JP5131040B2 - 基板ユニットおよび電子機器 - Google Patents

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Description

本件は、回路基板上に様々な電子部品等が搭載され電子機器内部に収容されてその電子機器に応じた処理を実行する基板ユニット、およびその基板ユニットを筐体内に収容した電子機器に関する。
電子機器を構成するにあたっては、一般的に、回路基板上に様々な電子部品等が搭載された構造の基板ユニットを筐体内に収容した構造が採用される。ここで、その基板ユニットを構成する回路基板に搭載された回路部品を動作させるには電力を必要とし、その回路基板上に電源用のコネクタを搭載し、そのコネクタに、ACアダプタに接続された電源ケーブル先端の相手コネクタが接続されて電力の供給を受ける構造のものが採用されることも多い。
回路基板上のコネクタは半田付け等によりその回路基板に直接に固定されるが、相手コネクタが接続されたケーブルに何かを引っ掛けたり相手コネクタを何かにぶつけたりして回路基板上のコネクタに衝撃が加わりそのコネクタが回路基板から剥がれて動作不良となるなどの故障が数多く生じている。これを解決するために、回路基板上にコネクタを半田付けなどで固定した上にさらに、そのコネクタを支える補強金具を回路基板に固定することが行なわれている。こうすることにより回路基板上のコネクタの不良の発生はかなり減少するが、回路基板には多数の電子部品等が所狭しと配置されているため補強のためだけに広いスペースを割くことはできず、過去に採用されてきたレベルの補強金具等を採用してもコネクタの不良がまだ十分には低減されないという問題がある。
特許文献1〜3には、ヒートシンクにコネクタを備えた例が示されている。回路基板上には発熱電子部品を冷却するためのヒートシンクを備えることがあるが、ヒートシンクは発熱電子部品から吸熱して高温となるためコネクタが変形してしまうことも考えられ、また、上述の電源用コネクタのように外部のコネクタと組み合うコネクタの場合は、ヒートシンクを、電子機器筐体の直ぐ内側に配置する必要があり、電気機器筐体の、ヒートシンクを備えた部分が高温になり、筐体の変形やそこに触れたユーザに熱さを感じさせるおそれがあるなど、問題が多い。
特開2003−152419号公報 特開平6−245542号公報 特開平6−252574号公報
本件開示の基板ユニットおよび電子機器の課題は、回路基板上にコネクタが搭載された基板ユニットであってそのコネクタの不良の発生を抑制することにある。
本件開示の基板ユニットは、
回路基板と、
前記回路基板上に載置され、その回路基板にケーブルを介して電気的に接続されたコネクタと、
上記コネクタを回路基板上に支持する支持部材と、
回路基板に搭載され上記支持部材が支持される搭載部品とを備え、
上記回路基板が、上記コネクタが載置された載置領域両側にその回路基板表裏面を貫通する一対の開口を有し、
上記支持部材が、上記コネクタ上面に接する上板と、その上板から折れ曲がりコネクタの一対の側面に沿って延在して先端部が上記一対の開口それぞれに差し込まれる一対の側板と、上記上板から延在し上記搭載部品に固定される固定部とを有する。
また、本件開示の電子機器は、本件開示の基板ユニットと、その基板ユニットを収容する筐体とを備えている。
本件開示の基板ユニットや、本件開示の電子機器を構成する基板ユニットは、回路基板上にコネクタを半田付け等で固定するのではなく、回路基板にはケーブルを介して接続して回路基板上の所定位置に置かれ、また、回路基板に一対の開口を形成し、それらの開口を利用してコネクタを支持部材で支持し、さらに、その支持部材を回路基板に直接に固定するのではなく、回路基板上の、そのコネクタの近くに搭載された搭載部品に固定したものであり、そのコネクタに外力が加わってもその外力は回路基板には直接には伝わりにくく、支持部材および搭載部品を経由する間に力が分散されて回路基板に伝わる。このためコネクタに外力が加わったことによる不良の発生は大幅に抑制される。
また、コネクタを回路基板とは別の部材、例えば筐体等に取り付けたり、あるいはコネクタ自体は回路基板上に置かれても支持部材を筐体等に固定すると、コネクタ搭載のための構造が回路基板上だけでは済まなくなり、組立工程が複雑となるが、本件開示の基板ユニットの場合、コネクタも、支持部材を固定する搭載部品も、回路基板上に備えられており、基板ユニットとして独立に組み立てておくことが可能であり、組立作業の容易化にも寄与している。
本件開示の基板ユニットおよび電子機器によれば、回路基板上のコネクタの不良が大幅に低減する。
以下、本件の実施形態について説明する。
図1、図2は、電子機器の一実施形態としてのノート型パーソナルコンピュータ(ノートPC)の、それぞれ開状態および閉状態の外観を示した斜視図である。このノートPC10は、本体ユニット20と表示ユニット30とを有し、表示ユニット30は、本体ユニット20に対し開閉自在にヒンジで接続されている。
本体ユニット30は、その上面にキーボード21、ポインティングデバイス22、電源ボタン23、各種のファンクションボタン24が配備されており、側面には、ACアダプタと接続される電源用コネクタ25やその他各種のコネクタ等が配備されている。
また、表示ユニット30には、図2に示す閉状態にあるときに本体ユニット20側を向く面に表示画面31を備え、また、図1に示す開状態における上部中央には、図2に示す閉状態にあるときの表示ユニット30が不用意に開くのを防止するためのロック機構32が備えられている。ここで、ポインティングデバイス22は、指の接触位置を検出する静電容量型のタッチセンサ22aと、左右2つの押ボタン22b,22cとから構成されている。タッチセンサ22aは指を接触させたままその指を移動させるとその移動軌跡を検出して表示画面31上のカーソルの動き等に反映させるセンサであって、ポインティングデバイスとして最も汎用的なマウスを机上で移動させることに対応し、左右2つの押ボタン22b,22cは、それぞれ、マウスの左ボタン、右ボタンに対応する。
また、左右2つの押ボタン22b,22cが挟まれた中央には、パスワード等の代わりとして用いられる指紋センサ26が備えられている。
(ポインティングデバイス)
図3は、図1、図2と同じノートPCであって、本体ユニットからタッチセンサ22aのカバー221を取り外して示した分解斜視図、図4は、そのカバー221の裏面を示した斜視図、図5は、図3に示す、カバー221を取り外した状態からさらにセンサ基板222を取り外して示した図、図6は、カバー221とセンサ基板222の裏面を示した図である。
センサ基板222は、その裏面にセンサ回路222a(図6参照)が搭載されており、一方、本体ユニット20には、図5に示すように、そのセンサ基板222が置かれる位置に本体ユニット20の内外に開いた開口223を有し、センサ基板222は、センサ回路222aがその開口223に入り込むようにして配置され、そのセンサ回路222aの周囲の部分が両面粘着テープでその開口223の周囲の部分に貼着されている。尚、センサ回路222aからはケーブル(図示省略)が延び開口223を通って内部の回路と接続されている。このセンサ基板222では、その表面に接触した指の接触位置や、指を接触させたまま移動させたときの指の移動軌跡が検出されるが、完全には接触しなくても指をかなり近くに近接させただけで、その指の近接位置を検出することができる。
そこで、ここでは、センサ基板222の上にカバー221が置かれ、そのカバー221の上に指を置くことによってその指の位置が検出される。このカバー221はその周縁部左右のそれぞれ2箇所ずつに係止爪221aを有し、また、本体ユニット20には、カバー221が置かれる部分の左右それぞれ2箇所ずつに、係止爪221aの差し込みを受けてその係止爪221aを係止する係止穴224が形成されている。このカバー221は、本体ユニット20の係止穴224に係止されて本体ユニット筐体上面の一部を形成するものであり、必要に応じて特別な工具なしで着脱することができる。したがってこのカバー221として様々な色や模様のものを用意しておくことにより、豊富なカラーデザインのノートPCを提供することができる。
図7は、従来型のポインティングデバイスを示した図である。
この図7に示す比較例としてのポインティングデバイス922は、静電容量型のタッチセンサ922aと左右2つの押ボタン922b,922cとを備えており、また、それら2つの押ボタン922b,922cに挟まれた位置には指紋センサ926が配備されている。タッチセンサ922aは、本体ユニット筐体に設けられた開口923の内側に配置されており、したがって容易に交換するのは不可能である。またタッチセンサ922aは、本体ユニット筐体の厚み分だけ、かなり奥まった位置に配置されることになる。
(ヒンジ部構造)
図8は、図1、図2等に示すノートPCと同一のノートPCであって、閉状態にあるノートPCを背面側から見て示した斜視図である。
このノートPC10の本体ユニット20の背面には排気口27が形成され、また様々なコネクタやその他の部品が配置されている。本体ユニット20と表示ユニット30とを連結するヒンジ部40の構造を説明する。このヒンジ部40は、所定方向であるノートPC10の左右方向に延びる一本の円筒形の外形を有している。この円筒形の外形のうち、離間した左右一対のカバー部材43で覆われた部分以外の部分は、表示ユニット30の筐体の一部(表示ユニット30を本体ユニット20に対し立てた状態(図1に示す開状態にあるときの下端部分)からなる円筒形のロッド部41であり、カバー部材43で覆われた部分は、その円筒形が切り欠かれた形状となっている切欠部42(図9参照)である。このカバー部材43は後述するようにしてネジ止めされ、そのネジの頭がパッチ43aで覆われている。
図9は、カバー部材を取り外した状態のノートPCを背面側から見て示した斜視図である。
ここには、カバー部材43(図8参照)で覆われていた部分の内側が見えており、表示ユニット30の筐体の一部からなるロッド部40が左右2箇所だけ切り欠かされた形状を有する切欠部42が形成されている。この切欠部42には、後述するヒンジユニット45(図11、図12参照)のうちの可動部452の一部が見えており、また、カバー部材43(図8参照)がネジ止めされるネジ穴273が見えている。
図10は、本体ユニット上面の、ヒンジ部40側の領域を覆うカバー部材を取り外した状態のノートPCと、その取り外したカバー部材とを示した斜視図である。
このノートPCの本体ユニット20の上面の、ヒンジ部40側の部分は、カバー部材27で覆われている。このカバー部材27は、本体ユニット20の上面を形成する板部271と、板部271の一端部から円弧状に立ち上がった一対の立上り部272とを有する。板部271の裏面(図示せず)には、電源ボタン23や各種のファンクションボタン24が押されたことを検出するスイッチが配備されたスイッチ基板が固定されている。
また、カバー部材27の一対の立上り部272は、表示ユニット30の筐体の一部を成すロッド部41の円筒外形に合わせた円弧形状を有し、切欠部42の第1空間である前面側を覆うものである。この立上り部272の裏面側には、図9に示すネジ穴273を有するボスが立設している。
図11、図12は、それぞれ図10に示す円R1,R2の部分の拡大斜視図である。
図11には、図10の右側の切欠部が示されており、図12には図10の左側の切欠部が示されている。
図11、図12に示す切欠部42には、表示ユニット30を本体ユニット20に対し回動自在に支持するヒンジ部材45が配備されている。このヒンジ部材45は、固定部451と可動部452とからなり、固定部451は、本体ユニット20の一端部においてその本体ユニット20にネジ止め固定されている。また、可動部452は、固定部451に固定された軸452aと、その軸452aに対しフリクションを伴って回動する回動部452bとから構成されており、回動部452bが表示ユニット30に固定されている。左右にこの構造のヒンジ部材45を備えたことにより、表示ユニット30が本体ユニット20に対し、図1に示す開状態よりもさらに開いた状態と図2に示す閉状態との間で開閉する。
また、表示ユニット30の筐体の、切欠部42を形成する壁面には、左右に並んで立設した複数のリブ46が形成されており、それらのリブ46の端面はロッド部41の円筒外形に沿った円弧状に形成されている。この円弧状に形成されていることの作用については後述する。
図13は、図8に示す切欠部の背面側を覆うカバー部材の斜視図である。
このカバー部材43は、ロッド部41(図8〜図12参照)の円筒外形に合わせた円弧状の部材であって、図8に示すように、切欠部42の第2空間である背面側を覆うものである。このカバー部材43は、左右2つの切欠部42について同一形状のものが用いられている。このカバー部材43は、その中央に取付穴431が形成されており、図10に示すもう一方のカバー部材27の立上り部272の裏側に設けられたネジ穴273(図9参照)にネジ止めされて、そのネジの頭がパッチ43a(図8参照)で覆われる。このようにして、このカバー部材43と、図10に示すもう一方のカバー部材27の立上り部272とにより、ロッド部41をそのまま延長した形状の円筒外形を形成し、ロッド部41と合わせて、ノートPCの左右の端から端まで延びる一本の円筒形状を形成し、ヒンジ部40を一体的なデザインに仕上げている。
図14は、閉状態にあるノートPCの、ヒンジ部の一部を示す平面図である。
図8、図13に示すカバー部材43と図10に示すもう一方のカバー部材27の立上り部272とで切欠部42(図9〜図12参照)が覆われており、円筒形のロッド部41との一体感を有する円筒形を形成している。ここで、図11、図12に示すように切欠部42には左右に並ぶ複数のリブ46が形成されており、それらのリブ46の端面がロッド部41の円筒外形に沿った円弧状に形成されているため、表示ユニット30を本体ユニット20上に閉じたときであっても、表示ユニット30の筐体の一部が上から見たときに立上り部272の一部と重なってその部分に隙間が形成されず、ここでも一体感を形成している。この点については、以下に説明する比較例と対比することによって一層分かり易く理解される。
図15は、比較例としてのノートPCの開状態の外観斜視図である。
このノートPC910は、本体ユニット920と表示ユニット930とから形成されており、表示ユニット930は、ヒンジ部940を中心に回動して本体ユニット920に対し開閉自在となっている。
本体ユニット920の上面には、キーボード921、図7を参照して説明した構造のポインティングデバイス922、指紋センサ926、本体ユニット920のヒンジ部90側上面部分を覆うカバー部材927が配置されている。
また、表示ユニット930は表示画面931を有し、下端部には、ヒンジ部940を構成する、表示ユニット30の筐体の一部であるヒンジカバー部941が形成されている。このヒンジカバー部は、本実施形態のノートPC10のロッド部41(図8〜図12参照)に相当するものである。ただし、ロッド部41は円筒形に形成されていたのと比べこのヒンジカバー部941は、下端のみ円弧状に形成されている。
図16は、比較例のノートPCのカバー部材を示す斜視図である。
カバー部材927は、本実施形態のノートPCのカバー部材27(図10参照)に相当するものであるが、立上り部972は上端のみ円弧状の逆U字形に形成されている。カバー部材927は樹脂成型品であり、金型の制約上および組立時の制約上、下向きの開口972aを狭めることができないことから、このような逆U字形の形状となっている。
図17は、閉状態にある、比較例のノートPC910を背面側から見て示す斜視図、図18は、ヒンジカバー部941が切り欠かれた形状の切欠部942を示す拡大図である。
このノートPC910のヒンジカバー部941は、図18に示すように円弧状に形成された部分が横向きに凸となっており、カバー部材927(図15〜図17参照)は円弧状に形成された部分が上に凸の形状となっている。また、表示ユニット930の、切欠部942を形成する壁面946は、カバー部材927の立上り部972との干渉を避けるために平面に形成されている。
図19は、閉状態にある比較例のノートPCの、ヒンジ部の一部を示す平面図であり、本実施形態のノートPCの、図14に相当する図である。
この比較例のノートPC910の場合、構造上、表示ユニット930の筐体(図18に示す壁面946)と立上り部972との間に隙き間973が形成されてしまい、この点もヒンジ部940の一体感を阻外している。
(コネクタ固定構造)
図20は、図1、図2等に示す本実施形態のノートPCの本体ユニットを裏返し底面のカバーを取り外して示した斜視図である。
ここには多数の部品が示されており、そのうちの1つとして、ここには基板ユニット50が示されている。以下では、この基板ユニット50について説明する。
図21は、図20に示す本体ユニット20に組み込まれた基板ユニット50を取り外して、その基板ユニットのみを示した図、図22は、その基板ユニットを図21の状態から裏返して示した図である。
この基板ユニット50は、回路基板51上に様々な部品が搭載された構造を有している。以下では、この基板ユニット50のうちの、図1に示す電源用コネクタ25の取付構造および放熱ユニット70の構造について説明する。
図23は、図22に示す円R3の部分の拡大斜視図、図24は、図23と同じ部分を角度を変えて示した拡大斜視図である。
これら図には、回路基板51上に置かれた電源用コネクタ61と、その電源用コネクタ61を回路基板51上に支持する支持部材62と、回路基板51上に搭載された搭載部品の1つである放熱ユニット70が示されている。
図25は、支持部材を取り外して電源用コネクタ61を持ち上げた状態を示した部分拡大図である。
この電源用コネクタ61は、回路基板51に半田付け等で固定されているのではなく、回路基板51上に単に載置され、電気的にはケーブル612を介して回路基板51に接続されている。
ここで、回路基板51には、ドリルによる穴明け加工で形成された一対の開口519が形成されている。この一対の開口519は電源用コネクタ61がそれら一対の開口部519の間に置かれる間隔を有し、各開口519は電源用コネクタ61の各側面に沿って延在し両端が直角に折れ曲がった形状を有する。開口519の両側を折れ曲がった形状に形成するのは、開口519には支持部材62の側板622(図26参照)が差し込まれるが、その側板622の端面は平面であるのに対し、ドリルで穴明け加工すると端部が円弧状に形成されるため、支持部材62の側板622の端面と開口の縁が平面どうしで接するようにするためである。
図26は、支持部材の斜視図である。
この支持部材62は、電源用コネクタ61の上面に接する上板621と、その上板621から折れ曲がり、電源用コネクタ61の一対の側面611(図25参照)に沿って延在する一対の側板622と、上板621から延在し放熱ユニット63に固定される固定部623とを有する。一対の側板622は、その先端部622aが回路基板51に設けられた一対の開口519(図25参照)に差し込まれて電源用コネクタ61を支持している。また、固定部623には、放熱ユニット20へのネジ止め用の取付穴623aが形成されている。放熱ユニット70には、ネジ穴721a(図25参照)が形成された締結部721を有し、支持部材62は、固定部623の取付穴623aと放熱ユニット70のネジ穴721aとを使って放熱ユニット70にネジで固定されている。
また、支持部材62は、上板621から延びる一対の係止爪624を有する。この係止爪624は、電源用コネクタ61の、相手コネクタ側を向いた嵌合面に係止して、その電源用コネクタ61が、その嵌合面が向いた抜け方向に移動するのを阻止する役割りを担っている。
また、電源用コネクタ61の両側面611には、縦に延びる係止突起611a(図25参照)を有し、その係止突起611aが支持部材62の一対の側板622の前端面622bに当接して電源用コネクタ61が抜け方向とは逆の押込方向へ移動するのを防止している。
図27は回路基板上の電源用コネクタと組み合う相手コネクタを示す模式図である。
この相手コネクタ65は、商用電力をこのノートPCの動作に適したDC電力に変換するACアダプタ(図示せず)から延びるコードの先端に取り付けられている。ノートPCには、移動中を除き、ACアダプタを介して電力を供給して動作させることが多く、この図27に示す相手コネクタ65が電源用コネクタ61に差し込まれたままの状態で置かれることが多い。そのような状況下にあるときに、相手コネクタ65が図27に示す矢印A方向に衝撃を受けたり、矢印B方向に引っ掛けられる機会も多く、矢印A方向に衝撃を受けると電源用コネクタ61が押込方向の衝撃を受け、矢印B方向に引っ掛けられると電源用コネクタ61はねじりの力を受けることになる。従来のようにこの電源用コネクタ61が回路基板51上に直接に半田付けされているとき、その半田付け部分の半田が剥がれてしまい、動作不良を引き起こすおそれがある。本実施形態では、電源用コネクタ61は回路基板51上には載置されているだけであって、回路基板51とはケーブル612を介して接続されており、電源用コネクタ61に加えられた衝撃や力は支持部材62や放熱ユニット70を経由して分散し、衝撃や力が加ったことによる動作不良が回避される。
(放熱ユニットの構造)
図28は、回路基板上の放熱ユニットを示した斜視図であって、回路基板および前述の支持部材への固定用のネジを外した状態を示した図、図29は、放熱ユニットを回路基板から外して裏返し、回路基板に接する側の面を示した図、図30は、放熱ユニットから放熱ファンを取り外し、さらに放熱部材と取付部材とに分解して示した図、図31は、さらにコイルバネを取り外した取付部材を示した図である。
この放熱ユニット70は、放熱部材71と、取付部材72と、コイルバネ73と、ファン74とを有する。
放熱部材71は、図30に示す金属板711と、その金属板711に立設した複数の放熱フィン712とを有する。
金属板711の周辺部には4つの取付穴711aが形成されており、複数の放熱フィン712は、それらの取付穴711aを避けた中央寄りの位置に立設している。図30には、金属板711の第1面である底面が示されており、金属板711は放熱フィン712の支持体となるほか、その底面が回路基板上の発熱電子部品に接しその発熱電子部品から吸熱して放熱フィン712に伝熱する役割りを担っている。複数の放熱フィン712は、第2面である上面に立設している。
図29に示す回路基板51上は、発熱電子部品の1つであるCPU511が搭載され、さらに2つの発熱電子部品512,513が搭載されている。
ここで、放熱部材71を構成する金属板711の底面には、金属塊713が半田溶接されている。これは、CPU511と発熱電子部品512とでは、回路基板51上の高さが異なるため、CPU511については金属板711の底面が直接に接し、発熱電子部品512には金属塊713が接するように、その金属塊713の高さおよび位置が調整されている。金属塊713は金属板711の底面の基準面から突出する凸部を形成する。
この金属板711の底面に金属塊713を半田溶接して2つの発熱電子部品に接する工夫は、それら2つの発熱電子部品の相対的な高さや相対位置が異なる場合であっても、それに合わせて金属塊713の厚さや半田溶接の位置を調整すればよく、汎用性のある工夫である。つまり、この構成は、放熱ユニット70が設計が異なる複数種類の回路基板に対して汎用的に利用できることを意味する。
また、もう1つの発熱電子部品513の吸熱は、取付部材72が担っている。この取付部材72は、その発熱電子部品513に接する吸熱部722を有し、この吸熱部722の底面が発熱電子部品513に接している。その吸熱部722の発熱電子部品513に接する底面とは裏側の表面には、発熱電子部品513から吸熱した熱を空気中に放熱するための多数の放熱突起722a(図28参照)が形成されている。CPU511を含む、この回路基板51上に搭載された3つの発熱電子部品511〜513は、CPU511の発熱量が最大であり、発熱電子部品512の発熱量がそれに続き、発熱電子部品513の発熱量は3番目であり、この放熱ユニット70は、それらの発熱電子部品511〜513の発熱量に応じた吸熱方式を採用している。
この放熱ユニット70を構成するファン74は、放熱フィン712に向けて送風し、放熱フィン712を経由して熱せられた空気は、排気口27(図8参照)から本体ユニット20の筐体外部に排気される。
図29に示すように、放熱部材71を構成する金属板711は4本のネジ75で取付部材72に取り付けられている。図30は、取付部材72からファン74を取り外し、さらに放熱部材71を取り付けている4本のネジ75を取り外して、放熱部材71を取付部材72の横に並べて示した図である。取付部材72には、放熱部材71の放熱フィン712が貫通する開口723が形成され、その開口723の周囲には、底面側に突出して放熱部材71の取付穴711aに貫入する4つのボス724が形成されている。これら4つのボス724には、放熱部材71を取り付けるためのネジ75(図29参照)が螺入するネジ穴724a(図31参照)が形成されている。また、この取付部材72には、さらに、ファン74(図28、図29参照)が空気を吸入するための吸入口725も設けられている。4つのボス724には、それぞれ各ボス724を通すようにコイルバネ76が置かれ、さらにそのボス724に放熱部材71の取付穴711aを貫通させ、その状態で、図29に示すように、4本のネジ75でネジ止めされる。したがって、この放熱ユニット70を回路基板51上に取り付けると、放熱部材71は、取付部材72と、放熱部材71の金属板711とに挟まれた4本のコイルバネ76によって回路基板51側にバネ付勢され、CPU511や発熱電子部品512と確実に密着する。
本実施形態では、このような構造の簡易な放熱ユニット70を用い、回路基板51上の、CPU511を始めとする複数の発熱電子部品の熱を有効に放熱することができる。
上記実施形態は、全てのボス724に対してコイルバネ76を設ける例を示した。しかし、これに限定されるものではなく、放熱部材71に対するCPU511等の熱源の位置に応じて、複数のボス724に対して選択的にコイルバネ76を設けるようにしてもよい。上記金属板711の底面は長方形であり、その長方形の周辺部の4隅に取付穴711aを有する。例えば、熱源が金属板711の一辺寄りに位置する場合、その辺側の2つの取付穴711aを貫通するネジ75に対してコイルバネ76を設ける構成を採ればよい。また、例えば、熱源が金属板711の一隅寄りに位置する場合、4つの取付穴711aのうちのその隅に近い3つの取付穴711aを貫通するネジ75に対してコイルバネ76を設ける構成を採ればよい。このような構成であっても、バネ付勢によってバランスがとれた状態で金属板711を熱源に確実に密着させることができる。このような構成は、4本のネジ75に対して必要最小限の個数のコイルバネ76を設けることになり、コスト削減に寄与する。
また、上記実施形態は、取付部材72の基準面から同一長のボス724を設け、同種類のコイルバネ76を採用する例を示した。しかし、これに限定されず、金属板711に対する熱源の位置に応じて、ボス724が形成される部分の金属板を隆起させその部分に位置するボスの長さを短くしてもよい。例えば、熱源が金属板711の一辺寄りに位置する場合、その辺側の2つの隅部分である金属板711の部分を隆起させその部分に位置するボス724の長さを短くする。このような構成により、同種類のコイルバネ76を使い、バランスよく撓み量を変えて金属板711を熱源に密着させることができる。
また、上記実施形態は、取付部材72のボス724にネジ穴724aを設け、ネジ75を724aに螺入させて放熱部材71をネジ止めする放熱ユニット70の構成例を示した。しかし、放熱ユニット70の構成はこれに限定されず、取付部材72のボス724の先端部分の周囲にネジ山を設け、ナット等で放熱部材71を取り付けるネジ止めする構成であってもよい。
また、上記実施形態は、金属板711の底面の基準面に金属塊713を半田溶接する例を示した。しかし、これに限定されず、特定設計の回路基板に放熱ユニット70を適用する場合は、その回路基板の発熱電子部品の位置に応じて金属板711の底面を基準面から隆起させて凸部を形成する構成であってもよい。
電子機器の一実施形態としてのノート型パーソナルコンピュータ(ノートPC)の、開状態の外観を示した斜視図である。 電子機器の一実施形態としてのノート型パーソナルコンピュータ(ノートPC)の、閉状態の外観を示した斜視図である。 図1、図2と同じノートPCであって、本体ユニットからタッチセンサのカバーを取り外して示した分解斜視図である。 カバーの裏面を示した斜視図である。 図3に示す、カバーを取り外した状態からさらにセンサ基板を取り外して示した図である。 カバーとセンサ基板の裏面を示した図である。 従来型のポインティングデバイスを示した図である。 図1、図2等に示すノートPCと同一のノートPCであって、閉状態にあるノートPCを背面側から見て示した斜視図である。 カバー部材を取り外した状態のノートPCを背面側から見て示した斜視図である。 本体ユニット上面の、キーボードよりも奥側の領域で覆うカバー部材を取り外した状態のノートPCと、その取り外したカバー部材とを示した斜視図である。 図10に示す円R1の部分の拡大斜視図である。 図10に示す円R2の部分の拡大斜視図である。 図8に示す切欠部の背面側を覆うカバー部材の斜視図である。 閉状態にあるノートPCの、ヒンジ部の一部を示す平面図である。 比較例のノートPCの開状態の外観斜視図である。 比較例のノートPCのカバー部材を示す斜視図である。 閉状態にある、比較例のノートPCを背面側から見て示す斜視図である。 ヒンジカバー部が切り欠かれた形状の切欠部を示す拡大図である。 閉状態にある比較例のノートPCの、ヒンジ部の一部を示す平面図である。 図1、図2等に示す本実施形態のノートPCの本体ユニットを裏返し底面のカバーを取り外して示した斜視図である。 図20に示す本体ユニットに組み込まれた基板ユニットを取り外して、その基板ユニットのみを示した図である。 基板ユニットを裏返して示した図である。 図22に示す円R3の部分の拡大斜視図である。 図23と同じ部分を角度を変えて示した拡大斜視図である。 支持部材を取り外して電源用コネクタを持ち上げた状態を示した部分拡大図である。 支持部材の斜視図である。 回路基板上の電源用コネクタと組み合う相手コネクタを示す模式図である。 回路基板上の放熱ユニットを示した斜視図であり、回路基板および前述の支持部材への固定用のネジを外した状態を示した図である。 放熱ユニットを回路基板から外して裏返し、回路基板に接する側の面を示した図である。 放熱ユニットから放熱ファンを取り外し、さらに放熱部材と取付部材とに分解して示した図である。 さらにコイルバネを取り外した取付部材を示した図である。
符号の説明
10,910 ノートPC
20,920 本体ユニット
21,921 キーボード
22,922 ポインティングデバイス
22a,922a タッチセンサ
22b,22c,922b,922c 押ボタン
23 電源ボタン
24 ファンクションボタン
25,61 電源コネクタ
26,926 指紋センサ
27 排気口
30,930 表示ユニット
31,931 表示画面
40,940 ヒンジ部
41 ロッド部
42,942 切欠部
43,927 カバー部材
43a パッチ
45 ヒンジ部材
46 リブ
50 基板ユニット
51 回路基板
62 支持部材
65 相手コネクタ
70 放熱ユニット
71 放熱部材
72 取付部材
74 ファン
75 ネジ
76 コイルバネ
221 カバー
221a 係止爪
222 センサ基板
222a センサ回路
223,923 開口
224 係止穴
271 板部
272,972 立ち上り部
273 ネジ穴
431 取付穴
451 固定部
452 可動部
452a 軸
452b 回動部
511 CPU
512,513 発熱電子部品
519 開口
611a 係止突起
612 ケーブル
621 上板
622 側板
622a 先端部
622b 前側板
623 固定部
623a,711a,931 取付穴
624 係止爪
711 金属板
712 放熱フィン
721 締結部
721a,724a ネジ穴
722a 放熱突起
723 開口
724 ボス
725 吸入口
941 ヒンジカバー部
946 壁面
973 隙間

Claims (7)

  1. 回路基板と、
    前記回路基板上に載置され、該回路基板にケーブルを介して電気的に接続されたコネクタと、
    前記コネクタを前記回路基板上に支持する支持部材と、
    前記回路基板に搭載され前記支持部材が支持される搭載部品とを備え、
    前記回路基板が、前記コネクタが載置された載置領域両側に該回路基板表裏面を貫通する一対の開口を有し、
    前記支持部材が、前記コネクタ上面に接する上板と、該上板から折れ曲がり該コネクタの一対の側面に沿って延在して先端部が前記一対の開口それぞれに差し込まれる一対の側板と、前記上板から延在し前記搭載部品に固定される固定部と、前記上板から延び、前記コネクタの、相手コネクタ側を向いた面に係止して、該コネクタの、該面が向いた抜け方向への移動を阻止する係止爪とを有し、
    前記コネクタが、前記一対の側板に係止して前記抜け方向とは逆の押込方向への移動を阻止する係止突起を有することを特徴とする基板ユニット。
  2. 前記固定部が、前記搭載部品へのネジ止め用の取付穴を有し、前記搭載部品が該取付穴と連通するネジ穴を有し、前記支持部材が前記搭載部品にネジで固定されたものであることを特徴とする請求項1記載の基板ユニット。
  3. 前記一対の開口それぞれが、前記コネクタの一対の側面それぞれに沿って第1の方向に延在し、両端が該第1の方向とは交わる第2の方向に折れ曲がった形状の開口であることを特徴とする請求項1又は2記載の基板ユニット。
  4. 前記回路基板に搭載された、電力消費を伴って動作する発熱回路部品を備え、
    前記搭載部品が、前記発熱回路部品の熱を放熱する放熱ユニットであることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項記載の基板ユニット。
  5. 前記コネクタが、外部から電力の供給を受けて前記回路基板上の電子部品に供給する電源用コネクタであることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項記載の基板ユニット。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか1項記載の基板ユニットと、前記基板ユニットを収納する筐体とを有することを特徴とする電子機器。
  7. 前記回路基板が、演算処理を実行する回路素子が搭載された回路基板であって、前記筐体が、上面にキーボードを備えた本体ユニットの筐体であり、当該電子機器がさらに、表示画面を有し前記本体ユニットに開閉自在に軸支された表示ユニットを備えたことを特徴とする請求項6記載の電子機器。
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