JP5131671B2 - プロトン伝導度測定方法と装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プロトン伝導性を有する電解質、特に燃料電池用高分子電解質膜に対して電気伝導特性の評価を行うためのプロトン伝導度測定方法と装置に関するものである。
近年、固体高分子型燃料電池は、低温作動が可能で、出力密度が高く、小型化できるなどの特徴から次世代の携帯機器用電源、車載用電源、家庭用電源として注目されている。固体高分子型燃料電池で重要な基幹部分となるのがプロトン伝導性の高分子電解質膜であり、これまで多くの研究者により様々な電解質膜が開発されている。代表的な燃料電池用高分子電解質膜として、Nafion(登録商標), Dow(登録商標), Aciplex(登録商標), Flemion(登録商標)が挙げられる。
電解質膜の性能を評価する際、重要な指標となるのが、膜のプロトン伝導度である。一般に、燃料電池用高分子電解質膜のプロトン伝導度の測定は、「面内方向」への2端子測定法(非特許文献1)や4端子測定法(非特許文献2)にて行われている。電流電極間の電解質膜に一組の電圧電極を挿入した状態で測定を行う4端子法は、電圧電極の接触抵抗における電圧降下を無視できるため、一般に、2端子法に比べ精度良く測定できるとされている。
上記非特許文献1,2に記載のあるような等方的なプロトン伝導性を示す電解質膜では、面内方向の伝導度測定により評価することができる。しかし、延伸やホットプレスなどの工程で面内の縦横方向や膜厚方向に結晶構造などの異方性が生じたような膜(非特許文献3)あるいは膜厚方向にのみ導通経路を有する新規の異方導電性電解質膜では、面内方向ではなく「膜厚方向」の伝導度測定により評価しなければならない。このような現状から、近年、膜厚方向のプロトン伝導度を測定する必要性が高まっている。
膜厚方向のプロトン伝導度測定として、2端子法(非特許文献4)と4端子法(非特許文献5)が提案されている。膜厚方向の4端子法は、電流電極の間に積層した電解質膜を挟み、そして積層した膜の間に一組の電圧電極を配置しなければならず、作製に手間がかかり、利便性に乏しい。一方、膜厚方向の2端子法は、4端子法に比べ装置の作製が簡便で、容易に測定できるという利点がある。ここで、膜厚方向2端子法を適用した高分子電解質膜に対するプロトン伝導度測定方法について、図1を参照して以下に説明する。図1(a)において、プロトン伝導度が測定される際の電解質膜と電極との配置関係の側面図を示す。上記配置においては、電解質膜1〜3、電流電圧電極4,5が図示されている。図1(b)は、電解質膜の上部から観た平面図であり、電流電圧電極4と5の領域は、重なるように配置されている。尚、図1(a)においては、電解質膜と電極の位置関係が明確になるように、それぞれの間を開けて記載しているが、実際に測定を行う場合には、膜と電極とは接触して配置されている。
上記配置において電解質膜のプロトン伝導度を測定するには、交流波による電流が与えられた状態で電解質膜の膜厚方向の電圧が測定される。電流電圧電極間の距離をL、電極の接触面積をA、測定結果から得られる電解質膜の抵抗をRとすると、電解質膜のプロトン伝導度σは、下記式(1)より求められる。
σ=L/RA (1)
上記のように膜厚方向の2端子法は、電流電圧電極を膜の表裏面から挟むだけで接合体が作製でき、測定が簡便である。しかし、電極/電解質膜接合体作製における両電極のズレなどの装置作製欠陥が生じやすいため電解質膜と電極との接触状態や接触面積が安定せず、測定精度が低くなり、正確なプロトン伝導度を求めることが困難であるという問題がある。さらに、他の問題として電極間距離の不正確さが挙げられる。上記式(1)の電極間距離には、一般に、プロトン伝導度測定の前(もしくは後)に測定された膜厚が用いられる。しかし、実際のプロトン伝導度測定では、膜を電極で挟む際の荷重により接合部の電解質膜が変形するため、測定前(後)と測定中では膜厚(つまり、電極間距離)が異なり、誤差の大きいイオン伝導度を算出してしまうこととなる。
上記の異方導電性を示す電解質膜に対して正確な伝導性評価を行わなければならないことや、実際の固体高分子型燃料電池において電解質膜の電極配置が膜厚方向であることを考慮すると、簡便に再現性よく膜厚方向のプロトン伝導度を測定する方法が必要となる。しかし、上記の問題を解決した膜厚方向のプロトン伝導度測定方法は、これまで報告されていない。
Thomas A. Zawodzinski, et al., [Determination of Water Diffusion Coefficients in Perfluorosulfonate Ionomeric Membranes], J. Phys. Chem., 95, 6040-6044 (1991). Yoshitsugu Sone, et al., [Proton Conductivity of Nafion117 as Measured by a Four-Electrode AC Impedance Method], J. Electrochem. Soc., 143, 1254-1258 (1996). Kevin M. Cable, et al., [Anisotropic Ionic Conductivity in Uniaxially Oriented Perfluorosulfonate Ionomers], Chem. Maer., 7, 1601-1603 (1995). J. Halim, et al., [Characterization of Perfluorosulfonic Acid Membranes by Conductivity Measurements and Small-angle X-ray Scattering], Electrochimica Acta, 39, 1303-1307 (1994). Felix N. Buchi, et al., [Investigation of the Transversal Water Profile in Nafion Membranes in Polymer Electrolyte Fuel Cells], J. Electrochem. Soc., 148, A183-A188 (2001).
上述した膜厚方向の2端子法では、4端子法に比べ測定は簡便であるものの、電極/膜接合体における両電極のズレなどの作製欠陥の影響を受けやすく、正確に膜本体抵抗を読み出すことが難しいといった問題があった。さらに、環境制御下にある伝導度測定装置から電解質膜を取り外した後、膜厚計により電極間距離に相当する膜厚を測定しなければならず、環境変化に伴い測定誤差が生じることを考慮しなければならなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、膜厚方向の2端子法において、電極のズレを抑制することで測定抵抗値の再現性を向上させ、さらに伝導度測定と同時に電極間距離に相当する膜厚を正確に測定することで、より高い精度で簡便にプロトン伝導度測定を実現することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は下記の構成を有する。すなわち、電解質膜を挟む膜厚計上部と下部が電極となっていて、その一組の電極間に少なくとも2枚以上の補助電解質膜とその間に1枚あるいは複数枚の目的電解質膜を積層させて、合計3枚以上の膜厚方向のプロトン伝導度を測定する方法であり、同時に電極間距離に相当する膜厚を測定できることを特徴としている。
上記の構成によれば、一定トルク(加えられる特定の力)で電解質膜を挟むことにより電極と電解質膜との接触性が良好な状態で膜本体抵抗値を測定できるのみならず、膜厚計の上部と下部を電極とすることで電極面の中心位置がズレなくなったため、常に一定の接触面積を保持しながら正確な電極間距離を同時に測定できる。これにより、膜厚方向の2端子法において、再現性を向上させ、高い精度のプロトン伝導度測定を簡便に実施できることとなる。
本発明にかかる2端子法によるプロトン伝導度測定法は、電極と電解質の良好な接触性のもとで、膜本体抵抗値を測定できるのみならず、同時に電極間距離に相当する膜厚を正確に測定できることから、再現性の向上により高い精度のイオン伝導度を簡便に得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明に基づく2端子法による膜厚方向のプロトン伝導度測定では、少なくとも3枚以上の高分子電解質膜に対して実施される。まずは、膜厚計、電極、そして電解質膜の配置について図2を参照して説明する。上記装置は、図2に示すように、電解質膜を挟む膜厚計の上部と下部が一組の電極となっていることを特徴とし、膜厚計10、電流電圧電極14,15、補助高分子電解質膜11,13、目的高分子電解質膜12から構成されている。なお、16及び17は四フッ化エチレン樹脂製スペーサーであり、18はステンレス製筐体である。測定目的の電解質膜12に電流を導入する役目として、等方的なプロトン伝導性を示す補助電解質膜11,13が外側に配置されており、電極間に複数の電解質膜が積層した状態で測定が行われる。電極間に目的電解質膜のみを挟んだだけでは、電極と目的電解質膜との接触抵抗が膜本体抵抗に比べ大きいため膜本体の抵抗値の見積もりを困難にする。そこで、電解質膜の抵抗値を増加させ相対誤差を低減する目的で数枚の電解質膜を積層させ、プロトン伝導度測定を行う。この時、電解質膜同士の接触抵抗は、電極と電解質膜との接触抵抗よりとても小さいため無視することができる。尚、図2においては、電解質膜と電極の間、電解質膜同士の間を空けて記載しているが、実際に測定を行う状態では、接触して配置している。
上記接合体では、上述の配置で積層した電解質膜及び電極を一定トルクで接触させることにより良好な接触状態を保持することができる。上記接合体に対し、積層した膜間の抵抗を交流インピーダンス法(電位制御、交流振幅10mV)により測定する。交流インピーダンス測定装置としては、Solartron社製の電気化学測定システム(Solartron1287 Electrochemical InterfaceおよびSolartron1255B Frequency Response Analyzer)を使用し、測定周波数は1kHz~1MHzとする。測定後、測定装置に付属のソフトウェア(ZView2, Scribner Associates, Inc.製)を用い、コール−コールプロットを行う。上記プロットにおける実数軸との交点を電解質膜の抵抗値とする。
実際の環境制御下におけるプロトン伝導度測定では、まず、2枚以上の補助電解質膜を積層した状態で抵抗値(R1)を測定する。次に、目的電解質膜を電極に触れない階層に挿入した状態で、抵抗値(R2)を測定する。これら抵抗値の差(= R2 - R1)が、目的電解質膜の抵抗値(R)となる。本発明の方法と装置では、膜厚計の膜を挟む上部と下部が電極となっているため、上下電極の中心位置(軸)は複数枚の膜を挟んでも決してずれることなく、常に一定の接触面積でプロトン伝導度を測定することができる。さらに、一定トルク下での膜厚を測定することができることから、正確な電極間距離を得ることができる。以上のように得られた電解質膜の抵抗値(R)、電極間距離(L)、接触面積(A)からプロトン伝導度σを上記(1)式により算出する。
尚、図2には電解質膜を3枚積層した構成を例示しているが、目的電解質膜に交流電流を導入する役割で配置されている補助電解質膜は複数枚積層することができる。ただし、導通領域が局所的に存在するような新規異方導電性電解質膜n枚を目的電解質膜に用いる場合には、(n+1)枚以上の等方的な伝導性を示す補助電解質を使用し、目的電解質膜同士が接触しないように積層させるのが好ましい。なぜなら局所的に存在する導通領域が電解質膜を積層した際に上下で一致せず、抵抗値の増加を引き起こす可能性があるからである。
上記電極と電解質膜の接触面積としては、0.002〜2.0 cm2が好適であり、より好ましくは0.008〜1.0 cm2、さらに好ましくは0.03〜0.4 cm2である。電極と電解質膜との間の接触面積を低下させて接触抵抗の影響を抑え、尚かつ接触状態を安定にすることにより、測定精度が向上する。
上記電極と電解質膜の接合において、過剰なトルクをかけると電解質膜の弾性限界を超えてしまい、膜を破損する可能性があるので、プレスやねじ込みの手法によるトルクは1〜20 Nmが好ましく、3〜10 Nmであることがより好ましい。
上記積層する電解質膜の枚数は、少なくとも1枚の目的電解質膜と2枚以上の補助電解質膜を含む少なくとも3枚以上で21枚以下が好適であるが、積層する枚数が少ないほど精度が向上するため、好ましくは11枚以下であり、さらに好ましくは5枚以下である。
上記積層する膜厚は、合計50〜3000μmが好適であるが、好ましくは1000μm以下であり、さらに好ましくは500μm以下である。
上記電極としては、金、白金、銅などの金属やカーボンを用いることが好適であるが、合金でも可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。目的膜A,Bは、等方的なプロトン伝導性を示す電解質膜(Nafion112, 117)であり、目的膜Cは、本発明者により作製された新規の異方導電性電解質膜(放射線グラフト重合法により、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体膜にポリスチレンスルホン酸を導入した高分子電解質膜)である。補助膜にはNafion117を使用した。
(実施例1)
電解質膜(目的膜Aと補助膜)を、測定条件と同じ環境下(室温、相対湿度100%)で24時間保持した。2枚の補助膜を接触面積0.4 cm2の金電極によりトルク10 Nmで挟み、上記交流インピーダンス測定装置を使って、室温、相対湿度100%の環境下における電極間の抵抗及び膜厚を測定した。次に、2枚の補助膜間に1枚の目的膜Aを挿入し、上記と同様に電極間の抵抗及び膜厚を測定した。抵抗値の差及び目的膜の膜厚から、膜厚方向のプロトン伝導度を算出した。
(実施例2)
電解質膜(目的膜Aと補助膜)を、測定条件と同じ環境下(室温、相対湿度100%)で24時間保持した。2枚の補助膜を接触面積0.05 cm2の金電極によりトルク10 Nmで挟み、上記交流インピーダンス測定装置を使って、室温、相対湿度100%の環境下における電極間の抵抗及び膜厚を測定した。次に、2枚の補助膜間に目的膜Aを挿入し、上記と同様に電極間の抵抗及び膜厚を測定した。抵抗値の差及び目的膜の膜厚から、膜厚方向のプロトン伝導度を算出した。
(実施例3)
電解質膜(目的膜Aと補助膜)を、測定条件と同じ環境下(室温、相対湿度100%)で24時間保持した。2枚の補助膜を接触面積0.4 cm2の金電極によりトルク5 Nmで挟み、上記交流インピーダンス測定装置を使って、室温、相対湿度100%の環境下における電極間の抵抗及び膜厚を測定した。次に、2枚の補助膜間に目的膜Aを挿入し、上記と同様に電極間の抵抗及び膜厚を測定した。抵抗値の差及び目的膜の膜厚から、膜厚方向のプロトン伝導度を算出した。
(実施例4)
電解質膜(目的膜Bと補助膜)を、測定条件と同じ環境下(室温、相対湿度100%)で24時間保持した。2枚の補助膜を接触面積0.4 cm2の金電極によりトルク10 Nmで挟み、上記交流インピーダンス測定装置を使って、室温、相対湿度100%の環境下における電極間の抵抗及び膜厚を測定した。次に、2枚の補助膜間に実施例1,2で使用した膜よりも厚い目的膜Bを挿入し、上記と同様に電極間の抵抗及び膜厚を測定した。抵抗値の差及び目的膜の膜厚から、膜厚方向のプロトン伝導度を算出した。
(実施例5)
電解質膜(目的膜Cと補助膜)を、測定条件と同じ環境下(室温、相対湿度100%)で24時間保持した。2枚の補助膜を接触面積0.4 cm2の金電極によりトルク10 Nmで挟み、上記交流インピーダンス測定装置を使って、室温、相対湿度100%の環境下における電極間の抵抗及び膜厚を測定した。次に、2枚の補助膜間に目的膜Cを挿入し、電極間の抵抗及び膜厚を測定した。抵抗値の差及び目的電解質膜の膜厚から、膜厚方向のプロトン伝導度を算出した。
さらに本発明に対する比較例を以下に示す。
(比較例1)
本発明と異なる膜厚方向2端子法によりプロトン伝導度の測定を行った。2枚の補助膜を電流電圧電極(0.25 cm2の白金板)で挟み、伝導度測定用接合体を作製した。上記交流インピーダンス測定装置を使って、室温、相対湿度100%の環境下における電極間の抵抗を測定した。次に、目的膜Aの外側に補助膜を配置し、さらに外側から電流電圧電極(0.25 cm2の白金板)で挟むことにより、伝導度測定用接合体を作製した。上記交流インピーダンス測定装置を使って、室温、相対湿度100%の環境下における電極間の抵抗を測定した。上記接合体より積層した膜を外した後、目的膜Aの膜厚を膜厚計により測定した。得られた抵抗値と電極間距離に相当する膜厚から膜厚方向のプロトン伝導度を算出した。
(比較例2)
膜厚方向4端子法によりプロトン伝導度の測定を行った。電圧電極となる0.25 cm2の白金板を目的膜Aの両側に配置し、さらに外側に補助膜を配置し、そして1.0 cm2の電流電極で挟むことにより、伝導度測定用接合体を作製した。上記交流インピーダンス測定装置を使って、室温、相対湿度100%の環境下において電極間の抵抗を測定した。伝導度測定後に膜を外し、目的膜Aの膜厚を測定した。得られた抵抗値と電極間距離に相当する膜厚から膜厚方向のプロトン伝導度を算出した。
(比較例3)
膜厚方向4端子法によりプロトン伝導度の測定を行った。電圧電極となる0.25 cm2の白金板を目的膜Cの両側に配置し、さらに外側に補助膜を配置し、そして1.0 cm2の電流電極で挟むことにより、伝導度測定用接合体を作製した。上記交流インピーダンス測定装置を使って、室温、相対湿度100%の環境下における電極間の抵抗を測定した。伝導度測定後に膜を外し、目的膜Cの膜厚を膜厚計により測定した。得られた抵抗値と電極間距離に相当する膜厚から膜厚方向のプロトン伝導度を算出した。
上記実施例及び比較例の結果を表1に示す。
上記実施例1−4と比較例1,2を比較する。実施例1−4では、等方的なプロトン伝導性を示す電解質膜に対し接触面積、トルク、膜厚(電極間距離)を変化させて測定を行った。接触面積の減少に伴い抵抗値が大きくなった結果、抵抗値の相対誤差が小さくなったため、精度は向上した。また、上記に記載されているような測定条件の範囲で、トルク、膜厚を変えても、ほぼ一定のプロトン伝導度を得ることができた。従来の膜厚方向のプロトン伝導度測定法により得られた比較例1,2のプロトン伝導度は、ほぼ同じ値であるが、実施例1に比べわずかに高い値を示した。比較例1,2では電極間距離に相当する膜厚を伝導度測定後に測定しており、実際の伝導度測定時の状態を反映していない値を使用しているためである。
上記実施例5と比較例3を比較する。面内方向にはプロトン伝導性を示さない新規の異方導電性高分子膜に対してプロトン伝導度が得られた。実施例1−4と比べプロトン伝導度が小さいのは、膜素材が大きく異なるからである。比較例3のプロトン伝導度が実施例5の値に比べ高いのは、実施例1と比較例2の比較と同様に、電極間距離が異なるからである。
従って、本発明は、2端子法による膜厚方向のプロトン伝導度測定方法として有効であり、尚かつ、異方導電性電解質膜の測定にも適用可能な優れた方法であることが示された。
本発明は、2端子法によるプロトン伝導度測定法において、電極と電解質の良好な接触性のもとで、膜本体抵抗値を測定できるのみならず、同時に電極間距離に相当する膜厚を正確に測定できることから、再現性の向上により高い精度のイオン伝導度を簡便に得ることができるので、具体的には、本発明は、プロトン伝導性を有する電解質、特に燃料電池用高分子電解質膜に対して電気伝導特性の評価を行うためのプロトン伝導度測定を行う際に利用される。
従来の膜厚方向の2端子法における電極/電解質膜接合体を示す模式図であり、図1(a)、(b)はそれぞれ側面図と平面図である。 本発明の実施形態を示すものである。図2(a)は正面からの模式図であり、図2(b)は側面からの模式図である。
符号の説明
1〜3:高分子電解質膜
4,5:電流電圧電極
6,7:四フッ化エチレン樹脂製ネジ
8,9:四フッ化エチレン樹脂製板
10:膜厚計
11〜13:高分子電解質膜
14,15:電流電圧電極
16,17:四フッ化エチレン樹脂製スペーサー
18:ステンレス製筐体



Claims (9)

  1. 一組の電流電圧電極間に積層配置された少なくとも3枚以上の電解質膜に対し、膜厚方向に電流を供給しながら、電極間の電位差に基づき電解質膜のプロトン伝導度を測定する2端子法において、膜厚計と、当該膜厚計を載置する筐体と、当該筐体内部に設けられている一組の電圧電流電極とからなり、上記一組の電極が膜厚計の試料を挟む上部と下部であり、上記電極の少なくとも一つは膜厚計に上下動可能に結合されており、1枚以上の目的高分子電解質膜を一対の等方性プロトン伝導性を示す補助電解質膜で挟持して電解質膜積層体を形成し、当該電解質膜積層体を膜厚計の一対の電流電圧電極で挟持するプロトン伝導度測定装置で、プロトン伝導度を測定するとともに膜厚(すなわち、電極間距離)を同時に測定できることを特徴とするプロトン伝導度測定方法。
  2. 上記一組の電極の中心位置がずれることなく、常に一定の接触面積でプロトン伝導度を測定できることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導度測定方法。
  3. 上記電極と電解質膜との接触面積が0.002〜2 cm2であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導度測定方法。
  4. 上記膜厚計に付属した電極は、1〜20Nmのトルクにて、プレスやねじ込みの手法により電解質膜と接合されることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導度測定方法。
  5. 上記積層電解質膜は、少なくとも1枚の測定目的の電解質膜と2枚以上の補助電解質膜から成り、合計枚数が21枚以下であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導度測定方法。
  6. 上記電極間距離は、請求項5に記載の積層枚数の範囲内にある積層した合計膜厚が50〜3000μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導度測定方法。
  7. 上記電流電圧電極が、金、白金、白金黒、銅の何れかの金属、またはカーボンであることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導度測定方法。
  8. 上記電極は、交流インピーダンス、電位ステップ、電位パルスのいずれかによる入力電流を与えることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導度測定方法。
  9. 一組の電流電圧電極間に積層配置された少なくとも3枚以上の電解質膜に対し、膜厚方向に電流を供給しながら、電極間の電位差に基づき電解質膜のプロトン伝導度を測定する2端子法を実施するための装置であって、
    膜厚計と、当該膜厚計を載置する筐体と、当該筐体内部に設けられている一組の電圧電流電極と、からなり、当該筐体の頂部プレート上に膜厚計を設け、当該膜厚計の下方で当該筐体の頂部プレートにスペーサーを介して一方の電極を設け、膜厚計に上記電極の少なくとも1つを上下動可能に結合し、当該一方の電極と同軸となるように当該筐体の底部プレートにスペーサーを介して他方の電極を載置したプロトン伝導度測定装置であって、
    上記電流電圧電極間に積層配置された少なくとも3枚以上の電解質膜に対し、膜厚方向に電流を供給しながら、電極間の電位差に基づき電解質膜のプロトン伝導度を測定し、且つ膜厚(すなわち、電極間距離)を同時に測定することを特徴とする前記装置。
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