JP4832338B2 - セパレーター剥離用粘着テープおよびそれを用いたセパレーター剥離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に液晶パネル生産工程等において偏光板等の光学フィルムに貼り合わされているセパレーターを剥離する際に用いられる粘着テープにおいて、適度な巻き戻し性を有し、セパレーターへの粘着性能に優れ、容易にはがすことができ、さらにガイドロールへの糊残り現象や汚染などが発生しない粘着テープに関する。また、本発明は、前記粘着テープを用いたセパレーター剥離方法に関する。なお、本発明の粘着テープは、テープ状またはシート状で用いられる。
液晶パネル生産工程において、偏光板等の光学フィルムをガラス基板に貼り付ける前工程で、光学フィルムの粘着剤層を保護しているセパレーターを剥離するために粘着テープ(粘着ロール)が使用される(たとえば、特許文献1、2参照)。剥離機専用の機械や装置にて使用される際に、剥離用粘着テープに要求される特性として、適度な巻戻し性を有し、被着体(セパレーター)に十分に接着して剥がしミスがなく、確実にセパレーターを剥がすことができることがあり、さらには、剥離機のガイドロール(金属、ゴムロール)への糊残り、背面処理剤などの汚染、転写のないことが要求されている。
従来より知られているセパレーター剥離用粘テープは、支持体の片面に粘着剤層、もう一方の面に背面処理層(離型処理)を形成することにより作製されるものであるが、支持体上にゴム系粘着剤を塗布した場合、粘着剤面を大気暴露して放置した後で風邪ひき現象(粘着面を空気中に暴露して放置した後で粘着力、タックが低下する現象)による剥離ミス発生や、支持体と粘着剤層との密着力が弱いあるいは粘着剤層の凝集力が不足した場合にガイドロールへの糊残り発生、および背面処理剤の脱落、汚染などが生じるといった問題があった。支持体上にアクリル系粘着剤を塗布した場合も上記と同様の問題があった。
さらには、従来のセパレーター剥離用粘テープにおいては、環境面での溶剤規制、テープ剥離時の帯電による異物の吸い付き、偏光板セパレーターの剥がしミス、剥離機のガイドロール(金属、ゴムロール)への糊残り、ゴムロールの浸食、背面処理剤などの汚染、転写などが生じるという種々の問題があった。
特開平5−273508号公報 特開平10−115827号公報
本発明は、このような事情に照らし、適度な巻き戻し性を有し、剥離ミスがなく、かつ糊残り、汚染などが発生しにくいセパレーター剥離用粘着テープを提供することを目的とする。
また、本発明は、適度な巻き戻し性を有し、剥離ミスがなく、かつ糊残り、汚染などが発生しにくいセパレーターの剥離方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、以下に示す粘着テープにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のセパレーター剥離用粘着テープは、光学フィルムの片面に設けられた粘着剤層を保護するセパレーターの剥離に用いられるセパレーター剥離用粘着テープであって、
前記粘着テープが基材の片面にアクリル系エマルション型粘着剤により形成された粘着剤層を有することを特徴とする。
また、本発明は、前記粘着テープにおいて、前記基材と前記粘着剤層との間に下塗り層を有する上記セパレーター剥離用粘着テープに関する。
さらに、本発明は、前記下塗り層が、水溶性ポリマーまたは水系エマルションにより形成されている上記セパレーター剥離用粘着テープに関する。
また、本発明は、前記下塗り層が、オキサゾリン基含有水溶性ポリマーにより形成されている上記に記載のセパレーター剥離用粘着テープに関する。
また、本発明は、前記粘着テープにおいて、前記粘着剤層が、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、かつカルボキシル基含有単量体を含有する単量体混合物から得られたアクリル系共重合体エマルション、ならびにオキサゾリン基含有水系架橋剤および/または水系エマルション架橋剤を含有するアクリル系エマルション型粘着剤により形成されていることを特徴とする上記セパレーター剥離用粘着テープに関する。
さらに、本発明は、記粘着テープにおいて、前記粘着剤層が、MD(流れ)方向に平行なスジ状に形成されている上記セパレーター剥離用粘着テープに関する。
一方、本発明のセパレーター剥離方法は、上記セパレーター剥離用粘着テープを用いることを特徴とする。
本発明の粘着シート(粘着テープ)は、セパレーターを容易に剥がすことができ、かつ糊残り、汚染が生じにくいので、セパレーター剥離用粘着テープ(シート)などに好適に用いることができる。また、コスト面でも従来よりも安価にすることが可能である。
また、本発明のセパレーター剥離方法は、上記セパレーター剥離用粘着テープを用いることを特徴とするため、適度な巻き戻し性を有し、剥離ミスがなく、かつ糊残り、汚染などが発生しにくい剥離方法となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のセパレーター剥離用粘着テープは、光学フィルムの片面に設けられた粘着剤層を保護するセパレーターの剥離に用いられるセパレーター剥離用粘着テープであって、
前記粘着テープが基材の片面にアクリル系エマルション型粘着剤により形成された粘着剤層を有することを特徴とする。
本発明の物品のセパレーター剥離用粘着テープは、基材として、ポリエステル系フィルムを用いる。
ポリエステル系フィルムの具体例としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリナフチレンテレフタレートフィルム等があげられる。これらのなかでもポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。ポリエステル系フィルムは、延伸フィルムを用いることができる。
ポリエステル系フィルムは、機械的強度の点より、厚みが15〜50μmの範囲のものを用いるのが好ましい。なお、厚みが15μm未満のポリエステル系フィルムでは切れ易く、強度や伸びの面でも好ましくない。一方、厚みが50μmを超えると鋼性が高くて扱い難く、コストが高くなるので好ましくない。
上記ポリエステル系フィルム表面にはコロナ放電処理を設けておくのが好ましい。またポリエステル系フィルムには、必要に応じて印刷などを施すことができる。また、ポリエステル系フィルムの粘着剤層を設けない側には、粘着テープを巻回したときの剥離性を確保するために、長鏡アルキル系、シリコーン系の背面処理剤により背面処理層を設けることができる。
本発明のセパレーター剥離用粘着テープにおいて、粘着剤層を形成するアクリル系エマルション型粘着剤は、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、かつカルボキシル基含有単量体を含有する単量体混合物から得られたアクリル系共重合体エマルションを含有する。アルキル(メタ)アクリレートは、アルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートを意味する。
アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートとしては、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、などがあげられ、これらの中からその1種または2種以上が用いられる。
これらアルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートは、アクリル系共重合体エマルションを構成する単量体の主成分として、全単量体中、50〜99.9重量%程度を含むことが好ましい。好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、さらには93重量%以上の割合で用いられる。アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートの割合が50重量%未満になると、良好な接着性の粘着剤が得られにくい。
共重合体エマルションを構成する単量体は、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートのほかに、被着体への接着力を向上させること、架橋点を導入すること、粘着剤の凝集力を高めることを目的とし、カルボキシル基含有単量体を含有している。カルボキシル基含有単量体は、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を含有していればよい。カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸などがあげられる。
カルボキシル基含有単量体は、アクリル系共重合体エマルションを構成する全単量体中、0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜7重量%の割合で用いられる。カルボキシル基含有単量体が0.1重量%未満では、凝集力が低下し、基材に対する密着性が低下するおそれある。一方、10重量%を超える場合には、粘着性が低下するおそれがある。なお、単量体として、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートおよびカルボキシル基含有単量体を用いる場合には、それらの合計量が100重量%になるように調整する。
また、アクリル系共重合体エマルションには、本発明の特性に支障がない範囲で、前記以外の単量体を使用してもよい。これら他の単量体等は、アクリル系共重合体エマルションを構成する全単量体中、10重量%以下の割合で使用するのが好ましい。
上述の他の単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体;2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有単量体;プロピルトリメトキシシラン(メタ)アクリレート、プロピルジメトキシシラン(メタ)アクリレート、プロピルトリエトキシシラン(メタ)アクリレートなどのアルコキシシリル基含有単量体;(メタ)アクリロニトリル、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドンなどがあげられる。また、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜3のアルキル(メタ)アクリレート;トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が13〜18のアルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、ビニルトルエンなどがあげられる。また、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の二つ以上の重合性官能基を有するものがあげられる。これら単量体はその1種を単独でまたは2種以上を使用できる。
アクリル系共重合体エマルションは、前記単量体を、乳化剤の存在下に、適宜の重合開始剤を用いて、常法により乳化重合することにより得られる。乳化重合は、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合などにより行う。
乳化剤としては、乳化重合において用いられるアニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤を特に制限なく使用できる。たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系乳化剤などがあげられる。その他、カチオン系乳化剤、両性乳化剤を用いることができる。乳化剤の使用量は、特に制限されないが、単量体(合計)100重量部に対して、0.3〜5重量部程度とするのが好ましい。
重合開始剤としては、たとえば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパ−オキサイドなどの過酸化物系開始剤や、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレドツクス系開始剤などがあげられる。また、乳化重合においては、得られる共重合体の分子量の調整のために、必要に応じて、メルカプタン類などに代表される適宜の連鎖移動剤を使用してもよい。
アクリル系共重合体エマルションは、重量平均分子量が100万以上であるのが好ましく、さらには100万〜200万であることが好ましい。重量平均分子量が100万未満の場合には、アクリル系エマルション型粘着剤の凝集力が低下し、基材に対する密着性も低下する傾向がある。重量平均分子量は、テトラヒドロフラン可溶分をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した値である。
本発明のアクリル系エマルション型粘着剤は、上記アクリル系共重合体エマルションをベースポリマーとして含有する。
また、本発明のアクリル系エマルション型粘着剤は、オキサゾリン基含有水系架橋剤および/または水系エマルション架橋剤を含有することが好ましい。
オキサゾリン基含有水系架橋剤としては、分子内にオキサゾリン基を有し、かつ水分散性(水系エマルション)架橋剤または水溶性の水系架橋剤であれば、制限なく使用できる。たとえば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンを1種又は2種以上用いて乳化重合等により得られた水系架橋剤が用いられる。具体的には、日本触媒社製の商品名「エポクロスWS−500」、「エポクロスWS−700」があげられる。
オキサゾリン基含有水系架橋剤(固形分)の配合量は、アクリル系共重合体エマルション100重量部(固形分)に対して、0.01〜10重量部程度とするのが好ましい。同配合量が0.01重量部未満の場合は、架橋剤としてのオキサゾリン基が少なくなるため、凝集力が低下し、基材に対する密着性も低下するおそれがある。一方、同配合量が10重量部%を超える場合は、接着力が低下する傾向がある。
さらに、本発明で用いられるアクリル系エマルション型粘着剤には、その特性を阻害しない範囲で各種添加剤、たとえば軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、老化防止剤、着色剤を用いることができる。また、前記オキサゾリン基と前記アクリル系共重合体エマルション中のカルボキシル基の反応速度の調整剤として、カルボキシル基と塩を形成する水酸化ナトリウムなどの水酸化金属化合物、アンモニア、アルキルアミンなどの塩基性化合物を配合することができる。
なお、本発明の水性エマルション型粘着剤組成物は、ガラス転移温度が−20〜−80℃、さらに−10〜−60℃であることが望ましい。ガラス転移温度は、DSC(示差熱分析)により測定した値である。
また、前記粘着剤層が、MD(流れ)方向に平行なスジ状に形成されていることが好ましい。かかる粘着剤層を用いることにより、それを用いた粘着テープは、巻戻し時の剥離力が小さく(軽く)なり繰り出しが容易になる。また、タケノコ現象(テレスコープ)になりにくく、また被着体に貼り合わせるときにしわになりにくいものとなる。
本発明の物品のセパレーター剥離用粘着テープは、前記基材と前記粘着剤層との間に下塗り層を有することが好ましい。
下塗り層を形成するために用いられる下塗り剤は、オキサゾリン基を側鎖に有する水溶性ポリマーなどを好適なものとしてあげることができる。
オキサゾリン基を側鎖に有する水溶性ポリマーとしては、分子内にオキサゾリン基を有し、かつ水分散性(水系エマルション)架橋剤または水溶性のポリマーであれば、制限なく使用できる。具体的には、日本触媒社製の商品名「エポクロスK−1000シリーズ」、「エポクロスK−2000シリーズ」、「エポクロスWSシリーズ」などがあげられる。
また、その他の下塗り剤組成としては、たとえば、エチレンイミン基を側鎖に有する水溶性ポリマーである「エポミン」(日本触媒社製)や、水溶性型塩素化ポリプロピレン「スーパークロン」(日本製紙ケミカル社製)などがあげられる。
下塗り層の形成は、通常、前記基材に、下塗り剤を塗工し、乾燥することにより行われる。下塗り層の厚み(乾燥後)は、通常、0.01〜3μm程度、好ましくは0.05〜2μmである、さらに好ましくは、0.1〜1μmである。0.01μm未満では、全面での下塗り剤の塗布が難しく、部分的なムラが発生し投錨力が低下してしまう場合がある。一方、3.0μmより厚くなると、下塗り剤が凝集破壊して投錨力が低下してしまう場合がある。
粘着剤層の形成は、上述のアクリル系エマルション型粘着剤を、下塗り層の表面に直接塗布し乾燥させることにより形成することができる。またセパレータ上に形成した粘着剤層を、下塗り層を有する基材上に転写することによっても粘着剤層を形成することができる。粘着剤層の厚み(乾燥後)は、通常、10〜50μm程度、好ましくは20〜40μmである。
また、本発明のセパレーター剥離用粘着テープは、光学フィルムの片面に設けられた粘着剤層を保護するセパレーターの剥離に用いられることを特徴とする。
光学フィルムとしては液晶表示装置等の形成に用いられるものが適宜使用され、その種類は特に制限されない。たとえば、光学フィルム(光学部材)としては偏光板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、さらにはこれらが積層されているものなどがあげられる。偏光板は偏光子の片面または両面には透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。また、前記画像表示装置としては、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDPなどがあげられる。
また、上記光学フィルムの粘着剤層としては、特に限定されず公知の粘着剤層(粘着剤組成物)が適宜用いられる。
また、上記光学フィルムの粘着剤層を保護するために用いられるセパレーターとしては、特に限定されず公知のセパレーター(剥離シート、剥離ライナー)が適宜用いられる。
セパレーターの構成材料としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などをあげることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが好ましい。
前記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。
前記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記セパレーターの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
一方、本発明のセパレーター剥離方法は、上記セパレーター剥離用粘着テープを用いることを特徴とする。
具体的には、たとえば、図1、2に示すように、テープ繰り出し装置60により繰り出されたテープ10は、偏光板30の末端まで移動し、圧着ロール70にてセパレーター20に圧着され、テープ巻取り装置40の回転または偏光板置き場(偏光板固定用板)50の逆方向への移動により、偏光板30からセパレーター20が剥離される。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
〔粘着シートの製造例〕
各実施例および比較例においては、支持体としてポリエステルフィルム(25μm)の非コロナ処理面に長鎖アルキル系背面処理剤(p−ロイル1010)を、固形物0.5μm厚みとなるように塗工・乾燥して塗布し、もう一方のコロナ処理面に下記配合からなる下塗り剤を、固形物1μm厚みとなるように塗工・乾燥して塗布し、さらにその上層に下記配合からなる粘着剤組成物を25μm厚みとなるように塗工・乾燥して粘着シートを得た。
〔実施例1〕
(下塗り剤)
・オキサゾリン基含有ポリマー(エポクロス2020E、日本触媒社製)
(アクリル系エマルション型粘着剤組成物)
・アクリル系エマルション粘着剤(DOW UCAR LATEX R−9801M、DOW社製):100重量部
・オキサゾリン基含有水系架橋剤(WS−700、日本触媒社製):1重量部
(粘着剤塗布)
・全面塗布。
〔実施例2〕
(下塗り剤)
・オキサゾリン基含有ポリマー(エポクロス2020E、日本触媒社製)
(アクリル系エマルション型粘着剤組成物)
・アクリル系エマルション粘着剤(DOW UCAR LATEX R−9801M、DOW社製):100重量部
・オキサゾリン基含有水系架橋剤(WS−700、日本触媒社製):1重量部
(粘着剤塗布)
・スジ状塗布(粘着剤塗布後に、粘着剤面をくし型の冶具でかきおとして粘着剤をスジ状に塗布した)。
〔比較例1〕
(下塗り剤)
・MMAグラフト天然ゴム(日東電工社製)
・架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製)
(ゴム系粘着剤組成物)
・天然ゴム:100重量部
・粘着付与樹脂(テルペン系樹脂):80重量部
・老化防止剤(ノクラック200、大内新興化学社製):2重量部
・架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製):2重量部
(粘着剤塗布)
・全面塗布。
〔比較例2〕
(下塗り剤)
・なし
(アクリル系溶剤型粘着剤組成物)
・PAB(日東電工社製、共重合比・BA:AA=95:5、重量平均分子量(ゾル分のMw):25万〜40万):98重量部
・架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製):2重量部
(粘着剤塗布)
・全面塗布。
上記の実施例、比較例等で得られた粘着シートについて、以下の要領で粘着力、ループタック、投錨力、保持力、剥離帯電量、ならびに、セパレーターの剥離性、糊残り性、汚染性、風邪ひき性の測定および評価を行った。
〔粘着力〕
25mm幅の粘着シートを、あらかじめトルエンにて洗浄したステンレス板(SUS304BA)およびPET#38フィルム(非コロナ面)に、23℃×60%RH中で、ゴムローラーにて、それぞれ貼り合わせ、30分間放置した後、当該試料を万能引張試験機(オリエテック社製、RTM−100)にて、剥離速度300mm/minで180°方向に引き剥がした時の抵抗を、粘着力(N/25mm)として測定した。剥離性の点から、粘着力は、5〜15N/25mm、さらには5〜10N/25mmであることが好ましい。
〔ループタック〕
25mm幅、長さ300mmの粘着シート試料片の粘着剤層(粘着剤面)を外側にして、両端から10mmを重ね合わせ環を作り、引張速度300mm/minで180°方向に引き剥がした時の抵抗を、ループタック(N/25mm)として測定した。
〔投錨力〕
25mm幅の粘着シートに、No.315(日東電工社製)をゴムローラーにて貼り合わせ、30分間放置した後、当該試料を万能引張試験機(オリエテック社製、RTM−100)にて、引張速度300mm/minで剪断方向に引き剥がした時の抵抗を、投錨力(N/25mm)として測定した。
〔保持力〕
JIS Z−0237に準じて、測定温度40℃、吊下げ荷重1kgの条件で60分間後のズレ距離(mm)を測定した。被着体に対する応力下における接着性の点から、保持力は、0〜1mm、さらには0〜0.3mmであることが好ましい。
〔被着体に対する糊残り性〕
ステンレス板(SUS304BA)およびPET#38フィルム(非コロナ面)に、粘着シートをそれぞれ貼り付け、60℃にて100時間放置した後、室温(23℃)に戻してから、人の手により粘着シートを剥離し、剥離時に被着体から粘着剤が剥がれているかを以下の基準で目視観察し判定した。
・被着体に粘着剤の剥がれ残りが認められなかった場合:○
・被着体に粘着剤の剥がれ残りが少し認められた場合:△
・被着体に粘着剤の剥がれ残りが認められた場合:×。
〔セパレーターの剥離性〕
23℃×60%RHにて初期と48時間粘着剤面暴露後に剥離性の評価を実施した。
〔ガイドロールの汚染性〕
25mm幅の粘着シートの巻物(テープ状)を巻き替え機にて、繰り返し、速度10〜30m/分で巻き替えを実施して、金属ガイドロールへの汚染および糊とられ性を評価した。
〔風邪ひき性〕
25mm幅の粘着シートを、23℃×60%RH中で粘着剤面を空気中に暴露して48時間放置し、洗浄したステンレス板(SUS304BA)に、23℃×60%RH中で、暴露・放置した前記粘着シートをゴムローラーにて貼り合わせ、30分間放置した後、当該試料を万能引張試験機(オリエテック社製、RTM−100)にて、剥離速度300mm/minで180°方向に引き剥がした時の抵抗を、粘着力(N/25mm)として測定した。
〔剥離帯電量〕
春日電機社製(KDS−1010)にて、23℃×60%RH中、速度20m/分でシート(テープ)展開時のテープ背面側の剥離帯電量(kV)を測定した。
上記結果を表1に示す。
Figure 0004832338
上記表1の結果より、本発明によって作製された粘着シート(テープ)を用いた場合(実施例1〜2)、いずれの実施例においても、セパレーターを容易に剥がすことができ、かつ糊残り、汚染が生じにくいので、セパレーター剥離用粘着テープ(シート)として好適であることがわかる。
本発明のセパレーター剥離用粘着テープの使用の一態様を示す概略図である。 本発明のセパレーター剥離用粘着テープの使用の一態様を示す概略断面図である。
符号の説明
l0:セパレーター剥離用粘着テープ
20:セパレーター
30:偏光板
40:テープ巻取り装置
50:偏光板置き場(偏光板固定用板)
60:テープ繰り出し装置
70:圧着ロール

Claims (7)

  1. 光学フィルムの片面に設けられた粘着剤層を保護するセパレーターの剥離に用いられるセパレーター剥離用粘着テープであって、
    前記粘着テープが基材の片面にアクリル系エマルション型粘着剤により形成された粘着剤層を有することを特徴とするセパレーター剥離用粘着テープ。
  2. 前記粘着テープにおいて、前記基材と前記粘着剤層との間に下塗り層を有する請求項1に記載のセパレーター剥離用粘着テープ。
  3. 前記下塗り層が、水溶性ポリマーまたは水系エマルションにより形成されている請求項2に記載のセパレーター剥離用粘着テープ。
  4. 前記下塗り層が、オキサゾリン基含有水溶性ポリマーにより形成されている請求項2または3に記載のセパレーター剥離用粘着テープ。
  5. 前記粘着テープにおいて、前記粘着剤層が、アルキル基の炭素数が4〜12のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、かつカルボキシル基含有単量体を含有する単量体混合物から得られたアクリル系共重合体エマルション、ならびにオキサゾリン基含有水系架橋剤および/または水系エマルション架橋剤を含有するアクリル系エマルション型粘着剤により形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセパレーター剥離用粘着テープ。
  6. 前記粘着テープにおいて、前記粘着剤層が、MD(流れ)方向に平行なスジ状に形成されている請求項1〜5のいずれかに記載のセパレーター剥離用粘着テープ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のセパレーター剥離用粘着テープを用いることを特徴とするセパレーター剥離方法。
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