JP5135880B2 - 切削インサート - Google Patents

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Description

本発明は、切削ホルダに装着し、切削加工を行う、切刃が一つ以上の切削インサートであって、切削送り方向において、切屑処理を良好にするように、すくい面のコーナ部に交差する該すくい面の一対の辺稜部のうち一方の辺稜部にコーナ部から延びる切刃が形成されるとともに、すくい面上にはこの切刃に沿ってコーナ部から延びるブレーカ溝を形成した、いわゆる勝手付きの切削インサートに関するものである。
このような勝手付きの切削インサートとしては、例えば特許文献1に、超高硬度焼結体をコーナ上面に接合してチップブレーカを形成したものとして、斜め研ぎ付けのブレーカや片側エッジ平行研ぎ付けのブレーカをワイヤー放電加工や放電加工、研磨で加工して付けたものが提案されている。
特開平8−118113号公報
ところが、この特許文献1に記載された勝手付きの切削インサートでは、チップブレーカが切刃に連なる溝底面とこの溝底面から立ち上がる溝壁面とから形成されただけのものであるため、切刃から溝壁面までのブレーカ幅や溝壁面の曲率半径、溝底面に対する高さ等によっては、仕上げ切削などで切込みが小さくて切刃のコーナ部側のみにより切削が行われる場合には、幅が小さく生成された切屑が充分にカールさせられずに溝壁面を乗り越えてしまうおそれがある一方、粗切削などでコーナ部からチップブレーカの略全長までの切刃により切削が行われる場合には、幅広に生成された切屑が詰まり気味となってしまうおそれがある。
また、この特許文献1には、コーナ部に交差する一対の辺稜部の双方に切刃が形成された両側エッジ平行研ぎ付けのブレーカにおいて溝壁面を2段にした2段ブレーカのものも記載されている。しかしながら、かかる切削インサートでは、勝手付きではないためにコーナ部側のみによって生成された切屑を確実に溝壁面に衝突させることができなくなってその処理が困難となる。その一方で、2段の溝壁面がチップブレーカの全長に亙って延びているので、切刃の全長によって切削を行う場合にも幅広の切屑がこれら2段の溝壁面に双方に衝突して切削抵抗の増大を招くおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようなブレーカ溝が形成された勝手付きの切削インサートにおいて、切刃のコーナ部側が使用される仕上げ切削から全長が使用される粗切削に至るまで、切屑を円滑かつ安定的に処理することが可能な切削インサートを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、すくい面のコーナ部に交差する一対の辺稜部のうち一方の辺稜部に上記コーナ部から延びる切刃が形成されるとともに、このすくい面には上記切刃に連なる溝底面とこの溝底面から上記切刃側を向いて立ち上がる溝壁面とを備えたブレーカ溝が上記コーナ部から上記切刃に沿って延びるように形成されており、このブレーカ溝には、上記切刃側を向いて上記コーナ部側から該切刃が延びる方向に向けて延びる複数段の壁部が、上記コーナ部から上記一対の辺稜部のうち他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、上記溝底面に対する高さが高くなるように、かつ上記切刃が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成され、上記ブレーカ溝の溝底面には、該溝底面に対して凹む凹部が上記コーナ部側に形成されるとともに、上記ブレーカ溝の溝壁面には、該コーナ部側から上記切刃が延びる方向に向けて上記凹部よりも長く延びる突条部が形成されていて、上記凹部の上記切刃側を向く内壁面と、上記突条部の上記切刃側を向く壁面とが、上記複数段の壁部とされていることを特徴とする。
従って、このような切削インサートでは、仕上げ切削等において切刃のコーナ部側で生成される切屑は、この切刃に連なるブレーカ溝の溝底面から溝壁面へと確実に案内されて上記他方の辺稜部が延びる方向へと流出する。そして、このブレーカ溝のコーナ部側には、該コーナ部から上記他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に溝底面に対する高さが高くなる複数段の壁部が、それぞれ切刃側を向いて、該コーナ部側からこの切刃が延びる方向に延びるように形成されているため、流出した切屑はこれらの壁部に順次衝突させられて抵抗を受け、確実にカールさせられて処理される。
一方、このような仕上げ切削から粗切削に至るまでに切込みが大きくなるのに従い、切刃によって生成される切屑の幅も大きくなってゆくが、上記複数段の壁部は、コーナ部から他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、切刃が延びる方向に沿った長さが長くなるようにも形成されており、従って切屑の幅が長くなった部分にも確実に該壁部を衝突させて処理することができる。しかも、こうして幅広に生成された切屑に衝突する壁部の段数はコーナ部から離れた側ではコーナ部側よりも少なくなるため、不必要に切削抵抗が増大することもなく、また切屑が詰まり気味となるのも防止することができる。
ここで、上記ブレーカ溝の溝底面に、該溝底面に対して凹む凹部を上記コーナ部側に形成するとともに、上記ブレーカ溝の溝壁面には、該コーナ部側から上記切刃が延びる方向に向けて上記凹部よりも長く延びる突条部を形成し、上記凹部の上記切刃側を向く内壁面と、上記突条部の上記切刃側を向く壁面とを、上記複数段の壁部とすることにより、上述のように仕上げ切削から粗切削に至るすべての切り込み領域で、より確実に切屑を円滑かつ効率的に処理することが可能となる。
すなわち、このようにブレーカ溝の溝底面のコーナ部側に凹部を、溝壁面にはコーナ部側からこの凹部よりも長く延びる突条部をそれぞれ形成することにより、仕上げ切削等において切刃のコーナ部側で生成された幅の小さい切屑は、まず上記凹部に流入して、ブレーカ溝の溝底面に対する高さが負となるこの凹部の切刃側を向く内壁面に衝突する。次いで、切屑はこの凹部からブレーカ溝の溝壁面を駆け上り、溝底面に対する高さが凹部よりも高くなる上記突条部の壁面に衝突して抵抗を受け、より確実にカールさせられる。
一方、粗切削等において切刃の略全長により生成される幅広の切屑は、全体的にブレーカ溝の溝底面に沿って流れ出るため、そのコーナ部側の部分が凹部内に流入することは少なく、そのままブレーカ溝の溝壁面を駆け上がって上記突条部の壁面に衝突する。従って、凹部の内壁面による抵抗を受けることがないので、切屑に徒に大きな抵抗が作用することがなく、このため切削抵抗の増大を確実に抑えることができるとともに、切屑の詰まりも効果的に防ぐことが可能となる。
なお、このようにしてブレーカ溝の溝壁面に突条部を形成する場合には、複数条の突条部を、コーナ部から上記他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、上記溝底面に対する高さが高くなるように、かつ切刃が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成するのが望ましい。これにより、中仕上げ切削から粗切削に至るまでの幅広い切り込み領域で、生成される切屑の幅に最適な切屑処理性を得ることが可能となる。
また当該切削インサートが専ら仕上げ切削に使用されるものである場合には、ブレーカ溝の溝壁面に突条部を設けずに、この溝壁面を連続した面として、ブレーカ溝の溝底面に、該溝底面に対して凹む凹部だけを上記コーナ部側に形成し、この凹部の切刃側を向く内壁面とブレーカ溝の溝壁面とを、上記複数段の壁部としてもよい。このような場合にも、仕上げ切削の際に切刃のコーナ部側で生成される切屑は、この凹部の壁面と、これよりも溝底面に対して高い位置に配置されるブレーカ溝壁面とにより処理することが可能となる一方、たとえ粗切削等に用いたとしても、幅広の切屑をブレーカ溝の溝壁面によって抵抗の増大や詰まりを生じることなく処理することが可能となる。すなわち、本発明は、すくい面のコーナ部に交差する一対の辺稜部のうち一方の辺稜部に上記コーナ部から延びる切刃が形成されるとともに、このすくい面には上記切刃に連なる溝底面とこの溝底面から上記切刃側を向いて立ち上がる溝壁面とを備えたブレーカ溝が上記コーナ部から上記切刃に沿って延びるように形成されており、このブレーカ溝には、上記切刃側を向いて上記コーナ部側から該切刃が延びる方向に向けて延びる複数段の壁部が、上記コーナ部から上記一対の辺稜部のうち他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、上記溝底面に対する高さが高くなるように、かつ上記切刃が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成され、上記ブレーカ溝の溝底面には、該溝底面に対して凹む凹部が上記コーナ部側に形成されていて、この凹部の上記切刃側を向く内壁面と、上記ブレーカ溝の溝壁面とが、上記複数段の壁部とされていることを特徴とするものでもある。
以上説明したように、本発明によれば、すくい面のコーナ部に交差する一対の辺稜部のうち一方に切刃が形成された勝手付きの切削インサートにおいて、切刃のコーナ部側により幅の小さい切屑が生成される仕上げ切削では、切屑を複数段の壁部に衝突させて確実に処理することができる一方、切刃の略全長が使用されて幅広の切屑が生成される粗切削では、切屑に過大な抵抗を不必要に与えることなく切削抵抗の低減を図るとともに切屑の詰まりを防止することができ、これら仕上げ切削から粗切削に至るまで円滑かつ安定的な切屑処理が可能な汎用性の高い切削インサートを提供することが可能となる。
図1ないし図6は、本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態の切削インサートは、そのインサート本体1が超硬合金等の硬質材料により形成されて正三角形の平板状をなし、この正三角形をなす表裏面がすくい面2とされるとともに、これらのすくい面2の周囲に配される3つの側面が逃げ面3とされ、これらすくい面2と逃げ面3との交差稜線部となるすくい面2の辺稜部には、該すくい面2がなす正三角形の各コーナ部4に交差する一対の辺稜部のうち一方の辺稜部(図2において各コーナ部4から時計回り方向に延びる辺稜部)のみに、該コーナ部4から延びる切刃5がそれぞれ形成され、またすくい面2には、これらの切刃5に沿ってコーナ部4からそれぞれ延びるようにブレーカ溝6が形成された、勝手付きのインサートとされている。
ここで、インサート本体1には、上記すくい面2がなす正三角形の中央に開口するように、当該インサート本体1をその厚さ方向(図3ないし図6における上下方向)に貫通する取付孔7が形成されており、該インサート本体1は、この取付孔7の中心線回りに120°ずつの回転対称に形成されるとともに、表裏反転対称にも形成されている。また、表裏のすくい面2は、この取付孔7の開口部と上記ブレーカ溝6を除いて上記厚さ方向に垂直な平面状とされるとともに、逃げ面3はこの厚さ方向に沿って延びるように形成され、従って本実施形態の切削インサートはこの逃げ面3とすくい面2とが直交するネガティブタイプのインサートとされている。なお、各コーナ部4は、この厚さ方向に沿った平面視において上記一対の辺稜部に滑らかに接する1/3凸円弧状とされている。
また、上記ブレーカ溝6は、上記切刃5に連なる溝底面6aと、この溝底面6aに連なり切刃5側を向いて立ち上がる溝壁面6bとを備えたものであって、切刃5に直交する断面において溝底面6aはすくい面2の内側に向かうに従い一定の角度で漸次後退するように傾斜した平面とされ、また溝壁面6bは同断面においてこの溝底面6aに滑らかに接してすくい面2側に切れ上がる凹円弧状の曲面とされている。従って、切刃5は、厳密にはこのブレーカ溝6の溝底面6aと上記逃げ面3との交差稜線部に形成されることになり、その上記厚さ方向の位置は、この厚さ方向に垂直とされたすくい面2の平面状の部分よりも僅かに後退した低い位置とされて、該厚さ方向に垂直に延びるように形成されている。
このようなブレーカ溝6は、切刃5が連なるコーナ部4側では、このコーナ部4から該コーナ部4に交差する一対の辺稜部のうち他方の辺稜部のコーナ部4側の部分を含んで開口するように形成されており、従ってこのコーナ部4において切刃5は、図4に示すように上記一方の辺稜部側からこの他方の辺稜部側に向かうに従い上記厚さ方向に漸次後退するように傾斜させられることになる。また、ブレーカ溝6は、このコーナ部4側から切刃5が延びる方向に向けて溝幅が一定となるように延びる一方、コーナ部4とは反対側では、すくい面2がなす正三角形の一辺の中点を越えた辺りで凹曲面状をなしてすくい面2側に切れ上がって溝幅が小さくなるように形成されている。従って、1つのすくい面2に形成されるブレーカ溝6同士は、本実施形態では互いに交差することはなく、また取付孔7とも交差することなく形成され、その間にはすくい面2の平面状とされた部分が残されている。
そして、このようなブレーカ溝6にはさらに、切刃5側を向いてコーナ部4側から該切刃5が延びる方向に向けて延びる複数段の壁部が形成されるようになされており、これらの複数段の壁部は、コーナ部4から上記他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、ブレーカ溝6の上記溝底面6aに対する高さが高くなるように、かつ切刃5が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成されている。なお、この溝底面6aに対する壁部の高さは、例えば本実施形態のようにこの溝底面6aが上述のような傾斜平面状とされている場合には、該平面に垂直な方向におけるすくい面2側への高さとすればよいが、単にブレーカ溝6の最深部となる溝底面6aと溝壁面6bとの接線L部分からの上記厚さ方向への高さとしてもよい。
このような複数段の壁部を形成するに際して、本実施形態ではまず第1に、ブレーカ溝6の溝底面6aに、この溝底面6aに対して凹む凹部8が上記コーナ部4側に形成されており、この凹部8の内壁面のうち上記切刃5側を向く内壁面8aが上記複数段の壁部のうち最も切刃5側の1段目の壁部とされている。ここで、この凹部8は、溝底面6aに平行に一段凹んだ底面8bと、この底面8bから溝底面6a側に向かうに従い上記厚さ方向に対して漸次後退するように傾斜した、上記内壁面8aを含む4つの内壁面とから形成されていて、コーナ部4から切刃5の該コーナ部4側の僅かな部分にかけて、これらコーナ部4および切刃5と上記接線Lとの間にそれぞれ極小さな一定間隔をあけるようにして凹設されている。
従って、この凹部8とコーナ部4および切刃5、接線Lとの間には上記溝底面6aが残されることになり、また上記平面視において図2に示すように、凹部8の内壁面のうちコーナ部4側の内壁面はこのコーナ部4に沿って湾曲するように形成されるとともに、切刃5側の内壁面とこの内壁面に対向して切刃5側を向く接線L側の上記内壁面8aとは切刃5に平行に延びるように形成される一方、コーナ部4側を向く内壁面は本実施形態では切刃5に垂直な方向に延びるように形成されている。なお、この凹部8の溝底面6aからの深さは、例えばすくい面2からのブレーカ溝6の深さよりは十分小さくされており、またその上記内壁面8aのブレーカ溝6の溝底面6aに対する壁部の上記高さとしては、負の高さとされることになる。
一方、本実施形態ではさらに、上記複数段の壁部を形成するに際して第2に、ブレーカ溝6の溝壁面6bにコーナ部4側から切刃5が延びる方向に向けて延びる突条部9が該溝壁面6bから突出するように形成されていて、この突条部9は、その切刃5が延びる方向への長さが上記凹部8よりは長く、かつブレーカ溝6の溝壁面6bの長さよりは短くされている。しかも、本実施形態では、溝壁面6bにこのような突条部9が複数条(本実施形態では2条)、上記他方の辺稜部が延びる方向に並ぶように形成されていて、このうち切刃5側の第1の突条部9Aに対して、切刃5と反対側の第2の突条部9Bは、上記切刃5が延びる方向の長さが長く、かつブレーカ溝6の溝底面6aに対する上記高さが高くされており、これらの突条部9A,9Bの切刃5側を向く壁面9aがそれぞれ2段目、3段目の壁部とされている。
ここで、これら第1、第2の突条部9A,9Bはいずれも、上記厚さ方向に垂直な平面状の突頂面9bと、ブレーカ溝6の溝底面6a側から上記厚さ方向にこの突頂面9bに向かうに従い漸次後退するように傾斜した上記壁面9aとにより形成されたものであって、これら壁面9aと突頂面9bとの交差稜線部には図5に示すように断面凸曲線状の面取りが施されている。そして、この突頂面9bまでの壁面9aの溝底面6aに対する上記高さが、第1の突条部9Aよりも第2の突条部9Bの方が高く、しかも溝底面6aに対する高さが負となる凹部8の上記内壁面8aよりは第1の突条部9Aの壁面9aの高さの方が高くなるようにされている。
なお、このように後退傾斜した壁面9aの上記厚さ方向に対する傾斜角は、切刃5側の第1の突条部9Aの傾斜角が、第2の突条部9Bの傾斜角よりも大きく、かつ凹部8の上記内壁面8aの傾斜角よりは小さくなるように設定されており、すなわち1段目の壁部である内壁面8aから2段目、3段目の壁部である第1、第2の突条部9A,9Bの壁面9aに向けて順に傾斜が急勾配となるようにされている。また、これら第1、第2の突条部9A,9Bは、上記図5に示した断面形状のままコーナ部4の上記他方の辺稜部側に延びて、図4に示すようにこの他方の辺稜部に連なる逃げ面3に交差させられている。
さらに、第1の突条部9Aは、ブレーカ溝6の溝壁面6bの切刃5側において、第2の突条部9Bの壁面9aから上記接線Lを僅かに越えて切刃5側に突出するように、ただし溝底面6aの上記凹部8とは重なり合わないように形成されており、この第1の突条部9Aの壁面9aは、コーナ部4から切刃5が延びる方向に向けて該切刃5と平行に延びた後、上記凹部8を越えた辺りから凸曲面を描きつつ切刃5に対して後退して第2の突条部9Bの壁面9aに交差させられている。また、第2の突条部9Bも、その壁面9aはコーナ部4から切刃5が延びる方向に向けて切刃5と平行に延びた後、ブレーカ溝6の長さの1/2程度の位置から凸曲面を描きつつ切刃5に対して後退して、このブレーカ溝6の溝壁面6bに交差するように形成されている。
さらにまた、本実施形態では上記複数段の壁部の第3として、これら第1、第2の突条部9A,9Bのうちブレーカ溝6の溝底面6aからの高さが高い第2の突条部9Bでも、その突頂面9bの高さが同溝底面6aから平面状のすくい面2までの溝壁面6bの高さ、すなわちブレーカ溝6の溝深さよりは小さくなるようにされており、これにより第2の突条部9Bの突頂面9bと上記すくい面2との間にはブレーカ溝6の溝壁面6bが残されて、この溝壁面6bが、突条部9よりも溝底面6aに対する高さが高く、かつ切刃5が延びる方向に沿った長さが長い4段目の壁部とされている。ここで、この4段目の壁部とされる溝壁面6bのすくい面2側の部分は、その上記厚さ方向に対する傾斜角が、3段目の壁部とされる第2の突条部9Bの壁面9aの傾斜角よりもさらに小さく、すなわち厚さ方向に垂直なすくい面2に対しては切刃5側からの1〜4段目の壁部の順に急勾配の傾斜とされている。
このように構成された切削インサートにより、切刃5のコーナ部4から該コーナ部4側の上記凹部8までの部分を用いて被削材の仕上げ切削を行う場合には、当該切削インサートが勝手付きのインサートであって、すなわちコーナ部4に交差する一対の辺稜部のうち一方の辺稜部のみに沿って延びるように切刃5およびブレーカ溝6が形成され、コーナ部4から他方の辺稜部に沿ってはこのブレーカ溝6の開口部が切れ上がってすくい面2に連なっているので、切刃5のコーナ部4側で生成された幅の小さな切屑は、上記他方の辺稜部が延びる方向に向けて流出して確実にブレーカ溝6の溝底面6aから溝壁面6bに案内される。
そして、このブレーカ溝6には、切刃5側を向いてコーナ部4側から切刃5が延びる方向に向けて延びる複数段(本実施形態では4段)の壁部が、コーナ部4から上記他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、溝底面6aに対する高さが高くなるように、かつ切刃5が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成されていて、切刃5のコーナ部4側ではこれら4段の壁部が切屑の流出方向に向けて順に高くなるように立設されるので、上述のようにブレーカ溝6に案内された切屑をこれらの壁部に順次衝突させて抵抗を与えることにより確実にカールさせて処理することが可能となる。
すなわち、上記第1の実施形態の切削インサートによれば、こうして仕上げ切削の際に切刃5のコーナ部4側で生成された切屑は、まずブレーカ溝6の溝底面6aから凹部8内に落ち込んで1段目の壁部であるその切刃5側を向く内壁面8aに衝突し、次いでこの凹部8からブレーカ溝6の溝壁面6b側に流れ出て、該溝壁面6bに形成された突条部9において、2段目、3段目の壁部とされたその第1、第2の突条部9A,9Bの各壁面9aに衝突する。さらに、こうして第2の突条部9Bの壁面9aに衝突した切屑は、その突頂面9bとすくい面2との間に残された4段目の壁部としてのブレーカ溝6の溝壁面6bに衝突し、このように複数段の壁部に順次衝突することによって次々と抵抗が与えられることにより切屑は小さくカールさせられて分断され、処理されるのである。
また、このような仕上げ切削に対して、ブレーカ溝6の溝底面6aと逃げ面3との交差稜線部に形成された切刃5の略全長を使用するような粗切削の場合に生成される幅広の切屑は、仕上げ切削と同様に切刃5からこの溝底面6aに流れ出るが、幅広であるために凹部8に落ち込んで1段目の壁部である上記内壁面8aにより抵抗を受けることは少なく、そのままブレーカ溝6の溝壁面6b側に流れ出て上記突条部9における第1、第2の突条部9Bの壁面9aに衝突し、さらにこの第2の突条部9Bとすくい面2との間の溝壁面6bに衝突して抵抗を受けることによりカールさせられる。
ただし、4段目の壁部となる溝壁面6bに対して3段目の壁部である第2の突条部9Bの壁面9aはコーナ部4から切刃5が延びる方向への長さが短く、さらに2段目の壁部である第1の突条部9Aの壁面はこの第2の突条部9Bの壁面9aよりも短くされているので、コーナ部4から離れた側では切屑に与えられる抵抗が順次小さくなる。従って、切屑の幅がこの凹部8の長さを越えるような中仕上げ切削から上述の粗切削では、上述のように1段目の壁部である凹部8の内壁面8aにより抵抗を受けることが少ないこととも相俟って切屑に必要以上の抵抗が作用することがなく、このため切削インサートに生じる切削抵抗が増大するのも抑えることができるとともに、幅広の切屑がブレーカ溝6内で詰まり気味となるのも防ぐことができる。
このように、上記構成の切削インサートによれば、仕上げ切削においては切刃5のコーナ部4側で生成される切屑を確実にブレーカ溝6に案内することができて、このブレーカ溝6の1〜4段目の複数段の壁部に衝突させて十分な抵抗を与えることにより、カールさせて処理することができる。その一方で、中仕上げ切削から粗切削までの切り込み領域で生成される幅広の切屑には過大な抵抗が作用するのを避けることができて、切削抵抗が増大したり切屑詰まりが生じたりするのを防ぎつつ、上記複数段の壁部によって切屑を処理することができ、従って仕上げ切削から粗切削に至るまでのすべての領域で切屑を円滑かつ安定的に処理することが可能となる。
しかも、本実施形態の切削インサートでは、ブレーカ溝6の溝壁面6bに複数条の突条部9(第1、第2の2条の突条部9A,9B)が形成されていて、切刃5側から離れるに従い、その溝底面6aに対する高さが順に高く、かつ切刃5が延びる方向への長さが順に長くなるようにされており、上述のような中仕上げ切削から粗切削までの切り込み領域のうちでも、より細かい切り込み領域ごとに生成される切屑の幅に適した処理性能を得ることができる。
すなわち、第1の突条部9Aの長さと同程度の幅の切屑が生成される中仕上げ切削においては、この第1の突条部9Aの壁面9aと、第2の突条部9Bの壁面9aと、さらに上記溝壁面6bとによって必要十分な抵抗を切屑に与えてカールさせることができる一方、第2の突条部9Bの長さと同程度の幅の切屑が生成される粗切削では、同様にこれら第1、第2の突条部9A,9Bの壁面9aと溝壁面6bとによって抵抗が与えられるものの、第1の突条部9Aが短い分だけ切屑の単位幅当たりに作用する抵抗は小さくなり、従って切削抵抗の増大や切屑が詰まり気味となるのはより一層確実に防ぐことが可能となる。ただし、本実施形態ではこのように第1、第2の2条の突条部9A,9Bを形成しているが、切削条件やインサート本体1の大きさ等によっては1条の突条部9のみを形成するようにしてもよく、また3条以上の突条部9を形成してもよい。
また、特に本実施形態では、上記複数段の壁部が切刃5側から順に、すなわち1段目の凹部8の内壁面8aから、第1、第2の突条部9A,9Bの壁面9a、および第2の突条部9Bとすくい面2との間のブレーカ溝6の溝壁面6bの順に、その勾配が急になるように形成されており、従って切屑には切刃5から離れた壁部になるほど大きな抵抗が与えられることになる。このため、切刃5側の前段の壁部だけでは切屑が十分にカールされなくても、後段の壁部に衝突するに従い徐々に大きな抵抗が切屑に与えられることになるので、本実施形態によれば一層確実な切屑処理を図ることが可能となる。
一方、これら複数段の壁部のうち本実施形態では2、3段目の第1、第2の突条部9A,9Bの壁面9aは、そのコーナ部4とは反対側の端部が凸曲面を描きつつ切刃5に対して後退し、第2の突条部9Bの壁面9aやブレーカ溝6の溝壁面6bに交差して没入するように形成されており、中仕上げ切削で第1の突条部9Aの長さよりも大きな幅で切屑が生成される場合や、粗切削で第2の突条部9Bの長さよりも大きな幅で切屑が生成される場合に、切刃5が延びる方向におけるこれら第1、第2の突条部9A,9B間の段差部や第2の突条部9Bと溝壁面6bとの段差部で切屑に大きな抵抗が作用するのも避けることができる。
なお、インサート本体1の表裏のすくい面2が反転対称とされるとともに、切刃5およびブレーカ溝6がコーナ部4から一方の辺稜部側にのみ形成された勝手付きの本実施形態の切削インサートでは、図1や図3、図4に示されるように、一方のすくい面2のコーナ部4を除いた切刃5およびブレーカ溝6に対して、その表裏反対側には他方のすくい面2のインサート本体1の厚さ方向に垂直な平坦面とされた部分が残されることになる。このため、中仕上げ切削や粗切削の際に使用される切刃5やブレーカ溝6に作用する切削抵抗を、その表裏反対側の平坦なすくい面2を介して切削工具のインサート取付座により確実に受け止めることが可能となり、このような切削抵抗により切削中にインサートの取付安定性が損なわれて切削精度の劣化を招くような事態も防ぐことができる。
次に、図7ないし図12は、本発明の実施形態に対する参考例を示すものである。上記第1の実施形態では、ブレーカ溝6の溝底面6aに1段目の壁部となる内壁面8aを画成する凹部8が形成されるとともに、溝壁面6bには2、3段目の壁部となる壁面9aを画成する第1、第2の突条部9A,9Bが形成され、この第2の突条部9Bとすくい面2との間のブレーカ溝6の溝壁面6bが4段目の壁部を構成しているが、例えば切削インサートが専ら中仕上げ切削から粗切削に使用されるものである場合に、この図7ないし図12に示す参考例では、ブレーカ溝6の溝底面6aには凹部8が形成されずに、溝壁面6bだけに壁面9aを有する第1、第2の突条部9A,9Bが形成されている。
従って、この参考例では、ブレーカ溝6の溝底面6aは、その全体が切刃5からすくい面2の内側に向かうに従い一定の角度で漸次後退するように傾斜した平面とされ、第1の突条部9Aの壁面9aが1段目の壁部を、第2の突条部9の壁面9aは2段目の壁部を、第2の突条部9Bとすくい面2との間のブレーカ溝6の溝壁面6bが3段目の壁部を構成することになる。なお、この参考例や、後述する図13ないし図18に示す第2の実施形態において、図1ないし図6に示した第1の実施形態と共通する構成要素には同一の符号を配して説明を省略する。
このような参考例の切削インサートは、上述のような中仕上げ切削から粗切削に用いた場合には、第1の実施形態において切屑が凹部8を乗り越えて流出するのと同様に、切削抵抗の増大を招くことなく、また切屑の詰まりを生じたりすることなく、円滑で効率的な切屑処理を図ることが可能となる。その一方で、たとえ切刃5のコーナ部4側だけで切屑が生成される仕上げ切削に用いても、このコーナ部4側のブレーカ溝6には第1、第2の突条部9A、9Bの各壁面9aと溝壁面9bとの3段の壁部が、その溝底面6aからの高さを順に高くするようにして形成されているので、これらの壁部に切屑を順に衝突させて抵抗を与えることにより処理することが可能となる。
また、これとは逆に、当該切削インサートが専ら仕上げ切削に使用されるものである場合には、図13ないし図18に示す本発明の第2の実施形態の切削インサートのように、ブレーカ溝6の溝底面6aに1段目の壁部となる内壁面8aを画成する凹部8が形成されているだけで、溝壁面6bには突条部9が形成されていなくてもよい。すなわち、この第2の実施形態では、ブレーカ溝6の溝壁面6bの全体が切刃5に直交する断面において図17や図18に示すように溝底面6aに滑らかに接してすくい面2側に切れ上がる凹円弧状の曲面とされ、凹部8の切刃5側を向く内壁面8aが1段目の壁部を、そしてこのブレーカ溝6の溝壁面6bそのものが2段目の壁部を構成することになる。
このような第2の実施形態の切削インサートでは、切刃5のコーナ部4側のみが使用されて幅の小さい切屑が生成される仕上げ切削においては、切屑は第1の実施形態と同様にまず凹部8内に落ち込んで上記内壁面8aに衝突することにより抵抗を受け、次いでブレーカ溝6の溝壁面6bに摺接しながら流れ出ることでさらに抵抗を受けてカールさせられ、処理される。一方、中仕上げ切削や粗切削では切屑が凹部8を乗り越えてゆくため、切削抵抗が不要に増大することはより少なく、また切屑が詰まり気味となるのも一層確実に防止することが可能となる。
次に、図19ないし図24は第1の実施形態の変形例を、図25ないし図30は上記参考例の変形例を、図31ないし図36は第2の実施形態の変形例をそれぞれ示すものであり、対応する各実施形態および参考例と共通する構成要素には同一の符号を配して説明を簡略化する。ここで、上記第1、第2の実施形態および参考例ではインサート本体1が正三角形平板状であって、その表裏の正三角形面がすくい面2とされていたのに対し、これらの変形例ではインサート本体1が正方形平板状であって、一対の正方形面の周囲に配される4つの長方形面のうち、互いに反対側に位置する一対の長方形面がすくい面2とされており、上記一対の正方形面が逃げ面3とされている。
そして、すくい面2の4つのコーナ部のうち互いに対角に位置する一対のコーナ部4からは、それぞれ該コーナ部4に交差するすくい面2の一対の辺稜部のうち一方の長辺稜部、すなわちすくい面2と逃げ面3との交差稜線部に延びるように切刃5が形成されるとともに、すくい面2には該切刃5に沿って上記コーナ部4からブレーカ溝6が形成されている。従って、これらの変形例の切削インサートも勝手付きのネガティブタイプで、いわゆる縦刃の切削インサートとされている。
なお、これらの変形例においてもインサート本体1には、逃げ面3とされる上記正方形面の中央に開口するように、当該インサート本体1をその厚さ方向(図20、図22、図26、図28、図32、図34における上下方向)に貫通する取付孔7が形成されており、インサート本体1は、この取付孔7の中心線回りに180°ずつの回転対称に形成されて、すなわち上記一対のすくい面2が表裏反転対称に形成されるとともに、各すくい面2は取付孔7の中心線に直交するその長方形面の中心線回りにも180°回転対称とされている。また、すくい面2の各4つのコーナ部は、切刃5が延びる上記一対のコーナ部4も含めて、この中心線に沿った平面視に1/4凸円弧状とされている。
ここで、上記ブレーカ溝6は、インサート本体1の上記4つの長方形面のうちすくい面2とされる長方形面以外の他の一対の長方形面に上記コーナ部4側で開口しており、これらの変形例では、すくい面2の内側に向かうに従い一定の角度で漸次後退する傾斜平面とされたその溝底面6aの幅が、上記平面視において図20、図26、および図32に示すようにコーナ部4から切刃5が延びる方向に向けて漸次大きくなるように形成されている。一方、この溝底面6aに滑らかに接して切れ上がる断面凹円弧状曲面とされた溝壁面6bは、同平面視における幅が逆に上記切刃5が延びる方向に向けて漸次小さくなるように形成されている。
従って、ブレーカ溝6の溝底となるこれら溝底面6aと溝壁面6bとの接線Lは、コーナ部4に交差するすくい面2の一対の辺稜部のうち他方の辺稜部、すなわちすくい面2がなす長方形面の短辺稜部のコーナ部4側から該長方形面の中心に向けて斜めに延びるとともに、その深さが漸次深くなるようにされる。また、ブレーカ溝6は、切刃5が延びる方向には上記長辺稜部の長さの1/2手前辺りから切れ上がり、この長さの1/2を越えて同じすくい面2の反対側のブレーカ溝6の溝壁面6bと交差させられていて、1つのすくい面2に形成されるブレーカ溝6同士が上記長方形面の中心部分において連通するようにされている。
なお、これらの変形例では、すくい面2においてこれらのブレーカ溝6が形成された以外の部分、すなわち切刃5が延びる上記一対のコーナ部4以外の他の一対のコーナ部から上記長辺稜部に沿って延びる部分に、該すくい面2から一段突出する凸部2Aがそれぞれ形成されている。これらの凸部2Aの突頂面は、このすくい面2がなす長方形面の上記中心線に垂直な1つの平面上に位置して、該すくい面2上においてこの中心線方向に最も突出するようにされており、また上記切刃5は該中心線方向に上記1つの平面より後退した位置にあって該平面に平行に延びるように形成されている。
そして、このうち第1、第2の実施形態の変形例では、上記溝底面6aのコーナ部4側に凹部8が形成されていて、その切刃5側を向く内壁面8aが1段目の壁部とされている。ここで、これらの変形例における凹部8は、上記接線Lが上述のように斜めに延びているのに伴い、この接線Lに沿った上記内壁面8aもコーナ部4側から切刃5が延びる方向に向けて該切刃5から離間するように傾斜させられた、上記平面視に台形状をなすように形成されており、ただしコーナ部4に沿った部分の内壁面は、第1、第2の実施形態と同様にこのコーナ部4に沿った1/4円弧状とされている。
また、第1の実施形態および参考例の変形例では、溝壁面6bに、コーナ部4側から切刃5が延びる方向に向けて延びる突条部9が複数条(これらの変形例でも2条)形成されている。これらの突条部9は、コーナ部4から上記他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、切刃5側の第1の突条部9Aよりも、これとは反対の第2の突条部9Bの方が、上記溝底面6aに対する高さが高くなるように、かつ切刃5が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成されていて、それぞれの切刃5側を向く壁面9aが、第1の実施形態の変形例では2段目、3段目の壁部とされ、参考例の変形例では1段目、2段目の壁部とされている。
なお、これらの突条部9も、該変形例ではコーナ部4側から切刃5の延びる方向に向けて溝壁面6bがすくい面2内側の上記長方形面の中心に向かっているのに伴い、同様に上記平面視において図20や図26に示すようにこのすくい面2の内側に向けて切刃5から離間するように傾斜させられている。また、これら第1の実施形態および参考例の変形例では、突条部9は上記接線Lを跨いで溝底面6a側に張り出すように形成されており、このうち第1の突条部9Aは切刃5が延びる方向に凹部8を越えて切刃5の長さの1/2を越えた辺りで第2の突条部9Bの壁面9aに没入するように形成される一方、第2の突条部9Bは溝壁面6bの略全長に亙って上記長方形面の中心付近にまで延びるように形成されている。
また、これら第1の実施形態および参考例の変形例では、このうち第2の突条部9Bの切刃5とは反対側に、該第2の突条部9Bの突頂面9bよりもさらに溝底面6aに対して高い位置に延びるブレーカ溝6の溝壁面6b部分が残されており、この部分の溝壁面6bが第1の実施形態の変形例では4段目の壁部とされ、参考例の変形例では3段目の壁部とされている。一方、第2の実施形態の変形例ではこれらの突条部9が形成されずに、溝壁面6bが断面凹円弧状をなしたまま上記中心に向けて延び、上記内壁面8aの次の2段目の壁部とされている。
このように構成された第1、第2の実施形態および参考例の各変形例の切削インサートは、例えばその切削に使用される切刃5が形成されたすくい面2とは反対側のすくい面2の上記凸部2Aにおける突頂面と、該切刃5の逃げ面3とは反対側の逃げ面3と、この反対側の逃げ面3に上記切刃5が連なるコーナ部4とは反対側のコーナ部4において交差する、インサート本体1の4つの長方形の側面のうちすくい面2以外の側面とを、切削工具のインサート取付座に形成された互いに直交する3つの壁面に当接させて、上記取付孔7に挿入されるクランプネジやクランプピン、クランプ駒等のクランプ手段により着脱可能に固定される。
そして、これらの変形例においても、上記切削に使用される切刃5に沿って形成されたブレーカ溝6には、切刃5側を向いてコーナ部4側から該切刃5が延びる方向に向けて延びる複数段の壁部が、コーナ部4に交差するすくい面2の一対の辺稜部のうち他方の辺稜部が延びる方向に向けて該コーナ部4から順に、溝底面6aに対する高さが高くなるように、かつ切刃5が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成されているので、仕上げ切削の際には切屑を確実にブレーカ溝6に導き、これら複数段の壁部により抵抗を与えることで処理することができる一方、中仕上げ切削や粗切削においては切刃5のコーナ部4から離れた側で切屑の衝突する壁部の段数が少なくなるため、切削抵抗の増大や切屑の詰まりを防ぐことが可能となる。
また、これらの変形例では、コーナ部4側から切刃5が延びる方向に向けてブレーカ溝6の溝底面6aの幅が漸次大きくなるようにされていて、コーナ部4から離れた側ではこのブレーカ溝6の容量を大きく確保することができるので、中仕上げ切削や特に粗切削の際の切屑の詰まりを一層確実に解消することができる。加えて、1つのすくい面2に形成されるブレーカ溝6同士が、該すくい面2とされるインサート本体1の長方形面の中心部分で互いに連通しているので、この連通部分を介して反対側のブレーカ溝6に切屑を排出することもでき、やはり中仕上げ切削や特に粗切削の際に生成された切屑を詰まり気味とさせることなく円滑に排出することが可能となる。
本発明の第1の実施形態を示す斜視図である。 図1に示す第1の実施形態を取付孔7の中心線に沿ってすくい面2に対向する方向から見た平面図である。 図1に示す第1の実施形態を1つの逃げ面3に垂直に対向する方向から見た側面図である。 図1に示す第1の実施形態を1つの逃げ面3に平行な方向から見た側面図である。 図2におけるAA断面図である。 図2におけるBB断面図である。 本発明実施形態に対する参考例を示す斜視図である。 図7に示す参考例を取付孔7の中心線に沿ってすくい面2に対向する方向から見た平面図である。 図7に示す参考例を1つの逃げ面3に垂直に対向する方向から見た側面図である。 図7に示す参考例を1つの逃げ面3に平行な方向から見た側面図である。 図8におけるAA断面図である。 図8におけるBB断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す斜視図である。 図13に示す第2の実施形態を取付孔7の中心線に沿ってすくい面2に対向する方向から見た平面図である。 図13に示す第2の実施形態を1つの逃げ面3に垂直に対向する方向から見た側面図である。 図13に示す第2の実施形態を1つの逃げ面3に平行な方向から見た側面図である。 図14におけるAA断面図である。 図14におけるBB断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例を示す斜視図である。 図19に示す第1の実施形態の変形例をすくい面2の中心線に沿って該すくい面2に対向する方向から見た平面図である。 図19に示す第1の実施形態の変形例を取付孔7の中心線に沿って逃げ面3に対向する方向から見た側面図である。 図19に示す第1の実施形態の変形例をすくい面2と逃げ面4とに平行な方向から見た側面図である。 図20におけるAA断面図である。 図20におけるBB断面図である。 本発明実施形態に対する参考例の変形例を示す斜視図である。 図25に示す参考例の変形例をすくい面2の中心線に沿って該すくい面2に対向する方向から見た平面図である。 図25に示す参考例の変形例を取付孔7の中心線に沿って逃げ面3に対向する方向から見た側面図である。 図25に示す参考例の変形例をすくい面2と逃げ面4とに平行な方向から見た側面図である。 図26におけるAA断面図である。 図26におけるBB断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例を示す斜視図である。 図31に示す第2の実施形態の変形例をすくい面2の中心線に沿って該すくい面2に対向する方向から見た平面図である。 図31に示す第2の実施形態の変形例を取付孔7の中心線に沿って逃げ面3に対向する方向から見た側面図である。 図31に示す第2の実施形態の変形例をすくい面2と逃げ面4とに平行な方向から見た側面図である。 図32におけるAA断面図である。 図32におけるBB断面図である。
符号の説明
1 インサート本体
2 すくい面
3 逃げ面
4 コーナ部
5 切刃
6 ブレーカ溝
6a ブレーカ溝6の溝底面
6b ブレーカ溝6の溝壁面(壁部)
8 凹部
8a 凹部8の切刃5側を向く内壁面(壁部)
8b 凹部8の底面
9,9A,9B 突条部
9a 突条部9の壁面(壁部)
9b 突条部9の突頂面

Claims (3)

  1. すくい面のコーナ部に交差する一対の辺稜部のうち一方の辺稜部に上記コーナ部から延びる切刃が形成されるとともに、このすくい面には上記切刃に連なる溝底面とこの溝底面から上記切刃側を向いて立ち上がる溝壁面とを備えたブレーカ溝が上記コーナ部から上記切刃に沿って延びるように形成されており、このブレーカ溝には、上記切刃側を向いて上記コーナ部側から該切刃が延びる方向に向けて延びる複数段の壁部が、上記コーナ部から上記一対の辺稜部のうち他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、上記溝底面に対する高さが高くなるように、かつ上記切刃が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成され、上記ブレーカ溝の溝底面には、該溝底面に対して凹む凹部が上記コーナ部側に形成されるとともに、上記ブレーカ溝の溝壁面には、該コーナ部側から上記切刃が延びる方向に向けて上記凹部よりも長く延びる突条部が形成されていて、上記凹部の上記切刃側を向く内壁面と、上記突条部の上記切刃側を向く壁面とが、上記複数段の壁部とされていることを特徴とする切削インサート。
  2. 上記ブレーカ溝の溝壁面には、複数条の上記突条部が、上記コーナ部から上記他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、上記溝底面に対する高さが高くなるように、かつ上記切刃が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. すくい面のコーナ部に交差する一対の辺稜部のうち一方の辺稜部に上記コーナ部から延びる切刃が形成されるとともに、このすくい面には上記切刃に連なる溝底面とこの溝底面から上記切刃側を向いて立ち上がる溝壁面とを備えたブレーカ溝が上記コーナ部から上記切刃に沿って延びるように形成されており、このブレーカ溝には、上記切刃側を向いて上記コーナ部側から該切刃が延びる方向に向けて延びる複数段の壁部が、上記コーナ部から上記一対の辺稜部のうち他方の辺稜部が延びる方向に向けて順に、上記溝底面に対する高さが高くなるように、かつ上記切刃が延びる方向に沿った長さが長くなるように形成され、上記ブレーカ溝の溝底面には、該溝底面に対して凹む凹部が上記コーナ部側に形成されていて、この凹部の上記切刃側を向く内壁面と、上記ブレーカ溝の溝壁面とが、上記複数段の壁部とされていることを特徴とする切削インサート。
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