JP5131221B2 - スタータモータの制御装置 - Google Patents
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Description
つまり、この場合、クラッチペダルが踏込まれたり、シフトレバーがニュートラルポジションに入ったりすると、エンジンのスタータモータのリレースイッチが接続状態(オン状態)になり、このスタータモータへの電力供給が行なわれるようになっているのである。このような仕組みにより、エンジンが自動再始動した際に、ドライバが意図せずに車両が走行することを防ぐようになっている。
このため、一般的なアイドルストップ制御を行なう車両においては、リレースイッチの断接(オフオン)頻度が増大し、リレースイッチの部品寿命が短くなってしまうという課題がある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、エンジンが自動再始動した際にドライバが意図せず車両が走行する事態を防ぐことを可能としながら、リレースイッチの作動頻度を低減し、且つ、リレースイッチの作動により騒音が生じる事態を防ぐことが出来る、スタータモータの制御装置を提供することを目的とする。
また、トランスミッションがニュートラル状態にある場合にはエンジンの駆動力が車両の車輪に伝わらないので、車両の走行が機械的に禁止されていると判定することも出来る。(請求項2)
また、クラッチが切断状態にある場合にはエンジンの駆動力が車両の車輪に伝わらないので、車両の走行が機械的に禁止されていると判定することも出来る。(請求項3)
また、車輪が制動されている場合には、車輪の回転が妨げられているので、車両の走行が機械的に禁止されていると判定することも出来る。(請求項4)
トランスミッション12の入力軸(図示略)には、エンジン11のクランクシャフト(図示略)が接続されている。また、トランスミッション12の出力軸(図示略)には、ディファレンシャルギアユニット(図示略)を介して、前輪13FL,13FRの各ドライブシャフト14L,14Rが接続されている。
また、車両10の左右の前輪13FL,13FRおよび左右の後輪13RL,13RRには、これらの各輪13FL,13FR,13RL,13RRを制動するブレーキ装置(走行禁止手段)21がそれぞれ設けられている。また、これらのブレーキ装置21は、ドライバにより操作されるブレーキペダル22の踏込み量に応じて制動力が増大するようになっている。
また、この車両13の各輪13FL,13FR,13RL,13RRには、それぞれ、車輪速センサ24が設けられている。これらの車輪速センサ24は、それぞれ、各輪13FL,13FR,13RL,13RRの回転速度Neを検出するものである。また、車輪速センサ24は、ECU40のEポート41Eに接続されている。そして、車輪速センサ24による検出結果はECU40によって読み込まれるようになっている。
図2に示すように、このスタータモータユニット25は、車両10に搭載されたエンジン11を始動するものであって、電気モータ26とメインリレースイッチ27とを有している。
また、メインリレースイッチ27は、サブリレースイッチ(第1リレースイッチ)29およびカットリレースイッチ(第2リレースイッチ)31の双方、または、シリンダキースイッチ32がオンになった場合にオンになるスイッチである。そして、このメインリレースイッチ27がオンになると、バッテリ28から電気モータ26への電力が供給されるようになっている。
また、カットリレースイッチ31は、サブリレースイッチ29と、ECU40との間で電気的に介装されている。
そして、サブリレースイッチ29に対しECU40のCポート41Cから電力が供給されると、このサブリレースイッチ29はオンとなるようになっている。
なお、これらのサブリレースイッチ29およびカットリレースイッチ31には、ともに、ECU40からの電力供給がない場合にはオフとなるスイッチ(いわゆる、常時オフ式のスイッチ)が採用されている。
シリンダキースイッチ32は、車両10のドライバがシリンダキー(図示略)をスタートポジションまで回転させた場合にオンとなるスイッチである。そして、このシリンダキースイッチ32がオンになると、サブリレースイッチ29がオンとなり、スタータモータユニット25のメインリレースイッチ27がオンとなるようになっている。
このECU40は、いずれも図示しないメモリやCPU(Central Processing Unit)を有するμCU(マイクロコンピュータユニット;Micro Computer Unit)90と、第1駆動回路81と、第2駆動回路82と、A〜Hポート41A〜41Hとを有する電子制御ユニットである。
さらに、図示はしないが、このμCU90のメモリには、ソフトウェアとして、車速検出部も記録されている。
より具体的に、自動再始動条件が成立した場合、このアイドル制御部91は、ECU40の第1駆動回路81に対してサブリレーオン信号を出力することで、この第1駆動回路81からCポート41Cを介してサブリレースイッチ29に電力を供給させ、サブリレースイッチ29をオンにするようになっている。
なお、アイドル制御部91の制御を受けて作動したスタータモータユニット25によるクランキングを、「オートクランキング」という。一方、車両10のドライバがシリンダキーをスタートポジションまで回転させることで作動したスタータモータユニット25によるクランキングを、単に「クランキング」という。また、クランキングによるエンジン11の始動をマニュアル始動という。
条件(1): シフトレバー17がニュートラルポジションにある
条件(2): クラッチペダル15が解放されている
条件(3): 車速Vsがゼロである
また、アイドル制御部91は、以下の条件(4)が満たされれば、自動再始動条件が満たされたと判定するようになっている。
なお、車速Vsは、車輪速センサ24により検出された各輪13FL,13FR,13RL,13RRの回転速度に基づいて、μCU90の車速検出部(図示略)が演算するようになっている。
運転状態判定部92は、エンジン11が通常運転中であるか否かを判定するものである。なお、ここで通常運転中とは、エンジン11が、停止中ではない状態をいう。
より具体的に、走行禁止判定部93は、クラッチペダルスイッチ16の状態に応じてトランスミッション12のクラッチが切断状態にあるのか、或いは、接続状態にいるのかを判定するようになっている。そして、クラッチが切断状態にあると判定した場合には、車両10の走行が機械的に禁止されていると判定するようになっている。
カットリレー制御部94は、走行禁止判定部93により、車両10の走行が禁止されていることが判定された場合には、ECU40の第2駆動回路(後述する)82に対してカットリレーオン信号を出力することで、この第2駆動回路82からBポート41Bを介してカットリレースイッチ31に対して電力を供給させ、カットリレースイッチ31をオンにするようになっている。なお、このカットリレー制御部94は、走行禁止判定部93により車両10の走行が禁止されていないことが判定された場合には、カットリレースイッチ31に対する電力供給を行なわないようになっている。また、上述のように、カットリレースイッチ31は、常時オフ式のスイッチである。つまり、このカットリレー制御部94は、走行禁止検出部93により車両10の走行が禁止されていないことが判定された場合には、カットリレースイッチ31を間接的にオフにするようになっている。なお、このカットリレー制御部94によるカットリレーの制御をカットリレー断接制御(第2リレー断接制御)という。
さらに、この第2駆動回路82は、後述するスイッチング禁止部95から禁止信号を受けた場合、カットリレー制御部94からカットリレーオン信号を受けているか否かに関わらず、カットリレースイッチ31に対する電力供給を禁止するようにもなっている。
スイッチング禁止条件としては、以下の条件(5)が設定されている。
条件(5): 運転状態判定部92により、エンジン11が通常運転中であることが判定された
つまり、このスイッチング禁止部95は、上記の条件(5)が満たされた場合には、第2駆動回路82に対して禁止信号を出力することで、カットリレー制御部94から第2駆動回路82にカットリレーオン信号が出力されている場合であっても、カットリレースイッチ31を強制的に切断状態で維持するようになっている。なお、このスイッチング禁止部95によるカットリレースイッチ31の作動禁止制御を、スイッチング禁止制御という。
図3に示すように、ドライバがシリンダキーをスタートポジションまで回転させることでエンジン11がマニュアル始動した場合、或いは、上記の条件(4)が満たされることでアイドル制御部91によりエンジン11が自動再始動した場合には、図5を用いて後述するサブルーチンとしてのスイッチング許可制御が実行される(ステップS12)。一方、エンジン11がマニュアル始動していない場合、或いは、自動再始動条件が満たされなかった場合には、図4を用いて後述するサブルーチンとしてのスイッチング禁止制御(ステップS13)が実行される。
図4に示すように、エンジン11がマニュアル始動しない場合、或いは、自動再始動条件が満たされなかった場合、カットリレー制御部94は第2駆動回路82に対してカットリレーオン信号を出力しないので(ステップS21)、第2駆動回路82はカットリレースイッチ31に対する電力供給を行なわない(ステップS22)。
図5に示すように、エンジン11がマニュアル始動する場合、或いは、自動再始動条件が満たされた場合、アイドル制御部91は、第1駆動回路81に対してサブリレーオン信号を出力し(ステップS31)、このサブリレーオン信号を受けた第1駆動回路81は、サブリレースイッチ29に対する電力供給を行ない、サブリレースイッチ29がオンになる(ステップS32)。
運転状態判定部92により、エンジン11が通常運転中ではないと判定された場合(ステップS33のYesルート)、走行判定検出部93は、車両10の走行が機械的に禁止されているか否かを判定する(ステップS34)。
また、エンジン10が通常運転中である場合には、常時オフ式のカットリレースイッチ31に対する電力供給が禁止されるようになっているので、本来的に作動する必要がない状況においてカットリレースイッチ31が作動する事態を防ぐことが可能となる。これにより、カットリレースイッチ31の作動頻度を低減し、且つ、カットリレースイッチ31の作動により騒音が生じる事態を防ぐことが出来ることが出来る。
また、マニュアルトランスミッション12がニュートラル状態にある場合には、エンジン11の駆動力が車両10の各輪13FL,13FR,13RL,13RRに伝わらないので、車両10の走行が機械的に禁止されていることを即座に判定することも出来る。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが出来る。その例を以下に示す。
条件(6): 車速Vsがゼロである
条件(7): オートマチックトランスミッションのシフトレバーがパーキング(P)またはニュートラル(N)ポジションにある
また、上述の実施形態においては、アイドル制御部91が、上記の条件(4)が満たされれば、自動再始動条件が満たされたと判定するようになっている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記の条件(6)および(7)が満たされたことにより、エンジン11が自動停止した場合には、その後、以下の条件(8)および(9)が満たされると、自動再始動条件が満たされたと判定されるようにしても良い。
条件(9): シフトレバーがドライブ(D),リバース(R),セカンド(2nd)またはファースト(1st)ポジションに変更された
また、上述の実施形態においては、車両10のドライバがシリンダキー(図示略)をイグニッションポジションまで回転させることで作動したスタータモータユニット25によるクランキングによるエンジン11の始動をマニュアル始動という場合を説明した。しかしながら、シリンダキーに代えて、エンジンスタートボタン(図示略)を車両10に設けるようにする場合もあり得る。この場合、エンジンスタートボタンが押下されたことによるクランキングでエンジン11が始動する場合もマニュアル始動に該当する。つまり、シリンダキーおよびエンジンスタートボタンは、エンジン11をマニュアル始動させる手段(マニュアル始動手段)に該当する。
11 エンジン
12 マニュアルトランスミッション(トランスミッション;走行禁止手段)
16 クラッチスイッチペダルスイッチ(クラッチ状態検出部)
18 シフトポジションセンサ(ニュートラル検出手段)
21 ブレーキ装置(走行禁止手段)
23 ストップランプスイッチ(ブレーキ状態検出手段)
25 スタータモータユニット(スタータモータ)
29 サブリレースイッチ(第1リレースイッチ)
31 カットリレースイッチ(第2リレースイッチ)
91 アイドル制御部(自動停止再始動手段)
92 運転状態判定部(運転状態判定手段)
93 走行禁止判定部(走行禁止判定手段)
94 カットリレー制御部(第2リレー制御手段)
95 スイッチング禁止部(スイッチング禁止手段)
Claims (4)
- 車両に搭載されたエンジンを始動するスタータモータの制御装置であって、
該スタータモータへの電力供給を断接する第1リレースイッチと、
該エンジンが通常運転中であるか否かを判定する運転状態判定手段と、
自動停止条件が成立すると該エンジンを自動停止させ、該自動停止後に自動再始動条件が成立すると該第1リレースイッチを接続状態にすることで該エンジンを自動再始動させる自動停止再始動手段と、
該第1リレースイッチと直列に接続され該スタータモータへの電力供給を断接する第2リレースイッチと、
該車両の走行を機械的に禁止する走行禁止手段と、
該走行禁止手段により該車両の走行が機械的に禁止されているか否かを判定する走行禁止判定手段と、
該走行禁止判定手段により該車両の走行が機械的に禁止されていると判定された場合に該第2リレースイッチを接続状態にし、該走行禁止判定手段により該車両の走行が機械的に禁止されていないと判定された場合に該第2リレースイッチを切断状態にする第2リレー断接制御を実行する第2リレー制御手段と、
スイッチング禁止条件が満たされると該第2リレー制御手段による該第2リレー断接制御に関わらず該第2リレースイッチを強制的に切断状態にするスイッチング禁止手段とを備え、
該スイッチング禁止条件は、
該運転状態判定手段により該エンジンが通常運転中であることが判定されたという条件を含む
ことを特徴とする、スタータモータの制御装置。 - 該車両に搭載されたトランスミッションと、
該トランスミッションがニュートラル状態にあることを検出するニュートラル検出手段とを備え、
該走行禁止判定手段は、
該ニュートラル検出手段により該トランスミッションがニュートラル状態にあることが検出されると該車両の走行が機械的に禁止されていると判定する
ことを特徴とする、請求項1記載のスタータモータの制御装置。 - 該トランスミッションに設けられ該エンジンから入力される駆動力を断接するクラッチと、
該クラッチが切断状態であることを検出するクラッチ状態検出手段とを備え、
該走行禁止判定手段は、
該クラッチ状態検出手段により該クラッチが切断状態にあることが検出されると該車両の走行が禁止されていると判定する
ことを特徴とする、請求項2記載のスタータモータの制御装置。 - 該車両の車輪を制動するブレーキ装置と、
該ブレーキ装置が作動し該車輪が制動されていることを検出するブレーキ状態検出手段とを備え、
該走行禁止判定手段は、
該ブレーキ状態検出手段により該車輪が制動されていることが検出されると該車両の走行が禁止されていると判定する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタータモータの制御装置。
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