JP5134728B2 - 波形コイルばね - Google Patents
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Description
この発明は、例えば、自動車部品である自動変速機のクラッチ装置等に組み込まれる波形コイルばねに関する。
波形コイルばねは、帯状のばね材料を波形に加工するとともに螺旋状に巻回して構成され、自動変速機のクラッチ装置に内蔵された油圧ピストンのリターン用スプリングとして、あるいは、各種機器類における緩衝用のスプリングとして広く一般に使用されている。
図4は、従来の波形コイルばねの一般的構成を模式的に示してしている。
従来の波形コイルばねは、上下に隣接する各巻目の山部Pと谷部Bとを相互に対向配置してこれら各部間が接触する構成となっている。そして、軸方向に圧縮荷重が加えられると、山部Pと谷部Bの接触した部位にその圧縮荷重が作用して、その接触部位を中心として各接触部位の間に設けた離間領域が弾性変形して圧縮荷重を吸収する。
従来の波形コイルばねは、上下に隣接する各巻目の山部Pと谷部Bとを相互に対向配置してこれら各部間が接触する構成となっている。そして、軸方向に圧縮荷重が加えられると、山部Pと谷部Bの接触した部位にその圧縮荷重が作用して、その接触部位を中心として各接触部位の間に設けた離間領域が弾性変形して圧縮荷重を吸収する。
さて、上述した構成の波形コイルばねは、圧縮荷重を繰り返し受けているうちに、山部Pと谷部Bの接触部位に周方向のすべり(座屈)が生じ、耐荷重性能が急激に低下してしまうおそれがあった。
特許文献1のウエーブコイルばね(波形コイルばね)は、このような不都合を未然に防止するため、山部と谷部の当接部に緩衝用部材を装着し、この緩衝用部材で当接部を固定してすべりを防止する構成となっている。
しかし、特許文献1の波形コイルばねは、当接部に緩衝用部材を装着しなければならないため、作業工数が多く製作が煩雑となり、製造コストが高価格化する課題があった。しかも、緩衝用部材を介在させることにより、ばね定数などの製品特性を大きく変えてしまうおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、部品点数を増やすことなく、またばね特性を変化させることなく、周方向のすべりを規制して良好な耐荷重性能を維持できる波形コイルばねの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、帯状のばね部材を山部と谷部が交互に繰り返される波形に加工するとともに同部材を螺旋状に巻回して構成され、前記ばね部材の互いに対向する面が周方向に沿って接触と離間を繰り返す形状をした波形コイルばねにおいて、
前記ばね部材の端部から一巻目に、周方向のずれを規制する領域を形成するとともに、
前記周方向のずれを規制する領域は、二巻目にある山部又は谷部の内部空間に入り込んだ状態に配置され、且つ軸方向の圧縮荷重を受けたときにも二巻目の山部の頂点又は谷部の底から離間するように構成したことを特徴とする。
前記ばね部材の端部から一巻目に、周方向のずれを規制する領域を形成するとともに、
前記周方向のずれを規制する領域は、二巻目にある山部又は谷部の内部空間に入り込んだ状態に配置され、且つ軸方向の圧縮荷重を受けたときにも二巻目の山部の頂点又は谷部の底から離間するように構成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の記載を前提として、前記ばね部材の端部から一巻目は、二巻目にある山部に山部を対向配置させるとともに、二巻目にある谷部に谷部を対向配置させてあることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の記載を前提として、前記ばね部材の端部から一巻目には、前記二巻目にある山部の頂点又は谷部の底を落とし込む切欠き部が形成してあることを特徴とする。
さらに、請求項4の発明は、請求項3の記載を前提として、前記端部から一巻目を径方向へ移動させることで、前記二巻目の山部の頂点又は谷部の底を前記切欠き部へ落とし込む構成としたことを特徴とする。
よって、請求項1の発明によれば、ばね部材の形状加工によって周方向のずれを規制するので、部品点数増加に伴う製作の煩雑さや製造コストの高価格化を回避して、良好な耐荷重性能を維持することができる。
また、軸方向の圧縮荷重を受けたときにも、周方向のずれを規制する領域が、二巻目の山部の頂点又は谷部の底から離間しているので、ばね特性が大きく変化してしまうことはない。
ここで、本発明者らは、波形コイルばねの周方向ずれ(座屈)は、主に端部から一巻目の領域と二巻目の領域との間で発生することをつきとめた。そこで、ばね部材の端部から一巻目の領域のみに周方向のずれを規制する領域を形成することで、一巻目の領域に対する二巻目の領域の周方向ずれを規制するようにした。端部から一巻目の領域のみに特殊加工を施せばよいため、ばね部材の加工作業も容易となる。なお、必要に応じて一巻目以外の領域に、他の周方向ずれ規制構造を設けることは任意である。
また、軸方向の圧縮荷重を受けたときにも、周方向のずれを規制する領域が、二巻目の山部の頂点又は谷部の底から離間しているので、ばね特性が大きく変化してしまうことはない。
ここで、本発明者らは、波形コイルばねの周方向ずれ(座屈)は、主に端部から一巻目の領域と二巻目の領域との間で発生することをつきとめた。そこで、ばね部材の端部から一巻目の領域のみに周方向のずれを規制する領域を形成することで、一巻目の領域に対する二巻目の領域の周方向ずれを規制するようにした。端部から一巻目の領域のみに特殊加工を施せばよいため、ばね部材の加工作業も容易となる。なお、必要に応じて一巻目以外の領域に、他の周方向ずれ規制構造を設けることは任意である。
請求項2の発明によれば、波形に加工したばね部材の山部と谷部の位置及び高さ(深さ)を調整するだけで、周方向のずれを規制する領域を形成することができ、ばね部材の加工作業がいっそう容易となる。
ここで、周方向のずれを規制する領域は、二巻目が接触する谷部の底又は山部の頂点から連続する山部又は谷部の斜面であって、二巻目の山部又は谷部の内部空間に離間した状態で入り込んだ領域が該当する。
ここで、周方向のずれを規制する領域は、二巻目が接触する谷部の底又は山部の頂点から連続する山部又は谷部の斜面であって、二巻目の山部又は谷部の内部空間に離間した状態で入り込んだ領域が該当する。
請求項3の発明によれば、二巻目にある山部の頂点又は谷部の底を切欠き部へ落とし込む構成とすることで、いっそう強固に周方向のずれを規制することが可能となる。
ここで、周方向のずれを規制する領域は、切欠き部と切欠き部の間に存在する領域が該当する。
ここで、周方向のずれを規制する領域は、切欠き部と切欠き部の間に存在する領域が該当する。
請求項4の発明によれば、ばね部材の端部から一巻目の領域の幅を拡張することなく、二巻目にある山部の頂点又は谷部の底を切欠き部へ落とし込む構成を実現できる。すなわち、同じ幅寸法で連続する帯状のばね部材を使って切欠き部を切断加工することで、周方向のずれを規制する領域を形成できるので、材料及び加工の両面において製作の煩雑さや製造コストの高価格化を回避することができる。
上述したように、本発明によれば、部品点数を増やすことなく、またばね特性を大きく変化させることなく、周方向のすべりを規制して良好な耐荷重性能を維持できる波形コイルばねを提供することが可能となる。
1:ばね部材、1A:一巻目、1B:二巻目、1C:中間部分、
P:山部、B:谷部、
20:切欠き部
Xa、Xb、Xc:周方向のずれを規制する領域
P:山部、B:谷部、
20:切欠き部
Xa、Xb、Xc:周方向のずれを規制する領域
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
一般に波形コイルばねは、同一幅をした帯状のばね部材1を、山部Pと谷部Bが交互に繰り返される波形に加工するとともに、同部材1を螺旋状に巻回して、図1に示すような波形コイル形状に製作される。そして、通常は隣接するn巻目(nは自然数)の領域とn+1巻目の領域との間で山部Pと谷部Bとが対向するように配置してある。
一般に波形コイルばねは、同一幅をした帯状のばね部材1を、山部Pと谷部Bが交互に繰り返される波形に加工するとともに、同部材1を螺旋状に巻回して、図1に示すような波形コイル形状に製作される。そして、通常は隣接するn巻目(nは自然数)の領域とn+1巻目の領域との間で山部Pと谷部Bとが対向するように配置してある。
〔第1実施形態〕
図2は、本発明の第1実施形態に係る波形コイルばねの構成を模式的に示す正面図である。
本実施形態に係る波形コイルばねは、端部から一巻目1Aにある山部Pを、二巻目1Bにある山部Pと対向するように配置してあり、同様に端部から一巻目1Aにある谷部Bを、二巻目1Bにある谷部Bと対向するように配置した構成となっている。
ここで、一巻目1Aと二巻目1Bの波形が、同じ形状(同一ピッチ、同一高さ)に形成されていたならば、相互に密接してしまい、周方向に沿って接触と離間を繰り返す形状とならない。そこで、一巻目1Aは、波形の高さ(谷部Bの底から山部Pの頂点までの高さ)Haを、二巻目1Bにおける波形の高さHよりも低くしてある(すなわち、Ha<H)。
図2は、本発明の第1実施形態に係る波形コイルばねの構成を模式的に示す正面図である。
本実施形態に係る波形コイルばねは、端部から一巻目1Aにある山部Pを、二巻目1Bにある山部Pと対向するように配置してあり、同様に端部から一巻目1Aにある谷部Bを、二巻目1Bにある谷部Bと対向するように配置した構成となっている。
ここで、一巻目1Aと二巻目1Bの波形が、同じ形状(同一ピッチ、同一高さ)に形成されていたならば、相互に密接してしまい、周方向に沿って接触と離間を繰り返す形状とならない。そこで、一巻目1Aは、波形の高さ(谷部Bの底から山部Pの頂点までの高さ)Haを、二巻目1Bにおける波形の高さHよりも低くしてある(すなわち、Ha<H)。
これにより、図2の下端側においては、端部から一巻目1Aにある谷部Bの底と、二巻目1Bにある谷部Bの底とが互いに接触するとともに、同じ各領域にある山部Pと山部Pとの間が離間した構成となる。ここで、二巻目1Bの山部P内に入り込んだ一巻目1Aの領域(山部Pの斜面)Xaが、周方向のずれを規制する領域を形成している。
一方、図2の上端側においては、端部から一巻目1Aにある山部Pの頂点部分と、二巻目1Bにある山部Pの頂点部分とが互いに接触するとともに、同じ各領域にある谷部Bと谷部Bとの間が離間した構成となる。こちら側では、二巻目1Bの谷部B内に入り込んだ一巻目1Aの領域(谷部Bの斜面)Xbが、周方向のずれを規制する領域を形成している
なお、波形コイルばねには、両端側にそれぞれ一巻目1Aが存在し、図2に示す実施形態ではその両方に周方向のずれを規制する領域を形成してあるが、必要に応じていずれか一方のみに周方向のずれを規制する領域を形成することもできる。
一方、図2の上端側においては、端部から一巻目1Aにある山部Pの頂点部分と、二巻目1Bにある山部Pの頂点部分とが互いに接触するとともに、同じ各領域にある谷部Bと谷部Bとの間が離間した構成となる。こちら側では、二巻目1Bの谷部B内に入り込んだ一巻目1Aの領域(谷部Bの斜面)Xbが、周方向のずれを規制する領域を形成している
なお、波形コイルばねには、両端側にそれぞれ一巻目1Aが存在し、図2に示す実施形態ではその両方に周方向のずれを規制する領域を形成してあるが、必要に応じていずれか一方のみに周方向のずれを規制する領域を形成することもできる。
ここで、二巻目1Bにおける波形の高さHと、一巻目1Aにおける波形の高さHaとの差(H−Ha)が互いの離間する距離となるが、この離間距離(H−Ha)は、製作する波形コイルばねの仕様上あらかじめ設定してある最大圧縮荷重が作用したときにも、一巻目1Aと二巻目1Bの相互間で離間した状態が保たれるように、ばねの圧縮たわみ量との関係を考慮して設定することが好ましい。
このように構成することで、図2の下端側においては、端部から一巻目1Aにある山部Pと山部Pの斜面によって、その間に挟まれた二巻目1Bの谷部Bは周方向のずれが規制される。同様に、図2の上端側においては、端部から一巻目1Aにある谷部Bと谷部Bの斜面によって、その間に挟まれた二巻目1Bの山部Pは周方向のずれが規制される。
波形コイルばねの両端から二巻目1Bとそれらに挟まれた中間部分は、図1に示したとおり山部Pと谷部Bが相互に対向配置された通常の形状配置に加工されている。
図2に示す本実施形態の波形コイルばねにおいては、両端から二巻目1Bにおける一巻目1Aとの接触部(下端側は谷部Bの底、上端側は山部Pの頂点部分)に、一巻目1Aを介して圧縮荷重が作用する。そして、二巻目1Bとそれらに挟まれた中間部分が弾性変形してその圧縮荷重を吸収する。したがって、波形コイルばねのばね定数は、両端から二巻目1Bとそれらに挟まれた中間部分1Cの弾性力で決定され、一巻目1Aの形状には影響されない。よって、図1に示したような既存の波形コイルばねに対しても、ばね定数を変えてしまうことなく、本実施形態に係る一巻目1Aの構成を適用することができる。
本実施形態の波形コイルばねは、例えば、次の工程をもって容易に製作することができる。
すなわち、帯状のばね部材1に対して、まず波形を連続的に形成していく。このとき、端部から一巻目1Aに相当する領域については波形の高さをHaに加工し、二巻目1B以降は波形の高さをHに加工する。さらに、一巻目1Aと二巻目1Bとの間は、山部Pと山部P、谷部Bと谷部Bとが相互に対向するように、一巻目1Aの波形ピッチを調整する。
次に、ばね部材1を螺旋状に曲げ加工して、所定長さ毎に切断する。螺旋状に曲げ加工するに際して、一巻目1Aと二巻目1Bとの間は、上述したとおり山部Pと山部P、谷部Bと谷部Bとを相互に対向配置し、二巻目1B以降は山部Pと谷部Bとを相互に対向配置させる。
これによって、本実施形態の波形コイルばねが製作される。
すなわち、帯状のばね部材1に対して、まず波形を連続的に形成していく。このとき、端部から一巻目1Aに相当する領域については波形の高さをHaに加工し、二巻目1B以降は波形の高さをHに加工する。さらに、一巻目1Aと二巻目1Bとの間は、山部Pと山部P、谷部Bと谷部Bとが相互に対向するように、一巻目1Aの波形ピッチを調整する。
次に、ばね部材1を螺旋状に曲げ加工して、所定長さ毎に切断する。螺旋状に曲げ加工するに際して、一巻目1Aと二巻目1Bとの間は、上述したとおり山部Pと山部P、谷部Bと谷部Bとを相互に対向配置し、二巻目1B以降は山部Pと谷部Bとを相互に対向配置させる。
これによって、本実施形態の波形コイルばねが製作される。
〔第2実施形態〕
図3Aは、本発明の第2実施形態に係る波形コイルばねの特徴部分を拡大して示す底面図、図3Bは、図3Aの矢視A方向から見た図である。
本実施形態に係る波形コイルばねは、端部から一巻目1Aに、二巻目1Bの谷部Bの底を落とし込む切欠き部20を形成した構成となっている。本実施形態では、端部から一巻目1Aは波形とせず平坦な形状に加工してあるが、先の第1実施形態の構成を取り入れて、二巻目1Bよりも浅い波形形状としてもよい。
図3Aは、本発明の第2実施形態に係る波形コイルばねの特徴部分を拡大して示す底面図、図3Bは、図3Aの矢視A方向から見た図である。
本実施形態に係る波形コイルばねは、端部から一巻目1Aに、二巻目1Bの谷部Bの底を落とし込む切欠き部20を形成した構成となっている。本実施形態では、端部から一巻目1Aは波形とせず平坦な形状に加工してあるが、先の第1実施形態の構成を取り入れて、二巻目1Bよりも浅い波形形状としてもよい。
切欠き部20は、周縁からほぼ中央までを切り込んで形成してある。図3Aに示す構成では、切欠き部20を内周縁から切り込んであるが、これに限らず外周縁から切り込む構成としてもよい。
切欠き部20に落とし込まれる二巻目1Bの部位は、図2に示す波形コイルばねの下端側においては二巻目1Bの谷部Bの底であったが、波形コイルばねの上端側においては山部Pの頂点である。なお、本実施形態にあっても、波形コイルばねの両端側の一巻目1Aにそれぞれ切欠き部20を形成する構成に限らず、必要に応じていずれか一方の一巻目1Aのみに切欠き部20を形成することもできる。
切欠き部20への二巻目1Bの落とし込みは、一巻目1Aを径方向へ移動させることで実現できる。図3Aに示すように、一巻目1Aの内周縁から切り込んだ切欠き部20の場合は、一巻目1Aを外側に拡開して二巻目1Bを落とし込む。一方、一巻目1Aの外周縁から切り込んだ切欠き部20の場合は、一巻目1Aを内側に縮径して二巻目1Bを落とし込む。
このように構成することで、二巻目1Bの切欠き部20に落とし込まれた部分(下端側においては二巻目1Bの谷部Bの底、上端側においては山部Pの頂点部分)が、切欠き部20の内縁に接触して周方向のずれを規制される。
ここで、切欠き部20と切欠き部20の間に存在する領域Xcが、周方向のずれを規制する領域となる。
ここで、切欠き部20と切欠き部20の間に存在する領域Xcが、周方向のずれを規制する領域となる。
本実施形態でも、図には示されないが、波形コイルばねの両端から二巻目1Bとそれらに挟まれた中間部分1Cは、図1に示したとおり山部Pと谷部Bが相互に対向配置された通常の形状配置に加工されている。
また、二巻目1Bにおいて、切欠き部20に落とし込まれた部分には、直接または切欠き部20の内縁を介して圧縮荷重が作用する。そして、二巻目1Bとそれらに挟まれた中間部分1Cが弾性変形してその圧縮荷重を吸収する。したがって、波形コイルばねのばね定数は、両端から二巻目1Bとそれらに挟まれた中間部分1Cの弾性力で決定され、一巻目1Aの形状には影響されない。よって、図1に示したような既存の波形コイルばねに対しても、ばね定数を変えてしまうことなく、本実施形態に係る一巻目1Aの構成を適用することができる。
本実施形態の波形コイルばねは、例えば、次の工程をもって容易に製作することができる。
すなわち、帯状のばね部材1に対して、端部から一巻目1Aに相当する領域には所定の間隔ごとに切欠き部20を形成する。そして、二巻目1B以降は波形に加工する。
次に、ばね部材1を螺旋状に曲げ加工して、所定長さ毎に切断する。螺旋状に曲げ加工するに際して、一巻目1Aの切欠き部20に二巻目1Bの谷部Bの底(又は山部Pの頂点)を対向配置する。
そして、一巻目1Aを径方向に移動させて、二巻目1Bの谷部Bの底(又は山部Pの頂点)を切欠き部20に落とし込む。
これによって、本実施形態の波形コイルばねが製作される。
すなわち、帯状のばね部材1に対して、端部から一巻目1Aに相当する領域には所定の間隔ごとに切欠き部20を形成する。そして、二巻目1B以降は波形に加工する。
次に、ばね部材1を螺旋状に曲げ加工して、所定長さ毎に切断する。螺旋状に曲げ加工するに際して、一巻目1Aの切欠き部20に二巻目1Bの谷部Bの底(又は山部Pの頂点)を対向配置する。
そして、一巻目1Aを径方向に移動させて、二巻目1Bの谷部Bの底(又は山部Pの頂点)を切欠き部20に落とし込む。
これによって、本実施形態の波形コイルばねが製作される。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、他にも種々の変形実施や応用実施が可能である。
例えば、第2実施形態の変形例として、端部から一巻目1Aを幅広にして、径方向に移動させることなく二巻目1Bを落とし込み可能な切欠き部20を形成することもできる。
また、上述した製造方法は一例を概略説明したものであって、本発明の波形コイルばねが上記製造方法以外の方法でも製造可能であることは勿論である。
例えば、第2実施形態の変形例として、端部から一巻目1Aを幅広にして、径方向に移動させることなく二巻目1Bを落とし込み可能な切欠き部20を形成することもできる。
また、上述した製造方法は一例を概略説明したものであって、本発明の波形コイルばねが上記製造方法以外の方法でも製造可能であることは勿論である。
Claims (4)
- 帯状のばね部材を山部と谷部が交互に繰り返される波形に加工するとともに同部材を螺旋状に巻回して構成され、前記ばね部材の互いに対向する面が周方向に沿って接触と離間を繰り返す形状をした波形コイルばねにおいて、
前記ばね部材の端部から一巻目に、周方向のずれを規制する領域を形成するとともに、
前記周方向のずれを規制する領域は、二巻目にある山部又は谷部の内部空間に入り込んだ状態に配置され、且つ軸方向の圧縮荷重を受けたときにも二巻目の山部の頂点又は谷部の底から離間するように構成したことを特徴とする波形コイルばね。 - 前記ばね部材の端部から一巻目は、二巻目にある山部に山部を対向配置させるとともに、二巻目にある谷部に谷部を対向配置させてあることを特徴とする請求項1の波形コイルばね。
- 前記ばね部材の端部から一巻目には、前記二巻目にある山部の頂点又は谷部の底を落とし込む切欠き部が形成してあることを特徴とする請求項1の波形コイルばね。
- 前記端部から一巻目を径方向へ移動させることで、前記二巻目の山部の頂点又は谷部の底を前記切欠き部へ落とし込む構成としたことを特徴とする請求項3の波形コイルばね。
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