JP5134466B2 - 鋼板の温度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板を処理する連続通板処理設備において、可動装置不要で、かつ、非接触で鋼板の温度が測定できる鋼板の温度測定装置に関する。
鋼板を連続処理するプロセスでは、加熱や冷却による熱処理プロセスで、鋼板の温度を測定することが必要となる。また、この熱処理プロセスでは、どうしても鋼板の板振動、板ねじれや板蛇行(これらに関しては、後記定義に従う)が生ずることが多い。これらの諸問題に対して、放射温度計を用いて、鋼板の板振動や板蛇行による温度測定への影響を抑制しながら温度が測定できる鋼板の温度測定装置が知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。
しかし、特許文献1に記載された鋼板の温度測定装置では、板振動による温度測定への影響を抑制するために、放射温度計と鋼板との間が常に一定距離になるように装置本体の位置を調整するための可動装置を設置しなければならない。また、この温度測定装置では、上記板振動による温度測定への影響は考慮されているものの板ねじれや板蛇行による温度測定への影響を抑制できないという問題点を有していた。
また、特許文献2に記載された鋼板等の金属シートの温度測定装置では、背景として板振動以外に板蛇行に関する課題を認識している。しかし、この温度測定装置では、金属シートに接触する接触ローラーやこの接触ローラーを金属シートに接触追従させるための追従手段を設けなければならないといった問題点を有していた。すなわち、放射温度計自体は非接触であるものの温度測定装置全体として非接触にできないという問題点を有していた。また、この温度測定装置では、板ねじれによる温度測定への影響は抑制できないという問題点も有していた。
特開平5−215611号公報 特開平4−204220号公報
本発明の目的は、板振動、板ねじれや板蛇行の内の少なくともいずれか1つによる温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段が不要で、かつ、非接触で鋼板の温度が測定できる鋼板の温度測定装置を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明の請求項に記載の発明は、
被測定鋼板の一方面と他方面(以下、「鋼板の一方面と他方面」という。)にそれぞれ対向し、かつ、前記鋼板の幅方向の中心を通りかつ板蛇行の方向に垂直な面(以下、「鋼板の板蛇行に垂直な面」という。)に対してそれぞれ面対称となるように設置された同じ大きさの第1、第2の参照板と、
この第1、第2の参照板の温度(以下、「参照板温度」という。)T1、T2を制御する温度制御装置と、
前記第1、第2の参照板温度T1、T2を直接測定する温度検出器と、
前記鋼板と前記第1、第2の参照板との間でそれぞれ繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
前記鋼板の一方面と他方面に所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板振動の方向に垂直な面(以下、「鋼板の板振動に垂直な面」という。)に対して面対称となるように前記鋼板の一方面側と他方面側にそれぞれ設置された第1、第2の放射温度計と、
前記鋼板の一方面に所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に前記第1の放射温度計とは反対側に設置された第3の放射温度計と、
前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、前記第2の放射温度計から前記鋼板の他方面に向けられた前記所定の角度、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離、または、前記第2の放射温度計から前記鋼板の他方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1、第2の参照板温度T1、T2を基に前記第1、第2、第3の放射温度計の指示値Ta、Tb、Tcをそれぞれ下記修正式(1)、(2)、(4)で
Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
Tb´=Tb+k2(Tb―T2)――― 式(2)
Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
ここに、k1、k2は、別途の測定または文献値から求めた前記第1、第
2の参照板および前記鋼板の一方面と他方面の各放射率の推定値
に基づく補正係数である。
修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、cを基に下記式(5)に従う演算を行ない、前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、
を備えたことを特徴とする鋼板の温度測定装置である。
T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´)/(a+b+c) ―― 式(5)
ここに、a、b、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、
実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記第1、第2の参照板が前記鋼板の板振動に垂直な面から等距離の位置に設置され、前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置され、前記補正係数がb=2a=2cであるように構成されたものである。
請求項に記載の発明は、
鋼板の一方面と他方面にそれぞれ対向し、かつ、前記鋼板の板振動に垂直な面と板蛇行に垂直な面に対してそれぞれ面対称となるように設置された同じ大きさの第1、第2の参照板と、
この第1、第2の参照板温度T1、T2を制御する温度制御装置と、
前記第1、第2の参照板温度T1、T2を直接測定する温度検出器と、
前記鋼板と前記第1、第2の参照板との間でそれぞれ繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
前記鋼板の一方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に左右に設置された第1、第3の放射温度計と、
前記鋼板の他方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記第1、第3の放射温度計に対して前記鋼板の板振動に垂直な面を境にそれぞれ面対称となるように前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に左右に設置された第2、第4の放射温度計と、
前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、前記第2、第4の放射温度計から前記鋼板の他方面に向けられた前記所定の角度、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離、または、前記第2、第4の放射温度計から前記鋼板の他方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1、第2の参照板温度T1、T2を基に前記第1、第2、第3、第4の放射温度計の指示値Ta、Tb、Tc、Tdをそれぞれ下記修正式(1)、(2)、(4)、(6)で
Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
Tb´=Tb+k2(Tb―T2)――― 式(2)
Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
Td´=Td+k2(Td―T2)――― 式(6)
ここに、k1、k2は、別途の測定または文献値から求めた前記第1、第
2の参照板および前記鋼板の一方面と他方面の各放射率の推定値
に基づく補正係数である。
修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、c、dを基に下記式(7)に従う演算を行ない、前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、
を備えたことを特徴とする鋼板の温度測定装置である。
T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´+d×Td´)/(a+b+c+d) ――― 式(7)
ここに、a、b、c、dは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づ
き、実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記第1、第2の参照板が前記鋼板の板振動に垂直な面から等距離の位置に設置され、
前記鋼板の板蛇行方向の中心線に対して前記第1、第2の参照板の各中心線が重なり、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面に対してそれぞれ面対称となるように設置され、
前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置され、
前記第2、第4の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置される場合には、前記補正係数a、b、c、dが同一であるように構成されたものである。
請求項に記載の発明は、
鋼板の一方面に対向し、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面に対して面対称となるように設置された第1の参照板と、
この第1の参照板温度T1を制御する温度制御装置と、
前記第1の参照板温度T1を直接測定する温度検出器と、
前記鋼板と前記第1の参照板との間で繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
前記鋼板の一方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置された第1、第3の放射温度計と、
前記第1の参照板の設置位置、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、または、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1の参照板温度T1を基に前記第1、第3の放射温度計の指示値Ta、Tcをそれぞれ下記修正式(1)、(4)で
Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
ここに、k1は、別途の測定または文献値から求めた前記第1の参
照板および前記鋼板の一方面の各放射率の推定値に基づく補正
係数である。
修正した修正温度Ta´、Tc´およびこの修正温度Ta´、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、cを基に下記式(8)に従う演算を行ない、前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、
を備えたことを特徴とする鋼板の温度測定装置である。
T=(a×Ta´+c×Tc´)/(a+c) ――― 式(8)
ここに、a、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、実
験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置され、前記補正係数a、cが同一であるように構成されたものである。
以上のように、本発明の請求項に記載の鋼板の温度測定装置は、
被測定鋼板の一方面と他方面(以下、「鋼板の一方面と他方面」という。)にそれぞれ対向し、かつ、前記鋼板の幅方向の中心を通りかつ板蛇行の方向に垂直な面(以下、「鋼板の板蛇行に垂直な面」という。)に対してそれぞれ面対称となるように設置された同じ大きさの第1、第2の参照板と、
この第1、第2の参照板の温度(以下、「参照板温度」という。)T1、T2を制御する温度制御装置と、
前記第1、第2の参照板温度T1、T2を直接測定する温度検出器と、
前記鋼板と前記第1、第2の参照板との間でそれぞれ繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
前記鋼板の一方面と他方面に所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板振動の方向に垂直な面(以下、「鋼板の板振動に垂直な面」という。)に対して面対称となるように前記鋼板の一方面側と他方面側にそれぞれ設置された第1、第2の放射温度計と、
前記鋼板の一方面に所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に前記第1の放射温度計とは反対側に設置された第3の放射温度計と、
前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、前記第2の放射温度計から前記鋼板の他方面に向けられた前記所定の角度、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離、または、前記第2の放射温度計から前記鋼板の他方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1、第2の参照板温度T1、T2を基に前記第1、第2、第3の放射温度計の指示値Ta、Tb、Tcをそれぞれ下記修正式(1)、(2)、(4)で
Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
Tb´=Tb+k2(Tb―T2)――― 式(2)
Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
ここに、k1、k2は、別途の測定または文献値から求めた前記第1、第
2の参照板および前記鋼板の一方面と他方面の各放射率の推定値 に基づく補正係数である。
修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、cを基に下記式(5)に従う演算を行ない、
T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´)/(a+b+c) ――― 式(5)
ここに、a、b、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、
実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、を備えた構成であるため、放射温度計を合計3つ設置するという簡易な構成でありながら、板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度が測定できる。また、各放射温度計の鋼板に向けられた設置角度や各放射温度計から鋼板までの設置距離にずれがあるような場合にも、その影響を修正する手段を有しているため、精度の良い鋼板の温度が測定できる。
また、本発明の請求項に記載の鋼板の温度測定装置は、
鋼板の一方面と他方面にそれぞれ対向し、かつ、前記鋼板の板振動に垂直な面と板蛇行に垂直な面に対してそれぞれ面対称となるように設置された同じ大きさの第1、第2の参照板と、
この第1、第2の参照板温度T1、T2を制御する温度制御装置と、
前記第1、第2の参照板温度T1、T2を直接測定する温度検出器と、
前記鋼板と前記第1、第2の参照板との間でそれぞれ繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
前記鋼板の一方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に左右に設置された第1、第3の放射温度計と、
前記鋼板の他方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記第1、第3の放射温度計に対して前記鋼板の板振動に垂直な面を境にそれぞれ面対称となるように前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に左右に設置された第2、第4の放射温度計と、
前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、前記第2、第4の放射温度計から前記鋼板の他方面に向けられた前記所定の角度、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離、または、前記第2、第4の放射温度計から前記鋼板の他方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1、第2の参照板温度T1、T2を基に前記第1、第2、第3、第4の放射温度計の指示値Ta、Tb、Tc、Tdをそれぞれ下記修正式(1)、(2)、(4)、(6)で
Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
Tb´=Tb+k2(Tb―T2)――― 式(2)
Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
Td´=Td+k2(Td―T2)――― 式(6)
ここに、k1、k2は、別途の測定または文献値から求めた前記第1、
第2の参照板および前記鋼板の一方面と他方面の各放射率の推
定値に基づく補正係数である。
修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、c、dを基に下記式(7)に従う演算を行ない、
T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´+d×Td´)/(a+b+c+d) ――― 式(7)
ここに、a、b、c、dは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基
づき、 実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数で
ある。
前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、を備えた構成であるため、板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度を高精度に測定できる。また、各放射温度計の鋼板に向けられた設置角度や各放射温度計から鋼板までの設置距離にずれがあるような場合にも、その影響を修正する手段を有しているため、精度の良い鋼板の温度が測定できる。
また、本発明の請求項に記載の鋼板の温度測定装置は、
鋼板の一方面に対向し、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面に対して面対称となるように設置された第1の参照板と、
この第1の参照板温度T1を制御する温度制御装置と、
前記第1の参照板温度T1を直接測定する温度検出器と、
前記鋼板と前記第1の参照板との間で繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
前記鋼板の一方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置された第1、第3の放射温度計と、
前記第1の参照板の設置位置、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、または、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1の参照板温度T1を基に前記第1、第3の放射温度計の指示値Ta、Tcをそれぞれ下記修正式(1)、(4)で
Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
ここに、k1は、別途の測定または文献値から求めた前記第1の参
照板および 前記鋼板の一方面の各放射率の推定値に基づく補
正係数である。
修正した修正温度Ta´、Tc´およびこの修正温度Ta´、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、cを基に下記式(8)に従う演算を行ない、
T=(a×Ta´+c×Tc´)/(a+c) ――― 式(8)
ここに、a、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づ
き、実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数で
ある。
前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、を備えた構成であるため、鋼板の一方面にのみ参照板と放射温度計を設置するという簡易な構成でありながら、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度が測定できる。また、各放射温度計の鋼板に向けられた設置角度や各放射温度計から鋼板までの設置距離にずれがあるような場合にも、その影響を修正する手段を有しているため、精度の良い鋼板の温度が測定できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明に係る鋼板の温度測定装置は、
被測定鋼板の一方面と他方面(以下、「鋼板の一方面と他方面」という。)にそれぞれ対向し、かつ、前記鋼板の幅方向の中心を通りかつ板蛇行の方向に垂直な面(以下、「鋼板の板蛇行に垂直な面」という。)に対してそれぞれ面対称となるように設置された同じ大きさの第1、第2の参照板と、
この第1、第2の参照板の温度(以下、「参照板温度」という。)T1、T2を制御する温度制御装置と、
前記第1、第2の参照板温度T1、T2を直接測定する温度検出器と、
前記鋼板と前記第1、第2の参照板との間でそれぞれ繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
前記鋼板の一方面と他方面に所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板振動の方向に垂直な面(以下、「鋼板の板振動に垂直な面」という。)に対して面対称となるように前記鋼板の一方面側と他方面側にそれぞれ設置された第1、第2の放射温度計と、
前記鋼板の一方面に所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に前記第1の放射温度計とは反対側に設置された第3の放射温度計と、
前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、前記第2の放射温度計から前記鋼板の他方面に向けられた前記所定の角度、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離、または、前記第2の放射温度計から前記鋼板の他方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1、第2の参照板温度T1、T2を基に前記第1、第2、第3の放射温度計の指示値Ta、Tb、Tcをそれぞれ下記修正式(1)、(2)、(4)で
Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
Tb´=Tb+k2(Tb―T2)――― 式(2)
Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
ここに、k1、k2は、別途の測定または文献値から求めた前記第1、第
2の参照板および前記鋼板の一方面と他方面の各放射率の推定値
に基づく補正係数である。
修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、cを基に下記式(5)に従う演算を行ない、前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´)/(a+b+c) ―― 式(5)
ここに、a、b、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、
実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
以上により、放射温度計を合計3つ設置するという簡易な構成でありながら、板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度が測定できる。また、各放射温度計の鋼板に向けられた設置角度や各放射温度計から鋼板までの設置距離にずれがあるような場合にも、その影響を修正する手段を有しているため、精度の良い鋼板の温度が測定できる。
上記本発明に係る鋼板の温度測定装置において、上記放射エネルギーとしては、射度や多重反射を利用することができる。
上記本発明に係る鋼板の温度測定装置を用いることで、上述のように修正温度Ta´、Tb´に関連する項により、鋼板の板振動による温度測定への影響が抑制される。また、鋼板の板ねじれや板蛇行により第1、第3の放射温度計に現れる指示値Ta、Tcの変動量(ひいては、修正温度Ta´、Tc´の変動量として反映される)を上記式(5)中の修正温度Taの項と修正温度Tcの項によりキャンセルすることができる。このように、鋼板の板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響を抑制するためには、上記のように放射温度計を合計3つ用いて、上記式(5)に示すような所定の演算を行なえばよい。
また、上記修正温度Ta´、Tb´、Tc´はそれぞれ所定の補正係数a、b、c(鋼板、参照板と放射温度計の位置関係等の相互関係に基づき、実験またはシミュレーションにより予め決定される)を基に所定の演算(例えば、上記式(5)に従う演算)が行なわれるため、前記第1、第2の参照板を前記鋼板の板振動に垂直な面から等距離の位置よりずれて設置され、前記第1、第3の放射温度計を前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称な位置からずれて設置された場合にも精度のよい鋼板の温度測定が可能である。
ただし、前記第1、第2の参照板が前記鋼板の板振動に垂直な面から等距離の位置に設置され、前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置され、上記補正係数がb=2a=2cであるようにすることができる。
本発明に係る別の鋼板の温度測定装置は、
鋼板の一方面と他方面にそれぞれ対向し、かつ、前記鋼板の板振動に垂直な面と板蛇行に垂直な面に対してそれぞれ面対称となるように設置された同じ大きさの第1、第2の参照板と、
この第1、第2の参照板温度T1、T2を制御する温度制御装置と、
前記第1、第2の参照板温度T1、T2を直接測定する温度検出器と、
前記鋼板と前記第1、第2の参照板との間でそれぞれ繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
前記鋼板の一方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に左右に設置された第1、第3の放射温度計と、
前記鋼板の他方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記第1、第3の放射温度計に対して前記鋼板の板振動に垂直な面を境にそれぞれ面対称となるように前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に左右に設置された第2、第4の放射温度計と、
前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、前記第2、第4の放射温度計から前記鋼板の他方面に向けられた前記所定の角度、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離、または、前記第2、第4の放射温度計から前記鋼板の他方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1、第2の参照板温度T1、T2を基に前記第1、第2、第3、第4の放射温度計の指示値Ta、Tb、Tc、Tdをそれぞれ下記修正式(1)、(2)、(4)、(6)で
Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
Tb´=Tb+k2(Tb―T2)――― 式(2)
Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
Td´=Td+k2(Td―T2)――― 式(6)
ここに、k1、k2は、別途の測定または文献値から求めた前記第1、第
2の参照板および前記鋼板の一方面と他方面の各放射率の推定値
に基づく補正係数である。
修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、c、dを基に下記式(7)に従う演算を行ない、前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´+d×Td´)/(a+b+c+d) ――― 式(7)
ここに、a、b、c、dは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づ
き、実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数であ
る。
以上により、板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度を高精度に測定できる。また、各放射温度計の鋼板に向けられた設置角度や各放射温度計から鋼板までの設置距離にずれがあるような場合にも、その影響を修正する手段を有しているため、精度の良い鋼板の温度が測定できる。
上記本発明に係る別の鋼板の温度測定装置においても、上述同様に、上記放射エネルギーとしては、射度や多重反射を利用することができる。
上記本発明に係る別の鋼板の温度測定装置を用いることで、修正温度Ta´、Tb´に関連する項により、鋼板の板振動による温度測定への影響が抑制され、さらに、修正温度Tc´、Td´に関連する項によっても鋼板の板振動による温度測定への影響が抑制される。また、修正温度Ta´、Tc´に関連する項により、鋼板の板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、さらに、修正温度Tb´、Td´に関連する項によっても鋼板の板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制される。このように、修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´に関するいずれの項とも、鋼板の板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響を抑制するために働いているため、上記式(7)に示すような所定の演算を行なえばよい。したがって、上述のように鋼板の温度を高精度に測定できる。
また、上記修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´はそれぞれ所定の補正係数a、b、c、d(鋼板、参照板と放射温度計の位置関係等の相互関係に基づき、実験またはシミュレーションにより予め決定される)を基に所定の演算(例えば、上記式(7)に従う演算)が行なわれるため、前記第1、第2の参照板が前記鋼板の板振動に垂直な面から等距離の位置よりずれて設置され、前記第1、第3の放射温度計を前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称な位置からずれて設置され、前記第2、第4の放射温度計を前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称な位置からずれて設置された場合にも高精度な鋼板の温度測定が可能である。
ただし、前記第1、第2の参照板が前記鋼板の板振動に垂直な面から等距離の位置に設置され、前記鋼板の板蛇行方向の中心線に対して前記第1、第2の参照板の各中心線が重なり、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面に対してそれぞれ面対称となるように設置され、前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置され、前記第2、第4の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置される場合には、上記補正係数a、b、c、dが同一であるようにすることができる。
本発明に係る別の鋼板の温度測定装置は、
鋼板の一方面に対向し、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面に対して面対称となるように設置された第1の参照板と、
この第1の参照板温度T1を制御する温度制御装置と、
前記第1の参照板温度T1を直接測定する温度検出器と、
前記鋼板と前記第1の参照板との間で繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
前記鋼板の一方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置された第1、第3の放射温度計と、
前記第1の参照板の設置位置、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、または、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1の参照板温度T1を基に前記第1、第3の放射温度計の指示値Ta、Tcをそれぞれ下記修正式(1)、(4)で
Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
ここに、k1は、別途の測定または文献値から求めた前記第1の参
照板および前記鋼板の一方面の各放射率の推定値に基づく補正
係数である。
修正した修正温度Ta´、Tc´およびこの修正温度Ta´、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、cを基に下記式(8)に従う演算を行ない、前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
T=(a×Ta´+c×Tc´)/(a+c) ――― 式(8)
ここに、a、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、実
験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
以上により、鋼板の一方面にのみ参照板と放射温度計を設置するという簡易な構成でありながら、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度が測定できる。また、各放射温度計の鋼板に向けられた設置角度や各放射温度計から鋼板までの設置距離にずれがあるような場合にも、その影響を修正する手段を有しているため、精度の良い鋼板の温度が測定できる。
上記本発明に係る別の鋼板の温度測定装置においても、上述同様に、上記放射エネルギーとしては、射度や多重反射を利用することができる。
上記本発明に係る別の鋼板の温度測定装置を用いることで、すでに上述したように、鋼板の板ねじれや板蛇行により第1、第3の放射温度計に現れる指示値Ta、Tcの変動量(ひいては、修正温度Ta´、Tc´の変動量として反映される)を上記式(8)に示すような所定の演算することで、修正温度Ta´の項と修正温度Tc´の項によりキャンセルすることができる。
また、すでに上述したように、上記修正温度Ta´、Tc´はそれぞれ所定の補正係数a、c(鋼板、参照板と放射温度計の位置関係等の相互関係に基づき、実験またはシミュレーションにより予め決定される)を基に所定の演算(例えば、上記式(8)に従う演算)が行なわれるため、前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称な位置からずれて設置された場合にも精度のよい鋼板の温度測定が可能である。
ただし、前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置され、上記補正係数a、cが同一であるようにすることができる。
以下、本発明の鋼板の温度測定装置の実施例および参考例ついて図面を参照しながら説明する。
参考例
図1は参考例の鋼板の温度測定装置の測定原理を説明するための概念図であって、(a)はその概念平面図、(b)は概念正面図、図2は図1に示す温度測定装置において鋼板に対応させて定めた座標系等の定義を説明するための説明図、図3は同装置における演算手段を説明するためのブロック図、図4は同装置で求められた鋼板の温度と鋼板の実測温度との差(誤差温度)を説明するための説明図である。
図1において、1は鋼板、2、4は参照板、3、5は放射温度計である。
図2において、鋼板1の長手方向(すなわち通板方向)に対応するようにZ軸を定める。また、鋼板1が静止時には、鋼板1の板厚の中心を通り、かつ、鋼板1の幅方向(これはY軸に対応する。)の中心を通り、長手方向を向く線(以下、「第1の線」という。)アとZ軸とが一致する。このY軸とZ軸とは直交する。また、このZ軸周りの回転を鋼板1の板ねじれの方向と定める。また、このY軸の方向を鋼板1の板蛇行の方向とする。このY軸、Z軸の双方と直交する方向をX軸とする。このX軸の方向を鋼板1の板振動の方向とする。また、鋼板1が静止時には、鋼板1の板厚の中心を通り、かつ、鋼板1の幅方向を向く線(以下、「第2の線」という。)イとY軸とが一致する。また、YZ面と平行な鋼板1の一方の面を鋼板の一方面と称し、YZ面と平行な鋼板の一方面と反対側の面を鋼板の他方面と称する。
以下に、上記温度測定装置の構成と動作について説明する。
図1〜図3において、鋼板1の板振動の方向(X軸方向)の中心を通り、かつ、このX軸方向に垂直な面(以下、「鋼板の板振動に垂直な面(YZ面)」という。)からそれぞれ等距離の位置に、鋼板1の一方面と他方面にそれぞれ対向するように同じ大きさの第1、第2の参照板2、4が設置されている。また、第1の放射温度計3は鋼板1の一方面上の測定点(図1において、●印で示す)に向けられ、かつ、Z軸の左側に設置されている。さらに、鋼板1の板振動に垂直な面(YZ面)に対して第1の放射温度計3と面対称となるように、鋼板1の他方面上の測定点(図1において、●印で示す)に向けられ、かつ、Z軸の左側に第2の放射温度計5が設置されている。さらに、参照板2、4は、温度制御装置(図示せず)より設定温度に制御され、かつ、参照板2、4の温度は、それぞれ温度検出器(図示せず)より直接測定される。
上記のように設置された鋼板1の一方面と参照板2との間で多重反射する放射エネルギーを放射温度計3で測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力する(例えば、特開2008−32486号公報参照)。同じく、上記のように設置された鋼板1の他方面と参照板4との間で多重反射する放射エネルギーを放射温度計5で測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力する。
上記温度制御装置に設定された設定温度、温度検出器により測定された第1、第2の参照板2、4の温度T1、T2を基に第1、第2の放射温度計3、5の指示値Ta、Tbを上述の修正式(1)、(2)にてそれぞれ修正した修正温度Ta´、Tb´およびこの修正温度Ta´、Tb´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、bを基に演算手段としての演算回路10(図3に示す)内で下記式(3)に示すような演算(ただし、参考例のような条件の場合には、補正係数a、bは同一となる)が施され、鋼板1の温度Tが求められる。この鋼板1の温度Tが演算回路10から出力値11として出力される。
T=(a×Ta´+b×Tb´)/(a+b) ――― 式(3)
ここに、a、bは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、実験
またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
図4に参考例による作用効果を定量的に示した。図4において、横軸の零の位置は、鋼板1が第1、第2の参照板2、4の中間にあることを指す。また、例えば、鋼板1が第1の参照板2に近づく(すなわち、図4の横軸の左側に相当する)場合、鋼板1と第1の参照板2との間の形態係数(例えば、機械学会発行「伝熱工学資料改訂第4版」p.162等参照)が大きくなり、第1の放射温度計3の指示値Taが大きくなる。ひいては、鋼板1が第1の参照板2に近づく距離に対応して修正温度Ta´が増加する(すなわち、鋼板1の板振動がない場合に比べて変動する)。この時、鋼板1は第2の参照板4から遠ざかる(すなわち、図4の横軸の左側に相当する)。したがって、鋼板1と第2の参照板4との間の形態係数が小さくなり、第2の放射温度計5の指示値Tbが小さくなる。ひいては、鋼板1が第2の参照板4から遠ざかる距離に対応して修正温度Tb´が減少する(すなわち、鋼板1の板振動がない場合に比べて変動する。また、その変動量の絶対値は、修正温度Ta´の増加量に相当する。)。
よって、上記式(3)に示されるような演算(ただし、参考例のような条件の場合には、単純平均演算となる)が施されると、板振動による上記変動分がキャンセルされ、図4に示された誤差温度{=(演算回路10の出力値11)−(鋼板1の一方面と他方面をそれぞれ熱電対で実測した温度の平均値)}以内(約1℃以内)で鋼板の温度が測定できることがわかる。この誤差温度レベルであれば、実用上ほぼ問題がない。
以上のように、鋼板1の各面に放射温度計を1つずつ設置するという簡易な構成でありながら、板振動による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度が測定できる。
参考例においては、上記放射エネルギーとして、多重反射の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、射度(例えば、特開2008−32485号公報参照)についても適用可能である。
また、参考例においては、第1、第2の参照板2、4が鋼板1の板振動に垂直な面(YZ面)から等距離の位置に設置された場合について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。このような条件が満足されない場合も、上述したような補正係数(鋼板、参照板と放射温度計の位置関係等の相互関係に基づき、実験またはシミュレーションにより予め決定される)a、bを求めておけば、原理的に上述した技術思想が適応可能である。
(実施例
図5は本発明の実施例の鋼板の温度測定装置の測定原理を説明するための概念図であって、(a)はその概念平面図、(b)は概念正面図、図6は同装置における演算手段を説明するためのブロック図である。本実施例において、参考例と同一の構成要素については、同一の番号を付与して詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
図5〜図6において、第3の放射温度計6は鋼板1の一方面上の測定点{図5において、●印で示す(この●印は、図1における鋼板1の一方面上の●印に同じ)}に向けられ、かつ、鋼板1の板蛇行に垂直な面(XZ面)を境に第1の放射温度計3と面対称になるようにZ軸の右側に設置されている。
また、温度制御装置に設定された設定温度、温度検出器により測定された第1の参照板2の温度T1を基に第1、第3の放射温度計3、6の指示値Ta、Tcを上述の修正式(1)、(4)にてそれぞれ修正した修正温度Ta´、Tc´およびこの修正温度T´a、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、cを基に演算手段としての演算回路10(図6に示す(図3に示すものに同じ)内で下記式(8)に示すような演算(ただし、本実施例のような条件の場合には、補正係数a、cは同一となる)が施され、鋼板1の温度Tが求められる。この鋼板1の温度Tが演算回路10から出力値12として出力される。
T=(a×Ta´+c×Tc´)/(a+c) ――― 式(8)
ここに、a、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、実
験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
鋼板1がY軸方向(すなわち、板蛇行の方向)に動く場合も、基本的には参考例で説明したのと同様のメカニズムで修正温度Ta´、Tc´が増減する。例えば、鋼板1の第1の線アがZ軸の右側にずれたとすると、第1の放射温度計3にとっては、鋼板1から第1の参照板2への形態係数が増加したことになるため、第1の放射温度計3の指示値Taが大きくなる。ひいては、修正温度Ta´が増加する(すなわち、鋼板1の板蛇行がない場合に比べて変動する)。この時、第3の放射温度計6にとっては、鋼板1から第1の参照板2への形態係数が減少したことになるため、第3の放射温度計6の指示値Tcが小さくなる。ひいては、修正温度Tc´が減少する(すなわち、鋼板1の板蛇行がない場合に比べて変動する。また、その変動量の絶対値は、修正温度Ta´の増加量に相当する。)。
よって、上記式(8)に示されるような演算(ただし、本実施例のような条件の場合には、単純平均演算となる)が施されると、板蛇行による上記変動分がキャンセルされる。
上述の板蛇行や板振動(参考例で説明)による温度測定への影響を抑制させるメカニズムは、鋼板1のZ軸周りの板ねじれの場合にも、原理的に適用できる。したがって、上述のような演算(ただし、本実施例のような条件の場合には、単純平均演算となる)が施されると、板ねじれによる変動分もキャンセルされる。
以上のように、鋼板の一方面にのみ参照板と放射温度計を設置するという簡易な構成でありながら、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度が測定できる。
本実施例においては、上記放射エネルギーとして、多重反射の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、射度(例えば、特開2008−32485号公報参照)についても適用可能である。
また、本実施例においては、第1、第3の放射温度計3、6が鋼板1の板蛇行に垂直な面(XZ面)を境に面対称に設置された場合について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。このような条件が満足されない場合も、上述したような補正係数(鋼板、参照板と放射温度計の位置関係等の相互関係に基づき、実験またはシミュレーションにより予め決定される)a、cを求めておけば、原理的に上述した本発明の技術思想が適応可能である。
(実施例
図7は本発明の実施例の鋼板の温度測定装置の測定原理を説明するための概念図であって、(a)はその概念平面図、(b)は概念正面図、図8は同装置における演算手段を説明するためのブロック図である。本実施例において、実施例と同一の構成要素については、同一の番号を付与して詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
以下に、本温度測定装置の特徴的な構成と動作について説明する。本実施例は、上述した参考例と実施例に示した構成を融合したものである。このような構成であるため、温度制御装置に設定された設定温度、温度検出器により測定された第1、第2の参照板2、4の温度T1、T2を基に第1、第2、第3の放射温度計3、5、6の指示値Ta、Tb、Tcを上述の修正式(1)、(2)、(4)にてそれぞれ修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、cを基に演算手段としての演算回路10(図8に示す(
図3、図6に示すものに同じ)内で下記式(5)に示すような演算(ただし、本実施例のような条件の場合には、補正係数a、b、cは同一となる)が施され、鋼板1の温度Tが求められる。この鋼板1の温度Tが演算回路10から出力値13として出力される。
T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´)/(a+b+c) ――― 式(5)
ここに、a、b、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、
実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
すなわち、上記式(5)中の修正温度Ta´、Tb´に関連する項により、鋼板1の板振動による温度測定への影響が抑制される。また、修正温度Ta´の項と修正温度Tc´の項により、鋼板1の板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制される。このように、鋼板1の板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響を抑制するためには、上記のように放射温度計を合計3つ用いて、上記式(5)に示すような所定の演算を行なえばよい。
以上のように、放射温度計が合計3つであっても上記式(5)に示すような簡単な補正で、板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度が測定できる。
本実施例においては、上記放射エネルギーとして、多重反射の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、射度(例えば、特開2008−32485号公報参照)についても適用可能である。
また、本実施例においては、第1、第2の参照板2、4が鋼板1の板振動に垂直な面(YZ面)から等距離の位置に設置され、第1、第3の放射温度計3、6が鋼板1の板蛇行に垂直な面(XZ面)を境に面対称に設置された場合について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。このような条件が満足されない場合も、上述したようなk1、k2や上述したような補正係数(鋼板、参照板と放射温度計の位置関係等の相互関係に基づき、実験またはシミュレーションにより予め決定される)a、b、cを求めておけば、原理的に上述した本発明の技術思想が適応可能である。
(実施例
図9は本発明の実施例の鋼板の温度測定装置の測定原理を説明するための概念図であって、(a)はその概念平面図、(b)は概念正面図、図10は同装置における演算手段を説明するためのブロック図である。本実施例において、参考例と実施例1、2と同一の構成要素については、同一の番号を付与して詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
以下に、本温度測定装置の特徴的な構成と動作について説明する。本実施例は、上述した実施例に示した構成に第4の放射温度計7を追加した構成である。第4の放射温度計7は、第3の放射温度計6に対して鋼板1の板振動に垂直な面(YZ面)を境にそれぞれ面対称となるように設置されている。すなわち、第4の放射温度計7は、鋼板1の他方面上の測定点{図9において、●印で示す(この●印は、図1における鋼板1の他方面上の●印に同じ)}に向けられ、かつ、鋼板1の板蛇行に垂直な面(XZ面)を境に第2の放射温度計5と面対称になるようにZ軸の右側に設置されている。
このような構成であるため、温度制御装置に設定された設定温度、温度検出器により測定された第1、第2の参照板2、4の温度T1、T2を基に第1、第2、第3、第4の放射温度計3、5、6、7の指示値Ta、Tb、Tc、Tdを上述の修正式(1)、(2)、(4)、(6)にてそれぞれ修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、c、dを基に演算手段としての演算回路10(図10に示す(図3、図6、図8に示すものに同じ)内で下記式(7)に示すような演算(ただし、本実施例のような条件の場合には、補正係数a、b、c、dは同一となる)が施され、鋼板1の温度Tが求められる。この鋼板1の温度Tが演算回路10から出力値14として出力される。
T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´+d×Td´)/(a+b+c+d) ―――式(7)
ここに、a、b、c、dは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に
基づき、 実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係
数である。
すなわち、上記式(7)中の修正温度Ta´、Tb´に関連する項により、鋼板の板振動による温度測定への影響が抑制され、さらに、修正温度Tc´、Td´に関連する項によっても鋼板の板振動による温度測定への影響が抑制される。また、修正温度Ta´、Tc´に関連する項により、鋼板の板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、さらに、修正温度Tb´、Td´に関連する項によっても鋼板の板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制される。このように、修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´に関するいずれの項とも、鋼板の板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響を抑制するために働いているため、上記式(7)に示すような所定の演算を行なえばよい。以上により、鋼板の温度を高精度に測定できる。
以上のように、板振動、板ねじれや板蛇行による温度測定への影響が抑制され、可動装置や追従手段も不要で、かつ、非接触で鋼板の温度を高精度に測定できる。
本実施例においては、上記放射エネルギーとして、多重反射の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、射度(例えば、特開2008−32485号公報参照)についても適用可能である。
また、本実施例においては、第1、第2の参照板2、4が鋼板1の板振動に垂直な面(YZ面)から等距離の位置に設置され、第1、第3の放射温度計3、6が鋼板1の板蛇行に垂直な面(XZ面)を境に面対称に設置され、第2、第4の放射温度計5、7が鋼板1の板蛇行に垂直な面(XZ面)を境に面対称に設置された場合について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。このような条件が満足されない場合も、上述したようなk1、k2や上述したような補正係数(鋼板、参照板と放射温度計の位置関係等の相互関係に基づき、実験またはシミュレーションにより予め決定される)a、b、c、dを求めておけば、原理的に上述した本発明の技術思想が適応可能である。
参考例の鋼板の温度測定装置の測定原理を説明するための概念図であって、(a)はその概念平面図、(b)は概念正面図である。 図1に示す温度測定装置において、鋼板に対応させて定めた座標系等の定義を説明するための説明図である。 同装置における演算手段を説明するためのブロック図である。 同装置で求められた鋼板の温度と鋼板の実測温度との差(誤差温度)を説明するための説明図である。 本発明の実施例の鋼板の温度測定装置の測定原理を説明するための概念図であって、(a)はその概念平面図、(b)は概念正面図である。 同装置における演算手段を説明するためのブロック図である。 本発明の実施例の鋼板の温度測定装置の測定原理を説明するための概念図であって、(a)はその概念平面図、(b)は概念正面図である。 同装置における演算手段を説明するためのブロック図である。 本発明の実施例の鋼板の温度測定装置の測定原理を説明するための概念図であって、(a)はその概念平面図、(b)は概念正面図である。 同装置における演算手段を説明するためのブロック図である。
1: 鋼板
2、4: 参照板
3、5、6、7: 放射温度計
10: 演算回路
11、12、13、14: 出力値
ア: 第1の線
イ: 第2の線

Claims (6)

  1. 被測定鋼板の一方面と他方面(以下、「鋼板の一方面と他方面」という。)にそれぞれ対向し、かつ、前記鋼板の幅方向の中心を通りかつ板蛇行の方向に垂直な面(以下、「鋼板の板蛇行に垂直な面」という。)に対してそれぞれ面対称となるように設置された同じ大きさの第1、第2の参照板と、
    この第1、第2の参照板の温度(以下、「参照板温度」という。)T1、T2を制御する温度制御装置と、
    前記第1、第2の参照板温度T1、T2を直接測定する温度検出器と、
    前記鋼板と前記第1、第2の参照板との間でそれぞれ繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
    前記鋼板の一方面と他方面に所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板振動の方向に垂直な面(以下、「鋼板の板振動に垂直な面」という。)に対して面対称となるように前記鋼板の一方面側と他方面側にそれぞれ設置された第1、第2の放射温度計と、
    前記鋼板の一方面に所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に前記第1の放射温度計とは反対側に設置された第3の放射温度計と、
    前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、前記第2の放射温度計から前記鋼板の他方面に向けられた前記所定の角度、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離、または、前記第2の放射温度計から前記鋼板の他方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
    前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1、第2の参照板温度T1、T2を基に前記第1、第2、第3の放射温度計の指示値Ta、Tb、Tcをそれぞれ下記修正式(1)、(2)、(4)で
    Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
    Tb´=Tb+k2(Tb―T2)――― 式(2)
    Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
    ここに、k1、k2は、別途の測定または文献値から求めた前記第1、第
    2の参照板および前記鋼板の一方面と他方面の各放射率の推定値
    に基づく補正係数である。
    修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、cを基に下記式(5)に従う演算を行ない、前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、
    を備えたことを特徴とする鋼板の温度測定装置。
    T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´)/(a+b+c) ―― 式(5)
    ここに、a、b、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、
    実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
  2. 前記第1、第2の参照板が前記鋼板の板振動に垂直な面から等距離の位置に設置され、前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置され、前記補正係数がb=2a=2cであるように構成された請求項に記載の鋼板の温度測定装置。
  3. 鋼板の一方面と他方面にそれぞれ対向し、かつ、前記鋼板の板振動に垂直な面と板蛇行に垂直な面に対してそれぞれ面対称となるように設置された同じ大きさの第1、第2の参照板と、
    この第1、第2の参照板温度T1、T2を制御する温度制御装置と、
    前記第1、第2の参照板温度T1、T2を直接測定する温度検出器と、
    前記鋼板と前記第1、第2の参照板との間でそれぞれ繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
    前記鋼板の一方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に左右に設置された第1、第3の放射温度計と、
    前記鋼板の他方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記第1、第3の放射温度計に対して前記鋼板の板振動に垂直な面を境にそれぞれ面対称となるように前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に左右に設置された第2、第4の放射温度計と、
    前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、前記第2、第4の放射温度計から前記鋼板の他方面に向けられた前記所定の角度、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離、または、前記第2、第4の放射温度計から前記鋼板の他方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
    前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1、第2の参照板温度T1、T2を基に前記第1、第2、第3、第4の放射温度計の指示値Ta、Tb、Tc、Tdをそれぞれ下記修正式(1)、(2)、(4)、(6)で
    Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
    Tb´=Tb+k2(Tb―T2)――― 式(2)
    Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
    Td´=Td+k2(Td―T2)――― 式(6)
    ここに、k1、k2は、別途の測定または文献値から求めた前記第1、第
    2の参照板および前記鋼板の一方面と他方面の各放射率の推定値
    に基づく補正係数である。
    修正した修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´およびこの修正温度Ta´、Tb´、Tc´、Td´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、b、c、dを基に下記式(7)に従う演算を行ない、前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、
    を備えたことを特徴とする鋼板の温度測定装置。
    T=(a×Ta´+b×Tb´+c×Tc´+d×Td´)/(a+b+c+d) ――― 式(7)
    ここに、a、b、c、dは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基
    づき、 実験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数で
    ある。
  4. 前記第1、第2の参照板が前記鋼板の板振動に垂直な面から等距離の位置に設置され、前記鋼板の板蛇行方向の中心線に対して前記第1、第2の参照板の各中心線が重なり、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面に対してそれぞれ面対称となるように設置され、
    前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置され、
    前記第2、第4の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置される場合には、
    前記補正係数a、b、c、dが同一であるように構成された請求項に記載の鋼板の温度測定装置。
  5. 鋼板の一方面に対向し、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面に対して面対称となるように設置された第1の参照板と、
    この第1の参照板温度T1を制御する温度制御装置と、
    前記第1の参照板温度T1を直接測定する温度検出器と、
    前記鋼板と前記第1の参照板との間で繰返し反射される放射エネルギーを測定し、この放射エネルギーと等価なエネルギーを放射する黒体の温度に換算し、指示値として出力するために、
    前記鋼板の一方面にそれぞれ所定の角度で向けられ、かつ、前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置された第1、第3の放射温度計と、
    前記第1の参照板の設置位置、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面に向けられた前記所定の角度、または、前記第1、第3の放射温度計から前記鋼板の一方面までの距離の少なくともいずれか1つが、前記面対称な位置よりずれる場合には、
    前記温度制御装置に設定された設定温度、前記温度検出器により測定された前記第1の参照板温度T1を基に前記第1、第3の放射温度計の指示値Ta、Tcをそれぞれ下記修正式(1)、(4)で
    Ta´=Ta+k1(Ta―T1)――― 式(1)
    Tc´=Tc+k1(Tc―T1)――― 式(4)
    ここに、k1は、別途の測定または文献値から求めた前記第1の参
    照板および前記鋼板の一方面の各放射率の推定値に基づく補正
    係数である。
    修正した修正温度Ta´、Tc´およびこの修正温度Ta´、Tc´に対応するように予め決定された下記所定の補正係数a、cを基に下記式(8)に従う演算を行ない、前記鋼板の温度Tを求める演算手段と、
    を備えたことを特徴とする鋼板の温度測定装置。
    T=(a×Ta´+c×Tc´)/(a+c) ――― 式(8)
    ここに、a、cは、鋼板、参照板と放射温度計の相互関係に基づき、実
    験またはシミュレーションにより予め決定された補正係数である。
  6. 前記第1、第3の放射温度計が前記鋼板の板蛇行に垂直な面を境に面対称に設置され、前記補正係数a、cが同一であるように構成された請求項に記載の鋼板の温度測定装置。
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