JP5134553B2 - イオン液体を用いる金属電着法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質としてイオン液体を用いる、基体上に金属を電着させる方法に関する。
イオン液体は、100℃より下の融点を有する不揮発性塩である。多くは室温ですら液体であり、比較的新しい種類の溶媒を提示する。
一般にイオン液体は、例えば反応溶媒、抽出溶媒、電池および電着における電解質、触媒、熱交換流体、コーティングにおける添加剤として、多くの用途において使用することができる。
今まで、電着における電解質として使用するために適当な全ての市販されていて入手可能なイオン液体は、比較的高価格であった。すなわち、1kg当たり約50ユーロから約1,000ユーロまで程度であった。本願において電着という語は、電気めっきおよび電解研磨の両方を包含すると理解すべきである。
イオン液体の使用の多くの例は、例えばメルクス アンド イオリテクス ウェブ ページ(Merk's and Iolitec's web pages):www.ionicliquids-merck.deおよびwww.iolitec.com(2006年2月3日付)に開示される。
電着法において有用であるといわれるイオン液体は詳細には、トリオクチルメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N-メチル,N-トリオクチル-アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチル-N-ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、N-ブチル,N-トリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ブチル-1-メチル-ピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテートであり、これらは全て非常に高価であり、フッ素含有イオン液体の分解生成物として形成される非常に危険なHFの危険を伴う。
電着において使用されるとまた報告される、共融混合物、例えば塩化コリン/塩化クロム6水和物または塩化コリン/塩化亜鉛の価格は、同様にかなり高い。さらには、電着プロセス中のそのようなイオン液体の構成成分である金属塩の消耗は、そのようなイオン液体の分解に至り得る。
国際特許出願公開WO2002/026381号公報は、塩化コリンと(水和された)金属塩、例えば塩化クロム(III)とのイオン液体(共融混合物)ならびに、電着および電解研磨におけるそれらの使用を開示する。混合物は、アンモニウム対金属イオンの比1.1〜1:2.5で塩化コリンおよび(水和された)金属塩から成り、詳細には、金属基体上にクロム、コバルト、亜鉛または銀を電着させるのに適当であるといわれる。
しかしながら、同時に、経済的に魅力的であるか、または言い換えれば、低価格で高品質で入手可能でありつつ、基体上に良好な品質の電着金属を与える電着法(すなわち、良好な外観を有するかまたは十分な硬さを有する電着基体)において使用するのに適当なイオン液体についての要求がある。また、毒性の化学物質の使用に基づくことなく、エネルギー効率のよい、かつ大規模めっきを可能にする電着プロセスにおいて使用するのに適当な電解質について産業における要求がある。その上、経済的な視点から改善を与え、プロセスをより制御可能にするので、溶媒中の低い金属濃度のみを必要とする基体上に金属を電着させる方法についての必要性がある。
また、イオン液体が良好な電気伝導性を有し、電気化学的安定性の範囲を満たし、かつ基体上に十分に電着させるのに十分な量の金属塩を溶解することができる、電解質としてイオン液体が使用される、基体上に金属を電着させる方法についての要求がある。
最後に、電気化学法を用いてある種の金属を電着させるより適当な方法についての要求があり、そのような物質は目下、重大な健康および環境的な危険を引き起こす、当技術分野で公知の方法を用いて電着される。アルミニウムおよびチタンは、水性溶液から電着することができない金属の例であり、非水性有機電解質から電着される。そのような有機浴は、爆発および火災の危険を与えるので、より許容される溶媒中でのそのような金属の電着が、非常に有益である。さらには、現在の産業的なクロム電着プロセスはなお、クロム酸に基づいており、これは、非常に発癌性のクロム(VI)を含む(例えばF.A.ローウェンハイム(Lowenheim)による現代の電気めっき(ModernElectroplating)、1942年または、L.J.ダーネイ(Durney)による電気めっき工学ハンドブック(ElectroplatingEngineering Handbook)、1996年参照)。また、慣用のクロムめっき浴は、強酸の使用を必要とし、これは、重大な処分の問題を引き起こし、一方、本発明の化合物の使用は、そのような処分の困難性を最小にするか、または排除することを可能にする。
本発明はここで、基体上に金属を電気めっきまたは電解研磨する方法を提供し、ここで、N+R1R2R3R4X-およびN+R5R6R7R8Y-からなる群より選択されるイオン液体が電解質として使用され、イオン液体に添加される金属塩が金属源として使用されるかまたは金属アノードが金属源として使用され、R1〜R 8 はいずれも独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはアラルキル基(OH、Cl、Br、F、I、フェニル、NH2、CN、NO2、COOR9、CHO、COR9またはOR9から選択される基で置換されることができる)を示し、R5〜R8の少なくとも1つは脂肪族アルキル鎖であり、R5〜R8の1つ以上は、(ポリ)オキシアルキレン基であることができ、アルキレンはC1〜C4アルキレンであり、オキシアルキレン単位の総数は、1〜50個のオキシアルキレン単位であることができ、R1〜R8の少なくとも1つはC1〜C4アルキル鎖であり、R9はアルキルまたはシクロアルキル基であり、X-は、N-アシルスルホニルイミドアニオン(-CO-N--SO2-)官能性を有するアニオンであり、Y-は、N+R5R6R7R8アンモニウムカチオンと相溶性のアニオン、例えばハロゲン化物アニオン、カルボキシレートアニオン、サルフェート(有機および無機サルフェートの両方)、スルホネート、カーボネート、ナイトレート、ナイトライト、チオシアネート、ヒドロキシドもしくはスルホニルイミドアニオンであり、好ましくはCl-、Br-またはCH3SO4 -である。
1つの実施態様においては、Y-は、F-、Cl-、Br-、I-の群;R10COO-アニオン(R10は、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;R11SO4 -アニオン(R11は、カチオンが2価である場合には不在であるか、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;R12SO3 -アニオン(R12は、カチオンが2価である場合には不在であるか、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;R13CO3 -アニオン(R13は、カチオンが2価である場合には不在であるか、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;ならびにR14-N--SO2-R15アニオン(R14および/またはR15は独立して、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であることができ、R14は、カルボニル基で窒素原子に結合することができる)の群から選択される。
脂肪族アルキル鎖は、飽和および/または不飽和鎖を包含することになっており、8〜22個の炭素原子を含み;好ましくは10〜22個の炭素原子を含み、最も好ましくは12〜20個の炭素原子を含む。
1つの実施態様においては、N+R5R6R7R8Y-イオン液体は、1gI2/100gのイオン液体より上、好ましくは2 gI2/100gのイオン液体より上、より好ましくは3 gI2/100gのイオン液体より上、最も好ましくは5gI2/100gのイオン液体より上のヨウ素価を有する。ヨウ素価は一般に、210 gI2/100gのイオン液体より下である。
好ましい実施態様においては、X-は、甘味料として知られる化合物に基づく。別の好ましい実施態様においては、N+R1R2R3R4はアミンであり、ここで基R1〜R4は、水素または、任意的にOHもしくはClで置換されたアルキルもしくはシクロアルキルであり、より好ましくは、そのうちの少なくとも3個はアルキルであり、より好ましくはC1〜C4アルキルである。
好ましい実施態様においては、イオン液体は、コリンサッカリネート、コリンアセスルファメート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド、水素化タロウトリメチルアンモニウムクロリド、水素化パームトリメチルアンモニウムクロリド、オレイルトリメチルアンモニウムクロリド、ソヤトリメチルアンモニウムクロリド、ココベンジルジメチルアンモニウムクロリド、C12-16-アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、水素化タロウベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジココジメチルアンモニウムナイトライト、ジココジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロウ)ベンジルメチルアンモニウムクロリド、ジタロウジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、水素化タロウ(2-エチルヘキシル)ジメチルアンモニウムクロリド、水素化タロウ(2-エチルヘキシル)ジメチルアンモニウムメチルサルフェート、トリヘキサデシルメチルアンモニウムクロリド、オクタデシルメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ココビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムナイトレート、ココビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、ココビス(2-ヒドロキシエチル)ベンジルアンモニウムクロリド、オレイルビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、ココ[ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムクロリド、ココ[ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムメチルサルフェート、ココ[ポリオキシエチレン(17)]メチルアンモニウムクロリド、オクタデシル [ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムクロリド、水素化タロウ[ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムクロリド、トリス(2-ヒドロキシエチル)タロウアンモニウムアセテート、タロウ-1,3-プロパンペンタメチルジアンモニウムジクロリドのうちの任意の1種から選択される。
米国特許第4,849,438号明細書は、コリンサッカリネート、コリンサッカリネートを製造する方法および、植物を菌および細菌から保護するためにコリンサッカリネートを使用することを開示する。製造例1のコリンサッカリネート反応生成物は初めは油状物質であり、後には、コリンサッカリネート1モル当たり0.3モルのH2Oの存在のために、結晶形態である。製造例3においては、コリンサッカリネートは、塩化コリンとナトリウムサッカリネートとを反応させることによって製造される。コリンサッカリネートがイオン液体であることは認められていないが、実施例3においては、イオン液体であることがそれとなく理解される。
E.B.カーター(Carter)らはケミカル コミュニケーションズ(Chemical Communications)、2004年、(6)、630〜631頁において、サッカリネートおよびアセスルファメートアニオンならびに4級アンモニウムカチオン、例えばトリエチルメチルアンモニウムもしくはイミダゾリウムカチオンのイオン液体を開示する。
J.タング(Tang)らはPolymer 46(2005年)、12460〜12467頁において、ドデシルトリエチルアンモニウムに基づくイオン液体および、そのCO2収着を開示する。
しかしながら、上記の文献のいずれも、N-アシルスルホニルイミドに基づくか、または脂肪族アルキルに基づくイオン液体が、基体上に金属を電着する方法において使用するために適当であることを開示または示唆しない。
形成される上記に示したイオン液体は安全であり−もしかすると食品等級であり−電着もしくは電解研磨法における溶媒として適用され得る。というのは、それらのイオン液体は、比較的低濃度の金属塩を含むからである。他方では、金属塩濃度範囲は広く、または換言すれば、本発明の基体上に金属を電着させる方法は、広い範囲の比較的低い金属塩濃度にわたって制御可能である。本発明の方法から生じるめっきされた基体は、電解質として他のイオン液体を用いる従来技術の方法に比べて改善された外観を有する。その上、電着の方法における電解質として従来技術に開示された幾つかのイオン液体を用いるとき、特に本明細書の説明に詳述される好ましい量で金属が使用されなかったとき、全く基体上に金属の電着層を得ることができなかった。
本発明の方法において使用するための上記したイオン液体は、例えば塩化コリンおよびナトリウムサッカリネート(アセスルファメート)を複分解反応してコリンサッカリネート(アセスルファメート)イオン液体を形成することによる、塩の簡単な反応によって製造することができる。
また、市販されていて入手可能な化合物、例えば水素化タロウメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリド、ココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリド、ココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムメチルサルフェート、オクタデシルメチル [ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドおよびジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウムクロリド(界面活性剤およびレオロジー変更剤として使用される)に基づいて製造されるイオン液体は、本発明の方法において使用するのに適当であるとわかった。
好ましい実施態様においては、イオン液体のアンモニウムカチオン対金属塩の金属カチオン(溶解された塩または金属アノードから生じる)のモル比は、1,000:1〜3:1にある。より好ましくは、イオン液体のアンモニウムカチオン対金属塩の金属カチオンのモル比は500:1〜5:1であり、最も好ましくは、100:1〜7:1のモル比であり、これは、高品質の金属層、イオン液体中の金属の優れた溶解性および、プロセスの費用とめっきされた基体製品の外観との良好なバランスを提供する。
本発明の別の好ましい電着方法においては、金属クロム、アルミニウム、チタン、亜鉛または銅のうちの1種が電着され、より好ましくは、クロムまたはアルミニウムが電着され、最も好ましくはクロムが電着される。
電着は好ましくは、90℃より下の温度、より好ましくは室温で、開放電着容器で行われるが、電着はこれらの条件に限定されない。金属アノードが使用される実施態様においては、アノードは、金属の片、塊片、小片の形態または、当業者に公知の任意の他の適当な形態であり得る。
本発明のイオン化合物はまた、電解研磨に用途を見出す。例えばステンレス鋼は、本発明の化合物を使用して研磨することができる。ステンレス鋼は電解研磨について最大の市場用途を形成し、従来研磨浴は、濃硫酸および濃リン酸に基づく混合物を含む。これらは非常に毒性かつ腐食性であり、使用される高い電流密度のために莫大な気体放出の結果として、電解研磨中に毒性かつ腐食性の「ミスト」を形成しやすい。本発明の好ましい電解研磨プロセスの主な利点は、一般に、慣用の方法と比べて、より環境にやさしいことである。提供されるさらなる利点は、従来の技術に匹敵する明るい反射仕上げを提供しながら、室温で行うことができ、かつより低い電力消費で運転することができることである。本発明の物質のさらなる利点は、電解浴、特にめっき浴または電解研磨浴中で使用されるとき、慣用的に使用される酸浴と比べて、水素の放出が有意に減少されることである。このことは、多くの重要な結果を有する。まず第1に、非常に高い電流効率を生じる。90%以上もの電流効率を、好ましい環境で得ることができる。水素放出の減少はまた、安全性の見地からも有利であり、電気化学プロセス中に基体物質に生じる水素脆化の量を有意に減じる。また、慣用の方法によって製造される電気めっきに比べて、ミクロクラッキングが非常に減じられた、改善された表面仕上げを有するめっきされた物質を生じる。このことは、次には、コーティングの腐食耐性を改善することができ、および/またはより薄く、なお慣用のコーティングに匹敵する腐食耐性を提供するコーティング、かくして、製造するのがより安価であり、原料物質の消費がより少ない、かつより環境にやさしいコーティングの使用を可能にする。
実施例
製造例A - 半乾燥コリンサッカリネートイオン液体の製造
1,080gのナトリウムサッカリネート水和物(99%、アクロス(Acros)から)を、溶媒として6リットルのアセトンを使用して、732gの固体塩化コリン(99%、アクロス(Acros)から)と混合した。8時間撹拌後、イオン交換反応を生じさせ、形成された懸濁物をろ過した。ろ液を、さらなる溶媒の蒸発が観察されなくなるまで、約60℃の温度および最小圧力約40ミリバールにて、ロータバップ(Rotavap)中で蒸発に供した。残留する生成物は液体であり、元素化学組成分析によってコリンサッカリネートであると確認された(塩化物、ナトリウムおよび硫黄濃度)。
製造例B - 乾燥コリンサッカリネートイオン液体の製造
存在する水を除去するために、ナトリウムサッカリネート水和物(99%、アクロス(Acros)から)を、質量のさらなる低下が観察されなくなるまで、120℃の温度にて乾燥した。その後、乾燥ナトリウムサッカリネートを、溶媒としてアセトンを使用して、1:1のモル比で、塩化コリン(99%、アクロス(Acros)から)と混合した。8時間撹拌後、イオン交換反応を生じさせ、形成された懸濁物をろ過した。ろ液を、さらなる溶媒の蒸発が観察されなくなるまで、約85℃の温度および最小圧力約40ミリバールにて、ロータバップ(Rotavap)中で蒸発に供した。残留する生成物は液体であり、元素化学組成分析によって乾燥コリンサッカリネートであると確認された(塩化物、ナトリウムおよび硫黄濃度、ならびにまた水分濃度)。
実施例1 - 半乾燥コリンサッカリネート中で真鍮上への銅の電気めっき
約2重量%の水を含む、製造されたコリンサッカリネートイオン液体中に、塩化銅(II)2水和物塩を仕込み、固体塩が溶解するまで、混合物を撹拌した。製造された溶液において、銅の濃度は約11g/kgであり、それに対して、アミン塩対銅水和塩のモル比は21:1であった。
約250mlの溶液を、電気加熱要素を備えたハル(Hull)セル中に注ぎ、このセルは、アノード側に65mmの長さおよびカソード側に102mmの長さを有し、アノード-カソード間の距離は最小48mmであり、アノード-カソード間の距離は最長127mmであり、深さは65mmであった。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、真鍮板をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。電流を、直列に接続した計器で監視した。
1.5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。電気めっき中イオン液体中に沈められた板の部分の上に、オレンジ/茶色の銅-電着層が観察された。層の厚みは、カソードの異
なる位置での電流密度の差のために、板の一端から他端へ減少した。
実施例2 - 湿潤コリンサッカリネート中で炭素鋼上へのCr(III)塩からのクロムの電気めっき
約7重量%の水を含む、製造されたコリンサッカリネートイオン液体中に、塩化クロム(III)6水和物塩を仕込み、固体塩が溶解するまで、混合物を撹拌した。アミン塩対クロム塩の比を増加し、同時にクロム塩の溶解性を改善するために、塩化コリンを添加した。製造された溶液において、クロム(III)の濃度は約20g/kgであり、それに対して、アミン塩対クロム水和塩のモル比は9:1であった。
約250mlの溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。電気めっき中イオン液体中に沈められた板の部分の上に、薄灰色(金属の色)の電着層が観察された。層の厚みは、カソードの異なる位置での電流密度の差のために、板の一端から他端へ減少し、一方の側では目に見える層を有していなかった。板の化学組成を、X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)によって分析した。
分析により、基体の沈められた部分でのクロムの存在が確認され(図1a)、それに対して、沈められていない表面ではクロムは見出されなかった(図1b)。
実施例3 - 半乾燥コリンサッカリネート中で炭素鋼上へのCr(III)塩からのクロムの電気めっき
約2重量%の水を含む、製造されたコリンサッカリネートイオン液体中に、塩化クロム(III)6水和物塩を仕込み、固体塩が溶解するまで、混合物を撹拌した。製造された溶液において、クロム(III)の濃度は約12g/kgであり、それに対して、アミン塩対クロム水和塩のモル比は13:1であった。
約250mlの溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による化学分析により、非常に薄く電着された層の存在が示された。
比較例4 - 塩化クロム(III)6水和物および塩化コリンの2:1のモル比の共融混合物中で炭素鋼上へのCr(III)塩からのクロムの電気めっき
塩化クロム(III)6水和物および塩化コリンを2:1のモル比で混合した。固体混合物を約120℃の温度のオーブンで数時間加熱した。固体が観察されなくなるまで、混合物を時々振り動かした。暗緑色の液体生成物を室温に冷却した。
実施例2を繰り返したが、実施例2で使用した溶液の代わりに、製造した、塩化クロム(III)6水和物および塩化コリンの2:1のモル比の共融混合物を使用した。
図2に、実施例2および比較例4の基体の外観を示す。本発明の方法は、めっきされた基体の改善された目に見える外観を生じること(暗くつやのない電着物の代わりに光沢のある金属的な電着物)が明らかに証明される。
実施例5 - ココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリド中で炭素鋼上へのCrCl36水和物塩からのクロムの電気めっき
塩化クロム(III)6水和物塩を、0.2重量%の水を含むココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体に添加し、固体塩が溶解されるまで、混合物を約50℃の温度で撹拌した。製造された溶液において、塩化クロム(III)6水和物の濃度は75g/kgであった。
約250mlのその溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
18時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素のみが見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄、炭素および酸素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。そのほかに、金属層による、板の沈められた部分の被覆を視覚的に観察することができた。
実施例6 - ココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリド中で炭素鋼上へのクロム源としてCrCl2を用いたクロムの電気めっき
乾燥塩化クロム(II)を、0.2重量%の水を含むココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体に添加し、固体塩が溶解されたと思われるまで、混合物を約50℃の温度で撹拌した。製造された溶液において、塩化クロム(II)の濃度は30g/kgであった。
約250mlのその溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
18時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。電気めっき中イオン液体中に沈められた板の部分の上に、薄い青灰色の金属電着層が、95%より多くの領域を覆っていることが観察された。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素が見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄および炭素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。
実施例7 - 湿潤ココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムメチルサルフェート中で炭素鋼上へのクロム源としてCrCl36水和物を用いたクロムの電気めっき
塩化クロム(III)6水和物を、クロム塩の添加前に10重量%の水が導入されたココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムメチルサルフェートイオン液体に仕込んだ。固体塩が溶解するまで、混合物を約50℃の温度で撹拌した。製造された溶液において、塩化クロム(III)6水和物の濃度は74g/kgであった。
約250mlのその溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素が見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄、炭素および酸素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。
実施例8 - ココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリド中で炭素鋼上へのクロム源としてクロム (III)アセチルアセトネートを用いたクロムの電気めっき
クロム (III)アセチルアセトネート(97%、アクロス(Acros)から)を、0.2重量%の水を含むココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体に添加し、固体塩が溶解されたと思われるまで、混合物を約50℃の温度で撹拌した。製造された溶液において、クロム (III)アセチルアセトネートの濃度は10g/kgであった。
約250mlのその溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素が見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄、炭素および酸素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。
実施例9 - ココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリド中で炭素鋼上へのクロム源としてクロムアノード(クロム金属チップ)を用いたクロムの電気めっき
0.2重量%の水を含むココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体約250mlを、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。
2mm厚さのクロム金属チップをチタンバスケットに仕込んだ。このバスケットをアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素が見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄、炭素および酸素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。
比較例10 - N-メチル-N-トリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド中で炭素鋼上へのCrCl36水和物塩からのクロムの電気めっき
実施例5を繰り返したが、実施例5で使用したココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体の代わりに、N-メチル-N-トリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン液体(98%、ソルベント イノベーション(Solvent Innovation)から)を使用した。
18時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。板のいずれの部分にもクロムは見出されなかった。故に、検出可能なクロムの電着は生じなかった。同じ条件下および同じクロム源を適用して(実施例5)、本特許において範囲に入れられるココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体を用いたときにクロム電着物が形成されたので、本発明の方法の利点が明らかに証明される。
比較例11 - N-メチル-N-トリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド中で炭素鋼上へのCrCl 2 からのクロムの電気めっき
実施例6を繰り返したが、実施例6で使用したココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体の代わりに、N-メチル-N-トリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン液体(98%、ソルベント イノベーション(Solvent Innovation)から)を使用した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。板のいずれの部分にもクロムは見出されなかった。故に、検出可能なクロムの電着は生じなかった。同じ条件下および同じクロム源を適用して(実施例6)、本特許において範囲に入れられるココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体を用いたときにクロム電着物が形成されたので、本発明の方法の利点が明らかに証明される。
SEM/EDXのチャート(実施例2) SEM/EDXのチャート(実施例2) 基体の外観(実施例2および比較例4)

Claims (9)

  1. 基体上に金属を電気めっきする、または電解研磨する方法であって
    N+R5R6R7R8Y-
    イオン液体が電解質として使用され、イオン液体に添加される金属塩が金属源として使用されるかまたは金属アノードが金属源として使用され、R 5 〜R 8 はいずれも独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはアラルキル基(OH、Cl、Br、F、I、フェニル、NH2、CN、NO2、COOR9、CHO、COR9またはOR9から選択される基で置換されていてもよい)を示し、R5〜R8の少なくとも1つは8〜22個の炭素原子を含む飽和または不飽和のアルキル鎖であり、R5〜R8の1つ以上は、(ポリ)オキシアルキレン基であ、該アルキレンはC1〜C4アルキレンであり、オキシアルキレン単位の総数は、1〜50個のオキシアルキレン単位であることができ、R 5 〜R8の少なくとも1つはC1〜C4アルキル鎖であり、R9はアルキルもしくはシクロアルキル基であり、Y -は、N+R5R6R7R8アンモニウムカチオンと相溶性のアニオン、例えばハロゲンアニオン、カルボキシレートアニオン、有機または無機サルフェート、スルホネート、カーボネート、ナイトレート、ナイトライト、チオシアネート、ヒドロキシドもしくはスルホニルイミドアニオンである方法。
  2. Y-が、F-、Cl-、Br-、I-の群;R10COO-アニオン(R10は、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;R11SO4 -アニオン(R11は、カチオンが2価である場合には不在であるか、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;R12SO3 -アニオン(R12は、カチオンが2価である場合には不在であるか、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;R13CO3 -アニオン(R13は、カチオンが2価である場合には不在であるか、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;ならびにR14-N--SO2-R15アニオン(R14および/またはR15は独立して、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であることができ、R14は、カルボニル基で窒素原子に結合することができる)の群から選択される請求項1記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
  3. Y-が、Cl-、Br-またはCH3SO4 -である請求項2記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
  4. 式N+R5R6R7R8Y-のイオン液体が、100gのイオン液体当たり1gのI2より上のヨウ素価を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
  5. イオン液体のアンモニウムカチオン対金属塩の金属カチオンもしくは金属アノードから誘導された金属カチオンのモル比が1,000:1〜3:1である請求項1〜4のいずれか1項記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
  6. モル比が、100:1〜7:1である請求項5記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
  7. 金属クロム、アルミニウムまたは銅のうちの1種が電着される請求項1〜6のいずれか1項記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
  8. イオン液体が、オクタデシルメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ココビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムナイトレート、ココビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、ココビス(2-ヒドロキシエチル)ベンジルアンモニウムクロリド、オレイルビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、ココ[ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムクロリド、ココ[ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムメチルサルフェート、ココ[ポリオキシエチレン(17)]メチルアンモニウムクロリド、オクタデシル [ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムクロリド、および水素化タロウ[ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムクロリドからなる群より選択される請求項1〜7のいずれか1項記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載のクロムを電気めっきする方法。
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