JP5135823B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、スタックの積層方向の温度分布を均一にし、スタックの発電特性の向上を図った燃料電池に関するものである。
従来の一般的な燃料電池のスタックは、複数のセルを積層して構成した積層セルと冷却水流路の形成された冷却板とを交互に積層してスタックを構成しているが、冷却板に近いセルは冷却水により十分冷却されるのに対し、冷却板から離れたセルでは冷却されにくく、温度が上昇してしまうため積層方向で温度分布が生じていた。スタック全体で温度を一定に保持しようとした場合、冷却板に近いセルの温度が低下して、結露などによりフラッディング(水詰まり)が発生するなどして、発電特性を劣化させる。したがって、積層したセルが均一に冷却され、スタック全体において温度分布が生じないようにする必要がある。
一般的には、図8に示すように、積層したセルを均一に冷却するため、積層セルの冷却板と冷却板の中間に位置する積層方向中央部のセパレータ板の厚さを、他の部分のセパレータ板の厚さよりも厚くしていた。これにより、厚くしたセパレータ板の部分で積層方向の熱伝導が抑制され、積層セル全体として積層方向の温度が均一化され、この積層セルを積層することにより、スタックの積層方向の温度分布の均一化を図っていた(特許文献1参照)。
また、積層したスタックの中央より冷空気(冷たい冷媒)を供給するとともに、スタックの両端部より温空気(温かい冷媒)を供給することにより、温度の高い中央のセルは冷空気により冷却され、温度の低い両端のセルは温空気により昇温されるためスタックの積層方向の温度分布を均一化する方法も開示されている(特許文献2参照)。
また、スタックの両端に二つの冷却水入口を備え、スタックに導入された冷却水を両端に設けられた二つの冷却水出口から排出することにより、スタック中央に流れる冷却水量を増やして冷却し、両端のセルの温度を上昇させてスタックの積層方向の温度分布を均一化する方法も開示されている(特許文献3参照)。
特開平6−251790号公報 特開2005−5074号公報 特開平8−111231号公報
しかしながら、前記従来のセパレータ板の厚みを変えて温度を均一化する方法ではスタックの構造が複雑になるだけでなく、セパレータ板の厚みの分だけ抵抗が増加するため、電圧が低下し、発電効率が低下してしまうという課題があった。
また、冷却水などの冷媒の流し方により温度分布を均一化させる方法では、冷媒を流す流路構成が複雑になるだけでなく、スタックの温度に対して冷却水流量が十分でない場合など、条件によっては温度分布が改善されず、積層方向における温度分布が問題となっていた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、第一のセルと、第一のセルと電極面積の異なる一対の電極を備えた第二のセルと、第一のセルと第二のセルを積層して構成される積層セルと、積層セルを冷却する冷却水流路を交互に積層してスタックを構成することにより、スタックの積層方向の温度分布を均一化して、発電特性に優れた燃料電池を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために本発明は、第一のセルと、前記第一のセルの一対の電極に比べて電極面積の異なる一対の電極を有する第二のセルとを有し、前記第一のセルと前記第二のセルを積層して積層セルが構成されるとともに、前記積層セルを冷却する冷却水を供給排出する冷却水流路とを有し、前記積層セルと前記冷却水流路を交互に積層してスタックを構成する燃料電池とするものである。
本発明の構成によれば、発電下において、第一および第二のセルを積層したスタックには所定の電流が流れると、第一のセルと電極面積の異なる第二のセルには単位面積当たりに流れる電流(電流密度)が第一のセルと異なった状態となる。電流密度に応じて第一および第二のセルのセル温度はそれぞれ決定されるので、第二のセルの電極面積を第一のセルよりも小さくすれば、電流密度が相対的に高くなり、第二のセルのセル温度は第一のセ
ルよりも高くすることができる。逆に、第二のセルの電極面積を第一のセルよりも大きくすれば、電流密度は相対的に低くなり、第二のセルのセル温度は第一のセルよりも低くすることができる。
したがって、例えば、冷却水流路の近傍など冷却されやすいセルの位置に第一のセルよりも電極面積の小さい第二のセルを配置すれば、第二のセルの電流密度は第一のセルより大きくなり、セル温度が高くなるので冷却水で冷却されてもセル温度を保持することができ、積層セルの温度が均一化することができる。そして、均一化した積層セルを積層したスタックも積層方向の温度分布を均一化することができ、フラッディングなどの特性劣化が抑制され、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
以上説明したように、本発明の燃料電池によれば、スタックの積層方向の温度分布が均一化されるので、発電特性に優れた燃料電池を提供することができる。
第1の発明は、第一のセルと、前記第一のセルの一対の電極に比べて電極面積の異なる一対の電極を有する第二のセルとを有し、前記第一のセルと前記第二のセルを積層して積層セルが構成されるとともに、前記積層セルを冷却する冷却水を供給排出する冷却水流路とを有し、前記積層セルと前記冷却水流路を交互に積層してスタックを構成する燃料電池とすることにより、相対的に第二のセルのセル温度を上昇あるいは降下させることができ、スタック全体として積層方向の温度分布を均一化することができ、フラッディングなどの特性劣化が抑制され、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
第2の発明は、電解質と前記電解質を挟む一対の電極と前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給排出し他方に少なくとも酸素を含む酸化剤ガスを供給排出するガス流路を有する一対のセパレータ板とを有する第一のセルと、前記第一のセルの一対の電極に比べて電極面積の異なる一対の電極と前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給排出し他方に少なくとも酸素を含む酸化剤ガスを供給排出するガス流路を有する一対のセパレータ板とを有する第二のセルとを有し、前記第一のセルと前記第二のセルを積層して積層セルが構成されるとともに、前記積層セルを冷却する冷却水を供給排出する冷却水流路とを有し、前記積層セルと前記冷却水流路を交互に積層してスタックを構成する燃料電池とすることにより、相対的に第二のセルのセル温度を上昇あるいは降下させることができ、スタック全体として積層方向の温度分布を均一化することができ、フラッディングなどの特性劣化が抑制され、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
第3の発明は、第2の発明において、第二のセルの一対の電極の電極面積は第一のセルの一対の電極の電極面積よりも小さく、前記第二のセルの燃料ガスを供給排出する側のセパレータ板に前記第一のセルの酸化剤ガスを供給排出する側のセパレータ板を積層し、前記第二のセルの酸化剤ガスを供給排出する側および前記第一のセルの燃料ガスを供給排出する側のセパレータ板に冷却水を供給排出する冷却水流路を配置し、積層セルを冷却することにより、二セル一積層セルの構成において、発熱反応のため各セルにおける主な熱発生源となる酸化剤ガスを供給排出する側のセパレータ板を、冷却水で冷却される第二のセルでは相対的に電極面積を小さくして電流密度を上げて温度を上昇させ、一方、酸化剤ガスを供給排出する側のセパレータ板が冷却水で冷却されない第一のセルでは相対的に一対の電極の電極面積を大きくして電流密度を下げて温度を降下させ、積層セル全体の温度の均一化を図ることができ、フラッディングなどの特性劣化が抑制され、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
第4の発明は、第2あるいは第3の発明において、第二のセルは、第一のセルよりも面
積の小さい一対のセパレータ板を備え、電極面積に応じた大きさのセパレータ板を用いるので、セパレータ板材料の使用量を削減することができ、経済的であるだけでなく、セパレータ板の熱容量が減るので、起動停止など温度変化がある場合でも、速やかにスタックの温度を均一化することができ、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
第5の発明は、第2〜4のいずれかの発明において、第二のセルは、第一のセルのセパレータ板のガス流路よりも流路長の短いガス流路を有するセパレータ板を備え、第一のセルよりも小さい電極面積に合わせたガス流路を設計するので、ガスの回り込みを防ぎ、電極面積を有効に使用することができ、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
第6の発明は、第2〜4のいずれかの発明において、第二のセルは、第一のセルのセパレータ板のガス流路よりも流路幅の大きいガス流路を有するセパレータ板を備え、流路長が短くなっても、流路幅を大きくするので、供給するガス流量を第一のセルと等しくして、ガス利用率を一定にすることができ、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
第7の発明は、第2〜4のいずれかの発明において、第二のセルは、第一のセルのセパレータ板のガス流路よりも流路深さの大きいガス流路を有するセパレータ板を備え、流路長が短くなっても、流路深さを大きくするので、供給するガス流量を第一のセルと等しくして、ガス利用率を一定にすることができ、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
第8の発明は、第2〜4のいずれかの発明において、第二のセルは、第一のセルのセパレータ板のガス流路よりも流路本数の多いガス流路を有するセパレータ板を備え、流路長が短くなっても、流路本数を多くするので、供給するガス流量を第一のセルと等しくして、ガス利用率を一定にすることができ、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の燃料電池の概略構成図を示すものである。図1において、1aは水素イオン伝導性を有するパーフルオロカーボンスルフォン酸ポリマーからなる膜状の固体高分子電解質であり、電解質1aの両面にはそれぞれの一対の電極、アノード21aおよびカソード22aが電解質1aの面内中央に形成されている。
アノード21aおよびカソード22aは、多孔質カーボンに白金などの貴金属を担持した触媒および水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなる触媒層と、触媒層の上に積層した通気性および電子伝導性を有するガス拡散層からなる。アノード21aには、耐CO性を有する白金−ルテニウムなどの合金触媒を用いた。また、ガス拡散層には撥水処理を施したカーボンペーパーあるいはカーボンクロスを用いた。
そして、アノード21aおよびカソード22aの周囲にガスの混合やリークを防止する一対のガスケットをそれぞれ配置し、さらに、アノード21aおよびカソード22aにそれぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給および排出するガス流路を有する電解質1aと概ね同じ大きさのカーボン製の導電性の一対のセパレータ板31aおよび32aを用いて挟持して第一のセル4aを作製した。
そして、第一のセル4aと同様にして、第一のセル4aと同じ大きさの電解質1bの両面中央にそれぞれ第一のセル4aの一対の電極21aおよび21bの約半分の電極面積の一対の電極21bおよび22bを形成し、電解質1bと概ね同じ大きさの一対のセパレータ板31bおよび32bで挟持した第二のセル4bを作製した。
図2(a)および(b)に、それぞれ第一のセル4aおよび第二のセル4bに使用したセパレータ板32aおよび32bのガス流路の概略構成図を示す。酸化剤ガスの入口および出口にそれぞれカソード側ガスマニホールドが形成され、入口から出口に向けてガス流路が形成されている。また、セパレータ板31aおよび31bにはアノード側ガスマニホールドおよび冷却水用マニホールドが形成されている。
それぞれのセパレータ板31、32のガス流路はサーペンタイン型流路であり、それぞれの電極面積に応じた流路長となっている。この構成によれば、ガスの回り込みを防ぎ、電極面積を有効に使用することができ、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
また、第二のセル4bのセパレータ板31bおよび32bのガス流路の流路長は第一のセル4aのセパレータ板31aおよび32aの流路長より短くなっているが、第二のセル4bのガス流路の流路幅および流路深さを第一のセル4aの流路幅および流路深さより大きくして、ガス流路全体の流路体積は第一のセル4aと同等になるように設計されている。
したがって、第一のセル4aに比べて第二のセル4bの流路長が短くても、流路幅あるいは流路深さを第一のセル4aより大きくするので、供給するガス流量を第一のセル4aと等しくして、ガス利用率を一定にすることができ、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
あるいは、第二のセル4bのセパレータ板31bおよび32bのガス流路の流路本数を第一のセル4aより多くすることにより、ガス流路全体の流路体積が同等となるようにしても同様の効果が得られる。
そして、第二のセル4bの燃料ガスを供給排出する側のセパレータ板31bに前記第一のセル4aの酸化剤ガスを供給排出する側のセパレータ板32aを積層し、積層セル6を構成した。
なお、積層セル6は一体化した構成としてもよいし、第一のセル4aと第二のセル4bがそれぞれ単独にあるものを積層したものでもよい。
さらに、積層セル6を冷却して所定の温度に保持するために、第二のセル4bの酸化剤ガスを供給排出する側のセパレータ板32bおよび第一のセル4aの燃料ガスを供給排出する側のセパレータ板31aに冷却水を供給排出する冷却水流路11を配置した。
そして、複数の積層セル6と冷却水流路11を交互に積層し、スタックを構成し、スタックの両端には集電板と、絶縁板および大きな荷重に耐えられる強度の高い金属からなる端板5を配置し、締結ロッドを用いてスタックの積層方向に強固に締結した。また、スタックからの放熱を防止し、スタックの温度を安定して保持するためスタックの周囲には断熱材を配置した。そして、集電板に負荷および電圧検出部を接続し、一定電流を流したときのスタックのセル電圧を検出できる構成とした。また、スタックの積層方向の温度分布を測定できるように各セルの酸化剤ガスを供給排出する側のセパレータ板32に熱電対を挿入し、各セル4の概ね中央のセル温度を測定できるようにした。
そして、スタックのアノード21側には、メタンなどの原料ガスから水素を生成する燃料処理部7を接続し、少なくとも水素を含む燃料ガスを供給できるようにした。
また、スタックのカソード22側には、大気から酸素を取り込む酸化剤ガス供給部8を接続し、大気中の不純物を除去する不純物除去部9と、酸化剤ガスを加湿する加湿部10を介して、大気から不純物が取り除かれて加湿された酸化剤ガスを供給できるようにした。
酸化剤ガスとは、少なくとも酸素を含む(あるいは酸素を供給することのできる)ガスの総称であり、大気(空気)はその一例である。
上記構成の本発明の燃料電池の動作について説明する。アノード21およびカソード22にそれぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給して負荷を接続すると、アノード21に供給された燃料ガス中に含まれる水素はアノード21と電解質1の界面で電子を放って水素イオンとなる、この反応式は(化1)のようになる。
Figure 0005135823
水素イオンは電解質1を通ってそれぞれカソード22へと移動し、カソード22と電解質1の界面で電子を受け取り、カソード22に供給された酸化剤ガス中に含まれる酸素と反応し、水を生成する。この反応式は(化2)のようになる。
Figure 0005135823
全反応を(化3)に示す。
Figure 0005135823
このとき負荷を流れる電子の流れを直流の電気エネルギーとして利用することができる。また、一連の反応は発熱反応であるため、反応熱を熱エネルギーとして利用することができる。
次に、燃料処理部7の構成および動作について説明する。燃料処理部7は、付臭剤などに含まれる硫黄化合物を吸着除去する脱硫部71と、メタンなどの炭化水素を含む原料ガスを改質する改質部72と、改質反応で発生する一酸化炭素(CO)を変成するCO変成部73と、さらにCOを酸化除去するCO除去部74で構成される。
原料ガスは、はじめに脱硫部71で脱硫され、その後、改質部72で改質されて水素を含む燃料ガスとなる。原料ガスにメタンを用いた場合、改質部72では、水蒸気を伴って(化4)で示した反応が起こり、燃料ガスである水素とともに約10%のCOを発生する。
Figure 0005135823
燃料電池の動作温度域においてアノード21に含まれる白金はわずかなCOでも被毒しその触媒活性が低下するため、改質部72で発生したCOは(化5)で示すようにCO変成部73で二酸化炭素に変成され、その濃度を約5000ppmまで減少させられる。後流のCO除去部74ではCOだけでなく、燃料ガスの水素まで酸化されてしまうので、CO変成部73においてできるだけCO濃度を低下させる必要がある。
Figure 0005135823
さらに残ったCOは(化6)で示すようにCO除去部74で空気中に含まれる酸素と反
応して酸化され、その濃度はアノード21の触媒活性の劣化を抑制できる約10ppm以下までに減少させられる。
Figure 0005135823
全反応式を(化7)に示す。
Figure 0005135823
上記構成の本発明の実施の形態の燃料電池の発電特性を調べるため、約60℃の冷却水をスタックの冷却水入口より供給し、アノード21およびカソード22にそれぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給し、スタックに負荷を繋いで約40A流れるように発電を行なった。また、従来構成のスタックと比較するため、全てのセルの電極面積が同じスタックを作製し、同様に発電を行なった。いずれのスタックも冷却水出口における冷却水温度は約70℃であった。
このときの従来スタックおよび本発明の実施の形態のスタックの各セル4の位置を表すセル番号とセル温度の関係(スタックの積層方向における温度分布)についてそれぞれ図3(a)および(b)に示す。図3(a)に示すように、全てのセルの電極面積が同じ従来のスタックの温度分布は、スタックの両端のセル4で最も低く、中央寄りのセル4で温度が上昇していた。さらに、酸化剤ガスを供給排出する側のセパレータ板32に冷却水を流す冷却水流路11がない偶数番号セルのセル温度が冷却水流路11のある奇数番号セルのセル温度に比べて高くなっていることが判った。セル温度は両端で約65℃、奇数番号セルで約67℃、偶数番号セルで約69℃であった。
両端部でセル温度が低くなっているのはスタックの端部からの放熱が大きいためと考えられる。
これに対し、図3(b)に示すように、本発明の実施の形態のスタックの温度分布は、両端でやや温度が下がっているものの、奇数番号セル(第一のセル)4aと偶数番号セル(第二のセル)4bの温度差が減少し、スタック全体の温度分布が均一化されていることがわかった。
本発明の実施の形態のスタックの偶数番号セル(第二のセル)4bは、主な熱発生源となる酸化剤ガスを供給排出する側のセパレータ板32bを、冷却水で冷却されているが、第一のセル4aと比べて電極面積を小さくして電流密度を上げて温度を1〜2℃上昇させているため、積層セル6、さらにスタック全体の温度の均一化され、従来のスタックの温度分布より大幅に改善されていることが確認できた。
第二のセル4bのセル温度が上昇するのは、スタックの各セルにはそれぞれ同じ電流が流れているが、電極面積が第一のセル4aの約半分になっている第二のセル4aの電流密度は約二倍になっており、燃料電池は電流密度が上昇すると抵抗分極などが増大し、発熱量が大きくなるため、第二のセル4bのセル温度は第一のセル4aのセル温度より高くなるからである。
一方、それぞれの発電特性見てみると、奇数番号セルのセル温度が偶数番号セルに比べて降下している従来のスタックでは、ガスの利用率が低下すると奇数番号セルで電圧が低く、挙動も不安定になる特性が見られた。これは奇数番号セルで加湿された燃料ガスあるいは酸化剤ガスが冷却水により冷やされ結露するため、結露水がガス拡散層やセパレータ板のガス流路を塞ぎ、発電に必要な燃料ガスあるいは酸化剤ガスの供給や生成水の排出を妨害するために発生するフラッディングが原因であると考えられる。
これに対して、本発明の実施の形態のスタックは、ガスの利用率が低下しても、全セルにおいて、従来のスタックで見られたようなフラッディングなどは観測されず、安定した発電特性を示していた。これはスタックの積層方向における温度分布が均一化され温度による影響が緩和されるため、結露現象が防止され、フラッディングが発生しないからと推測できる。
したがって、本発明の実施の形態の燃料電池によれば、スタック全体として積層方向の温度分布を均一化することができ、フラッディングが抑制され発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2の燃料電池の概略構成図である。実施の形態1と異なる点は、図5の(a)および(b)に示したように、第二のセル4bは、第一のセル4aに用いられる一対のセパレータ板31aおよび32aよりも面積の小さい一対のセパレータ板31bおよび32bを備えた点である。それ以外は第一の実施の形態と同じであり、詳細な説明は省略する。
上記構成の燃料電池について実施の形態1と同様にして特性を調べたところ、実施の形態1の燃料電池とほぼ同等の温度分布を示していることが判り、発電特性も安定していることが確認できた。
したがって、本発明の実施の形態2の燃料電池によれば、電極面積に応じた大きさのセパレータ板31bおよび32bを用いるので、セパレータ板材料の使用量を削減することができ、経済的であるだけでなく、セパレータ板31bおよび32bの熱容量が減るので、起動停止など温度変化がある場合でも、速やかにスタックの温度を均一化することができ、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3の燃料電池の概略構成図である。実施の形態1と異なる点は、3セル以上の複数のセル4を積層して積層セル6を形成し、冷却水を供給排出する冷却水流路11と交互に積層してスタックを構成した点である。図6においては3セルを積層して積層セル6を形成している形態を示す。それ以外は実施の形態1と同じであり、詳細な説明は省略する。
上記構成の燃料電池について実施の形態1と同様にして特性を調べたところ、スタックの積層方向における温度分布が均一になっていることが確認できた。また、本発明の実施の形態のスタックは、ガスの利用率が低下しても、従来のスタックで見られたようなフラッディングなどは観測されず、安定した発電特性を示していた。
したがって、本発明の実施の形態3の燃料電池によれば、積層セル6の両端に位置するセル4bの一対の電極21bおよび22bの電極面積を積層セル6の中央に位置するセル4aの一対の電極21aおよび22aの電極面積より小さくすることにより、積層セル6の両端のセル4bの温度が上昇し、積層セル6全体の温度を均一化することができる。そ
して、温度が均一化した積層セル6を積層することにより、スタックの積層方向における温度分布も均一化されるので、フラッディングなどの特性劣化が抑制され、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。なお、積層セル6は一体化した構成としてもよいし、それぞれのセルが単独にあるものを積層したものでもよい。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4の燃料電池の概略構成図である。実施の形態3と異なる点は、積層セルの両端に位置するセルは、前記積層セルの両端以外に位置するセルよりも面積の小さい一対のセパレータ板を備えた点である。図7においては3セルを積層して積層セル6を形成している形態を示す。それ以外は実施の形態3と同じであり、詳細な説明は省略する。
上記構成の燃料電池について実施の形態3と同様にして特性を調べたところ、実施の形態3の燃料電池とほぼ同等の温度分布を示していることが判り、発電特性も安定していることが確認できた。
したがって、本発明の実施の形態4の燃料電池によれば、電極面積に応じた大きさのセパレータ板を用いるので、セパレータ板材料の使用量を削減することができ、経済的であるだけでなく、セパレータ板の熱容量が減るので、起動停止など温度変化がある場合でも、速やかにスタックの温度を均一化することができ、発電特性に優れた燃料電池を得ることができる。なお、積層セル6は一体化した構成としてもよいし、それぞれのセルが単独にあるものを積層したものでもよい。
本発明の燃料電池は、スタックの積層方向における温度分布の均一化による発電特性の向上という効果を有し、高分子型固体電解質膜を用いた燃料電池、燃料電池デバイスに有用である。また、温度変化に富んだ屋外に設置される定置用燃料電池コジェネレーションシステムや燃料電池自動車にも利用可能である。
本発明の実施の形態1における燃料電池の概略構成図 (a)同燃料電池の第一のセルのセパレータ板の概略構成図(b)同燃料電池の第二のセルのセパレータ板の概略構成図 (a)従来の燃料電池のスタック積層方向の温度分布特性図(b)本発明の実施の形態1における燃料電池のスタック積層方向の温度分布特性図 本発明の実施の形態2における燃料電池の概略構成図 (a)同燃料電池の積層セルの両端以外のセルのセパレータ板の概略構成図(b)同燃料電池の両端のセルのセパレータ板の概略構成図 本発明の実施の形態3の燃料電池の概略構成図 本発明の実施の形態4の燃料電池の概略構成図 従来の燃料電池の概略構成図
1 電解質
21a、21b 電極(アノード)
22a、22b 電極(カソード)
31a、31b、32a、32b セパレータ板
4a 第一のセル
4b 第二のセル
6 積層セル
11 冷却水流路

Claims (8)

  1. 第一のセルと、前記第一のセルの一対の電極に比べて電極面積の異なる一対の電極を有する第二のセルとを有し、前記第一のセルと前記第二のセルを積層して積層セルが構成されるとともに、前記積層セルを冷却する冷却水を供給排出する冷却水流路とを有し、前記積層セルと前記冷却水流路を交互に積層してスタックを構成する燃料電池。
  2. 電解質と前記電解質を挟む一対の電極と前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給排出し他方に少なくとも酸素を含む酸化剤ガスを供給排出するガス流路を有する一対のセパレータ板とを有する第一のセルと、前記第一のセルの一対の電極に比べて電極面積の異なる一対の電極と前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給排出し他方に少なくとも酸素を含む酸化剤ガスを供給排出するガス流路を有する一対のセパレータ板とを有する第二のセルとを有し、前記第一のセルと前記第二のセルを積層して積層セルが構成されるとともに、前記積層セルを冷却する冷却水を供給排出する冷却水流路とを有し、前記積層セルと前記冷却水流路を交互に積層してスタックを構成する燃料電池。
  3. 第二のセルの一対の電極の電極面積は第一のセルの一対の電極の電極面積よりも小さく、前記第二のセルの燃料ガスを供給排出する側のセパレータ板に前記第一のセルの酸化剤ガスを供給排出する側のセパレータ板を積層し、前記第二のセルの酸化剤ガスを供給排出する側および前記第一のセルの燃料ガスを供給排出する側のセパレータ板に冷却水を供給排出する冷却水流路を配置し、積層セルを冷却する請求項2に記載の燃料電池。
  4. 第二のセルは、第一のセルよりも面積の小さい一対のセパレータ板を備えた請求項2あるいは3に記載の燃料電池。
  5. 第二のセルは、第一のセルのセパレータ板のガス流路よりも流路長の短いガス流路を有するセパレータ板を備えた請求項2〜4いずれか1項に記載の燃料電池。
  6. 第二のセルは、第一のセルのセパレータ板のガス流路よりも流路幅の大きいガス流路を有するセパレータ板を備えた請求項2〜4いずれか1項に記載の燃料電池。
  7. 第二のセルは、第一のセルのセパレータ板のガス流路よりも流路深さの大きいガス流路を有するセパレータ板を備えた請求項2〜4いずれか1項に記載の燃料電池。
  8. 第二のセルは、第一のセルのセパレータ板のガス流路よりも流路本数の多いガス流路を有するセパレータ板を備えた請求項2〜4いずれか1項に記載の燃料電池。
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