JP5139585B1 - 子牛用飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ルーメンアシドーシスを緩和して糞便性状を改善しつつ、発育成績を向上させ得る3ヶ月齢以下の子牛用の飼料及び飼育方法を提供する。
【解決手段】
NDFを乾物換算で15重量%以上含むと共に、りんごジュース粕を含み、デンプンを乾物換算で20〜40重量%含む、3ヶ月齢以下の子牛用飼料とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、3ヶ月齢以下の子牛用飼料(人工乳と称されることがある)に関する。より具体的には、発育成績を向上しながら、下痢や軟便を改善しルーメンアシドーシスを緩和し得る3ヶ月齢以下の子牛用飼料に関する。
生後間もない子牛では、第4胃が機能しているものの第1胃(ルーメン)は未発達であり、繊維を消化する能力が低い。このため、生後1週齢〜3ヶ月齢までは、繊維質の量を低減した飼料を給与することが発育成績の向上の点で好ましいと一般的に理解されている。
例えば、Stoboらは、トウモロコシ等の穀物を主体とする濃厚飼料を多く給与することでルーメン繊毛の伸長が促されることを報告している(非特許文献1)。
一方、繊維質の給与を制限して、小麦粉やトウモロコシ等の穀物を多く給与すると、ルーメン内での発酵による酸の産生が増進されて、ルーメンアシドーシス、パラケラトーシス、下痢などを引き起こすことが指摘されている(非特許文献2)。ルーメンアシドーシスやパラケラトーシスは、発育不良の原因となり得、さらにルーメンアシドーシスは下痢・軟便を誘発する。下痢・軟便は消化不良の結果であるのみならず、重度の場合は脱水症状を引き起こし、発育を停滞させる。また床敷の汚れを助長するため床敷の交換を早めねばならず、作業者の労力負担を増加させる。
また、乾草などの粗飼料や全粒えん麦などの物理的にルーメン壁を刺激し得る形態の飼料の給与は、反芻胃(第1胃+第2胃)の容積を増大して胃壁を刺激し、咀嚼を促して唾液の分泌を促進したり反芻を促す作用を有することが知られている(非特許文献1、3及び4)。
このような子牛の消化特性に基づき、アメリカ等の全粒えん麦を比較的低コストで入手可能な国においては、牛の哺乳期には、粗飼料を給与せずに、全粒えん麦を含み繊維質が比較的少ない濃厚飼料を給与する飼育方法が行われている(非特許文献3)。但し、全粒えん麦によるルーメンアシドーシス等を軽減する効果はそれほど大きなものではない。
一方、わが国では、全粒えん麦などのルーメンに物理的な刺激を付与する上で好適な穀物を安価で安定的に入手できないため、生後間もない時期から子牛に乾草などの粗飼料を濃厚飼料と共に給与する飼育方法が一般的である。このような方法においては、粗飼料によって繊維質が給与されるため、濃厚飼料にできるだけ繊維質を配合せずに子牛の発育に対する悪影響を回避するのが一般的である。但し、子牛の粗飼料に対する嗜好性は個体差が大きく、ルーメンアシドーシス等の発生を安定的に抑制できていないのが現状である。
繊維質の給与に関し、例えば、アメリカの飼料メーカーであるAkey社は、子牛に、とうもろこしの代替原料としてビートパルプを15重量%又は綿実を20重量%若しくは12重量%配合して非繊維性炭水化物(NFC)を50重量%から40重量%まで減少させた飼料を給与すると、飼料効率が低下し、大豆皮を50重量%配合した飼料を給与すると、日増体量及び飼料効率が低下することから、2ヶ月齢未満の子牛においては繊維質の給与を制限すべきと報告している(非特許文献5及び6)。また、生後から56日齢までの試験では、子牛に綿実殻を5若しくは10重量%又は乾草を5重量%配合した飼料を給与すると、日増体量、飼料摂取量及び飼料効率が低下し、生後から8週齢までの試験では、子牛に乾草を2若しくは4重量%又は2.5若しくは5重量%配合した飼料を給与すると、日増体量、飼料摂取量及び飼料効率が低下し、42〜56日齢の試験では、子牛に乾草を5重量%配合した飼料を給与すると日増体量及び飼料効率が悪化し、生後から8週齢までの試験では、子牛にとうもろこしの代替原料として大豆皮を配合した飼料を給与すると、日増体量、飼料摂取量及び飼料効率が悪化したことが報告されている(非特許文献7〜9)。また、離乳前の子牛はルーメンの容積が小さく、成牛に比べルーメン微生物叢が繊維の消化に適しておらず、かさのある繊維質を十分に利用できないため、56日齢未満の子牛には乾草を給与すべきでなく、ふすまや大豆皮のようにでんぷんが少なく繊維が多いバイプロダクトの給与は制限すべきであると指摘している(非特許文献7〜9)。
また、離乳後間もない時期においてもルーメンは発達途上にあるため、少なくとも4ヶ月齢までは繊維の多いバイプロダクトの使用を制限すべきであり、0〜2ヶ月齢では乾草無給与で飼料中中性デタージェント繊維(以下、NDFということがある)含量を現物換算で15重量%以下とし、2〜4ヶ月齢では乾草給与量を5〜10重量%として総飼料中(乾草と濃厚飼料を含む)のNDF含量を19重量%以下にすることを推奨している(非特許文献9)。
また、Hillらは、8〜12週齢までの試験で、子牛に、とうもろこしの代替原料として大豆皮を14、28又は42重量%配合してNDF含量を乾物換算で15.4、23.3、31.2及び38.4重量%とし、穀物(とうもろこし+えん麦)の含有量を57.3、44.9、32.4及び20.0重量%とした飼料を給与すると、大豆皮の含有率が増加してNDF含有率が増加するに従って日増体量及び飼料効率が悪化したことを報告している(非特許文献3)。
Williamsらは、14〜91日齢までの試験で、子牛に、圧ぺん大麦の代替原料としてシトラスパルプとビートパルプを17.4、34.9又は52.3重量%配合した飼料を給与すると、飼料摂取量は増えるが日増体量は変わらず、14〜84日齢までの試験で、子牛に、圧ぺん大麦の代替原料としてビートパルプを34.9重量%配合した飼料を給与すると、飼料摂取量と日増体量が高まることを報告している(非特許文献10)。また、Porterらは、生後1週齢から8週間の試験で、子牛に、とうもろこしとえん麦の一部をコーンコブミール、ビートパルプ及びビール粕で代替して、NDF含量を乾物換算で26.91〜29.03重量%まで高めた飼料を給与すると、統計的に有意な差ではないがルーメンpHが高まり、人工乳摂取量及び日増体量が向上したことなどを報告している(非特許文献11)。但し、これらの報告では、子牛にとっては特に消化が困難な乾草などのルーメン壁を物理的に刺激する粗飼料を給与しない条件で実施された試験に関し、粗飼料を給与した際のNDF含量を教示するものではない。
繊維質給与に伴う咀嚼及び唾液分泌の誘発によるルーメン内pHの安定化は、給与される飼料の物理的形状に大きく依存し、同一原料の粗飼料であっても、切断長が長い飼料は、切断長が短い飼料やペレット化した飼料に比べ、咀嚼時間(採食+反すう時間)が長くなる。例えば、ミカンジュース粕、大豆皮、コーンコブペレットなどは繊維質に富むが、切断長が長い粗飼料に比べ咀嚼時間が短いことが報告されている(非特許文献12)。また、粗飼料由来のNDF含有量を1重量%高める場合には、総飼料中NDF含量を2重量%低下させ、総飼料中のNFC(非繊維性炭水化物)含量を2重量%高めてもルーメンpHは維持されると考えられている(非特許文献4)。このため、粗飼料に由来するNDFの含有量と濃厚飼料に由来するNDFの含有量は区別して理解されており、粗飼料を給与する飼養方法においては、粗飼料を給与しない条件と比較して、総飼料(濃厚飼料+粗飼料)中NDF含量を低下させ、NFCを高めた方が発育向上の点で有利であると考えられていた。
近年、バイオエタノールの生産の拡大に伴い、乳牛や肥育牛の飼料において、とうもろこし等の穀物の代替原料として、トウモロコシジスチラーズグレインソリュブル(以下DDGSという)等の穀物由来エタノール副産物の利用が拡大している。
例えば、乳牛に、乾物換算でDDGSを15重量%配合した飼料を給与した試験で、DDGSの配合が、ルーメン内のプロトゾア数、揮発性脂肪酸(VFA)の発生量及び乳量に影響せず、乳脂率をやや低下し、乳の無脂固形分率をやや増加することが報告されている(非特許文献17)。また、ホルスタイン種去勢牛、黒毛和種去勢牛及び交雑種去勢牛に、乾物換算でDDGSを15重量%以下の範囲で配合した飼料又は無配合の飼料を給与した比較試験で、ホルスタイン種去勢牛では、DDGSを配合した飼料を給与したグループが無配合の飼料を給与したグループに比べやや日増体量が少なく、交雑種去勢牛では、DDGSを配合した飼料を給与したグループと無配合の飼料を給与したグループに、発育成績と枝肉成績に差はなく、黒毛和種去勢牛では、DDGSを配合した飼料を給与したグループで皮下脂肪がより厚くなり、脂肪融点が低下し枝肉断面が崩れ易くなったが、概ね発育成績や枝肉成績は良好であったことが報告されている(非特許文献13)。
また、生後2〜3日齢から56日間の試験で、とうもろこし及び大豆粕の代替原料としてDDGSを20重量%配合してNDF含量を乾物換算で18.3重量%まで高めた飼料を、粗飼料を給与しない条件下で子牛に給与すると、発育成績は悪化しないが、DDGSを49.83重量%配合してNDF含量を乾物換算で26.6重量%まで高めた飼料を供与すると28〜56日目の日増体量が低下したことが報告されている(非特許文献14)。また同報告では、8〜12週齢までの試験で、乾草を総飼料中5重量%給与した条件下で、子牛に、DDGSをとうもろこしと大豆粕の代替原料として20又は39.27重量%配合し、NDF含量を乾物換算で18.1又は25.7重量%まで高めた飼料を給与すると、日増体量、飼料効率及び腰角幅増加量が低下したことも報告されている。
また、生後約5日齢の子牛を用いた試験で、DDGSを10重量%配合した飼料を子牛に給与すると35〜56日目の日増体量が統計的に有意に低下し、DDGSを20重量%配合しリジンを添加した飼料を給与した場合でも統計的に有意ではないが同時期の日増体量が低下したことが報告されている(非特許文献15)。また、DDGSを28又は56重量%配合した飼料を子牛に給与した試験では、DDGSを56重量%配合した飼料を給与された子牛でパラケラトーシスが発生して飼料効率が悪化し、ルーメン絨毛の長さ、幅及び表面積も減少したことなどが報告されている(非特許文献16)。なお、これらの報告は、何れも粗飼料を給与しない条件での試験に関するものである。
乳牛用飼料においては、とうもろこしサイレージの代替原料等として、りんごジュース粕サイレージの利用が報告されている(非特許文献17)。例えば、りんごジュース粕サイレージをとうもろこしサイレージの代替として乳牛に給与したところ、乳量は同等で乳脂率が高まり、糞中水分含有率がやや減少し結着性のある糞となったことが報告されている。また、ホルスタイン種去勢牛にりんごジュース粕サイレージを給与した試験でも、採食性、発育成績及び肉質に問題がなかったことが報告されている(非特許文献17)。この文献ではまた、新鮮りんごジュース粕は、りんごジュース粕サイレージより嗜好性に優れるものの、糖類を多量に含むため、ルーメン内の細菌によるプロピオン酸及び乳酸の産生を促進し、ルーメン内のpHを低下させルーメンアシドーシスを誘発する原因になるとし、サイレージ化されて糖類の含有量が低減されているりんごジュース粕を選択することを推奨している。この報告は、りんごジュース粕の子牛用飼料へ利用について開示しない。
NibetとMartinは、リンゴ酸が、ルーメン内における優先菌種であるSelenomonas ruminantiumによる乳酸の代謝を促進することを報告している(非特許文献18)。Martinは、バッチ培養法においてルーメン液混合培養液にDL−リンゴ酸を4、8、又は12mMの濃度で添加して培養すると、プロピオン酸の産生量が増え、酢酸/プロピオン酸比が低下し、コスタルバミューダグラスの乾物消失率が高まる傾向があり、乳酸の存在下においては培養液のpHが高まることを報告している(非特許文献19)。Liu等は、in vivoでは、リンゴ酸を飼料乾物1kg当たり7.8、15.6又は23.4g添加すると、ルーメンpHが添加量依存的に低下すると共に、酢酸/プロピオン酸比、アンモニア態窒素、乳酸、及びルーメン内粗蛋白質分解率が添加量依存的に低下し、VFA産生量及びルーメン内NDF分解率が高まったことを報告している(非特許文献20)。
この点、乾燥りんごジュース粕のリンゴ酸含量は、280mg/100g程度であり、飼料中に配合される乾燥りんごジュース粕の含有量を考慮すると、Liu等が有効性を報告したリンゴ酸含有量に比べ乾燥りんごジュース粕に由来するリンゴ酸の含有量は顕著に少ない。従って、これらの文献での知見によれば、りんごジュース粕という形態でリンゴ酸を給与することは、所望の作用効果を期待するには不適切であると理解される。
Stobo et al.Br. J. Nutr. 1966.20:171―188 前出吉光,小岩政照監修 デーリィマン社発行「新版 主要症状を基礎にした牛の臨床」p.467―471,p.688―690 Hill et al.J.Dairy Sci.2008.91:3128―3137 National Academy Press,(株)デーリィ・ジャパン社発行「NRC乳牛飼養標準―2001年・第7版―」p.36−40 Replacement report, Calf Starter Research, Comparison of Fiber Sourceswith Different Digestibilities and Particle Sizes [平成24年4月19日検索] インターネットhttp://www.akey.com/calf/starter/Fiber%20sources%20for%20calf%20starters.pdf Replacement report, Calf Starter Research, Grain Processing and EnergySources for Calf Starters, Grain processing [平成24年4月19日検索] インターネット http://www.akey.com/calf/starter/Grain%20processing%20and%20energy%20sources%20for%20calf%20starters.pdf Replacement report, Starter/Grower Research, Fiber for starters and growers [平成24年4月19日検索] インターネットhttp://www.akey.com/calf/starter/Fiber%20for%20starters%20and%20growers.pdf Replacement report, Starter/Grower Research, Feeding hay or roughage [平成24年4月19日検索] インターネットhttp://www.akey.com/calf/starter/Hay%20for%20starters.pdf、 Formulation of Calf Starters and Growers,[平成24年4月19日検索] インターネットhttp://www.akey.com/calf/starter/Formulation%20of%20calf%20starters%20and%20growers.pdf Williams et al.1987.Anim.Prod.44:65−73. Porter et al.2007.The Prof.Anim.Scientist 23:395−400 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構編 中央畜産会発行「日本飼養標準乳牛(2006年版)」p.86−91 新たな飼料資源(とうもろこしDDGS)の成分分析等の結果について,[平成24年5月9日検索]インターネットhttp://kashikyo.lin.gr.jp/network/noyaku/DDGS_H21.pdf Suarez−Mena et al.2011.J.Dairy Sci.94:3037−3044 Chestnut and Carr.2007.J.Dairy Sci.90(Suppl.1):111(Abstr.) Tohmas.2006.「Growth,rumen development,and metabolism of Holstein calves fed distillers grains」South Dakota State Univ. 豊川好司編著,泉谷眞実・村山成治共著,弘前大学出版会発行「リンゴ粕の飼料化技術(牛用)―未利用バイオマス・リサイクル技術の基礎―」 Nisbet and Martin.1994.J.Anim.Sci.72:1355−1361 Martin 2004.Curr.Microbiol.Jan;48(1):27−31 Liu et al.2009.Animal.3:1,pp32−39 小野寺良次監修,板橋久雄編 社団法人農山漁村文化協会発行「新ルーメンの世界 微生物生態と代謝制御」p.64―65 農林水産消費安全技術センター(FAMIC)飼料分析基準[平成24年4月29日検索] インターネットhttp://www.famic.go.jp/ffis/feed/bunseki/bunsekikijun/01_01_04_inorg.pdf#page=5 独立行政法人農業・食品技術総合研究機構編 社団法人中央畜産会発行 「日本標準飼料成分表(2009年版)」 Lila et al.2004.J.Anim.Sci.82:1847−1854. Muyzer et al.1993.Appl.Environ.Microbiol.59(3):695−700 Koike and Kobayashi.2001.FEMS Microbiology Letters 204:361−366
本発明は、以上の技術的背景において、ルーメンアシドーシスを緩和して糞便性状を改善しつつ、発育成績を向上させ得る、3ヶ月齢以下の子牛用の飼料及び飼育方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来の一般的な理解からすると一見相反するように考えられる子牛飼料に対する上記要請を満たす組成を求めて鋭意検討を重ねた結果、りんごジュース粕、特に乾燥りんごジュース粕を添加した飼料中で、牛のルーメン内のセルロース分解菌(非特許文献21参照)の増殖が選択的に促進されることを見出し、従来の子牛用濃厚飼料よりNDFの含有量を高める(好ましくは穀物由来のエタノール副産物を用いる)と共に、りんごジュース粕を添加して、これらで穀物等のデンプンの主な供給源の一部を置換した飼料を子牛に給与したところ、発育を向上しながらも、ルーメンアシドーシス及び便性状を改善し得ることを見出した。
本発明は、このような知見に基づき、その一の実施形態で、NDFを乾物換算で15重量%以上含むと共に、りんごジュース粕(好ましくは、乾燥りんごジュース粕)を含み、デンプンを乾物換算で20〜40重量%含む、3ヶ月齢以下の子牛用飼料を提供するものである。好ましい実施形態の飼料では、NDFを乾物換算で17〜25重量%含むことができる。
また、好ましい実施形態の飼料では、糖類を乾物換算で7〜12重量%、溶解性蛋白質を乾物換算で5〜9重量%、デンプンを乾物換算で25〜30重量%含む。
また、本発明の飼料は、その一の実施の形態において、粗飼料と組み合わせて用い、粗飼料を給与されている子牛を対象とすることができる。
本発明はまた、他の実施形態で、上述の飼料を、生後1週齢から3ヶ月齢まで給与する子牛の飼育方法を提供する。この実施形態でも、生後2ヶ月齢までの少なくとも一部の期間で粗飼料を給与した子牛に、上述の飼料を給与することができる。
ここで、本明細書で用いられる主な用語について定義付けする。
本明細書において「中性デタージェント繊維(NDFという)」とは、セルロース、へミセルロース、及び/又はリグニンからなる繊維性物質(これらは細胞壁を構成する主な成分である)を意味する。NDF値は、耐熱性α−アミラーゼを加えながら、中性デタージェント溶液で試験飼料を煮沸した残渣から灰分を除いた画分によって求められる。測定方法は、飼料分析基準(非特許文献22)に準ずる。
また、本明細書において「非繊維性炭水化物(NFC)」とは、中性デタージェント溶出部分に含まれる炭水化物を意味し、主にデンプン、糖、有機酸、ペクチンからなる。NFC値は、乾物重量−(NDF+粗蛋白質+粗脂肪+粗灰分)により求められ、測定方法は、飼料分析基準(非特許文献22)に準ずる。
また、本明細書において「溶解性蛋白質」とは、39℃のリン酸ホウ酸塩緩衝液の中で1時間以内に溶解する粗蛋白質を意味する。
また、本願明細書で用いられる「NDF供給原料」とは、NDF含有量が乾物換算で30重量%以上の植物体又は植物体の加工副産物からなる原料を意味する。主な物としては、穀物又はその他の種子の加工副産物がある。
また、本願明細書で用いられる「粗蛋白質供給原料」とは、NDF含有量が乾物換算で30重量%未満であって、且つ粗蛋白質を乾物換算で30重量%以上含有する植物体又は植物体加工副産物からなる原料を意味する。
また、本願明細書で用いられる「デンプン供給原料」とは、NDF含有量が乾物換算で30重量%未満であって、且つデンプンを乾物換算で45重量%以上含有する植物体又は植物体加工副産物からなる原料を意味する。主な物としては、穀物又は穀物の加工副産物がある。
また、本願明細書において「穀物」との用語は、狭義の意味で用い、稲科の植物の種子に由来する原料の意味で用いる。従って、大豆などのマメ科、アマなどのアマ科、綿などのアオイ科等、他の科に属する植物の種子を含まない。
本発明の飼料は、上述の通り、NDF含有量が一般的な子牛用濃厚飼料より高く、且つりんごジュース粕が添加されている。一方、デンプン含有量は一般的な子牛用濃厚飼料より低減されている。換言すると、NDFとりんごジュース粕に由来する成分(典型的には糖類を含む可溶性無窒素物である)によって、デンプンの一部が置換された組成となっている。
後述する実施例で実証する通り、りんごジュース粕は、牛のルーメン内のセルロース分解菌を選択的に増殖する作用を有し、NDFの消化を効率的に助長すると考えられ、NDFを多く含有する飼料であっても子牛の成育を向上させることができる。そして、NDFの高い含有量とデンプンの含有量の低減化は、ルーメンアシドーシス及び便性状の改善をもたらす。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の説明によって限定されるものではない。
上述の通り、本発明の一の実施形態による飼料は、3ヶ月齢以下の子牛を対象とし、NDFの含有量を高める共に、りんごジュース粕を含み、デンプン含有量を低減したものである。以下、具体的に説明する。
本発明の飼料に配合されるりんごジュース粕は、りんごジュース搾汁後の残渣であり、搾汁後の処理方法によって、りんごジュース粕サイレージ、新鮮りんごジュース粕、及び乾燥りんごジュース粕に分類される。りんごジュース粕は、糖類等の可溶性無窒素物を多く含み、NDFも比較的多い。また、りんごジュース粕は、ペクチン、リンゴ酸などの成分も含むが、粗蛋白質や粗脂肪の含有量は低い。
りんごジュース粕サイレージは、サイレージ化により一部の糖類がエタノールに変換されている飼料であるのに対して、新鮮りんごジュース粕は、搾汁後の残渣そのものであり、乾燥りんごジュース粕は、乾燥により水分を20重量%以下としたりんごジュース粕である。サイレージ化を伴わない後2者のりんごジュース粕は、グルコース、フルクトース、スクロースなどの糖類を多量に含有する点で前者と異なる。
りんごジュース粕に含まれる糖類は、ルーメン内で細菌に利用され、多くの酪酸を発生させるが、この酪酸は子牛のルーメン絨毛を発達させる効果を有する。このため、りんごジュース粕により糖類が供給されると、子牛は絨毛の発達を通じてルーメン内で産生される発酵酸を効率的に吸収・利用できるようになる。このような点からは、新鮮りんごジュース粕、及び乾燥りんごジュース粕がより好ましく、これらのりんごジュース粕で穀物等のデンプン供給原料の一部を代替して飼料中のデンプンを低減することが好ましい。また、飼料調製時の扱い易さや保存性の点では乾燥りんごジュース粕が特に好ましい。
もっとも、後述する実施例で実証する通り、糖類としてグルコースのみを利用した場合と比較して、本発明のようなりんごジュース粕を配合した飼料では、ルーメン内のセルロース分解菌をより選択的に増殖することができ、繊維消化率も高い。従って、本発明の飼料による効果が単純に糖類の含有量を増大させたことによりもたらされたものではない点には留意が必要である。
りんごジュース粕は、サイレージ化の有無などによっても異なるが、ルーメン内のセルロース分解菌を選択的に増殖し、所望の繊維消化を達成しながら、穀物の一部を代替して飼料中のデンプンを低減して、ルーメンアシドーシスの発生を防止する等の観点から、一般的には、飼料中固形分換算で3〜25重量%の量含有することが好ましく、5〜23重量%の量含有することがより好ましく、9〜20重量%の量含有することがより好ましく、10〜15重量%含有することが特に好ましい。また、乾燥りんごジュース粕を配合する場合には、同様の点で飼料中固形分換算で3〜25重量%の量含有することが好ましく、5〜23重量%の量含有することがより好ましく、10〜15重量%の量含有することが特に好ましい。
本発明の飼料では、3ヶ月齢以下の子牛を対象とするにも拘らず、NDFの含有量が比較的高いことを特徴の1つとする。具体的には、NDFを飼料中乾物換算で15〜25重量%含み、17〜25重量%、更には19〜25重量%含むことができ、19〜22重量%の含有量が特に好ましい範囲である。
上述したりんごジュース粕の存在下でこの範囲のNDFを含有すると、便質を改善するばかりか子牛の成長を向上することができる。
本発明の飼料に配合されるNDF供給原料としては、例えば、ふすま、麦ぬか、こめぬか、コーングルテンフィード、コーンハル等の小麦、大麦、米、とうもろこし等の穀物を精白する際に生じる副産物;とうもろこし、小麦、精白米等の穀物を用いてエタノールを製造した際の残渣であるDDGS等の穀物由来エタノール副産物;大麦から主にデンプンを除去した際の残渣であるビール粕;大豆種実の外皮である大豆皮;醤油製造における固形残渣である醤油粕;大豆から豆乳を製造した残渣である豆腐粕;並びに脱脂米ぬか、コーンジャーム粕等の繊維質を主成分とする穀物副産物の脱脂処理産物;綿実粕、ごま粕、やし粕、ひまわり粕、サフラワー粕、パーム核粕等の繊維質を主成分とする油糧作物の脱脂処理産物等を挙げることができる。ふすま、ぬか等の穀物の精白によって生じる副産物は、通常、NDFに富むが、でんぷんの含有量は少ない。また、穀物由来エタノール副産物は、NDF及び粗蛋白質などに富むが、でんぷん及び糖類の含有量は低い。ビール粕は、NDFを多く含み、粗蛋白質も比較的多く含むが、デンプンの含有量は少ない。大豆皮は、NDFを多く含み、デンプンの含有量は少ない。醤油粕は、粗蛋白質、粗脂肪およびNDFを比較的多く含む。豆腐粕は、粗蛋白質、粗脂肪及びNDFを比較的多く含む。また、脱脂米ぬかは、NDFを多く含む一方でデンプンおよび粗脂肪の含有率が少ない。コーンジャーム粕は、NDFを多く含み、粗蛋白質も比較的多く含むが、デンプンの含有量は少ない。綿実粕、ごま粕、やし粕、ひまわり粕、サフラワー粕、パーム核粕等は、NDFと粗蛋白質を比較的多く含む。ここで例に挙げた原料の他、ビートパルプ、パイナップル粕、綿実、アルファルファミール、ヘイキューブなども、NDF供給原料として用いることが出来る。
これらのNDF供給原料は、本発明の飼料では、デンプン等のNFCの主要な供給原料である穀物を代替して、飼料中のデンプンの含有率を低減し、その一方で飼料中にNDFを所定量含有させることを主な目的として配合される。また、NDF供給原料が含むNDF以外の成分は、当該NDF供給原料によって代替される穀物に近似させることが好ましい。
この点で、本発明の飼料では、とうもろこし、小麦、大麦、精白米等の従来の子牛用濃厚飼料で用いられている穀物に由来するエタノール副産物を、主要なNDF供給原料として配合することが好ましく、中でも、りんごジュース粕と組合せた際に便質改善、発育向上及び嗜好性の点で優れるとうもろこしジスチラーズグレインソリュブル(以下、DDGSという)を主要なNDF供給原料として配合することが特に好ましい。
穀物由来エタノール副産物は、各種副産物を1種単独で又は組合せて配合することができ、その種類及び他の原料の成分組成にもよるが、飼料中のNDF含有量を比較的高くし他の成分との協同作用によりアシドーシス及び便性状を改善し且つ発育成績を向上する観点から、乾物換算で3〜20重量%配合することが好ましく、5〜15重量%配合することがより好ましく、8〜13重量%配合することが特に好ましい。また、DDGS、小麦ジスチラーズグレインソリュブル、大麦ジスチラーズグレインソリュブル及び/又は精白米ジスチラーズグレインソリュブルを主要なNDF供給原料として配合する場合にも、他の原料に由来する成分組成にもよるが、これらの合計が飼料中乾物換算で3〜20重量%配合させることが好ましく、5〜15重量%配合させることがより好ましく、8〜13重量%配合することが特に好ましい。
他の原料による成分組成との関係で飼料中の繊維量を維持しながらも、粗蛋白質の量を低減する必要がある場合などといった成分調整の目的等で、必要に応じて、穀物由来エタノール副産物以外のNDF供給原料(例えば、ふすま、ぬか等)を、穀物由来エタノール副産物の一部に代えて配合してもよく、この場合、粗蛋白質と可消化養分総量(以下、TDNという)をバランス良く含み嗜好性に優れる点でふすま、豆腐粕、醤油粕、コーンジャーム粕等を配合することが好ましい。穀物由来エタノール副産物以外のNDF供給原料の含有量は、要求される飼料全体の各成分の組成比に応じて調整すればよいが、通常0〜20重量%であり、0〜15重量%とすることが好ましい。
本発明の飼料では、上述の如く、NDFを比較的多く含むと共にりんごジュース粕を含み、これらによりデンプンの一部が置換され、従来の子牛用濃厚飼料よりデンプン含量が低減される。一方、一定の範囲のデンプンは消化特性及びルーメン微生物の増殖効率の点から糖類より優れる。
このような点から、本発明の飼料では、デンプンを乾物換算で飼料中20〜40重量%含むことが好ましく、25〜35重量%含むことがより好ましく、25〜30重量%含むことがより好ましく、25〜28重量%含むことが特に好ましい。
本発明の飼料に配合される主要なデンプン供給原料は穀物であり、例えば、米、小麦、大麦、えん麦、マイロ、とうもろこし等を挙げることができる。
本発明の飼料では、デンプンの含有量を上述の範囲とする点と他の成分のバランスを考慮して穀物を適切な量配合すればよく、通常乾物換算で25〜60重量%の穀物を含むことができ、好ましくは乾物換算で25〜50重量%の穀物を含み、より好ましくは乾物換算で30〜50重量%の穀物を含み、更に好ましくは乾物換算で30〜45重量%の穀物を含み、特に好ましくは乾物換算で30〜38重量%の穀物を含む。
本発明の飼料では、生育の向上の点でとうもろこしを主要な穀物とすることが好ましく、とうもろこしを、乾物換算で全穀物中50重量%以上含むことが好ましく、80重量%〜95重量%含むことがより好ましい。同様の観点で、とうもろこしを飼料中乾物換算で15重量%以上含むことが好ましく、20重量%〜35重量%含むことがより好ましい。
本発明の飼料では、子牛の成育向上の観点から、粗蛋白質を一定レベルで維持することが好ましく、りんごジュース粕と共に溶解性蛋白質を多く含有させることは、ルーメン内での繊維の消化を促進し、子牛の成育の向上をもたらす点で特に好ましい。具体的には、粗蛋白質を乾物換算で16〜32重量%含むことが好ましく、乾物換算で20〜29重量%含むことがより好ましく、乾物換算で23〜27重量%含むことが特に好ましい。また、粗蛋白質の多くが溶解性蛋白質であることが好ましく、溶解性蛋白質を乾物換算で飼料中5〜10重量%含むことが好ましく、乾物換算で飼料中5〜9重量%含むことがより好ましく、乾物換算で飼料中6〜9重量%含むことが特に好ましい。
本発明の飼料に配合される粗蛋白質供給原料としては、例えば、大豆、大豆粕(加糖加熱処理又は加湿加熱処理等を施した大豆粕を含む)、菜種粕、アマニ粕、コーングルテンミール、濃縮大豆蛋白、小麦グルテン、小麦グルテン酵素分解物等を挙げることができる。
一般的に、大豆は、粗蛋白質と粗脂肪の含有率が多く、生(非加熱)の状態では溶解性蛋白質を多く含む。大豆粕は、粗たんぱく質を多く含み、一方、繊維質、非繊維性炭水化物、及び粗脂肪の含有率が比較的低い。菜種粕は、粗蛋白質を多く含み、NDFを比較的多く含むが、甲状腺肥大を誘発する抗栄養因子であるグルコシノレートを含むため、子牛用飼料へ多量に使用するのは好ましくない。アマニ粕は、粗蛋白質及び溶解性蛋白質を多く含み、NDFも比較的多く含む。コーングルテンミール、濃縮大豆蛋白及び小麦グルテンは、粗蛋白質含有量が非常に高いが、溶解性蛋白質は少ない。小麦グルテン酵素分解物は、粗蛋白質及び溶解性蛋白質を多く含む。
本発明の飼料においては、これらの原料を、それぞれの成分組成等を考慮の上、任意の量で配合すればよく、粗蛋白質供給原料全体としては、粗蛋白質を前述した一定レベルで確保するとともに、NDF等の主に他の原料に由来する成分の含有量も一定のレベルで確保する観点から、乾物換算で飼料中10〜50重量%含有することが好ましく、20〜45重量%含有することがより好ましく、25〜40重量%含有することが特に好ましい。
粗蛋白質供給原料の中でも、大豆粕(加糖加熱処理又は加湿加熱処理を施した大豆粕を除く)は、溶解性蛋白質を多く含み、りんごジュース粕と組み合わせた際にルーメン内での繊維の消化率を高める効果が大きいという利点を有する。また、大豆粕とDDGSとの組合せは、アミノ酸組成及び嗜好性に優れ、抗栄養因子も含まないため好ましい組み合わせである。このような観点から、本発明の飼料では、大豆粕(加糖加熱処理又は加湿加熱処理を施した大豆粕を除く)を主要な粗たんぱく質供給源として含有することが特に好ましい。
菜種粕、アマニ粕及び小麦グルテン酵素分解物は、溶解性蛋白質を多く含む点において、大豆粕に次いで望ましい粗蛋白質供給源である。一方、コーングルテンミール、濃縮大豆蛋白、小麦グルテン、加糖加熱処理又は加湿加熱処理を施した大豆粕などは、溶解性蛋白質が少なく、ルーメン分解性に乏しいため、本発明の飼料においては配合量を低くすることが好ましい。
大豆粕などの大豆由来粗蛋白質供給原料(ただし、加糖加熱処理又は加湿加熱処理を施したものを除く)は、溶解性蛋白質を多く給与してルーメン内での繊維の消化率を高め、子牛の成育を向上させるといった観点や、DDGS等の粗脂肪の含有量が比較的高いNDF供給原料などの配合により飼料中の粗脂肪の含有量が過度に多くなるのを抑制するといった観点の他、主に他の原料に由来するNDFやデンプンなどの一定量の確保といった観点などから、適宜好適な量を配合することが好ましく、具体的には、乾物換算で飼料中10〜45重量%含有することが好ましく、20〜40重量%含有することがより好ましく、25〜35重量%含有することが特に好ましい。
菜種粕及び/又はアマニ粕は、繊維質を多く含み、その一方で粗蛋白質の含有量は大豆粕に比べ少ないので、飼料中の繊維質及び粗蛋白質の含有量を調整する目的等で配合するのがよい。この場合、これらの粗蛋白質供給原料は、飼料中0〜25重量%含むことが好ましく、0〜15重量%含むことがより好ましい。また、コーングルテンミール、濃縮大豆蛋白、小麦グルテン、又は加糖加熱処理若しくは加湿加熱処理を施した大豆由来粗蛋白質供給原料は、8重量%以下とすることが好ましい。また、小麦グルテン酵素分解物は、粗蛋白質と溶解性蛋白質を多く含むため、0〜20重量%含むことができるが、価格が高いため、一般には0〜3重量%配合される。
本発明の飼料においては、糖類を比較的多く含むことができ、具体的には、乾物換算で飼料中6〜13重量%含むことができ、7〜12重量%含むことが好ましく、7〜11重量%含むことがより好ましい。本発明の飼料においては、溶解性蛋白質と共に糖類を含有することが子牛の成育上好ましい。また、本発明の飼料に含有される糖類としては、例えばグルコース、フルクトース、スクロース、ラクトース、及びマルトース等を挙げることができるが、NDFの消化促進の観点から、グルコース、フルクトース及びスクロースを含むことが好ましい。また、溶解性蛋白質(好ましくは上述の配合量で)と共にこれら各種糖を供与すると、子牛の成育をより向上することができる。
本発明の飼料においては、糖類の少なくとも一部はりんごジュース粕に由来する。もっとも、他の糖類供給原料を配合することができ、例えば、糖蜜、糖蜜吸着飼料、砂糖、ブドウ糖等の他の糖類供給原料を配合してもよい。中でも、グルコース、フルクトース及びスクロースを含有し、嗜好性に優れる点で糖蜜を配合することが好ましい。糖蜜は、飼料中乾物換算で0〜10重量%含有することが好ましく、2〜8重量%含有することがより好ましく、3〜7重量%含有することがより好ましい。なお、糖蜜は、その一部若しくは全てを、ブドウ糖、フルクトース、及び/又はスクロース等で置換して糖組成を変更してもよい。
本発明の飼料では、粗脂肪は乾物換算で3.0〜6.0重量%含有することが好ましく、3.5〜5.5重量%含有することがより好ましく、4.0〜5.0重量%含有することが特に好ましい。また、本発明の飼料では、子牛の成育向上の観点から、TDNを一定レベルで維持することが好ましく、具体的にはTDNを乾物換算で78〜92重量%含有することが好ましく、81〜91重量%含有することがより好ましく、84〜90重量%含有することが特に好ましい。
本発明の飼料では、防ばい効果を高めるため、炭素数4以下のモノカルボン酸又はその塩を配合してよい。その場合、炭素数4以下のモノカルボン酸又はその塩(塩の含有量はモノカルボン酸換算で示す)を飼料中乾物換算で0.01〜0.3重量%含有するのが好ましく、0.03〜0.18重量%含有するのがより好ましく、0.05〜0.12重量%含有することが特に好ましい。DDGS等の穀物由来エタノール副産物(好ましくは、乾物換算で飼料中3〜20重量%、より好ましくは、5〜15重量%、特に好ましくは、8〜13重量%)含み且つ/或いはデンプンを乾物換算で飼料中20〜40重量%含む(好ましくは、25〜35重量%、より好ましくは、25〜30重量%、特に好ましくは、25〜28重量%)、本発明の実施形態による飼料では、これらとの組み合わせに寄らずに有機酸のみを同量配合した飼料に比べ、防ばい効果が増大するので、このような組み合わせによる態様はより好ましい。また、防ばい効果の点から、有機酸又はその塩の中でも炭素数4以下の有機酸又はその塩が好ましく、カルボン酸又はカルボン酸塩がより好ましく、プロピオン酸又はプロピオン酸塩が特に好ましい。また、取り扱いの容易さ及び価格の点から、有機酸より有機酸塩が好ましく、プロピオン酸カルシウム及びプロピオン酸ナトリウムが好適であり、プロピオン酸カルシウムが特に好ましい。
本発明の飼料は、上述した原料の他に、呈味料、ミネラル、ビタミン、有機ミネラル、牧草、イネ科の植物の飼料原料、結晶アミノ酸、油脂、脂肪酸、脂肪酸カルシウム、吸着材、鉱物、植物抽出物、発酵物、着香料、有機酸、抗生物質、動物質性飼料、微生物成分、漢方薬、酵素剤、オリゴ糖、木質系飼料、粘結剤、他の植物体加工副産物等を含んでもよい。
呈味料としては、上述した糖供給原料の他、例えば、ステビア、サッカリンナトリウム、グルタミン酸ナトリウムがある。
ミネラル成分としては、例えば、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、白金、金、タリウム、鉛、ビスマス、トリウム、ヨウ素、セレン等を挙げることができ、牛における吸収性・利用性および嗜好性等の点で炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、酸化マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸コバルト、硫酸マンガン、ヨウ素酸カルシウム等が好ましい。本発明の飼料において、ミネラル成分は、通常0.5〜5.0重量%配合され、好ましくは、1.0〜4.0重量%配合される。
ビタミンとしては、例えばビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチン等があり、0〜0.1重量%配合してもよく、好ましくは、0.0005〜0.05重量%配合される。
牧草としては、例えば、オーチャードグラス、チモシー、オーツヘイ、アルファルファ、イタリアンライグラス、アカクローバー等を挙げることができ、イネ科の植物に由来する飼料原料としては、例えば、ソルガム、小麦ストロー、稲わら等を挙げることができる。もっとも、牧草やイネ科の植物に由来する飼料原料は、生後3ヶ月齢以下の子牛にとっては消化が容易でないので、ルーメンの胃壁を刺激する目的で必要に応じて粗飼料として供給し、本発明の子牛用飼料には、含有させないか、含有させるとしても少量(NDF乾物換算20重量%以下、好ましくは2〜15重量%)とすることが好ましい。なお、日本においては、牧草等は給与され、稲わらや麦桿の場合床に敷かれて、子牛の日常生活において任意に摂取されるが、摂取量は個体差が大きい。この点、本発明の飼料では、デンプンを代替する成分としてNDFを多く含み、本発明の飼料の給与自体で発育成績を向上させつつルーメンアシドーシスや下痢・軟便を緩和することができるため、粗飼料の摂取の個体差に起因する問題を軽減することができる。
有機ミネラルとしては、例えばペプチド亜鉛、ペプチド銅、ペプチドマンガン等を挙げることができ、結晶アミノ酸としては、例えばリジン、メチオニン、トレオニン等を挙げることができ、油脂としては、例えば大豆油、菜種油、米油等を挙げることができ、脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸等を挙げることができ、脂肪酸カルシウムとしては、例えば大豆油、菜種油、パーム油、アマニ油けん化物等を挙げることができ、吸着剤としては例えば木炭、タンニン等を挙げることができ、鉱物としては、例えばゼオライト、ベントナイト、セピオライト等を挙げることができ、植物抽出物としては、例えばユッカ抽出物、さとうきび抽出物、ヤマイモ抽出物等を挙げることができ、発酵物としては、例えばイーストカルチャー、麹、発酵バガス等を挙げることができ、着香料としては、例えばオレガノ精油、シナモン精油、クローブ精油等を挙げることができ、有機酸としては、例えば酪酸、ギ酸等を挙げることができ、微生物成分としては、例えば乳酸菌、酪酸菌、枯草菌、サッカロマイセス・セレビシエ酵母、パン酵母等を挙げることができ、抗生物質としては、例えばモネンシン、亜鉛バシトラシン、クロルテトラサイクリン等を挙げることができ、動物質性飼料としては、例えば乾燥ホエー、脱脂粉乳等を挙げることができ、漢方薬としては、例えば甘草抽出物等を挙げることができ、酵素剤としては、例えばセルラーゼ、キシラナーゼ、プロテアーゼ等を挙げることができ、オリゴ糖としては、例えばイソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、セロオリゴ糖等を挙げることができ、木質系飼料としては、例えばブナ、ナラ、クワ等の葉・幹・枝等を挙げることができ、粘結剤としては、例えばグアガム、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム等を挙げることができ、その他、例えばグリセリン、茶粕、コーヒー粕を配合することもできる。
本発明の飼料においては、ミネラル等の粗灰分は、乾物換算で通常3〜12重量%含有し、5〜10重量%含有することが好ましい。また、本発明の飼料は、りんごジュース粕等に由来するリンゴ酸を含むが、通常その含有量は、乾物換算で飼料中0.01〜0.1重量%である。
本発明の飼料は、月齢3ヶ月以下の子牛を対象とする。通常、このような幼齢期の子牛は、ルーメンの発達が不十分なことから、トウモロコシ等の穀物を主体とした濃厚飼料が供与されるが、わが国においては、生後約2週間以内に濃厚飼料に加え、粗飼料を給与することが多い。本発明の飼料は、このような子牛をも対象とし得る。
本発明の飼料は、通常、生後1週目から給与することができる。粗飼料も給与する場合においては、生後1週目から粗飼料の給与を開始することができるが、生後2ヶ月までの一部の期間で給与する場合も有り得る。
なお、乾草などの粗飼料を給与する場合、仮に濃厚飼料:乾草=9:1の割合で摂取したとすると、子牛は乾物換算で6〜7重量%程度のNDFを乾草から摂取することとなる。従って、NDF16重量%の飼料中に同じ割合で粗飼料を配合したものとして換算すると、NDFを20重量%超える量含有する飼料に相当することとなる。しかし、本発明の飼料では、りんごジュース粕により繊維質の消化が助長されると考えられ、哺乳期の子牛に上記のような比較的多くの繊維質を給与することとなっても、消化不全による生育不良を生じることがなく、粗飼料摂取の個体差に起因する、ルーメンアシドーシスや下痢の発生といった問題も軽減することができる。
また、乾草などの粗飼料は、物理的にルーメンを刺激して反芻を促す作用を有するので、粗飼料を給与せずに本発明の飼料を給与するよりも、本発明の飼料を粗飼料と組合せて用いる方が、アシドーシスの緩和や下痢の改善といった点でより有効である。本発明の飼料を粗飼料と組合せて用いる場合には、本発明による飼料と粗飼料との総量(乾物重量換算)に対して、5〜30重量%の粗飼料を組合せて用いることが好ましく、5〜20重量%の粗飼料を組合せて用いることがより好ましい。この場合、月齢3ヶ月までの本発明による飼料と粗飼料との総量(乾物重量換算)に対する粗飼料の平均摂取量は、通常5〜25重量%となる。
また、代用乳の給与量が少ない哺乳期の子牛の場合、或いは離乳期(生後2〜3ヶ月齢)の子牛では、本発明の飼料のような子牛用飼料の摂取量が増えるため、一般的には、ルーメン内のアシドーシス等の問題が生じやすい状態となる。このため、本発明の飼料は、このような状況の飼料としても有益である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
1.乾燥りんごジュース粕とDDGSを含む飼料の子牛の発育、糞便性状及びルーメンpHについての評価
約3週齢のホルスタイン種雄子牛22頭を11頭ずつ2群に分け、DDGS10重量%と共に乾燥りんごジュース粕を配合した飼料を、子牛の発育成績、糞便性状及びルーメンpHに及ぼす影響について評価した。飼料の形態はペレットとし、配合割合及び成分値(設計値)は表1の通りとした。
Figure 0005139585

注)成分値は設計値(乾物中)。NDFについては、「日本標準飼料成分表(2009年版)」(非特許文献23)の値を適用し、「日本標準飼料成分表(2009年版)」に記載のない原料は飼料分析基準(非特許文献22)に準じた分析方法による分析値を適用した。デンプン、糖および溶解性蛋白質は、CPM−Dairyにて計算した。
表1に示す通り、比較例1の飼料は、DDGSを10重量%含有し、NDF含有量が16.9重量%であり、デンプンの含有量が36.2重量%あるが、乾燥りんごジュース粕を含有しない。一方、実施例1の飼料はDDGSを10重量%含有し、NDF含有量が19.7重量%であり、デンプンの含有量が28.8重量%あるが、乾燥りんごジュース粕を10重量%含有する。
試験期間は8週間とし、試験開始から4週目までは個体別に単飼ペンに収容し、粗蛋白質24重量%の代用乳を定量給与(250g×2回/日/頭)し、以後は離乳させ群飼とした。哺乳期間は1日2回、朝・夕の給餌時に個体別に糞便性状を記録した。比較例1及び実施例1の各飼料は、試験期間を通じて不断給与とした。粗飼料は細断したチモシー乾草とし、2週目から給与を開始した。6週目に、糞便を採取し水分を測定し、千葉共済式胃汁採取器(富士平工業(株))を用いてルーメン液を採取しpHメーター(PH82 横河電機株式会社)にてpHを測定した。
結果を表2〜4に示した。また、哺乳期間及び離乳後の比較例1及び実施例1の飼料由来のNDF、粗飼料由来NDF及び総摂取飼料中NDFを表5に示した。チモシー乾草の乾物重量及びNDF含有量は「日本標準飼料成分表(2009年版)」の数値を引用し、それぞれ88.9重量%及び66.8重量%として算出した。
Figure 0005139585

Figure 0005139585

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上記の通り、DDGSを10重量%含有し、NDF含有量が16.9重量%であり、デンプンを36.2重量%含有するが、乾燥りんごジュース粕を含有しない比較例1の飼料に比べ、DDGSを10重量%含有し、NDF含有量が19.7重量%であり、デンプンの含有量が28.8重量%あるが、乾燥りんごジュース粕を10重量%含有する実施例1の飼料では、哺乳期間の日増体量がより多く、飼料摂取量もより高い値を示した。
哺乳期間の糞便性状については、実施例1の飼料を給与したグループで正常便の割合が多く軟便と下痢・水様便の割合が少なかった。また、6週目における糞便水分含量も、実施例1の飼料を給与したグループの方が低かった。更に、ルーメン液pHは、実施例1の飼料を給与したグループの方が高く、亜急性ルーメンアシドーシスの基準となるpH5.8以下の頭数及び重度のルーメンアシドーシスの基準となるpH5.5以下の頭数は、何れも実施例1の飼料を給与したグループの方が少なかった。
これらの結果から、DDGSと共に乾燥りんごジュース粕を配合すると、NDF含量が乾物換算で19.7重量%であり、デンプンの含有量が乾物換算で28.8重量%(なお、穀物の含有量は34.52重量%)あっても、子牛の発育成績はむしろ向上し、さらに下痢・軟便は減少し、ルーメンアシドーシスは緩和されているものと考えられた。
2.乾燥りんごジュース粕配合飼料でのNDF水準の検討
約3週齢のホルスタイン種雄子牛15頭を7頭(実施例2)と8頭(実施例3)の2群に分け、乾燥りんごジュース粕を配合した飼料においてNDF含有量等の組成を変更した際の子牛の発育成績及び糞便性状に及ぼす影響について評価した。飼料の形態はペレットとし、配合割合及び成分値(設計値)は表6の通りとした。
Figure 0005139585

注)成分値は設計値(乾物中)。NDFについては、「日本標準飼料成分表(2009年版)」(非特許文献23)の値を適用し、「日本標準飼料成分表(2009年版)」に記載のない原料は飼料分析基準(非特許文献22)に準じた分析方法による分析値を適用した。デンプン、糖および溶解性蛋白質は、CPM−Dairyにて計算した。
表6に示す通り、実施例2の飼料は、乾燥りんごジュース粕を10重量%含有するが、DDGS及びアルファルファミールを含有せず、NDF含有量は16.3重量%であり、デンプン含有量は34.2重量%である。実施例3の飼料は乾燥りんごジュース粕を10重量%含有すると共に、DDGSを10重量%、アルファルファミールを2重量%含有し、NDF含有量は19.8重量%であり、デンプン含有量は30.4重量%である。
試験期間は9週間とし、試験開始から5週目までは個体別に単飼ペンに収容し、粗蛋白質24重量%の市販代用乳(商品名:「優優ミルク」日本配合飼料株式会社製)を定量給与(250g×2回/日/頭)し、以後は離乳させ群飼とした。哺乳期間は1日2回、朝・夕の給餌時に個体別に糞便性状を記録した。実施例2及び3の各飼料及び細断したチモシー乾草は試験期間を通じて不断給与とした。
結果を表7及び8に示した。参考までに、哺乳期間及び離乳後の各実施例の飼料由来のNDF、粗飼料由来のNDF及び総摂取飼料中NDFを表9に示した。チモシー乾草の乾物重量及びNDF含有量は「日本標準飼料成分表(2009年版)」の数値を引用しそれぞれ88.9重量%及び66.8重量%として算出した。
Figure 0005139585

Figure 0005139585

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上記の通り、乾燥りんごジュース粕を10重量%含有するが、DDGS及びアルファルファミールを含有しない実施例2の飼料に比べ、乾燥りんごジュース粕を10重量%含有すると共にDDGSを10重量%、アルファルファミールを2重量%含有する実施例3の飼料では、飼料摂取量が高い傾向にあり、日増体量は同程度の値を示した。哺乳期間の糞便性状については、実施例3の飼料を給与したグループで正常便の割合が多く軟便と下痢・水様便の割合が少なかった。
これらの結果から、乾燥りんごジュース粕を配合する場合には、NDF含量を乾物換算で19.8重量%まで高めると、子牛の発育成績に悪影響を及ぼすことなく、下痢・軟便を減少させられることが分った。
なお、NDF含有量を乾物換算で16.3重量%とした実施例2のグループと、NDF含有量が乾物換算で16.9重量%と同水準であった前述の比較例1のグループを比較した場合、実施例2のグループで軟便及び下痢・水様便の発生が多く、NDF含有量を乾物換算で19.8重量%とした実施例3のグループと、NDF含有量が乾物換算で19.7重量%と同水準であった前述の実施例1のグループを比較した場合、実施例3のグループで軟便及び下痢・水様便の発生が多い傾向であった。この点、哺乳期間の試験飼料の摂取量は、比較例1のグループで633±284g/日であるのに対し、実施例2のグループでは734±210g/日であり、実施例1のグループで762±242g/日であるのに対し、実施例3のグループで798±203g/日であり、NDF含有量が同水準のグループ間で比較すると本試験に供した子牛の方が哺乳期間の試験飼料の摂取量は多く、そのため軟便及び下痢・水様便の発生が増加したものと思われる。哺乳期間の子牛用飼料の摂取量が多かったのは供試牛の健康状態がより良好であったためであり、実際に哺乳期間の日増体量は実施例2のグループで0.77±0.16kg/日、実施例3のグループで0.80±0.08kg/日と、それぞれ比較例1及び実施例1のグループに比べ高く標準偏差は小さかった。
実施例3のグループは、実施例2のグループよりも試験飼料の摂取量が多かったにも関わらず糞便性状に優れており、これは乾燥りんごジュース粕とDDGSを同時に配合し、NDF含有量を高めデンプン含有量を低めたためであると推察される。従って、本実験においても乾燥りんごジュース粕とDDGSを同時に配合することの有用性が示されている。
実施例1と同様に、乾燥りんごジュース粕を配合した条件下においては、NDF含有量を乾物換算で19.8重量%まで高め、穀物(とうもろこし+マイロ+小麦粉)含有量を37.11重量%、デンプン含有量を乾物換算で30.4重量%まで低減させても、発育成績は悪化せず糞便性状が改善されることが確認された。
3.乾燥りんごジュース粕とDDGSを含む飼料と、これらの何れか一方を含む各飼料との嗜好性についての比較
哺乳期子牛用飼料の摂取量が比較的多い(100g/日以上)約3週齢のホルスタイン種雄子牛7頭を供試し、カフェテリア方式にて比較例1と実施例1の飼料を自由選択させた嗜好性比較試験を4日間行った。結果を以下に示す。
Figure 0005139585
上記の通り、DDGSを10重量%含有するが、乾燥りんごジュース粕を含有しない比較例1の飼料に比べ、DDGSを10重量%含有すると共に乾燥りんごジュース粕を10重量%含有する実施例1の飼料では、平均摂取量、平均摂取比率及びのべ勝敗数が高く、嗜好性に優れる結果となった。
また、同様に哺乳期子牛用飼料の摂取量が比較的多い(75g/日以上)約3週齢のホルスタイン種雄子牛6頭を供試し、カフェテリア方式にて実施例2と実施例3の飼料を自由選択させた嗜好性比較試験を4日間行った。結果を以下に示す。
Figure 0005139585
上記の通り、乾燥りんごジュース粕を10重量%含有するが、DDGSを含有しない実施例2の飼料に比べ、乾燥りんごジュース粕を10重量%含有すると共にDDGSを10重量%含有する実施例3の飼料では、平均摂取量、平均摂取比率及びのべ勝敗数が高く、嗜好性に優れる結果となった。
以上より、乾燥りんごジュース粕と共にDDGSを配合した飼料が、これらの何れか1つを欠く飼料に対して、子牛の嗜好性を向上させる点で優位性を有することが示された。
4.乾燥りんごジュース粕と他の糖供給源がルーメン内消化特性に及ぼす影響
ルーメン液を用いたバッチ培養法により、ルーメン内の飼料消化性に及ぼす影響について、乾燥りんごジュース粕と他の糖供給原料とを比較した。
ルーメン液は、チモシー乾草を6kg/日、表12に示す組成の市販配合飼料を4kg/日を朝(9:30)と夕(17:30)に等量ずつ分けて給与したホルスタイン種雌成牛から、千葉共済式胃汁採取器(富士平工業(株))を用いて採取した。
Figure 0005139585

注)成分値は設計値(乾物中)。NDFについては、「日本標準飼料成分表(2009年版)」(非特許文献23)の値を適用し、「日本標準飼料成分表(2009年版)」に記載のない原料は飼料分析基準(非特許文献22)に準じた分析方法による分析値を適用した。デンプン、糖および溶解性蛋白質は、CPM−Dairyにて計算した。
ルーメン液は4重ガーゼでろ過した後、バッファー(非特許文献24に従って調製)で1:2(R:B)に希釈し、得られた希釈液を培養液とした。それぞれ1mmメッシュで粉砕したチモシー乾草と市販配合飼料(ドナー牛に給与したものと同一)を6:4で混合したものをフィルターバッグ(F57 ANKOM Technology社)に500mg包入し、50mL形のバイアル中で30mLの培養液に浸漬し、38℃で10時間嫌気培養した。
まず、ポジティブコントロールとなりうる素材を検討するため、サルトーゼ(キシラナーゼ、中性プロテアーゼ、及び枯草菌の混合製剤、共立製薬株式会社)、イーサック1026(サッカロマイセスセルビシエ酵母、物産バイオテック株式会社)、NPCセロオリゴ(セロビオース90%以上含有、日本製紙ケミカル株式会社)、プロセラーゼ10(セルラーゼおよび酸性プロテアーゼの混合製剤、明治製菓株式会社)、アビザイム1500(キシラナーゼ、アルカリ性プロテアーゼ、及びアミラーゼの混合製剤、 Danisco社)を、培養液にそれぞれ40mg添加した。対照区には、1mmメッシュで粉砕した市販配合飼料40mgを培養液に添加した。培養終了後、培養液pHをpHメーター(F−22 (株)堀場製作所)にて測定し、フィルターバッグの乾物重量を測定し乾物消失率(培養前乾物重量−残存乾物重量/培養前乾物重量)を算出した。結果を表13に示す。
Figure 0005139585
次に、ポジティブコントロールとしてアビザイム1500を選択し、乾燥りんごジュース粕と他の糖供給原料とを比較した。対照区では、培養液中に1mmメッシュで粉砕した市販配合飼料を100mg添加した。各試験区では、1mmメッシュで粉砕した乾燥りんごジュース粕、D−グルコース及び乾燥ホエー(乾物換算でラクトース約65重量%含有)を、市販配合飼料に代えて培養液中に100mg添加した。ポジティブコントロールとして、アビザイム40mgで市販配合飼料の一部を置き換えて全量を100mgとした混合物を添加した。また、培養液pHの影響を確認する目的でpH緩衝剤として重曹を50mgで市販配合飼料の一部を置き換えて全量を100mgとした混合物を添加した。
培養終了後、培養液pHをpHメーター(F−22 (株)堀場製作所)にて測定し、フィルターバッグの乾物重量を測定し乾物消失率(培養前乾物重量−残存乾物重量/培養前乾物重量)を算出した。結果を表14に示す。
Figure 0005139585
上述の通り、表13に示す素材のうち、乾物消失率の改善効果が最も高いのはアビザイム1500であり、次いでプロセラーゼ10であり、サルトーゼ、イーサック1026及びNPCセロオリゴには、乾物消失率の改善効果は認められなかった。
また、乾燥りんごジュース粕と他の糖供給原料との比較では、表14に示す通り、対照区に比べ、乾燥りんごジュース粕を添加した試験区で乾物消失率が向上し、アビザイム1500を添加したポジティブコントロールと略同じレベルの乾物消失率であった。一方で、重曹、D−グルコース及び乾燥ホエーを添加した試験区では、対照区に比べ、乾物消失率の向上が認められなかった。
以上の結果より、乾燥りんごジュース粕は、消化酵素製剤に匹敵しうる、ルーメン内消化促進効果を有することが示唆された。また、乾燥りんごジュース粕に含まれる成分のうち、少なくとも、セロビオース、グルコース、炭酸水素ナトリウム、及びラクトース以外の成分が消化促進効果に寄与していると考えられ、グルコース等の糖を給与することに対する優位性が示された。
5.乾燥りんごジュース粕がルーメン内乾物消失率及びルーメン細菌に及ぼす影響
ルーメン液を用いたバッチ培養法により、乾燥りんごジュース粕がルーメン内の飼料消化性及びルーメン細菌叢に及ぼす影響を検討した。
ルーメン液の採取及びバッチ培養法は、前述と同様に実施した。
バッチ培養法は、前述と同様に実施した。それぞれ1mmメッシュで粉砕した市販配合飼料(ドナー牛に給与したものと同一)と、乾燥りんごジュース粕とを、総量が200mgとなるように表15に示す割合で培養液に添加した。培養終了後、培養液pH、乾物消失率を測定し、さらに、FastDNA Kit(Q−BIO gene社)を用いて培養液から総DNAを抽出し、リアルタイムPCR法(MyiQTM single color BIORAD社)にてルーメン細菌数の定量を行った。総細菌(Total bacteria)のプライマーはMuyzerら(非特許文献25)に、Fibrobacter succinogenesのプライマーはKoikeとKobayashi(非特許文献26)に準じた。結果を表15に示す。
Figure 0005139585

*1:牛は、通常固形飼料摂取量の5倍程度の水を飲む。本実験では培養液が30mLであるため、その1/5が約6000mgであり、200mgは固形飼料の3.3%に相当する計算となる。従って、実際の飼料でのりんごジュース粕供与量を十分反映する条件であると考えられる。なお、30mLの培養液への200mgのりんごジュース粕の添加は、リンゴ酸換算値では、約0.14mMに相当する。
乾物消失率は、乾燥りんごジュース粕の添加により高くなる傾向を示した。また、乾燥りんごジュース粕100及び200mg添加においては、無添加に比べ、牛のルーメン内における主要な繊維分解菌であるFibrobacter succinogenesの菌数及び総細菌数に占める割合が増大した。
以上の結果から乾燥りんごジュース粕の添加は、ルーメン内における主要なセルロース分解菌であるFibrobacter succinogenesの増殖を選択的に促進することが分った。なお、乾燥りんごジュース粕の添加によるFibrobacter succinogenesの増殖促進は、乾燥りんごジュース粕中のリンゴ酸含有率から考えると、それが寄与した可能性が低いと考えられる。
理論に拘泥するものではないが、以上の各試験の結果を総合的に考えると、乾燥りんごジュース粕の供与は、糖単独の供与や他の糖供給源原料の供与に対して、乾物消失率を向上させる効果が優位に高く、ルーメン内のFibrobacter succinogenesを選択的に増殖し得ることが、実施例1乃至3の飼料でNDF含有量を従来推奨されていた水準よりも高く設定したのに拘らず、発育成績が維持又は向上した1つの要因と考えられる。実施例1乃至3では、NDF含有量を従来推奨されていた水準よりも高く設定できた結果、下痢・軟便の減少及びルーメンアシドーシスの緩和を達成できたものと認められる。
6.乾燥りんごジュース粕とDDGSを含む飼料の保存性の評価
飼料の保存性を評価するため、インキュベーター内でカビが生えるまでの日数を調査した。飼料の形態はペレットとし、配合割合及び成分値(設計値)は表16の通りとした。
Figure 0005139585

注)成分値は設計値(乾物中)。NDFについては、「日本標準飼料成分表(2009年版)」(非特許文献23)の値を適用し、「日本標準飼料成分表(2009年版)」に記載のない原料は飼料分析基準(非特許文献22)に準じた分析方法による分析値を適用した。デンプン、糖および溶解性蛋白質は、CPM−Dairyにて計算した。
表16に示す通り、比較例2の飼料は、乾燥りんごジュース粕とDDGSを含有せず、プロピオン酸カルシウムを0.1重量%(プロピオン酸として0.78重量%)含み、NDF含有量は13.7重量%であり、デンプン含有量は40.7重量%である。実施例4の飼料は乾燥りんごジュース粕を10重量%含有すると共にDDGSを10重量%、プロピオン酸カルシウムを0.1重量%含有し、NDF含有量は19.6重量%であり、デンプン含有量は28.3重量%である。
比較例2と実施例4の飼料は300mLビーカーに各100g入れ、開口部を硫酸紙で覆い、インキュベーター内に保管した。保管時の温湿度の日内変動を再現するため、インキュベーターは24時間を1サイクルとして平均温度25℃、平均相対湿度80%となるように温度23〜27℃、相対湿度74〜87%の範囲で変動させた。各例の飼料は1日1回、目視でカビ発生の有無を確認し、保管開始時とカビ発生日に水分と水分活性を測定した。各例の飼料は1mmメッシュで粉砕し、飼料30gに脱イオン水60mLを加えよく攪拌し、1時間室温にて静置した後、pHメーター(F−22 (株)堀場製作所)でpHを測定した。結果を表17に示す。
Figure 0005139585
上記の通り、燥りんごジュース粕とDDGSを含有せず、プロピオン酸カルシウムを0.1重量%含有する比較例2の飼料に比べ、乾燥りんごジュース粕を10重量%含有すると共にDDGSを10重量%、プロピオン酸カルシウムを0.1重量%含有する実施例4の飼料では、カビ発生までに要した日数は長くなった。また、実施例4の飼料は、カビ発生時の水分活性は比較例2と同等であったが、カビ発生時の水分は高い値を示した。pHは、実施例4の方が低い値を示した。
以上より、乾燥りんごジュース粕と共にDDGSを配合し、NDF含有量を乾物換算で19.6重量%まで高め、穀物(とうもろこし+マイロ+小麦粉)含有量を34.32重量%、デンプン含有量を乾物換算で28.3重量%まで低減させた飼料は、カビの発生が遅く保存性に優れることが示された。

Claims (17)

  1. 乾物換算で15〜25重量%の中性デタージェント繊維と、乾物換算で20〜40重量%のデンプンと、りんごジュース粕とを含む、3ヶ月齢以下の子牛用飼料。
  2. 前記中性デタージェント繊維の含有量が、乾物換算で17重量%以上である、請求項1に記載の子牛用飼料。
  3. 前記中性デタージェント繊維の含有量が、乾物換算で19重量%以上である、請求項1又は2に記載の子牛用飼料。
  4. 前記中性デタージェント繊維の含有量が、乾物換算で22重量%以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  5. 糖類を乾物換算で7〜12重量%含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  6. 前記乾燥りんごジュース粕を、乾物換算で飼料中5重量%〜23重量%含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  7. 前記乾燥りんごジュース粕を、乾物換算で飼料中9重量%〜20重量%含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  8. 溶解性蛋白質を乾物換算で5〜9重量%含む、請求項1〜7の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  9. デンプンを飼料中25〜30重量%含む、請求項1〜8の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  10. トウモロコシジスチラーズグレインソリュブルを、乾物換算で飼料中3〜20重量%含む、請求項1〜9の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  11. 大豆粕を、乾物換算で飼料中10〜45重量%含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  12. 30〜45重量%(乾物換算)の穀物と、20〜40重量%(乾物換算)の大豆粕と、5〜15重量%(乾物換算)のトウモロコシジスチラーズグレインソリュブルと、10〜15重量%(乾物換算)の乾燥りんごジュース粕とを含み、17〜25重量%のNDF(乾物換算)と、25〜30重量%(乾物換算)のデンプンと、6〜9重量%(乾物換算)の溶解性蛋白質と、7〜11重量%(乾物換算)の糖類とを含む、請求項1に記載の子牛用飼料。
  13. 炭素数4以下のモノカルボン酸又はその塩を含有する、請求項1〜12の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  14. プロピオン酸カルシウム及びプロピオン酸ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する、請求項13に記載の子牛用飼料。
  15. 粗飼料と組み合わせて給与するための、請求項1〜14の何れか1項に記載の子牛用飼料。
  16. 請求項1〜15の何れか1項に記載の飼料を、少なくとも生後1週目から3ヶ月齢までの一部の期間で給与する子牛の飼育方法。
  17. 少なくとも生後1週目から2ヶ月齢までの一部の期間で粗飼料も給与する、請求項16に記載の飼育方法。
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