JP2009544319A - 反すう動物の栄養強化のための方法および飼料 - Google Patents

反すう動物の栄養強化のための方法および飼料 Download PDF

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Abstract

本発明により、複数ステージの泌乳サイクルにわたって、その乳生産安定性を高める飼料供給物を、反すう動物に飼養(給餌)する方法を提供する。この飼料供給物は、褐色中肋トウモロコシサイレージ、二目的トウモロコシサイレージ、リーフィートウモロコシサイレージおよび牧草サイレージからなる群から選択される少なくとも1種の1次茎葉飼料源;二目的トウモロコシサイレージ、アルファルファヘイレージ、アルファルファ乾草、牧草サイレージおよびアルファルファ/牧草混合物からなる群から選択される2次茎葉飼料源;所定レベルのインビトロデンプン消化率を達成するための、通常のデントトウモロコシまたはマットトウモロコシをブレンドした不透明/粉質およびガラス質/硬質胚乳デンプン穀粒のトウモロコシ穀粒ブレンドを含有すべきである。このようなブレンド穀粒成分は、さらに処理されて特定粒径のブレンドしたデンプンがもたらされる。この方法に従って調製した飼料供給物は、乳生産安定性を高めるために、この飼料供給物を消費する牛内部の第1胃環境を最適化する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2006年7月27日出願のU.S.S.N. 11/494,312の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、反すう動物の栄養に関し、より具体的には、乳牛の泌乳サイクル全体にわたってそれらの正味乳生産量、ピーク乳量、および乳生産の安定性を最大とするため乳牛向けの飼料供給物を強化する方法に関する。
乳は、新生児がより多様な食物を消化可能となるまで、新生児のための主要な栄養供給源となっている。同時に、乳牛などの商業的供給源から得られる乳は、ヒトの極く初期の乳児期からはるかに後になって、栄養的利益をもたらすことができる。乳牛は、泌乳サイクルの自然の決定に従って乳を産生する。この泌乳サイクルの高乳生産期間の間、食餌性エネルギーの良好な供給源が重要であり、牛の乳生産ピークに向かう立ち上りの間では、タンパク質が特に重要である。乳生産量を増加させる補強手段が、酪農家により用いられている。例えば、Monsanto Companyは、FDA承認の組換え型ウシソマトトロピン(somatotropin)を1994年以来販売している。この「bST」ホルモンは、泌乳期にわたって乳生産量を高めるため牛に投与される。牛の栄養状態を高めると、乳生産量も増加し、その上投与されるbSTホルモンへのより大きな応答性が可能になる。
乳生産を高める他の取組みでは、飼料供給物における、褐色中肋(brown midrib)bm3遺伝子とホモ接合性である雑種作物から生産されるトウモロコシサイレージの使用を伴っている。Beckらに発行された米国特許第5,767,080号、第5,859,353号、第5,969,222号、第5,977,458号および第6,114,609号を参照されたい。しかし、BMRトウモロコシサイレージのより高い繊維消化率レベル(NDFd)は、牛の第1胃を通る飼料の通過速度が、飼料を消化して望ましい揮発性脂肪酸(VFA)の組合せを生じるための第1胃内微生物群に必要とされる第1胃滞留時間と比較して、過大となる原因になることも示されている。これにより、乳牛の第1胃内におけるVFA(特にプロピオン酸)の過剰な産生を招き、飼料供給物が適切にバランスされずかつ乳牛における正しい生産ステージに給餌されることがない場合、それによって全食餌の緩衝能力が低下し(物理的に有効な中性デタージェント繊維(「peNDF」)がより少なくなり)、かつ牛においてアシドーシスおよび他の代謝の問題を招く可能性がある。その上、このような「BMR」トウモロコシ雑種では収量低下も見られ、そのため思わしくない農地経営および茎葉飼料収穫収量に係わっている農家が、特に、得られたBMRトウモロコシサイレージを乳牛に給餌した場合に正味乳量の伸び悩みが乳生産の利益を超えることが見られると、それらを作付けする勇気を失うおそれがある。
飼料供給物のコストは、牛乳を生産する全コストの45〜60%を占め、したがって最適の栄養が重要である。理想的には、飼料コストを注意深く維持しながら適正な栄養レベルを保持すべきである。このような最適な栄養により、乳生産量が高められ、牛の全体的健康が向上し、かつ獣医治療費、薬剤治療および繁殖などの関連コストが低減されるであろう。
乳牛用供給物のために重要な主栄養類は、炭水化物、脂肪、タンパク質、ミネラル、ビタミンおよび水分である。繊維は、厳密には定義による栄養ではないが、牛の消化に極めて影響があり、したがって飼料供給物を配合する場合には酪農家または栄養学者により考慮されるべきである。第2胃からの未消化飼料および消化管内容物(digesta)は第1胃に移り、それが本質的に、大型の発酵用おけとして機能する。第1胃は40〜60ガロンの物質を保持し、また茶さじ1杯の内容物当り概算して1500億個の細菌、原生動物および菌類をも含有している。適切なバランスのとれた茎葉飼料および穀粒が給餌されると、第1胃内において得られるpH 5.8〜6.4および100〜108°F条件が、これらの重要な微生物の成長を可能にするはずである。
反すうの過程を通じて、牛は第1胃内で飼料の粒度を細かにして、それにより微生物機能を高め、かつ胃区画からより排出し易くする。その強い筋肉構成のため、第1胃は消化管内容物の混合およびかきまわし(churning)が可能である。
乳牛に栄養的にバランスのとれた食餌を給餌する目的は、微生物の生成および成長を最大にする第1胃の環境をもたらすことである。第1胃内の微生物群は細菌、原生動物および菌類からなる。第1胃のpHは最も可変性の因子の1つであり、それがこの微生物群、および産生される揮発性脂肪酸のレベルに影響を及ぼす可能性がある。これらの繊維消化細菌(digester)はpH=6.2〜6.8で最も活性がある。pHが6.0未満に落ち始めるとセルロース分解細菌およびメタン発生細菌が減少する可能性がある。デンプン消化微生物は、pH=5.2〜6.0を有する、より酸性の環境を好む。ある原生動物種は、5.5未満のpHで大きく抑制されうる。これらの必要性の全てを備えるには、通常の給餌実施を、pH=5.8〜6.4に保持して行うべきである。
第1胃内において、これらの微生物は炭水化物、タンパク質および繊維を消化することができる。この消化過程を通じて、この動物が利用することができる揮発性脂肪酸(「VFA」)および微生物性タンパク質が産生される。構造性(NDF)および非構造性(糖およびデンプン)炭水化物の両方が第1胃内において微生物発酵を受けて、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸およびイソ吉草酸などのVFA、ならびに痕跡量の他の種々の酸を産生する。酢酸は、全VFAの50〜60%を構成することができ、高茎葉飼料食餌において優位を占める。十分なレベルの乳脂肪を維持するため、第1胃内における十分なレベルの酢酸の産生が不可欠である。一方、プロピオン酸は、全VFAの最大18〜20%を構成することができ、高穀粒食餌においてその最高濃度に達する。プロピオン酸は、肝臓内で血液グルコースに変換されることによりエネルギーを提供し、また乳ラクトースまたは乳糖合成に使用される。第1胃内微生物は、飼料供給物中の粗タンパク質から微生物タンパク質を合成して、アミノ酸を生成させる機能もある。これらのアミノ酸は、次に乳タンパク質を生成させる。
今日、酪農家または動物栄養士は乳牛を飼養する目的で選択されるべき様々な異なった成分を有する。おそらく、最も伝統的な食餌は、牛が放牧地で草を食むことにより容易に得ることができる牧草である。このような飼料源は比較的高価でなく、飼料目的には便利である。しかし、多くの地域で牧草地が休眠する冬季月には当然利用できない可能性もあり、その場合牛を引き揚げる。その上、補強されない牧草地の牧草は、高レベルの乳生産を支える十分な消化可能栄養分を含有していない。実際に、牧草だけを給餌される乳牛は、通常1日当り40ポンドの乳を生産するに過ぎない。
乾草は、長さを揃えて細断し、部分的に乾燥して水分レベルを減らしている牧草である。乾草は、1年を通じて牛に給餌できる。それを使用して、第1胃の運動性を調節し、反すう食塊のそしゃくを刺激できる。しかし、その前駆体である牧草と同様、比較的低エネルギーレベルが悩みであり、主として乾草を給餌した牛では1日当り40ポンドの乳を生産するに過ぎない。
エネルギースペクトル(範囲)の他端にあるのは、トウモロコシ穀粒などの穀粒である。炭水化物およびタンパク質が多いので、乳牛における乳生産を増加させるのに穀粒が良い。しかし、乳牛に穀粒だけしか給餌しない場合、第1胃内に不自然に高容量の乳酸およびプロピオン酸を生成させるであろう。大量のこれら2つの酸を第1胃壁をわたって血液に吸収すると、その牛に全身アシドーシスを生じる。第1胃pHは5.5未満の極酸性レベルまで低下する。その結果、牛は飼料をいやがり、そのため近い期間内には乳生産量が減少し、第4胃変位をもたらし、かつ長期にわたって未治療であれば死に至る可能性があり、またその間の高い獣医治療費につながるであろう。
かなりの酪農研究が、乳牛食餌における茎葉飼料成分の使用に関する科学的研究に傾注されている。これらの茎葉飼料は、長さを揃えて細断し、次いでサイロに貯蔵して部分的に発酵させた、トウモロコシまたはアルファルファなどの収穫した作物植物を含むので、牛の食餌に有効な繊維を提供し、茎葉飼料中のNDFは牛による反すう食塊のそしゃくを刺激し、唾液分泌につながる。茎葉飼料はまた、第1胃の「運動性」をも高めた。すなわち飼料成分が消化管を通過し、かつ十分に消化されて第1胃および小腸壁にわたって栄養が吸収されるのに要する時間を短縮した。M. Oba & M.S.Allen、「Effects of Brown Midrib 3 Mutation in Corn Silage on Dry Matter Intake and Productivity in High Yielding Cows」、J. Dairy Sci. 85:135〜42(1999)は、高または低茎葉飼料NDF消化率に対する牛の応答性を比較した研究を要約して、より大きい茎葉飼料消化率(「NDFd」)が、乾物摂取量(「DMI」)および乳量の増加に関連していることを見出した。線形応答であると仮定すると、それぞれNDFdの1単位増加により、DMIの0.17kgの増加、および4%脂肪補正乳量の0.25kgの増加があった。
他の研究は、より高乳生産牛が、より低乳生産牛の応答よりも、改善されたNDFdレベルを有するトウモロコシサイレージに対してより良好に応答していることを示している。Oba & Allen(1999);S.K.Ivan, R.J.Grant, D.WeakleyおよびJ.Beck、「Comparison of a Corn Silage Hybrid with High Cell-Wall Content and Digestibility with a Hybrid of lower Cell-Wall Content On Performance of Holstein Cows」、J. Dairy Sci. 88:244〜54(2005)。これらの研究は、種々の乳生産群の牛に配分しているNDFd系茎葉飼料の有用性を実証している。
いくつかの研究論文は、3つの異なる種類のトウモロコシサイレージ、すなわち二目的トウモロコシ(dual-purpose corn)、リーフィートウモロコシ(leafy corn)、および褐色中肋トウモロコシ(brown midrib corn)(「BMR」)に対する牛の応答性を評価している。異なるトウモロコシ型の雑種の相互作用、成熟度、および処理について、L.M.Johnson, J.H.Harrison, D.Davidson, J.L.Robutti, M.Swift, W.C.MahannaおよびK.Shinners、「Corn Silage Management I:Effect of Hybrid Maturity and Mechanical Processing on Chemical and Physical Characteristics」、J. Dairy Sci. 85:833〜53(2002);L.M.Johnson, J.H.Harrison, D.Davidson, M.Swift, W.C.MahannaおよびK.Shinners、「Corn Silage Management II:Effect of Hybrid, Maturity and Mechanical Processing on Digestion and Energy Content」、J. Dairy Sci. 85:2913〜27(2002);L.M.Johnson, J.H.Harrison, D.Davidson, M.Swift, W.C.MahannaおよびK.Shinners、「Corn Silage Management III:Effect of Hybrid Maturity and Processing on Nitrogen Metabolism and Mineral Fermentation」、J. Dairy Sci. 85:2928〜47(2002);L.M.Johnson, J.H.Harrison, D.Davidson, W.C.MahannaおよびK.Shinners、「Corn Silage Management:Effect of Hybrid, Chop Length, and Mechanical Processing on Digestion and Energy Content」、J. Dairy Sci. 86:208〜31(2003);L.M.Johnson, J.H.Harrison, D.Davidson, C. Hunt, W.C.MahannaおよびK.Shinners、「Corn Silage Management:Effect of Hybrid, Maturity, Chop Length, and Mechanical Processing on Rate and Extent of Digestion」、J. Dairy Sci. 86:3271〜99(2003)において検討されている。
二目的トウモロコシサイレージ、およびリーフィートウモロコシサイレージの栄養性能を比較する研究試験はまちまちの結果を示しており、一方の場合では陽性応答があり、また他方の試験ではリーフィー雑種による応答がない。C.S.Ballard, E.D.Thomas, D.S.Tsang, P.Mandebvu, C.J.Sniffen, M. I. EndresおよびM.D. Carter、「Effect of Corn Silage on Dry Matter Yield, Nutrient Composition, In-Vitro Digestion, Intake by Dairy Heifers, and Milk Production By Dairy Cows」、J. Dairy Sci. 84:442〜52(2001);E.D.Thomas, P.Mandebvu, C.S.Ballard, C.J.Sniffen, M. P. CarterおよびJ. Beck、「Comparison of Corn Silage Hybrids for Yield, Nutrient Composition, In-Vitro Digestibility, and Milk Yield by Dairy Cows」、J. Dairy Sci. 84:2217〜26(2001)。
他の試験研究では、リーフィートウモロコシ雑種、BMRトウモロコシ雑種、および2つの二目的トウモロコシ雑種を直接比較している。D.J.R.Cherney, J.H.Cherney, L.E,ChaseおよびW.J. Cox、「Milk Production in High-Producing Dairy Cows as Influenced by Corn Silage Quality」、Prof. Animal Scientist 20:302〜11(2004)。この研究は、BMRおよびリーフィー雑種サイレージの使用により、二目的トウモロコシ雑種よりも乳牛の乾物摂取量が大きくなること、ならびに、BMRおよびリーフィートウモロコシ雑種はまた、二目的トウモロコシ雑種と比較して同様な、より高い乳量をも有することを実証した。リーフィートウモロコシサイレージを給餌された牛では生産的応答にばらつきがあったが、BMRトウモロコシ雑種は、二目的トウモロコシ雑種と比較して明らかにより大きい乾物摂取量、および通常の乳量を達成した。しかし、他の試験では、二目的サイレージに優るリーフィートウモロコシサイレージの利点は全く示されなかった。Thomasら(2001)を参照されたい。より大きいNDFd含量のBMRトウモロコシ雑種対二目的トウモロコシ雑種を評価しており、BMRトウモロコシサイレージが、優れた消化可能NDF源であるが、農家にとって顕著な10〜15%収量減少を伴うことが認められた。Oba & Allen(1999);M. Oba & M.S.Allen、「Effects of Brown Midrib 3 Mutation in Corn Silage on Productivity of Dairy Cows Fed Two Concentrations of Dietary Neutral Detergent Fiber:#1. Feeding Behavior and Neutrient Utilization」、J. Dairy Sci. 83:1333〜41(2000);M. Oba & M.S.Allen、「Effects of Brown Midrib 3 Mutation in Corn Silage on Productivity of Dairy Cows Fed Two Concentrations of Dietary Neutral Detergent Fiber:#2. Chewing Activities」、J. Dairy Sci. 83:1342〜49(2000);M. Oba & M.S.Allen、「Effects of Brown Midrib 3 Mutation in Corn Silage on Productivity of Dairy Cows Fed Two Concentrations of Dietary Neutral Detergent Fiber:#3. Digestibility and Microbial Efficiency」、J. Dairy Sci. 83:1350〜58(2000)を参照されたい。
乳牛用飼料供給物において、有効な繊維の主供給源としてのアルファルファの使用が、トウモロコシサイレージと比較されている。D.R.Mertens、「Creating a System for Meeting the Fiber Requirements of Dairy Cows」、J. Dairy Sci. 80:1463〜81(1997)を参照されたい。牛によるそしゃく運動を刺激し、機能性反すう消化管内容物マットを保持している際の、種々のNDF源の有効性を比較して、Mertensは、アルファルファが一般に、そしゃくを刺激する際にトウモロコシサイレージよりも効果的であり、そのためより高い有効NDF含量が示されることを見出した。例えば、トウモロコシサイレージにより生じる66〜96分のそしゃくと比較して、アルファルファ乾草は、1キログラムのNDF当り109〜134分のそしゃくを刺激した。より最近の論文2篇は、トウモロコシサイレージおよびアルファルファの種々の粒径の効果を検討している。粒径を細かにすると、乾物摂取量が線形で増加し、また全そしゃく運動は2次的応答を示し、最高のそしゃく運動が最短および最長粒径を有する食餌について観察された。牛の摂食および反すうの所要時間は変わらないままであったが、飼料箱内に残った飼料のNDF濃度が低下していた。P.J.Kononoff, A.J.Heinrichs, H.A,Lehman、「The Effect of Corn Silage Particle Size on Eating Behavior, Chewing Activities, and Rumen Fermentation in Lactating Cows」、J. Dairy Sci. 86:3343〜53(2003)を参照されたい。P.J.Kononoff & A.J.Heinricks、「The Effect of Reducing Alfalfa Haylage Particle Size on Cows in Early Lactation」、J. Dairy Sci. 86:1445〜57(2003)をも参照されたい。
他の研究は、飼料供給物中における非茎葉飼料の消化性繊維供給源(「NFFS」)の使用を対象としている。高デンプン食餌と共にNFFSを使用すると、牛の応答が改善されることが判定されている。このようなNFFSには、ダイズ皮(soybean hulls)、および綿実穀が含まれる。R.Grant、Proc. Eastern Nutrition Conference、2006年5月11〜12日、Guelph、Ontario、Canada;J.L.Beckman & W.P.Weiss、「Nutrient Digestibility of Diets with Different Fiber to Starch Ratios When Fed to Lactating Dairy Cows」、J. Dairy Sci. 88:1015〜23(2005)を参照されたい。
穀粒中のデンプンは、容易にエネルギーに変換することができるので泌乳牛向けの一般的な飼料成分である。1篇の研究は、サイレージまたは穀粒のために収穫したトウモロコシにおいて、タンパク質マトリックスが、露出されたトウモロコシ胚乳の消化速度および程度を制御すると結論付けた。Y.Wang, D.Sapienza, V.J.H.Sewalt, Z.XuおよびT.A.McAllister、「The Role of Protein Matrix in the Digestion of Corn Grain:Assessment By Scannning Electron Microscopy」、J. Dairy Sci. 88(Suppl.1):315(2005)。得られた胚乳のガラス質度(vitreousness)により、第1胃におけるデンプン分解を正確に予測することができる。C.Philippeau, C.MartinおよびB. Micholet-Doreau、「Influences of Grain Source on Ruminal Characteristics, and Rate, Site, and Extent of Digestion of Beef Steers」、J. Animal Sci. 77:1587〜96(1999);C.Philippeau, F.Le Deschault de MonredonおよびB. Micholet-Doreau、「Relationship Between Ruminal Starch Degradation and the Physical Characteristics of Corn Grain」、J. Animal Sci. 77:238〜43(1999)。
いくつかの研究により、ガラス質度が、反すうおよび全管乾物量、ならびに黒色層対初期デント(dent)段階の成熟度におけるデンプン消化率に対してより大きな影響を有することが判定されている。例えば、G.A.Celestine, M.N.Pereira, R.G.S.Bruno, R.G.VonPinhoおよびC.E.S. Correa、「Effect of Corn Grain Texture and Maturity on Ruminal In Situ Starch Degradation,」J. Dairy Sci. 84(Suppl. 1):419(2001);D.Ngonyamo-Majee, R.D.Shaver, J.G.Coors, D.Sapienza, J.G.LauerおよびC. Venhaus、「Effect of Kernal Vitreousness on Ruminal and Total Tract Dry Matter Digestibility of Diverse Corn Germplasm Sources」、J. Dairy Sci. 871(Suppl. 1):216(2004)を参照されたい。しかし、フランスの研究者グループは、サイレージ成熟段階(およそ30%DM)において、デントおよびフリント(flint)遺伝子型間のデンプン分解性の差異が、穀粒成熟において測定した差異よりも大きいまたは同等であることを見出した。C.PhilippeauおよびB. Micholet-Doreau、「Influences of Genotype and Stage of Maturity of Maiz on Rate of Ruminal Starch Degradation」、Animal Feed Sci. Technol. 68:25〜35(1997);Philippeauら(1999);C.Philippeau & B. Micholet-Doreau、「Influences of Genotype and Ensiling of Corn Grain on In-Situ Degradation of Starch in the Rumen」、J. Dairy Sci. 81:2178〜84(1998)。サイロ貯蔵により第1胃デンプン分解性が増加するが、トウモロコシをサイロ貯蔵するしないにかかわらず、デントおよびフリントトウモロコシ間の反すうデンプン分解性の差異は一定のままである。Philippeauら(1997)。
Allenらが行った包括的研究において、トウモロコシの胚乳型およびデンプン分解性が評価された。粉質(floury)、不透明(opaque)-2、ロウ質(waxy)、デントおよびフリント胚乳型を対象とした多州での研究(ミシガン、ネブラスカ、ペンシルバニア)において、トウモロコシは、水分40、30および20%で収穫され、ミニサイロに貯蔵された。この研究において、雑種のデンプン分解性がガラス質度に高度に関連していることが見出された(R2=0.96)。サイロ貯蔵時間および水分含量の増加によるデンプン分解性の増大は、粒の脆性の増加に関連していた。黒色層段階でトウモロコシが収穫された場合、組織(ガラス質度)が、デンプン消化率(その部位および全管)に最大の影響を有することが測定された。M.S.Allen, R.J.Grant, W.P.Weiss, G.W.RothおよびJ.F.Beck、「Effect of Endsperm Type of Corn Grain on Starch Degradation By Ruminal Microbes In-Vitro」、J. Dairy Sci. 86(Suppl. 1):61(2003)。Celestineら(2001);Ngonyamo-Majeeら(2004)をも参照されたい。
3篇の研究が、乳牛性能に対する胚乳型(ガラス質度)の影響を報告しているに過ぎない。I.Andrighetto, P.Berzaghi, G.Cozzi, G.MagniおよびD.Sapienza、「Effect of Grain Hardness on In-Situ Degradation of Corn and on Milk Production」、J. Dairy Sci. 81(Suppl. 1):319(1998);K.C.Fanning, R.A.Longuski, R.J.Grant, M.S.AllenおよびJ.F.Beck、「Endosperm Type and Kernal Processing of Corn Stage:Effect on Starch and Fiber Digestion and Ruminal Turnover in Lactating Dairy Cows」、J. Dairy Sci. 85(Suppl. 1):204(2002);R.A.Longuski, K.C.Fanning, M.S.Allen, R.J.GrantおよびJ.F.Beck、「Endosperm Type and Kernal Processing of Corn Silage:Effect on Short-Term Lactational Performances in Dairy Cows」、J. Dairy Sci. 85(Suppl. 1):204(2002)。これらの研究はいずれも、DMIまたは乳量に対するトウモロコシのガラス質度の効果を全く見出していないが、Longuskiらは、粉質対ガラス質トウモロコシサイレージについてFCM/DMIの著しい増加を見出した。しかし、これらの研究はいずれも、トウモロコシサイレージからのデンプンおよび補強用トウモロコシ穀粒からのデンプンの特性を結び付けるよう試みることはなかった。今日まで、胚乳組織が変わることによる乳牛性能への効果を実証する強い証拠は全くない。
公表された1篇の研究は、NDFおよびデンプン消化率を最適化するという考え方を直接評価している。C.C.Taylor & M.S.Allen、「Corn Grain Endosperm Type and Brown Midrib 3 Corn Silage:Site of Digestion and Ruminal Digestion Kinetics in Lactating Cows」、J. Dairy Sci. 88:1413〜24(2005);C.C.Taylor & M.S.Allen、「Corn Grain Endosperm Type and Brown Midrib 3 Corn Silage:Feeding Behavior and Milk Yield of Lactating Cows」、J. Dairy Sci. 88:1425〜33(2005);C.C.Taylor & M.S.Allen、「Corn Grain Endosperm Type and Brown Midrib 3 Corn Silage:Ruminal Fermentation and N. Partitioning in Lactating Cows」、J. Dairy Sci. 88:1434〜42(2005)。この研究は、デンプンおよび繊維消化率が相互作用して、食餌行動および乳量に影響を及ぼすことを見出した。高NDF消化率茎葉飼料(例えばBMRトウモロコシサイレージ)への牛の応答は、給餌される穀粒源(すなわちガラス質対粉質)によって決まる。この研究は、粉質胚乳粒と高NDF消化率トウモロコシサイレージとの組合せにより、1日当り最大の飼料摂取量、乳量、より多い粉餌(meals)、およびより多い粉餌消費量がもたらされることを示した。2002年12月2日に公開されたPCT出願WO/096191号(Beckら)をも参照されたい。
トウモロコシ遺伝子型(粉質、フラーティ(flirty))に加えて、トウモロコシ穀粒の粒径を変えることが、トウモロコシデンプンの第1胃分解性を操作する効率的な手段となることが見出されている。D.Remond, J.F.Cabarera-Estrada, M.Champion, B.Chauveau, R.CoudureおよびC.Poncet、「Effect of Corn Particle Size on Site and Extent of Starch Digestion in Lactating Dairy Cows」、J. Dairy Sci. 87:1389〜99(2004)。この研究において、粗い横揺れによる第1胃内で発酵されるデンプン量の減少が、デント遺伝子型により小腸内で消化されるデンプン量の増加により一部埋め合わされたが、半フリント遺伝子型トウモロコシによると、第1胃後の消化量が増加せず、第1胃から脱出するデンプンは動物によって利用されなかった。
しかし、この乳牛栄養の研究の大部分は、牛の性能に関して飼料供給物中の単一変数の影響に焦点を合わせている。第1胃生産性におけるより大きな増加を得るため、多数の飼料変数を組み合わせる実際的な努力はなされていない。その上、公表された乳牛栄養の研究は、泌乳サイクルの各ステージにわたって乳量ピークを最大にし、かつ乳生産安定性および持続性を維持し、その一方で乳内のタンパク質および脂肪成分を維持し、また牛群の健康問題を抑えるなどの乳牛生産性の他の重要な特性とは対照的に、乳牛により生産される乳量に焦点を合わせている。したがって、酪農場の収益性を最大にするため、相補的デンプン消化プロフィールを有する、戦略的にブレンドされた穀粒成分を補給された多数の茎葉飼料成分間において相乗作用を作り出すことにより、乳牛栄養への総合的な取組みを進めることが有利であろう。リアルタイムで飼料成分の栄養分含量を分析して、より正確にバランスのとれた飼料供給物を確保し、また泌乳サイクルの間牛に給餌される飼料成分を再評価して、より大きい牛群とは異なり、個々の牛の栄養的必要性のため必要とされる供給物の再配合を可能にすることも有益であろう。
本発明により、複数ステージの泌乳サイクルにわたって、乳牛の乳生産安定性を高めるための飼料供給物を反すう動物に飼養(給餌)する方法が提供される。この飼料供給物は、特定のNDFおよびNDFdレベルを有する供給茎葉飼料組成物を作り出すための褐色中肋トウモロコシサイレージ、リーフィートウモロコシサイレージ、二目的トウモロコシサイレージおよび牧草サイレージからなる群から選択される少なくとも1種の1次茎葉飼料源;飼料供給物に特定のレベルのNDF、茎葉飼料粒径および粗タンパク質をもたらすための、二目的トウモロコシサイレージ、アルファルファ、アルファルファ乾草、牧草サイレージおよびアルファルファ/牧草混合物からなる群から選択される2次茎葉飼料源;所定レベルのインビトロデンプン消化率を達成して穀粒の消化時に乳牛内で最適なプロピオン酸を作り出すために、不透明/粉質および/またはガラス質/硬質胚乳デンプン粒の別々の供給源をブレンドしている、ベースデントトウモロコシ生殖質または「マット(mutt)」トウモロコシを含有する、ブレンドしたトウモロコシ穀粒を含有すべきであり、このようなブレンドした穀粒成分をさらに処理し特定の粒径のブレンドしたデンプンをもたらして、乳牛内のプロピオン酸生成のレベルおよび部位をさらに微調整している。別法として、トウモロコシ穀粒は、ベースの通常のデントまたはマットトウモロコシ穀粒を必要とせずに、所望のデンプン消化率レベルを達成するために、相反する胚乳型をブレンドした粉質またはガラス質胚乳デンプン穀粒を含有する。本方法に従って調製された飼料供給物は、最適の飼料摂取レベルおよびデンプン分解部位、ならびに乳生産安定性を高めるのに必要なエネルギー摂取をもたらすように、この飼料供給物を消費する牛内部の第1胃環境を最適化する。
牛群のレベルとは対照的に、個々の乳牛レベルのピンポイントのニーズに向けて飼養価値を供給するために、飼料供給物は、特定の乳牛生産ステージ(例えば移行分娩、初期/中期泌乳、後期泌乳)に応じて配合すべきである。栄養士は、特定の生産ステージについての「供給物発酵性指数」範囲に従って全ての飼料成分がもたらす凝集繊維およびデンプン可消化物をチェックして、その時点に供給物が牛に対する過大なもしくは過小な消化率の一因となっていないことを確認すべきである。次いで、必要に応じて再び飼料供給物のバランスをとる(再バランス化)ことができる。最後に、生産ステージ群内のそれぞれの牛について飼料食餌に応答した乳生産量の変化を監視し、その牛の以前のベースライン生産レベルと比較して、別々に再配合した供給物によって高生産牛の性能をさらに高め、その一方で低生産牛の性能を改善するために、牛をその生産ステージ内で再群分けするべきかどうかを決定する必要がある。
乳牛についての泌乳サイクルを示すグラフである。 泌乳サイクルの間の不安定対安定な乳生産量を示すグラフである。 本発明の飼養方法および関連したツールならびに実務方法の概略図である。 本発明のもとでの栄養テンプレート、茎葉飼料テンプレート、デンプンテンプレート、および飼養テンプレートの作成方法の概略図である。 栄養テンプレートの作成方法の概略図である。 茎葉飼料テンプレートの作成方法、および酪農場への茎葉飼料成分の配送方法の概略図である。 デンプンテンプレートの作成方法、および酪農場への穀粒成分の配送方法の概略図である。 乳牛についての3ステージ泌乳サイクルを示すグラフである。 乳牛の泌乳サイクル間のBMRトウモロコシサイレージ食餌の好ましい飼養領域を示すグラフである。 乳生産量の比較分析に基づく乳牛の再追込みおよびそれらの飼料供給物再配合のシステムの概略図である。
本発明により、反すう動物に最適化された栄養をもたらす総合的方法が提供される。かかる方法では、飼養プログラミングおよび乳牛の第1胃機能の知識を、茎葉飼料および穀粒の消化率特性と組み合わせて、乳牛の特定の生産ステージ向けの供給物テンプレートを構築する。本発明は、少なくとも2種の特定の茎葉飼料源と、相乗作用的なベース茎葉飼料食餌を構築するための供給茎葉飼料種を組み込んだシステムであって、次いでブレンドしたデンプン穀粒をそれに添加して、牛の消化管内におけるプロピオン酸VFA産生量およびその吸収部位に影響を及ぼすシステムを提供する。このターゲットとするデンプン消化率を、トウモロコシ遺伝的特性源(穀粒)の消化の速度および程度を特性付けることによって、また処理により特定の粒径としたこのデンプンを保全することによって、制御および調節する。これらの穀粒デンプン源のブレンドと特定の粒径とを作り出して、所望のデンプン消化率プロフィールを達成する。この全体のプログラムは、酪農場への配送システムにパッケージされて、既存農場モデルによる効率を相乗作用的に高め、正味乳生産および乳量ピークを最大とし、かつ泌乳生産サイクルのそれぞれのステージ内で生産安定性を維持し、一方望ましい乳成分(例えばタンパク質および脂肪)を維持し、牛群の健康問題を抑制する。飼料供給物を構築するためにこの取組みに組み込まれる多数の成分変数によって、環境多様性に向けて、また所与の泌乳サイクル時期についての反すう動物群生産群の特定のエネルギーニーズに向けて、この供給物を調整することが可能になる。
牛群レベル/畜舎群レベルと異なり、個別の牛レベルのピンポイントのニーズ向けに飼養価値を供給するために、特定乳牛生産ステージ(例えば移行分娩、初期/中期泌乳、後期泌乳)に応じて飼料供給物を配合すべきである。また栄養士は、特定の生産ステージについての「供給物発酵性指数」範囲に従って、全ての飼料成分によってもたらされる凝集繊維およびデンプン可消化物をチェックして、その時点でこの供給物が牛にとって過大なまたは過小な消化率の一因となっていないことを確認すべきである。次いで必要に応じて再び飼料供給物のバランスをとることができる。最後に、生産ステージ群内のそれぞれの牛について、その与えた食餌に応答した乳生産量の変化を監視し、その牛の以前のベースライン生産レベルと比較して、別々に再配合した供給物によって高生産牛の性能をさらに高める一方、低生産牛の性能を改善するために、その牛をその生産ステージ内で再群分けすべきかどうかを決定する必要がある。
本発明の目的のため「反すう動物」は、その動物が反すうすることにより、飼料成分を消化する多区画胃を有する任意の動物を意味し、乳牛(dairy cows)、肉牛(beef cows)、ヒツジ(sheep)、ヤギ(goats)、ヤク(yaks)、スイギュウ(water buffalo)、およびラクダ(camels)を含むが、これらに限定されない。乳牛の例には、特にホルスタイン(Holstein)牛、ガーンジー(Guernsey)牛、エアシャー(Ayshire)牛、ブラウンスイス(Brown Swiss)牛、ジャージー(Jersey)牛、およびミルキングショートホーン(Milking Shorthorn)牛が含まれる。
本発明の文脈において「泌乳サイクル」は、反すう動物が、新生動物の分娩後に乳を生産する時間的期間を意味する。
本発明の目的のため「分娩-泌乳ステージ(fresh-lactation sage)」は、反すう動物が新生動物を分娩した直後の時間的期間を意味し、この間反すう動物により生産される乳は、新生仔に授乳するため使用することができる。牛について、この分娩-泌乳期はおよそ21日継続する。大抵の酪農場では、乳牛により、この分娩-泌乳ステージの間商業目的で乳が生産される点に注目されたい。
本出願中で使用される「初期泌乳ステージ」は、分娩-泌乳ステージ直後の時間的期間を意味し、この間反すう動物により生産される乳の日量は、ピーク乳生産量に近づくまで増加する。乳牛について、この初期泌乳ステージは、期間100日と概算される。
本発明の目的のため、「中期泌乳ステージ」は、初期泌乳ステージ直後の時間的期間を意味し、この間反すう動物はほとんどピーク量の乳を生産する。乳牛について、この泌乳中期ステージは、期間130日と概算される。
本発明の目的のため「後期泌乳ステージ」は、中期泌乳ステージ直後の時間的期間を意味し、この間反すう動物は、乳生産が止まるまで減少する量レベルで乳の生産を継続する。乳牛について、この泌乳後期ステージは、期間75日と概算される。
本出願中で使用される「ファーオフ乾乳期(far-off dry phase)」は、妊娠乳牛が次に分娩するおよそ20日前までの後期泌乳ステージ直後の時間的期間を意味し、この間反すう動物は乳を生産しない。
本発明の目的のため「クローズアップ乾乳期(close-up dry phase)」は、ファーオフ乾乳期に続いて新生子牛を分娩する直前の、乳牛についておよそ20日の期間を意味する。
本出願中で使用される「乳生産量」は、1日、1週間、または他の関連する期間の間に、泌乳中の反すう動物により生産される乳量を意味する。
本発明の目的のため「乳量ピーク」は、泌乳サイクルの間の反すう動物により達成される最高レベルの乳生産量を意味する。
本発明の目的のため「乳安定性」は、反すう動物にとって最適な乳量ピークおよび一貫した乳持続曲線を達成することによって、毎日の理想的な泌乳量に接近している、泌乳サイクルにわたる反すう動物による乳の生産を意味する。
本出願中で使用される「栄養士」は、反すう動物向けの飼料供給物の組成を規定する際、責任を負っている個人を意味する。このような栄養士は、酪農家、酪農会社の従業員、またはこのような農家もしくは会社に雇われたコンサルタントとすることができる。
本出願中で使用される「非繊維炭水化物」(「NFC」)は、粗タンパク質+NDF+脂肪+灰分を100%として計算される。それは主としてデンプン、糖、およびペクチンなどの可溶性繊維を含有する。トウモロコシおよびオオムギなどの一般的な穀粒について、NFCはデンプンが80〜90%、糖および/またはペクチンが10〜20%である。トウモロコシ穀粒はデンプン80%および糖20%を含有する。
本発明の目的のため「中性デタージェント繊維」(「NDF」)は、中性洗剤中で飼料供給物を煮沸した後、残っている不溶性残渣を意味する。主成分はリグニン、セルロース、およびヘミセルロースであるが、NDFはタンパク質、結合窒素、ミネラルおよびクチクラをも含有する。NDFは、反すう動物による飼料摂取量および消化率と負の関係がある。
本出願中で使用される「NDF消化率」(「NDFd」)は、ある一定の時点において第1胃内微生物により発酵されているNDF量を意味し、茎葉飼料品質の指標として用いられる。一般的な発酵のエンドポイント(終点)は、24、30、または48時間である。NDFdは、乳牛における飼料摂取量、乳生産量、体重増加と正の関係がある。
本発明の目的のため「木質化NDF」は、リグニンとのその化学的および物理的関係により発酵から保護されているNDFの部分を意味する。それは一般に非消化性NDFと呼ばれ、しばしば(リグニン×2.4)として推算される。
本出願中で使用される「有効繊維」、より一般的には「物理的有効繊維(physically effective fiber)」(「peNDF」)と呼ばれるものは、反すうを刺激し、また第1胃内に消化管内容物マットを形成するNDFの部分を意味する。それは、試料を乾式ふるい分けする場合1.18mmふるい上に保持される粒子部分として測定される。
本発明について「乾物摂取量」は、所与の時間、通常24時間内に動物が消費する飼料の量(無水分基準)を意味する。給餌した飼料−廃棄した飼料として計算される(全て無水分基準)。
本発明の目的のため「揮発性脂肪酸」(「VFA」)は、第1胃内における飼料成分の嫌気性微生物発酵の最終産物である。一般的なVFAは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、およびイソ吉草酸である。VFAは、第1胃により吸収され、動物によりエネルギーおよび脂質合成のために使用される。
本発明の飼養方法、飼料組成物、および農場への飼料配送システムは、本出願中では乳牛について考察されている。しかし、本発明が、食肉生産に使用される肉用去勢牛などの、乳生産に使用されない反すう動物を含む、あらゆる他の反すう動物に適用することができることを理解されたい。
図1においてより明確に示されるように、乳牛は、泌乳サイクルの自然の決定にしたがって乳を産生する。妊娠牛は、時点ゼロでその子牛を分娩し、「分娩期(fresh phase)」が始まりおよそ21日続くであろう。次いで牛は通例、「初期泌乳ステージ」、「中期泌乳ステージ」および「後期泌乳ステージ」を含む次のおよそ305日に向けて、酪農家により他の群に移動され、その間は商業的消費向けに乳が生産されるであろう。
初期泌乳は、通常最初のおよそ100日の泌乳を指す(22日〜121日)。この期の間に、牛の乳生産量はピーク点まで増加するであろう。この乳生産のための牛のエネルギー要求量が増加するので、牛を促して、この初期泌乳ステージの間に飼料の乾物摂取量を最大にすべきである。消費される飼料乾物のさらなる各1kgは、およそ2〜2.4kgを超える乳の生産を支えることができる。この飼料摂取量は、生産量レベル、茎葉飼料量、茎葉飼料品質、飼料消化率、飼料処理、飼養(給餌)頻度、および飼料供給物成分の一貫性を含む、様々な因子により影響を受ける。この初期泌乳ステージの間、乳量は通常乾物摂取量よりも急速に増加するので、正味エネルギー要求は、牛がその体脂肪を動員してこの不足を補填し、そのため体重減少を生じる原因となるであろう。乳業界は、より長期間でこの体脂肪を安全に動員するために、より高い遺伝的可能性を有する牛を同定する試みのため、多大な時間と金を費やしている。したがって、必ずしも全ての乳牛が、産乳に関して同等ではない。この初期泌乳ステージの間、食餌性エネルギーおよびタンパク質の良質な供給源が重要である。
中期泌乳ステージは、分娩後およそ121日からおよそ251日までの時間的期間を表す。この期が始まるまでに、牛はピーク乳生産量に達しているであろう(分娩後8〜10週間)。さらなる体重減少なしで、ピーク乾物摂取量も達成されている。酪農家は、この中期泌乳ステージの間、高レベルの乳生産継続性を維持する供給物を牛に給餌することを追求するであろう。この中期泌乳ステージの間、分娩後およそ60〜70日に、牛は繁殖または人工授精も行って、次の泌乳サイクルのために新たな妊娠を開始すべきである。この中期泌乳ステージの間、高エネルギー要求を満たすことが依然として重要である。タンパク質要求は、初期泌乳ステージの間重要であったほどは、あまり重要ではない。有効繊維レベルについては同様である。
後期泌乳ステージは、分娩後およそ251日に始まり、牛の乳生産が止まった時終わるであろう(泌乳から約305日で)。この期の間、乳量および飼料摂取量が共に減少するであろう。また初期泌乳期の間に失った脂肪組織を補充するため、牛は体重が増えるであろう。泌乳期の取組みが終わった時点で、これ以上の体重増加は胎仔の成長によるものであろう。この後期泌乳ステージの間、タンパク質およびエネルギー供給源は、要求量が初期および中期泌乳ステージよりもはるかに少ないので、あまり重要ではない。M.Hutjens、Feeding Guide(W.D.Hoards and Sons Co.、Fort Atkinson、Wisconsin 1998)を参照されたい。
泌乳サイクルの「ファーオフ乾乳期」は、乳生産が止まった後に始まり、分娩前およそ20日まで継続する。「クローズアップ期」は、次の子牛が生まれるまでのこの最後の20日間を含む。乾乳期から泌乳期までのこれらの2つの期の間の移行は牛にとって緊張が多く、可能な限り平穏無事に、牛に新たな子牛の分娩をやり遂げさせる適切な栄養が重要である。
エネルギーは、牛の泌乳、ならびに健康および成長を支えるのに必要な燃料である。牛の飼料供給物中の正味泌乳エネルギー(NEl、Mcal/ポンド)は、初期泌乳の間およそ0.76〜0.80、中期泌乳の間およそ0.72〜0.76、また後期泌乳の間およそ0.69〜0.72の総量となるはずである。「エネルギー摂取量」は、乾物摂取量(DMI)×飼料のエネルギー含量の積として計算される。低いエネルギー摂取量は、若牛および高生産牛には問題が多い。不十分かつ変動の多い熱量摂取量により、成長の抑制、乳生産量の減少、乳タンパク質乳脂肪試験値の低下、ならびに生殖および健康の障害を招く可能性がある。同時に、牛による、特に急速発酵炭水化物からの過剰なエネルギー摂取は、過剰コンディショニング(over-conditioning)、乳脂肪生産量の低下、および牛群健康問題につながる可能性がある。このような過剰飼養(給餌)は、中期および後期泌乳ステージの牛および乾乳牛に問題を生じさせる可能性がある。
飼料成分は、正常な消化、代謝および性能のために必要な栄養、繊維、および粒径の供給源を牛に供給すべきである。「茎葉飼料(forage)」は、最適の成熟度、水分含量および適当な長さで収穫されている、牧草地で成長した多年生および一年生作物、青刈りチョップ、ヘイレージ、サイレージ、または乾草である。それらは、有意なレベルのタンパク質、繊維、エネルギー、ビタミンE、およびビタミンD(日干しした場合)を含有する。本発明の目的のため、茎葉飼料は乾燥熟成し、好気的安定な発酵サイレージとして調製する。「粗飼料(roughage)」は、繊維が多く、また比較的エネルギー含量が低い適切な粒径の作物または処理廃棄物である。一般的な粗飼料には、穀類、わら、トウモロコシ稈、綿実殻、トウモロコシ穂軸、および皮付きリンゴしぼりかすが含まれる。「濃厚飼料(concentrate)」は、比較的高エネルギーレベルを有する穀粒および副産飼料原料である。濃厚飼料は、通常収穫した飼料よりも細かい粒径を有する。
いくつかの異なる因子が、飼料供給物中に含有される栄養成分の、乳牛への有効な供給および乳牛による利用に影響を及ぼす。出願人により「GELT効果(GELT EFFECT)」と呼ばれる因子には遺伝的性質、環境、位置、および形質が含まれる。牛の特異的な遺伝的性質は、栄養成分を消化および吸収するその能力に直接影響を及ぼすであろう。同様に、飼料成分の茎葉飼料成分および穀粒成分の特定の遺伝的性質が、それらの炭水化物、タンパク質、および繊維の栄養含有物に直接影響を及ぼす可能性がある。したがって、トウモロコシサイレージ生産に使用されるトウモロコシの遺伝的性質が、NDF含量、NDFd、およびデンプン含量パーセントの著しい範囲に影響を有する。同様に穀粒の遺伝的性質は広い範囲の油、タンパク質、デンプン組成、ならびにデンプン消化性の速度および程度に影響を有する。したがって、種子の遺伝的性質が、牛に栄養を供給するそれぞれの茎葉飼料および穀粒の品質形質の可能性(potential)を決定する。適正な農学に関する入力(例えば肥料、除草剤、殺菌剤、殺虫剤)の使用およびそれらのレベルを誤っても、その種子から生育して得られた作物の品質形質特性に有害な影響を及ぼす可能性がある。
作物が生育する環境および気候条件は、他の重要な多様性の源である。気候は、制御不可能な事象とみなされる。気温および水分に関して、ある年から次年にかけて1つとして同じ生育時期は存在しない。これが、茎葉飼料生産、茎葉飼料品質、およびデンプン消化性に直接影響し、高度な変動を加えて、その後の乳牛の性能における非一貫性を作り出す。例えば、生育時期における気温および降雨パターンは繊維(NDF)のレベル、その量、および繊維消化率(NDFd)に及ぼすリグニンの効果に影響する可能性がある。これはその後、茎葉飼料でどのように「飼養(給餌)」するかに影響し、また乳牛、特にフィル(fill)により制約された牛および初期泌乳期にある牛の乾物摂取量(DMI)およびエネルギー摂取に対して増加もしくは減少効果を有する可能性がある。
サイレージ向けに細断したトウモロコシ雑種の粒中の、またエネルギー補給用に使用したトウモロコシ穀粒中のデンプンの消化率も、生育時期の環境によって変動する可能性がある。デンプンの含量ならびに消化速度および程度が共に変化する可能性がある。したがって、食餌に添加される補給用穀粒と、トウモロコシサイレージ中のトウモロコシ穀粒が乳牛生産性に正および負の影響を及ぼす可能性がある。こうして環境により、それぞれの茎葉飼料および穀粒の品質形質のレベルおよび範囲が決まる。
気温および他の飼養条件が、飼料供給物に含有される乾物を摂取する牛の意欲または能力にも直接影響する可能性がある。したがって、この環境変動のため、この制御されない変動因子を補償するための、あるいタイプのリアルタイム調節メカニズムを利用しなければ、所与の生産年における乳牛の飼養プログラミング戦略を予測し実行すること、あるいは茎葉飼料および穀粒飼料成分を生育させまたは調達するための作付けまたは成分購買プログラムを設計することがほとんど不可能となっている。
特定の収穫技術も、飼料成分中の栄養含有物に悪影響を及ぼす可能性がある。不十分な貯蔵技術(例えば包装および貯蔵)も、穀粒、茎葉飼料またはサイレージの栄養価値に悪影響を及ぼしうる。飼料成分の栄養プロフィールを分析する間に生じる試料採取プロトコールおよび実験室試験誤差が、適正な飼料供給物の構築を妨げる恐れがある。その上、サイレージを作る茎葉飼料の発酵を促進するため使用される接種剤、ならびにサイレージおよび穀粒貯蔵用防腐剤が、サイレージまたは穀粒製品の栄養形質に悪影響を及ぼすことがある。したがって、収穫管理技術によって、それぞれの茎葉飼料および穀粒の品質形質の本質(net)が決まる。もちろん、飼料供給物の粗末な配合も、乳牛への適切な栄養価値の供給に影響を及ぼす。
したがって、同一の種子変種または雑種から生育したとしても、どんな2つの茎葉飼料または穀粒試料も、栄養含有物において正確に同等ではなく、異なる変種および雑種の栄養含有物はおそらく著しく変動するであろうということ、全てこのGELT効果のためであることを理解することが重要である。
図2においてより明確に示されるように、分娩牛、初期泌乳ステージ、中期泌乳ステージ、および後期泌乳ステージ全体にわたる、乳牛による実際の乳生産量は、多くの断続的一時低下およびピークを示し、そのため線20により図示するように不安定な乳生産量につながる。このようなピークおよび一時低下は、これらに応答する乳牛への飼料供給物成分の栄養含有物、動物飼養環境、不正確な飼料プログラミング、および飼料供給物組成調整の誤りというこのGELT効果の変動に起因する可能性がある。線22は、これらの変動因子を考慮に入れ、泌乳生産ステージの特定点の間で乳牛のエネルギーおよび栄養ニーズを満たす飼料組成物を調製する、本発明の飼養方法を使用することにより達成することができる安定な乳生産量を表す。乳生産線22の安定性が乳牛についてより高い一貫した乳量ピークを作るだけでなく、乳生産線20と22の間の面積は、本発明の飼料組成物を乳牛に給餌する際の誤りによる正味乳生産量損失を表す。したがって、本発明の飼養方法により、乳生産に影響を及ぼす自然環境的および人為的な非一貫性が安定化される。
本発明の全体的飼養方法200は、図3に示される。それは、使用できる一連のツール、すなわち乳生産安定性を個別的に維持する、乳成分タンパク質および脂肪を維持または強化する、かつこの乳のためより多い正味乳量および成分価格割増をもたらす;あるいは組み合わせてこれらの正の効果をさらに強化するツールを含む。したがって、特定の牛生産ステージ204にふさわしい栄養テンプレート202を作り出す。この栄養テンプレート202は、結果として得られる供給物についてNDF、NDFd、およびpeNDF値を画定する茎葉飼料種(仕様)206、ならびにこの供給物についてインビトロデンプン消化率(「IVSD」)を画定するデンプン種(仕様)208を特徴とする。この供給物中には、次の2つの異なる茎葉飼料源:(1)BMRトウモロコシ、リーフィートウモロコシ、牧草、または二目的トウモロコシサイレージなどの高NDFd(いくつかの消化性デンプンと共に)を特徴とする1次茎葉飼料210、ならびに(2)アルファルファまたは二目的トウモロコシサイレージなどのpeNDFおよび粗タンパク質をもたらす2次茎葉飼料212が用いられる。これらの2つの茎葉飼料源は、互いに相補って牛の第1胃内で、所望のNDF、NDFd、およびpeNDF種(仕様)を供給する茎葉飼料相乗作用を作り出す。
トウモロコシ穀粒由来のブレンドしたデンプン源214は、デンプン消化率(IVSD)のレベルを制御するため飼料供給物中に使用される。トウモロコシ穀粒に対するGELT効果のため、通常のデント胚乳デンプン220などのベースデンプンと共に粉質胚乳デンプン216および/またはガラス質胚乳デンプン218のブレンドを使用して、デンプン種208内に示すレベルまでIVSDを調節できる。いくつかの場合に、通常のデント胚乳ベースを省いて、粉質胚乳デンプン216およびガラス質胚乳デンプン218だけをブレンドして、所望の目標IVSDを達成することが可能であろう。その上、当業界内で知られている保全方法222を使用して、牛の消化管内のデンプンの消化部位を調節するため、得られたブレンドデンプン成分214の粒径を調整すべきである。飼料供給物内で組み合わされたデンプンおよび茎葉飼料成分は、消費されると牛の第1胃内でさらなる相乗効果を作り出すであろう。
この栄養テンプレートから作られる飼料供給物は、生産ステージ内の牛に給餌して、それらの乳生産量および乳安定性を高めることができる。GELT効果による茎葉飼料およびデンプン成分の変動性が存在するため、これらの成分は、リアルタイム特性付けツール226によるNDFd、IVSD、RAS、およびRBSのリアルタイムによる特性付けを受けることが有益である。本明細書においてより十分に記述されるNIRS方程式およびシステムハードウエア228に基づく携帯用ツールである、このリアルタイム特性付けツール226により、牧草地における茎葉飼料およびデンプン成分の正確かつ厳密な測定が可能になり、そのためより正確に茎葉飼料種206およびデンプン種208に従う栄養テンプレート202を作り出すことができる。
本発明の飼養方法200の中で、茎葉飼料およびデンプン源によりもたらされる全体のNDFd、IVSD(RASおよびRBSを含む)が正確に補償され、それによって飼料供給物が、その栄養プロフィールを知らず知らずのうちに過剰にもしくは不足して供給することがないことも重要である。本明細書においてより十分に記述される供給物発酵性指数(「RFI」)220が、飼料供給物についてこの全NDFdおよびIVSDを特性付ける。さらに、必要な場合飼料供給物のバランスを再度とることが可能となるために、このRFIは生産ステージの間に数回測定すべきである。
同一の供給物を給餌するため1つの生産群内に牛を集合させることが便利であるが、生理もしくは健康のいずれか、またはその両方により、実際に2頭の牛の飼料給餌に対する応答が同じであることは決してない。そのため、本発明の飼養方法200のもとで、他の重要なツールは、生産ステージの過程で、牛を再群分けすること222である。本明細書においてより十分に記述されるように、飼料給餌に対する応答について、個々の牛をベースライン生産量に対して評価し、高生産牛は一方の小群に入れ、低生産牛は他方の小群に入れるのがよい。この再追込み(re-penning)戦略222により、高生産牛が一層多くの乳を自由に生産しかつ乳安定性を得、また低生産牛が健康およびベースラインレベルの乳生産および安定性を回復するために、それぞれの小群の牛向けに飼料供給物を再配合することが可能になる。
図4においてより十分に示されるように、本発明の飼養方法30は、乳牛向け栄養テンプレート32の開発を含む。この栄養テンプレートは、ベース茎葉飼料パラメーターを設定し、供給源および組成比率により最良の茎葉飼料選択肢を特定しおよび組み合わせ、かつ最適なデンプン消化率プロフィールを特定して、繊維/デンプン第1胃相乗作用を作り出すであろう。全ての生産ステージについて飼養するため、乳牛のエネルギー、タンパク質、繊維、および他の栄養ニーズの特定の目標が示される。泌乳サイクル全体にわたって乳牛の栄養要件が変動するため、この栄養テンプレート32は、飼養されている牛群の現在の泌乳サイクルステージを考慮に入れている。酪農場では通例2頭以上の牛を飼養しているため、群分けステップ34によって、牛を、分娩牛、初期泌乳牛、中期泌乳牛、後期泌乳牛、ファーオフ乾乳牛、クローズアップ乾乳牛、および未経産牛についての別々の生産群に分けるようにすることが好ましい。次いで、茎葉飼料テンプレート36は、栄養テンプレート32の要件を部分的に満たすのに使用される茎葉飼料成分について構築すべきである。一方、デンプンテンプレート38は、栄養テンプレート32の他の要件を備えるのに使用される穀粒成分について作成すべきである。最後に、飼養組成テンプレート40は、茎葉飼料、穀粒、および他の飼料成分の特定の飼料乾物ポンド数を指定して、その生産ステージ34について乳牛の栄養ニーズを満たすのに必要とされる全混合供給物(TMR)として組み合わせて形成すべきであり、栄養テンプレート32、茎葉飼料テンプレート36、およびデンプンテンプレート38によって具体化されるものである。
栄養テンプレート32を構築する方法および栄養入力を図5に示している。牛46は、その生産ステージ群分け50に応じて、特定の量のエネルギー、タンパク質、および十分な繊維(NDF)48を要するであろう。これを、牛46が1日以内に飼料供給物から消費するはずの乾物摂取量52に変換すべきである。飼料供給物の茎葉飼料成分のNDF含量54は、第1胃運動性のための第1胃マットを作り出すのに有効な繊維、乳脂肪生成のための酢酸VFAをもたらし、また供給物を反すうしている間牛による唾液生成を促進して、牛の第1胃の適切なpHを維持するのに必要な緩衝剤を産生させるであろう。次に、茎葉飼料成分は、適正なレベルのNDF消化率(「NDFd」)56を有し、牛46が第1胃内で茎葉飼料を十分に消化し、乾物摂取量を確実に最適化できるようにすべきである。
牛のエネルギー摂取ニーズの大部分は、通常、穀粒および濃縮飼料成分により提供されるであろう。このような穀粒成分は、穀粒内に含有されるデンプンを牛が十分に消化して泌乳に必要とされるエネルギーを生じるために、規定レベルのデンプン消化率58により特性付けられなければならない。同時に、最適なプロピオン酸レベルを生じ、かつ最適機能のため第1胃のpH 6.2〜6.8を維持するために、消化管内のデンプン消化の部位60が重要である。プロピオン酸VFAは、反すう動物においてグルコースを合成するのに使用される1次グルコース新生基質として役立つ3-炭素脂肪酸である。
最後に、牛の消化管を通る飼料成分の望ましい通過速度62は、乾物摂取量を最大にし、かつ飼料成分が十分に消化され、その中に含まれる栄養素が第1胃および小腸壁にわたって吸収されることを確定するために必要である。この方法で、望ましいレベルの脂肪、タンパク質および他の乳成分と共に高められたレベルの乳生産量、ならびに生産安定性64が達成される。望ましくない代謝性疾病および他の欠陥を有しない牛46の健康も得ることができる。飼料成分を変換して、高められた乳生産量、乳成分、乳生産安定性、飼養効率および牛群健康をもたらすこと64を、「牛収益性(cow profitability)」と定義する。飼料効率による牛収益性のさらなる増加は、乳1ポンドを生産するためにより少ない飼料からもたらされるより低い飼料コスト66から得ることができる。牛46のニーズからこのような栄養テンプレート32をどのように構築するかは、乳業業界の熟練した栄養士により一般に知られている。
図6において、乳牛向けの茎葉飼料テンプレート36を構築する本発明の方法70を示している。NDF含量54、NDFdレベル56、および物理的有効繊維(peNDF)74を含む、茎葉飼料成分に必要な種(仕様)72を決定する。
次に、飼料供給物のための茎葉飼料成分を、様々な異なる供給源から引き出すことができ、1次茎葉飼料源76と、2次茎葉飼料源78とに分けられる。本発明の一実施形態において、次に1次茎葉飼料源76には、二目的トウモロコシサイレージ80、リーフィートウモロコシサイレージ84、BMRトウモロコシサイレージ86、牧草87、およびこれらの組合せを供給できる。サイレージは、適切な全植物水分含量、好ましくは65〜70%を有する全茎葉飼料植物を構成する。機械的収穫設備の使用により、植物は、長さ1/4〜3/4インチの長さのある片またはチョップに細断され、発酵させるため貯蔵構造物中に充填される。発酵過程は2つの時期からなる。好気性(酸素呼吸)および嫌気性(無酸素、実際の発酵)である。この貯蔵過程の間、細断した植物片は、材料の重量下で圧縮され、呼吸過程によって茎葉飼料の細胞壁内に捕集された、また貯蔵構造物内に捕集された酸素を消費し、それによりCO2および水および熱を放出する。嫌気性時期の発酵の間、乳酸が、生成される主VFAであり、茎葉飼料が限りなく保存および安定化される。サイレージは、傷みを避けるためこのサイロに貯蔵する過程、およびその後の貯蔵の間、空気中の酸素への曝露から保護されなければならない。貯蔵構造物充填および機械的包装の過程により、サイレージ塊に浸透する酸素に対する障壁が作り出される。得られたサイロ貯蔵サイレージ産物は、植物中に存在する栄養分の大きい部分、および発酵VFAを保有している、すなわち作物を単に乾燥し、乾草またはわらとして貯蔵した場合よりもはるかにそれを保有する。
二目的トウモロコシは、およそ36〜42%の低NDF含量、30〜36%の高デンプン含量、およびおよそ43〜48%の30時間インビトロNDFdレベルによって特性付けられる。リーフィートウモロコシの遺伝的性質は、およそ46〜55%の高NDF含量、およそ22〜26%の低デンプン含量、およびおよそ50〜54%のNDFdレベルによって特性付けられる、突然変異生成および選択的育種に由来する特異なトウモロコシ作物である。
褐色中肋(「BMR」)トウモロコシは、bm3遺伝子を含む、突然変異生成および選択的育種に由来する特異なトウモロコシ作物である。BMRトウモロコシは、およそ32〜36%の低NDF含量、およそ32〜38%の高デンプン含量、およびおよそ58〜64%の非常に高いNDFdレベルによって特性付けられる。表1は、それぞれのこれらの1次トウモロコシサイレージ源についての、NDF含量、30時間インビトロデンプン含量、NDFd、および木質化NDF形質範囲を要約している。
Figure 2009544319
茎葉飼料粒径は、通常試料をふるい分けすることにより測定される、茎葉飼料粒子の長さの測定値である。反すう動物は、反すうを刺激し、第1胃マットの発達に寄与して、飼料の通過速度を調節し、第1胃の健康を維持するため、最少量の粗い粒子を必要とする。粒径を判断する一般的方法は、試料を乾式ふるい分けし、続いて1.18mmふるい上に保持される茎葉飼料粒子部分(物理的有効NDF(peNDF)と呼ぶ)を測定することである。
本発明の飼養方法およびシステムの必須の部分は、種々のトウモロコシサイレージ成分に要求されるパラメーターをどれが満たすかを決定する、毎年市販の雑種の選別(screening)である。これらの市販の雑種は、これらの特性における広い変動を含み、したがって新たな雑種が市場に導入され、古いものが市場から除かれる中で、本発明で使用するための選別および特定を行わなければならない。本発明の飼料配送システム200の供給業者は、この重要な選別機能を行うステップ、ならびに飼料供給物向けに作付けして必要なトウモロコシサイレージ成分を生産できる、またはこのような供給物向けに収穫したサイレージの購入を行うことのできる、図3に従う許容可能な雑種232の一覧表を提供するステップによって、その酪農場顧客に価値あるサービスを提供することができる。
本発明のための2次茎葉飼料源78は、アルファルファヘイレージ88、アルファルファ乾草、乾草90、牧草サイレージ92、アルファルファ/牧草混合物、二目的トウモロコシ93、または茎葉飼料ソルガム(sorghum)(例えば褐色中肋)により供給できる。アルファルファは歴史的に、一貫した茎葉飼料品質プロフィールを維持するのが難しい茎葉飼料作物である。これは、生育時期にわたって多数回の収穫を要し(3〜4回)、また理想的な天候および乾燥条件で収穫物を貯蔵するタイミングを要するからである。生育時期の天候パターン、特に気温に誘発されるNDFの木質化、および損害を与える雨による葉の損失は、繊維含量が比較的安定なままであり得るとしても、NDFレベル、粗タンパク質含量または茎葉飼料の消化性(NDFd)を劇的に変化させる可能性がある。
表2に示されるように、本発明の飼養方法の目的のため、作物管理者向けに所望される維持すべきアルファルファ茎葉飼料品質目標では、従来管理されているアルファルファ茎葉飼料よりも繊維分(NDF)が多いであろう。アルファルファの正味NDFレベルは、通例実施されている40%未満よりもむしろ40〜42%の間にあるであろう。これは、茎葉飼料から来る食餌の大きな割合(%)の有効繊維またはpeNDFを、アルファルファから供給することを要するからである。これにより、それぞれの刈取りの収穫間隔が、日数として長くなるように変更される可能性があり、4回刈りシステムから3回刈りへの転換を要し得る。この転換により、悪い乾草収穫条件に曝露されることがより少なくなり、生育時期にわたって回収される全乾物収量を正に増加させる可能性がある。
Figure 2009544319
収穫管理、最適な収穫のためには一貫していない天候、または高温からのNDFの木質化のため、アルファルファ品質が非常に変動し易いので、アルファルファは茎葉飼料プログラムの割合としては2次茎葉飼料源に指定されており、供給物配合の間のNDFおよびタンパク質供給源、ならびに有効繊維(peNDF)ツールとしてプログラムすべきである。アルファルファ品質が種(仕様)未満となる場合、特定の供給物および飼養戦略の給餌仕様に合わせるため、より多くのNDFdを食餌に加える必要があると、BMRトウモロコシサイレージが代わりになるであろう。アルファルファNDFが44%を超えNDFdが40%未満に落ちる場合、BMRトウモロコシサイレージでDMを置き換えるのが有用な救済策であろう。
ベール(bail)乾燥した青草は、食餌への有効繊維源として使用し、また他の茎葉飼料源の環境的影響から繊維消化性が非常に高くなる不安定な効果を中和するため、アルファルファ茎葉飼料の2次供給源となるであろう。そのNDF含量およそ42〜44%は、ヘイレージが提供するNDF含量よりも幾分高いであろう。ヘイレージ88、または乾草90を、2次茎葉飼料源78として分娩牛ならびに初期および中期泌乳牛に給餌できる。
飼料テンプレート36向けの1つの選択肢は、後期泌乳牛、ファーオフ乾乳牛、クローズアップ乾乳牛、および未経産牛用の供給物種(仕様)に、牧草系茎葉飼料(すなわちカモガヤ(orchard)/スズメノチャヒキ(brome))を含むことである。これらの牛では、添加供給物として牧草を用いることによって、乳生産量を改善し、飼料コストを下げ、また正のエネルギーバランスで牛がエネルギー摂取の過剰消費となることからの牛群健康問題を抑えることにより利益になる。
したがって、本飼養方法のための食餌配合における重要なステップは、生育させようとする茎葉飼料源の適正なフィット性を決定することであり、また乳牛の茎葉飼料プラットフォームを決定することである。生産群によるそれぞれの飼養戦略により、周辺の茎葉飼料種を構築するため1次および2次茎葉飼料源構造が割り当てられる。トウモロコシサイレージ構想または牧草およびアルファルファ供給源を優先して、個々の乳牛を考慮することができる。特定のプログラムされた茎葉飼料の茎葉飼料生産収量が実現されない場合、購入した非茎葉飼料NDF/NDFdの代替供給源で置き換えることができる。特定の地形により、異なった1次および2次茎葉飼料源があり得る。
デンプン源の消化率、ならびに消化管内のプロピオン酸産生部位および吸収に及ぼす影響が、乳牛の栄養において克服すべき主な障害物となっている。デンプン消化率の速度、程度および部位は、生産安定性を維持し、特定の泌乳ステージ内の生産量ピークを維持し、また無症状性アシドーシス、おう吐(off-feed)状態の発生率を低下させ、かつ第4胃変位を軽減しまたは無くするのに必要とされる栄養供給物ツールでもある。
本飼養方法の穀粒成分は、通例水分含量30〜34%で収穫される高水分トウモロコシ(HMC)と異なり、乾燥穀粒を使用してデンプン消化率の一貫した供給源を作り出すよう設計されている。高水分トウモロコシの一般的な使用により、デンプンの水分含量とデンプン消化率が高度に関連しているという事実から、第1胃の食餌に他の変動源が加わる。トウモロコシ穀粒は、秋には収穫がうまく行く、直線的かつ急速な乾燥状態を有するので、最適な水分目標でのHMC穀粒の貯蔵は極めて変動し易いものになっている。したがって、デンプン消化率プロフィールは飼料を与える時期に非常に一貫性がなくなる可能性があり、供給物に不整合性を加えている。本発明の飼養システムは、この変動源を抑える手段として乾燥穀粒(12%〜15.5%水分)を使用しており、その乾燥粒特性によって、貯蔵および供給源の選択肢に、第1胃消化部位へのより多くの影響力および制御のために、特定の粒径に穀粒を処理するという、さらなる保全の選択肢を加えることができる。この加えられた発明の特徴は、供給物ツールとしてデンプンの必要とされる消化部位を提供して、食餌の茎葉飼料種と相乗作用させ、供給物の最適な栄養ニーズに合致させる。デンプン消化率は、第1胃発酵および腸内消化により、反すう動物の消化管内で消失するデンプン量である。
図7において、デンプンテンプレート38を構築する方法102、および飼料供給物へのこれらの成分の供給システムを示している。第1に、栄養士は、乳牛のエネルギーおよび他の栄養ニーズを満たすために、穀粒成分について初期デンプン種(仕様)100を調製する。このようなデンプン種100は、デンプンの消化速度を含む。次いで、特定の粒径によるデンプンの保全を用いることにより、第1胃および下部管内におけるデンプンの消化部位のターゲットを定め、制御する。次に、これらのデンプン種について、リアルタイム特性付け方法98によって測定した実際の茎葉飼料成分の繊維消化率および栄養分含量から、デンプンの消化率特性を、食餌用茎葉飼料種の要件72に合うよう変更することによって、供給物のエネルギー密度の不足分についての対処を行う。このようにして、この動物の性能および健康を相乗作用的に強化するため、穀粒成分中のデンプン成分を、1次および2次茎葉飼料成分のNDFおよびNDFd成分と相互作用させる。デンプン粒径は、通例乾式ふるい分けにより測定した、定義している物理的処理後のデンプン粒子の平均径である。このような物理的処理は、粉砕、ロール処理、または摩砕を含むことができる。
穀粒成分のベース供給源は、従来のデント胚乳トウモロコシ104で供給することができる。このようなデントトウモロコシ(馬歯トウモロコシ)は通例、デンプン含量68〜72%、およびインビトロで7時間以内に70%のデンプンが消化されるデンプン消化率の程度を含む。
酪農家は典型的に、飼料供給物の要求量を前提として、この目的のためそれ自身のデントトウモロコシ穀粒供給物を作付けし生育させる。このような生産業者栽培トウモロコシ穀粒106は、その場で酪農場において収穫および貯蔵される。小規模の酪農場向けまたは大規模酪農場による残余のニーズ向けに、通常のデントトウモロコシ104は、第三者の供給業者から購入することができる。この通常のデント遺伝形質ベース供給源は、75%を超えるデンプン消化率履歴を持つ、選別および特定された承認済み遺伝的性質一覧表からのものでなければならない。本発明の飼料配送システム230による第三者の供給業者は、このような承認済み雑種の一覧表を酪農場顧客に提供するであろう。酪農場では、このような種子を播いて、それ自体のベース穀粒供給源を収穫することができ、またはこのような承認済み雑種から生産されたこのような穀粒を供給業者から購入することができる。
飼料穀粒成分内のデンプン成分の消化速度は、デントトウモロコシ穀粒104、ガラス質胚乳トウモロコシ110、および/または粉質胚乳トウモロコシ112とブレンドすること108により変更される。このように、目標とするデンプン消化率が達成される。ガラス質デンプンは、緻密に圧縮され、完全なタンパク質マトリックス中に保持されているデンプンである。粉質デンプンは、不完全なタンパク質マトリックス中に保持されているデンプン顆粒である。デントトウモロコシは、およそ等比率のガラス質および粉質デンプンを有する。
ガラス質胚乳デンプントウモロコシ110は、およそ45〜55%のデンプンが7時間以内に消化されるデンプン消化率速度を典型的に示すはずである。このようなガラス質胚乳デンプントウモロコシ110は、デンプン含量68〜72%のフリント(flint)生殖質遺伝子、およびそうでない場合には選り抜きの農学的特性を含むトウモロコシ雑種によって供給することができる。デント胚乳トウモロコシ穀粒104とブレンドした場合、デンプン種100のデンプン消化率目標(ターゲット)を達成するため、ガラス質胚乳デンプントウモロコシ110は、穀粒のデンプン成分の消化率速度を遅らせるであろう。
粉質胚乳デンプントウモロコシ112は、およそ80〜90%のデンプンが7時間以内に消化されるデンプン消化率速度を典型的に示すはずである。このような粉質胚乳デンプントウモロコシ112は、デンプン含量68〜72%の不透明(opaque)生殖質遺伝子、およびそうでない場合には選り抜きの農学的特性を含むトウモロコシ雑種によって供給することができる。デント胚乳トウモロコシ穀粒104とブレンドした場合、デンプン種100のデンプン消化率目標を達成するため、粉質胚乳デンプントウモロコシ112は、穀粒のデンプン成分の消化率速度を速くするであろう。
このような粉質およびガラス質胚乳デンプンの「ブックエンド」110および112を備えると、栄養士は、供給物を消費する乳牛の生産量および健康を増すため、飼料供給物中の茎葉飼料成分と相乗的に相互作用する穀粒成分からの目標デンプン消化率レベルをもたらすように、ブレンドステップ108において、これらのブックエンドの一方または両方をデント胚乳トウモロコシベース104と容易にブレンドすることができる。表3に示すように、このデンプン消化率速度は、数字により分類できるであろう。例えば、「1」は50%、一方「5」、「6」および「9」はそれぞれ70%、75%、および90%を表すであろう。
Figure 2009544319
酪農家は、飼料配送システムの契約ガイドライン内で、その飼養要件を満たすため、それ自身のガラス質および粉質胚乳ブックエンドの組合せを生育させ、収穫できる。しかし、これには、その農場で3種の異なる型のトウモロコシ穀粒(1次茎葉飼料成分を数えると4種以上)を生育および収穫することを伴い、これは時間を費やし、資本集約的であり、また変わり易い天候条件のため危険が多いだろう。その上、粉質およびガラス質胚乳ブックエンド110および112は、それらが互いにまたはデント胚乳穀粒104と入り混じり、そのためそれらの専門特性を失わないように、独自性(identity)を保持していなければならない。
したがって、酪農場が、これらのブックエンドの生産および独自性を保持する区分化について第三者栽培業者114と契約することがより便利であろう。このような契約栽培したガラス質および粉質胚乳ブックエンドは、これらの穀粒ブレンド成分を必要とする前にトラック116により酪農場へ配送することができる。この第三者デンプン成分調達は、本発明のシステムの1つの構成部分である。
酪農場についての他の可能性のある選択肢は、ガラス質および粉質胚乳ブックエンド110および112を生産する会社により設立される穀粒バンク交換118を含み、それにより酪農家は、所定のもしくは交渉による交換割合で、いくらかのそれが生産するベーストウモロコシ穀粒を、ブックエンド材料と取引する。次いで、穀粒バンク交換118のオペレーターは、交換したベースデントトウモロコシ穀粒を、必要としている他の酪農場に取引または売却する。酪農場は、その穀粒ニーズの100%を第三者から単に購入する120こともできる。このデンプン成分の第三者調達は、本発明の飼料配送システムの1つの構成部分である。
本発明のデンプン成分の別の実施形態において、酪農家または栄養士は、ガラス質胚乳穀粒110または粉質胚乳穀粒112(デンプン種中に示されるIVSD値に近い方のIVSD値をもたらすいずれか)の使用を単に選択して、他の胚乳穀粒型をブレンドして、所望のIVSDターゲットを達成でき、さもなければ粉質またはガラス質胚乳デンプン穀粒のIVSD値を調節するのに粒径だけを用いることができる。これは、デンプンブックエンド材料の十分な供給を仮定しているが、通常のデント材料104を生産、貯蔵、および分離するニーズを省いている。さらに他の代替的実施形態において、デンプン成分は、上記の平均デンプン消化率を得るようにふるい分けおよび区分けしておいた通常のデントトウモロコシ雑種を単に含むことができる。通常のデント雑種混合物を、このような上記の平均デンプン消化率を得るようにうまくふるい分けおよび区分けすることもできる。
デンプン成分の第2の要素は、ベース穀粒104、ガラス質胚乳デンプン110および粉質胚乳デンプン112を含むブレンドしたデンプンのターゲットに向けた特定の粒径を作り出す保全方法であって、処理ミル122を通して、粉砕、ロール処理、または摩砕によりデンプンを処理するステップによる方法を適用することである。最終結果は、デンプンの反すう消化の速度および部位を一層さらに変化させるため、デンプンの分解性状を微調整することである。穀粒成分のためのこのような粒径は、表4に示すように文字表示により分類できるであろう。例えば、粒径「A」は粉砕されたものとすることができ、粒径「C」および「E」は、それぞれ中間ロール処理されたものおよび粉末とすることができるであろう。この方法で、酪農場の栄養士は、穀粒バンク交換118または穀粒専門生産業者116に電話して「6C」デンプンの供給を依頼することができ、またデンプン消化率75%および中間のロール処理した粒径を含むブレンドした穀粒の積荷を、合意した時間枠内にトラックで受け取ることができるであろう。
Figure 2009544319
必要とされる場合、デンプン成分の第3の要素は、絶えず変化する消化率速度および粒径の変化による、進行中の飼養環境の変化、飼料変数、および飼養戦略の変化を、別の場所にある補給貯蔵所から酪農場へターゲットデンプンをトラック輸送することによってリアルタイムで補正することである。これにより、変動源に加わった予見されなかった要素、すなわち特定の生産群の性能を高めるための短期間の生産ニーズ、または農場で生産されるブレンド用デンプン源の不足のリアルタイム補正が可能になる。
図3の「供給物発酵性指数」(「RFI」)ツール220は、関連している生産ステージについて、飼料供給物の栄養的有効性、および乳牛に安全に栄養価値を供給するその能力を評価する一連の相互に関連した計算を構成する。第1にそれは、飼料供給物の全消化率を考慮に入れて、茎葉飼料源が提供する消化性繊維のポンド数と、穀粒および茎葉飼料源が提供する消化性デンプンのポンド数とをまとめる。乳牛の各生産ステージについて、栄養テンプレート32内のこの全消化率についての範囲を指定すべきである。飼料供給物内に使用される種々の茎葉飼料および穀粒デンプン成分のNDFdおよびIVSD値を、定期的にリアルタイム特性付けツール98を使用してチェックし、これらの値を全消化率式に差し込むことにより、栄養士は、GELT効果が原因で、1種または複数の飼料成分が、この飼料供給物を給餌されている牛に、過大なもしくは過小な繊維およびデンプン消化率をもたらしているかどうかを判定することができる。
次に、個々の飼料成分についてNDFdおよびIVSD値を測定すべきである。このデータは、飼料供給物への繊維およびデンプン消化率をどの特定の成分がもたらしているかを栄養士に告げるであろう。異なる生産ステージについて、牛は異なるレベルのNDFdおよびIVSDを必要とするであろう。
次に、相対的第1胃デンプン(relative ruminal starch)(「RAS」)値および第1胃バイパスデンプン(ruminal bypass starch)(「RBS」)値を計算して、RAS/RBS比が栄養テンプレート内で指定された範囲内にあるかどうかを見るべきである。RAS/RBS比を制御することにより、最大限健康な乳生産が得られるであろう。
最後に、合計食餌について全供給物消化率、個別成分消化率、ならびに乾物、NDF、NDFd、IVSDおよびRAS/RBS比の値を、栄養テンプレート内で指定された対応する値と比較することによって、このRFIツール220により栄養士は、生産ステージ中の仕様(種)に合った食餌とするために、飼料供給物成分を調整する必要があるかどうかをリアルタイムで迅速かつ正確に決定することができる。これにより乳生産量および安定性を高めることができるだけでなく、それにより、個々の飼料成分が予想外に高い消化率を示すため「熱」過ぎる飼料供給物から生じる重大な健康問題から牛を救うこともできる。
したがって、栄養テンプレート32を作るため、第1に茎葉飼料テンプレート36を作る。第2に、リアルタイム特性付けツール226およびRFI 220を使用して茎葉飼料成分の発酵性を評価する。第3に、デンプンテンプレート38を加えて、茎葉飼料テンプレート成分値を補強する。この方法によってのみ、飼料供給物の繊維-デンプン相乗作用を捉えることができる。
表5は、乳牛の異なる泌乳ステージ用の飼料供給物についての1次および2次茎葉飼料成分、デンプン消化率プロフィールおよび範囲レベルを含む栄養テンプレートの例示的な実施形態を示す。
Figure 2009544319
Figure 2009544319
この実施形態において、図8に示すように、乳牛の泌乳サイクルの異なる3ステージについての3種の食餌テンプレート:
移行期食餌(ファーオフ乾乳、クローズアップ乾乳および分娩牛)、
初期/中期泌乳期食餌(初期および中期泌乳牛)、
後期泌乳期食餌(後期泌乳牛)
だけが作られる。この単純化した取組みのもとでは、1次茎葉飼料成分が、茎葉飼料テンプレート中で使用される茎葉飼料NDFの少なくとも60%を提供しているはずである。
移行期食餌は、牛に、高度に発酵性の繊維と低カリウム茎葉飼料とを有する多量のフィル(fill)を提供すべきである。これが牛の第1胃を充填かつ緩衝し、発酵速度を適度にし、脂肪動員速度を遅くして、分娩サイクルの間に牛を最大乳量ピークに向けて立ち上げさせる。1つの例示的飼料供給物において、牧草を1次茎葉飼料成分として使用でき、リーフィートウモロコシサイレージが2次茎葉飼料として使用され、一緒にデンプン消化率およそ80〜90%および粒径A〜Cのデンプン種が、主として乾燥ガラス質胚乳トウモロコシから提供される。乾燥粉質胚乳トウモロコシを乾燥ガラス質胚乳トウモロコシとブレンドでき、この要求されるレベルのデンプン消化率および粒径が得られる。代替的な移行分娩期食餌として、リーフィートウモロコシが、乾燥ガラス質胚乳トウモロコシデンプン成分と一緒に使用できる。
低フィル茎葉飼料、最大発酵性デンプン源、およびデンプン消化部位調節により最大乳量ピークが達成および維持される初期/中期泌乳期食餌の目的のため、いくつかの異なる食餌の組合せが可能である。例えば、BMRトウモロコシサイレージを、二目的トウモロコシサイレージと組み合わせて茎葉飼料源を提供し、デンプン消化率および粒径A〜Dを提供するデンプン成分として乾燥粉質胚乳トウモロコシを添加することができる。2次茎葉飼料源としてヘイレージで二目的トウモロコシを代替できる。
別の取組みにおいて、茎葉飼料源としてリーフィートウモロコシを、二目的トウモロコシまたはヘイレージと組み合わせ、デンプン消化率85%以上および粒径A〜Dを有する高水分粉質胚乳トウモロコシでデンプン源を提供することができる。
最後に、高NDF消化性茎葉飼料および低発酵性デンプンを用いて、乳生産量およびBCS(?)ターゲットを最大にし、一方では近づく分娩ステージに向けて牛のボディコンディションを整えるべき後期泌乳牛のため、茎葉飼料の供給源としてBMRトウモロコシを二目的トウモロコシと組み合わせて使用することができる。デンプン消化率およそ80〜85%および粒径A〜Cを有する乾燥ガラス質胚乳トウモロコシを添加すべきである。別の後期泌乳ステージ食餌として、牧草またはリーフィートウモロコシで、BMRトウモロコシを代替させることができる。
本発明の飼養方法のための栄養テンプレートの他の実施形態を、表6に示している。この特定の実施形態において、二目的トウモロコシサイレージ80またはリーフィートウモロコシサイレージ84は、特定の泌乳ステージ向けに最良のベース茎葉飼料を提供し易く、茎葉飼料テンプレートに用いる茎葉飼料成分のおよそ60〜70%の割合を占める。BMRトウモロコシサイレージ86は、1次もしくはベース茎葉飼料とすることができ、あるいはその非常に高い(58〜64%)NDFdレベルにより、全茎葉飼料のNDFdレベルまたは供給物NDFdを調節するため代替させることができる。BMRは特に、環境および収穫管理問題のために高度に変動性のNDFおよびNDFd値を有し易いアルファルファ源のNDFdレベルを安定化する場合のツールとして有効である。食餌のNDFd強化物としてBMRトウモロコシサイレージを利用することは、初期泌乳ステージにある高生産牛、または飼料摂取量(フィル)による制約のある牛にとって重要である。
本発明の飼養方法は、これらの1次茎葉飼料源の使い方に関して、順応性があることを理解するのが重要である。酪農場にとって入手可能な茎葉試料、および飼料成分コストに対する動物の生産量の所望レベルに応じて、1つのこのような供給源、または2つ以上の供給源の組合せを使用することができるであろう。したがって、二目的トウモロコシサイレージ80、リーフィートウモロコシサイレージ84、およびBMRトウモロコシサイレージ86は、1次茎葉飼料源として、あるいは組み合わせて、最高の乾物およびエネルギー摂取ニーズを有する分娩牛および初期泌乳牛に使用できる。中期泌乳牛には、二目的トウモロコシサイレージまたはリーフィートウモロコシサイレージを含む飼料供給物が給餌できる。母性的理由で乳が出なくなるまでに限定された乳量を生産するファーオフ乾乳牛、クローズアップ乾乳牛、および乳を生産しない未経産牛は、NDFdの低い、またはデンプン含量の低い茎葉飼料を給餌する必要があるだけである。BMRトウモロコシサイレージは特にそれらに浪費され、それが原因で過剰な体重の蓄積または状態をもたらし、あるいは代謝性健康問題の原因となるであろう。
表6の栄養テンプレートは、飼料供給物の茎葉飼料種(仕様)を構築するのに要する特定範囲内における、生産ステージによる茎葉飼料源の相乗作用、穀粒消化率、および粒径の仕様の完全な概要を構築している。これには、各生産群について2つの好ましい1次茎葉飼料源および1つの好ましい2次茎葉飼料源、2つの1次茎葉飼料源の百分率、1次サイレージ/2次サイレージ源比率、供給物NDF、ならびに供給物NDFdが含まれる。この栄養テンプレートの開発の背後にある科学には、下記の関係の研究および知識が含まれる:
・トウモロコシサイレージの消化率(およびエネルギー含量)の正確な評価の考え方;
・二目的、リーフィーおよびBMRトウモロコシ雑種の理解および再配合戦略;
・遺伝的に影響を受けるデンプン消化率の機能的データベース;
・デンプンの効果の確固とした知識であって、
穀粒処理(粒径)による、
胚乳型による、
水分による、
成熟度による
効果の知識;
Figure 2009544319
・サイレージ繊維/穀粒および補給源の間の相互作用についての知識/重要性;
・食餌のサイレージおよび穀粒成分についての、これら相互作用に対する動物の応答の正確な予測。
例示的な飼養テンプレートを表7に示している。
Figure 2009544319
表6に示すように、分娩牛について、1次茎葉飼料源は好ましくはリーフィーおよび二目的トウモロコシサイレージの70:30混合物とすべきであり、また60:40の1次/2次茎葉飼料混合物において、2次茎葉飼料源として好ましくはアルファルファまたは牧草を使用すべきである。一方、飼料供給物の乾物部分の33〜37%は、デンプン消化率少なくとも90%および粒径「B」を有する穀粒により提供すべきである。
初期泌乳牛については、栄養士は選択を有する。「初期泌乳(B)」飼料供給物の取組みを採用することができ、その場合茎葉飼料種は、1次/2次茎葉飼料の70:30混合物となり、1次茎葉飼料は二目的トウモロコシサイレージおよびリーフィーまたは二目的トウモロコシサイレージの80:20混合物を含む。穀粒源は、粒径「B〜D」と共にデンプン消化率少なくとも90%を示し、飼料供給物の乾物部分のおよそ35〜40%の割合を占めるべきである。後に続く牛の中期泌乳ステージについては、茎葉飼料種は好ましくは1次/2次茎葉飼料の50:50混合物を含むべきであり、1次茎葉飼料は二目的およびリーフィーまたは二目的トウモロコシサイレージの80:20混合物からなり、2次茎葉飼料はアルファルファとなる。穀粒源は、デンプン消化率およそ85〜90%および粒径「B〜D」により特性付けられ、飼料供給物の乾物のおよそ35〜40%の割合を占めるべきである。
あるいは、本発明の好ましい実施形態において、栄養士は、泌乳サイクルの初期泌乳および中期泌乳ステージの間、乳牛の高乳生産期間に乾物およびエネルギー摂取量を上げるため、BMRトウモロコシサイレージの高繊維消化率特性を利用することを選択でき、一方同時にBMRトウモロコシサイレージは、最適な飼料通過速度に制御し、反すうおよび第1胃緩衝能力を維持し、第1胃内の過剰なプロピオン酸生成およびその結果であるアシドーシスを避けるために、バランスのとれた供給物の一部として注意深く用いる必要があると理解される。図8は、図2の泌乳サイクルおよび乳生産安定性曲線に対するBMRトウモロコシサイレージの好ましい使用を示す。この場合、BMRトウモロコシの使用は、牛が、増大した乳量を生産し、BMRトウモロコシサイレージの強化された繊維消化率によって誘発されて増加した飼料摂取量から利益を得ることができる21〜50日の時期の間に牛の飼料供給物に移行させることができる。このようにして、牛は、飼料供給物中の正味エネルギー不足を補填するための牛自身で貯蔵した体脂肪の利用を避けることができる。これには、表5に示した栄養サブテンプレートの、2次茎葉飼料源としてのアルファルファと共にBMRとリーフィーまたは二目的トウモロコシサイレージの60:40混合物の入った1次茎葉飼料を含む「分娩/初期泌乳(A)」茎葉飼料を必要とするであろう。
50〜150日の間で、乳牛のエネルギーニーズは、乳ピークに達するまで乳生産量が着実に増加するにつれて増加し、次いで負から正エネルギー収支への移行後には減少し、正常に持続する。この時点で、牛のエネルギーニーズは少なくなり、食餌中で必要とするエネルギーが少なくなり、その結果望ましくない体重を身に付けなくなる。したがって牛には、表5に示した、2次茎葉飼料源として選択されたアルファルファと共にBMRとリーフィーまたは二目的トウモロコシサイレージの80:20の1次茎葉飼料混合物を含む「初期/中期泌乳(A)」供給物を給餌すべきである。表5に示すように、この茎葉飼料テンプレートのより高いBMR含量を、BMRトウモロコシサイレージを含まない標準的な初期泌乳(B)供給物の35〜40%デンプン、90%を超えるデンプン消化率、および粒径「B〜D」の特性と比較して、より少ないデンプン(およそ33〜35%)、デンプン消化率(およそ80〜85%)、より粗い粒径「A〜C」を要求するデンプン供給物種(仕様)(初期泌乳(A)供給物参照)でバランスをとるべきである。このようなデンプン量、デンプン消化率および粒径の戦略的調整により、牛の第1胃内でのBMRトウモロコシサイレージの消化により生成されるプロピオン酸量が減り、小腸領域内で起こるより多くの消化に寄与し、それにより牛がアシドーシスに罹患する可能性が減るであろう。
図9に戻って参照すると、「移行-外」期の間に、続いて中期泌乳ステージの残りの間の表6の中期泌乳供給物において、BMRトウモロコシサイレージから牛を離すべきである。この移行-外期の間使用される1次茎葉飼料源は、BMRトウモロコシサイレージ70%とリーフィートウモロコシサイレージ30%との減少した混合物を含有でき、2次茎葉飼料源としてアルファルファが選択される。後に続く中期泌乳ステージの食餌は、BMRトウモロコシサイレージを含有しない。
後期泌乳牛について、茎葉飼料種(仕様)は、好ましくは1次/2次茎葉飼料の50:50混合物とし、1次茎葉飼料はリーフィートウモロコシサイレージおよび牧草の50:50%混合物からなり、また2次サイレージはアルファルファとすべきである。一方、飼料供給物の穀粒部分は、デンプン消化率およそ80〜85%および粒径「A〜C」を示し、飼料供給物の乾物部分のおよそ30〜35%の割合を占めるべきである。
ファーオフ乾乳牛の栄養ニーズは異なっている。1次茎葉飼料は、好ましくはリーフィートウモロコシサイレージおよび牧草の40:60%混合物とすべきである。2次茎葉飼料は、好ましくはアルファルファとし、1次および2次茎葉飼料源は50:50比率とすべきである。穀粒源は、飼料供給物の乾物部分のおよそ25〜28%の割合を占め、デンプン消化率およそ70〜80%および粒径「A〜C」により特性付けられるべきである。
クローズアップ乾乳牛について、1次茎葉飼料源は、好ましくは牧草およびリーフィートウモロコシサイレージの70:30混合物を伴うべきである。2次サイレージ源は、アルファルファとし、1次および2次サイレージ源の40:60混合物とすべきである。穀粒成分は、デンプン消化率およそ80〜90%および粒径「B〜C」を示すべきである。穀粒は、飼料供給物の乾物部分のおよそ34〜37%を構成すべきである。
最後に未経産牛については、1次および2次茎葉飼料の70:30混合物を給餌すべきである。1次茎葉飼料は、好ましくはリーフィートウモロコシサイレージおよび牧草の80:20混合物からなるべきである。2次茎葉飼料源はアルファルファまたは牧草とすべきである。デンプン消化率75%未満および粒径「A〜B」を示す穀粒が、食餌の乾物部分のおよそ25〜30%の割合を占めるべきである。
本発明の飼養方法では、酪農場において表8に示すように茎葉飼料源の一部分を非茎葉飼料繊維源(「NFFS」)で代替することが可能である。これらのNFFS代替物には、ビートパルプ(beet pulp)、シトルスパルプ(citrus pulp)、ダイズ皮(soy hulls)、トウモロコシグルテン飼料(corn gluten feed)(湿潤)、トウモロコシグルテン飼料(乾燥)、蒸留かす(distillers grains)(湿潤または乾燥)、ビールかす(brewers grains)(湿潤または乾燥)、および綿実殻(cottonseed hulls)が含まれる。それらは、表8においてより具体的に示され、それぞれのNFFSについて最大代替量を、生産群による茎葉飼料NDFの割合(%)として示している。このようなNFFS源の使用は、酪農場にさらなる融通性をもたらし、また飼料供給物組成物のコスト削減の可能性を提供している。
Figure 2009544319
収穫環境の悪化のため農場に作付けられた茎葉飼料源から予想される茎葉飼料在庫が不足してきている場合、当農場外の茎葉飼料を購入するアクセスが制約されまたは価格競争力がなくなった場合、あるいは通常の茎葉飼料源に対しこれらのNFFSの購入機会の価格競争力が出てきた場合、ベストパルプ(best pulp)およびダイズヒルズ(soy hills)などの非茎葉飼料NDFおよびNDFd源を、茎葉飼料と代替させて使用することができる。
種々の生産牛群について収益性を最大にする最適サイレージの考え方が存在し得るが、必ずしも全ての酪農場が、それらの酪農組織体または収穫半径内において、これらのトウモロコシサイレージ原料の全3種を栽培し、あるいは他の方法で調達し、区分することが可能ではない。いくつかの酪農場は、これらの異なったサイレージ源を維持するのに要する区分けの段取りを実行するために必要な土地または貯蔵システムを有していない可能性がある。したがって、本発明の飼養方法は、農場刈入れチームが、その作業に最も適合した1種または複数の1次サイレージ源を使用することを可能にするように設計される。しかし、BMRトウモロコシサイレージは、本システムについて投資への見返りを最大にする、最小エーカー数/トン数の茎葉飼料成分である必要があるであろう。
したがって、農場収穫管理者およびその栄養士は、その現在の農場生産、乳牛生産、および現在の飼養戦略について監査する必要がある。この監査には、使用する茎葉飼料モジュール単位を設計するために、茎葉飼料テンプレート36の要件および乳牛生産目標を組み込んでいるであろう。その方程式の一部として、どのサイレージ源を農場で作付けして、乳生産者94それ自身で栽培する必要があるか、それに対しどのサイレージ源を契約栽培96とするか、または第三者から購入することができるかに関して決定を行うことができる。
Figure 2009544319
表9の飼養テンプレートは、本発明のシステムが、生産ステージの最適な供給物を設計および構築するために栄養士に提供する細部レベルの一例である。本飼養テンプレートの成分は、栄養テンプレートで処方された栄養分を牛に供給するために、各乳牛に給餌しなければならない飼料供給物を含む、各生産群の乳牛について推算した1日当り全乾物摂取量を、1次茎葉飼料源(例えばトウモロコシサイレージ)、アルファルファサイレージ/アルファルファ乾草/牧草2次茎葉飼料源、およびブレンドしたトウモロコシ穀粒の乾物ポンド数と共に、提供する。このような栄養テンプレートおよび飼養テンプレートは、酪農場および生産牛群間で異なることを理解されたい。本発明の飼養方法の本質的利点の1つは、栄養テンプレート、飼養テンプレート、およびそれぞれの生産牛群の特定ニーズへの特定飼料成分を、牛に栄養分を供給するため何が理想的であるか、またどんな成分が栄養士に合理的に入手可能であるかに基づいて、個別に調整するその能力である。
本発明の飼養方法の重要な一態様において、生産ステージ内の実質的な数の牛(好ましくは全ての牛)の乳生産レベルを、図3に示した牛再追込み戦略ツール222に従って監視すべきである。畜舎群分け戦略のための乳牛の再バランス化システムによる、泌乳サイクル中の泌乳日数、牛の生殖能力、ならびに食餌組成の変化に応答する個々の牛の乳生産量および乳成分に及ぼす効果をプロットしている。酪農場から送り届けられる試験日データおよび以前のベースライン試験日を組み込むと、畜舎内の牛をプロットして、牛による食餌の生産量効果を測定することができる。以前のベースラインから落ち込む牛を識別して、適切な食餌へと畜舎を移ることをターゲットとする。このシステムの最終的な効果は、供給物の生産効率を測定し、畜舎内での群分けを誤った牛を特定し、また正確な畜舎再バランス化戦略をもたらして、生産性および収益性を最大にし、一方で全体的な牛群の健康を維持することである。
この再追込み戦略により、泌乳サイクルの間、高乳生産牛を低生産牛から分離することが可能になる。このような高乳生産牛についてこの飼料食餌を続けることができ、それにより、低生産牛から邪魔されずに、それらが高乳生産値を達成することが可能になるであろう。一方、栄養士は、別の畜舎に再追込みされている低生産牛向けに、このような牛の泌乳日数ならびに乳生産レベルおよび成分を強化するため、飼料食餌を再配合することができ、またそれらの乳生産を抑える一因となった何らかの牛群健康問題に取り組むことができる。このことは、全体の生産牛群について乳生産収量データだけが監視され、全ての牛が同一の供給物に合わせて待遇される従来の牛飼養の実際からの意義深い新発展を表している。
図10においてより完全に示されるように、それぞれの牛の現在の畜舎グループ、ならびにそれぞれの牛についての乳生産レベル、乳成分などを識別するデータが、搾乳所で酪農家または栄養士により維持されているコンピュータ150に入力される。次いでこのデータを定期的に(例えば週1回または月1回)、Dairy Herd Improvement Association(「DHIA」)により提供されるもの、または当業界内で入手可能なDairy-Comp 305などのデータ転送リンクを介して第三者栄養士のコンピュータ152に転送する。専有的(proprietary)ソフトウエアを使用して、この栄養士は、現在の生産群にある牛についての乳生産の生データ154を、簡単な理解し易いグラフ156に変換することができ、その中ではそれぞれの牛の以前の乳量(ベースライン)が、その牛の乳量増加または減少に対してプロットされる。次いで、得られたベースライン158の上方または下方における牛の分布により、高生産群(畜舎A)160および低生産群(畜舎B)162に分けることが可能になる。第三者栄養士は、応答データ組合せ164、すなわちそれらの牛の再群分け策(畜舎A対畜舎B)、畜舎A高生産牛向けの乳生産および安定性の可能性をさらに解放する新たな栄養テンプレート、ならびに畜舎B低生産牛向けの、それらを乳生産のベースラインに少なくとも戻し、かつそれらの下がった乳量の一因となっている何らかの困難な健康問題に取り組むための新たな栄養テンプレートを酪農場に転送して戻すことができる。したがって、この畜舎再群分けツールを使用すると、生産サイクル内で牛を飼養する栄養テンプレートが、それらのリアルタイムニーズに対応して劇的に変わる。
本出願中、図3に示したリアルタイム特性付けツール226に数回言及している。それは、出願人に発行された発行済み米国特許第7,174,672号、出願人により2006年10月20日に提出された同時係属のU.S.S.N.11/584,767、およびこれと同一年月日に出願人により提出された「System for Real-Time Characterization of Ruminant Feed Components」と題する同時係属出願においてより完全に記述され、これらの全ては、それらの全体を参照により本明細書に組み込んでいる。農場における茎葉飼料および穀粒成分の現在の在庫、ならびに酪農場により作付けできる任意の新たな茎葉飼料および穀粒作物は、リアルタイムで特性付ける必要がある。それぞれの畑の代表的な試料を入手し、予め開発された対応する予測式による所要の波長で、NIRSを使用して走査する。それぞれの畑における作物の繊維消化特性は、この方程式を使用して予測される。その上、デンプンおよび茎葉飼料源のデンプン消化率特性もこの方程式の組合せを使用して予測される。次いで、このデンプン特性を使用して、飼料供給物中の多様な供給源の第1胃利用性デンプン(RAS)および第1胃バイパスデンプン(RBS)を測定する。さらに、予測式は、茎葉飼料、または異なる粒径についてのデンプン成分の繊維またはデンプン消化率特性を予測することができる。これらのデンプン値を、供給物中の1次および2次茎葉試料源両方の繊維消化率(NDFd)と組み合わせると、乳牛の生産ステージによる正確かつ安全な食餌を構築する飼料プログラミングにおいてRFIの計算を使用することが可能になる。著しく価値あることは、「あるがままの」水気のある作物試料を、従来の実験室NIRS機器が一般に要したように乾燥および粉砕する必要性なしに、リアルタイムで評価することができるという事実である。
このNIRS分析は、実験室で、または携帯型NIRS機器を使用して野外で行われる。これらの形質を測定する方法は、比較的速い、例えばリアルタイムであることが望ましい。リアルタイムとは、デンプンおよび繊維消化率の結果を、試料を入手し試験した時から48時間以内に、より好ましくは試料を入手し試験した時から24時間以内に得ることを指す。
簡単に説明すると、NIRS方法は、デンプンおよび繊維消化率などの既知の特性を有する1組の収穫作物試料を入手することを含む。これらの特性を、上述のIVSDおよびNDFd測定方法により測定する。当技術分野で知られている他のデンプンおよびNDFd測定方法を使用することが、同様にできる。これらの収穫作物試料を、近赤外スペクトルで走査する。次いで近赤外スペクトルの反射率を記録する。各形質についての予測式は、各試料の組合せについて、波長にわたる反射率に対し既知の測定された特性を回帰させることによって開発される。
各形質について、独立な1組の試料の、目的の特性を予測することにより、予測式が確認される。本発明により、対象となる測定される特性は:穀粒では、穀粒、トウモロコシサイレージ、HMCまたは乾燥トウモロコシ中のIVSD%、および粒径である。これらの値は、特定の消化期間、通常7時間における第1胃デンプン消化率の速度および程度を反映する。IVSDは、6mm、4mm、2mm、2UDおよび1UDなどの異なる粒径で測定すべきである。茎葉飼料源については、対象となる特性には、乾物含量、NDF、繊維消化率(NDFd)、リグニン含量、インビトロ全植物消化率(IVTD)、トウモロコシサイレージデンプン消化率(IVSD-CS)、種々のチョップ長さにおけるトウモロコシサイレージ粒径(peNDF)および保全処理方法が含まれる。最後に、飼料供給物で使用される、二目的トウモロコシ、リーフィートウモロコシ、BMRトウモロコシ、牧草(サイレージ/乾燥)、アルファルファ(サイレージ/乾燥)、およびBMR茎葉飼料ソルガムを含む、種々の作物種について別々の方程式が開発されるべきである。
近赤外反射率分光法(NIRS)は、茎葉飼料および飼料原料の化学組成の迅速、正確および精度良い測定のための非破壊機器方法である。NIRSは、飼料および茎葉飼料分析、および工業的使用向けに受け入れられている技術である。NIRSはいくつかの明確な利点、すなわち分析の速度、試料の非破壊分析、試料調製の単純性、ならびに1試料でいくつかの分析を終わることができること、を有する。NIRS分析は、実施するのが比較的簡単なので、作業者によって生じる誤差が低減される。
インビトロでデンプン消化率を測定するため、第1胃内微生物を含有する第1胃液を播種した培地での種々の長さの時間にわたるインキュベーション前および後におけるデンプン濃度について、いくつかの遺伝的に異なる収穫作物を含む1組の収穫作物試料を分析している。デンプン分解性は、対象としたそれぞれの時点の試料中の全デンプンの割合(%)としての、消失したデンプン量として計算している。デンプン濃度は、市販の分析キットを使用し、加水分解前および後のグルコース濃度の分析により測定することができる。グルコース濃度は、グルコース酸化酵素法を使用し酵素的に、または高速液体クロマトグラフィにより測定できる。インビトロで飼料消化率を測定する一般的方法については、GoeringおよびVan Soest(1970)を参照されたい。代替的方法は、ウシまたはヒツジの第1胃内の多孔性袋内で、飼料試料をインキュベートすることである(PhilippeauおよびMichalet-Doreau、1997)。
インビトロで繊維消化率を測定するため、乾燥した植物組織をWiley(登録商標)ミルで1mmふるいを通過するまで摩砕した。試料0.5gを使用し、GoeringおよびVan Soest(1970)の方法を修正して使用し、30時間などの対象の動物の第1胃滞留時間を表すインキュベート時間で、インビトロ真消化率(IVTD)およびインビトロ中性デタージェント繊維消化率を測定した。未消化IVTD残渣を、中性デタージェント繊維(NDF)手順(GoeringおよびVan Soest、1970)に付した。Mertens(1991)により記述されるように、NDF手順の修正方法は、還流の間および再び試料濾過の間、0.1mlのアルファアミラーゼにより全試料を処理することであった。Mertens(1991)により、アルファアミラーゼは、使用前に活性を試験した。それぞれの試料についてのNDF消化率(dNDF)は、式:100*[(NDF-(100-IVTD))/NDF]で計算した。
本発明からの価値創造には、茎葉飼料の茎葉飼料品質パラメーターおよび穀粒のデンプン消化率プロフィールを画定する実験値の正確さが最優先される。茎葉飼料および穀粒種の相乗作用を最大にし、茎葉飼料源の茎葉飼料相乗作用を捉える茎葉飼料テンプレートの正確さを最大にし、また飼養テンプレートを適正に開発するには、正確な特性付けが必要である。したがって特性付け方法の正確さおよび一貫性を維持するためNational Forage Testing Association(NFTA)により認定された分析実験室だけを使用することが重要である。
本発明は、茎葉飼料および穀粒を共に特性付けして、それぞれの特性付けされた形質について履歴ベースラインを確立するため、承認された認定実験室を必要とする。このベースラインを使用して、所与の生育時期内に、茎葉飼料品質形質ならびに栄養テンプレートに使用される茎葉飼料および穀粒両方の飼料価値可能性に及ぼす、雑種の遺伝的効果および環境的効果を決定することができる。次いで栄養テンプレートについて正確な調節を行って、それぞれの乳牛生産ステージ向けに得られた飼養テンプレートの正確さを維持することができる。
飼料成分のために必要な優れた茎葉飼料および穀粒の遺伝的特性の遺伝的開発において、同一のリアルタイム特性付け方法が使用される。リアルタイムでの特性付けにより、育種過程の形質強化の方向、進展およびレベルが測定される。それは、発明適用のための最高性能の遺伝的特性を選別および特定するデータベース開発ツールとしても使用される。さらに、このツールは、油含有物、粗タンパク質およびNDFなどの、NDFdおよびIVSD以外の品質形質を評価するため使用することができる。
上記の明細書、図面およびデータは、本発明の飼養方法および得られた飼料組成物の完全な記述を提供する。本発明の多くの実施形態は、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされることができるので、本発明は、本明細書において以後に添付される特許請求範囲の中に存在するものである。

Claims (31)

  1. 複数ステージの泌乳サイクルにわたって、乳牛における乳生産安定性を高め、泌乳期間当りの合計乳生産量および乳成分の正味増加をもたらす方法であって、
    (a)特定の生産ステージについて、褐色中肋トウモロコシサイレージ、二目的トウモロコシサイレージ、リーフィートウモロコシサイレージおよび牧草サイレージからなる群から、特定のNDFおよびNDFdレベルを有する供給茎葉飼料組成物を作り出すための1次茎葉飼料源を選択するステップと、
    (b)茎葉飼料から特定レベルの茎葉飼料粒径および粗タンパク質を提供することにより1次茎葉飼料源を相補する2次茎葉飼料源を選択するステップであり、該2次茎葉飼料源が、前記生産ステージについて二目的トウモロコシサイレージ、アルファルファヘイレージ、アルファルファ乾草、牧草サイレージおよびアルファルファ/牧草混合物からなる群から選択されるものである、上記ステップと、
    (c)不透明/粉質胚乳デンプンおよびガラス質/硬質胚乳デンプントウモロコシ穀粒の別々の供給源を選択し、前記生産ステージについて該トウモロコシ穀粒源をデント生殖質ベース穀粒とブレンドして、牛に、穀粒の消化時にこのようなデンプンの適正な消化レベルおよび部位ならびに最適なプロピオン酸の生成をもたらすインビトロデンプン消化率レベルを達成するステップと、
    (d)前記生産ステージについて、特定の粒径のブレンドしたデンプンを生成させて、前記牛内のプロピオン酸生成のレベルおよび部位をさらに微調整する保持方法を適用するステップと、
    (e)前記生産ステージについて、組み合わせて茎葉飼料供給物とする1次サイレージ、2次サイレージ、不透明/粉質胚乳デンプントウモロコシ穀粒、およびガラス質/硬質胚乳デンプントウモロコシ穀粒の量を決定するステップであり、茎葉飼料供給物が牛により消費された場合、前記量により、最適な飼料摂取レベルおよびデンプン分解部位、ならびに乳生産の特性の強化に利用するエネルギー摂取について牛内部の第1胃環境が最適化されるものである、上記ステップと
    を含む方法。
  2. 乳生産量ピークの強化をさらに含む、請求項1に記載の飼養方法。
  3. 乳成分の強化をさらに含む、請求項1に記載の飼養方法。
  4. 1次茎葉飼料源が褐色中肋トウモロコシ、二目的トウモロコシ、リーフィートウモロコシおよび牧草からなる群から選択される2種以上のサイレージを含む、請求項1に記載の飼養方法。
  5. 1次茎葉飼料源が、「移行分娩」ステージの間の飼料供給物向けに、牧草、またはリーフィートウモロコシサイレージからなる、請求項1に記載の飼養方法。
  6. 1次茎葉飼料源が、「初期泌乳/中期泌乳」ステージの間の飼料供給物向けに、褐色中肋トウモロコシサイレージ、またはリーフィートウモロコシサイレージからなる、請求項1に記載の飼養方法。
  7. 1次茎葉飼料源が、「後期泌乳」ステージの間の飼料供給物向けに、褐色中肋トウモロコシサイレージ、牧草、またはリーフィートウモロコシサイレージからなる、請求項1に記載の飼養方法。
  8. 2次茎葉飼料源が、「初期泌乳/中期泌乳」ステージの間の飼料供給物向けに、二目的トウモロコシサイレージ、またはヘイレージからなる、請求項1に記載の飼養方法。
  9. 2次茎葉飼料源が、「後期泌乳」ステージの間の飼料供給物向けに、二目的トウモロコシサイレージからなる、請求項1に記載の飼養方法。
  10. 1次茎葉飼料源が、主として褐色中肋トウモロコシサイレージを含む、請求項1に記載の飼養方法。
  11. (a)1次茎葉飼料源が、
    (i)泌乳サイクルの21〜50日の間の飼料供給物向けに褐色中肋トウモロコシサイレージ約60%、およびリーフィーまたは二目的トウモロコシサイレージ約40%、
    (ii)泌乳サイクルの50〜150日の間の飼料供給物向けに褐色中肋トウモロコシサイレージ約80%、およびリーフィーまたは二目的トウモロコシサイレージ約20%
    を含み、
    (b)ブレンドしたトウモロコシ源が、約80〜85%のデンプン消化率、および少なくとも約1.0mmの粒径を示し、飼料供給物の乾物部分の約33〜35%の割合を占める、
    請求項10に記載の飼養方法。
  12. 「分娩牛」ステージのための飼料供給物中のNDFの範囲が、約32〜34%である、請求項1に記載の飼養方法。
  13. 「初期泌乳」ステージのための飼料供給物中のNDFの範囲が、約28〜30%である、請求項1に記載の飼養方法。
  14. 「中期泌乳」ステージのための飼料供給物中のNDFの範囲が、約30〜32%である、請求項1に記載の飼養方法。
  15. 「後期泌乳」ステージのための飼料供給物中のNDFの範囲が、約32〜34%である、請求項1に記載の飼養方法。
  16. 「ファーオフ乾乳」ステージのための飼料供給物中のNDFの範囲が、約40〜45%である、請求項1に記載の飼養方法。
  17. 「クローズアップ乾乳」ステージのための飼料供給物中のNDFの範囲が、約35〜40%である、請求項1に記載の飼養方法。
  18. 未経産牛のための飼料供給物中のNDFの範囲が、少なくとも約40%である、請求項1に記載の飼養方法。
  19. 「分娩牛」ステージのための飼料供給物について、前記ブレンドしたトウモロコシ穀粒源が、少なくとも90%のデンプン消化率、および約2.0〜3.0mmの粒径を示す、請求項1に記載の飼養方法。
  20. 「初期泌乳」ステージのための飼料供給物について、前記ブレンドしたトウモロコシ穀粒源が、少なくとも90%のデンプン消化率、および約0.5〜3.0mmの粒径を示す、請求項1に記載の飼養方法。
  21. 「中期泌乳」ステージのための飼料供給物について、前記ブレンドしたトウモロコシ穀粒源が、約85〜90%のデンプン消化率、および約0.5〜3.0mmの粒径を示す、請求項1に記載の飼養方法。
  22. 「後期泌乳」ステージのための飼料供給物について、前記ブレンドしたトウモロコシ穀粒源が、約85〜90%のデンプン消化率、および少なくとも約1.0mmの粒径を示す、請求項1に記載の飼養方法。
  23. 「ファーオフ乾乳」ステージのための飼料供給物について、前記ブレンドしたトウモロコシ穀粒源が、約70〜80%のデンプン消化率、および少なくとも約1.0mmの粒径を示す、請求項1に記載の飼養方法。
  24. 「クローズアップ乾乳」ステージのための飼料供給物について、前記ブレンドしたトウモロコシ穀粒源が、約80〜90%のデンプン消化率、および約1.0〜3.0mmの粒径を示す、請求項1に記載の飼養方法。
  25. 未経産牛のための飼料供給物について、前記ブレンドしたトウモロコシ穀粒源が、75%未満のデンプン消化率、および少なくとも約2.0mmの粒径を示す、請求項1に記載の飼養方法。
  26. 所望のデンプン消化率レベルを達成するために、通常のデント胚乳穀粒またはマット穀粒を粉質胚乳デンプンおよび/またはガラス質胚乳デンプントウモロコシ穀粒とブレンドするステップをさらに含む、請求項1に記載の飼養方法。
  27. 少なくとも1種の茎葉飼料源のNDFd含量、または少なくとも1種のデンプン源のIVSD含量をリアルタイムで特性付けして、混合して飼料供給物にする1次茎葉飼料、2次茎葉飼料、粉質胚乳デンプントウモロコシ穀粒、およびガラス質胚乳トウモロコシ穀粒の適正量をより正確に決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の飼養方法。
  28. 飼料供給物を調製する前に、飼料供給物中の茎葉飼料源およびデンプン源からの全NDFdおよびIVSDを明らかにする供給物発酵性指数(「RFI」)の計算をさらに含む、請求項1に記載の飼養方法。
  29. 生産ステージが決定されるまでの間にRFIが再計算され、このような新たなRFIに応じて飼料供給物が再配合される、請求項28に記載の飼養方法。
  30. 第1の時点において生産ステージ群内の少なくとも1頭の牛について乳生産量値の計算を行って、ベースライン値を確立し、続いて生産ステージ内の第2の時点で前記牛について乳生産量値の計算を行い、第2の乳生産量値をベースライン値と比較して、牛を生産ステージ群内の他の牛と分離し、生産ステージの間に再配合した飼料供給物を給餌すべきかどうかを決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の飼養方法。
  31. 請求項1に記載の方法により調製される乳牛向け飼料供給物。
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