンベとしては工業用メタンガス又は約9000kcal/m(37MJ/m)の燃焼熱を有する天然ガスが充填されたボンベ(流量計及びレギュラーが付設されている。)を用いた。
(4)評価結果
(a)弾性反発率について
表1の結果によれば、実験例1〜5では、アクリルエマルジョンを配合して製造したフォームであるため、反発弾性率は3〜5%と極めて低く、優れた低反発性を有していることが分かる。一方、アクリルエマルジョンが配合されていない実験例6では、弾性反発率が22%と高く、低反発性が十分ではないことが分かる。
(b)難燃性について
実験例1〜6のいずれも、フレーミング及びグローイングについてはJIS K 6400に定められた難燃性の基準V−0級に合格していることが分かる。特に実験例1〜4及び6では、1回目のフレーミングがいずれも0秒であり、グローイングもいずれも0秒であり、極めて優れた難燃性を有している。更に、クランプまでの燃焼もなかった。一方、実験例5では、難燃剤比率が42.6質量%と低いため、グローイングは0秒であるものの、1回目のフレーミングが8秒であり、他の実験例に比べてやや劣る結果となっている。また、実験例5では、クランプまで達する燃焼もみられ、他の実験例と比べるとやや劣っている。尚、実験例5の2回目のフレーミングの記載がないのは、1回目でクランプまで燃え尽き、再度着火することができる試験片がないことを意味する。

Claims (6)

  1. イソシアネート末端プレポリマーを水を用いて架橋させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、非ハロゲン系難燃剤及びアクリル樹脂を含有し、反発弾性率が20%以下であり、
    上記アクリル樹脂は、水溶液又はエマルジョンであることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
  2. 上記非ハロゲン系難燃剤が水酸化アルミニウムである請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  3. 上記軟質ポリウレタンフォームを100質量%とした場合に、上記非ハロゲン系難燃剤の含有量が45〜80質量%である請求項1又は2に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  4. 密度が200〜450kg/mである請求項1乃至のいずれか1項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  5. 上記イソシアネート末端プレポリマーの製造に用いられたポリオールの少なくとも一部が3官能以上のポリオールである請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  6. 非イオン界面活性剤を含有する請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
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