JP5131927B2 - Rpn2遺伝子発現抑制剤の用途 - Google Patents

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Description

本発明は、RPN2遺伝子発現抑制剤の用途、すなわちガン細胞増殖抑制剤、このガン細胞増殖抑制剤を含む抗ガン剤、およびRPN2遺伝子発現抑制剤の使用方法に関する。
タキサン類(ドセタキセル、パクリタキセル)は乳ガン、肺ガン、胃ガンなどの治療に用いられる抗ガン剤の一つであり、例えばドセタキセルはガン、特に乳ガンの治療のために最も有効な抗ガン剤の一つである(非特許文献1、非特許文献2)。外科手術前にドセタキセルを投与することで、腫瘍サイズを縮小させ、手術の成功率を高めることができることから、ネオアジュバント(neoadjuvant)として使用されている。
ドセタキセル等のタキサン類(タキサン系化合物)は微小管の動態を阻害することによって作用し、それによって細胞を細胞分裂のM期に停止させ、続いてアポトーシスのプログラムを活性化することが報告されている(非特許文献2〜5)。
Heys, S.D.ら, Clinical breast cancer, 2002, Suppl 2, p.S69-74 Jordan, M.A.ら, Current medicinal chemistry. Anti-cancer agents, 2002, 第2巻, p.1-17 Rao, S.ら, Journal of the National Cancer Institute, 1992, 第84巻, p.785-788 Schiff, P.B.ら, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 1980, 第77巻, p.1561-1565 Stein, C.A., Seminars in oncology, 1999, 第26巻, p.3-7
ところで、タキサン類は非常に有効な抗ガン剤でありながら、乳ガン患者の約半分はタキサン類による化学療法に応答せず、投与による副作用を生じるのみであることが知られている。
そこで、本発明者等は、治療に対する応答性を示す(タキサン類による化学的治療が有効である)乳ガン由来のサンプル(以下、「応答性サンプル」という)および応答性を示さない(タキサン類による化学的治療が無効である)乳ガン由来のサンプル(以下、「非応答性サンプル」という)にて、遺伝子発現プロファイル解析を行い、特定の遺伝子の発現が非応答性サンプルにて共通して高いことを見出し、およびこの知見に基づき当該特定の遺伝子の発現と化学的治療の有効性との関係について鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜()を提供する。
(1)RPN2遺伝子発現抑制剤を含むガン細胞増殖抑制剤であって、前記RPN2遺伝子発現抑制剤が、RPN2遺伝子の所定の配列に対応する配列を有するsiRNAである、ガン細胞増殖抑制剤
(2)RPN2遺伝子発現抑制剤および抗ガン作用を示す薬剤を含むガン細胞増殖抑制剤であって、前記RPN2遺伝子発現抑制剤が、RPN2遺伝子の所定の配列に対応する配列を有するsiRNAである、ガン細胞増殖抑制剤
(3)(1)項または(2)項に記載のガン細胞増殖抑制剤において、アテロコラーゲンをさらに含むことを特徴とするガン細胞増殖抑制剤;
(4)(2)項または(3)項に記載のガン細胞増殖抑制剤において、抗ガン作用を示す薬剤が、タキサン類から選ばれる少なくとも一つであるガン細胞増殖抑制剤;
)(2)項または(3)項に記載のガン細胞増殖抑制剤において、抗ガン作用を示す薬剤が、白金製剤から選ばれる少なくとも一つであるガン細胞増殖抑制剤;
)(1)項から()項のいずれか一項に記載のガン細胞増殖抑制剤において、ガン細胞増殖抑制剤は、ガン化した細胞のアポトーシスを促進することを特徴とするガン細胞増殖抑制剤;
)(1)項から()項のいずれか一項に記載のガン細胞増殖抑制剤を含む抗ガン剤。
本発明によれば、RPN2遺伝子発現抑制剤の新規用途が提供される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
薬剤非応答性細胞における表1に示す各遺伝子を標的とするsiRNAの導入による対応遺伝子の細胞増殖抑制率を示すグラフである。 薬剤非応答性細胞における表1に示す各遺伝子を標的とするsiRNA導入による対応遺伝子のアポトーシス誘導率を示すグラフである。 siRNAにより誘導されたアポトーシス細胞の割合を示すグラフである。 細胞核ヘキスト染色により、アポトーシス細胞を観察した図である。 siRNAにより抑制されたRPN2遺伝子の発現量を示すグラフである。 ヌードマウスにおける腫瘍増殖試験のプロトコールを示す図である。 図6にて行った試験の結果を示すグラフである。 ヌードマウスにおけるRPN2遺伝子発現抑制試験の結果を示すグラフである。 ヌードマウスにおけるRPN2遺伝子発現抑制試験の結果を示すグラフである。 ヌードマウスにおけるアポトーシス誘導試験の結果を示す図である。 薬剤の非存在下におけるRPN2遺伝子発現抑制試験の結果を示すグラフである。 他の薬剤に対して非応答性を示すガン細胞におけるRPN2遺伝子発現抑制試験の結果を示すグラフである。 ヒト肝臓ガン細胞におけるRPN2遺伝子発現抑制試験の結果を示すグラフである。5回試験を行って、平均をとった。 様々な配列のdsRNAを用いたヒト大腸ガン細胞におけるRPN2遺伝子発現抑制試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明者らにより、ガン患者から採取したガン化された細胞に抗ガン作用を示す薬剤、例えばタキサン類から選ばれる少なくとも一つ、例えばドセタキセル、パクリタキセルなどを作用させると、薬剤に対して応答性を示すガン化細胞と、示さないガン化細胞とに分かれることが、確認されている。また、この薬剤に対して応答性を示さないガン化細胞において、遺伝子発現変動を調べたところ、RPN2遺伝子をはじめとする種々の遺伝子発現レベルの上昇が見られた。
そこで、発現レベルの上昇が見られた遺伝子のサイレンシング実験を行うことによりガン化細胞の薬剤応答性についてスクリーニングしたところ、薬剤応答性を示さないガン化細胞においてRPN2遺伝子発現を抑制したときに、これらガン化細胞において薬剤応答性が観察される、すなわちガン化細胞に抗ガン作用を示す薬剤によるアポトーシスが促進されるという知見を得た。
一方、ガン化細胞に抗ガン作用を示す薬剤を併用しなくても、RPN2遺伝子発現を抑制させるだけで、このガン化細胞のアポトーシスが促進されるという知見も得られた。
そこで一つの側面から見ると、本発明は、RPN2遺伝子発現抑制剤を含み、あるいはRPN2遺伝子発現抑制剤および前述したような抗ガン作用を示す薬剤を含むガン細胞増殖抑制剤を提供するものである。
ここで、抗ガン作用を示す薬剤としては、タキサン類等の微小管作用薬だけでなく、代謝拮抗剤、DNAアルキル化剤、DNA結合剤(白金製剤)、抗ガン性抗生物質などが挙げられる。具体的には、塩酸アムルビシン、塩酸イリノテカン、イホスファミド、エトポシド、ゲフィニチブ、シクロフォスファミド、シスプラチン、トラスツズマブ、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、メシル酸イマチニブ、メソトレキサート、リツキシマブ、アドリアマイシンなどが挙げられる。また、これら抗ガン性を示す薬剤を、単独で用いてもよいし、2種以上併用して用いてもよい。
また、適用可能なガン細胞としては、乳ガン細胞、胃ガン細胞、大腸ガン細胞、肺ガン細胞、前立腺ガン細胞、血球系ガン細胞などの多種多様なガン細胞が挙げられる。
ここで、RPN2(ribophorin II)は、細胞内小胞に存在し、たんぱく質の糖鎖付加に関与する糖転移化酵素複合体の構成分子(サブユニット)の一つである。この酵素の活性には、STT3からなるサブユニットが必須であることが知られているが、RPN2に関しては機能が明らかにされていない。また、RPN2遺伝子とは、このRPN2サブユニットをコードする遺伝子であり、配列番号1に示した塩基配列を有するものである。
また、RPN2遺伝子発現抑制剤とは、RPN2遺伝子の発現を抑制する薬剤であって、低分子化合物、例えばRNA干渉によりRPN2遺伝子の発現を抑制する低分子化合物である。
ここで、RNA干渉とは、低分子のnon-coding二重鎖(ds)RNA分子により配列特異的に遺伝子発現を抑制する現象をいい、例えばsi(small interfering)RNAによる標的mRNAの切断、siRNAによる標的DNA領域のヘテロクロマチン化を介した遺伝子サイレンシング、mi(micro)RNAによる翻訳抑制、転写抑制、mRNAの分解等を指す。
siRNAは、対象遺伝子であるRPN2遺伝子の配列に基づいて配列設計をすることができ、人工合成可能であるという観点から、本発明の実施形態において好ましく用いられる。
すなわち、RPN2遺伝子発現抑制剤として用いられる低分子化合物が、RPN2遺伝子の所定の配列に対応する配列、すなわち標的となるmRNAの一部の配列に対応する配列を有するsiRNAであることが好ましい。この配列の一具体例としては、配列番号1に示したRPN2遺伝子配列の中の1194番目から1212番目までの配列(配列番号2)に対して、センス鎖となる配列番号3のRNAおよびアンチセンス鎖となる配列番号4のRNAからなるdsRNAが挙げられる。このdsRNAにおいて、各鎖の3'末端には、2塩基のオーバーハングが存在するため、二重鎖部分は19塩基長となる。
このようなsiRNAは、化学的に合成され、例えばDNA化学合成でも使用されるホスホアミダイト法により、3'末端から5'末端に向かって一塩基ずつ順番に縮合反応させることにより得られる。ただし、合成過程でRNaseによる分解を防ぐために、個々のリボヌクレオチドの2'末端の水酸基を保護して行う。この保護基としては、2'-O-t-butyldimethylsilyl(2'-tBDMS)基、2'-O-triisopropylsilyloxymethyl(2'-TOM)基、5'-silyl-2'-acetoxyethoxy(2'-ACE)基などが挙げられる。
ここで、siRNAによる標的mRNAの切断は、以下の反応機構で進むことが考えられる。
siRNA二本鎖が、細胞内のたんぱく質複合体RISC(RNA-induced Silencing Complex)に取り込まれて結合し、センス鎖が脱離する。続いて、標的mRNAがRISCに取り込まれ、RISCに結合したアンチセンス鎖が、当該mRNAの相補的配列を認識して結合する。さらに、アンチセンス鎖と結合したmRNAが、特異的に切断される。
例えば、mRNAに作用し、遺伝子発現を抑制する方法として、mRNAに相補的なアンチセンス鎖を結合させ、タンパク質への翻訳を阻害するアンチセンス法が知られているが、人工アンチセンス核酸は、mRNAの高次構造の影響により標的部位に有効に結合できない場合があるため活性が弱いという問題点があった。
一方、siRNAを用いたRNA干渉の場合には、mRNAの高次構造に無関係に作用することで、mRNAの局所的な構造に依存して活性が弱くなるという問題が低減される。
また、miRNAは、タンパク質をコードしない低分子RNAであり、ゲノム上に数百種類存在することが知られている。miRNAは、数百から数千塩基のヌクレオチドとして転写された後にプロセシングを受け、最終的には19〜24塩基の2量体ヌクレオチドとなり、このmiRNAと相補的な塩基配列を持つmRNAの翻訳抑制や、mRNAの分解、転写の制御等により遺伝子発現を抑制する。RPN2も複数のmiRNAによって発現が制御されることが知られていることから、このようなmiRNAを人工的に合成し、使用することによりRPN2遺伝子発現を抑制することが可能となる。RPN2遺伝子の発現を抑制する可能性のある既知のmiRNAの配列は公開データベース(TargetScan Release3.1など)により検索することができる。
また、もう一つの観点から、本発明は、ガン細胞増殖抑制剤のドラッグデリバリーシステムを提供する。すなわち、前述したガン細胞増殖抑制剤において、アテロコラーゲンをさらに含む。
ここで、アテロコラーゲンとは、酵素可溶化コラーゲンおよびその修飾物のことをいう。修飾物としては、側鎖アミノ基、カルボキシル基の化学修飾、あるいは化学的・物理的架橋物を用いることができる。また、ウシ、ブタ、ウマ、ヒトなどの哺乳動物、鳥、魚類を由来とするいずれのコラーゲンも用いることが可能であるが、使用される環境の温度で変化しない熱安定性を持つことが望ましい。具体的には、哺乳動物、鳥由来のコラーゲン、もしくは培養細胞からの産生、またはそれらの遺伝子組み換えにより得られたコラーゲンを用いることができる。コラーゲンの型については、特に制限はないが、入手の容易さよりI、II、III型などを使用することができる。
このようなアテロコラーゲンの併用により、標的となる細胞にガン細胞増殖抑制剤を効率よく送達し、当該細胞に効率よく取り込ませることができる。
別の観点から、本発明は、前述したRPN2遺伝子発現抑制剤の用途を提供する。
例えば、RPN2遺伝子発現抑制剤は、必要に応じてアテロコラーゲンとともに、ガン患者に投与され、ガン化された細胞のアポトーシスを促進させる抗ガン剤として用いることができる。あるいは、ガン患者に抗ガン作用を示す薬剤および必要に応じてアテロコラーゲンとともに投与され、ガン化された細胞のアポトーシスを促進する抗ガン剤として用いることができる。なお、RPN2遺伝子発現抑制剤の細胞への作用はアポトーシスの促進に限られるものではなく、最終的に細胞死を誘発したり、細胞増殖を抑制することができれば、ガン細胞増殖抑制剤として有用である。
すなわち、本発明は、RPN2遺伝子発現抑制剤の抗ガン剤としての使用方法、およびRPN2遺伝子発現抑制剤の抗ガン作用を示す薬剤を併用した抗ガン剤としての使用方法を提供する。また、さらなる観点から、本発明は、前述したガン細胞増殖抑制剤を含む抗ガン剤を提供する。
このような用途において、RPN2遺伝子発現抑制剤、薬剤、アテロコラーゲンの使用量は、投与方法、腫瘍の種類、大きさによって異なるが、例えばRPN2遺伝子発現抑制剤については局所投与では1nmol/kg以上10nmol/kg以下、全身投与では2nmol/kg以上50nmol/kg以下が望ましい。また、薬剤を用いる場合には、薬剤の使用量はそれぞれ薬剤単独で用いた場合の使用量を前提に定めることが望ましい。アテロコラーゲンと併用する場合には、このアテロコラーゲンの濃度は例えば局所投与では1mg/ml(w/vol)以上50mg/ml(w/vol)以下、全身投与では0.1mg/ml(w/vol)以上30mg/ml(w/vol)以下が望ましく、その使用量はRPN2遺伝子発現抑制剤との混合後、局所投与で5ml以上100ml以下、全身投与で10ml以上500ml以下が望ましい。
このような用途によれば、RPN2遺伝子発現抑制剤を、必要に応じて抗ガン作用を示す薬剤と併用して、ガン化細胞のアポトーシスを促進させる等の機序で細胞死を誘発させ、又は細胞増殖を抑制させることにより、結果としてガンの治療を行うことが可能になる。
本発明は、以下の態様も含む。
(1)RPN2遺伝子発現抑制剤を含むガン細胞増殖抑制剤。
(2)RPN2遺伝子発現抑制剤および抗ガン作用を示す薬剤を含むガン細胞増殖抑制剤。
(3)(1)または(2)に記載のガン細胞増殖抑制剤において、アテロコラーゲンをさらに含むことを特徴とするガン細胞増殖抑制剤。
(4)(1)または(2)に記載のガン細胞増殖抑制剤において、前記RPN2遺伝子発現抑制剤が、低分子化合物であるガン細胞増殖抑制剤。
(5)(4)に記載のガン細胞増殖抑制剤において、前記RPN2遺伝子発現抑制剤が、RNA干渉によりRPN2遺伝子の発現を抑制する低分子化合物であるガン細胞増殖抑制剤。
(6)(5)に記載のガン細胞増殖抑制剤において、前記低分子化合物が、RPN2遺伝子の所定の配列に対応する配列を有するsiRNAであるガン細胞増殖抑制剤。
(7)(2)に記載のガン細胞増殖抑制剤において、前記抗ガン作用を示す薬剤が、タキサン類から選ばれる少なくとも一つであるガン細胞増殖抑制剤。
(8)(2)に記載のガン細胞増殖抑制剤において、前記抗ガン作用を示す薬剤が、白金製剤から選ばれる少なくとも一つであるガン細胞増殖抑制剤。
(9)(1)から(8)のいずれか一項に記載のガン細胞増殖抑制剤において、当該ガン細胞増殖抑制剤は、ガン化した細胞のアポトーシスを促進することを特徴とするガン細胞増殖抑制剤。
(10)(1)から(9)のいずれか一項に記載のガン細胞増殖抑制剤を含む抗ガン剤。
(11)RPN2遺伝子発現抑制剤の抗ガン剤としての使用方法。
(12)RPN2遺伝子発現抑制剤の抗ガン作用を示す薬剤を併用した抗ガン剤としての使用方法。
(13)(11)または(12)に記載の使用方法において、アテロコラーゲンをさらに併用することを特徴とするRPN2遺伝子発現抑制剤の使用方法。
以下に、本発明を試験例に基づいて説明するが、本発明はこれら試験例に限定されることはない。
(試験例1)細胞増殖抑制試験
(1)アテロコラーゲンセルトランスフェクションアレイの作製
抗ガン作用を示す薬剤としてドセタキセルを作用させて薬剤非応答性を示した患者のガン組織において、ATAC−PCR解析(国際公開第2005/003352号パンフレット)を行った結果、発現上昇が認められた以下の36遺伝子についてsiRNAを合成した。
続いて、特開2006−6262号公報に記載の方法に基づいて、アテロコラーゲン((株)高研製)および各遺伝子に対応するsiRNAの混合物を、96穴マイクロプレートにコーティングし、siRNAをリバーストランスフェクションできるアテロコラーゲンセルトランスフェクションアレイを作製した。
(2)細胞の樹立
乳ガン細胞MCF7を親株とする多剤耐性乳ガン細胞株であるMCF7-ADRに、ルシフェラーゼ遺伝子(GL3)を導入し、安定形質発現させた細胞株MCF7-ADR-LUCを得た。
(3)細胞増殖抑制率およびsiRNAの導入効率の測定
(1)で作製したアレイに、(2)で得たMCF7-ADR-LUC細胞を、4×103細胞数/ウェルにて播種し、1nMドセタキセル(DOC)存在下で3日間培養した。生細胞にルシフェリンを添加しその発光値から、細胞の増殖抑制率およびルシフェラーゼsiRNAの導入効率を測定した。
細胞の増殖抑制率は、コントロールsiRNA(配列番号5のセンス鎖および配列番号6のアンチセンス鎖からなるdsRNA)を100%として算出した。結果を図1に示す。なお、図1において横軸は、表1に示した遺伝子番号(No.)に対応する。図1によれば、RPN2遺伝子(No.12)のほかにもいくつかの遺伝子において、各遺伝子に対応するsiRNAの導入により細胞増幅が抑制された。
また、siRNA導入効率は、各遺伝子に対応するsiRNAとは別にルシフェラーゼsiRNA(GL3siRNA:配列番号7のセンス鎖および配列番号8のアンチセンス鎖からなるdsRNA)の導入によるルシフェラーゼ活性の抑制率で評価した。なお、ルシフェラーゼ活性は、ルシフェリン(最終濃度0.5mM:プロメガ社)を培地に添加して、その直後に発光プレートリーダ(ARVO:パーキンエルマー社)により測定した。GL3siRNAの導入により、ルシフェラーゼ活性は、前記コントロールsiRNAと比較して、80%抑制されていた。
(試験例2)アポトーシス誘導試験
試験例1にてルシフェラーゼ活性を測定した後のプレートに対して、アポトーシス測定用の試薬を添加して、Caspase活性を測定した。すなわち、プロメガ社推奨のプロトコール(Apo-ONE Homogeneous Caspase-3/7 Assay)にしたがってアッセイし、試薬を添加して90分後に蛍光プレートリーダ(ARVO:パーキンエルマー社)により測定した。Caspase活性化率は、前記コントロールsiRNAを0%として算出した。
また、Caspase活性のほかに、ヘキスト染色による観察(細胞をPBS(-)で洗浄後、4% PFA - 0.1% Triton X-100 - 1 mg/ml Hoechst 33342 / in PBS(-)を添加し、室温で20分間固定、染色。PBS(-)で洗浄後、蛍光顕微鏡下で観察。)によりアポトーシス誘導を調べた。
結果を図2に示す。図2によれば、RPN2遺伝子に対するsiRNA(RPN2siRNA)の導入によりCaspase活性が強く誘導された。また、ヘキスト染色により、RPN2siRNAを導入した細胞とコントロールsiRNAを導入した細胞におけるアポトーシス細胞の割合(Apoptotic cells(%))を比較したところ、図3に示したように、有意な差異が見られた。すなわち、RPN2siRNAの導入により、アポトーシスが誘導されることが示唆された。
図4には、ヘキスト染色による核形態の観察結果を示す。図4(a)にはRPN2siRNAを導入した系での結果を示し、図4(b)にはどの遺伝子の発現をも抑制しないコントロールsiRNAを導入した系での結果を示す。図4によれば、その核形態の変化(凝縮、断片化)から、RPN2siRNAを導入したときにアポトーシスが誘導されることが示唆された。
(試験例3)RPN2遺伝子発現抑制試験
試験例1(1)にて作製したアテロコラーゲンセルトランスフェクションアレイに、MCF7-ADR-Luc細胞を播種して3日後に、細胞溶解物から直接cDNAを合成し、リアルタイムPCRを行って、RPN2遺伝子発現量を調べた(SuperScript III Platinum CellsDirect Two-Step qRT-PCR: invitrogen)。
結果を図5に示す。図5によれば、RPN2siRNA(配列番号3のセンス鎖および配列番号4のアンチセンス鎖からなるdsRNA)の導入により、RPN2遺伝子の発現が約25%に抑制されたことが認められた。
(試験例4)ヌードマウスにおける腫瘍増殖試験
図6に示したプロトコールにしたがって、ヌードマウス(4週齢、メス)の乳腺脂肪体(fat pad)に100μlのPBS(-)にけん濁した1×107個のMCF7-ADR-Luc細胞を移植した。腫瘍径が約5mmに達した7日後に、siRNAおよびDOCを投与した。ここで、アテロコラーゲンは最終濃度5mg/ml(w/vol)、siRNAは腫瘍あたり1nmolとして混合後、アテロコラーゲン((株)高研製)/siRNAの200μlを腫瘍内投与した。同時にドセタキセル20mg/kgを腹腔内投与した。7日後に腫瘍径を測定し、腫瘍体積を比較した。
結果を図7に示す。図7によれば、RPN2siRNAおよびDOCを投与した結果、コントロールsiRNAに比べ有意に腫瘍の縮小が認められた。DOCに対して非応答性を示した細胞においても、RPN2siRNAの投与により、DOCへの応答性が獲得されたと考察される。
(試験例5)ヌードマウスにおけるRPN2遺伝子発現抑制試験
ヌードマウス(4週齢、メス)の乳腺脂肪体(fat pad)に100μlのPBS(-)にけん濁した1×107個のMCF7-ADR-Luc細胞を移植し、7日後にRPN2siRNAおよびDOCを投与した。ここで、アテロコラーゲンは最終濃度5mg/ml(w/vol)、RPN2siRNAは腫瘍あたり1nmolとして混合後、アテロコラーゲン/siRNAの200μlを腫瘍内投与した。同時にドセタキセル20mg/kgを腹腔内投与した。1日後に腫瘍を採取してトータルRNAを単離し、real-time RT-PCR(SYBR ExScript RT-PCR Kit: TaKaRa, LightCycler Real-Time PCR System: Roche社)でRPN2遺伝子の発現量を測定した。
結果を図8に示す。図8によれば、RPN2siRNA投与群は、コントロールsiRNA投与群と比べ、RPN2遺伝子の発現が約20%抑制されていた。なお、標準偏差は非常に小さいため、グラフ上に表現されていない。
(試験例6)ヌードマウスにおけるRPN2遺伝子発現抑制試験
試験例5において、ヌードマウス(4週齢、メス)の乳腺脂肪体(fat pad)にMCF7-ADR-Luc細胞を移植して、6週間後にRPN2siRNAおよびDOCを投与した以外は、試験例5と同様の方法で、RPN2遺伝子の発現量を測定した。
結果を図9に示す。図9によれば、RPN2siRNA投与群は、コントロールsiRNA投与群と比べ、RPN2遺伝子の発現が約40%抑制されていた。
(試験例7)ヌードマウスにおけるアポトーシス誘導試験
ヌードマウス(4週齢、メス)の乳腺脂肪体(fat pad)に100μlのPBS(-)にけん濁した 1×107個のMCF7-ADR-Luc細胞を移植し、6週間後にsiRNAおよびDOC、あるいはsiRNAのみを投与した。アテロコラーゲンは最終濃度5mg/ml(w/vol)、siRNAは腫瘍あたり1nmolとして混合後、 アテロコラーゲン/siRNAの200μlを腫瘍内投与した。同時にドセタキセル20mg/kgを腹腔内投与した。4日後に腫瘍を採取し、TUNEL染色(In Situ Cell Death Detection Kit: Roche社)した。核をDAPI(4',6-diamidino-2-phenylindole)で対比染色した。
結果を図10に示す。図10によれば、DOCおよびRPN2siRNAの両方を投与した群については、多くのアポトーシス細胞が認められた。
(試験例8)
試験例1(1)にて作製したアテロコラーゲンセルトランスフェクションアレイに、抗ガン性を示す薬剤の存在下あるいは非存在下でMCF7-ADR-Luc細胞を播種して3日後に、試験例2に記載の要領でCaspase活性を測定した。
結果を図11に示す。図11によれば、DOCの非存在下であっても、RPN2siRNAを投与した群について、アポトーシスが誘導されることが示唆された。
(試験例9)
ヒト肺ガン(小細胞ガン、分化型腺ガン)の細胞株であり、抗ガン性を示す薬剤であるシスプラチン耐性のPC-9/CDDP細胞について、RPN2siRNAを投与してRPN2遺伝子発現を抑制した後、シスプラチン(0.3μM)の存在下あるいは非存在下で3日間培養した。その後、試験例2に記載の要領でCaspase活性を測定した。なお、比較するために、どの遺伝子の発現をも抑制しないコントロールsiRNAを導入した系でも同様の試験をした。
結果を図12に示す。図12によれば、コントロールの系では、シスプラチン(Cis)の非投与(Cis−)、投与(Cis+)の両方でCaspase活性に差異は見られなかったが、RPN2siRNAを導入した系では、シスプラチンの投与、非投与にかかわらず、アポトーシスが誘導されることが示唆された。RPN2siRNAを導入した系ではシスプラチンの投与群において有意にアポトーシスが誘導され、細胞死が確認された。シスプラチン非投与群においてもアポトーシスの上昇は認められたが、シスプラチン投与群に比して軽微であった。また、白金製剤としてシスプラチンを用いた例を示したが、シスプラチンよりも毒性を低減させた他の白金製剤、例えばカルボプラチンなどにおいても同じような傾向を示すと考えられる。
なお、各試験例においては、乳ガン細胞のMCF7-ADRのRPN2遺伝子をサイレンシングしてガン化された細胞のアポトーシスの誘導が見られた例を挙げたが、他のRPN2遺伝子が高発現している細胞、例えば大腸ガン、食道ガン、卵巣ガン、乳ガン、肺ガンの細胞および組織においても、RPN2遺伝子をサイレンシングすることにより、抗ガン剤(ドセタキセルなどに)耐性となったガン化された細胞のアポトーシス誘導が見られる可能性がある。
また、抗ガン剤耐性を示す細胞株として、シスプラチン耐性を示すヒト肺ガン細胞のPC-9/CDDP細胞のRPN2遺伝子をサイレンシングしてガン化された細胞のアポトーシスの誘導が見られた例を挙げたが、その他にはPC-14細胞、SBC-3細胞、H69細胞などのヒト肺ガン細胞株、K562細胞(ヒト白血病細胞株)またはp388細胞(マウスリンパ球様細胞株)などを親株とする抗ガン剤耐性株、例えばPC-14/CDDP、SBC-3/CDDP、SBC-3/ADM、H69/CDDP、K562/ADM、p388/MMCなども知られている(ここで、CDDPはシスプラチン耐性、ADMはアドリアマイシン耐性、MMCはマイトマイシンC耐性を意味する)。これら抗ガン剤耐性細胞においても、RPN2遺伝子をサイレンシングすることによりアポトーシスが誘導される可能性がある。
以下に、siRNAによるヒト肝臓ガン、ヒト大腸ガンにおいて、RPN2遺伝子発現抑制の例を示す。
(試験例10)
ヒト肝臓ガンの細胞株であるHepG2を5000個/well、96ウェルプレートに播種した翌日、遺伝子導入試薬(Lipofectamine 2000:Invitrogen)を用いて、Invitrogen社推奨のプロトコールに従ってRPN2 siRNA(配列番号3のセンス鎖及び配列番号4のアンチセンス鎖からなるdsRNA)を導入し、RPN2遺伝子発現を抑制した。陰性対照としてコントロールsiRNA(配列番号5のセンス鎖及び配列番号6のアンチセンス鎖からなるdsRNA)を導入した。上記siRNAと同時にDOCを最終濃度1nMで添加した。3日間培養後、各wellの細胞の生存率を確認するために、生細胞の定量試薬(CellTiter-Glo substrate: Promega)を添加して、2分間撹拌し、10分静置後、発光プレートリーダー(ARVO: PerkinElmer)により発光を測定した。
結果は、無細胞ウェルの発光強度を除いた発光強度(RLU)として図13に示す。図13によれば、DOCに感受性を示すHepG2細胞においてRPN2 siRNAは単独でガン細胞の増殖抑制効果を示すとともに、DOCのガン細胞増殖抑制効果を増強する作用を示した。
(試験例11)
ヒト大腸ガンの細胞株であるHT29を500個/well、96ウェルプレートに播種した翌日、遺伝子導入試薬(Dermafect:Dermacon)を用いて、Dermacon社推奨のプロトコールに従って複数の配列のRPN2 siRNAを導入し、RPN2遺伝子発現を抑制した。陰性対照としてコントロールsiRNA(配列番号5のセンス鎖及び配列番号6のアンチセンス鎖からなるdsRNA)を導入した。3日間培養後、各wellの細胞の生存率を確認するために、生細胞の定量試薬(テトラカラーワン:生化学工業)を10μLずつ添加して、更に2〜3時間培養し、490nmにおける各ウェルの吸光度を測定した。
結果は、無細胞ウェルの吸光度を除いた、ΔOD490として図14に示す。試験で使用された複数のRPN2 siRNA(配列A〜L)はそれぞれ以下で示す配列を有する。なお、配列A〜Lは、表2に示したセンス鎖およびアンチセンス鎖からなるdsRNAである。
配列A(配列番号3のセンス鎖及び配列番号4のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列B(配列番号9のセンス鎖及び配列番号10のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列C(配列番号11のセンス鎖及び配列番号12のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列D(配列番号13のセンス鎖及び配列番号14のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列E(配列番号15のセンス鎖及び配列番号16のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列F(配列番号17のセンス鎖及び配列番号18のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列G(配列番号19のセンス鎖及び配列番号20のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列H(配列番号21のセンス鎖及び配列番号22のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列I(配列番号23のセンス鎖及び配列番号24のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列J(配列番号25のセンス鎖及び配列番号26のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列K(配列番号27のセンス鎖及び配列番号28のアンチセンス鎖からなるdsRNA);
配列L(配列番号29のセンス鎖及び配列番号30のアンチセンス鎖からなるdsRNA)
いずれの配列も単独でHT29細胞の増殖を抑制する作用を示した。

Claims (7)

  1. RPN2遺伝子発現抑制剤を含むガン細胞増殖抑制剤であって、前記RPN2遺伝子発現抑制剤が、RPN2遺伝子の所定の配列に対応する配列を有するsiRNAである、ガン細胞増殖抑制剤
  2. RPN2遺伝子発現抑制剤および抗ガン作用を示す薬剤を含むガン細胞増殖抑制剤であって、前記RPN2遺伝子発現抑制剤が、RPN2遺伝子の所定の配列に対応する配列を有するsiRNAである、ガン細胞増殖抑制剤
  3. 請求項1または2に記載のガン細胞増殖抑制剤において、
    アテロコラーゲンをさらに含むことを特徴とするガン細胞増殖抑制剤。
  4. 請求項2または3に記載のガン細胞増殖抑制剤において、
    前記抗ガン作用を示す薬剤が、タキサン類から選ばれる少なくとも一つであるガン細胞増殖抑制剤。
  5. 請求項2または3に記載のガン細胞増殖抑制剤において、
    前記抗ガン作用を示す薬剤が、白金製剤から選ばれる少なくとも一つであるガン細胞増殖抑制剤。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載のガン細胞増殖抑制剤において、
    当該ガン細胞増殖抑制剤は、ガン化した細胞のアポトーシスを促進することを特徴とするガン細胞増殖抑制剤。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載のガン細胞増殖抑制剤を含む抗ガン剤。
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