JP5130801B2 - ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及びガス拡散電極用材料製造装置 - Google Patents

ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及びガス拡散電極用材料製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5130801B2
JP5130801B2 JP2007170441A JP2007170441A JP5130801B2 JP 5130801 B2 JP5130801 B2 JP 5130801B2 JP 2007170441 A JP2007170441 A JP 2007170441A JP 2007170441 A JP2007170441 A JP 2007170441A JP 5130801 B2 JP5130801 B2 JP 5130801B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas diffusion
pressure
diffusion electrode
porous substrate
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007170441A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009009830A (ja
Inventor
康太 中井
紀之 松風
光弘 根上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2007170441A priority Critical patent/JP5130801B2/ja
Publication of JP2009009830A publication Critical patent/JP2009009830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5130801B2 publication Critical patent/JP5130801B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Description

本発明は、例えば固体高分子電解質型燃料電池に使用されるガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及びガス拡散電極用材料製造装置に関する。
燃料電池は、熱的エネルギ又は機械的エネルギを経由することなく燃料の有する化学的エネルギを直接電気的エネルギに変換する装置であり、発電効率が高く、次世代の発電装置として大きな期待が寄せられている。
自動車に搭載される燃料電池として、イオン交換膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池が注目されている。この固体高分子電解質型燃料電池は、発電の基本単位であるシンプレックスセル(以下、「単位セル」とも呼ぶ。)を複数積層したコンプレックスセルとして構成される。
各単位セルは、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ燃料電極又は正極(以下、「アノード」とも呼ぶ。)と、酸化剤電極又は負極(以下、「カソード」とも呼ぶ。)と、を挟み膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)として構成され、アノードとカソードの外側には、それぞれガス流路と冷却水流路を有するアノード側セパレータ及びカソード側セパレータを備える。アノードは、固体高分子電解質膜の外側に順に配置した触媒層とガス拡散層とにより構成されるガス拡散電極であり、カソードも、固体高分子電解質膜の外側に順次配置した触媒層とガス拡散層とにより構成されるガス拡散電極である。
従来、固体高分子電解質型燃料電池のガス拡散電極用材料として、カーボンペーパ又はカーボンクロスの基材に、導電性物質(カーボン粒子)と撥水性物質(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)を含むインクスラリーを塗布したものが広く知られている。しかし、このガス拡散電極用材料は、導電性物質(カーボン粒子)の種類と撥水性物質の量によって、空孔の形状及び空孔率がほぼ一意的に決まってしまう傾向を有していた。このため、排水性を高めるために、撥水性物質(PTFE)の量を増やした場合には、空孔率が減少してガスの拡散性が低下していた。これとは逆に、ガス拡散性を向上させるために、撥水性物質(PTFE)の量を減らした場合には、排水性が低下してしまい、この結果、ガス拡散性と排水性との両方を向上させることが難しかった。
そこで、導電性物質(例えば、カーボン粒子)の粒径を2種類に変えて、ガス拡散電極の空孔径を制御することで、ガス拡散電極の排水性を向上させた技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−57215号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、空孔径が導電性物質の種類によって制御されることから、設定可能な空孔径と空孔率の範囲が狭く、この結果、十分な排水性を得ることができない恐れがあった。また、ガス拡散電極の多孔質基材に導電性物質(カーボン粒子)を含むインクスラリーを塗布して、ガス拡散電極を作製したため、多孔質基材の空孔内に導電性物質が付着することで、当該多孔質基材にもともと存在していた空孔が埋まってしまい、ガス拡散性が著しく低下する恐れを有していた。
このようにこの種の分野では、いかにインクスラリーを多孔質基材の内部にまで浸透させてガス拡散性と撥水性を両立させるかが重要な課題となっている。
そこで本発明は、上述の課題を解決するために提案されたものであり、面倒な親水処理工程をすることなく導電性物質を含有したインクスラリーを多孔質基材の繊維内部まで浸透させてガス拡散性と撥水性を両立させることのできるガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及びガス拡散電極用材料製造装置を提供することを目的とする。
本発明のガス拡散電極用材料の製造方法は、撥水性を有し且つ三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を、導電性物質を含有した水溶性インクスラリーが満たされた耐圧容器内に投入して浸した後、該多孔質基材の空隙中に溜まる空気を脱気させて前記水溶性インクスラリーを浸透させる。
本発明のガス拡散電極は、耐圧容器内に満たされた導電性物質が含有された水溶性インクスラリーに多孔質基材が浸されて当該耐圧容器内を減圧又は加圧或いは減圧と加圧を少なくとも1回以上繰り返して繊維内部にまで浸透して塗着されたことを特徴とする。
本発明のガス拡散電極用材料製造装置は、導電性物質を含有した水溶性インクスラリーが満たされた耐圧容器と、前記水溶性インクスラリー中に、撥水性を有し且つ三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を浸し、該多孔質基材の空隙中に溜まる空気を脱気させる容器内圧変化手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明方法によれば、多孔質基材の空隙中に溜まる空気を脱気させているので、単に多孔質基材を水溶性インクスラリーに浸すだけで、脱気された部位に水溶性インクスラリーが浸透し、該多孔質基材の内部にまで水溶性インクスラリーを浸透させることができる。
本発明のガス拡散電極によれば、導電性物質が含有された水溶性インクスラリーに多孔質基材が浸されて当該耐圧容器内を減圧又は加圧或いは減圧と加圧を少なくとも1回以上繰り返して繊維内部にまでインクスラリーが浸透して塗着された構造であるから、繊維内部にまで導電性物質が存在し、発電性能を向上させることができる。
本発明のガス拡散電極用材料製造装置は、導電性物質を含有した水溶性インクスラリーが満たされた耐圧容器内の内圧を変化させる容器内圧変化手段を備えているため、多孔質基材を水溶性インクスラリー中に浸して容器内圧を上昇または下降させることで、該多孔質基材の空隙中に溜まる空気を容易に脱気させることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
「第1の実施の形態」
先ず、第1の実施の形態のガス拡散電極用材料の製造方法を説明する前に、この製造方法で使用するガス拡散電極用材料製造装置について説明する。
ガス拡散電極用材料製造装置は、図1に示すように、内部に水溶性インクスラリー1を満たす耐圧容器2と、この耐圧容器2内を減圧するための減圧手段である真空ポンプ3と、この耐容器2と真空ポンプ3とを接続する接続パイプ4と、で構成されている。
水溶性インクスラリー1には、水に粉砕した導電性物質(カーボン粒子)を含有させるが、この導電性物質の粒径範囲は0.1〜10μmであり、平均粒径を5μm未満とし、インクスラリーの固形分率((カーボン+PTFE)/溶媒×100)は0.2〜20重量%とすることが好ましい。なお、水溶性インクスラリー1には、従来公知のものが使用できる。
耐圧容器2としては、容器内部に少なくとも多孔質基材5を水溶性インクスラリー1に浸すことのできる容量をなす金属容器からなる。この耐圧容器2の上部側面には、容器内部と連通する接続パイプ4が取り付けられている。
真空ポンプ3は、その接続パイプ4の途中に取り付けられており、駆動動作することで耐圧容器2の内部を排気し減圧させる。
次に、ガス拡散電極用材料の製造方法について説明する。
先ず、撥水性を有したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる三次元に連続した空隙を有した多孔質基材5を耐圧容器2の底部に配置する。
テトラフルオロエチレンから成る多孔質基材5としては、例えば住友電工(株)製のファインポリマを用いると良い。多孔質基材5の細孔は、丸開口形状よりもむしろスリット形状であり、細孔形状の分布も不均一であることから、多孔質基材5を延在処理又は熱処理すると、細孔の形状の空孔率を調整することが可能になる。
次に、この耐圧容器2の内部に導電性物質を含有した水溶性インクスラリー1を満たす。耐圧容器2内に水溶性インクスラリー1が満たされると、多孔質基材5の繊維内に前記水溶性インクスラリー1が浸透して行き着される(インクスラリー塗着工程)。なお、水溶性インクスラリー1を耐圧容器2内に満た後に、多孔質基材5を耐圧容器2内に浸漬しても構わない。
次に、真空ポンプ3を作動させて耐圧容器2内を排気する。すると、耐圧容器2の内部は減圧され、多孔質基材5の繊維内部にある空隙部に溜まった空気6が脱気される。この耐圧容器2内の減圧により、多孔質基材5における空隙部の気圧とインクスラリーの液圧との差が大きくなり、単にインクスラリー1に浸すだけでは浸透しない多孔質基材5の繊維内部まで前記水溶性インクスラリー1が気圧差により浸透することになる(インクスラリー浸透工程)。
このように本実施の形態によれば、耐圧容器2の内部を減圧するだけで、面倒な親水化処理をすることなく、簡単にカーボン粒子を含有した水溶性インクスラリー1を多孔質基材5の内部にまで確実に浸透させることができる。
そして、前記水溶性インクスラリー1の多孔質基材5への浸透が完了したところで、真空ポンプ3による減圧を停止し、耐圧容器2内から多孔質基材5を取り出す。その後、水溶性インクスラリー1を塗着させた多孔質基材5を熱処理して(熱処理工程)、ガス拡散電極用材料とする。最後に、得られたガス拡散電極用材料を、ガス透過性の導電性支持体に接合してガス拡散電極とする(接合処理工程)。
このようにして製造されたガス拡散電極は、撥水性を有したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる多孔質基材5でありながら繊維内の空隙にガス拡散性が低下してしまう程に導電性物質が埋まってしまうことがなく、且つ表面に水溶性インクスラリー1が均一に分散、浸透して当該導電性物質(カーボン粒子)が満遍なく付着した構造を持つ。
図2は、得られたガス拡散電極20の要部拡大断面図である。ガス拡散電極20は、導電性支持体21上にガス拡散電極用材料から成る多孔質層22を形成している。多孔質層22は、三次元に連続した空隙を有するポリテトラフルオロエチレンからなる多孔質基材23の表面に、複数個のカーボン粒子24を均一に分散して付着させた構造となっている。このように、多孔質基材23の表面に導電性物質(カーボン粒子24)を均一に分散、付着させることができたのは、導電性物質を含有した水溶性インクスラリー1を満たした耐圧容器2内を減圧させて多孔質基材23の空隙中に溜まる空気6を脱気させてインクスラリーを浸透させたからであり、これにより、本実施の形態のガス拡散電極20によれば、図2に示す如く多孔質基材23には三次元に連続した空隙が多く存在し、ガス透過性と排水性が共に向上すると共にそれら相反する性能が両立する。
さらに、このガス拡散電極20の多孔質層22の特徴を説明する。多孔質層22中のガス拡散電極用材料は、ポリテトラフルオロエチレンaとカーボン粒子bの組成比を、a=20〜60重量%、b=40〜80重量%とし、多孔質基材23は、厚さ5〜50μm、空隙率80%以上、孔径0.5〜45μm、透気度1〜30L/min・cm2 としている。
多孔質層22に含まれるカーボン粒子24は、粒径0.01〜2.0μm、比表面積30〜2000のカーボンブラックであるAB-6(アセチレンブラック、比表面積40m2 /g)を使用することが好ましい。
また、多孔質基材23の表面にカーボン粒子24を固定化した多孔質層22は、空隙率40〜80%、孔径0.5〜45μm、透気度1〜20L/min・cm2 であり、塗着量(固形分量)としては、ポリテトラフルオロエチレンの単位面積当たり、0.3〜3.0mg/cm2 の範囲とすることが好ましい。0.3mg/cm2 未満になると導電性経路が十分に形成されず、3.0mg/cm2 を超えるとガスの拡散性が低下するからである。
一方、導電性支持体21として用いるカーボンペーパ又はカーボンクロスは、導電性を有するものであれば良く、黒鉛化度が低くても良い。撥水剤の経時劣化に伴い、導電性支持体21として用いるカーボンペーパ又はカーボンクロスの撥水性が変化するため、撥水処理をしない方が良い。
また、導電性支持体21として用いるカーボンペーパ、カーボンクロスの厚さは、100〜300μmとすることが好ましい。導電性支持体21の厚さが100μm未満になると導電性支持体21の強度が不足し、一方、導電性支持体21の厚さが300μmを超えると、多孔質基材23のガスの拡散性が低下するからである。
導電性物質(カーボン粒子)をスラリー化する溶媒としては、例えば水と有機溶剤の混合溶媒を用いることが好ましい。
本実施の形態に係るガス拡散電極用材料の製造方法から得られたガス拡散電極20は、以下に示す固体高分子電解質型燃料電池に適用することができる。図3は固体高分子電解質型燃料電池の燃料電池スタック25の斜視図、図4はその燃料電池スタックの一部を詳細に示した分解斜視図、図5は単位セルの一部断面図を示す。
燃料電池スタック25は、図3及び図4に示すように、単位セル26を複数積層したコンプレックスセルとして構成される。燃料電池スタック25は、図4に示すように、膜電極接合体27の両側に配設されたアノード側セパレータ28とカソード側セパレータ29とにより構成される単位セル26を複数個積層し、その両端にエンドプレート30a、30bを配設して締結ボルト31で締結している。
さらに単位セル26を詳細に説明すると、図5に示すように、固体高分子電解質膜32の両側に、アノード33とカソード34を配置して膜電極接合体27とし、膜電極接合体27の両側にアノード側セパレータ28とカソード側セパレータ29を配置する。アノード33は、固体高分子電解質膜32側から順番に、触媒層35とガス拡散層36を配置し、カソード34も同様に、固体高分子電解質膜32側から順番に、触媒層37とガス拡散層38を配置している。
このように構成された燃料電池スタック25は、起動初期から耐久後にまで亘り、ガスの拡散性と排水性とが低下することなく、低電流密度から高電流密度までの発電性能が向上し、耐久性が維持されて、長寿命化を実現することが可能となる。
「第2の実施の形態」
第2の実施の形態では、耐圧容器2の内部を加圧して多孔質基材5の空隙中に溜まる空気6を脱気させてインクスラリーを浸透させる例である。
第2の実施の形態のガス拡散電極用材料製造装置は、図6に示すように、耐圧容器2の内部を加圧させるための加圧手段(容器内圧上昇手段)である駆動源、加圧ピストン40及び加圧板41を備えている。加圧板41は、耐圧容器2の内部上方位置に設けられており、駆動源により駆動されて作動する加圧ピストン40により上下動して、前記耐圧容器2内を加圧するようになっている。
この加圧手段を備えたガス拡散電極用材料製造装置を使用してガス拡散電極用材料を製造するには、第1の実施の形態と同様、撥水性を有したポリテトラフルオロエチレンからなる三次元に連続した空隙を有した多孔質基材5を耐圧容器2の底部に配置した後、耐圧容器2の内部に導電性物質を含有した水溶性インクスラリー1を満たす。なお、水溶性インクスラリー1を耐圧容器2内に満たした後に、多孔質基材5を容器内に配置しても構わない。
次に、加圧ピストン40を動作させて天井部近くに配置されていた加圧板41を、図6(A)から図6(B)に示すように底部へと下降させて行き、耐圧容器2の内部を加圧する。すると、耐圧容器2の内部の圧力が高まり、水溶性インクスラリー1の液圧が上昇し、その液圧に押されて多孔質基材5の繊維内部にある空隙部に溜まった空気6が脱気される。その結果、単に水溶性インクスラリー1に浸すだけでは浸透しない多孔質基材5の繊維内部まで前記水溶性インクスラリー1が前記気圧差により浸透することになる。
「第3の実施の形態」
第3の実施の形態では、耐圧容器2の内部を減圧と加圧を少なくとも1回以上繰り返して多孔質基材5の空隙中に溜まる空気6を脱気させて水溶性インクスラリー1を浸透させる例である。
第3の実施の形態のガス拡散電極用材料製造装置は、図7に示すように、第1の実施の形態で使用した減圧手段と第2の実施の形態で使用した加圧手段の両方手段を備えている。
このガス拡散電極用材料製造装置を使用してガス拡散電極用材料を製造するには、先ず、撥水性を有したポリテトラフルオロエチレンからなる三次元に連続した空隙を有した多孔質基材5を耐圧容器2の底部に配置した後、耐圧容器2の内部に導電性物質を含有した水溶性インクスラリー1を満たす。なお、水溶性インクスラリー1を耐圧容器2内に満たしてから多孔質基材5を容器内に配置しても構わない。
次に、図7(A)に示すように、真空ポンプ3を作動させて耐圧容器2内を排気して減圧する。この耐圧容器2内の減圧により、多孔質基材5の繊維内部にある空隙部に溜まった空気6が脱気される。そして、所定時間排気を行った後、真空ポンプ3の作動を停止する。
次に、加圧ピストン40を動作させて天井部近くに配置されていた加圧板41を、図7(B)及び(C)に示すように底部へと下降させて行き、耐圧容器2の内部を加圧する。すると、耐圧容器2内部の圧力が高まり、多孔質基材5の繊維内部にある空隙部に溜まった空気6が確実に脱気され、多孔質基材5の繊維内部までインクスラリー1が浸透することになる。そして、所定時間加圧を行った後、加圧を停止する。
続いて、図8(A)に示すように、再び真空ポンプ3を作動させて耐圧容器2内を排気し減圧して多孔質基材5の空隙部に存する空気6を脱気させる。次いで、減圧を停止した後、図8(B)及び(C)に示すように、再び加圧ピストン40を動作させて加圧板41を底部へと下降させて耐圧容器2の内部を加圧する。
そして、この減圧と加圧を複数回繰り返す。そうすることで、多孔質基材5の繊維内部にある空隙部に溜まった空気6を確実に脱気させてガス拡散性を確保し得る程度に空隙を作ることができると共に、導電性物質を多孔質基材5にムラなく均一に塗着させることができる。
このようにして得られたガス拡散電極用材料は、ガス拡散性と排水性の両方が満足し得るように導電性物質が均一に分散されると共に表面だけでなく内部にまで付着した発電性能に優れた電極材料となる。
以上、上述した各実施の形態は、本発明の一例であり、これら実施の形態に本発明が限定されることはない。
図1は第1の実施の形態におけるガス拡散電極製造装置の断面図である。 図2はガス拡散電極の要部拡大断面図である。 図3は固体高分子電解質型燃料電池の燃料電池スタックの斜視図である。 図4は図3に示す燃料電池スタックの一部を詳細に示した分解斜視図である。 図5は単位セルの一部断面図である。 図6は第2の実施の形態におけるガス拡散電極製造装置を使用して容器内部を加圧する工程を示す図である。 図7は第3の実施の形態におけるガス拡散電極製造装置を使用して容器内部を減圧した後、加圧する工程を示す図である。 図8は第3の実施の形態におけるガス拡散電極製造装置を使用して容器内部を再び減圧した後、加圧する工程を示す図である。
符号の説明
1…水溶性インクスラリー
2…耐圧容器
3…真空ポンプ(減圧手段)
5…多孔質基材
6…空気
20…ガス拡散電極
21…導電性支持体
22…多孔質層
23…多孔質基材
24…カーボン粒子(導電性物質)
25…燃料電池スタック
40…加圧ピストン(加圧手段)
41…加圧板

Claims (9)

  1. 撥水性を有し且つ三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を、導電性物質を含有した水溶性インクスラリーが満たされた耐圧容器内に投入して浸すインクスラリー塗着工程と、
    前記多孔質基材の空隙中に溜まる空気を脱気させて前記水溶性インクスラリーを浸透させるインクスラリー浸透工程と、を備えた
    ことを特徴とするガス拡散電極用材料の製造方法。
  2. 請求項1に記載のガス拡散電極用材料の製造方法であって、
    前記耐圧容器内を減圧して前記多孔質基材の空隙中に溜まる空気を脱気させる
    ことを特徴とするガス拡散電極用材料の製造方法。
  3. 請求項1に記載のガス拡散電極用材料の製造方法であって、
    前記耐圧容器内を加圧して前記多孔質基材の空隙中に溜まる空気を脱気させる
    ことを特徴とするガス拡散電極用材料の製造方法。
  4. 請求項1に記載のガス拡散電極用材料の製造方法であって、
    前記耐圧容器内を減圧と加圧を少なくとも1回以上繰り返して前記多孔質基材の空隙中に溜まる空気を脱気させる
    ことを特徴とするガス拡散電極用材料の製造方法。
  5. 撥水性を有し且つ三次元に連続した空隙を有する多孔質基材の繊維に導電性物質が付着されたガス拡散電極において、
    前記導電性物質は、耐圧容器内に満たされた該導電性物質が含有された水溶性インクスラリーに多孔質基材が浸されて当該耐圧容器内を減圧又は加圧或いは減圧と加圧を少なくとも1回以上繰り返して繊維内部にまで浸透して塗着された
    ことを特徴とするガス拡散電極。
  6. 導電性物質を含有した水溶性インクスラリーが満たされた耐圧容器と、
    前記水溶性インクスラリー中に、撥水性を有し且つ三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を浸し、該多孔質基材の空隙中に溜まる空気を脱気させる容器内圧変化手段と、を備えた
    ことを特徴とするガス拡散電極用材料製造装置。
  7. 請求項に記載のガス拡散電極用材料製造装置であって、
    前記容器内圧変化手段は、前記耐圧容器内を減圧する真空ポンプからなる
    ことを特徴とするガス拡散電極用材料製造装置。
  8. 請求項に記載のガス拡散電極用材料製造装置であって、
    前記容器内圧変化手段は、前記耐圧容器内を加圧する加圧ピストンからなる
    ことを特徴とするガス拡散電極用材料製造装置。
  9. 請求項6に記載のガス拡散電極用材料製造装置であって、
    前記容器内圧変化手段は、前記耐圧容器内を減圧する真空ポンプおよび前記耐圧容器内を加圧する加圧ピストンからなる
    ことを特徴とするガス拡散電極用材料製造装置。
JP2007170441A 2007-06-28 2007-06-28 ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及びガス拡散電極用材料製造装置 Expired - Fee Related JP5130801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007170441A JP5130801B2 (ja) 2007-06-28 2007-06-28 ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及びガス拡散電極用材料製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007170441A JP5130801B2 (ja) 2007-06-28 2007-06-28 ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及びガス拡散電極用材料製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009009830A JP2009009830A (ja) 2009-01-15
JP5130801B2 true JP5130801B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=40324717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007170441A Expired - Fee Related JP5130801B2 (ja) 2007-06-28 2007-06-28 ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及びガス拡散電極用材料製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5130801B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101346205B1 (ko) * 2012-01-12 2014-01-10 재단법인 강릉과학산업진흥원 고체전해질 연료전지용 공기극의 형성방법

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2848726B2 (ja) * 1991-11-14 1999-01-20 工業技術院長 燃料電池用ガス拡散電極
JP3117280B2 (ja) * 1992-05-13 2000-12-11 三菱重工業株式会社 ガス拡散電極への固体高分子電解質充填法及びその装置
JPH08148154A (ja) * 1994-11-17 1996-06-07 Tokyo Gas Co Ltd 燃料電池の電極作製方法及び装置
JP2002329501A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd ガス拡散電極およびそれを用いた高分子電解質型燃料電池
JP5326185B2 (ja) * 2005-09-28 2013-10-30 日産自動車株式会社 ガス拡散電極用材料及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009009830A (ja) 2009-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11018345B2 (en) Method and electrochemical cell for managing electrochemical reactions
KR102084470B1 (ko) 전기화학 전지와 함께 사용하기 위한 유동 구조물
JP5300191B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子型燃料電池
TWI644478B (zh) Gas diffusion electrode substrate, manufacturing method and application thereof
KR101832694B1 (ko) 연료 전지
TW201543746A (zh) 氣體擴散電極及其製造方法
KR100968237B1 (ko) 연료 전지용 전기 도전성 다공체, 그것을 구비한 연료전지, 및 그것의 제조 방법
JP6717748B2 (ja) ガス拡散基材
TW201415702A (zh) 燃料電池用氣體擴散電極基材
JP2013020940A (ja) 燃料電池用微細多孔質層シート及びその製造方法
JP2006338938A (ja) 電解質膜−電極接合体およびその製造方法
CN110024193B (zh) 气体扩散电极及其制造方法
JP2008311180A (ja) 膜電極接合体、その製造方法及び該膜電極接合体を用いた燃料電池
JP5410787B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用ガス拡散層
JP5130801B2 (ja) ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及びガス拡散電極用材料製造装置
JP2009032687A (ja) ガス拡散電極及びその製造方法
JP2008146928A (ja) 燃料電池用ガス拡散電極およびその製造方法
JP2005038780A (ja) 固体高分子型燃料電池
JP2007227008A (ja) 多孔質炭素電極基材およびそれを用いた燃料電池
JP2008098066A (ja) ガス拡散基材、その製造方法、ガス拡散層及び固体高分子形燃料電池
KR102591887B1 (ko) 탄소 시트, 가스 확산 전극 기재, 권회체 및 연료 전지
JP2008311181A (ja) 膜電極接合体、その製造方法及び該膜電極接合体を用いた燃料電池
JP2005353534A (ja) 燃料電池用電解質膜及びその製造方法並びに燃料電池
JP2007149454A (ja) ガス拡散層、ガス拡散電極、膜電極接合体及び高分子電解質形燃料電池
JP2007258161A (ja) ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及び固体高分子電解質型燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121009

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121022

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5130801

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees