JP5134007B2 - 早期ソース側ブーストを用いた不揮発性記憶装置におけるプログラム妨害の低減 - Google Patents

早期ソース側ブーストを用いた不揮発性記憶装置におけるプログラム妨害の低減 Download PDF

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Description

本発明は、不揮発性メモリに関する。
半導体メモリは、様々な電子装置に使用されることが一般的になってきている。例えば、不揮発性半導体メモリは、携帯電話、デジタルカメラ、パーソナルデジタルアシスタント、モバイルコンピュータ、非モバイルコンピュータ及び他の装置の中に使用されている。電気的消去・プログラム可能型読取専用メモリ(EEPROM)と、フラッシュメモリは、最も普及している不揮発性半導体メモリの1つである。EEPROMの一種であるフラッシュメモリを用いると、メモリアレイ全体のコンテンツ、あるいはメモリの一部のコンテンツは、従来のフル機能のEEPROMと対照的に1つのステップで消去できる。
従来のEEPROMとフラッシュメモリの両方とも、半導体基板内のチャネル領域上に配置され、そのチャネル領域から絶縁されたフローティングゲートを利用している。フローティングゲートは、ソース領域とドレイン領域の間に配置されている。制御ゲートは、フローティングゲート上に配置されており、そのフローティングゲートから絶縁されている。このように形成されたトランジスタの閾値電圧(VTH)は、フローティングゲート上に保持される電荷量によって制御される。つまり、そのソースとドレインの間の導通を可能にするためにトランジスタをオンにする前に制御ゲートに印加しなければならない電圧の最小量は、そのフローティングゲート上の電荷レベルにより制御される。
いくつかのEEPROM及びフラッシュメモリ素子は2つの範囲の電荷を記憶するために使用されるフローティングゲートを有するため、記憶素子は2つの状態、例えば消去状態とプログラム状態の間でプログラミング/消去できる。各記憶素子が1ビットのデータを記憶できるため、このようなフラッシュメモリ素子はバイナリフラッシュメモリ素子と呼ばれることもある。
マルチ状態(マルチレベルとも呼ばれる)フラッシュメモリ素子は、複数の別個の許可/有効プログラム閾値電圧範囲を識別することによって実現される。各閾値電圧範囲は、メモリ素子内で符号化されるデータビットのセットの所定値に相当する。例えば、素子が4つの閾値電圧範囲に相当する4つの孤立した電荷バンドの1つに格納できるときに、各記憶素子は2ビットのデータを記憶できる。
通常、プログラム動作中に制御ゲートに印加されるプログラム電圧VPGMは、経時的に増大する一連のパルスとして印加される。1つの考えられる手法では、パルスの大きさは、各連続パルスとともに例えば0.2から0.4V等の所定のステップサイズずつ増加される。VPGMはフラッシュメモリ素子の制御ゲートに印加できる。プログラムパルス間の期間では、検証動作が実行される。すなわち、平行してプログラミングされている素子のグループの各素子のプログラミングレベルが、連続するプログラミングパルス間で読み取られ、素子がプログラミングされる検証レベル以上であるか否かが判断される。マルチ状態フラッシュメモリ素子のアレイの場合、検証ステップが素子の各状態について実行され、素子がそのデータに関する検証レベルに到達したか否かが判断される場合もある。例えば、4つの状態でデータを記憶できるマルチ状態記憶素子は、3つの比較点について検証動作を実行する必要がある。
さらに、EEPROM又はNANDストリングのNANDフラッシュメモリ素子等のフラッシュメモリ素子をプログラミングするときには、通常、VPGMが制御ゲートに印加され、ビットラインが接地され、セル又は例えば記憶素子等のメモリ素子のチャネルからの電子をフローティングゲートの中に注入させる。電子がフローティングゲートに蓄積すると、フローティングゲートは負に帯電し、記憶素子の閾値電圧が上昇して、記憶素子がプログラム状態にあると見なされるようになる。このようなプログラミングについての詳細は、米国特許第6,859,397号「Source Side Self Boosting Technique For Non-Volatile Memory」及び2005年2月3日に公開された米国特許公報第2005/002439号「Detecting Over Programmed Memory」に記載され、両出願はその全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
しかしながら、プログラム妨害が、他のNANDストリングのプログラミング中に禁止されているNANDストリングで、及び、時にはプログラムされているNANDストリング自体で発生する場合がある。未選択の不揮発性記憶素子の閾値電圧が他の不揮発性記憶素子のプログラミングのためにシフトすると、プログラム妨害が発生する。プログラム妨害は、まだプログラムされていない消去された記憶素子だけではなく、既にプログラミムされた記憶素子でも発生し得る。
本発明は、不揮発性記憶装置内のプログラム妨害を削減する方法を提供することにより前記問題及び他の問題に対処する。
一実施形態においては、不揮発性記憶装置を操作する方法は、基板の第1の領域をブーストすることを含む。不揮発性記憶素子のセットは、少なくとも部分的に基板上に形成される。不揮発性記憶素子のセットはワードラインのセットと関連付けられ、ワードラインのセットの内の選択されたワードラインと関連付けられる少なくとも1個の不揮発性揮発素子を含む。第1の領域は選択されたワードラインのソース側上にある。方法は、第1の領域のブーストが第2領域のブーストに比べて早期に発生する、選択されたワードラインのドレイン側の基板の第2領域をブーストすることをさらに含む。この方法は、例えば、隔離ワードラインが第1の領域と第2領域を互いから隔離する傾向があるブーストモードで使用できる。
第1の領域のブーストは、選択されたワードラインのソース側の少なくとも1つのワードラインに通過電圧を印加することを含み、第2領域のブーストは、選択されたワードラインのドレイン側の少なくとも1つの他のワードラインに通過電圧を印加することを含む。
不揮発性記憶素子のセットは、ソース側選択ゲートとドレイン側選択ゲートの間で伸張する少なくとも1つのNANDストリング内に設けることができ、その場合方法は、第1の領域と第2領域のブーストの間、ソース側選択ゲート及びドレイン側選択ゲートを閉じたままで維持することをさらに含む。
さらに、プログラム電圧は、第1の領域と第2領域のブーストの間、選択されたワードラインを介して少なくとも1つの不揮発性記憶素子に印加できる。1つの方法では、プログラム電圧は、最初に第1のレベルに、その後さらに高い第2のレベルで印加される。
別の実施形態では、不揮発性記憶装置を操作する方法は、不揮発性記憶素子のセット内の不揮発性記憶素子の第1のグループ及び第2のグループに通過電圧を印加することを含む。第1のグループはプログラミングされた不揮発性記憶素子を含み、第2のグループはプログラミングされていない不揮発性記憶素子を含み、通過電圧は、第2のグループに印加される前に第1のグループに印加される。方法は、通過電圧の印加を含む期間の少なくとも一部の間に、第1のグループまたは第2のグループにない不揮発性記憶素子のセットの少なくとも1つの不揮発性記憶素子にプログラミング電圧を印加することをさらに含む。不揮発性記憶素子のセットは、ソース側選択ゲートとドレイン側選択ゲートの間で伸張する少なくとも1つのNANDストリングに設けることができ、その場合、第1のグループはソース側選択ゲートに隣接することができ、第2のグループはドレイン側選択ゲートに隣接し得る。
別の実施形態では、不揮発性記憶装置を操作する方法は、少なくとも一部は、不揮発性記憶素子のセットがワードラインのセットと関連付けられる基板上に形成される不揮発性記憶素子のセットをプログラミングすることを含み、プログラミングはワードラインのセットの選択されたワードラインでプログラミング電圧を印加することを含む。方法は、プログラミング電圧を印加する前に、選択されたワードラインのソース側の基板の第1の領域のブーストを開始することと、選択されたワードラインのドレイン側の基板の第2領域のブーストを開始することとをさらに含む。第2領域のブーストを開始することに比較した第1の領域のブーストを開始することのタイミングは、ワードラインのセットの選択されたワードラインの位置に基づいている。
例えば、第1の領域のブーストを開始することは、選択されたワードラインの位置が、不揮発性記憶素子のセットのドレイン側に隣接するワードラインのセットのワードラインのグループの間にあるときに、第2領域のブーストを開始することに比べて早期に発生することがある。さらに、第1の領域のブーストを開始することは、選択されたワードラインの位置がワードラインのグループ内にないときに第2領域のブーストを開始することと同時に発生し得る。ワードラインのグループは、ワードラインのセット内の全てより少ないワードラインから構成される。
NANDストリングの平面図。 図1のNANDストリングの等価回路図。 NANDフラッシュ記憶素子のアレイのブロック図。 プログラミングされた領域と消去された領域を示す未選択NANDストリングの断面図。 複数のワードラインを介して実現される消去領域セルフブーストモード。 複数のワードラインを介して実現される第1の修正消去領域セルフブーストモード。 複数のワードラインを介して実現される第2の修正消去領域セルフブーストモード。 複数のワードラインを介して実現される第3の修正消去領域セルフブーストモード。 選択されたワードライン位置の関数としてのソース側ブーストの開始とドレイン側ブーストの開始との間の遅延時間。 ソース側ブーストがドレイン側ブーストより先に開始されるときのワードライン電圧を示すタイムライン。 選択されたワードライン位置に基づいてプログラミング中にブーストモードを切り替えるプロセス。 NANDフラッシュ記憶素子のアレイのブロック図。 単一行/列復号部及び読み出し/書き込み回路を使用する不揮発性メモリシステムのブロック図。 二重行/列復号部及び読み出し/書き込み回路を使用する不揮発性メモリシステムのブロック図。 検出ブロックの一実施形態を示すブロック図。 全ビットラインメモリアーキテクチャ、あるいは、奇数−偶数メモリアーキテクチャにおけるメモリアレイのブロックの構成の例。 閾値電圧分布のセットの例。 閾値電圧分布のセットの例。 種々の閾値電圧分布と、不揮発性メモリをプログラミングするプロセスを示す図。 種々の閾値電圧分布と、不揮発性メモリをプログラミングするプロセスを示す図。 種々の閾値電圧分布と、不揮発性メモリをプログラミングするプロセスを示す図。 不揮発性記憶メモリをプログラミングするプロセスの一実施形態を示すフローチャート。 プログラミング中の不揮発性記憶素子の制御ゲートに印加されるパルス列の例。
本発明は、不揮発性記憶装置におけるプログラム妨害を低減する方法を提供する。
本発明の実施に適したメモリシステムの一例は、NANDフラッシュメモリ構造を用いる。そのNANDフラッシュメモリ構造は2つの選択ゲートの間に直列に接続された複数のトランジスタを含んでいる。直列に接続されたトランジスタと選択ゲートは、NANDストリングと呼ばれる。図1は1つのNANDストリングを示す平面図である。図2は、その等価回路である。図1と図2に示すNANDストリングは、第1選択ゲート120と第2選択ゲート122の間に挟まれているとともに直列に接続されている4つのトランジスタ100、102、104及び106を有する。選択ゲート120は、ビットライン126のNANDストリングの接続をゲート制御する。選択ゲート122は、ソースライン128へのNANDストリングの接続をゲート制御する。選択ゲート120は、制御ゲート120CGに適切な電圧を印加することで制御される。選択ゲート122は、制御ゲート122CGに適切な電圧を印加することで制御される。トランジスタ100、102、104、及び106のそれぞれは制御ゲートとフローティングゲートを有している。トランジスタ100は、制御ゲート100CGとフローティングゲート100FGを有している。トランジスタ102は、制御ゲート102CGとフローティングゲート102FGを有している。トランジスタ104は、制御ゲート104CGとフローティングゲート104FGを有している。トランジスタ106は、制御ゲート106CGとフローティングゲート106FGを有している。制御ゲート100CGは、ワードラインWL3に接続されており(またはワードラインWL3であり)、制御ゲート102CGはワードラインWL2に接続されており、制御ゲート104CGはワードラインWL1に接続されており、制御ゲート106CGはワードラインWL0に接続されている。一実施形態では、トランジスタ100、102、104及び106はそれぞれ記憶素子であり、メモリセルとも呼ばれる。他の実施形態では、記憶素子は複数のトランジスタを有してよい、あるいは図1または図2に示されているものと異なってよい。選択ゲート120は選択ラインSGDに接続されている。選択ゲート122は選択ラインSGSに接続されている。
図3は、3つのNANDストリングを描く回路図である。NAND構造を使用するフラッシュメモリシステムの典型的なアーキテクチャは、いくつかのNANDストリングを含む。例えば、3つのNANDストリング、320、340及び360が、さらに多くのNANDストリングを有するメモリアレイ内に示される。各NANDストリングが、2つの選択ゲートと4つの記憶素子を有している。簡単にするために4つの記憶素子が描かれているが、最近のNANDストリングは、例えば最高32個又は64個の記憶素子を有する場合がある。
例えば、NANDストリング320は選択ゲート322と327、及び、記憶素子323〜326を有し、NANDストリング340は選択ゲート342と347、及び、記憶素子343〜346を有し、NANDストリング360は選択ゲート362と367、及び、記憶素子363〜366を有する。各NANDストリングは、その選択ゲート(例えば、選択ゲート327、347、又は367)によってソースラインに接続されている。選択ラインSGSは、ソース側選択ゲートを制御するために使用される。種々のNANDストリング320、340、及び360は、選択ゲート322、342、362等の選択トランジスタによって各ビットライン321、341、及び、361に接続されている。これらの選択トランジスタは、ドレイン選択ラインSGDによって制御される。他の実施形態では、選択ラインは必ずしもNANDストリング間で共通とされている必要はない。すなわち、異なるNANDストリングには異なる選択ラインを接続できる。ワードラインWL3は、記憶素子323、343、及び、363のための制御ゲートに接続されている。ワードラインWL2は、記憶素子324、344、及び、364のための制御ゲートに接続されている。ワードラインWL1は、記憶素子325、345、及び、365のための制御ゲートに接続されている。ワードラインWL0は、記憶素子326、346、及び、366のための制御ゲートに接続されている。つまり、各ビットラインと各NANDストリングは記憶素子のアレイ又はセットの列を含む。ワードライン(WL3、WL2、WL1及びWL0)は、アレイ又はセットの行を含む。各ワードラインは、行において各記憶素子の制御ゲートを接続している。また、制御ゲートはワードライン自体によって提供されてよい。例えば、ワードラインWL2は、記憶素子324、344、及び、364に制御ゲートを提供する。実際には、1つのワードラインに数千の記憶素子がある場合がある。
各記憶素子はデータを記憶できる。例えば、1ビットのデジタルデータを記憶するときは、記憶素子の考えられる閾値電圧(VTH)の範囲は、ローカルデータ「1」と「0」を割り当てられる2つの範囲に分割される。NANDタイプのフラッシュメモリの一例では、前記VTHは、記憶素子が消去された後に負となり、論理「1」として定義される。プログラム動作後の前記VTHは正であり、論理「0」として定義される。VTHが負であり、読み出しが試行されると、記憶素子がオンして論理「1」が記憶されていることが示される。前記VTHが正であり、読み出し動作が試行されると、記憶素子はオンにならず、論理「0」が記憶されていることが示される。また、記憶素子は、例えば複数ビットのデジタルデータ等の複数のレベルの情報も記憶できる。このケースでは、VTH値の範囲はデータレベルの数に分割される。例えば、4つのレベルの情報が記憶されている場合には、データ値「11」、「10」、「01」、及び、「00」に割り当てられる4つのVTH範囲がある。NANDタイプのメモリの一例では、消去動作後の前記VTHは負となり、「11」として定義される。正のVTH値は「10」、「01」及び「00」の状態のために使用される。記憶素子の中にプログラミングされるデータと、素子の閾値電圧範囲との特定な関係は、記憶素子のために採用されるデータ符号化方式に依存する。例えば、両出願の全体を参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許第6,222,762号及び米国特許出願公報第2004/0255090号が、マルチ状態フラッシュ記憶素子のための多様なデータ符号化方式を説明している。
NANDタイプのフラッシュメモリ及びその動作の関連性のある例は、それぞれが参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許番号第5,386,422号、第5,522,580号、第5,570,315号、第5,774,397号、第6,046,935号、第6,456,528号、及び第6,522,580号に示されている。
フラッシュ記憶素子をプログラミングするときには、プログラム電圧が記憶素子の制御ゲートに印加されるとともに、記憶素子に接続されているビットラインが接地される。チャネルからの電子はフローティングゲートに注入される。電子がフローティングゲートに蓄積すると、フローティングゲートは負に帯電し、記憶素子のVTHが上昇する。プログラム中の記憶素子の制御ゲートにプログラム電圧を印加するために、そのプログラム電圧は適切なワードライン上に印加される。上述したように、各NANDストリング中の1つの記憶素子が同じワードラインを共有している。例えば、図3の記憶素子324をプログラミングするときには、プログラム電圧は記憶素子344と364の制御ゲートにも印加される。
しかしながら、他のNANDストリングのプログラミング中に、禁止されているNANDストリングにおいてプログラム妨害が発生することがあり、場合によってはプログラミング中のNANDストリング自体で発生することがある。未選択の不揮発性記憶素子の閾値電圧が他の不揮発性記憶素子のプログラミングのためにシフトされると、プログラム妨害が発生する。プログラム妨害は、まだプログラミングされていない消去状態の記憶素子だけではなく、既にプログラミングされた記憶素子でも発生し得る。種々のプログラム妨害メカニズムが、NANDフラッシュメモリ等の不揮発性記憶デバイスに利用可能な動作ウィンドウを制限する場合がある。
例えば、NANDストリング320が禁止されており(例えば、NANDストリングが、現在プログラミング中の記憶素子を含まない未選択NANDストリングであり)、NANDストリング340が現在プログラミング中である(例えば、NANDストリングが、現在プログラミング中の記憶素子を含む選択NANDストリングである)場合には、プログラム妨害がNANDストリング320で発生し得る。例えば、通過電圧VPASSが低い場合には、禁止されているNANDストリングのチャネルが十分にブーストされておらず、未選択NANDストリングの選択ワードラインが意図せずにプログラミングされる場合がある。別の生じうるシナリオでは、ブーストされた電圧がゲート誘発ドレインリーク(GIDL)または他のリークメカニズムによって引き下げられて、同じ問題が生じる場合がある。記憶素子間の容量結合に起因してプログラミングされた記憶素子に蓄積された電荷のシフト等の他の影響も問題がある。
図4は、未選択NANDストリングの断面図を示し、図7bに示されるような修正消去領域セルフブースト(REASB)を用いたプログラム領域と消去領域を示す。図は簡略化されており、縮尺どおりではない。NANDストリング400は、ソース側選択ゲート406と、ドレイン側選択ゲート424と、基板490上に形成される8個の記憶素子408、410、412、414、416、418、420及び422とを有する。各構成は、基板のpウェル領域上のnウェル領域に形成できる。pウェルはp基板領域に形成される。電位がVdd(bit line)のビットライン426に加えて、電位がVSOURCEのソース供給ライン404が設けられる。プログラミング中において、VPGMが選択されたワードライン(この場合、選択された記憶素子418と接続されているWL5)に印加される。さらに、記憶素子の制御ゲートがワードラインの一部として提供されてよい。例えば、WL0、WL1、WL2、WL3、WL4、WL5、WL6及びWL7が、記憶素子408、410、412、414、416、418、420及び422の制御ゲートを介して伸張していてもよい。
1つの例のブースト方式では、記憶素子418が選択された記憶素子である場合に、例えば4V等の比較的低い電圧VLOWが隣接するソース側ワードライン(WL3)に印加される一方で、例えば0から2.5Vのアイソレーション電圧VISOが分離ワードラインと呼ばれる別のソース側ワードライン(WL2)に印加され、また、VPASSがNANDストリング400と接続されている残りのワードライン(つまり、WL0、WL1、WL4、WL6及びWL7)に印加される。VSGSは選択ゲート406に印加され、VSGDは選択ゲート424に印加される。
NANDストリング400に沿った記憶素子のプログラミングが記憶素子408から記憶素子422に向かって進行すると仮定すると、他のNANDストリングのWL5と接続されている記憶素子がプログラミングされているときに、記憶素子408〜416はすでにプログラミングされており、記憶素子420と422はまだプログラミングされていない。なお、プログラム電圧がWL5に印加されても、この例では、NANDストリング400が禁止されているときに記憶素子418はプログラミングされない。従って、記憶素子408〜416の全てまたはいくつかは、その各フローティングゲート中にプログラミングされて蓄積された電子を有し、記憶素子420と422は、プログラミングモードに応じて消去または部分的にプログラミングできる。例えば、記憶素子420と422は、記憶素子420と422が2ステッププログラミング技法の第1のステップで既にプログラミングされている場合には、部分的にプログラミングされている場合がある。
EASBまたはREASBブーストモードを用いると、VISOが選択されたワードラインのソース側のワードラインの1つまたは複数に印加され、VISOはブースト開始後のある時点において、基板内のプログラミングされたチャネル領域と消去されたチャネル領域を絶縁するほど十分に低い。すなわち、未選択NANDストリング400のソース側の基板のチャネル領域450は、未選択NANDストリング400のドレイン側のチャネル領域460から絶縁されている。接続されている記憶素子がまだプログラミングされていないドレイン側は未プログラミング側と見なすこともできる一方、接続されている記憶素子の大部分または全てがプログラミングされているソース側はプログラミング側と見なすこともできる。さらに、チャネル領域450はWL0とWL1へのVPASSの印加によりブーストされる基板490の第1のブースト領域である一方で、チャネル領域460は、主にWL5へのVPGMの印加、及び、WL4、WL6及びWL7へのVPASSの印加によりブーストされる基板490の第2のブースト領域である。VPGMが高いため、消去領域460は、プログラミング領域450より相対的に高いブーストを経験する。さらに、チャネルブーストは、VPGMが印加される前の期間に提供される場合があり、そのときはチャネル領域450と460は同様にブーストされる。
しかしながら、プログラム妨害は、VPASSが例えば8V以下等の相対的に低いときに、高位のワードライン(例えば、32ワードラインNANDメモリ素子のWL24とWL31の間)で起こる傾向がある。なお、最高位のワードライン(つまり、WL31)は、通常は他の影響を受けるワードライン(例えば、WL24からWL30)よりもうまくいくが、この種のプログラム妨害異常の影響を受けやすい。WL31がプログラミングのために選択されると、ドレイン側チャネル容量が小さいためである。その結果、VPGMはチャネルブーストにさらに寄与する。一般的に、プログラム妨害異常は、ワードラインのうちの最大約25%にとって問題がとなる。例えば、64ワードラインNANDメモリ素子の場合、WL48からWL63が同様のプログラム妨害異常問題を有する。この種のプログラム妨害異常は、ソース側チャネル容量が特定の割合だけドレイン側チャネル容量よりも大幅に大きくなると発生する。
例えば、REASBモードがチャネルブーストに使用されると、禁止されているNANDストリングは2つの領域(ソース側とドレイン側)に分けられ、妨害はドレイン側チャネルにおける不十分なブーストによって引き起こされる。特に、チャネルのドレイン側での低いブースト電位は、分離記憶素子が完全にオフになる前に、ブーストの初期段階におけるドレイン側からソース側への電荷のリークにより引き起こされることが分かっている。例えば、記憶素子418が現在選択されている記憶素子であるとすると、分離記憶素子である記憶素子412は、他のワードラインにVPASSを印加することによってブーストが開始されると、完全にオフとならない場合がある。このリークがドレイン側チャネルブースト電位を引き下げる。そして、プログラミングされるべき記憶素子(例えば記憶素子418)はNANDストリングのドレイン側に位置しているため、低いドレイン側チャネル電位は不十分なブースト型のプログラム妨害異常を直接的に引き起こし得る。さらに、実験データは、WL2とWL3上(例えば、WLnが選択されたワードラインであるときのWLn−3とWLn−2上)の2つの記憶素子がともに消去状態にあるときに、これらのプログラム妨害異常が特によく見られることを示している。
この問題を解決するために、ドレイン側チャネル電位をブーストする前にソース側チャネル電位をブーストすることを提案する。この方法は、ドレイン側ブースト効率を高める3つの利点を有する。第1に、ソース側ブーストの開始後に、ドレイン側がその後にブーストを開始すると、分離記憶素子が遮断される可能性が高い。これにより、チャネルブーストの初期段階の間にソース側からドレイン側への電子の流れを大幅に削減し、あるいは、無くすことができる。第2に、ソース側ブーストの間に、いくつかの電子が、分離記憶素子が遮断される前に、ドレイン側チャネルからソース側チャネルへの漏れ電流として流れる。これにより、ドレイン側チャネル内に正の電荷(正孔)が効果的に追加され、その結果、ドレイン側ブーストが容易になる。第3に、提案されているブースト方法は、ドレイン側チャネルブーストの初期段階において側面方向の場の方向を逆転させるため、ドレイン側ブーストが開始されるときに分離記憶素子がまだ完全にオフにされていなくても、電子はドレイン側からソース側にリークする。これにより、ドレイン側チャネル電位が下がる代わりにドレイン側チャネル電位が上昇する。
この方法の有効性は、ドレイン側チャネルをブーストするのに対してソース側チャネルをブーストするためにより高いVPASSが使用されると、ドレイン側チャネル電位がさらに高くなり、妨害異常が減少することにより確認することができる。測定値は、ブーストが安定した後に、分離記憶素子が十分に遮断されていることも示す。ソース側の選択されたワードラインのより高いVPASSがドレイン側ブースト電位を改善し得るという事実は、以下のように説明できる。ブーストが開始すると、ソース側とドレイン側でのチャネル電位はともに上昇するが、ソース側チャネルはプリチャージされておらず、ソース側記憶素子はすでにプログラミングされているため、ドレイン側チャネル電位はソース側のチャネル電位よりも高くなる。具体的には、ソース側の多くの記憶素子はすでにプログラミングされており、したがってVTH>0Vを有する。1つのタイプのプリチャージにおいては、0Vが全てのワードラインに印加され、その結果としてソース側のプログラムされた記憶素子はオンすることができず、ビットライン上のVddはソース側チャネルに転送されない。さらに全てのドレイン側記憶素子は消去されており(VTH<0)、従って、それらはプリチャージの間にオンにされ、ドレイン側チャネルにVddを転送できる。その結果、ドレイン側チャネルはプリチャージされるが、ソース側チャネルはプリチャージされない。
従って、ブーストが開始されると、ソース側チャネル電位はまだ分離記憶素子を遮断するほど高くない。短期間の間に、分離記憶素子がオフになるまで、電子はソース側からドレイン側に流れる。
さらに、選択されたワードラインがさらに高位のワードライン(例えば、ドレイン側の記憶素子のセットに近いワードライン)であるとき、ドレイン側チャネル容量は比較的小さくなり、電荷リークは最終的なドレイン側チャネルブースト電位を大幅に引き下げる。結果的に、この種の妨害異常は、選択されたワードラインがより高位のワードラインであるときに、より多く発生する傾向がある。ソース側ワードラインでさらに高いVPASSが使用されると、ソース側とドレイン側の間の初期のチャネル電位差はさらに小さくなり、その結果分離記憶素子を横切る側面方向の場はさらに弱くなる。結果的に、ドレイン側からソース側への初期ブースト漏れ電流はさらに小さくなり、ドレイン側チャネルにおけるブースト電位損失はより少なくなる。しかしながら、高いVPASSはソース側の消去された記憶素子でVPASS妨害を引き起こすことがあり、プログラミング中のチャネル内でのドレイン側ホットエレクトロン注入妨害を含む別の異常モードを生じさせ得る。これらの2つの理由から、ソース側チャネルでVPASSを高めることは好ましくない。他方、VPASSが低すぎる場合、チャネル内のブーストはプログラム妨害を妨げるには不十分である。本明細書に説明されるブースト方法は、VPASSを調整することなくプログラム妨害を低減する。
図5は、複数のワードラインを介して実現される消去領域セルフブーストモードを示す。一般に、プログラム妨害に対する種々のタイプのブーストモードが開発されている。選択されたワードライン上の記憶素子のプログラミング中に、現在プログラミングされていない記憶素子と通信中である未選択のワードラインに電圧のセットを印加することによってブーストモードが実行される。プログラミング中の記憶素子は選択されたNANDストリングと関連付けられている一方で、他の記憶素子が未選択のNANDストリングと関連付けられている。プログラム妨害は、通常、未選択のNANDストリングの記憶素子にも影響する。
この例では、WL0からWL7とラベルされた8本のワードライン(すなわち、制御ライン)と、SGSとラベルされた1本のソース側選択ゲート制御ライン、及び、SGDとラベルされた1本のドレイン側選択ゲート制御ラインがある。制御ラインに印加される電圧のセットも示されている。WL5は、例として、選択されたワードラインとして示されている。通常、プログラミングは、NANDストリングのソース側からドレイン側に、一度に1ワードライン進む。印加される電圧は、ソース側選択ゲート制御ラインSGSに印加されるVSGS、未選択のワードライン、WL0〜WL3、WL6、及び、WL7のそれぞれに印加される通過電圧VPASS、選択されたワードラインWL5に印加されるプログラム電圧VPGM、WL4(すなわち、ソース側の選択されたワードラインに隣接するワードライン)に印加される分離電圧VISO、及び、ドレイン側選択ゲート制御ラインSGDを介して印加されるVSGDを含む。通常、VSGSは0Vであり、ソース供給電圧VSOURCEが約2.5Vであるときに、ソース側選択ゲートがオフとなる。VSGDは約2.5Vであり、0から1V等の対応する低いビットライン電圧VBLの印加のために、選択されたNANDストリングにおいてドレイン側選択ゲートがオンとなる。ドレイン側選択ゲートは、1.5から3V等の対応する高いVBLの印加のために、未選択/禁止されているNANDストリングにおいてオフである。
さらに、VPASSは約7〜10Vであり、VPGMは約12〜20Vの範囲で変化する。1つのプログラミング方式では、プログラム電圧のパルス列が選択されたワードラインに印加される。図20を参照する。パルス列内の各連続プログラムパルスの振幅は、通常は1パルスあたり約0.3〜0.5Vずつ階段状に増加する。さらに、選択された記憶素子が目標プログラミング状態に達したか否かを検証するために、検証パルスがプログラムパルスの間で印加される。なお、個々のプログラムパルスの振幅は固定であってもよく、あるいは、変化してもよい。例えば、いくつかのプログラミング方式では傾斜状または階段状に変化する振幅のパルスを印加する。任意のタイプのプログラムパルスを使用できる。
プログラミングされたワードラインがWL5であり、プログラミングが各NANDストリングのソース側からドレイン側に進行する場合には、WL5上の記憶素子がプログラムされているときに、WL0〜WL4に接続されている記憶素子は既にプログラミングされており、WL6〜WL7に接続されている記憶素子は消去されている。未選択ワードラインでのパス電圧は、未選択NANDストリングに関連付けられているチャネルに結合し、記憶素子のトンネル酸化物における電圧を引き下げることによって、未選択NANDストリングのチャネル内に、プログラム妨害を低減する傾向がある電圧を生じさせる。
図6は、複数のワードラインを介して実現される第1の修正消去領域セルフブーストモードを示す。1つの方法では、第1REASBモードは、NANDストリング内に配列される記憶素子のセットと通信する例示のワードラインWL0〜WL7によって示される。REASBはEASBに似ているが、選択ワードラインとソース側で隣接するワードラインに、0Vの代わりに2.5V等の低い分離電圧VISOを印加する。この例では、WL5が選択されたワードラインであり、WL4が隣接するワードラインである。残りの未選択ワードラインはVPASSを受ける。
図7aは、複数のワードラインを介して実現される第2の修正消去領域セルフブーストモードを示す。1つの方法では、第2のREASBモードは、NANDストリング内に配列される記憶素子のセットと通信する例示のワードラインによって示される。WL5が選択されたワードラインである場合には、分離電圧VISOがWL3に印加され、VISOとVPASSの間の低電圧VLOWがWL4に印加される。VLOWは、分離電圧と見なすこともできる。この方法では、VLOWは、選択されたワードライン(WL5)と隣接するソース側ワードライン(WL4)の間のチャネルに突然の電圧変化がないようにする中間電圧として機能する。例えば、VLOWは4Vであってよく、VISOは例えば0Vまたは2.5Vであってよい。残りの未選択ワードラインはVPASSを受ける。多様な他の方法も使用できる。例えば、3つの隣接するソース側ワードライン(例えば、WL2からWL4)に分離電圧を印加してもよい。
図7bは、複数のワードラインを介して実現される第3の修正消去領域セルフブーストモードを示す。1つの方法では、第3のREASBモードが、NANDストリング内に配列される記憶素子のセットと通信する例時のワードラインによって示される。この場合、選択されたワードライン(WL5)に隣接するソース側ワードライン(WL4)はVPASSを受け、次のワードライン(WL3)はVLOWを受け、その後の次のワードライン(WL2)はVISOを受ける。残りの未選択のワードラインはVPASSを受ける。また、このブーストモードは、図4に関連して説明されている。WL0とWL1に接続されている記憶素子の第1のグループがソース側選択ゲートに隣接している場合は、VPASSは第1のグループに印加される。また、WL6とWL7と接続されている記憶素子の第2のグループがドレイン側選択ゲートに隣接している場合は、VPASSは第2のグループに印加される。
図8は、ソース側ブーストの開始とドレイン側ブーストの開始の間の遅延時間を選択されたワードライン位置の関数として示している。1つの方法では、ブーストの開始時に、ソース側ワードライン電圧がVPASSまで上昇させる一方でドレイン側ワードライン電圧は0Vに維持し、遅延時間の後に、ドレイン側ワードライン電圧もVPASSまで上昇させることが提案される。言い換えると、記憶素子が形成されている基板のソース側チャネル電位は、ドレイン側チャネル電位に比べて早期にブーストされる。一般的には、プログラミング順序は、記憶素子のセットのソース側から記憶素子のセットのドレイン側にワードラインごとに進行する。さらに、プログラミングはシングルパスまたはマルチパスになり得る。横軸は選択されたワードライン位置を示し、縦軸は(選択されたワードラインのソース側の)ソース側ブーストの開始と(選択されたワードラインのドレイン側の)ドレイン側ブーストの開始との間の遅延時間を示す。線800によって示されるように、ゼロ以外の遅延時間が選択されたワードラインがドレイン側に近いときに使用される一方、選択されたワードラインがソース側に近い、または、中間範囲にあるときには0μsecの遅延時間が使用される。1つの実装形態では、選択されたワードラインが32ワードラインNANDメモリ素子上のWL24からWL31であるとき、つまり、ワードラインの高位約25%にあるときに、3〜4μsec等の数マイクロ秒の遅延時間が使用される。遅延時間は、分離記憶素子がオフであることを確実にするのに十分な短期間である。
図9は、ソース側ブーストがドレイン側ブーストの前に開始されるときのワードライン電圧のタイムラインを示している。図示されている期間は、プログラミングパルスを使用するブーストとプログラミングの単一のサイクルを示す。通常、このサイクルの後には、記憶素子が所望のプログラミング状態に到達したかどうかを判断するための検証パルスのシーケンスが続く。それから、ブーストとプログラミングのサイクルが、通常は増大した振幅で、別のプログラミングパルスを使用して繰り返される。図20を参照されたい。なお、図示されている期間の前に、ドレイン選択ゲートを開くことによってチャネルに転送されるビットライン電圧Vddによってドレイン側チャネルがブーストされるプリチャージ期間が先行してもよい。通常、プリチャージ中は0Vがワードラインに印加される。しかしながら、プリチャージは、早期ソース側ブーストの利点を実現するためには必要ではない。
時点tからtは、時系列の下部に沿って付されている。時点tは、ブーストとプログラミングのサイクルの開始を示す。時点tは、選択されたワードラインのソース側でのブーストの開始を示す。時点tは、選択されたワードラインのドレイン側でのブーストの開始を示す。時点tは、例えば2ステッププログラミング電圧の第1のステップ等のプログラミング電圧の開始を示す。時点tは、プログラミング電圧の第2のステップの開始を示す。時点tは、プログラミング電圧の終了を示す。時点tは、ブースト電圧の終了を示す。時点tは、ブーストとプログラミングのサイクルの終了を示す。
特に、tでは、波形910によって示されるように、禁止された(未選択の)NANDストリングに対するビットライン電圧VBL、及び、ドレイン選択電圧VSGDが0Vから例えば2.5V等のVddに増加する。これにより、禁止されたNANDストリングのドレイン選択ゲートが閉じた状態に維持される。また、ソース電圧VSOURCEが0VからVddに増加する。0V(波形915)でのソース選択ゲート電圧VSGSによれば、全てのNANDストリングに対するソース選択ゲートが閉じた状態に維持される。選択されたNANDストリングの場合、VSGD=Vddであるときにドレイン選択ゲートが開いてプログラミングが発生できるように、VBL=0とされる。提供されている例は、図7bの修正消去領域ブースト方式に対応する。しかしながら、基本的には、1つまたは複数のソース側分離ワードラインを使用する任意のタイプのブースト方式が使用されてよい。
波形920は、選択されたワードラインのドレイン側のワードラインに印加される電圧(VPASS)を示す。WLiはi番目、つまり最高位のワードラインを示し、WLn+1は選択されたワードライン(WLn)とドレイン側で隣接するワードラインを示す。波形930は、選択されたワードライン(WLn)に印加されるプログラミング電圧(VPGM1とVPGM2)を示す。波形940は、選択されたワードラインから2ワードライン離れたソース側のワードライン(WLn−2)に印加された電圧(VLOW)を示す。波形950は、選択されたワードラインから3ワードライン離れたソース側のワードライン(WLn−3)に印加された分離電圧(VISO)を示す。波形960は、残りの未選択のワードライン(選択されたワードラインとソース側で隣接するワードライン(WLn−1)、第1のワードライン(WL0)からワードライン(WLn−4)(選択されたワードラインから4ワードライン離れたソース側のワードライン)までのワードライン(WL0〜WLn−4)を含む)に印加される電圧(VPASS)を示す。波形970と975は、禁止されたNANDストリングと選択されたNANDストリングに対する、選択されたワードラインのソース側の基板のチャネル内に存在するチャネル電位(VCH−SOURCE)をそれぞれ示す。波形980と985は、禁止されたNANDストリングと選択されたNANDストリングに対する、選択されたワードラインのドレイン側の基板のチャネル内に存在するチャネル電位(VCH−DRAIN)を示す。VCH−DRAIN(波形980)がどのようにプログラム電圧(波形930)を追跡するかに留意されたい。
t0では、ドレイン選択ゲート及びソース選択ゲートは、禁止されたNANDストリングに対して閉じた状態に維持される。t1で、ソース側チャネルのブーストが、VLOW(波形940)、VISO(波形950)及びVPASS(波形960)を印加することによって開始される。なお、VCH−SOURCE(波形970)が対応して増加する。t1とt2の間では、ソース側チャネルのブーストが続行する。遅延時間後に、t2で、ドレイン側チャネルのブーストが、VPASS(波形920)を印加することにより開始される。なお、VCH−DRAIN(波形980)が対応して増加する。ソース側チャネル及びドレイン側チャネルのブーストはt6まで続行する。t3で、プログラミング電圧VPGM1が印加され、t4でプログラミング電圧VPGM2が印加される。従って、プログラム電圧は、初期に第1レベルで、次にさらに高い第2レベルで印加される。この方法は、VPGMの突然の変化によって引き起こされるVCH−DRAINの突然の変化を回避する。しかしながら、単一ステップのVPGMパルスが代わりに使用されてもよい。t6では、ブースト電圧が除去され、t7で、ブーストとプログラミングのサイクルが終了する。プログラム電圧VPGM2は、t6でのブースト電圧の除去の直前のt5で除去される。
図10は、選択されたワードライン位置に基づいてプログラミング中にブーストモードを切り替えるプロセスを示す。一例の方法では、ブーストモードは、ソース側チャネルとドレイン側チャネルのブーストが実質的には同時に開始されるモードから、ソース側ブーストがドレイン側ブーストに比べて早期に開始されるモードに切り替えられる。言い換えると、異なるブーストモードは、ソース側ブーストとドレイン側ブーストの開始の間のタイミングの変化を備えている。
ステップ1000でプログラミングが開始する。ステップ1005で、選択されたワードライン位置を追跡するメモリ内の変数がWL0に初期化される。ステップ1010では、現在のブーストモードを特定するメモリ内の変数が、ソース側とドレイン側が同時にブーストされなければならないことを示すために設定される。ステップ1015では、ソース側及びドレイン側のブーストが、現在のブーストモードに基づいて開始される。ステップ1020では、現在選択されているワードライン(例えば、WL0)にプログラム電圧が印加される。ステップ1025では、ブースト及びプログラム電圧が終了する。ステップ1030では、プログラミングされている記憶素子が所望のプログラミング状態に到達したかどうかを判断するために検証プロセスが実行される。決定ステップ1035では、検証プロセスが、現在のワードラインについてプログラミングが完了していることを示すかどうかについての判定がされる。現在のワードラインのプログラミングが完了していない場合は、制御フローは、現在のワードラインのプログラミングが完了するまで、ステップ1015で別のブースト及びプログラムのサイクルを続ける。現在のワードラインのプログラミングが完了すると、決定ステップ1040で、プログラミングが全てのワードラインについて完了しているかどうかについての判定がされる。プログラミングが全てのワードラインについて完了している場合、プログラミングはステップ1045で終了する。全てのワードラインについてのプログラミングが完了していない場合、ステップ1050でプログラミングのために次のワードラインが選択される。
決定ステップ1055では、現在のワードライン位置が指定されたワードライン位置(WLx)以上であるかについて判定がされる。例えば、32ワードラインのNANDメモリ素子の場合は、WLxはWL24である場合がある。現在のワードライン位置が指定されたワードライン位置以上でない場合は、制御フローはステップ1015で別のブースト及びプログラムのサイクルを続ける。現在のワードライン位置が指定されたワードライン位置以上である場合は、ブーストモードは、ステップ1060でソース側がドレイン側に比べて早期にブーストされる必要があることを示すように設定され、制御フローは別のブースト及びプログラムのサイクルをステップ1015で続ける。
図11は、図1および2に示したようなNAND記憶素子のアレイ1100の一例を示している。各列に沿って、ビットライン1106はNANDストリング1150のドレイン選択ゲートのドレイン端子1126に接続している。NANDストリングの各行に沿って、ソースライン1104はNANDストリングのソース選択ゲートのすべてのソース端子1128に接続できる。メモリシステムの一部としてのNANDアーキテクチャアレイ及びその動作の一例は、米国特許第5,570,315号、第5,774,397号、及び第6,046,935号に記載されている。
記憶素子のアレイは、記憶素子の多数のブロックに分割される。フラッシュEEPROMシステムでは一般的なように、ブロックは消去のユニットである。つまり、各ブロックは、共に消去される最小数の記憶素子を有する。各ブロックは、一般に複数のページに分割される。ページはプログラミングの単位である。一実施形態では、個々のページはセグメントに分割され、セグメントは基本プログラミング動作として一度に書き込まれる最小数の記憶素子を有することができる。一般に、記憶素子の1行に1ページ以上のデータを記憶する。1ページは1つ以上のセクタを記憶できる。1つのセクタは、ユーザデータとオーバヘッドデータを有する。オーバヘッドデータは一般に、そのセクタのユーザデータから計算された誤り訂正符号(ECC)を有する。制御部(後に説明)の一部は、データがアレイ内にプログラムされるときにECCを計算し、さらにデータがアレイから読み出されるときにそれをチェックする。また、ECC及び/又は他のオーバヘッドデータは、それらが関連するユーザデータ以外の異なるページもしくは異なるブロックにさえ記憶される。
ユーザデータのセクタは一般に512バイトであり、磁気ディスクドライブ内のセクタのサイズに対応する。オーバヘッドデータは一般に、追加の16〜20バイトである。多数のページがブロックを構成し、それは8ページから、例えば最大32、64,128またはそれ以上のページのいずれであってもよい。いくつかの実施形態では、NANDストリングの列はブロックを含む。
一実施形態では、メモリ記憶素子は、十分な期間に亘ってp−ウェルが消去電圧(例えば20V)に上昇され、ソースラインとビットラインがフローティングしている間に、選択されたブロックのワードラインを接地させることによって消去される。容量結合のために、未選択ワードライン、ビットライン、選択ライン、及び、c−ソースも消去電圧のかなりの部分まで引き上げられる。従って、強力な電界が選択された記憶素子のトンネル酸化物層に印加され、ファウラーノルドハイムトンネル機構によってフローティングゲートの電子が基板側に放出されるにつれて選択された記憶素子のデータが消去される。電子がフローティングゲートからp−ウェル領域に移されるのにしたがって、選択された記憶素子の閾値電圧は引き下げられる。消去はメモリアレイ全体、別々のブロック、又は、他の記憶素子の単位で実行できる。
図12は、単一の行/列復号部及び読み出し/書き込み回路を使用する不揮発性メモリシステムのブロック図である。図は、本発明の一実施形態に従って記憶素子のページを同時に読み取り、プログラミングするための読み出し/書き込み回路を有するメモリ素子1296を示す。メモリ装置1296は、1つ以上のメモリダイ1298を有する。メモリダイ1298は、2次元のアレイの記憶素子1100、制御回路1210、及び、読み出し/書き込み回路1265を有する。いくつかの実施形態では、記憶素子のアレイは3次元であり得る。メモリアレイ1100は行復号部1230を介してワードラインによって、及び、列復号部1260を介してビットラインによってアドレスできる。読み出し/書き込み回路1265は複数の検出ブロック1200を有しており、1ページの記憶素子を並列に読み出し又はプログラムすることができる。一般に、制御部1250は、1つ以上のメモリダイ1298のように同じメモリ装置1296(例えば、取り外し可能なストレージカード)内に含まれる。コマンド及びデータは、ライン1220を介してホストと制御部1250の間、及び、ライン1218を介して制御部と1つ以上のメモリダイ1298の間で送られる。
制御回路1210は、読み出し/書き込み回路1265と協調して、メモリアレイ1100上でメモリ動作を実行する。制御回路1210は、状態マシン1212、オンチップアドレス復号部1214、ブースト制御1215、及び、電力制御モジュール1216を有している。状態マシン1212は、メモリ動作のチップレベル制御を提供する。オンチップアドレス復号部1214は、ホスト又はメモリ制御部によって用いられるとともに、復号部1230及び1260によって用いられるハードウェアアドレスの間のアドレスインタフェースを提供する。本明細書に説明されているように、ブースト制御1215は、ソース側ブースト及びドレイン側ブーストを開始するためのタイミングを決定することを含むブーストモードを設定するために使用することができる。電力制御モジュール1216は、メモリ動作中、ワードライン及びビットラインに供給される電力及び電圧を制御する。
いくつかの実装形態では、図12の構成要素のいくつかを結合することができる。多様な設計では、記憶素子アレイ1100以外の構成要素の1つまたは複数を(単独でまたは組み合わせて)1つの管理回路と見なすことができる。例えば、一つ以上の管理回路は、制御回路1210、状態マシン1212、復号部1214/1260、電力制御1216、検出ブロック1200、読み出し/書き込み回路1265、制御部1250等の内の1つ、または組み合わせを有してよい。
図13は、二重行/列復号部及び読み出し/書き込み回路を使用する不揮発性メモリシステムのブロック図である。ここでは、図12に図示されるメモリ素子1296の別の配列が示される。多様な周辺回路によるメモリアレイ1100に対するアクセスは、アレイの両側で対称様式に実現され、その結果各側のアクセスラインと回路網の密度は半分に低減される。従って、行復号部は行復号部1230Aと1230Bに分割され、列復号部は列復号部1260Aと1260Bに分割されている。同様に、読み出し/書き込み回路は、アレイ1100の底部からビットラインに接続する読み出し/書き込み回路1265Aと、アレイ1100の上部からビットラインに接続する読み出し/書き込み回路1265Bに分割されている。この方法により、読み出し/書き込みモジュールの密度は本質的に二分の一に低減される。図13の装置は、図12の装置で上述したような制御部を有することもできる。
図14は、検出ブロックの一実施形態を示すブロック図である。個々の検出ブロック1200は、検出モジュール1280と呼ばれるコア部と共通部1290とに分割される。一実施形態では、各ビットラインの別個の検出モジュール1280と、複数の検出モジュール1280の集合の1つの共通部1290があってもよい。一例では、検出ブロックは、1つの共通部1290と8つの検出モジュール1280を有することができる。グループ内の各検出モジュールは、データバス1272を介して関連する共通部と通信できる。さらなる詳細としては、米国特許出願公開第2006/0140007号、「Non-Volatile Memory & Method with Shared Processing for an Aggregate on Sense Amplifiers」、公開日2006年6月29日を参照する。その全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。
検出モジュール1280は検出回路1270を有しており、検出回路1270は接続されたビットライン内の伝導電流が所定の閾値レベルより高いか低いかを判定する。検出モジュール1280はさらにビットラインラッチ1282を有しており、ビットラインラッチ1282は接続されたビットライン上の電圧条件を設定するために用いられる。例えば、ビットラインラッチ1282内にラッチされる所定の状態によって、接続されたビットラインはプログラム禁止を指定する状態(例えば、Vdd)とされる。
共通部1290は、プロセッサ1292、1セットのデータラッチ1294、及び1セットのデータラッチ1294とデータバス1220の間を接続するI/Oインタフェース1296を有する。プロセッサ1292は計算を実行する。例えば、その機能の1つは、検出された記憶素子内に記憶されているデータを判定し、判定したデータを1セットのデータラッチ内に記憶することである。1セットのデータラッチ1294は、読み出し動作中に、プロセッサ1292によって判定されたデータビットを記憶するために用いられる。それは、プログラム動作中に、データバス1220から取り込まれたデータビットを記憶するためにも用いられる。取り込まれたデータビットは、メモリ内にプログラムする予定の書き込みデータを表す。I/Oインタフェース1296は、データラッチ1294とデータバス1220の間のインタフェースを提供する。
読み出し又は検出中には、システムの動作は状態マシン1212の制御下にあり、状態マシン1212はアドレスされた記憶素子への異なる制御ゲート電圧の供給を制御する。メモリによってサポートされた様々なメモリ状態に対応する様々な既定制御ゲート電圧のステップを進む際に、検出モジュール1280はこれらの電圧の1つに移動し、バス1272を介して検出モジュール1280からプロセッサ1292に出力が提供される。その時点で、プロセッサ1292は、検出モジュールの移動イベントと、状態マシンから入力ライン1293を介して印加された制御ゲート電圧についての情報を考慮することによって得られたメモリ状態を決定する。それから、メモリ状態に対するバイナリ符号化を計算し、得られたデータビットをデータラッチ1294に記憶する。コア部の別の実施形態では、ビットラインラッチ1282は、検出モジュール1280の出力をラッチするラッチ、及び、上記のようなビットラインラッチの両方としてダブルデューティを提供する。
当然のことながら、いくつかの実装形態では複数のプロセッサ1292を有することができる。一実施形態では、各プロセッサ1292は出力ライン(図示せず)を有し、各出力ラインは共にワイヤードOR接続される。いくつかの実施形態では、出力ラインは、ワイヤードORラインに接続する前に反転される。ワイヤードORを受け取る状態マシンはプログラムされる全てのビットがいつ所望のレベルに到達するかを決定できる。したがって、この構成はプログラミング処理がいつ完了するかについてのプログラム検証処理中の素早い決定を可能にする。例えば、各ビットがその所望のレベルに到達すると、そのビット用の論理0がワイヤードORラインに送られる(又はデータ1を反転させる)。全てのビットがデータ0を出力する(又はデータ1を反転させる)と、状態マシンはプログラミング処理を終了することを認識する。各プロセッサが8つの検出モジュールと通信するので、状態マシンはワイヤードORラインを8回読み出す必要があるか、あるいは関連するビットラインの結果を蓄積するために論理がプロセッサ1292に追加され、状態マシンがワイヤードORラインを一度だけ読み出せばいいようにする。同様に、論理レベルを正しく選ぶことにより、グローバル状態マシンは、第1のビットがいつその状態を変更し、相応してアルゴリズムを変更するのかを検出できる。
プログラム又は検証中に、プログラムされるデータはデータバス1220から1セットのデータラッチ1294内に記憶される。状態マシンの制御下のプログラム動作は、アドレスされる記憶素子の制御ゲートに印加される一連のプログラミング電圧パルスを有する。各プログラミングパルスに続いてリードバック(検証)が実行され、記憶素子が所望のメモリ状態にプログラムされたかどうかを判定する。プロセッサ1292は、所望のメモリ状態に対するリードバックメモリ状態を監視する。その2つが一致する場合、プロセッサ1292はビットラインラッチ1282を設定し、プログラム禁止を指定する状態にビットラインを設定する。これにより、たとえプログラミングパルスがその制御ゲートに現れても、ビットラインに接続した記憶素子がさらにプログラムされないようにする。他の実施形態では、プロセッサが最初にビットラインラッチ1282をロードし、検出回路が検証処理中に禁止値にそれを設定する。
データラッチスタック1294は、検出モジュールに対応するデータラッチのスタックを有する。一実施形態では、検出モジュール1280毎に3つのデータラッチが存在する。いくつかの実装形態では、(必須ではないが)データラッチはシフトレジスタとして実装され、内部に記憶されたパラレルデータをデータバス1220のシリアルデータに変換したり、その逆を行ったりする。好適実施形態では、m個の記憶素子の読み出し/書き込みブロックに対応する全てのデータラッチを共にリンクさせてブロックシフトレジスタを形成し、シリアル転送によってデータのブロックを入力または出力できるようにする。特に、r個の読み出し/書き込みモジュールのバンクを調整し、そのセットのデータラッチが読み出し/書き込みブロックの全体のシフトレジスタの一部であっても、そのセットのデータラッチのそれぞれが順にデータバスの内外にデータをシフトできるようにする。
不揮発性記憶装置の多様な実施形態の構造及び/または動作についての追加情報は、(1)米国特許出願公開第2004/0057287号、「Non-Volatile Memory And Method With Reduced Source Line Bias Errors」、公開日2004年3月25日、(2)米国特許出願公開第2004/0109357号、「Non-Volatile Memory And Method with Improved Sensing」、公開日2004年6月10日、(3)米国特許出願第11/015,199号、「Improved Memory Sensing Circuit And Method For Low Voltage Operation」、出願日2004年12月16日、(4)米国特許出願第11/099,153号、「Compensating for Coupling During Read Operations of Non-Volatile Memory」、出願日2005年4月5日、及び(5)米国特許出願第11/321,953号、「Reference Sense Amplifier For Non-Volatile Memory」、出願日2005年12月28日に記載されている。直前に示した特許文書の5つの全ては、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
図15は、全ビットラインメモリアーキテクチャのために、又は、奇数−偶数メモリアーキテクチャのために、メモリアレイをブロックに編成する例を示す。メモリアレイ1100の例示的な構造が説明される。一例として、1,024個のブロックに分割されるNANDフラッシュEEPROMが説明されている。各ブロックに記憶されるデータは同時に消去できる。一実施形態では、ブロックは、同時に消去される記憶素子の最小単位である。この例では、各ブロックに、ビットラインBL0、BL1、...BL8511に対応する8,512の列が存在する。全ビットライン(ABL)アーキテクチャ(アーキテクチャ1510)と呼ばれる一実施形態では、ブロックの全ビットラインは、読み出し動作及びプログラム動作中に同時に選択される。共通のワードラインに沿っており、任意のビットラインに接続される記憶素子は、同時にプログラミングされる。
示される例では、4個の記憶素子が直列で接続されていることによってNANDストリングが形成されている。4個の記憶素子は各NANDストリングに含まれると示されているが、4個より多い、又は、4個未満を使用することもできる(例えば、16、32,64、又は別の数)。NANDストリングの1つの端子は、(選択ゲートドレインラインSGDに接続される)ドレイン選択ゲートを介して対応するビットラインに接続され、別の端子が(ゲートソースラインSGSを選択するために接続される)ソース選択ゲートを介してc−ソースに接続される。
奇数−偶数アーキテクチャ(アーキテクチャ1500)と呼ばれる別の実施形態では、ビットラインは偶数ビットライン(BLe)と奇数ビットライン(BLo)に分割される。奇数/偶数ビットラインアーキテクチャでは、共通ワードラインに沿っており、奇数ビットラインに接続されている記憶素子はあるタイミングでプログラミングされ、共通ワードラインに沿っており、偶数ビットラインに接続されている記憶素子は別のタイミングでプログラミングされる。データは、同時に、種々のブロックの中にプログラミングされ、種々のブロックから読み出される。この例では、各ブロックに、偶数列と奇数列に分割される8,512の列がある。この例では、4個の記憶素子が直列で接続されていることによって、NANDストリングが形成されている。4個の記憶素子が各NANDストリングに含まれるとして示されているが、4個より多い又は少ない記憶素子を使用できる。
読み出し動作及びプログラミング動作の1つの構成の間に、4,256個の記憶素子が同時に選択される。選択された記憶素子は、同じワードラインと同じ種類のビットライン(例えば、偶数又は奇数)を有する。従って、1論理ページを形成する532バイトのデータを同時に読み出し、あるいは、プログラミングすることが可能であり、1ブロックのメモリが少なくとも8論理ページ(それぞれ奇数ページと偶数ページがある4ワードライン)を記憶できる。4個のマルチ状態記憶素子の場合、各記憶素子が2ビットのデータを記憶し、これらの2ビットのそれぞれが別のページに記憶されると、1ブロックは16の論理ページを記憶する。他のサイズのブロック及びページも使用できる。
ABLアーキテクチャ又は奇数−偶数アーキテクチャの何れかの場合は、p−ウェルを消去電圧(例えば20V)に上昇させ、選択されたブロックのワードラインを接地することによって、記憶素子を消去できる。ソースライン及びビットラインはフローティングされる。消去は、メモリアレイ全体、別々のブロック、又はメモリ素子の一部である記憶素子の別の単位で実行できる。電子は、記憶素子のフローティングゲートからp−ウェル領域に移され、記憶素子のVTHが負となる。
読み出し動作及び検証動作では、選択ゲート(SGDとSGS)が2.5〜4.5Vの範囲の電圧に接続され、未選択ワードライン(例えば、WL2が選択されたワードラインであるときにWL0、WL1、及び、WL3)は読み出し通過電圧VREAD(通常、4.5〜6Vの範囲の電圧)に上昇され、トランジスタを通過ゲートとして動作させる。選択されたワードラインWL2はある電圧に接続され、電圧のレベルは、関係する記憶素子のVTHがこのようなレベルを超えているのか、あるいは、下回っているのかを決定するために、読み出し動作及び検証動作ごとに指定される。例えば、2レベルの記憶素子のための読み出し動作では、選択されたワードラインWL2が接地されて、VTHが0Vより高いか否かが検出される。2レベル記憶素子の検証動作では、選択されたワードラインWL2が例えば0.8Vに接続されて、VTHが少なくとも0.8Vに到達したか否かが検証される。ソース及びp−ウェルは0Vにある。偶数ビットライン(BLe)であると仮定される選択されたビットラインは、例えば0.7Vのレベルに事前に充電される。VTHがワードライン上の読み出しレベル又は検証レベルより高い場合は、対象の記憶素子と関連するビットライン(BLe)の電位レベルは、非導電性記憶素子のために高いレベルに維持される。他方、VTHが読み出しレベル又は検証レベルより低い場合は、導電性記憶素子がビットラインを放電するために、対象のビットライン(BLe)の電位レベルは、例えば0.5V未満等の低いレベルに減少する。これによって、記憶素子の状態が、ビットラインに接続される電圧コンパレータセンス増幅器によって検出される。
前述される消去動作、読み出し動作、及び、検証動作は、従来既知の技法に従って実行される。従って、説明されている詳細の多くは、当業者によって変えられることがある。従来既知の他の消去技法、読み出し技法、及び検証技法も使用できる。
図16は、閾値電圧分布の例示のセットを示す。記憶素子アレイの例示のVTH分布は、各記憶素子が2ビットのデータを記憶するケースに対して提供されている。第1の閾値電圧分布Eは、消去された記憶素子に対して提供される。プログラミングされた記憶素子の3つの閾値電圧分布、A、B及びCも示されている。一実施形態では、E分布の閾値電圧は負であり、A分布、B分布及びC分布の閾値電圧は正である。
それぞれの閾値電圧範囲は、データビットのセットの所定値に対応する。記憶素子にプログラミングされたデータと記憶素子の閾値電圧レベルの特殊な関係は、記憶素子のために採用されるデータ符号化方式に依存する。例えば、両方ともその全体を参照することにより本明細書に組み込まれる、2004年12月16日に公開された米国特許第6,222,762号及び米国特許出願公報第2004/0255090号は、マルチ状態フラッシュメモリ素子の多様なデータ符号化方式を説明する。一実施形態では、フローティングゲートの閾値電圧が誤ってその近傍の物理状態にシフトすると、1ビットだけが影響を受けるように、データ値がグレーコード割り当てを使用して閾値電圧範囲に割り当てられる。一例は、閾値電圧範囲E(状態E)に「11」を、閾値電圧範囲A(状態A)に「10」を、閾値電圧範囲B(状態B)に「00」を、及び閾値電圧範囲C(状態C)に「01」を割り当てる。しかしながら、他の実施形態では、グレーコードは使用されない。4つの状態が示されているが、本発明は、4つの状態より多い又は少ない構造を含む他のマルチ状態構造と使用することもできる。
読み出し参照電圧Vra、Vrb、及び、Vrcは、記憶素子からデータを読み出すために提供される。既定の記憶素子の閾値電圧がVra、Vrb及びVrcを上回っているのか、あるいは下回っているのかをテストすることによって、システムは、記憶素子がいる状態、例えばプログラミング状態を判定することができる。
さらに、3つの検証基準電圧Vva、Vvb、及び、Vvcが提供される。記憶素子を状態Aにプログラミングするとき、システムは、それらの記憶素子がVva以上の閾値電圧を有するかどうかをテストする。記憶素子を状態Bにプログラミングするとき、システムは、記憶素子がVvb以上の閾値電圧を有するかどうかをテストする。記憶素子を状態Cにプログラミングするとき、システムは、記憶素子がVvc以上の閾値電圧を有するかどうかをテストする。
フルシーケンスプログラミングとして知られている一実施形態においては、記憶素子は、消去状態Eからプログラミングされた状態A、B又はCの何れかに直接的にプログラミングされる。例えば、まず、プログラミングされる記憶素子の集合中の全ての記憶素子が消去状態Eとなるように、集合が消去される場合がある。次に、図20の制御ゲート電圧シーケンスで示されるような一連のプログラミングパルスが、記憶素子を状態A、B又はCに直接的にプログラミングするために使用される。いくつかの記憶素子は状態Eから状態Aにプログラムされ、他の記憶素子は状態Eから状態Bに、及び/又は、状態Eから状態Cにプログラミングされる。WLn上で状態Eから状態Cにプログラミングするときは、WLn下のフローティングゲートでの電荷量の変化が、状態Eを状態Aにあるいは状態Eを状態Bにプログラミングするときの電圧の変化に比較して極めて大きいため、WLn−1下の隣接フローティングゲートへの寄生結合の量は最大限となる。状態Eから状態Bにプログラミングするときは、隣接フローティングゲートへの結合の量は少なくなるが、依然として大きい。状態Eから状態Aにプログラミングするときは、結合の量はさらに少なくなる。結果的に、後でWLn−1の各状態を読み出すための必要とされる補正量は、WLn上の隣接記憶素子の状態に応じて変化する。
図17は、2つの異なるページ(下側ページと上側ページ)に対してデータを記憶するマルチ状態記憶素子をプログラムする二経路技術の一例を示している。状態E(11)、状態A(10)、状態B(00)及び状態C(01)の4つの状態が示されている。状態Eの場合、両方のページが「1」を記憶する。状態Aの場合、下側ページが「0」を記憶し、上側ページが「1」を記憶する。状態Bの場合、両方のページが「0」を記憶する。状態Cの場合、下側ページが「1」を記憶し、上側ページが「0」を記憶する。なお、各状態に対して特定のビットパターンが割り当てられているが、異なるビットパターンを割り当てることも可能であることに注意する。
第1プログラミング経路では、記憶素子の閾値電圧レベルは下側の論理ページにプログラムされるビットに従って設定される。そのビットが論理「1」であれば、以前に消去された結果として適切な状態にあるので閾値電圧は変更されない。しかし、プログラムされるビットが論理「0」であれば、矢印1100で示したように、記憶素子の閾値レベルは状態Aになるように増大される。これによって、第1プログラミング経路を終了する。
第2プログラミング経路では、記憶素子の閾値電圧レベルは上側論理ページ内にプログラムされるビットに従って設定される。上側論理ページビットが論理「1」を記憶する場合、記憶素子は下側ページビットのプログラミングに依存する状態E又はAの一方であり、どちらも上側ページビットは「1」を保持するのでプログラミングは生じない。上側ページビットが論理「0」となる場合、閾値電圧はシフトされる。第1経路によって記憶素子が消去状態Eに留まっていれば第2段階で記憶素子をプログラムし、矢印1720で示したように閾値電圧が状態C内になるように増大させる。第1プログラミング経路の結果として記憶素子が状態A内にプログラムされれば、記憶素子はさらに第2経路でプログラムされ、矢印1710で示したように閾値電圧が状態B内になるように増大させる。第2経路の結果は、下側ページ用のデータを変更することなく、上側ページの論理「0」を記憶するように指定した状態に記憶素子をプログラムすることである。図16および17の両方において、隣接するワードライン上でフローティングゲートへの結合量は最終状態に依存する。
一実施形態では、全ページを充填するのに十分なデータを書き込まれた場合、システムは全シーケンス書き込みを実行するように設定される。十分ではないデータが全ページに書き込まれた場合、プログラミング処理は受け取ったデータを用いて下側ページプログラミングを実行できる。次のデータを受け取ったときは、システムは上側ページをプログラミングする。さらに別の実施形態では、システムは下側ページをプログラムするモードで書き込みを開始し、ワードラインの記憶素子の全体(又は大部分)を充填するために次の十分なデータを受け取った場合、全シーケンスプログラミングモードに変換する。このような実施形態のさらなる詳細は、米国特許出願公開第2006/0126390号、「Pipelined Programming of Non-Volatile Memories Using Early Data」、公開日2006年6月12日に開示されている。その全体は参照することによって本明細書に組み込まれる。
図18a〜cは、前のページの隣接記憶素子に書き込んだ後で、特定のページに対してその特定の記憶素子を書き込むことによって、その特定の記憶素子に対するフローティングゲート間結合の影響を低減する不揮発性メモリをプログラムする別の方法を開示している。実装形態の一例では、不揮発性記憶素子は、4つのデータ状態を用いて記憶素子毎に2ビットのデータを記憶する。例えば、状態Eが消去状態であり、状態A、B及びCがプログラム状態であると仮定する。状態Eはデータ11を記憶している。状態Aはデータ01を記憶している。状態Bはデータ10を記憶している。状態Cはデータ00を記憶している。両方のビットは隣接する状態A及びBの間で変化するので、これは非グレイ符号化の一例である。データの物理的データ状態への他の符号化を用いることもできる。各記憶素子は2ページ分のデータを記憶する。参照のために、これらのページのデータは上側ページ及び下側ページと呼ばれるが、他のラベルを与えることもできる。状態Aを参照すると、上側ページはビット0を記憶し、下側ページはビット1を記憶している。状態Bを参照すると、上側ページはビット1を記憶し、下側ページはビット0を記憶している。状態Cを参照すると、両方のページがビットデータ0を記憶している。
プログラミング処理は、2つのステップの処理である。第1ステップでは、下側ページをプログラムする。下側ページがデータ1のままである場合、記憶素子状態は状態Eに留まる。データが0にプログラムされる場合、記憶素子の閾値電圧は上昇し、記憶素子は状態B’にプログラムされる。従って、図18aは、状態Eから状態B’への記憶素子のプログラミングを示している。状態B’は暫定的状態Bであり、従って、検証点はVvb’として示され、Vvbより低い。
一実施形態では、状態Eから状態B’に記憶素子をプログラムした後、NANDストリング内の隣接記憶素子(WLn+1)をその下側ページに対してプログラムする。例えば、図2を見直すと、記憶素子106用の下側ページをプログラムした後、記憶素子104の下側ページをプログラムする。記憶素子104をプログラムした後、記憶素子104が状態Eから状態B’に上昇した閾値電圧を有していた場合、フローティングゲート間結合の影響は記憶素子106の見かけの閾値電圧を上昇させる。これは、図18bの閾値電圧分布1850に示したように状態B’の閾値電圧分布を拡大する影響を有する。閾値電圧分布のこの見かけの拡大は、上側ページをプログラムする際に修正される。
図18cは、上側ページをプログラムする工程を示している。記憶素子が消去状態Eであって上側ページが1に留まる場合、記憶素子は状態Eに留まる。記憶素子が状態Eであり、その上側ページデータが0にプログラムされる場合、記憶素子の閾値電圧は上昇し、記憶素子は状態Aになる。記憶素子が中間の閾値電圧分布1850であって上側ページデータが1に留まる場合、記憶素子は最終状態Bにプログラムされる。記憶素子が中間の閾値電圧分布1850であって上側ページデータがデータ0になる場合、記憶素子の閾値電圧は上昇し、記憶素子は状態Cになる。隣接記憶素子の上側ページプログラミングだけが所定の記憶素子の見かけの閾値電圧に影響を与えるので、図18a〜cで示した工程はフローティングゲート間結合影響を低減する。別の状態符号化の一例は、上側ページデータが1であるとき分布1850から状態Cに移動することであり、上側ページデータが0であるとき状態Bに移動することである。
図18a〜cは4つのデータ状態と2つのページデータに対する一例を提供するが、開示された概念は4つの状態より多い、又は少ない状態、及び2つのページとは異なるページを備えた他の実装形態に適用することもできる。
図19は、不揮発性メモリをプログラミングする方法の一実施形態を示すフローチャートである。一実装形態では、記憶素子はプログラミングの前に(ブロック単位または他の単位で)消去される。ステップ1900では、「データロード」コマンドが制御部によって発行され、入力が制御回路1210によって受信される。ステップ1905では、ページアドレスを指定するアドレスデータが制御部またはホストから復号部1214に入力される。ステップ1910では、アドレス指定されたページのプログラムデータの1ページが、プログラミング用のデータバッファに入力される。そのデータは、ラッチの適切なセットにラッチされる。ステップ1915では、「プログラム」コマンドが、制御部によって状態マシン1212に発行される。
「プログラム」コマンドによってトリガされることで、ステップ1910でラッチされたデータは、適切な選択ワードラインに印加される図20のパルス列2000のステップ状のプログラムパルスを用いて状態マシン1212によって制御される選択された記憶素子にプログラミングされる。ステップ1920では、プログラム電圧VPGMが開始パルス(例えば、12Vまたは他の値)に初期化され、状態マシン1212によって維持されるプログラムカウンタ(PC)がゼロに初期化される。ステップ1925では、ブーストが現在設定されているブーストモード(例えば、ソース側とドレイン側を同時にブースト、あるいは、ソース側を先にブースト)に基づいて適用される。現在のブーストモードは、例えば、前述したように現在選択されているワードライン位置の関数であり得る。別の方法では、ブーストモードは固定されているか、あるいは、ワードライン位置から独立している。例えば、ソース側を、全ての選択されているワードライン位置について早期にブーストすることができる。
ステップ1930では、第1のVPGMパルスが選択されたワードラインに印加され、選択されたワードラインに接続されている記憶素子のプログラミングが開始される。論理「0」が、対応する記憶素子がプログラミングされなければならないことを示す特定のデータラッチに記憶されている場合には、対応するビットラインが接地される。他方、論理「1」が、対応する記憶素子が現在のデータ状態に留まる必要があることを示す特定のラッチに記憶されている場合には、対応するビットラインがVddに接続され、プログラミングが禁止される。
ステップ1935では、選択された記憶素子の状態が検証される。選択された記憶素子の目標閾値電圧が適切なレベルに到達したことが検出されると、対応するデータラッチに記憶されるデータが論理「1」に変更される。閾値電圧が適切なレベルに到達していないことが検出されると、対応するデータラッチに記憶されるデータは変更されない。このように、対応するデータラッチに論理「1」が記憶されているビットラインは、プログラミングされる必要がない。データラッチの全てが論理「1」を記憶しているとき、状態マシンは(前述されたワイヤードOR型機構を介して)全ての選択された記憶素子がプログラミングされたことを認識する。ステップ1940では、データラッチの全てが論理「1」を記憶しているか否かがチェックされる。データラッチの全てが論理「1」を記憶している場合、全ての選択された記憶素子がプログラミングされて検証されたため、プログラミング処理は完了し、成功となる。ステップ1945で「合格」のステータスが報告される。
ステップ1940で、データラッチの全てが論理「1」を記憶しているわけではないと判定されると、プログラミング処理は続行する。ステップ1950では、プログラムカウンタPCが、プログラム制限値PCmaxに対してチェックされる。プログラム制限値の一例は20である。ただし、他の数も使用できる。プログラムカウンタPCがPCmax未満ではない場合、プログラム処理は失敗となり、「失敗」のステータスがステップ1955で報告される。プログラムカウンタPCがPCmax未満である場合には、VPGMがステップサイズだけ増加され、ステップ1960でプログラムカウンタPCは増分される。次にプロセスはステップ1930に戻り、次のVPGMパルスが印加される。
図20は、プログラミング中に不揮発性記憶素子の制御ゲートに印加されるパルス列2000の例、及び、パルス列中に発生するブーストモードのスイッチを示す。パルス列2000は一連のプログラムパルス2005、2010、2015、2020、2025、2030、2035、2040、2045、2050...を含んでおり、これらはプログラミング対象として選択されたワードラインに印加される。一実施形態では、プログラミングパルスは、12Vで開始し、最大20Vに達するまで連続するプログラミングパルスごとに、例えば0.5Vずつ増加する電圧VPGMを有する。プログラムパルス間には検証パルスがある。例えば、検証パルスセット2006は、3つの検証パルスを含む。いくつかの実施形態では、データが、例えば状態A、B及びCにプログラミングされている状態ごとに検証パルスが存在する。他の実施形態では、さらに多くまたはさらに少ない検証パルスが存在する。各セットの検証パルスは、例えば、Vva、Vvb、及び、Vvc(図17)、又は、Vvb’(図18a)の振幅を有し得る。
上述したように、ブーストモードを実現するためにワードラインに印加される電圧は、例えばプログラムパルス前、及び、プログラムパルス中等のプログラミング発生時に印加される。実際には、ブーストモードのブースト電圧は、各プログラムパルスのすこし前に開始し、各プログラムパルス後に除去できる。他方、例えば、プログラムパルス間で発生する検証プロセス中には、ブースト電圧は印加されない。代わりに、通常はブースト電圧未満である読み出し電圧が未選択のワードラインに印加される。読み出し電圧は、現在プログラミングされている記憶素子の閾値電圧が検証レベルと比較されているときに、NANDストリング内の既にプログラミングされた記憶素子をオンに維持するのに十分な振幅を有する。
本発明の前記の詳細な説明は図解及び説明のために提示されたものである。本発明は、網羅的となる、あるいは本発明を開示されている正確な形式に制限することを意図していない。前記教示を鑑みて多くの変型及び変更が可能である。説明された実施形態は、本発明及びその実際的な応用を最もよく説明し、それにより当業者が多様な実施形態において、及び意図されている特定の使用に適するように多様な変型を用いて本発明を最もよく活用できるようにするために選択された。本発明の範囲がここに添付される請求項により定められることが意図される。

Claims (10)

  1. NAND型の不揮発性記憶装置を制御する方法であって、
    不揮発性記憶装置が、基板に少なくとも部分的に形成されている不揮発性記憶素子のセットを有しており、
    不揮発性記憶素子のセットが、ワードラインのセットに接続されており、
    不揮発性記憶素子のセットが、ワードラインのセットのうちの選択されたワードラインと接続されている少なくとも1つの不揮発性記憶素子と、ワードラインのセットのうちの分離ワードラインと接続されている少なくとも1つの不揮発性記憶素子を含んでおり、
    分離ワードラインが選択されたワードラインのソース側に位置しており、
    前記方法が、
    分離電圧を分離ワードラインに印加している間に、分離ワードラインのソース側に存在する基板の第1領域をブーストするステップと、
    分離電圧を分離ワードラインに印加している間に、分離ワードラインのドレイン側に存在する基板の第2領域をブーストするステップ、
    を有しており、
    選択されたワードラインが、ワードラインのセットのうちの、不揮発性記憶素子のセットのドレイン側に隣接する所定グループ内にある場合に、第1領域をブーストするステップが第2領域をブーストするステップより先に開始され
    選択されたワードラインが前記所定グループ内にない場合に、第1領域をブーストするステップが第2領域をブーストするステップと同時に開始される、
    ことを特徴とする方法。
  2. 第1領域をブーストするステップが、分離ワードラインのソース側のワードラインのセットのうちの少なくとも1つのワードラインに通過電圧を印加するステップを有しており、
    第2領域をブーストするステップが、分離ワードラインのドレイン側のワードラインのセットのうちの少なくとも1つのワードラインに通過電圧を印加するステップを有する、
    ことを特徴とする請求項に記載の方法。
  3. 不揮発性記憶素子のセットが、ソース側選択ゲートとドレイン側選択ゲートの間に伸びる少なくとも1つのNANDストリング内に形成されており、
    第1領域をブーストするステップ及び第2領域をブーストするステップ中に、ソース側選択ゲート及びドレイン側選択ゲートを閉じた状態に維持するステップをさらに有している、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 第1領域をブーストするステップ及び第2領域をブーストするステップを含む期間の少なくとも一部の期間中に、選択されたワードラインを介して、選択されたワードラインに接続されている少なくとも1つの不揮発性揮発素子にプログラム電圧を印加するステップをさらに有しており、
    基板の第2領域をブーストするステップが、選択されたワードラインへのプログラム電圧の印加中に継続される、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
  5. ワードラインの前記所定のグループが、ワードラインのセットのワードラインの約25%を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
  6. 基板に少なくとも部分的に形成されている不揮発性記憶素子のセットと、
    不揮発性記憶素子のセットと接続されており、不揮発性記憶素子のセットのうちの少なくとも1つの不揮発性記憶素子と接続されている選択されたワードラインと、不揮発性記憶素子のセットのうちの少なくとも1つの不揮発性記憶素子と接続されており、選択されたワードラインのソース側に位置する分離ワードラインを含むワードラインのセットと、
    不揮発性記憶素子のセットと通信する1つまたは複数の制御回路を有しており、
    1つまたは複数の制御回路が、
    分離電圧を分離ワードラインに印加している間に、分離ワードラインのソース側に存在する基板の第1領域をブーストし、
    分離電圧を分離ワードラインに印加している間に、分離ワードラインのドレイン側に存在する基板の第2領域をブーストし、
    選択されたワードラインが、ワードラインのセットのうちの、不揮発性記憶素子のセットのドレイン側に隣接する所定グループ内にある場合に、第1領域のブーストを第2領域のブーストより先に開始し、
    選択されたワードラインが前記所定グループ内にない場合に、第1領域のブーストが第2領域のブーストと同時に開始される、
    ことを特徴とするNAND型の不揮発性記憶システム。
  7. 1つまたは複数の制御回路が、分離ワードラインのソース側のワードラインのセットのうちの少なくとも1つのワードラインに通過電圧を印加することによって第1領域をブーストし、
    1つまたは複数の制御回路が、分離ワードラインのドレイン側のワードラインのセットのうちの少なくとも1つのワードラインに通過電圧を印加することによって第2領域をブーストする、
    ことを特徴とする請求項に記載の不揮発性記憶システム。
  8. 不揮発性記憶素子のセットが、ソース側選択ゲートとドレイン側選択ゲートの間に伸びる少なくとも1つのNANDストリング内に形成されており、
    1つまたは複数の制御回路が、第1領域及び第2領域のブースト中に、ソース側選択ゲート及びドレイン側選択ゲートを閉じた状態に維持する、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の不揮発性記憶システム。
  9. 1つまたは複数の制御回路が、第1領域及び第2領域のブーストを含む期間の少なくとも一部の期間中に、選択されたワードラインを介して、選択されたワードラインに接続されている少なくとも1つの不揮発性記憶素子にプログラム電圧を印加し、
    基板の第2領域のブーストが、選択されたワードラインへのプログラミング電圧の印加中に継続される、
    ことを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の不揮発性記憶システム。
  10. ワードラインの前記所定のグループが、ワードラインのセットのワードラインの約25%を含むことを特徴とする請求項6〜9の何れか一項に記載の不揮発性記憶システム。
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