JP5133124B2 - 磁気テープ装置 - Google Patents

磁気テープ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5133124B2
JP5133124B2 JP2008118602A JP2008118602A JP5133124B2 JP 5133124 B2 JP5133124 B2 JP 5133124B2 JP 2008118602 A JP2008118602 A JP 2008118602A JP 2008118602 A JP2008118602 A JP 2008118602A JP 5133124 B2 JP5133124 B2 JP 5133124B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
servo
head
magnetic tape
magnetic
tape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008118602A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009271951A (ja
Inventor
真男 藤田
定 久世
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Maxell Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Energy Ltd filed Critical Hitachi Maxell Energy Ltd
Priority to JP2008118602A priority Critical patent/JP5133124B2/ja
Publication of JP2009271951A publication Critical patent/JP2009271951A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5133124B2 publication Critical patent/JP5133124B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

本発明は、コンピュータ用のデータストレージシステムなどのように磁気テープを情報媒体として用いる磁気テープ装置に関する。また、そのような磁気テープ装置に搭載される磁気ヘッド装置に関する。また、そのような磁気テープ装置で情報を記録または再生可能な磁気テープに関する。
磁気テープは、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータテープなど種々の用途があるが、特にデータバックアップ用テープの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり数TBの記録容量を持つ磁気テープが商品化されている。また、今後ハードディスクのさらなる大容量化に対応するため、バックアップテープの大容量化が不可欠である。
磁気テープを大容量化するには、例えば、磁気テープの厚さを薄くする方法があり、このような方法では、リールに対する磁気テープの巻径を増加させずに、リール1巻あたりのテープ長さを長くし、記録容量を大容量化することができる。また、磁気テープを大容量化するためには、磁気テープに記録する信号の記録波長を短くして、磁気テープの長手方向の記録密度を高くする方法がある。このような方法では、磁気ヘッドと磁気テープ磁性面との間隙(スペーシング)を小さくする必要があり、そのために磁性面の表面平滑性Raの値を小さくし、表面を平滑にする必要がある。また、磁気テープの記録トラック幅を狭くすることで、磁気テープの幅方向の記録密度を高くする方法(高記録密度化技術)なども考えられる。
磁気テープの高記録密度化技術を採用することにより記録トラック幅が狭くなると、データの再生時などにおける磁気テープの幅方向の位置変動によって、磁気ヘッドが記録トラックを正確に追従できなくなり、エラーを起こしやすくなる。そこで、従来では、磁気テープの製造時に、磁性層あるいはバックコート層にサーボ信号を記録し、そのサーボ信号によるヘッドトラッキングサーボを用いたシステム(サーボ方式を有するシステム)が主流になっている。
サーボ方式には、磁気サーボ方式と光学サーボ方式がある。磁気サーボ方式は、サーボ信号を磁気テープの磁性層に磁気記録し、このサーボ信号を磁気的に読み取ってサーボトラッキングを行う方式である。また、光学サーボ方式は、凹部アレイから構成されるサーボ信号を、レーザー照射などで磁気テープのバックコート層に形成し、この凹部アレイを光学的に読み取ってサーボトラッキングを行う方式である。
これらのサーボ方式により、磁気テープにデータを記録する際または磁気テープからデータを再生する際、磁気テープの位置が磁気ヘッドに対して相対的に幅方向に変動しても、磁気ヘッドを記録トラックに追随させることができる。具体的には、まずサーボヘッドで、磁気テープに記録されているサーボ信号を読み取る。次に、読み取ったサーボ信号に応じて、磁気ヘッド(少なくともデータ記録用ヘッドとデータ再生用ヘッドとを含む)の磁気テープの幅方向における位置をコントロールして、データ記録用ヘッドまたはデータ再生用ヘッドをデータトラックに追従させる。これにより、磁気テープに対して正確に情報を記録することができるとともに、磁気テープに記録されている情報を正確に再生することできる。
上記のサーボ方式の一例として、特許文献1及び2にタイミングベースサーボ方式が開示されている。タイミングベースサーボ方式では、サーボ信号が磁気テープの幅方向に対して傾斜させたパターンで、磁気テープに記録されている。そのサーボ信号を再生した時における、再生波形のピークの時間間隔からヘッド位置を認識する。
特開平8−30942号公報 米国特許第6,226,688号明細書
しかしながら、特許文献に開示された構成では、磁気テープにおいて速度変動が生じた場合、サーボヘッドで再生されるサーボ信号の間隔が変動する。従来の磁気テープ装置では、このようなサーボ信号の間隔の変動をLTM(磁気テープの幅方向への走行位置変動)が発生したと誤認識して、実際にはLTMが生じていないにもかかわらず、磁気ヘッドをテープ幅方向に移動させてしまう誤動作が生じる問題があった。以下、その誤動作について具体的に説明する。
磁気テープの厚さを薄くしたり、磁性面を平滑化したりすると、磁気テープは、カートリッジ内のリールに巻き回された状態で互いに当接している表面(磁性層側の面)と裏面(バックコート層側の面)との間の摩擦が、従来よりも高くなる。磁気テープの表面と裏面との間の摩擦が高くなると、磁気テープをリールから巻き出す際に磁気テープの表裏がスムーズに剥がれなかったり(貼り付き現象)、磁気テープの表裏が擦れ合うことにより生じる静電気が帯電することにより磁気テープをリールから巻き出す際に磁気テープの表裏がスムーズに剥がれなかったりする。これにより、磁気テープのテンション変動や移送速度の変動が生じやすくなり、磁気テープを安定走行させることができない。
図9は、従来の磁気テープ装置の構成を示す模式図である。図9に示すように、カートリッジ11内に配されたリール12から矢印Bに示す方向に巻き出された磁気テープ5は、磁気ヘッド102、ガイドローラー3及び4に当接し、装置側のドライブリール1に巻き回される。ドライブリール1は、モータなどの駆動手段により矢印Aまたはその逆方向に回転駆動され、回転駆動することにより磁気テープ5を矢印Bまたはその逆方向に移送させることができる。図中の符号5a及び5bは、それぞれガイドローラー4とリール12との間における磁気テープ5の位置を示す。
図9において、磁気テープ5が表面平滑化に伴い高摩擦化すると、図示のように磁気テープ5のリール12から巻き出される部分において磁気テープ5の表裏が貼り付くことがある。このような状態では、磁気テープ5の表裏が剥離する位置が矢印Gに示す方向あるいはその逆方向に変動し、磁気テープ5におけるガイドローラー4とリール12との間の部分は、符号5aに示す位置と符号5bに示す位置との間で位置変動が生じることがある。このように、磁気テープ5の位置変動が生じると、磁気テープ5にかかるテンションが変動し、これに伴い磁気テープ5の移送速度が変動する。例えば、磁気テープ5が位置5aにある状態で、剥離位置が急激に矢印Gに示す方向へ移動したとすると、磁気テープ5にかかるテンションが急激に緩み、磁気テープ5の移送速度が一時的に上昇し、磁気ヘッド102に接している磁気テープ5の位置F1が位置F3に急激に移動する現象が発生する。このように従来の構成では、磁気テープを安定走行できないという問題があった。
図10は、磁気テープの速度変動を説明するための図である。図10(a)は、磁気テープ5の移送速度の変化を示し、図10(b)は磁気テープ5に記録されているサーボパターンを示し、図10(c)は図10(b)に示すサーボパターンをサーボヘッドで読み取り再生されたサーボ信号の波形を示す。図11は、磁気テープにLTMが生じている時のサーボパターン及びサーボ信号波形を示す。なお、図11では、実際は磁気テープにLTMが生じているが、説明をわかりやすくするために、相対的に磁気ヘッドのトレース位置(破線V2)が磁気テープの幅方向に変動するものとして図示している。また、図10(b)及び図11(b)に示すストライプa及びbは、実際はそれぞれ互いに平行な5本のストライプで構成されているが、図示を簡略している。また、図10(b)及び図11(b)に示すストライプc及びdは、実際はそれぞれ互いに平行な4本のストライプで構成されているが、図示を簡略している。
図10(b)に示すように略「ハ」の字状に傾斜したストライプで構成されているサーボパターンに対して、破線V1に示す位置をサーボヘッドがトレースすると、図10(c)の実線で示すサーボ信号が得られる。しかし、図9に示すように磁気テープ5が位置5aから位置5bに移動すると、その移動時において図10(a)に示すように磁気テープ5の移送速度が一時的に上昇し、サーボヘッドで再生されるサーボ信号の位相がずれてしまう。例えば、サーボヘッドがストライプbの近傍に位置している時に磁気テープの速度が一時的に上昇すると、サーボヘッドはストライプbに示すタイミングではなく、ストライプb1に示すタイミングでサーボパターンが読み取られることになる。よって、図10(c)に示すように、本来のサーボ信号S2のタイミングよりも、時間w1だけ早いタイミングでサーボ信号S1が再生される。以降、サーボヘッドにおいて、ストライプc,dに示すタイミングからそれぞれ時間w1だけ早いストライプc1,d1に示すタイミングでサーボ信号が再生される。なお、図10(b)におけるストライプb1,c1,d1は、実際に磁気テープ5に形成されているストライプではなく、ストライプbの再生タイミングのずれを説明するために仮想的に示したストライプである。
図10(b)に示すサーボパターンを用いたトラッキングサーボは、ストライプaとストライプbとを読み取ることにより再生されるサーボ信号の時間間隔ab、およびストライプaとストライプcとを読み取ることにより再生されるサーボ信号の時間間隔acとの比により、磁気ヘッドのテープ幅方向における現在位置を検出し、磁気ヘッドが磁気テープにおける正規のトラックをトレースするように磁気ヘッドのテープ幅方向の位置を可変制御している。一方、磁気テープが幅方向にLTMを生じた場合、例えばサーボヘッドは磁気テープ5に対して図11(b)における破線V2に示す経路をトレースすることになる。この場合、ストライプa及びbに基づき再生されるサーボ信号の時間間隔ab2は、経路V1の時の時間間隔abよりも短くなる。また、ストライプa及びcに基づき再生されるサーボ信号の時間間隔ac2は、経路V1の時の時間間隔acよりも長くなる。したがって、時間間隔ab2及びac2の比に基づき算出されるPES(Position Error Signal)の値は、時間間隔ab及びacの比に基づき算出されるPESの値よりも絶対値が大きくなるために、磁気テープ装置では、ab2及びac2の比に基づき算出されるPESの値がゼロに近づくように、磁気ヘッドをテープ幅方向へ移動させるよう制御する。
したがって、従来の磁気テープ装置では、ストライプbに基づくサーボ信号が、磁気テープ5の速度変動によって図10(c)のサーボ信号S1に示すタイミングで再生された場合、図11に示すようなLTMが生じたと誤認識して、磁気ヘッドをテープ幅方向へ移動させてしまう。図10(c)に示す現象は、磁気テープの速度変動が原因で生じており、磁気テープの幅方向の位置変動は生じていないにも関わらず、磁気ヘッドをテープ幅方向へ移動させてしまうと、PESが悪化してしまうという問題がある。
なお、PESとは、サーボトラックに形成されたストライプのテープ幅方向の中心から、現在のサーボヘッドのトレース位置までの距離を表す。また、PESは、ストライプの傾斜角をY(本実施の形態ではY=6°)、ストライプのテープ幅方向の中心におけるab間の距離をAB(本実施の形態ではAB=50μm)、ストライプaとストライプbとの距離をab、ストライプaとストライプcとの距離をacとした時、下記の数式1により算出することができる。
PES=(AB−(ab/ac)×100)/2tanY ・・・(数式1)
この状態から、図9に示すように磁気テープ5の速度変動が生じた場合、距離abが距離ab1に変化し、距離acが距離ac1に変化する。よってPESVは、
PESV=(AB−(ab1/ac1)×100)/2tanY ・・・(数式2)
に基づいて算出することができる。一方、図10に示すように磁気テープ5にLTMが生じた場合、ストライプa〜cにおけるタイミングa、b2、c2でPESを算出することになり、距離abは距離ab2に変化し、距離acは距離ac2に変化する。よってPESLTMは、
PESLTM=(AB−(ab2/ac2)×100/2tanY ・・・(数式3)
に基づいて算出することができる。数式2と数式3とを参照すると、いずれもストライプab間とac間において距離変化が生じて、PESが生じている。従来の磁気テープ装置におけるヘッドコントローラーでは、発生したPESが磁気テープ5の速度変動によるもの(PESV)であるか、磁気テープ5のLTMに基づくもの(PESLTM)であるかを判別することができないため、全てLTMに基づいて発生したPESであると判断し、磁気ヘッドを磁気テープ5の幅方向に移動させてしまうという誤動作が生じる。
本発明の目的は、高摩擦による磁性層とバックコート層との貼り付きや静電気による帯電により、カートリッジ内のリールからの巻き出し部分において磁気テープのテンション変動が生じ、磁気ヘッドのテープ摺動面における磁気テープの移送速度の変動が生じたとしても、LTMと誤認識して磁気ヘッドをテープ幅方向へ動かしてしまう誤動作を防ぐことである。
本発明の磁気テープ装置は、磁気テープに記録されているサーボ信号を再生可能なサーボヘッドと、前記磁気テープに対してデータ信号を記録または再生可能なデータヘッドとを備えた磁気ヘッドと、前記サーボヘッドで再生されたサーボ信号に基づき前記磁気テープの幅方向の走行位置を検出し、前記走行位置に基づき前記磁気ヘッドの移動量を算出する制御手段と、前記制御手段で算出した移動量に基づき、前記磁気ヘッドを前記磁気テープの幅方向へ移動させることが可能な第1のヘッド駆動手段とを備えた磁気テープ装置であって、前記磁気ヘッドを前記磁気テープの長さ方向へ移動させることが可能な第2のヘッド駆動手段を備え、前記サーボヘッドは、互いに異なる方向に傾斜した複数のストライプが長さ方向に並んで形成された第1のサーボトラックと、互いに平行な複数のストライプが長さ方向に並んで形成された第2のサーボトラックとを備えた前記磁気テープに対向した時に、前記第1のサーボトラックをトレース可能な第1のサーボヘッドと、前記第2のサーボトラックをトレース可能な第2のサーボヘッドとを備え、前記制御手段は、前記第2のサーボヘッドで前記第2のサーボトラックをトレースすることにより前記制御手段は、前記サーボヘッドで再生されたサーボ信号に基づき前記磁気テープの移送速度の変動量を検出し、検出した移送速度の変動量から前記磁気テープと前記磁気ヘッドとの相対位置のずれ量を算出し、前記ずれ量がゼロに近づくように前記磁気ヘッドを前記磁気テープの長さ方向へ移動させるよう前記第2のヘッド駆動手段を制御するものである。
本発明によれば、磁気ヘッドを磁気テープの移送方向に移動可能としたことにより、磁気テープにおいて一時的な速度変動が生じたとしても、その速度変動に磁気ヘッドを追従させることができ、サーボ信号の間隔の変動を抑えることができる。よって、磁気テープ装置において、トラッキングサーボの誤動作を防止することができ、PES(Position Error Signal)の悪化を抑えることができる。
本発明の磁気テープ装置は、上記構成を基本として以下のような態様をとることができる。すなわち、本発明の磁気テープ装置において、前記サーボヘッドは、互いに異なる方向に傾斜した複数のストライプが長さ方向に並んで形成された第1のサーボトラックと、互いに平行な複数のストライプが長さ方向に並んで形成された第2のサーボトラックとを備えた前記磁気テープに対向した時に、前記第1のサーボトラックをトレース可能な第1のサーボヘッドと、前記第2のサーボトラックをトレース可能な第2のサーボヘッドとを備え、前記制御手段は、前記第2のサーボヘッドで前記第2のサーボトラックをトレースすることにより再生されたサーボ信号に基づき前記磁気テープの移送速度の変動量を検出し、検出した移送速度の変動量から前記磁気テープと前記磁気ヘッドとの相対位置のずれ量を算出し、前記ずれ量がゼロに近づくように前記磁気ヘッドを前記磁気テープの長さ方向へ移動させるよう前記第2のヘッド駆動手段を制御する構成とすることができる。
(実施の形態)
〔1.磁気テープ装置の構成〕
図1は、本実施の形態における磁気テープ装置の構成を示す模式図である。なお、図1において、磁気テープカートリッジ10は、実際は外郭がカートリッジ11によって覆われているが、内部構造を明確にするためにカートリッジ11の一部の描画を省略した。
図1に示すように、磁気テープ装置は、ドライブリール1、磁気ヘッド2、ガイドローラー3,4を備えている。
ドライブリール1は、カートリッジ11内のリール12から巻き出された磁気テープ5を巻き回すことができる。また、ドライブリール1は、モータなどの駆動手段により矢印Aまたはその逆方向に回転駆動されるように構成されている。
磁気ヘッド2は、ガイドローラー3及び4の間に配されている。また、磁気ヘッド2は、X軸方向及びY軸方向に移動可能に配されている。また、磁気ヘッド2は、データヘッドとサーボヘッドとを備えている。データヘッドは、磁気テープ5におけるデータトラックにデータ信号を記録したり、データトラックに記録されたデータ信号を再生することができる。サーボヘッドは、磁気テープ5に記録されたサーボ信号を再生することができる。また、磁気ヘッド2のX軸方向の移動範囲は、ガイドローラー3とガイドローラー4との間でかつ磁気テープ5に摺接可能な範囲である。また、磁気ヘッド2のY軸方向の移動範囲は、サーボヘッド及びデータヘッドが磁気テープ5に形成されているサーボトラック及びデータトラックをトレース可能な範囲である。また、磁気ヘッド2は、X軸方向の移動とY軸方向の移動は、各々独立して制御が可能であり、X軸方向とY軸方向のいずれか一方のみに移動させる制御と、X軸方向とY軸方向の両方同時に移動させる制御とが可能である。磁気ヘッド2の詳しい構成については後述する。なお、本実施の形態の磁気ヘッド2は、LTO規格(LTO:Linear Tape Open)に準拠したフォーマットのデータを記録及び/または再生することができる磁気ヘッドで構成されている。
ガイドローラー3及び4は、磁気テープ5が磁気ヘッド2における所定の位置に当接するように、磁気テープ5の幅方向の位置を規制するものである。
磁気テープカートリッジ10は、磁気テープ5及びリール12がカートリッジ11に収容されて構成されている。カートリッジ11は、リール12から巻き出された磁気テープ5をカートリッジ11外へ引き出すための開口部11aを備えている。
磁気テープ5は、ベースフィルムの一方の面に非磁性層を介して磁性層が形成され、他方の面にバックコート層が形成されて構成されている。本実施の形態では、磁気テープ5における磁性層側の面を「表面」と定義し、バックコート層側の面を「裏面」と定義する。なお、本実施の形態の磁気テープ5は、LTO規格に準拠した仕様となっている。
リール12は、磁気テープ5が巻き回され、矢印Cまたはその逆方向へ回転自在に配されている。リール12は、磁気テープ装置に配されたリール台(不図示)に嵌合し、モータなどの駆動手段によってリール台が回転駆動されることにより、リール12が回転するように構成されている。
図2は、磁気ヘッド2の具体的な構成を示す斜視図である。図2に示すように、磁気ヘッド2は、サーボヘッド21及び22、データヘッド23、ベース24を備えている。
サーボヘッド21及び22は、磁気テープ5のサーボトラックに形成されているサーボストライプ(サーボパターン)を読み取ることができ、サーボ信号を再生することができる。また、サーボヘッド21及び22は、ベース24のテープ摺動面に配され、磁気テープ5に形成されている複数のサーボトラック(本実施の形態では5本)のうち2本のサーボトラックを同時にトレースすることができる。
データヘッド23は、ベース24のテープ摺動面におけるサーボヘッド21とサーボヘッド22との間に配され、磁気テープ5のデータトラックに形成されているデータパターンを読み取ることができ、データ信号を再生することができる。また、データヘッド23は、磁気テープ5のデータトラックにデータ信号を記録することができる。また、データヘッド23は、複数のヘッド素子(本実施の形態では16個)がY軸方向に並んで配置されており、磁気テープ5のデータトラックにデータ信号を記録する際は、複数のヘッド素子に同時に通電を行い、ヘッド素子の個数に応じた本数のデータパターンを形成する。
ベース24は、VCM25(VCM:Voice Coil Motor)により、Y軸方向(矢印Y1及びY2に示す方向)に移動可能に支持されている。
VCM25は、ベース24をY軸方向に移動させることができる手段の一例であり、少なくともベース24を移動させることができればVCM以外の駆動手段を用いてもよい。また、VCM25は、ピエゾステージ26に支持されている。
ピエゾステージ26は、電圧を印加することによりX軸方向に移動させることができる。ピエゾステージ26は、ベース24及びVCM25を支持しているため、電圧を印加することによりこれらをX軸方向に移動させることができる。なお、本実施の形態ではベース24及びVCM25を移動させる手段としてピエゾステージ26を用いたが、少なくともベース24及びVCM25を移動させることができればピエゾステージ以外の駆動手段を用いてもよい。ピエゾステージ以外の駆動手段としては、例えばVCMがある。
〔2.磁気テープの構成〕
図3は、本実施の形態における磁気テープの構成を示す。図3に示すように、磁気テープ5は、長手方向に連続的にサーボトラック51〜55とデータトラックとが形成されている。サーボトラック51〜55とデータトラックとは、磁気テープ5の幅方向に交互で、かつ互いに平行に形成されている。本実施の形態では、サーボトラックが5本形成され、データトラックが4本形成されている。
また、5本のサーボトラックのうち、最上段のサーボトラック51と中央のサーボトラック54と最下段のサーボトラック55とに形成されているストライプは、テープ長手方向に対して傾斜したストライプが形成されている(以下、これらのサーボトラックを傾斜サーボトラック61と称する)。例えば、サーボトラック51には、テープ長手方向に対して傾斜した第1のストライプ51aと、第1のストライプ51aに対して反対方向に傾斜した第2のストライプ51bとが、テープ長手方向に交互に形成されている。サーボと絡53及び55にも同様の構成のストライプが形成されている。すなわち、傾斜サーボトラックに形成されたストライプは、略「ハ」の字状に形成されている。なお、図示では、第1のストライプ51aと第2のストライプ51bとが1本ずつ交互に形成されているが、複数本のストライプの束が交互に形成されている構成としてもよい。例えば、LTO4フォーマットのサーボトラックには、第1の方向に傾斜した5本のストライプ群、第1の方向に対して反対方向の第2の方向に傾斜した5本のストライプ群、第1の方向に傾斜した4本のストライプ群、第2の方向の傾斜した4本のストライプ群、の順にストライプが形成されている。
また、5本のサーボトラックのうち、サーボトラック52とサーボトラック54とに形成されているストライプは、テープ長手方向に対して垂直に形成されている(以下、これらのサーボトラックを垂直サーボトラック62と称する)。例えば、サーボトラック52には、テープ長手方向に対して垂直に配置されたストライプ52aが、テープ長手方向に並んで形成されている。サーボトラック54にも同様の構成のストライプが形成されている。また、垂直サーボトラック62に形成されたストライプは、磁気テープ5の長手方向に隣り合うストライプ同士は互いに平行である。なお、本実施の形態では、ストライプ52aは、テープ長手方向に対して垂直に形成する構成としたが、少なくとも磁気テープ5の長手方向に隣り合うストライプが互いに平行であれば、必ずしもテープ長手方向に対して垂直に形成する必要はなく、テープ長手方向に対して傾斜していてもよい。
なお、サーボトラック52及び54に含まれるストライプのピッチは、サーボトラック51,53,55に含まれるストライプのピッチ(最小ピッチ)よりも小さく形成されている。
図4は、磁気ヘッド2をX軸及びY軸方向に移動させる制御ブロックを示す。図4において、図1及び図2に示す構成と同様の構成については同一符号を付与している。
制御部31は、第1のサーボヘッド21または第2のサーボヘッド22で再生されたサーボ信号に基づき、磁気ヘッド2のX軸方向の幅方向の走行位置を検出し、検出した走行位置に基づきオフトラック量(移動量)を検出し、そのオフトラック量がゼロに近づくような制御量を算出する。算出した制御量の情報は、第1のヘッド駆動部32に送られる。また、制御部31は、第1のサーボヘッド21または第2のサーボヘッド22で再生されたサーボ信号に基づき、磁気テープ5の移送速度を検出し、テープ長手方向における磁気テープ5と磁気ヘッド2との相対位置のずれ量を算出する。検出したずれ量の情報は、第2のヘッド駆動部33に送られる。なお、具体的な磁気ヘッド2の駆動制御については後述する。
第1のヘッド駆動部32は、制御部31から送られる制御量の情報に基づき、磁気ヘッド2をY軸方向(テープ幅方向)に移動させる。第1のヘッド駆動部32は、図2におけるVCM25に対応する。
第2のヘッド駆動部33は、制御部31から送られるずれ量の情報に基づき、磁気ヘッド2をX軸方向(テープ長手方向)に移動させる。第2のヘッド駆動部33は、図2におけるピエゾステージ26に対応する。
〔3.磁気テープ装置の動作〕
図5は、磁気テープ装置における動作フローを示し、主に磁気ヘッド2の移動制御の動作フローについて詳細に図示している。磁気テープ装置において、図1に示すテープパスが形成された状態でモータ(不図示)が動作してドライブリール1が矢印Aに示す方向に回転駆動されると、磁気テープ5は矢印Bに示す方向へ移送される。磁気テープカートリッジ10内のリール12から巻き出された磁気テープ5は、カートリッジ11の開口部11aから引き出される。カートリッジ11から引き出された磁気テープ5は、ガイドローラー4、磁気ヘッド2、ガイドローラー3の順に当接し、ドライブリール1に巻き回される(S1)。
この時、磁気ヘッド2を通電状態にすることで、磁気ヘッド2に含まれるデータヘッド23で磁気テープ5におけるデータトラックにデータ信号を記録したり、データトラックに記録されているデータ信号を再生したりすることができる。例えば、磁気ヘッド2が図3に示す位置にある時は、データヘッド23は、サーボトラック51とサーボトラック52との間のデータトラックをトレースすることができる。また、第1のサーボヘッド21は、サーボトラック51をトレースし、第2のサーボヘッド22は、サーボトラック52をトレースすることができる。以下の説明では、磁気ヘッド2が図3に示す位置にあることを一例として説明する。
データヘッド23によるデータ記録または再生時は、第1のサーボヘッド21により、サーボトラック51に形成されているストライプが読み取られ、読み取ったストライプに基づきサーボ信号が再生され、トラッキングサーボが実行されている。具体的には、まず第1のサーボヘッド21がサーボトラック51のストライプに基づきサーボ信号を再生して、テープ幅方向における現在の磁気ヘッド2の位置を検出する。次に、制御部31(図4参照)が、現在の磁気ヘッド2のテープ幅方向の走行位置を検出し、現在の磁気ヘッド2の位置と正規の位置とのずれ量を示すオフトラック量(テープ幅方向の移動量)を算出し、LTMの発生を検出する(S2)。制御部31は、磁気テープ5においてLTMが発生している場合、算出したオフトラック量がゼロに近づくような制御量を算出し、算出した制御量の情報を第1のヘッド駆動部32(図2のVCM25)に送る。この制御量の情報には、磁気ヘッド2の移動量の情報と移動方向の情報とが含まれている。第1のヘッド駆動部32は、制御部31から送られる制御量の情報に基づき、磁気ヘッド2をY軸方向へ移動させる。これにより、磁気ヘッド2におけるデータヘッド23が、所定のデータトラック上をトレースできるように制御することができる(S3)。
また、データヘッド23によるデータ記録または再生時、第2のサーボヘッド22により、サーボトラック52に形成されているストライプが読み取られ、読み取ったストライプに基づきサーボ信号が再生され、磁気テープ5の移送速度を検出している(S4)。
具体的には、まず第2のサーボヘッド22がサーボトラック52のストライプに基づきサーボ信号を再生する。図6(a)は、サーボトラック52に形成されているストライプの構成を模式的に示した図であり、図6(b)は、図6(a)に示すストライプに基づき第2のサーボヘッド22で再生されたサーボ信号の波形図である。制御部31は、図6(b)に示すサーボ信号において、ピーク間の時間を計測し、計測した時間が一定であれば磁気テープ5の速度変動が発生していないと判断し、時間が変動していれば磁気テープ5の速度変動が発生したと判断する。例えば、ピークAとピークBとの間の時間d1とピークBとピークCとの間の時間d2とを比較し、一致していれば磁気テープ5の速度変動が発生していないと判断し、不一致であれば磁気テープ5の速度変動が発生していると判断する。
なお、磁気テープ5は、従来技術の課題において説明したような剥離位置の変動に伴うテンション変動以外にも、ドライブリール1における磁気テープ5の巻径変化によるテンション変動やテープパス上におけるテンション変動に基づく速度変動も考えられるが、本構成において検出可能な磁気テープ5の速度変動は剥離位置の変動に伴う比較的大きな速度変動であり、上記時間d1と時間d2とが完全に一致していなくても近い値であれば本説明における「一致」の範囲に含むものとする。
制御部31は、磁気テープ5において速度変動が発生したことを検出すると、サーボ信号のピーク間の時間の比に基づき、磁気ヘッド2におけるテープ摺動位置の変動量(滑り量ともいう)を算出する(S5)。
具体的には、図7(a)の磁気テープ5の移送速度の変化に示すように、タイミングt1においてカートリッジ11内で磁気テープ5の表裏剥離が生じると、磁気テープ5のテンションが下がり移送速度が上昇する(タイミングt2)。移送速度が上昇すると、図7(b)に示すように第2のサーボヘッド22で再生されるサーボ信号は、ピーク間隔が狭くなる。制御部31は、移送速度が変動していない時のピーク間隔d11と移送速度が変動した時のピーク間隔d12との差分に基づき、磁気ヘッド2の変動量を算出する。制御部31は、算出した変動量に基づき、磁気ヘッド2をX軸方向へ移動させる際の制御量を算出し、第2のヘッド駆動部33に送る。この制御量の情報には、磁気ヘッド2の移動量の情報と移動方向の情報とが含まれている。
例えば、垂直サーボトラック62に形成されているストライプが、記録波長1.0μmで形成されている場合、磁気テープ5を6.1m/secの速度で移送させると、移送速度に変動が生じていなければ1.64nsecの時間間隔でサーボ信号が検出される。これに対して、磁気テープ5の移送速度が2倍の12.2m/secに上昇した場合、サーボ信号の時間間隔は0.82nsecとなる。したがって、速度変動比と変動量は以下のようになる。
速度変動比=1.0−(0.82/1.64)=0.5
変動量=1.0×0.5=0.5(μm)
よって、磁気ヘッド2を0.5μm分、磁気テープ5の移送の向きへ移動させることで、移送速度上昇による磁気ヘッド2と磁気テープ5との相対位置のずれを無くすことができる。
一方、磁気テープ5の移送速度が2/3倍の4.1m/secに低下した場合、サーボ信号の時間間隔は2.46nsecとなる。したがって、速度変動比と変動量は以下のようになる。
速度変動比=1.0−(2.46/1.64)=−0.5
変動量=1.0×(−0.5)=−0.5(μm)
よって、磁気ヘッド2を0.5μm分、磁気テープ5の移送の向きの逆方向へ移動させることで、移送速度上昇による磁気ヘッド2と磁気テープ5との相対位置のずれを無くすことができる。
次に、第2のヘッド駆動部33は、制御部31から送られる制御量の情報に基づき、磁気ヘッド2を図1の矢印X1に示す方向へ移動させる(S6)。
磁気テープ装置は、リール12から巻き出して矢印Bに示す方向へ移送させている磁気テープ5がほとんどドライブリール1側に巻かれ、リール12に巻かれている磁気テープ5が終端に到達すれば(S7)、ドライブリール1及びリール12を回転駆動しているモータの駆動方向を逆転させて、磁気テープ5を矢印Bの反対方向へ移送させるよう制御する(S8)。以降、上記と同様に、磁気テープ2をリール12側へ移送させながら磁気ヘッド2のX軸方向及びY軸方向の移動制御を行う。
図8A〜図8Dは、磁気テープ5の速度変動時における磁気ヘッド2のX軸方向へ移動動作を表した模式図である。図8A〜図8Dにおいて、ストライプa〜dは、傾斜サーボトラック61(図3参照)に形成されたストライプである。また、図8A〜図8Dでは、第1のサーボヘッド21でサーボトラックをトレースする状態を示している。また、図8A〜図8Dでは、第1のサーボヘッド21がストライプbの近傍(磁気テープ5が矢印Bに示す方向に移送されている時における、ストライプbの直前位置)に位置している時に、磁気テープ5の移送速度が一時的に上昇した状態を示している。また、実動作は磁気テープ5が矢印Bに移送されるが、説明の便宜上、図8A〜図8Dでは磁気テープ5の位置は固定とし、第1のサーボヘッド21が磁気テープ5に対して相対的に移動することとして図示している。また、図8A〜図8Dにおける破線V1は、第1のサーボヘッド21のトレース経路を示す。
まず、図8Aに示すように、第1のサーボヘッド21がストライプbの直前に位置している状態において、カートリッジ11内において磁気テープ5の剥離位置の変動が生じ、磁気テープ5の移送速度が一時的に上昇すると、ストライプbは第1のサーボヘッド21に近づく方向に速度を上げて移動する。図中のストライプb1は。磁気テープ5の移送速度の上昇により変動したストライプbの位置を示す。
次に、図8Bに示すように、磁気ヘッド2は、第2のサーボヘッド22でサーボトラック52のストライプを読み取ることにより再生されたサーボ信号(図3参照)に基づき、第2のヘッド駆動部33により矢印Bに示す方向(図1等における矢印X1に示す方向)へ移動され、これにより第1のサーボヘッド21は、符号21aに示す位置(図8Aにおける位置)から符号21bに示す位置へ移動する。この時、磁気ヘッド2(図中の第1のサーボヘッド21)の移動量w2は、磁気テープ5の速度変動に伴い相対的な位置が変動したストライプbの変動量w1と同等である。
次に、図8Cに示すように、第1のサーボヘッド21は、符号21cに示す位置へ移動し、b1に示すタイミングでストライプbを読み取る。
次に、図8Dに示すように、第1のサーボヘッド21が符号21dに示す位置へ移動した時、第2のヘッド駆動部33は磁気ヘッド2を矢印Bの反対方向(図1等における矢印X2に示す方向)へ移動させる。これにより、第1のサーボヘッド21は、符号21eで示す位置に移動する。この時の磁気ヘッド2の移動量w3は、ストライプbの変動量w1と同等である。すなわち、図8Bに示すタイミングで矢印B(矢印X1)に示す方向へ移動させた磁気ヘッド2を、図8Dに示すタイミングで元の位置へ戻している。以降、第1のサーボヘッド21は、ストライプc、ストライプdの順で読み取りを行う。
図8Eは、図8A〜図8Dに示す動作に基づいて再生されたサーボ信号の波形図を示す。図8Eに示すように、磁気テープ5において速度変動が生じたとしても、その速度変動に応じて磁気ヘッド2をX軸方向へ移動させることにより、時間的変動が生じていないサーボ信号を再生することができ、磁気テープ装置においてLTMに基づくトラッキングサーボが誤動作するのを防止することができる。
なお、上記説明では、磁気ヘッド2が図3に示す位置にある時の動作について説明したが、データヘッド23でサーボトラック52とサーボトラック53との間のデータトラックをトレースする際は、第1のサーボヘッド21でサーボトラック52に形成されているストライプを読み取って、磁気テープ5の速度変動を検出し、磁気ヘッド2のX軸方向の移動を制御し、第2のサーボヘッド22でサーボトラック53に形成されているストライプを読み取って、磁気ヘッド2のY軸方向の移動を制御し、LTMに基づくトラッキングサーボを行う。このように、磁気ヘッド2が、図3に示す磁気テープ5におけるどのデータトラックをトレースしていたとしても、第1のサーボヘッド21及び第2のサーボヘッド22のうちのいずれか一方が傾斜サーボトラック61及び垂直サーボトラック62のうちのいずれか一方のサーボトラックをトレースし、他方のサーボヘッドが他方のサーボトラックをトレースすることができる。よって、磁気ヘッド2のX軸方向及びY軸方向の両方について移動制御を行うことができる。
〔4.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、磁気ヘッド2をY軸方向(磁気テープ5の幅方向)とX軸方向(磁気テープ5の長手方向)の両方に移動可能にし、磁気テープ5に速度検出用の垂直サーボパターン62を形成したことにより、磁気テープ5の速度変動が生じた場合に、第1のサーボヘッド21または第2のサーボヘッド22が垂直サーボパターン62のストライプを読み取って、磁気テープ5の速度変動を検出することができる。これにより、傾斜サーボパターン61に基づいて再生されるサーボ信号の時間的変動を抑えることができ、LTMが発生していないにもかかわらず磁気ヘッド2をY軸方向へ移動させてしまうという誤動作を防止することができる。したがって、数式1に基づいて算出されるPESも速度変動が発生していない状況における値と同等となり、PESの悪化を防止することができる。
また、本実施の形態では、トラッキングサーボ用のサーボパターンと速度検出用のサーボパターンとを各々独立して備え、また磁気ヘッド2をY軸方向へ移動させる第1のヘッド駆動部32(VCM25)とX軸方向へ移動させる第2のヘッド駆動部33(ピエゾステージ26)とを各々独立して備えたことにより、磁気ヘッド2のX軸方向への移動制御とY軸方向への移動制御とを各々独立して実行することができるので、LTMのみが発生している状況、速度変動のみが発生している状況、LTMと速度変動の両方が発生している状況の全てにおいて、トラッキングサーボの誤動作を防止することができる。
また、本実施の形態の磁気テープは、傾斜サーボトラック61と垂直サーボトラック62とを磁気テープ5の幅方向に交互に配置したことにより、磁気ヘッド2がどのデータトラックをトレースしていたとしても、サーボヘッドが傾斜サーボトラック61と垂直サーボトラック62の両方を読み取ることができる。
なお、本実施の形態では、例えば図1に示す矢印X1に示す方向へ磁気ヘッド2を移動させる構成について説明したが、磁気テープ5の移送速度が低下したり、磁気テープ5を矢印Bの反対方向へ移送させている時に移送速度が上昇したりした場合は、磁気ヘッド2を矢印X2に示す方向へ移動させることで、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、図2に示すように磁気ヘッド2とVCM25とをピエゾステージ26でX軸方向へ移動させる構成としたが、磁気ヘッド2と磁気ヘッド2をX軸方向へ移動させる手段とを、Y軸方向へ移動させる手段に搭載する構成としてもよい。例えば、磁気ヘッド2の側面にX軸方向移動用のVCMを備え、そのVCMをY軸方向に移動可能に配置したピエゾステージまたはVCMに固定することで、磁気ヘッド2のX軸方向の移動はX軸方向移動用VCMで行い、磁気ヘッド2のY軸方向の移動は磁気ヘッド2とX軸方向移動用VCMとを一体的にY軸方向へ移動させるピエゾステージで行うことができる。
また、本実施の形態の磁気テープは、図3に示すように傾斜サーボトラック61を3本備え、垂直サーボトラック62を2本備えた構成としたが、垂直サーボトラック62を3本備え、傾斜サーボトラック61を2本備える構成としてもよい。また、サーボトラックの全本数は、本実施の形態のように5本に限らない。サーボトラックの本数が如何なる本数であっても、少なくとも傾斜サーボトラック61と垂直サーボトラック62とがテープ幅方向に交互に配置されていれば、本実施の形態と同様の動作を行うことができる。
また、垂直サーボトラック62に形成されたストライプは、図3に示すように長方形状としかつその長辺が磁気テープ5の長手方向に対して垂直となるように形成されているが、必ずしも長方形状である必要はなく、また必ずしも磁気テープ5の長手方向に対して垂直に形成する必要はなく、少なくとも磁気テープ5の長手方向に隣り合うストライプ同士が平行であればよい。例えば、全て同一方向に傾斜して形成されていても、本実施の形態と同様に磁気テープ5の速度検出を行うことができる。
また、本実施の形態における磁気ヘッド2とVCM25とピエゾステージ26とで構成されるユニットは、本発明の磁気ヘッド装置の一例である。また、本実施の形態における制御部31は、本発明の制御手段の一例である。また、本実施の形態におけるVCM25及び第1のヘッド駆動部32は、本発明の第1のヘッド駆動手段の一例である。また、本実施の形態におけるピエゾステージ26及び第2のヘッド駆動部33は、本発明の第2のヘッド駆動手段の一例である。
本発明の磁気テープ装置および磁気ヘッド装置は、コンピュータ用のデータストレージシステムに有用である。また、本発明の磁気テープは、コンピュータ用のデータストレージシステムにおける情報媒体として有用である。
実施の形態における磁気テープカートリッジが装着された磁気テープ装置の構成を示す模式図 磁気ヘッドの構成を示す斜視図 磁気テープの構成を示す模式図 磁気テープ装置における磁気ヘッドを移動制御する構成を示すブロック図 磁気テープ装置における磁気ヘッドの移動制御の流れを示すフローチャート (a)は垂直サーボトラックに形成されたストライプの要部模式図、(b)は垂直サーボトラックに形成されたストライプに基づき再生されたサーボ信号の波形図 (a)は磁気テープの速度変化を示すグラフ、(b)は垂直サーボトラックに形成されたストライプに基づき再生されたサーボ信号の波形図 垂直サーボトラックに形成されたストライプとサーボヘッドとの位置関係を示す模式図 垂直サーボトラックに形成されたストライプとサーボヘッドとの位置関係を示す模式図 垂直サーボトラックに形成されたストライプとサーボヘッドとの位置関係を示す模式図 垂直サーボトラックに形成されたストライプとサーボヘッドとの位置関係を示す模式図 垂直サーボトラックに形成されたストライプに基づき再生されたサーボ信号の波形図 従来の磁気テープカートリッジが装着された磁気テープ装置の構成を示す模式図 (a)は、磁気テープの速度変化を示す図であり、(b)はサーボパターンの構成を示す模式図、(c)は(b)に示すサーボパターンに基づき再生されたサーボ信号の波形図 (a)は、磁気テープの速度変化を示す図であり、(b)はサーボパターンの構成を示す模式図、(c)は(b)に示すサーボパターンに基づき再生されたサーボ信号の波形図
符号の説明
2 磁気ヘッド
21 第1のサーボヘッド
22 第2のサーボヘッド
23 データヘッド
24 ベース
25 VCM
26 ピエゾステージ
31 制御部
32 第1のヘッド駆動部
33 第2のヘッド駆動部

Claims (1)

  1. 磁気テープに記録されているサーボ信号を再生可能なサーボヘッドと、前記磁気テープに対してデータ信号を記録または再生可能なデータヘッドとを備えた磁気ヘッドと、
    前記サーボヘッドで再生されたサーボ信号に基づき前記磁気テープの幅方向の走行位置を検出し、前記走行位置に基づき前記磁気ヘッドの移動量を算出する制御手段と、
    前記制御手段で算出した移動量に基づき、前記磁気ヘッドを前記磁気テープの幅方向へ移動させることが可能な第1のヘッド駆動手段とを備えた磁気テープ装置であって、
    前記磁気ヘッドを前記磁気テープの長さ方向へ移動させることが可能な第2のヘッド駆動手段を備え、
    前記サーボヘッドは、
    互いに異なる方向に傾斜した複数のストライプが長さ方向に並んで形成された第1のサーボトラックと、互いに平行な複数のストライプが長さ方向に並んで形成された第2のサーボトラックとを備えた前記磁気テープに対向した時に、前記第1のサーボトラックをトレース可能な第1のサーボヘッドと、前記第2のサーボトラックをトレース可能な第2のサーボヘッドとを備え、
    前記制御手段は、
    前記第2のサーボヘッドで前記第2のサーボトラックをトレースすることにより再生されたサーボ信号に基づき前記磁気テープの移送速度の変動量を検出し、検出した移送速度の変動量から前記磁気テープと前記磁気ヘッドとの相対位置のずれ量を算出し、前記ずれ量がゼロに近づくように前記磁気ヘッドを前記磁気テープの長さ方向へ移動させるよう前記第2のヘッド駆動手段を制御する、磁気テープ装置。
JP2008118602A 2008-04-30 2008-04-30 磁気テープ装置 Active JP5133124B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008118602A JP5133124B2 (ja) 2008-04-30 2008-04-30 磁気テープ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008118602A JP5133124B2 (ja) 2008-04-30 2008-04-30 磁気テープ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009271951A JP2009271951A (ja) 2009-11-19
JP5133124B2 true JP5133124B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=41438382

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008118602A Active JP5133124B2 (ja) 2008-04-30 2008-04-30 磁気テープ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5133124B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117976007A (zh) * 2022-10-26 2024-05-03 华为技术有限公司 驱动器、磁带装置和磁带存储系统

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01122018A (ja) * 1987-11-06 1989-05-15 Sharp Corp 磁気記録再生装置
US5448430A (en) * 1993-08-05 1995-09-05 International Business Machines Corporation Track following servo demodulation
US6873487B2 (en) * 2001-11-26 2005-03-29 Imation Corp. Hybrid servopositioning systems
JP2003173590A (ja) * 2001-12-07 2003-06-20 Fuji Photo Film Co Ltd 信号記録用テープの走行速度測定方法
JP2005267684A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Sony Corp 磁気ヘッド装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009271951A (ja) 2009-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4278001B2 (ja) 磁気テープの記録再生方法および記録再生装置
US20060092547A1 (en) Method and a device for recording and reproducing data onto and from a magnetic tape
JP5357185B2 (ja) サンプリング率を増加させることにより縦方向にシフトしたサーボ・パターンを利用して横方向位置を維持するテープ駆動装置
JP5080339B2 (ja) ヘッドトラッキングサーボ方法、記録再生装置、磁気テープ、および磁気テープカートリッジ
US20060103968A1 (en) Dynamic skew compensation systems and associated methods
US7116514B2 (en) Methods and systems for magnetic recording
US7440231B2 (en) Single reel tape cartridge having guide surface
JP5133124B2 (ja) 磁気テープ装置
Biskeborn et al. Hard-disk-drive technology flat heads for linear tape recording
JP4404038B2 (ja) リニアテープおよびリニアテープのドライブ装置およびリニアテープのサーボパターン書き込み装置
US7474498B2 (en) Tape recording system
JP2023553015A (ja) データ・ストレージ・システムおよび磁気テープ記録媒体
JP5537593B2 (ja) データ記録方法、データ記録装置、及び記録媒体
JP2010009725A (ja) サーボ信号記録装置、磁気テープ装置、磁気テープ
JPH03203071A (ja) 磁気ディスク装置におけるサーボ信号書き込み方法およびサーボディスク媒体
US7012786B2 (en) Magnetic head
US11605399B2 (en) High-precision servo system for advanced magnetic tape storage system
JPH0546961A (ja) 磁気記録再生装置
JP2005259232A (ja) 磁気テープの記録再生方法および記録再生装置
US7446975B2 (en) Servo writer
JP2013229085A (ja) 磁気テープ駆動装置
Poorman 2.2 Tape Transport Technology
JP2006107637A (ja) 磁気記録再生装置及び磁気記録再生方法
JPH0782625B2 (ja) 磁気記録再生装置のトラッキング制御装置
JP2009271952A (ja) 磁気テープカートリッジ、磁気テープ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121018

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5133124

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250