JP4445915B2 - 溝入れ工具用焼結体 - Google Patents

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Description

この発明は、溝入れ工具の中間素材である焼結体、特に、溝入れ工具の刃形、刃幅などの変化や切削条件の変動に対応できる焼結体と、その焼結体を仕上げ加工して作られるブレーカ突起を備えた、低送り加工から高送り加工までの切屑処理が可能な溝入れ工具に関する。
旋削加工でワークの外周に溝を形成する溝入れ工具の従来技術として、例えば、下記特許文献1〜3に開示されるものがある。
特許文献1が開示している切削インサートは、金型で成形したチップブレーカをすくい面上に設けて溝加工時に発生する切屑をそのチップブレーカで処理するようにしている。溝入れ加工では、工具や周辺の機材に対して絡み易い切屑が発生する。チップブレーカは、その切屑を良好に分断し、あるいは良好にカールさせて円滑に処理する目的で設けられる。特許文献1が採用しているチップブレーカは、切屑の処理性能を高めるために、2つに枝別れして前方にせり出す形状の突起を採用している。
また、特許文献2が開示している切削インサートは、すくい面の両側に、一対の第1突起を切れ刃の位置から後ろ斜め向きに立ち上がらせて設け、さらに、各第1突起の後方に、第1突起よりも大きく立ち上がる第2突起を長手方向に並ぶように形成しており、その第1突起と第2突起をチップブレーカとして機能させて切屑を処理するようにしている。
特許文献3は、多角形スローアウェイチップの各コーナに溝入れ用の刃部を形成したものであって、各刃部のすくい面の後方に傾斜壁を設け、また、切れ刃に近い位置から傾斜壁を分割する位置まで前後に延びる凹部を設け、さらに、切れ刃の両端寄りの部位に隆起した凸部を設けている。
特許文献2、3が開示している溝入れ工具も、金型で成形した突起や凸部を設け、その突起や凸部をチップブレーカとして働かせるようにしており、切屑処理に関しては不足のない機能を確保することができる。しかしながら、これらの溝入れ工具は下記の欠点を併せ持つ。
一般的な切削インサートは、粉末冶金法で製造され、原料粉末の成形が金型によってなされる。すくい面上に金型成形のブレーカ突起を設ける溝入れ工具も同様である。
ところが、金型で成形して製造する溝入れ工具は、刃形や刃幅が限定されたものになる。また、金型成形のブレーカ突起を備えさせると、切削条件も狭い範囲に制限されるようになる。これらの不具合をなくそうとすると工具の種類が増え、多種類の金型が必要になって経済的なロスが発生する。
そのロスを減少させるために工具の種類を制限する方法が採られており、そのために、刃形や刃幅の種類が少なくなり、選択の自由度が狭くなる不具合があった。また、特殊形状の刃形を有する溝入れ工具は、切れ刃の形成がブレーカ突起によって妨げられないようにするためにブレーカ突起を持たないものにする必要があり、良好な切屑処理が望めない欠点があった。
図21に、特許文献2が開示している切削インサートの刃部の平面を表す。この切削インサートに特殊形状の切れ刃、例えば、一部に傾斜刃21aを有する図22の切れ刃21Aや、面取り刃21bを備える図23の切れ刃21Bを形成すると、傾斜刃21aや面取り刃21bが第1突起22や第2突起23と重なって正常な工具にならず、従って、図22や図23のような特殊形状の切れ刃をもつ溝入れ工具は、ブレーカ突起の無いもの、換言すれば切屑の強制処理機能を持たないものにせざるを得なかった。
特許第3335048号公報 特許第3255802号公報 特開2001−322010号公報
この発明は、切れ刃からブレーカ突起までの距離、刃幅、刃形の少なくともどれか1つを調整可能となして種類の統合を図った溝入れ工具用焼結体と、その焼結体を仕上げ加工して作られるブレーカ用突起を備えた、低送り加工から高送り加工までの切屑処理が可能な溝入れ工具を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、下記(1)、(2)の溝入れ工具用焼結体を提供する。
(1)すくい面上に1個又は数個が特定エリアに群れ集まったブレーカ突起を有し、そのブレーカ突起から前逃げ面までの間と、ブレーカ突起から左右の横逃げ面までの間にそれぞれ凹凸の無いランド部が存在し、それらのランド部に、切れ刃からブレーカ突起までの距離、刃幅、刃形の少なくともどれか1つを調整するための削り代を有しており、一方の横逃げ面から前記ブレーカ突起までのランド部幅W2と、他方の横逃げ面から前記ブレーカ突起までのランド部幅W3が異なる溝入れ工具用焼結体。
(2)すくい面上に1個又は数個が特定エリアに群れ集まったブレーカ突起を有し、さらに、そのブレーカ突起の両横にブレーカ突起から離れた小リッジを有し、前記ブレーカ突起及び小リッジから前逃げ面までの間と、前記ブレーカ突起、小リッジの各々から左右の横逃げ面までの間にそれぞれ凹凸の無いランド部が存在し、それらのランド部に、切れ刃から前記ブレーカ突起までの距離、刃幅、刃形の少なくともどれか1つを調整するための削り代を有しており、一方の横逃げ面から前記ブレーカ突起までのランド部幅W2と、他方の横逃げ面から前記ブレーカ突起までのランド部幅W3が異なる溝入れ工具用焼結体。
これらの焼結体は、粉末冶金法で製造されるものであり、チップブレーカとなるブレーカ突起を含めて全体の成形が金型で行われる。
これらの焼結体は、すくい面上のブレーカ突起の主部の幅W4を3.0mm以下、より好ましくは1.0〜2.0mm、前記ブレーカ突起から前逃げ面までの距離(=ランド部幅)W1を0.3〜0.7mm、ブレーカ突起から一方の横逃げ面までの距離(=ランド部幅W2)とブレーカ突起から他方の横逃げ面までの距離(=ランド部幅W3)をそれぞれ0.1mm以上(上限は好ましくは2.2mm程度)に設定したものが好ましい。
(1)の焼結体を仕上げ加工して作られる溝入れ工具は、すくい面が焼結肌を残し、前逃げ面又は少なくとも片方の横逃げ面、又は前逃げ面と少なくとも片方の横逃げ面が研磨肌もしくは研削肌の面になる。また、(2)の焼結体を仕上げ加工して作られる溝入れ工具は、すくい面が焼結肌を残し、前逃げ面又は左右の横逃げ面、又は前逃げ面と左右の横逃げ面が研磨肌もしくは研削肌の面になる。この発明では、その溝入れ工具も併せて提供する。
(1)の焼結体を仕上げ加工して作られる溝入れ工具、(2)の焼結体を仕上げ加工して作られる溝入れ工具のどちらも、すくい面上のブレーカ突起は、2個の楕円形状のリッジを、谷を間に挟んでその谷の左右に前後方向に長くなる状態に並べて構成されるものが好ましい。
また、(1)の焼結体を仕上げ加工して作られる溝入れ工具のすくい面上のブレーカ突起を、前逃げ面から離れるにつれてその突起の高さが段階的に順次高くなるように構成したものや、前記ブレーカ突起のうち、前逃げ面側から数えて2番面の突起の一部が補助突起として設けられ、その補助突起は主部の設置領域を越えて横逃げ面に向かう方向に延び出しており、この補助突起の高さが、前逃げ面から当該補助突起までの距離よりも小に設定されたものも好ましい。
前記補助突起は、切れ刃と平行な線に対して突端側が前逃げ面に近づく方向に好ましくは2〜7°傾斜させたものがよい。この補助突起が左右対称形状であるか否かは特に問わない。
また、このような焼結体では、すくい面と横逃げ面との交差部に形成された稜線と切れ刃との交点に曲線状のコーナを設け、このコーナの曲率半径Rと、切れ刃からブレーカ突起までの距離L1との差が0.1mm(±0.1mm)以内となるように設定したものが好ましい。
この発明の溝入れ工具用焼結体は、すくい面上のブレーカ突起と前逃げ面との間に設けた凹凸の無いランド部やブレーカ突起と横逃げ面との間に設けた凹凸の無いランド部に削り代を付与しており、前逃げ面や横逃げ面の位置や形が変わるようにそれらのランド部を削って切れ刃からブレーカ突起までの距離、刃幅、刃形の少なくともどれか1つを調整す
ることができる。その調整によって同一焼結体から何種類もの溝入れ工具を作ることができ、従って、中間素材となる焼結体の種類を統合して生産性の向上やコスト低減を図ることが可能になる。
また、同一焼結体から種類の異なる溝入れ工具を作ることができるので、刃形や刃幅の種類を増加させてユーザの選択の自由度を広げること、さらには、特殊形状の刃形を有する溝入れ工具にブレーカ突起を備えさせて切屑処理性能を高めることも可能になる。
このほか、すくい面上の特定エリアに数個のブレーカ突起を群れ集まらせて設けることで、切屑の処理能力を高めることが可能になる。特に、ブレーカ突起を、前逃げ面から離れるにつれてその突起の高さが段階的に順次高くなるように構成するものは、低送り加工から高送り加工までの切屑を処理することが可能になり、工具の利用範囲が拡大する。
また、ブレーカ突起の中に、主部の設置領域を越えて横逃げ面に延び出す補助突起を含ませるものは、切屑の流出方向を安定させることができ、横送り加工での切屑を処理することも可能になる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面の図1〜図18に基づいて説明する。図1は、3つのコーナを入れ替えて使用する基本形が三角形の刃先交換式チップへの適用例を示し
ている。
図の1は、目的のチップの中間素材となる超硬合金やセラミックスなどで形成された基本形が三角形の焼結体である。この焼結体1は、3箇所のコーナ部に、一端面を段落ちさせて形成した刃部2をそれぞれ備えている。
刃部2は、ブレーカ突起3を有するすくい面4と、一端が三角形の各辺に対して鈍角に交わり、他端がすくい面に交わってすくい面との交差部に稜線5を生じさせる前逃げ面6と、左右の横逃げ面7、8を備えて構成されている。稜線5は切れ刃になる稜線であり、この発明ではその稜線5の位置や長さや形を要求に応じて調整する。
すくい面4は、フラットなすくい面、図12あるいは図13に示すように、稜線5の位置から刃部2の基端(根元)側に向かって直線的に又は緩やかに湾曲して下るすくい角θを有した面のどちらであってもよい。正のすくい角を有するすくい面は、切削抵抗が低減され、加工の安定性が高まる。なお、すくい面4のすくい角θは、0°以下では切削抵抗が増加して加工時にいわゆるビビリが発生し易く、一方、20°以上では刃先が欠損し易くなるだけでなく、正面の切れ刃からブレーカ突起3までの距離(後述するランド部9の幅W1)を調整したときに刃先の位置が大きく下がって好ましくないので、0°以上、20°以下に設定するのがよい。
また、チップブレーカとして機能させるすくい面4上のブレーカ突起3は、数個がすくい面の特定エリアに群れ集まったもの、特に、図2に示すように、2個の楕円形状のリッジ3aを、谷3bを間に挟んで左右に縦長に並べて構成されるものが切屑の処理性に優れていて好ましい。リッジ3aの後部に配置した突起3cは、リッジ3aよりも高さを高くしているが、この突起3cは、高送り加工での使用を意図しない場合には省いても差し支えない。
図3に示すような単一のブレーカ突起3も、チップブレーカの無いものやチップブレーカが溝のみからなるものに比べれば切屑の処理能力を高めるので、この単一のブレーカ突起を設けてもよい。
ブレーカ突起3から前逃げ面6まで(稜線5まで)の間には凹凸の無いランド部9が存在する。また、ブレーカ突起3から各横逃げ面7、8までの間にも凹凸の無いランド部10、11が存在する。ランド部10、11は、その幅W2、W3を図2に示すように同一にしてもよいし、図4に示すように異ならせてもよい。
ランド部9は、その幅W1を、例示の焼結体で形成した溝入れ工具で考えられるランド部幅の最大値と同等又はそれよりも大に設定しており、削り代を有する。前逃げ面6を研磨、あるいは研削してランド部9の幅W1を変化させることができ、仕上げ後の切れ刃21からブレーカ突起3までの距離L1を、被削材の材質や切削条件に合った最適値に調整して効果的な切屑処理能力を発揮させることができる。
ランド部10、11も、その幅W2、W3を、例示の焼結体で形成した溝入れ工具で考えられるランド部幅の最大値と同等又はそれよりも大に設定しており、削り代を有する。横逃げ面7又は8もしくは双方の横逃げ面7、8を研磨、あるいは研削してランド部10、11の幅W2、W3を変化させると、切れ刃となる稜線5の長さ、即ち、刃幅が変化し、従って、溝幅変更の要求にも同一種類の焼結体で対応することができる。
また、一方のランド部、例えばランド部11の幅W3を、図4に示すように他方のランド部10の幅W2よりも大きくしておけば、前逃げ面6や横逃げ面8を削って特殊形状の切れ刃、例えば、傾斜刃21aを有する図5の切れ刃21Aや、面取り刃21bを有する図6の切れ刃21Bを形成することができる。図7に示す丸溝加工用の切れ刃21Cを形成することもできる。その丸溝加工用切れ刃21Cは、ランド部10、11の幅W2、W3が等しい焼結体、W2、W3が異なる焼結体のどちらを加工してもよい。図8に示す切れ刃21も勿論形成することができる。図5〜図8は、仕上げ加工を施して完成した溝入れ工具20の刃形(最終刃形)を表している。
溝入れ工具は、一般に刃幅2.0〜4.0mm程度のものが多く、その刃幅に対応するためには、図4におけるブレーカ突起3の幅(後述する補助突起を含まない部分の幅であり、この発明ではこれをブレーカ突起の主部の幅と言う)W4を2.5mm以下、より好ましくは1.0〜2.0mm程度にしておくと好ましい。また、ランド部9の幅W1は、完成品では0.1〜0.4mm程度が好ましい。0.1mm以下では切屑が詰まって刃先が欠ける。また、0.4mm以上では切屑が処理されずに延び出してしまう。焼結体は、0.2〜0.3mmの研磨代が必要であるので、それを加算してW1は0.3〜0.7mmが必要である。ランド部10、11の幅W2、W3は、完成品で0.1mm〜2.0mm程度が好ましい。焼結体は最低で0.1mm程度の研磨代が必要であるので0.1mm以上、好ましくは0.1〜2.2mm程度が適している。
図9は、すくい面4上に図2と同様のブレーカ突起3(図3のような単一のブレーカ突起も可)を設け、さらに、そのブレーカ突起3の両横にブレーカ突起3から離れた小リッジ12を設け、ブレーカ突起3及び小リッジ12から前逃げ面6までの間に凹凸の無いランド部9を形成し、さらに、ブレーカ突起3、小リッジ12の各々から左右の横逃げ面7、8までの間にそれぞれ凹凸の無いランド部10、11を形成し、それらのランド部9、10、11に、稜線5(切れ刃)からブレーカ突起3までの距離、刃幅、刃形の少なくともどれか1つを調整するための削り代を付与した焼結体1Aを示している。
この焼結体1Aも、ブレーカ突起3から切れ刃(仕上げ後の稜線5)までの距離を被削材の材質や切削条件に合うように調整することができる。また、小リッジ12に掛からない範囲又はブレーカ突起3よりも外側、かつ、小リッジ12よりも内側に逃げ面があるように横逃げ面7、8の位置を変えて刃幅を調整することができ、さらに、図10に示すように、面取り刃21bを両側に形成しても小リッジ12が障害とならず、両側の面取り刃形成が可能になる。
この面取り刃を有する溝入れ工具は、一般に刃幅(面取り刃を除く部分の刃幅)が2.0〜4.0mm程度のものが多く、その刃幅に対応するためには、ブレーカ突起3の幅W4を3.0mm以下、より好ましくは1.0〜2.0mm程度にしておくと好ましい。ランド部9の幅W1(切れ刃からブレーカ突起までの距離L1)は、完成品では0.1〜0.4mm程度が好ましい。0.1mm以下では切屑が詰まって刃先が欠ける。また、0.4mm以上では切屑が処理されずに延び出してしまう。焼結体は、0.2〜0.3mmの研磨代が必要であるので、それを加算して0.3〜0.7mmが必要である。ランド部10、11の幅(この場合は小リッジ12から横逃げ面までの幅)は、完成品で0.1〜2.0mm程度が好ましい。焼結体は最低で0.1mm程度の研磨代が必要であるので0.1〜2.2mm程度が適している。
すくい面に設けるブレーカ突起の別の変形例を図14〜図16に示す。図14のブレーカ突起3は、すくい面4のコーナ近くに左右対称に配置する1段目の突起3dと、すくい面の幅方向中央側に偏らせて各1段目の突起3dの後方にそれぞれ配置する2段目の突起3eと、この2段目の突起3eの後方に配置する3段目の突起3fの3種類で構成されている。
突起3d〜3fは、順にサイズを大きくし、前逃げ面6から離れるにつれてそれらの突起の高さを段階的に順次高くしている。
1段目の突起3dは、高さが低くてサイズも小さい。一般的な切削条件で使用する場合には、図17に示す刃先(前逃げ面)から突起3dまでの距離L1は、0.1〜0.4mm程度、突起3dの高さH1は0.03〜0.1mm程度、立ち上がり壁のすくい面に対する傾斜角β1(図17参照)は10°〜40°程度が適当である。
2段目の突起3eは、前半分が切頭円錐状をなす中サイズの突起であって、2個が寄り添って配置される。この突起3eは、1段目の突起3dの後方、切れ刃からの距離0.2〜0.3mmのところから始まって高さが突起3dよりも高くなるところまで立ち上がっている。この突起3eの高さH2は、0.3〜0.5mm、立ち上がり壁の傾斜角β2(図17)は25°〜35°程度が適当である。
3段目の突起3fは、2段目の突起3eよりも後方にあり、その高さは突起3eよりもさらに高い。
この図14のブレーカ突起3を備える溝入れ工具は、低送り加工(例えば、送り量f=0.03mm)での厚みの薄い切屑T1を、図19(a)に示すように、1段目の突起3dでカールさせて処理する。また、高送り加工(例えば、送り量f=0.1mm)での厚みの厚い切屑T2を、図19(b)に示すように、2段目の突起3eでカールさせて処理する。さらに、3段目の突起3fは、2段目の突起3eがカールさせた切屑を跳ね上げる働きと、2段目の突起3eを補強する働きをする。従って、好ましい要素といえるが、必須ではない。
各突起の切れ刃からの距離と高さの設定が適切でない場合には、低送り加工での切屑T1が、図20(a)に示すように、1段目の突起3dを乗り越えて延び出したり、高送り加工での厚い切屑T2が図20(b)に示すように、1段目の突起3dに衝突して所謂切屑詰まりを生じたりするが、上記の適当とした設計ではそのような問題が起こらない。
図15のブレーカ突起3は、図14のブレーカ突起にさらに補助突起3gを追設して構成されている。補助突起3gは、前逃げ面6から数えて2番目、即ち、2段目の各突起3e、3eに付随しており、2段目の各突起3e、3eの位置から横逃げ面7、8に向かう方向に延び出し、突端がW4の幅を持つブレーカ突起3の主部の両側端を越えて横逃げ面7、8側にせり出している。
この補助突起3gは、ブレーカ突起3に対する切屑の接触領域を幅方向に広げて切屑の流出を安定させる。また、横送り加工での切屑をカールさせて分断する機能も持つ。この
補助突起3gは、高さが1段目の突起3dよりも高く、切れ刃から補助突起3gまでの距離に比べるとそれよりも低い。
この補助突起3gは、切れ刃と平行な線に対して突端側が前逃げ面6に近づく方向に図15の角度γで傾いた形状にすると、補助突起3gに突き当たった切屑にその切屑を幅方向に撓ませる力が加わり、切屑の流出安定性がさらに高まる。
この場合の補助突起3gの傾き角γは、2°以上にすると切屑の当たりが安定する。また、7°以下にすると切屑が補助突起だけでなく2段目の突起3eにも確実に当たって良好に処理される。従って、傾き角γは、2°〜7°の範囲とするのがよい。
また、すくい面と横逃げ面との交差部に形成された稜線と切れ刃との交点に曲線状のコーナを設けた場合、そのコーナの曲率半径Rが大きくなる程、切れ刃からブレーカ突起までの距離L1を大きくすることで切屑の流出安定性を高めることができる。従って、一般的な溝入れ工具で使用される曲率半径はR=0.4mm以下であり、L1も0.4mm以下とすることが好ましいが、曲率半径Rを大きくする場合はL1が0.4mmを超えてもよい。このとき、このコーナの曲率半径Rと、切れ刃からブレーカ突起3までの距離L1との差が0.1mm(±0.1mm)以内となるように設定したものが好ましい。
図18に、図15のブレーカ突起を有する溝入れ工具用焼結体を加工して面取り刃21bを有する溝入れ工具を構成したときの刃形を示す。このように、溝入れ工具を面取り刃を有する形状にしても補助突起3gは邪魔にならない。
補助突起3gを含ませるブレーカ突起は、補助突起3gが図15に示すように左右対称に設けられている必要はなく、図16に示すように左右非対称になっていてもよい。
なお、この発明は、基本形が三角形の刃先交換式チップに適用すると、3箇所のコーナを刃部として使用する経済的に有利な工具を実現できるが、図11に示すように角軸13の両端部に刃部2を形成するチップなどに適用しても焼結体の品種統合の効果を得ることができる。
(a)この発明の溝入れ工具用焼結体の一例を示す斜視図、(b)焼結体の刃部の拡大斜視図、(c)焼結体の刃部の拡大正面図、(d)図1(b)のX−X線部の拡大断面図 刃部の一例を示す拡大平面図 すくい面に設けるブレーカ突起の変形例を示す拡大平面図 ブレーカ突起の左右のランド部の幅を異ならせた例を示す拡大平面図 この発明の溝入れ工具の刃形の一例を示す拡大平面図 この発明の溝入れ工具の刃形の他の例を示す拡大平面図 この発明の溝入れ工具の刃形のさらに他の例を示す拡大平面図 この発明の溝入れ工具の刃形のさらに他の例を示す拡大平面図 焼結体の刃部の他の例を示す拡大平面図 図9の焼結体を用いて形成した溝入れ工具の刃形の一例を示す拡大平面図 この発明の焼結体の他の例を示す斜視図 すくい角をつけたすくい面の一例を示す断面図 すくい角をつけたすくい面の他の例を示す断面図 すくい面に設けるブレーカ突起の変形例を示す拡大平面図 すくい面に設けるブレーカ突起の他の変形例を示す拡大平面図 すくい面に設けるブレーカ突起のさらに他の変形例を示す拡大平面図 図15のY−Y線に沿った位置の拡大断面図 図15の燒結体で形成される溝入れ工具の刃形の一例を示す拡大平面図 (a)図14〜図16のブレーカ突起を有する溝入れ工具の低送り切削での切屑処理状態と、(b)高送り切削での切屑処理状態を示す図 ブレーカ突起の2段目の高さを低くした溝入れ工具の低送り切削での切屑処理状態と、(b)高送り切削での切屑処理状態を示す図 特許文献2が開示している切削インサートの刃部の平面図 特殊刃形の一例を示す平面図 特殊刃形の他の例を示す平面図
符号の説明
1、1A 焼結体
2 刃部
3 ブレーカ突起
3a リッジ
3b 谷
3c 突起
3e 2段目の突起
3f 3段目の突起
3g 補助突起
4 すくい面
5 稜線
6 前逃げ面
7、8 横逃げ面
9〜11 ランド部
12 小リッジ
13 角軸
20 溝入れ工具
21、21A〜21C 切れ刃
21a 傾斜刃
21b 面取り刃

Claims (3)

  1. 溝入れ工具用の焼結体であって、すくい面(4)上に1個又は数個が特定エリアに群れ集まったブレーカ突起(3)を有し、そのブレーカ突起(3)から前逃げ面(6)までの間と、前記ブレーカ突起(3)から左右の横逃げ面(7、8)までの間にそれぞれ凹凸の無いランド部(9、10、11)が存在し、それらのランド部に、切れ刃から前記ブレーカ突起(3)までの距離、刃幅、刃形の少なくともどれか1つを調整するための削り代を有しており、一方の横逃げ面(7)から前記ブレーカ突起(3)までのランド部幅(W2)と、他方の横逃げ面(8)から前記ブレーカ突起(3)までのランド部幅(W3)が異なる溝入れ工具用焼結体。
  2. 溝入れ工具用の焼結体であって、すくい面(4)上に1個又は数個が特定エリアに群れ集まったブレーカ突起(3)を有し、さらに、そのブレーカ突起(3)の両横に当該ブレーカ突起(3)から離れた小リッジ(12)を有し、前記ブレーカ突起(3)及び小リッジ(12)から前逃げ面(6)までの間と、前記ブレーカ突起(3)、小リッジ(12)の各々から左右の横逃げ面(7、8)までの間にそれぞれ凹凸の無いランド部(9、10、11)が存在し、それらのランド部に、切れ刃から前記ブレーカ突起(3)までの距離、刃幅、刃形の少なくともどれか1つを調整するための削り代を有しており、一方の横逃げ面(7)から前記ブレーカ突起(3)までのランド部幅(W2)と、他方の横逃げ面(8)から前記ブレーカ突起(3)までのランド部幅(W3)が異なる溝入れ工具用焼結体。
  3. 前記ブレーカ突起(3)の主部の幅(W4)を1.0〜2.0mm、当該ブレーカ突起(3)から前記前逃げ面(6)までのランド部幅(W1)を0.3〜0.7mm、当該ブレーカ突起(3)から一方の横逃げ面(7)までのランド部幅(W2)と当該ブレーカ突起(3)から他方の横逃げ面(8)までのランド部幅(W3)をそれぞれ0.1mm以上とした請求項1又は2に記載の溝入れ工具用焼結体。
JP2005312796A 2004-10-29 2005-10-27 溝入れ工具用焼結体 Active JP4445915B2 (ja)

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