JP5134553B2 - イオン液体を用いる金属電着法 - Google Patents
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Description
製造例A - 半乾燥コリンサッカリネートイオン液体の製造
約250mlの溶液を、電気加熱要素を備えたハル(Hull)セル中に注ぎ、このセルは、アノード側に65mmの長さおよびカソード側に102mmの長さを有し、アノード-カソード間の距離は最小48mmであり、アノード-カソード間の距離は最長127mmであり、深さは65mmであった。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、真鍮板をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。電流を、直列に接続した計器で監視した。
1.5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。電気めっき中イオン液体中に沈められた板の部分の上に、オレンジ/茶色の銅-電着層が観察された。層の厚みは、カソードの異
実施例2 - 湿潤コリンサッカリネート中で炭素鋼上へのCr(III)塩からのクロムの電気めっき
約250mlの溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。電気めっき中イオン液体中に沈められた板の部分の上に、薄灰色(金属の色)の電着層が観察された。層の厚みは、カソードの異なる位置での電流密度の差のために、板の一端から他端へ減少し、一方の側では目に見える層を有していなかった。板の化学組成を、X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)によって分析した。
約250mlの溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による化学分析により、非常に薄く電着された層の存在が示された。
実施例2を繰り返したが、実施例2で使用した溶液の代わりに、製造した、塩化クロム(III)6水和物および塩化コリンの2:1のモル比の共融混合物を使用した。
図2に、実施例2および比較例4の基体の外観を示す。本発明の方法は、めっきされた基体の改善された目に見える外観を生じること(暗くつやのない電着物の代わりに光沢のある金属的な電着物)が明らかに証明される。
約250mlのその溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
18時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素のみが見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄、炭素および酸素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。そのほかに、金属層による、板の沈められた部分の被覆を視覚的に観察することができた。
約250mlのその溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
18時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。電気めっき中イオン液体中に沈められた板の部分の上に、薄い青灰色の金属電着層が、95%より多くの領域を覆っていることが観察された。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素が見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄および炭素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。
約250mlのその溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素が見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄、炭素および酸素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。
約250mlのその溶液を、実施例1において記載したハル(Hull)セルに注いだ。セルは、70〜80℃の温度に加熱された。
白金をかぶせたチタン板をアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素が見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄、炭素および酸素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。
2mm厚さのクロム金属チップをチタンバスケットに仕込んだ。このバスケットをアノードとして適用し、DC電源の正極端に接続し、それに対して、炭素鋼をカソード(基体)として使用し、負極端に接続した。浴に導入する前に、基体板を、市販の磨き粉で磨き、脱イオン水中、アセトン中、その後エタノール中で、最後に4M-HCl水性溶液中で洗浄した。両方の板を接続し、セルに導入したとき、電位差を30Vに設定した。液体は、中心に位置する上部から入れる羽根を用いて撹拌した。電極間の電流を、直列に接続した計器で監視した。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。沈めない部分では、鉄、炭素および酸素が見出され、それに対して、沈められた部分は、クロム、鉄、炭素および酸素を含み、基体へのクロムの電着を確認した。
18時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。板のいずれの部分にもクロムは見出されなかった。故に、検出可能なクロムの電着は生じなかった。同じ条件下および同じクロム源を適用して(実施例5)、本特許において範囲に入れられるココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体を用いたときにクロム電着物が形成されたので、本発明の方法の利点が明らかに証明される。
5時間の電気めっき後、カソードを電源からの接続を切り、セルから取り出した。板を水およびアセトン中で洗浄した後、乾燥した。X-線散乱と組み合わせた走査電子顕微鏡(SEM/EDX)による基体の化学分析を行った。板の沈めた部分および沈めない部分の両方を分析した。板のいずれの部分にもクロムは見出されなかった。故に、検出可能なクロムの電着は生じなかった。同じ条件下および同じクロム源を適用して(実施例6)、本特許において範囲に入れられるココアルキルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリドイオン液体を用いたときにクロム電着物が形成されたので、本発明の方法の利点が明らかに証明される。
Claims (9)
- 基体上に金属を電気めっきする、または電解研磨する方法であって、
N+R5R6R7R8Y-
のイオン液体が電解質として使用され、イオン液体に添加される金属塩が金属源として使用されるかまたは金属アノードが金属源として使用され、R 5 〜R 8 はいずれも独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはアラルキル基(OH、Cl、Br、F、I、フェニル、NH2、CN、NO2、COOR9、CHO、COR9またはOR9から選択される基で置換されていてもよい)を示し、R5〜R8の少なくとも1つは8〜22個の炭素原子を含む飽和または不飽和のアルキル鎖であり、R5〜R8の1つ以上は、(ポリ)オキシアルキレン基であり、該アルキレンはC1〜C4アルキレンであり、オキシアルキレン単位の総数は、1〜50個のオキシアルキレン単位であることができ、R 5 〜R8の少なくとも1つはC1〜C4アルキル鎖であり、R9はアルキルもしくはシクロアルキル基であり、Y -は、N+R5R6R7R8アンモニウムカチオンと相溶性のアニオン、例えばハロゲンアニオン、カルボキシレートアニオン、有機または無機サルフェート、スルホネート、カーボネート、ナイトレート、ナイトライト、チオシアネート、ヒドロキシドもしくはスルホニルイミドアニオンである方法。 - Y-が、F-、Cl-、Br-、I-の群;R10COO-アニオン(R10は、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;R11SO4 -アニオン(R11は、カチオンが2価である場合には不在であるか、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;R12SO3 -アニオン(R12は、カチオンが2価である場合には不在であるか、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;R13CO3 -アニオン(R13は、カチオンが2価である場合には不在であるか、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であり得る)の群;ならびにR14-N--SO2-R15アニオン(R14および/またはR15は独立して、水素、C1〜C22アルキル、アルケニルもしくは芳香族基であることができ、R14は、カルボニル基で窒素原子に結合することができる)の群から選択される請求項1記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
- Y-が、Cl-、Br-またはCH3SO4 -である請求項2記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
- 式N+R5R6R7R8Y-のイオン液体が、100gのイオン液体当たり1gのI2より上のヨウ素価を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
- イオン液体のアンモニウムカチオン対金属塩の金属カチオンもしくは金属アノードから誘導された金属カチオンのモル比が1,000:1〜3:1である請求項1〜4のいずれか1項記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
- モル比が、100:1〜7:1である請求項5記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
- 金属クロム、アルミニウムまたは銅のうちの1種が電着される請求項1〜6のいずれか1項記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
- イオン液体が、オクタデシルメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ココビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムナイトレート、ココビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、ココビス(2-ヒドロキシエチル)ベンジルアンモニウムクロリド、オレイルビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、ココ[ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムクロリド、ココ[ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムメチルサルフェート、ココ[ポリオキシエチレン(17)]メチルアンモニウムクロリド、オクタデシル [ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムクロリド、および水素化タロウ[ポリオキシエチレン(15)]メチルアンモニウムクロリドからなる群より選択される請求項1〜7のいずれか1項記載の金属を電気めっきする、または電解研磨する方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載のクロムを電気めっきする方法。
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