JP5135785B2 - 湾曲部貼付粘着シート、その製造方法及び貼付方法 - Google Patents

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本発明は、一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象の湾曲部に貼付される湾曲部貼付粘着シート、その製造方法及び貼付方法に関する。
従来より、各種商品の販売促進やキャンペーンイベントなどの広告宣伝表示において、自動販売機などに広告宣伝用のシールやステッカーなどのステッカー類の貼付が行われている。これら販促用のステッカー類は、アイキャッチ効果を高めるために視線の高さ付近に貼り付けることが好適であるが、自動販売機は通常視線の高さ近傍に商品サンプルが展示された展示窓が設けられているため、展示窓の外周部に貼り付けられることが多い。この場合、自動販売機前面の展示窓外周部の幅が狭いため、ステッカー類への情報量確保や、斜視方向からのアイキャッチ効果を高めるため、自動販売機前面から側面へのコーナー部などの湾曲した曲面などの湾曲部にステッカー類が貼り付けられる場合がある。
このようなステッカー類は、湾曲部に貼り付けた際に剥がれが生じないことが重要な特性となる。また、販促用のステッカー類は、恒久的に貼付されるものではなく、一定期間が経過した後に剥離されることが多い。このため剥離時の作業性や剥離後の糊残りが生じない再剥離性も兼備する必要がある。
湾曲部への接着性と再剥離性に優れたステッカー類の検討は従前からなされており、例えば、粘着力と剥離速度との比が特定比率の粘着剤層を有する粘着製品が開示されている(特許文献1参照)。また、粘着剤の剥離性や接着力を有する粘着剤層を使用すると共に、特定の物性を有する基材や積層部材を使用した粘着フィルムが開示されている(特許文献2参照)。これら粘着製品や粘着フィルムは、湾曲部への接着性および再剥離性に優れるものであるが、接着性と再剥離性とは相反する特性であるため、粘着剤層の特性向上のみでは、貼付対象の曲率が大きくなった場合や湾曲部への貼付面積が小さくなった場合には、剥がれを抑制することが困難であった。また、剥がれを防止するために接着力を向上させると再剥離性が著しく低下する問題や、糊残りが生じる問題があった。従って、上記用途のように曲率が大きく貼付面積の小さい湾曲部に貼り付けて、1〜数ヶ月の長期にわたって外気環境下にさらされる場合にも、剥離を抑制できる粘着シートが切望されていた。
特開2002−155248号公報 特開2004−231886号公報
本発明が解決しようとする課題は、湾曲部に貼付した際に剥がれが生じにくい湾曲部貼付粘着シートを提供することにある。さらに本発明は、優れた再剥離性を兼備できる湾曲部貼付粘着シートを提供することにある。
本発明においては、粘着剤層の特性向上のみでは、湾曲部に貼り付けた際に剥がれが生じにくいという特性および再剥離性に優れる特性という相反する特性を兼備することが困難である実状に鑑みて、従来検討が充分に行われていなかった粘着シートの積層部材の積層時の方向制御について鋭意検討し、樹脂基材と装飾層を湾曲させる方向とを好適な方向性を持って配することにより粘着シートのカールを制御できること、及び当該方向性に更に樹脂ラミネート層の方向性を制御することによりラミネート層の収縮力と伸長力を樹脂基材により適宜調整でき、被貼付対象である湾曲部に粘着シートを追従させることができることを見出し、湾曲部貼付に極めて適した粘着シートを実現した。
すなわち、本発明は、一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象の湾曲部に貼付される湾曲部貼付粘着シートであって、少なくとも樹脂基材、粘着剤層、装飾層および樹脂ラミネート層とを有し、前記樹脂基材が二軸延伸樹脂フィルムからなり、前記樹脂基材の一方の面に前記粘着剤層が設けられ、前記樹脂基材の他方の面に前記装飾層と前記樹脂ラミネート層とが設けられてなり、前記樹脂基材の最終延伸方向と、被貼付対象に貼り付ける際に前記装飾層が湾曲する方向とが略直交方向である湾曲部貼付粘着シートを提供するものである。
また、本発明は、少なくとも二軸延伸樹脂フィルムからなる樹脂基材、粘着剤層、装飾層および樹脂ラミネート層とを有し、一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象の湾曲部に貼付される湾曲部貼付粘着シートの製造方法であって、
樹脂基材の一面に粘着剤層を設ける工程と、
樹脂基材の最終延伸方向と、被貼付対象に貼り付ける際に装飾層が湾曲する方向とが略直交するように、樹脂基材の前記粘着剤層を有する面と他方の面に装飾層を積層する工程、
とを有する湾曲部貼付粘着シートの製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象に粘着シートを貼り付ける貼付方法であって、
少なくとも樹脂基材、粘着剤層、および樹脂ラミネート層とを有し、
前記樹脂基材の一方の面に前記粘着剤層が設けられ、前記樹脂基材の他方の面に前記樹脂ラミネート層とが設けられてなり、前記樹脂基材の最終延伸方向と、前記樹脂ラミネート層のラミネート加工時の張力印加方向とが略平行方向である粘着シートを、前記樹脂基材の最終延伸方向と、一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象の湾曲する方向とが略直交方向となるように貼り付ける粘着シートの貼付方法を提供するものである。
本発明の湾曲部貼付粘着シートは、シート自体が湾曲部に追従する特性を有するため、湾曲部に貼り付けた際に剥離が生じにくい。また、湾曲部からの剥がれ防止のために粘着剤層の接着力を強力にする必要がなく、優れた再剥離性の実現や、糊残りの低減が容易である。
このような特性を有する本発明の湾曲部貼付粘着シートは、自動販売機のコーナー部に貼り付けられるステッカー用途に極めて有用である。また、当該用途に限らず、円筒状の製商品に貼り付けるシール類などの各種の湾曲部貼付用のステッカーやシールとして有用である。
本発明の湾曲部貼付粘着シートは、一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象の湾曲部に貼付される湾曲部貼付粘着シートであって、
少なくとも樹脂基材、粘着剤層、装飾層および樹脂ラミネート層とを有し、
前記樹脂基材が二軸延伸樹脂フィルムからなり、
前記樹脂基材の一方の面に前記粘着剤層が設けられ、前記樹脂基材の他方の面に前記装飾層と前記樹脂ラミネート層とが設けられてなり、
前記樹脂基材の最終延伸方向と、被貼付対象に貼り付ける際に前記装飾層が湾曲する方向とが略直交方向である湾曲部貼付粘着シートである。
[被貼付対象]
本発明の湾曲部貼付粘着シートを貼り付ける被貼付対象は、少なくとも一軸方向に湾曲した湾曲部を有するものである場合に優れた効果を発現できる。ここで湾曲部とは、円弧形状に湾曲したコーナー部(図1)、一以上の角部を有するコーナー部(図2,3)、あるいは、円筒形の側周囲の一部などの凸状の曲げ形状部をいう。
このような湾曲部を有するものとしては、例えば、円弧形状の湾曲部や角部によりコーナー部が形成されたTV、PCなどの電化製品や、屋外に設置される自動販売機などの直方体形状のもの、当該直方体形状の角部が面取りされた形状を有するもの、あるいは化粧品容器や洗剤容器をはじめとする生活雑貨などの各種容器や、屋外に設置されている標識のポールなどの円筒形形状のものなどが例示できる。
[樹脂基材]
本発明に使用する樹脂基材としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−6,T等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを使用できる。また、これら樹脂が2種以上混合された樹脂フィルムであってもよい。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
上記樹脂フィルムとしては、二軸延伸されたものを使用でき、二軸延伸フィルムは機械的強度や剛性が強いため、貼付、貼り直し、剥離作業性に適しており、貼り直しを行う際に基材の伸びやカールが生じにくい。また、二軸延伸フィルムは、一方向に延伸し、次いで当該方向と直交する方向に延伸するため、最終延伸方向と直交する方向の柔軟性に優れる。
樹脂基材を形成する樹脂フィルムの成形方法は特に限定されず、公知慣用の成形方法が使用でき、具体的にはスクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合物のキャスト成形またはカレンダー成形後の溶剤やオイルの除去、熱可塑性樹脂の溶液からの成形と溶媒除去などが挙げられる。
樹脂フィルムを延伸する方法としては、公知慣用の延伸方法が使用でき、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸などが挙げられる。ここで、最終延伸方向とはこれら方法による延伸工程のうち、最終の延伸工程において延伸する方向をいう。
延伸する際の延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用する樹脂の特性により適宜選択される。例を挙げると、樹脂としてポリプロピレンないしはその共重合体を使用する時には一方向に延伸する場合は約1.2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用する時には一方向に延伸する場合は1.2〜10倍、好ましくは2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜20倍、好ましくは4〜12倍である。更に、必要に応じて高温での熱処理が施される。
延伸する温度としては、非結晶樹脂を延伸する場合は、使用する樹脂のガラス転移点温度以上の温度範囲、結晶性樹脂の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下の温度範囲等、それぞれの樹脂に好適な温度範囲で行うことができる。例えば熱可塑性樹脂を使用する場合には、樹脂の融点より2〜60℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)のときは152〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のときは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)のときは104〜115℃である。また、延伸速度は20〜350m/分である。
樹脂基材に使用する樹脂フィルムがポリプロピレン単独重合体を使用し、テンターオーブンを用いた横延伸工程を含む場合、後半に熱セットゾーンを設け、その設定温度をできるだけ高くし、延伸成形されたポリプロピレン系フィルムの温度を、最も高い場合はその融解温度近傍まで高くすることは、熱収縮率低減に効果がある。この目的のために、熱セットゾーンの設定温度は、延伸工程のライン速度や熱セットゾーンで吹き付けられる高温空気の流速や流量、熱セットゾーンの構造等により種々の選択が可能であるが、一例として、158〜165℃の範囲が挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムが、無機微細粉末ないしは有機フィラーを含有する場合、フィルム表面に微細な亀裂が、フィルム内部には微細な空孔が生じる。
本発明に使用する樹脂基材の厚さは、特に制限されないが、シールやステッカー用途に使用する場合には、貼付後の耐反発性を抑制するために、150μm以下であることが好ましく、50〜100μmであることが特に好ましい。
[樹脂ラミネート層]
本発明の湾曲部貼付粘着シートにおける樹脂ラミネート層は、通常ラミネート加工に使用される樹脂フィルムを使用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド樹脂、トリアセチルセルロース、アクリル樹脂、ポリエーテルスルフォン等の材料からなる樹脂フィルムを使用でき、またはそれらのフィルムの積層体が使用できる。
ラミネート層用樹脂フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、製法も限定されるものではないが、機械強度、寸法安定性、透明性の点から二軸延伸フィルムが好ましい。樹脂フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、取り扱い易さやシワの生じにくさ及び経済性を考慮して、5〜200μmの範囲のものを用いる。
ラミネート層用樹脂フィルムには様々なバリアコーティング、易接着コーティング、帯電防止コーティング、紫外線遮蔽コーティング等の機能性処理やシリカ、アルミナ、アルミ等の各種蒸着処理が施されていてもよい。
当該樹脂ラミネート層は、ラミネート加工時に樹脂が引っ張られた状態でラミネートされるため、ラミネート加工流れ方向には収縮する力が、ラミネート加工流れ方向と直交する方向には伸長する力が働く。これらの力は経時により、より顕著に生じる。
ラミネート方法は、特に限定されるものでなく、ドライラミネート、ノンソルベントラミネート、押出しラミネート等公知のラミネート法を用いることが可能であるが、本発明においては、ドライラミネートが好ましい。ドライラミネート法の場合には、樹脂ラミネート層となる樹脂フィルムにラミネート用接着剤をグラビアロールなどのロールにより塗布後、溶剤を乾燥させ直ちに装飾層が設けられた樹脂基材の装飾層上にニップロールにより貼り合わせる。
ニップロールにより貼り合せる場合、ニップロールは室温〜120℃に加熱して貼り合せることができるが、40〜100℃が望ましい。
[装飾層]
本発明の湾曲部貼付粘着シートにおける装飾層は、特に制限されないが、各種印刷方法により形成されるインキ層からなるものが形成が容易であるため好ましい。
オフセット印刷方式等の平版印刷法、グラビア印刷方式等の凹版印刷法、フレキソグラフ印刷方式等の凸版印刷法、シルクスクリーン印刷方式等の孔版印刷法などの各種印刷方式を用いることができる。
[粘着剤層]
本発明の湾曲部貼付粘着シートに使用する粘着剤としては、公知のアクリル系、ゴム系、ビニルエーテル系、シリコーン系の粘着剤を使用することができるが、なかでも、周波数1Hz、−50℃〜150℃における動的粘弾性スペクトルの損失正接が、(a)−20℃以下の低温域で上に凸のピークを有し、(b)10〜40℃の中温域で下に凸のピークを有し、(c)70℃における損失正接が0.38〜0.57である粘着剤が、再剥離性と接着性に優れるため特に好ましく使用できる。
(粘着剤層の動的粘弾性特性の規定方法)
本発明に使用する粘着剤の動的粘弾性特性は、特定周波数、及び特定温度における、動的粘弾性スペクトルの損失正接、又は損失正接及び貯蔵弾性率により規定し、さらに、特定周波数における動的粘弾性スペクトルの損失正接のピークを示す温度、または損失正接のピーク値により規定する。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用いて、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。試験片は厚み0.5〜2.5mmの粘着剤を単独で平行円盤の間に挟んでも良いが、基材と粘着剤の積層体を幾重にも重ねて平行円盤の間に挟んでも良い。なお、後者の場合は粘着剤のみの厚さが前記の範囲となるように調整する。粘着剤としての厚さを上記の範囲に調整すると、中間に基材が挟まっていても粘着剤の動的粘弾性スペクトルに影響はないことを本発明者等は確認している。
本発明に使用する粘着剤は、周波数1Hzでの−50℃〜150℃の範囲における損失正接が、−20℃以下の低温域で上に凸状のピークを有し、低温域から中温域にかけて減少し、10〜40℃の中温域で下に凸のピークを有し中温域から高温域にかけて上昇し、70℃で特定の範囲内の値をとる。
損失正接を上記各範囲とすることで、粘着剤に適度な流動性が付与される。具体的には、被着体表面の微小な凹凸にも浸透できる流動性を発現しながら、過度に流動することがないため接着力の過度な上昇を抑制することができる。さらに、粘着剤が適度に流動する性質により、粘着剤にかかる応力を和らげることができる。その結果、被着体に貼着された粘着シートを、経時あるいは高温環境下に曝された後に再剥離する作業において、剥がそうとする基材が破れ易くなったり、被着体に粘着剤が残リ易くなることはない。また、被着体に貼付された粘着シートを、経時あるいは高温環境下に曝した際であっても、粘着シートの浮き剥がれが発生し難い。さらに、粘着シートを熱可塑性樹脂に貼着した場合において、熱可塑性樹脂からアウトガスが発生しても、粘着シートと熱可塑性樹脂との間に気泡溜まりが発生し難くなる。
(高温域における粘着剤層の損失正接)
本発明に使用する粘着剤の50〜120℃の高温域中の損失正接は、周波数1Hzにおいて、70℃で0.38〜0.57である。70℃での損失正接は0.43〜0.55であることが好ましく、0.46〜0.54であることがより好ましい。また、50℃での損失正接は、0.38〜0.53であることが好ましく、0.40〜0.51であることがより好ましい。また、100℃での損失正接は、0.40〜0.65であることが好ましく、0.44〜0.65であることがより好ましく、0.50〜0.60であることが特に好ましい。更に、120℃での損失正接は、0.40〜0.66であることが好ましく、0.45〜0.66であることがより好ましい。中でも、0.51〜0.62であることが特に好ましい。
(中温域における粘着剤層の損失正接)
本発明に使用する粘着剤を構成する粘着剤層の損失正接は、周波数1Hzにおいて、10℃〜60℃の間に下に凸のピークを有する。さらに、そのピーク値は0.35〜0.51であることが好ましく、0.4〜0.51であることがより好ましい。
(低温域における損失正接曲線の凸ピークを示す温度)
本発明に使用する粘着剤は、その損失正接曲線の凸ピークを示す温度が、周波数1Hzにおいて、−20℃以下であることが好ましく、−25℃以下であることがより好ましく、−30℃以下であることが特に好ましい。この範囲内であれば、貼着時に粘着剤層がエンボス面などの凹凸面に十分に流動し易く、その結果、被着体との接着力が十分となり、経時により浮き剥がれが発生し難い。また、再剥離する際に、断続的な抵抗感が出たり、ビリビリといった剥離音が発生し難く、スムーズな剥離作業を行うことができる。
(低温域における損失正接の凸ピーク値)
本発明に使用する粘着剤は、その損失正接のピーク値が1.3〜1.0以下であることが好ましい。
(粘着剤層の貯蔵弾性率)
本発明に使用する粘着剤は、その貯蔵弾性率が、周波数1Hzにおいて、70℃で6.0×10〜2.1×10(Pa)であることが好ましい。また、50℃での貯蔵弾性率は、7.0×10〜2.4×10(Pa)であることが好ましい。また、100℃での貯蔵弾性率は、3.0×10〜1.6×10(Pa)であることが好ましい。また、120℃での貯蔵弾性率は、2.0×10〜1.4×10(Pa)であることが好ましい。更に、−40℃での貯蔵弾性率は、5.0×10〜5.0×10(Pa)であることが好ましい。
(粘着剤の調製)
本発明の湾曲部貼付粘着シートに使用する粘着剤としては、公知のアクリル系、ゴム系、ビニルエーテル系、シリコーン系の粘着剤を使用することができるが、それらの中でもアクリル系の粘着剤が好ましい。特に、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含有するアクリル系共重合体が好ましい。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート等であり、単独或いは2種以上を併用して用いることができる。中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、又はそれらを併用した単量体を主成分とすることが好ましく、その使用量は粘着剤組成中の50〜99質量%であることが好ましく、95〜99%質量%であることがより好ましい。更に、(n−ブチルアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート)で表される質量比が、70/30〜0/100であることが好ましく、45/55〜5/95であることがより好ましく、35/65〜15/85であることが一層好ましい。主モノマーとして、上記の種類、使用量とすることにより、上記動的粘弾性スペクトルにおける低温領域の損失正接の上に凸のピーク値を目的の範囲に制御し易い。
さらに、側鎖に水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの官能基を有するビニル系単量体を、0.01〜15質量%の範囲で添加するのが好ましい。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、無水マレイン酸カルボキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、N−ビニルカプロラクタム、アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、N―メチロールアクリルアマイド、グリシジルメタクリレート等であり、これらを単独或いは2種以上を併用して使用することができる。中でも、カルボキシル基を含有したビニル系単量体を使用することが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、又はそれを併用した単量体を使用することがより好ましく、更に、その使用量は0.5〜4.0質量%であることが好ましい。特に、再剥離性と湾曲部に対する接着性を向上させるために、アクリル酸とメタクリル酸を併用して使用することが好ましい。特に、アクリル酸とメタクリル酸の総量を粘着剤組成中の1.5〜2.5質量%となる量を使用し、アクリル酸に対するメタクリル酸の割合を質量比で0.5〜2.0とすることが好ましく、1.0〜1.5とすることがより好ましい。カルボキシル基含有モノマーとして、上記の種類、使用量とすることにより、上記動的粘弾性スペクトルにおける損失正接値を目的の範囲に制御し易くなり、さらに再剥離性が向上する。
アクリル系共重合体は、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、紫外線照射法、電子線照射法によって共重合させることにより得ることができる。中でも、乳化重合法が好ましい。
さらに粘着剤の凝集力を上げ、粘着力又は再剥離性を向上させるために、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等が挙げられる。中でも、オキサゾリン系架橋剤が好ましい。さらに、オキサゾリン基と反応する単量体として、アクリル酸およびメタクリル酸を使用し、カルボキシル基に対するオキサゾリン基の官能基数比が0.05〜0.25となることが好ましい。また、粘着力を向上させるため、公知の粘着付与樹脂を使用することもできる。
また、粘着剤には、例えば、光安定化剤、紫外線吸収剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、難燃剤等の公知慣用の添加剤を添加することができる。光安定化剤としては、連鎖禁止剤、ハイドロパーオキサイド分解剤、金属不活性剤および紫外線吸収剤等が挙げられる。このような添加剤を使用することにより、上記の耐黄変性を向上させることができる。
(粘着剤のタイプ)
粘着剤のタイプとしては、エマルジョン型、溶剤型、無溶剤型等の粘着剤を使用することができるが、本発明の湾曲部貼付粘着シートに用いる粘着剤としては、エマルジョン型の粘着剤であることが好ましい。エマルジョン型の粘着剤は、溶剤を使用しないので環境面からも優れていると同時に、上記動的粘弾性スペクトルにおける高温領域の損失正接を目的の範囲に制御し易い。
(アクリル系エマルジョン型粘着剤の調製)
本発明におけるアクリル系エマルジョン型粘着剤の製造方法は特に限定されるものでなく、従来公知の方法を用いることができる。重合方法としては、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合などを採用でき、重合温度は、例えば20〜100℃程度である。
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、重合安定性を確保するため、アニオン系やノニオン系の乳化剤が適量用いられる。特に乳化剤は限定されず、公知の乳化剤を用いることができる。アニオン系乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられ、ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。以上の乳化剤を単独或いは複数併用して使用することができる。また、アニオン系及びノニオン系のいずれかにおいても、例えばプロペニル基等を導入したラジカル重合性の乳化剤を用いてもよい。
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、重合開始剤が用いられる。特に重合開始剤は限定されず、公知の重合開始剤を用いることができる。具体的に2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、4,4‘−アゾビス(4−シアノ)吉草酸、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等のアゾ系、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせや過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせ等からなるレドックス開始剤が用いられる。これらの開始剤は、通常は乳化重合の各段階に所定量を添加して、重合反応を行わせようにすればよい。
中でも、炭素ラジカルを生成する開始剤を使用することが望ましく、アゾ系の開始剤を使用することが好ましい。炭素ラジカルは脱水素力が乏しく、ポリマーのグラフト化が進行し難くなり、直鎖状のポリマーが得られ易くなる。その結果、上記動的粘弾性スペクトルにおける高温領域の損失正接、中温領域における損失正接の下に凸のピーク値を目的の範囲に制御し易い。
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、還元剤が用いられる。還元剤として、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物が挙げられる。
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、重合度を調整するために連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤として、ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、トリクロロブロモメタン等を上げることができ、これらの群れより選ばれた少なくとも1種以上使用することができる。中でも、単量体成分としてアクリル系の単量体を使用する場合には、アクリル系の単量体100質量部に対し、ラウリルメルカプタンを0.01〜0.2質量部、より好ましくは0.01〜0.04質量部、さらに好ましくは0.015〜0.025質量部配合することが好ましい。
エマルジョン型の粘着剤を得るための乳化重合に際し、乳化重合後、通常、アンモニア等の中和剤を用いて中和処理し、所定のpHに調整することにより、安定なエマルジョン型の粘着剤が得られる。中でも、pH8.5〜9.5の範囲であることが好ましい。
(粘着剤層の厚み)
本発明の粘着シートに用いる粘着剤層の厚みは、乾燥後の厚みで3〜200μmが好ましく、5〜50μmがさらに好ましく、10〜25μmが特に好ましい。上記下限値以上とすると得られる湾曲部貼付粘着シートの接着性を充分に得られやすく、上限値以下とすると印刷やダイカット加工時に粘着剤のはみ出しが発生しにくい。
(粘着力)
本発明の湾曲部貼付用シートに用いる粘着剤層は、湾曲貼付粘着シートの粘着力が1〜15(N/25mm)である粘着剤層が好ましく、また、粘着力は2〜14(N/25mm)であることがより好ましい。なお、粘着力はJIS Z0237に準拠して、圧着速度5mm/s、圧着回数1往復で試験片を貼った、耐水研磨紙で磨いたSUS304鋼板を23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に1時間放置した後、剥離角度180度方向に引っ張り速さ180mm/minの条件下で測定される値である。
[湾曲部貼付粘着シート]
本発明の湾曲部貼付粘着シートは、上記各層を有するものであり、前記樹脂基材の最終延伸方向と、被貼付対象に貼り付ける際に前記装飾層が湾曲する方向とが略直交方向である粘着シートであり、好ましくは、前記樹脂基材の最終延伸方向と、前記樹脂ラミネート層のラミネート加工時の張力印加方向とが略平行方向に積層されたものである。
本発明の湾曲部貼付粘着シートは、樹脂基材の最終延伸工程方向と直交する方向が柔軟性の高い方向であるため、当該方向と、被貼付対象に貼り付ける際に前記装飾層が湾曲する方向とが同方向となるように各層を積層することで、湾曲部に好適に追従できる湾曲部粘着シートを実現できる。
また、本発明においては、前記樹脂基材の最終延伸工程方向と、前記樹脂ラミネート層のラミネート加工時の張力印加方向とが略平行方向に積層された構造を有することが好ましい。通常の製造工程におけるラミネート加工では、ロール状等に作製された樹脂基材を順次送り出し、この製造流れ方向に張力を印加したラミネート用樹脂フィルムが積層される。ロール状に作製された二軸延伸樹脂フィルムからなる樹脂基材は、一般的に製造流れ方向に延伸した後、これに垂直な幅方向に延伸されて二軸延伸されるため製造流れ方向(最終延伸工程方向と直交する方向)の柔軟性が高い。このため、通常の製造工程においては、柔軟性の高い最終延伸工程と直行する方向と、ラミネート加工時の張力印加方向とが同一の方向となり、表層のラミネート層の収縮により粘着シートが凹状に反りを生じる。一方、上記本発明の好適な態様においては、樹脂基材において柔軟性の低い最終延伸工程方向が、樹脂ラミネート層が収縮しようとする方向と同方向となることで、ラミネート層表面が凹となる力を抑制することができる。さらに柔軟性の高い樹脂基材の最終延伸工程方向と直交する方向が、樹脂ラミネート層が伸長しようとする方向と同方向となることで、得られる湾曲部貼付粘着シートは、ラミネート層側が凸となるように適度にカールを生じるため湾曲部に好適に追従することができる。
以下、本発明の湾曲部貼付粘着シートを好適な態様を例示して説明する。本発明の湾曲部粘着シートの層構成の例としては、樹脂基材の一面に装飾層が設けられ、当該装飾層上にラミネート層を有し、且つ、樹脂基材の装飾層が設けられた面と反対面に粘着剤層を有する構成が挙げられる(図4)。
本発明の湾曲部貼付粘着シートは上記したように、各層の向きを特定方向で組み合わせることを特徴とする。具体的には、図5に示したように、当該構成の湾曲部貼付粘着シートを、平面上においた場合に、b軸方向を樹脂基材の最終延伸方向とする場合には、ラミネート層のラミネート加工時の張力印加方向同b軸方向となるよう構成する。
更に、装飾層を設ける向きは、被貼付対象に貼り付ける際に本発明の湾曲部貼付粘着シートが湾曲する方向と上記a軸方向とが一致するように、装飾層を設けることが必要である。例えば、被貼付対象が左右方向に湾曲しており、湾曲部貼付粘着シートを当該左右方向に湾曲させて貼り付ける場合(図6)には、湾曲する左右方向と、湾曲部貼付粘着シートのa軸とが同方向となるように、目的とする装飾層を設ける必要がある。具体的には、a軸が左右、b軸が上下の方向として視認できるように装飾層を設ける。また、湾曲部貼付粘着シートを上下方向に湾曲させて貼り付ける場合には、湾曲する上下方向と湾曲部貼付シートのa軸とが同方向となるように装飾層を設ける。具体的には、a軸が上下、b軸が左右の方向として視認できるように装飾層を設ける。
印刷層等の装飾層を設けた粘着シートにおいては、ラミネート層は通常視認される表層側に設けられる。樹脂ラミネート層は、樹脂フィルムに張力(テンション)をかけながら基材あるいは他層が積層された基材上にラミネートされるのが通常であるため、樹脂ラミネート層は、張力印加方向(テンション方向)に収縮力が生じ、これと直交する方向に伸長力が働く。このため、ラミネート層の収縮力により粘着シートは経時でカールが生じ、粘着シートが被貼付対象から剥離するおそれがある。
これに対し、本発明の湾曲部貼付粘着シートは、上記構成により、樹脂基材と樹脂ラミネート層の方向性を制御することにより粘着シートのカールを制御できること及び当該方向性に更に装飾層を好適な方向性を持って配することにより、ラミネート層の収縮力と伸長力を制御する。すなわち、樹脂基材の最終延伸方向と直交する方向においては柔軟にラミネート層の伸長力により、ラミネート層側が凸となるように適度にカールを生じさせ、樹脂基材の最終延伸方向においては、ラミネート層の収縮によるラミネート層側が凹となるカールを抑制することにより、湾曲部を有する被貼付対象の湾曲部、特に一軸方向に湾曲した湾曲部への貼付に極めて適した粘着シートを実現したものである。
本発明の湾曲部貼付粘着シートの形状や大きさは特に制限されないが、湾曲部に追従させる方向の軸長さが短い場合などの反発力が大きい場合や、切欠き部などの剥がれを生じやすい端部を多く有する形状の場合などに特に優れた効果を有する。例えば、長軸短軸を有する矩形形状の湾曲部貼付粘着シートの短軸方向を、曲率半径が1〜3cmの一軸方向に湾曲した湾曲部に追従させる場合に、短軸方向の長さが4.5〜5cmであっても優れた耐剥離性を実現できる。
本発明の湾曲部貼付粘着シートは、湾曲部に貼り付ける場合であっても粘着剤層として特別な強粘着の粘着剤を使用しなくとも、優れた耐剥離性を実現できる。また、強粘着の粘着剤を使用しなくとも良いため、再剥離性に優れ、剥離した際にも糊残りを生じにくい。従って、本発明の湾曲部貼付粘着シートは、湾曲部を有する各種形状の物品に貼り付けるステッカーやシールとして好適に使用できる。特に経時においてもカールが生じる方向が湾曲部に追従する方向であるため、外気環境下に設置される自動販売機用のキャンペーン用ステッカー等に好適に使用できる(図7)。
[製造方法]
本発明の湾曲部貼付粘着シートの製造方法においては、少なくとも
(1)樹脂基材の一面に粘着剤層を設ける工程と、
(2)樹脂基材の最終延伸方向と、被貼付対象に貼り付ける際に装飾層が湾曲する方向とが略直交するように、樹脂基材の前記粘着剤層を有する面と他方の面に装飾層を積層する工程、
とを有する。
さらに、(3)装飾層が設けられた樹脂基材の装飾層上に、樹脂基材の最終延伸方向と略平行方向にラミネート用樹脂フィルムに張力を印加して樹脂ラミネート層をラミネートする工程を有する方法により好適に製造できる。
上記(1)の工程において、樹脂基材の装飾層を有する面の裏面に粘着剤を設ける方法は特に限定されず公知の方法を採用することができる。例えば、ダイレクトグラビアコーター、メイヤバーコーター、リバースロールコーター、エアーナイフコーター、オフセットグラビアコーターおよび多段ロールコーター等が挙げられる。
また、得られた粘着剤層に剥離紙を設けてもよい。
上記(2)の工程においては、最終延伸方向と、装飾層が湾曲する方向とが略直交する方向となるように、樹脂基材上に装飾層を設けることにより、樹脂ラミネート層が伸長する方向と装飾層が湾曲する方向とが同方向となり、粘着シートが湾曲部に好適に追従する。
装飾層の形成方法は特に制限されず、オフセット印刷方式等の平版印刷法、グラビア印刷方式等の凹版印刷法、フレキソグラフ印刷方式等の凸版印刷法、シルクスクリーン印刷方式等の孔版印刷法などの各種印刷方式により形成できる。
上記(3)の工程においては、(2)の工程により得られた装飾層を有する樹脂基材上に、樹脂基材の最終延伸方向と略平行方向にラミネート用樹脂フィルムに張力を印加してラミネートする。当該方向で積層することにより、樹脂基材の最終延伸方向と直交する方向である柔軟性の低い方向と、ラミネート層が収縮する方向を同方向とすることでラミネート層の収縮を抑制できる。
樹脂ラミネート層のラミネート条件は一般的なラミネート条件下で行うことができる。ラミネート用樹脂フィルムにかける張力も通常の範囲でよく、ラミネート後のシート表面にシワが入らないように適宜調整すればよい。
[貼付方法]
本発明においては、粘着シートの好適な貼付方法として、
一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象に粘着シートを貼り付ける貼付方法であって、少なくとも樹脂基材、粘着剤層、および樹脂ラミネート層とを有し、前記樹脂基材の一方の面に前記粘着剤層が設けられ、前記樹脂基材の他方の面に前記樹脂ラミネート層とが設けられてなり、前記樹脂基材の最終延伸方向と、前記樹脂ラミネート層のラミネート加工時の張力印加方向とが略平行方向である粘着シートを、前記樹脂基材の最終延伸方向と、一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象の湾曲する方向とが略直交する方向となるように貼り付ける方法、により好適に湾曲面に貼付できる。
当該方法によれば、樹脂基材の最終延伸方向と直交する方向が、被貼付対象の曲面に好適に追従することとなり、粘着シートの剥離を抑制できる。
[樹脂基材の製造方法]
押出し機より、ポリプロピレン樹脂組成物をTダイ温度240℃で溶融し共押出を行い、表面温度30℃の鏡面冷却ロールで急冷して、未延伸フィルムを得た。得られた未延伸シートを縦延伸機に導き加熱ロール間で140℃の温度で縦方向に5倍延伸し、次にテンター内温度160〜210℃で横方向に8倍延伸し厚み70μmの二軸延伸フィルムからなる樹脂基材を得た。
[粘着剤の製造方法]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水40部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。撹拌下、ラテムルE−118B(花王株式会社製、乳化重合用乳化剤)0.8部、過硫酸カリウム0.1部を添加し、続いてアクリル酸2−エチルヘキシル46部、アクリル酸ブチル42部、メタクリル酸2部、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン1.0部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B4.0部と脱イオン水15部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョンの一部(4部)を添加し、反応容器内温度を75℃に保ちながら60分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョンと過硫酸カリウムの水溶液(有効成分1%)10部、L−アスコルビン酸の水溶液(有効成分0.5%)10部を各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて180分間撹拌し、内容物を冷却した。その後、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整し、pH8.0の水性分散液を得た。該水性分散液にオキサゾリン系架橋剤エポクロスK−2020E(株式会社日本触媒製)2.0部添加した後、100メッシュ金網で濾過して粘着剤を得た。
得られた
[粘着剤層付き樹脂基材の製造方法]
ポリエチレンラミネート紙にシリコーン化合物を塗工した剥離シート(王子製紙株式会社製 商品名OKB−105NC)に、粘着剤を塗工して80℃で90秒間乾燥させて乾燥重量20g/mの粘着剤層を得た。次いで、この粘着剤層面上に前記樹脂基材を貼り合わせ、40℃の雰囲気中で2日間静置して粘着剤層付き樹脂基材を得た。
得られた粘着剤層付き樹脂基材を、圧着速度5mm/s、圧着回数1往復でステンレス304鋼板に貼付け、23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に1時間放置した後、剥離角度180度方向に引っ張り速さ180mm/minの条件下で粘着シートの粘着力を測定したところ、粘着力は7N/25mmであった。
[樹脂ラミネート基材の製造方法]
押出し機より、ポリプロピレン樹脂組成物をTダイ温度240℃で溶融し共押出を行い、表面温度30℃の鏡面冷却ロールで急冷して、未延伸フィルムを得た。得られた未延伸シートを縦延伸機に導き加熱ロール間で140℃の温度で縦方向に5倍延伸し、次にテンター内温度160〜210℃で横方向に8倍延伸し厚み20μmの二軸延伸フィルムからなる樹脂ラミネート基材を得た。
[実施例1]
上記粘着剤層付き樹脂基材の粘着剤層を有する面とは他方の表面に、装飾層を湾曲させる方向が、樹脂基材の最終延伸方向と直交する方向となるよう枚葉オフセット印刷機(ディック・マンローランド株式会社 ROLAND 500)により印刷することにより装飾層を形成し、ドライラミネート法により当該装飾層上に上記樹脂ラミネート基材を、樹脂基材の最終延伸方向と同方向に張力を印加してドライラミネートを行い積層シートを得た。得られた積層シートから、装飾層を湾曲させる方向の長さが5cm、当該方向と直交する方向の長さが30cmの長方形形状のシートを切り出し、湾曲部貼付粘着シートを得た。
[実施例2]
樹脂ラミネート基材を、樹脂基材の最終延伸方向と直交する方向に張力を印加してドライラミネート法によりドライラミネートを行った以外は実施例1と同様にして湾曲部貼付粘着シートを得た。
[比較例1]
装飾層を湾曲させる方向が、樹脂基材の最終延伸方向と直交する方向となるようオフセット印刷により装飾層を形成した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[比較例2]
樹脂ラミネート基材を、樹脂基材の最終延伸方向と直交する方向に張力を印加してドライラミネート法によりドライラミネートを行った以外は比較例1と同様にして粘着シートを得た。
[粘着力の測定]
JIS Z0237に準拠して、実施例1〜2で得られた湾曲部貼付シート、比較例1〜2で得られた粘着シートのそれぞれにつき、圧着速度5mm/s、圧着回数1往復で試験片を貼ったステンレス304鋼板を23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に1時間放置した後、剥離角度180度方向に引っ張り速さ180mm/minの条件下で粘着シートの粘着力を測定した。N/25mm
[剥がれ試験]
表面がメラミン焼付塗装された、縦30cm×横15cm×厚さ3mmのステンレス鋼板を、隣接する平板部分のなす角度が90°となるよう横軸方向にのみ湾曲させ、湾曲部外側の曲率半径(断面形状において隣接する平板部分の外側直線と45°をなす線と湾曲部外側の交点での曲率半径をいい、該交点を中心とする65°の範囲で測定する。)が2cmの被着対象を得た(図8)。該被着対象の湾曲部に、実施例1〜2で得られた湾曲部貼付シート、比較例1〜2で得られた粘着シートを、粘着シートの短軸方向の端部から2cmの幅が上記湾曲部にかかるよう貼付し(図9)、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で、24時間静置し、剥離状況を観察し、以下の基準にて評価した。
◎:粘着シートの浮き、剥がれが生じない。
○:湾曲部にわずかな浮きが見られるが、粘着シートの剥がれが生じない。
×:粘着シートに剥がれが生じる。
Figure 0005135785
表1に示したように、実施例1の本発明の湾曲部貼付粘着シートは、湾曲面に対しても好適に追従し、強粘着の粘着剤を使用しなくても浮きや剥がれが生じなかった。また、実施例2の湾曲部貼付粘着シートにおいても湾曲部に2mm程度のわずかな浮きが生じているものの、粘着シート端部の浮きや、粘着シートの剥がれは生じなかった。一方比較例1〜2の粘着シートは平板部の貼付部分を残して湾曲部の貼付部に剥がれが生じた。
円弧形状に湾曲したコーナー部を有する被貼付対象に本発明の湾曲部貼付粘着シートを貼り付ける態様を表す図である。 二つの角部を持つコーナー部を有する被貼付対象に本発明の湾曲部貼付粘着シートを貼り付ける態様を表す図である。 一つの角部を持つコーナー部を有する被貼付対象に本発明の湾曲部貼付粘着シートを貼り付ける態様を表す図である。 本発明の湾曲部貼付粘着シートの層構成の一例を表す図である。 本発明の湾曲部貼付粘着シートの平面図である。 本発明の湾曲部貼付粘着シートを左右方向に湾曲させて貼り付ける態様を表す図である。 本発明の湾曲部貼付粘着シートを自動販売機に貼り付ける態様を表す図である。 本発明の実施例で用いた被着対象の概要を表す図である。 本発明の湾曲部貼付粘着シートの実施例での貼付態様を表す図である。
符号の説明
1:湾曲部貼付粘着シート
2:被着対象
3:ラミネート層
4:装飾層
5:樹脂基材
6:粘着剤層

Claims (5)

  1. 一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象の湾曲部に貼付される湾曲部貼付粘着シートであって、
    少なくとも樹脂基材、粘着剤層、装飾層および樹脂ラミネート層とを有し、
    前記樹脂基材が二軸延伸樹脂フィルムからなり、
    前記樹脂基材の一方の面に前記粘着剤層が設けられ、前記樹脂基材の他方の面に前記装飾層と前記樹脂ラミネート層とが設けられてなり、
    前記樹脂基材の最終延伸方向と、被貼付対象に貼り付ける際に前記装飾層が湾曲する方向とが略直交方向であることを特徴とする湾曲部貼付粘着シート。
  2. 前記樹脂基材の最終延伸方向と、前記樹脂ラミネート層のラミネート加工時の張力印加方向とが略平行方向であることを特徴とする請求項1に記載の湾曲部貼付粘着シート。
  3. 前記樹脂ラミネート層が、二軸延伸樹脂フィルムからなる請求項1又は2に記載の湾曲面貼付粘着シート。
  4. 少なくとも二軸延伸樹脂フィルムからなる樹脂基材、粘着剤層、装飾層および樹脂ラミネート層とを有し、一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象の湾曲部に貼付される湾曲部貼付粘着シートの製造方法であって、
    樹脂基材の一面に粘着剤層を設ける工程と、
    樹脂基材の最終延伸方向と、被貼付対象に貼り付ける際に装飾層が湾曲する方向とが略直交するように、樹脂基材の前記粘着剤層を有する面と他方の面に装飾層を積層する工程と、
    装飾層が設けられた樹脂基材の装飾層上に、樹脂基材の最終延伸方向と略平行方向にラミネート用樹脂フィルムに張力を印加して樹脂ラミネート層をラミネートする工程、
    とを有することを特徴とする湾曲部貼付粘着シートの製造方法。
  5. 一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象に粘着シートを貼り付ける貼付方法であって、
    少なくとも二軸延伸樹脂フィルムからなる樹脂基材、粘着剤層、および樹脂ラミネート層とを有し、
    前記樹脂基材の一方の面に前記粘着剤層が設けられ、前記樹脂基材の他方の面に前記樹脂ラミネート層とが設けられた粘着シートを、前記樹脂基材の最終延伸方向と、一軸方向に湾曲した湾曲部を有する被貼付対象の湾曲する方向とが直交方向となるように貼り付けることを特徴とする粘着シートの貼付方法。
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