JP5138465B2 - 金属カルシウムの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、塩化カルシウムの溶融塩電解方法に係り、特に、純度の高い金属カルシウムを効率よく製造する方法および前記方法に用いる電解槽に関する。
従来、スポンジチタンはクロール法により製造されており、種々の改良の積み重ねにより製造コストの削減が図られてきているが、クロール法はバッチプロセスであるため、効率化によるコスト削減の道のりも厳しい状況にある。
このような状況において、近年金属カルシウムを還元剤に用いた新しい金属チタンの製法が報告されている。例えば、英国ケンブリッジ大学からは、溶融塩中にて酸化チタンをカルシウムで還元して直接金属チタンを製造するという試みが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
また、小野らも同様のプロセスを開示している(例えば、特許文献2参照)。更に、岡部らは、EMR法という新しい概念による溶融塩中での酸化チタンのカルシウム還元について報告している(例えば、特許文献3参照)。
また、最近では、酸化チタンに代えて四塩化チタンを原料に用いこれを金属カルシウムで還元して金属チタンを製造する方法も開示されている(例えば、特許文献4参照)。
前記の文献で開示されている還元反応においては最終的には塩化カルシウムが副生されるため溶融塩電解により金属カルシウムと塩素ガスに分解して還元工程にリサイクル使用される。
しかしながら、前記の電解反応で生成した金属カルシウムは、塩化カルシウムに対して溶解度を有しているために陰極に析出した金属カルシウムが電解浴に再溶解する傾向にあり、溶融塩電解の効率を高めることが難しいと考えられている。
この点については、金属カルシウムよりも低い融点を持つ3元系の複合塩を電解浴に用い、金属カルシウムの融点以下で溶融塩電解を行うことで、固体の金属カルシウムを陰極に析出させて固体の金属カルシウムを回収する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。この方法に従えば、確かに純度が高く、しかも電流効率の高い金属カルシウムを製造することができるものと考えられる。
しかしながら、前記の方法では、三元系の複合塩を用いるために、その成分の調整方法が簡便ではなく、更に、前記複合塩を構成する塩化カルシウムの比率が低いために金属カルシウムの生産性という観点では改良の余地が残されている。
また、前記方法では、陰極に析出させた固体の金属カルシウムをスクレーパーで掻き取るという操作も必要であり、装置上の課題も残されている。
このように塩化カルシウムの溶融塩電解により金属カルシウムを生成させる方法において純度の高い金属カルシウムで効率よく製造する技術が望まれている。
WO99/064638号公報 特開2003−129268号公報 特開2003−306725号公報 WO2007/026565号公報 US3226311号公報
本発明は、金属チタンの酸化物あるいは塩化物を還元して金属チタンを製造するために用いる金属カルシウムを効率よく製造する方法および装置に係るものであって、特に、溶融塩電解により純度の高い金属カルシウムを効率よく製造できる方法および装置の提供を目的としている。
かかる実情に鑑みて鋭意検討を重ねてきたところ、塩化カルシウムの溶融塩電解により溶融状態で金属カルシウムを生成させた後、次いで、前記金属カルシウムを含む電解浴を金属カルシウムの融点以下に冷却した後、次いで再度金属カルシウムの融点以上に加熱することにより純度の高い金属カルシウムを生成することを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本願発明は、電解槽に電解浴として溶融塩化カルシウムを満たし、電解浴に浸漬配置した陽極および陰極に電圧を印加して溶融塩電解を行う金属カルシウムの製造方法において、電解浴のうち、陰極を含む部分の電解浴を金属カルシウムの融点以上に保持して溶融金属カルシウムを生成させ(以下、「電解工程」と呼ぶ)、陰極を含む部分の電解浴を金属カルシウムの融点以下に冷却して金属カルシウムを析出させる(以下、「冷却工程」と呼ぶ)ことを特徴とするものである。
更に、冷却工程で固化した金属カルシウムを陰極と共に抜き出して、前記金属カルシウムを加熱溶解(以下、「加熱溶解工程」と呼ぶ)することを好ましい態様とするものである。
また、本願発明は、上記の電解工程および冷却工程からなる溶融塩電解を複数の電解槽にて並列させて行い、既に冷却工程が完了した一の電解槽に保持された電解浴を抜き出し、他の電解槽における冷却工程の冷却剤として使用することを第2の特徴とするものである。
本願発明は、電解浴が塩化カルシウムと塩化カリウムからなる複合塩で構成されており、さらに、電解浴を構成する複合塩中の塩化カリウムの配合比(モル比)が塩化カルシウムよりも小さいことを好ましい態様とするものである。
本願発明に係る金属カルシウムの製造装置は、上記金属カルシウムの製造方法に用いる製造装置であって、電解浴を満たす電解槽と、電解浴に浸漬配置する陽極および陰極を備え、陰極および陽極が、陰極および陽極をそれぞれ取り囲む陰極隔壁および陽極隔壁の内側に配設されていることを特徴とするものである。
本願発明においては、陰極隔壁が緻密な焼結体で構成されており、陽極隔壁が多孔質な焼結体で構成されていることを好ましい態様とするものである。
以上の本願発明に係る金属カルシウムの製造方法および製造装置を用いることにより、溶融塩電解により製造された電解浴を含む溶融金属カルシウムを析出固化させることにより純度の高い金属カルシウムを効率よく製造することができるという効果を奏するものである。
また、前記析出した固体の金属カルシウムを更に加熱溶解し、溶融金属カルシウム中に残留している電解浴を分離することにより、更に純度の高い金属カルシウムを製造することができるという効果を奏するものである。
本願発明を実施する上での好ましい装置構成例と、これを用い、塩化カルシウムを溶融塩電解して金属カルシウムを製造する方法、および、前記金属カルシウムを再度溶解して純度の高い溶融金属カルシウムを製造する方法についての最良の実施形態を、図面を用いて以下に説明する。
本願発明に係る溶融金属カルシウムの製造方法に先立って、前記製造方法に用いる好ましい装置構成の態様について説明する。図1は、本願発明に係る金属カルシウムの製造装置である溶融塩電解槽1を表している。溶融塩電解槽1には、図示しない加熱手段によって電解浴8が溶融状態で保持され、電解浴8には、陽極2および陰極3が浸漬配置されている。陽極2と陰極3の周囲には、それぞれ陽極隔壁5および陰極隔壁6が独立に浸漬配置されている。
前記したような陽極隔壁5と陰極隔壁6を浸漬配置することで、陽極2に生成した塩素ガスと陰極3に生成した金属カルシウムの再結合を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、前記陽極隔壁5は多孔質なセラミクスで構成することが好ましい。本願発明でいうところの「多孔質な」とは、陽極2で生成した塩素ガスが陽極隔壁5中を浸透拡散できないが、電解浴は浸透可能な程度の気孔率を有するセラミクスで構成することを意味する。
前記陽極隔壁5は、気孔率は、5%〜20%の範囲を満たすセラミクスを用いることが好ましい。このような気孔率を有するセラミクスを用いることにより、電解浴の移動を可能にしつつ陰極および陽極で生成した金属カルシウムおよび塩素ガスとの再結合を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
これに対して前記陰極隔壁6は、陰極3にて生成した溶融金属カルシウムが外部に浸透しないような気孔率をもつ緻密なセラミクスで構成することが好ましい。具体的には、前記陰極隔壁6は、10%以下の気孔率を有するセラミクスで構成することが好ましい。
また、前記陰極隔壁6の内面はできるだけ平滑に維持しておくことが好ましい。塩化カルシウムの溶融塩電解の回数を重ねていくうちに、陰極隔壁6の内面にも析出物が残留する場合があり、このような場合には溶融塩電解に先立って酸洗等により前記析出物を除去しておくことが好ましい。
前記のような特徴を有する陰極隔壁6を使用することで、溶融塩電解を終了して陰極隔壁6内で生成した溶融金属カルシウムを陰極3に析出させた金属カルシウムを、陰極隔壁6に付着することなく効果的に引き揚げることができるという効果を奏するものである。
また、本願発明に係る前記セラミクスは、窒化ケイ素あるいは窒化アルミで構成することが好ましい。前記したセラミクスを用いることで、高温に保持された溶融中においても好ましい耐久性を維持することができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、前記した陽極隔壁5および陰極隔壁6のほかに、両者の間に隔壁4を別個に浸漬配置することが好ましい。このような隔壁4を別個に設けることで、陰極3および陽極2で生成した金属カルシウムおよび塩素ガスとの再結合を更に抑制することができるという効果を奏するものである。前記隔壁4も前記したように窒化ケイ素あるいは窒化アルミで構成することが好ましい。
本願発明に用いる電解浴8は、塩化カルシウムに塩化カリウムを配合した複合塩を用いることが好ましい。本願発明においては、特に、塩化カルシウムと塩化カリウムからなる複合塩を構成する場合、塩化カリウムは、塩化カルシウムよりもモル比が小さくなるように配合することが好ましい。前記塩化カリウムは、前記複合塩に対して5〜25モル%の範囲内に配合することが好ましい。
前記前記複合塩を用いることで電解浴8の融点を塩化カルシウムの融点である780℃から650℃まで低下させることができる。その結果、電解工程において、塩化カルシウム単体では780℃〜金属カルシウム融点である845℃の間で設定すべきであった操業温度範囲を、650℃〜845℃の間に広げることができ、操業温度の選択範囲を広く設定することができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、溶融塩電解に先立って、図示しない加熱装置を用いて、前記電解槽1に保持された電解浴8の温度を金属カルシウムの融点以上に保持することが好ましい。
本願発明においては、前記電解浴の温度を、850〜900℃の範囲に加熱しておくことが好ましい。前記のような範囲に加熱保持した後、電解浴8に浸漬配置した陰極3と陽極2との間に通電して塩化カルシウムの溶融塩電解を開始する。
前記陰極3と陽極2との間に印加する電圧は、塩化カルシウムの分解電圧以上であって、塩化カリウムの分解電圧以下の範囲に維持することが好ましい。このような範囲の電圧を陰極3と陽極2との間に印加することで、好ましくない塩化カリウムの分解を進めることなく、塩化カルシウムのみを効果的に電気分解することができる。
前記した条件下にて塩化カルシウムの溶融塩電解を継続すると、陰極隔壁6の内部に溶融金属カルシウムの滞留量が増加し、これを継続すると陰極隔壁6の内部が金属カルシウムで満たされ、溶融塩電解の継続が困難となる。
そこで、陰極隔壁6の内部に、ある程度の金属カルシウムが蓄積された時点で、陰極3と陽極2との間の通電を絶ち、陰極隔壁6内の電解浴および金属カルシウムの温度を金属カルシウムの融点以下まで冷却することが好ましい。
ただし、陰極隔壁6内を電解浴8の融点以下まで冷却すると陰極3や陽極2の取出しが困難となるので、電解浴6の融点を下回らないように冷却を行うことが好ましい。
よって、本願発明においては、陰極隔壁6内の電解浴および金属カルシウムの温度を、780℃〜820℃の範囲に冷却することが好ましい。
前記したように、電解浴8を金属カルシウムの融点以上に保持して溶融電解を行い、溶融金属カルシウムを陰極隔壁6内の電解浴表面に浮遊させた後、次いで、前記金属カルシウムおよび電解浴8を金属カルシウムの融点以下まで冷却して、固体状態の金属カルシウムを溶融状態にある電解浴6の浴面に浮遊させることにより、純度の高い金属カルシウムを生成させることができる。
前記の態様に従えば、純度が95〜99%の純度の高い金属カルシウムを製造することができるという効果を奏するものである。
次に、前記の装置構成を用いた好ましい金属カルシウムの製造方法について図2を参照しながら以下に説明する。図2に示すように、上述の工程を電解槽Aで行うと共に、別の電解槽Bにおいても並行して溶融塩電解を行うことが好ましい。
具体的には、冷却工程が完了した電解槽Aに保持されている電解浴の一部を抜き出し、これより冷却工程に入る電解槽B内の陰極隔壁6内に保持された電解浴8に供給することが好ましい。前記のように別の電解槽に保持された電解浴を冷剤として用いることにより、短時間のうちに、陰極隔壁6内で囲まれた電解浴8および金属カルシウムの温度を金属カルシウムの融点以下まで低下させることができるとともに、冷却源として再利用することにより、冷却エネルギーを削減することができる。
また、冷剤として用いる電解浴は、すでに溶融状態に保持されているので、前記電解浴を投入された電解槽B内の陰極隔壁6内に保持された電解浴8および金属カルシウムが金属カルシウムの融点以下に過冷されることなく、安定した冷却操作を進めることができるという効果を奏するものである。
前記のような態様で冷却された金属カルシウムは、図3に示すように陰極3の周囲に凝固した固体金属カルシウム10として析出させることができる。次いで、固体金属カルシウム10が析出した陰極3を電解浴8から引き揚げたのち、図3に示すような溶解槽11に移送することが好ましい。
溶解槽11に移送された固体金属カルシウム10は、溶解槽11の外周部に配設した図示しない加熱炉により金属カルシウムの融点以上に加熱することにより、溶融金属カルシウム12を生成させることができる。この際、金属カルシウム中に巻き込まれていた電解浴も併せて溶解することができる。
なお、前記陰極3に析出した固体の金属カルシウムを引き揚げる場合に、陰極隔壁6が前記金属カルシウムに固着して引上げられる場合もあるが、前記したような加熱炉にて金属カルシウムの融点以上に加熱することで、陰極隔壁6を金属カルシウムから分離回収することができる。
溶融金属カルシウム12は、電解浴13に比べて比重が小さいので、比重差により、純度の高い金属カルシウムのみを分離回収することができるという効果を奏するものである。
以上説明した本願発明に従えば、塩化カルシウムの溶融塩電解により純度の高い金属カルシウムを効率よく製造することができるという効果を奏するものである。
[実施例1]
1.電解工程
図1に示した溶融塩電解槽を用い、以下の構成により塩化カルシウムの溶融塩電解を行った。
1)装置構成
陽極(材質:グラファイト製、大きさ:φ15mm×L60mm)
陰極(材質:炭素鋼、大きさ:φ10mm×L60mm)
陰極および陽極隔壁(材質:窒化ケイ素、大きさ:φ30mm×L200mm、円筒形)
2)電解浴
組成(塩化カルシウム:塩化カリウム=85:15、融点:720℃)
3)電解条件
電解浴温度:850℃
2.冷却工程
上記構成にて溶融塩電解を並行して行い、一方の電解槽において陰極3および陽極2の間への通電を断った後、図2に示したように、冷却工程にある他の電解槽内に保持された温度780℃にある電解浴の一部を図1に示した陰極3の近傍に供給して、金属カルシウムの融点以下まで冷却し、陰極3に固体の金属カルシウムを析出させた。陰極3に析出させた固体の金属カルシウムを分析したところ金属カルシウムの純度は95%であった。
3.加熱溶解工程
上記の操作で陰極に析出した固体の金属カルシウムを図3に示した溶解槽にて、金属カルシウムの融点以上に加熱し、溶解槽11内に溶融金属カルシウム12を得た。前記溶融金属カルシウム12を室温まで冷却して分析したところ、金属カルシウムの純度は、99%であった。
4.結果
前記の方法で金属カルシウムを生成したところ、投入した電気量から計算される理論析出量に対して回収された金属量の比は、70%〜90%の範囲にあり、良好な電流効率を示した。
[比較例1]
図1に示す装置を用い、電解浴8の温度を初めから金属カルシウムの融点以下で電解を行う以外を同じ条件下で固体の金属カルシウムを陰極3に析出させた。陰極3に析出させた金属カルシウムを分析したところ、純度は、15%であった。
[比較例2]
実施例1において、陰極3の周囲に生成した溶融金属カルシウムを自然放冷により冷却した。その結果、金属カルシウムの融点以下まで冷却に要する時間は、実施例1に比べて50%増加した。
以上の実施例および比較例より、本願発明によれば、純度が95〜99%の固体の金属カルシウムを効率よく製造することができることが示された。
塩化カルシウムの電解により効率よく高純度な金属カルシウムを製造することができ、チタン製造の低コスト化にも寄与する。
本発明の金属カルシウムの製造装置の模式断面図である。 本発明の金属カルシウムの製造装置を並列に操業する場合の模式図である。 本発明の金属カルシウム回収のための溶解槽の模式断面図である。
符号の説明
1…電解槽、2…陽極、3…陰極、4…隔壁、5…陽極隔壁、6…陰極隔壁、7…金属カルシウム、8…電解浴、10…固体金属カルシウム、11…溶解槽、12…溶融金属カルシウム、13…電解浴

Claims (9)

  1. 電解槽に電解浴として溶融塩化カルシウムを満たし、上記電解浴に浸漬配置した陽極および陰極に電圧を印加して溶融塩電解を行う金属カルシウムの製造方法であって、
    上記電解浴のうち、陰極を含む部分の電解浴を金属カルシウムの融点以上に保持して溶融金属カルシウムを生成させる電解工程と、
    上記陰極を含む部分の電解浴を金属カルシウムの融点以下に冷却して金属カルシウムを析出させる冷却工程とからなり、
    上記電解工程と上記冷却工程を有する溶融塩電解を、複数の電解槽にて並列させて行い、
    既に冷却工程が完了した一の電解槽に保持された電解浴を抜き出し、他の電解槽における冷却工程の冷却剤として使用することを特徴とする金属カルシウムの製造方法。
  2. 前記冷却工程で析出させた金属カルシウムを前記陰極と共に抜き出して、前記金属カルシウムを加熱溶解する(以下、「加熱溶解工程」と呼ぶ)ことを特徴とする請求項1に記載の金属カルシウムの製造方法。
  3. 前記電解浴が、塩化カルシウムと塩化カリウムからなる複合塩で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属カルシウムの製造方法。
  4. 前記電解浴を構成する複合塩中の塩化カリウムの配合比(モル比)が塩化カルシウムよりも小さいことを特徴とする請求項に記載の金属カルシウムの製造方法。
  5. 金属カルシウムによるチタン化合物の還元反応で副生された塩化カルシウムを電解浴として用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属カルシウムの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の金属カルシウムの製造方法に用いる製造装置であって、
    電解浴を満たす電解槽と、上記電解浴に浸漬配置する陽極および陰極を備えた金属カルシウムの製造装置であって、
    上記陰極および上記陽極が、陰極および陽極をそれぞれ取り囲む陰極隔壁および陽極隔壁の内側に配設されていることを特徴とする金属カルシウムの製造装置。
  7. 前記陰極隔壁および陽極隔壁が窒化ケイ素または窒化アルミで構成されていることを特徴とする請求項に記載の金属カルシウムの製造装置。
  8. 前記陰極隔壁は、緻密な焼結体で構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の金属カルシウムの製造装置。
  9. 前記陽極隔壁は、多孔質な焼結体で構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の金属カルシウムの製造装置。
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