JP6297993B2 - アブラヤシ副産物の処理方法及び可食物 - Google Patents

アブラヤシ副産物の処理方法及び可食物 Download PDF

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Description

本発明は、アブラヤシから粗パーム油を抽出する際に分離される果肉繊維残渣及び排液を用いて、可食物を生成するアブラヤシ副産物の処理方法及びその方法によって製造された可食物に関する。
一般に、図6に示すように、収穫した果房(FFB)からパーム油(palm oil)を製造するときは、アブラヤシの果房が蒸煮処理され、ストリッパーによって果実と空果房(EFB)とに分離される。果実は、圧搾機によって圧搾され(A−1)、搾汁と圧搾残渣に分離される。その際、種子が圧搾されずに分離される。搾汁からは粗パーム油が抽出される(A−2)。この場合、搾汁は、スラッジが取り除かれ、遠心分離機等で油分が粗パーム油として採取され、残りは排液(POME)とされる。粗パーム油は、精製機によって精製されてパーム油となる。一方、圧搾残渣は、果肉繊維残渣を主とし、その他に果実皮や種子皮等の皮残渣を含み、乾燥器で、ある程度乾燥した後、粉砕機で粉砕する。
また、種子は、内部のパーム核(Palm Kernel)と、種皮(Palm Kernel Shell(PKS))とからなる。この種子のパーム核は種皮から分離され、圧搾されてパーム核油(PKO)として抽出される(A−3)。また、残渣としてパーム核ミール(PKM)が副産される。
ところで、パーム油の生産において、副産物としての排液は、主に廃棄されているが、環境汚染を防止し、また、有効利用の観点から、従来においては、この排液を濃縮して飼料等の可食物にする技術が開発されている。この技術としては、本願発明者が先に提案し、特許第5624229号公報(特許文献1)に掲載された技術が知られている。これは、アブラヤシの果房から果実を取り出し、この果実を圧搾して粗パーム油を抽出する際に副産される果肉繊維残渣及び排液を利用したもので、果実の圧搾残渣から皮残渣を可能な限り取り除いて果肉繊維残渣を得る分離工程と、排液を濃縮する濃縮工程と、濃縮工程で濃縮された濃縮液に分離工程で得られた果肉繊維残渣を混合して混合物を生成する混合工程と、混合工程で生成された混合物を乾燥して可食物を生成する乾燥工程とを備えている。この可食物によれば、排液は有機物を含み、デンプンや糖成分等の養分も豊富であり、この排液を乾燥させて生成したことから、脂質,糖質及びたんぱく質を含んで栄養価に富むとともに、繊維質なので消化性に優れる。また、繊維質の粉粒状になっているので、取り扱いも容易になる。
特許第5624229号公報
ところで、上記の可食物においては、脂質,糖質及びたんぱく質を含み優れているが、脂質,糖質に比較してたんぱく質の量がやや少ないことから、たんぱく質の成分比を増すことが望まれる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、排液を可食物として生成できるようにするとともに、たんぱく質の量を増加させるようにしたアブラヤシ副産物の処理方法及びその方法で製造した可食物の提供を目的とする。
このような目的を達成するため、本発明のアブラヤシ副産物の処理方法は、アブラヤシの果房から果実を取り出し、この果実を圧搾して粗パーム油を抽出する際に副産される果肉繊維残渣及び排液を利用したアブラヤシ副産物の処理方法であって、
上記果実を圧搾するときに分離される種子からパーム核油を抽出する際に副産される残渣であるパーム核ミールを用い、
上記果実の圧搾残渣から皮残渣を可能な限り取り除いて果肉繊維残渣を得る分離工程と、上記排液を濃縮する濃縮工程と、該濃縮工程で濃縮された濃縮液に上記分離工程で得られた果肉繊維残渣を混合して混合物を生成する混合工程と、該混合工程で生成された混合物を乾燥して可食物を生成する乾燥工程とを備え、
上記混合工程以降に、上記パーム核ミールを混合する構成としている。
即ち、本発明は、アブラヤシの果房から粗パーム油を抽出する際に副産される排液と果肉繊維残渣とを混合し、乾燥させて可食物を生成する。また、果実を圧搾するときに分離される種子からパーム核油を抽出する際に副産される残渣であるパーム核ミールを用い、このパーム核ミールを添加混合して可食物を生成する。
果実を圧搾機で圧搾して粗パーム油を抽出した後の果実の圧搾残渣は、果肉繊維残渣を主とし、その他に果実皮や種子皮等の皮残渣を含む。果肉繊維は排液を容易に吸収し、消化もよいが、果皮繊維は排液を吸収しないし、消化が難しいので分離する必要がある。そのため、分離工程において、果肉繊維残渣は、果実皮や種子皮等の皮残渣とは大きさや比重が異なるので、圧搾残渣からこれらの皮残渣を分離機でできるだけ取り除き、果肉繊維残渣を有効利用する。なお、排液は、果実の搾汁からのものが主であるが、果房から果実を取出す際に生じる廃液、残渣を処理する際の廃液を含んでいてもよい。
また、果実の圧搾の際には、種子が圧搾されずに分離される。この種子は、内部のパーム核と、種皮とからなり、パーム核は種皮から分離され、圧搾されてパーム核油として抽出される。本発明は、このパーム核油を抽出する際に副産される残渣であるパーム核ミール(パーム核粕)を用いる。パーム核ミールとしては、通常のパーム核油製造工程において産出されるもので、特に産地や製法等を限定するものではない。パーム核ミールの混合は、混合工程以降であれば、どの時点で行なっても良く、また、複数回に分けて行なっても良い。例えば、混合工程で行ない、及び/または、乾燥工程後に行なう。乾燥工程後に行う場合には、他と良く混合し、ムラがでないようにする。
これにより、混合工程においては、果肉繊維は繊維質なので吸収性に富むことから、排液は果肉繊維内に浸透して混合していく。また、排液を混合前に濃縮するので、それだけ、水分量が少なくなっており、乾燥工程での負担を低減することができるとともに、排液中の有機物が凝縮することから、デンプンや糖成分等の養分の密度を高くすることができる。生成された可食物においては、排液は有機物を含み、デンプンや糖成分等の養分も豊富であり、パーム核ミールもマンナンをはじめとするヘミセルロース、糖脂質及びタンパク質を含むので、栄養価に富むとともに、繊維質なので消化性に優れる。特に、パーム核ミールは、タンパク質を比較的多く含むので、排液のみの場合に比較してたんぱく質を増加させることができ、より一層、栄養価を向上させることができる。更にまた、この可食物は繊維質の粉粒状になっているので、取り扱いも容易になる。そのため、例えば、これを飼料として、そのまま、あるいは、他の飼料に混合して用いることができる。
また、本発明は、上記混合工程で、パーム核ミールを混合することが有効である。パーム核ミールは、排液とともに果肉繊維内に浸透して混合していくので、満遍なく分散し、ムラのない可食物にすることができる。
更に、本発明は、上記混合工程で、上記果肉繊維残渣1重量部に対して、上記濃縮液を3〜10重量部混合し、上記パーム核ミールを0.1〜10重量部混合することができる。
これにより、排液及びパーム核ミールの養分を果肉繊維内に確実に融合させることができる。また、栄養価バランスを良好にすることができる。
更にまた、本発明は、上記濃縮工程で、濃縮液の有機物の含有量が10〜30重量%になるように濃縮する方法とすることもできる。このようにすると、混合前に濃縮するので、それだけ、水分量が少なくなっており、乾燥工程での負担を低減することができる。確実に養分を凝縮することができ、可食物の栄養価をより一層向上させることができる。
本発明は、上記空果房を主とする副産物を圧搾処理して粗パーム油の残油を抽出する残油抽出工程を備え、上記混合工程において、上記残油抽出工程で抽出した残油を上記濃縮液及び果肉繊維残渣に添加する方法とすることもできる。
このようにすると、粗パーム油を抽出する際に分離されて副産される空果房には、分離されずに付着した果実が残っており、そのため、空果房を主とする副産物を圧搾処理すると、粗パーム油の残油が抽出される。この粗パーム油の残油を混合するので、この残油の栄養成分を可食物に反映させることができ、可食物の栄養価をより一層向上させることができる。また、残油を利用するので、無駄がなく、省力化を図ることができる。
この場合、上記混合工程で、上記果肉繊維残渣1重量部に対して、上記濃縮液を3〜10重量部、上記残油を0.1〜1重量部混合することが有効である。残油の量が1重量部を超えると、油成分が過多になる。また、残油であるのでその生成量は少ないが、これを最大限利用することができる。
また、本発明は、上記乾燥工程で、混合物を水分量が15重量%以下、望ましくは、13重量%以下になるまで乾燥して可食物を生成する方法とすることもできる。このようにすると、取り扱いが容易になるとともに、主に飼料として有用になる。
本発明の可食物は、上記のアブラヤシ副産物の処理方法によって処理されて製造される。本発明の可食物は、種々の可食物として利用することができるが、特に、飼料として用いるときには、そのまま、又は、他の飼料に混合して容易に用いることができる。
本発明によれば、排液と果肉繊維残渣とを混合し、乾燥させて可食物を生成するので、果肉繊維は繊維質なので吸収性に富むことから、排液を果実繊維内に効率よく浸透させながら混合させることができる。生成した可食物は、排液は有機物を含み、デンプンや糖成分等の養分も豊富であり、パーム核ミールもマンナンをはじめとするヘミセルロース、糖脂質及びタンパク質を含むので、栄養価に富むとともに、繊維質なので消化性に優れる。特に、パーム核ミールは、タンパク質を比較的多く含むので、排液のみの場合に比較してたんぱく質を増加させることができ、より一層、栄養価を向上させることができる。更にまた、この可食物は繊維質の粉粒状になっているので、取り扱いも容易になる。そのため、例えば、これを飼料として、そのまま、あるいは、他の飼料に混合して用いることができる。
本発明の実施の形態に係るアブラヤシ副産物の処理をおこなうためのパーム油生産システムの全体概略図である。 本発明の実施の形態に係るアブラヤシ副産物の処理方法を実施するためのシステム図である。 本発明の実施の形態に係るアブラヤシ副産物の処理方法を示す工程図である。 本発明の実施例で用いた排液の成分を示す成分表である。 本発明の実施例で用いたパーム核ミールの成分を示す成分表である。 アブラヤシ果房から粗パーム油及びパーム核油を抽出する一般的な工程図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すパーム油生産システムにおいては、アブラヤシ農場1で栽培したアブラヤシの果房を収穫し、この果房からパーム油工場2で粗パーム油及びパーム核油を抽出する。また、この粗パーム油を抽出する際には、空果房,果肉繊維残渣及び排液を含む副産物が副産され、パーム核油を抽出する際には、パーム核ミールが副産され、これらは後述の本発明の実施の形態に係るアブラヤシ副産物の処理方法Sにより処理を行う。この実施の形態に係るアブラヤシ副産物の処理方法Sにおいては、この副産物を用いた可食物が製造される。
アブラヤシ副産物の処理方法Sにおいては、空果房を主とする空果房残渣が副産されるとともに、低濃度の排液が副産される。空果房残渣は、ボイラ装置3の燃料として用いられる。ボイラ装置3においては、高温ガスと蒸気が生成されるが、これらは、後述のアブラヤシ副産物の処理方法Sにおいて、熱源として利用される。また、ボイラ装置3においては、蒸気を利用した発電機4による発電を行うことができる。更に、ボイラ装置3においては、空果房残渣の燃焼により、焼却灰が副産される。焼却灰には、燃焼の排気から集塵した集塵灰も含む。
そして、パーム油生産システムにおいては、アブラヤシ副産物の処理方法Sにおいて副産された低濃度の排液の一部と、ボイラ装置3で副産された焼却灰と、養鶏場から出てくる鶏糞とを混合して、肥料を製造する。この肥料は、アブラヤシ農場1において、アブラヤシに施肥される。このように、本パーム油生産システムにおいては、アブラヤシ副産物を用いて、可食物(飼料)を生産するとともに、肥料を生産してこれをアブラヤシの栽培に用いることにより、今まで廃棄していたものを有効利用し、リサイクルを行うのである。また、アブラヤシ農場1では、アブラヤシの連作障害が生じやすいが、肥料を施肥することから、しかも、この肥料はアブラヤシの副産物を利用し、鶏糞のリン酸成分を多く含んで、有効成分が豊富であることから、アブラヤシに極めて有効に作用し、連作障害を抑止することができるようになる。
次に、本発明の実施の形態に係るアブラヤシ副産物の処理方法Sについて説明する。
このアブラヤシ副産物の処理方法Sは、図1及び図2に示すように、アブラヤシの果房から粗パーム油を抽出する際に分離される空果房,果肉繊維残渣及び排液を含む副産物のうち、少なくとも排液と果肉繊維残渣とを混合し、乾燥させて可食物を生成するものである。またこの処理方法Sにおいては、果実を圧搾するときに分離される種子からパーム核油を抽出する際に副産される残渣であるパーム核ミールを用い、これを混合して可食物を生成する。
上述したように、収穫した果房(FFB)からパーム油(palm oil)を製造する際は、先ず果房が蒸煮処理され、ストリッパーによって果実と空果房(EFB)とに分離される。果実は、圧搾機(図示せず)によって圧搾され、搾汁から粗パーム油が抽出される。この場合、搾汁は、スラッジが取り除かれ、遠心分離機等で油分が粗パーム油として採取され、残りは排液(POME)として副産される。粗パーム油は、精製機によって精製されてパーム油となる。
また、果実の圧搾の際には、種子は圧搾されずに分離される。この種子は、内部のパーム核(Palm Kernel)と、種皮(Palm Kernel Shell(PKS))とからなる。この種子のパーム核は種皮から分離され、圧搾されてパーム核油(PKO)として抽出される。また、残渣としてパーム核ミール(PKM)が副産される。パーム核ミールは粉砕されて粉砕物となる。
本実施の形態に係るアブラヤシ副産物の処理方法Sは、図3に示すように、果実の圧搾残渣から皮残渣を可能な限り取り除いて果肉繊維残渣を得る分離工程(1)と、空果房を主とする副産物を圧搾処理して粗パーム油の残油を抽出する残油抽出工程(2)と、排液を濃縮する濃縮工程(3)と、濃縮工程で濃縮された濃縮液に、分離工程で得られた果肉繊維残渣及び粉砕されたパーム核ミールを混合して混合物を生成する混合工程(4)と、混合工程で生成された混合物を乾燥して可食物を生成する乾燥工程(5)とを備えている。以下各工程について詳細に説明する。
(1)分離工程
圧搾機で得られた圧搾残渣は、果肉繊維残渣を主とし、その他に果実皮や種子皮等の皮残渣を含むもので、乾燥器である程度乾燥した後、粉砕機で粉砕される。
実施の形態において用いられる果肉繊維残渣は、果実皮や種子皮等の皮残渣とは大きさや比重が異なるので、図2に示すように、圧搾残渣からこれらの皮残渣を分離機5(ファイバー振り分け機)でできるだけ取り除くことが好ましい。排液は、果実の搾汁からのものが主であるが、果房から果実を取出す際に生じる廃液、残渣を処理する際の廃液を含んでいる。
(2)残油抽出工程
空果房を主とする副産物を破砕するとともに、この破砕物を圧搾処理する破砕・搾油装置6を用いる。上述したように、この破砕・搾油装置6には、ボイラ装置3で生成された蒸気が供給されており、この蒸気により破砕物が加熱されて、搾油し易くさせられる。これにより、粗パーム油の残油が抽出され、タンク6aに貯留される。
(3)濃縮工程
排液を濃縮する。排液は、タンク7に貯留されており、油分,デンプン,果糖,植物繊維,水分を含む。濃縮前に、スラッジや汚泥を濾過等で分離しておくことが望ましい。濃縮の方法としては、例えば、排液を噴霧して、これに熱風をあて加熱蒸発させる方法、逆浸透膜を用いて濃縮する方法、減圧下で加熱する方法等があるが、実施の形態では、濾過型の濃縮装置8を用いている。
この濃縮装置8においては、容器の中にステンレス製の500〜1,500メッシュの網籠が3重構造で収納されており、この容器内に排液を入れて、撹拌ブレードで撹拌しながら網籠で濾過することにより、排液の濃縮化をおこなう。濃縮液は濃縮タンク9に貯留される。
濃縮されない低濃度廃液は、一部が上記の肥料製造用として用いられ、他は池等に貯留されて廃棄される。この濃縮工程では、濃縮液の有機物の含有量が10〜30重量%になるように濃縮する。
(4)混合工程
混合装置10を用いて、濃縮工程で濃縮された濃縮液に果肉繊維残渣を混合するとともに、パーム核ミールを混合して、混合物を生成する。この混合工程においては、残油抽出工程で抽出した残油を濃縮液及び果肉繊維残渣に添加する。果肉繊維残渣は、定量機11で定量されて混合装置10に供給される。この場合、果肉繊維残渣1重量部に対して、濃縮液を3〜10重量部、パーム核ミールを0.1〜10重量部、残油を0.1〜1重量部混合する。排液を濃縮してから果肉繊維残渣と混合しているので、果肉繊維との融合が容易になる。また、パーム核ミールも、排液とともに果肉繊維内に浸透して混合していくので、満遍なく分散させることができる。
(5)乾燥工程
乾燥装置12により、混合工程で生成された混合物を乾燥する。乾燥に用いる乾燥装置12は、ドラムを有したロータリーキルン型のものであり、ドラム内には、ボイラ装置3から排出される高温ガスが通されるとともに、ドラムの外側には蒸気が通される。また、ドラムの外側には、外部加熱用温水も供給されて加温に供され、これにより、混合物は乾燥させられる。
この乾燥工程では、混合物を水分量が15重量%以下になるまで乾燥して可食物を生成する。混合物の水分量は、望ましくは、13重量%以下である。乾燥装置12に供給された蒸気は、液化するが、これはボイラ装置3側の給水タンク13に回収されて再度ボイラ装置3で加熱され、循環する。
このように処理されて生成された可食物は、乾燥して繊維質の粉粒状になっており、そのため、取り扱いが容易であり、例えば、飼料として用いる場合に、そのまま、あるいは、他の飼料に混合して用いることができる。また、排液は有機物を含み、デンプンや糖成分等の養分も豊富であり、パーム核ミールもマンナンをはじめとするヘミセルロース、糖脂質及びタンパク質を含むので、栄養価に富むとともに、繊維質なので消化性に優れる。特に、パーム核ミールは、タンパク質を比較的多く含むので、排液のみの場合に比較してたんぱく質を増加させることができ、より一層、栄養価を向上させることができる。
次に、本発明の実施例を示す。
実施例においては、排液として、図4に示す成分のものを用いた。また、パーム核ミールとして、図5に示す成分のものを用いた。たんぱく質の分量が多いのが分かる。
排液を、濃縮装置8に供給し(360Kg/h,有機物濃度80,000PPM)、濃縮液を得た(有機物濃度160,000PPM)。そして、混合装置10に、果肉繊維残渣(25Kg/h)と、パーム核ミール(10Kg/h)と、パーム油(5Kg/h)と、濃縮液(120Kg/h)とを供給して混合し、混合物を得た(160Kg/h)。
その後、この混合物を乾燥装置12に供給し、乾燥を行って、可食物を得た(水分量13重量%,40Kg/h)。可食物においては、脂質,糖質,繊維,タンパク質も豊富であり、栄養価に富む。
尚、上記実施の形態において、パーム核ミールの混合は、混合工程及び乾燥工程後の両方において行なっても良い。尚また、上記実施の形態において、ボイラ装置3,破砕・搾油装置6,濃縮装置8,混合装置10,乾燥装置12の構成は、その目的を達するものであればどのように構成しても良い。例えば、乾燥装置として、油温減圧乾燥装置を用いる等、適宜変更して差し支えない。
要するに、上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
世界有数のパーム油生産国であるマレーシアやインドネシアでは、パーム油の生産量が年間数千万トンにも及び、このパーム油生産工程において生じる種々の副産物も膨大な量となる。特に、排液(POME)、空果房(EFB),果肉繊維(PPF),パーム核ミール(PKM)があり、これらの廃棄物は、地球環境を著しく悪化させている。本発明は、これらの副産物を飼料等の可食物として有効利用を図ることができ、資源を有効利用し、公害防止の観点から極めて有用になる。
S アブラヤシ副産物の処理方法
1 アブラヤシ農場
2 パーム油工場
3 ボイラ装置
4 発電機
5 分離機
6 破砕・搾油装置
7 タンク
8 濃縮装置
9 濃縮タンク
10 混合装置
11 定量機
12 乾燥装置
13 給水タンク
(1)分離工程
(2)残油抽出工程
(3)濃縮工程
(4)混合工程
(5)乾燥工程

Claims (6)

  1. アブラヤシの果房から果実を取り出し、この果実を圧搾して粗パーム油を抽出する際に副産される果肉繊維残渣及び排液を利用したアブラヤシ副産物の処理方法であって、
    上記果実を圧搾するときに分離される種子からパーム核油を抽出する際に副産される残渣であるパーム核ミールを用い、
    上記果実の圧搾残渣から皮残渣を可能な限り取り除いて果肉繊維残渣を得る分離工程と、上記排液を濃縮する濃縮工程と、該濃縮工程で濃縮された濃縮液に上記分離工程で得られた果肉繊維残渣を混合して混合物を生成する混合工程と、該混合工程で生成された混合物を乾燥して可食物を生成する乾燥工程とを備え、
    上記混合工程で、上記果肉繊維残渣1重量部に対して、上記濃縮液を3〜10重量部混合し、上記パーム核ミールを0.1〜10重量部混合することを特徴とするアブラヤシ副産物の処理方法。
  2. 上記濃縮工程で、濃縮液の有機物の含有量が10〜30重量%になるように濃縮することを特徴とする請求項1記載のアブラヤシ副産物の処理方法。
  3. 上記空果房を主とする副産物を圧搾処理して粗パーム油の残油を抽出する残油抽出工程を備え、上記混合工程において、上記残油抽出工程で抽出した残油を添加することを特徴とする請求項1または2記載のアブラヤシ副産物の処理方法。
  4. 上記混合工程で、上記果肉繊維残渣1重量部に対して、上記残油を0.1〜1重量部混合することを特徴とする請求項3記載のアブラヤシ副産物の処理方法。
  5. 上記乾燥工程で、混合物を水分量が15重量%以下になるまで乾燥して可食物を生成することを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のアブラヤシ副産物の処理方法。
  6. 上記請求項1乃至5何れかに記載のアブラヤシ副産物の処理方法によって処理されて製造されたことを特徴とする可食物。
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