JP5129063B2 - 監視システム及び電流変動抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、受信機から引き出された伝送線に接続した感知器により火災等の異常を監視すると共に感知器側での負荷変動に伴う線路電流の急激な変動を抑制する監視システム及び電流変動抑制装置に関する。
従来、受信機からの伝送線に火災感知器、ガス検知器などのセンサを接続して火災、ガス漏れなどの異常を監視する監視システムにあっては、受信機から電圧モードで制御情報などの下り信号としてのデジタル信号を端末に伝送し、端末は電流モードでセンサ情報などの上り信号としてのデジタル信号を受信機に伝送している。
図15は従来の監視システムを示しており、親機としての受信機100からは電源供給線を兼ねた伝送線102a,102bが引き出され、子機としてアナログ型感知器104や中継器106を接続している。アナログ型感知器104と中継器106には固有のアドレスが設定されている。
アナログ型感知器104は火災による煙濃度又は温度のアナログ値を検出し、煙濃度データ又は温度データを受信機100に伝送して火災を判断し、火災警報を出す。
中継器106からは感知器回線105a,105bが引き出され、伝送機能を持たないオンオフ型感知器108を負荷として接続しており、オンオフ型感知器108が火災を検出すると感知器回線105a,105bに発報電流を流し、この発報電流を中継器106で受信し、受信機100に火災発報データを伝送して火災警報を出す。
また受信機100は子機アドレスを順次指定してポーリング用の下り信号を電圧モードで送っており、このポーリングに対し子機側は自己アドレスを判別すると正常を示す上り信号を電流モードで伝送している。
図16は図15の従来システムにおけるアナログ感知器104と中継器106を等価回路により示している。中継器106は負荷として接続しているオンオフ型感知器の発報で線路電流が増加することから、可変抵抗で示す変動負荷110と見做すことができ、場合によってはコンデンサC10が接続される。
アナログ型感知器104は定電流源112とスイッチ114を持ち、例えば受信機100からのポーリングに対しCPU116が正常を示す上り信号を所定ビット長の電流パルス信号により伝送している。
アナログ型感知器104から伝送されて電流パルス信号は受信機100の受信抵抗に流れ、電流パルスに比例した電流検出電圧パルスを生成して受信機100内のCPUに読込み、正常であることを認識する。
図17は受信機100で受信された複数のアナログ型感知器104からの電流検出電圧パルス118であり、電流検出電圧パルス118に対し所定の基準電圧Veを設定し、コンパレータで基準電圧Veとの比較で受信パルスを生成して処理している。
このとき伝送線102a,102b間にはアナログ型感知器104や中継器106などの子機に流れる消費電流を合計した負荷電流が流れており、信号電流がないときに負荷電流検出電圧116として受信され、負荷電流検出電圧116は比較的緩やかに変動しており、この状態では基準電圧Veにより電流検出電圧パルス118をコンパレータにより正確に検出することができる。
特開平9−91576号公報 特開平6−301876号公報
しかしながら、このような従来の監視システムにあっては、中継器の負荷として接続しているオンオフ型感知器108が誤動作などにより一時的に発報電流を流して負荷電流がステップ的に増加した場合、図18の時刻t1〜t2に示すように、受信機における負荷電流検出電圧116がステップ的に増加して基準電圧Veを上回る電圧120となり、その間に受信された電流検出電圧パルス118をコンパレータで検出することができず、アナログ型感知器104からの上り信号が失われ、正常に通信できなくなるという問題がある。
本発明は、子機側に負荷電流のステップ的な変動が発生しても、伝送線に流れる線路電流の増加を抑え、子機からの電流信号を親機で正確に検出して安定した通信を可能とする監視システム及び電流変動抑制装置を提供することを目的とする。
(監視システム)
本発明は、親機から引き出された電源供給線を兼ねた伝送線に複数の子機を接続し、親機から子機に電圧モードで下り信号を伝送し、子機から親機に電流モードで上り信号を伝送し、親機で子機により検出された異常を受信して警報する監視システムに於いて、
子機に、負荷の変動に伴う線路電流のステップ的な変動を抑制する電流変動抑制装置を設け、
電流変動抑制装置は、
変動負荷の負荷両端電圧の低下に応じて線路電流を直線的に増加させる定電流回路と、
変動負荷と並列に接続され、負荷抵抗のステップ的変化に対する充電又は放電により負荷両端電圧を放電時定数又は充電時定数に応じて緩やかに変化させることにより定電流回路により線路電流のステップ的変化を抑制させるコンデンサと、
を備えたことを特徴とする。
ここで、定電流回路は、
プラス伝送線とコレクタの間に変動負荷とコンデンサの並列回路を接続し、エミッタとマイナス伝送線の間に第1抵抗R1を接続したNPN型の第1トランジスタQ1と、
マイナス伝送線とコレクタの間に第4抵抗R4を接続し、プラス伝送線とエミッタの第5抵抗R5を接続し、プラス伝送線とベースとの間に負荷両端電圧を入力したPNP型の第2トランジスタQ2と、
非反転入力端子に所定の基準電圧を印加し、反転入力端子に第2トランジスタQ2のコレクタを第3抵抗R3を介して接続し、出力端子を第1トランジスタQ1のベースに接続し、出力端子から反転入力端子に至る帰還回路に第2抵抗R2を接続したオペアンプと、
を備えたことを特徴とする。
定電流回路のオペアンプの帰還回路に設けた第2抵抗R2と並列に、電源投入時や負荷短絡時の最大電流を規制するダイオードを並列接続する。
定電流回路の別の形態として、
プラス伝送線とコレクタの間に変動負荷とコンデンサの並列回路を接続し、エミッタとマイナス伝送線の間に第1抵抗R1を接続したNPN型の第1トランジスタQ1と、
反転入力端子に、トランジスタのエミッタとプラス伝送線の間に接続した第2抵抗R12と第3抵抗R13の接続部分を接続し、非反転入力端子に、トランジスタのコレクタと所定の基準電圧Vfとの間に接続した第4抵抗R14(=R3)と第5抵抗R15(=R2)の接続部分を接続し、出力端子をトランジスタのベースに接続したオペアンプと、
を備えたことを特徴とする。
親機は受信機であり、子機は、火災による煙濃度又は温度のアナログ値を検出して受信機に伝送するアナログ型感知器、及び、異常を検出して発報電流信号を出力するオンオフ型の検知器を伝送線から電源供給を受けている信号回線に接続した中継器であり、中継器を電流変動抑制装置を介して伝送線に接続する。
また中継器に電流変動抑制装置を一体に設けるようにしても良い。
オンオフ型の検知器は、火災を検出して信号回線に発報電流を流すオンオフ型火災感知器、又は、侵入者を検出して信号回線に検出電流を流す盗難検知器である。
親機としての受信機は、子機から電流モードで伝送された上り信号を受信して入力する伝送入力回路を有し、この伝送入力回路は、
伝送線に流れる線路電流を電圧信号に変換する電流検出抵抗と、
デジタルデータのセットにより出力される調整電圧を設定するDAコンバータと、
電流検出抵抗の検出電圧から前記DA変換器の調整電圧を差し引いた調整検出電圧を出力するオペアンプと、
オペアンプから出力された調整検出電圧と所定の基準電圧とを比較し、基準電圧を超える調整検出電圧の部分に応じた受信信号を出力するコンパレータと、
信号電流のない所定の調整タイミングで、コンパレータの出力電圧に基づき、調整検出電圧を基準電圧に一致するようにDAコンバータにデジタルデータをセットして変更した後に、変更後の調整電圧を基準電圧の半分の値だけ低下させるようにDAコンバータにデジタルデータをセットする基準調整部と、
を備える。
基準調整部は、コンパレータの出力電圧がHレベルとLレベルの中間電圧となるようにDAコンバータにデジタルデータをセットして調整検出電圧を基準電圧に一致させる。
(電流変動抑制装置)
本発明は、親機から引き出された電源供給線を兼ねた伝送線に接続した子機に設けられ、負荷の変動に伴う線路電流のステップ的な変動を抑制する電流変動抑制装置に於いて、
負荷の両端電圧の低下に応じて線路電流を直線的に増加させる定電流回路と、
変動負荷と並列に接続され、負荷抵抗のステップ的変化に対する充電又は放電により負荷両端電圧を放電時定数又は充電時定数に応じて緩やかに変化させることにより定電流回路により線路電流のステップ的変化を抑制させるコンデンサと、
を備えたことを特徴とする。
定電流回路は、
プラス伝送線とコレクタの間に変動負荷とコンデンサの並列回路を接続し、エミッタとマイナス伝送線の間に第1抵抗R1を接続したNPN型の第1トランジスタQ1と、
マイナス伝送線とコレクタの間に第4抵抗R4を接続し、プラス伝送線とエミッタの第5抵抗R5を接続し、プラス伝送線とベースとの間に負荷両端電圧を入力したPNP型の第2トランジスタQ2と、
非反転入力端子に所定の基準電圧を印加し、反転入力端子に第2トランジスタQ2のコレクタを第3抵抗R3を介して接続し、出力端子を第1トランジスタQ1のベースに接続し、出力端子から反転入力端子に至る帰還回路に第2抵抗R2を接続したオペアンプと、
を備えたことを特徴とする。
定電流回路のオペアンプの帰還回路に設けた第2抵抗と並列に、電源投入時や負荷短絡時の最大電流を規制するダイオードを並列接続する。
本発明によれば、中継器に負荷として接続したオンオフ型感知器の一時的な発報動作で負荷電流がステップ的に増加した場合、電流変動抑制装置が負荷電流のステップ的な増加に対し伝送路に流す線路電流を、変動負荷に並列接続されたコンデンサの放電による負荷両端電圧の緩やかな低下に反比例して線路電流を増加させる定電流回路の動作により、線路電流のステップ的な変動を抑制する。
このように負荷変動に伴う線路電流の急激な変動が抑制されて線路電流が緩やかに変動するようになると、親機としての受信機の伝送入力回路に設けている基準調整機能、即ち、信号電流が流れていないときの基底的な線路電流の変動に対し基準電圧との差を常に基準電圧の1/2に保つように調整する機能が有効に働き、負荷電流にステップ的な変動があっても子機から親機に対する通信を確実に継続することができる。
図1は本発明による監視システムの基本的な構成を示したシステムブロック図である。図1において、本実施形態の監視システムは、親機としての受信機10から警戒区域に向けて引き出された伝送線12a,12bに、子機としてアナログ型感知器14及び中継器16を設けている。
アナログ型感知器14及び中継器16は、受信機10との間で上り信号及び下り信号による伝送機能を備えており、アナログ型感知器14及び中継器16には1つの伝送回線当たり、例えば127アドレスを最大アドレスとする固有のアドレスが予め割り当てられている。
アナログ型感知器14は火災による煙濃度または温度を検出し、検出した値をアナログデータとして受信機10に伝送し、受信機10側で受信した煙濃度または温度のアナログデータから火災を判断して警報するようにしている。
一方、中継器16は伝送機能を持たないオンオフ型感知器18を伝送線12a,12bに接続するために設けられている。中継器16は受信機10との間で伝送機能を持ち、中継器16から引き出された感知器回線15a,15bにオンオフ型感知器18を接続している。オンオフ型感知器18は火災を検出すると、感知器回線15a,15b間に発報電流を流し、この発報電流を中継器16で受信し、火災発報データを受信機10に伝送する。
ここで受信機10から子機となるアナログ型感知器14及び中継器16に対する下り信号は、電圧モードで伝送している。例えば受信機10は一定のポーリング周期で子機アドレスを順次指定してポーリング信号を伝送しており、このポーリング信号は伝送線12a,12bの電圧を例えば18ボルトと30ボルトの間で変化させる電圧パルスとして伝送される。
これに対し、アナログ型感知器14及び中継器16からの上り信号は電流モードで伝送される。即ち電流モードにあっては、伝送線12a,12b間に伝送データのビット1のタイミングで信号電流を流し、いわゆる電流パルス列として上り信号が受信機10に伝送される。
また伝送線12a,12bは、子機となるアナログ型感知器14及び中継器16に対する電源供給線として使用されている。即ち伝送線12a,12bは、電圧モードによる下り信号の伝送時にあっても18ボルトから30ボルトの範囲で電圧を変動させており、最低でも18ボルトの電圧供給が行われていることから、これによって子機側に電源供給を継続的に行っている。
中継器16から引き出されている感知器回線15a,15bに対しても、伝送線12a,12bから行われた電源供給が中継器16を経由して同時に行われ、オンオフ型感知器18に電源を供給している。
本実施形態にあっては、オンオフ型感知器18を負荷として接続した中継器16を、本発明による電流変動抑制装置20を介して伝送線12a,12bに接続している。電流変動抑制装置20は、負荷の変動に伴う線路電流のステップ的な変動を抑制する。
即ち、中継器16に感知器回線15a,15bを介して接続しているオンオフ型感知器18で、例えば火災の誤検出などにより一時的に火災発報が行われて発報電流が流れたとすると、この発報電流は中継器16を介して伝送線12a,12b間の線路電流をステップ的に増加させることになる。
しかしながら、本実施形態にあっては、その間に電流変動抑制装置20を設けていることで、中継器16における負荷変動で感知器回線15a,15bの線路電流がステップ的に増加しても、中継器16の負荷側における線路電流のステップ的な変動は伝送線12a,12bに伝わらず、時間の経過に伴って緩やかに変動する伝送線12a,12bの線路電流の変動を作り出す。
図2は本発明の監視システムにおける受信機、アナログ型感知器及び中継器の回路構成を示したブロック図である。図2において、受信機10にはCPU22が設けられ、CPU22に対しては伝送回路部24が設けられ、伝送回路部24より伝送線12a,12bが引き出されている。
伝送回路部24には伝送出力回路26と伝送入力回路28が設けられている。伝送出力回路26は、CPU22からの例えばポーリングなどのコマンド指示に基づき、電圧モードで下り信号を伝送線12a,12bに出力する。
伝送入力回路28は、子機となるアナログ型感知器14または中継器16からの電流モードによる上り信号を受信し、受信信号をCPU22に出力し、火災警報動作を行わせる。
CPU22に対しては、表示部30、操作部32、記憶部34及び移報部36が設けられ、火災監視に必要な各種の警報出力、警報表示、操作、監視情報の記憶、移報信号の出力などができるようにしている。
アナログ型感知器14には、CPU38、センサ部40及び伝送回路部42が設けられている。センサ部40は火災による煙濃度あるいは温度などを検出し、検出したアナログ信号をCPU38でデジタルデータに変換し、伝送回路部42から電流モードによる上り信号として受信機10に伝送する。
また伝送回路部42は、受信機10からのポーリングなどの下り信号を受信し、CPU38に対し正常であれば、正常を示す応答上り信号を電流モードで受信機10に送信する。
中継器16には、CPU44、発報受信部46及び伝送回路部48が設けられている。発報受信部46からは感知器回線15a,15bが引き出され、そこにオンオフ型感知器18を負荷として接続している。
オンオフ型感知器18が火災を検出すると、感知器回線15a,15b間に発報電流を流し、この発報電流を発報受信部46で受信してCPU44に出力し、CPU44は伝送回路部48により、上り信号として火災発報信号を受信機10に伝送して火災警報を行わせる。
またアナログ型感知器14と同様、受信機10からのポーリングのための下り信号を伝送回路部48で受信すると、受信したポーリング信号をCPU44に出力し、中継器16に異常がなければ、正常を示す上り信号を電流モードで受信機10に伝送する。
図3は本発明による電流変動装置の等価回路を示した回路図である。図3において、負荷装置25は図1に示した感知器回線15a,15bにオンオフ型感知器18を接続した中継器16に相当し、可変抵抗器で示す変動負荷50を備えた負荷装置25と見做すことができる。
このような中継器に相当する負荷装置25は、電流変動抑制装置20を介して伝送線12a,12bに接続される。電流変動抑制装置20にはコンデンサC1と定電流回路52が設けられている。
定電流回路52は、負荷装置25における変動負荷50の負荷両端電圧E1の低下に応じて線路電流I1を直線的に増加させる定電流動作を行う。コンデンサC1は負荷装置25の変動負荷50と並列に接続され、変動負荷50における負荷抵抗のステップ的変化に対する充電または放電により、負荷両端電圧E1を放電時定数または充電時定数に応じて緩やかに変化させ、これを受けて定電流回路52により線路電流Iのステップ的変化を抑制する。
図4は図3に示した等価回路に対応した本発明による電流変動抑制装置の実施形態を示した回路図である。図4において、負荷装置25に設けている変動負荷50にコンデンサC1が並列接続されており、負荷両端電圧E1の減少に対し、線路電流I1を直線的に増加させる定電流回路52が設けられている。
定電流回路52は、NPN型の第1トランジスタとしてのトランジスタQ1、PNP型の第2トランジスタとしてのトランジスタQ2、オペアンプ54、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R4及び第5抵抗R5で構成される。
即ち定電流回路52は、プラス側の伝送線12aとトランジスタQ1のコレクタの間に変動負荷50とコンデンサC1の並列回路を接続し、トランジスタQ1のエミッタとマイナス側の伝送線12bとの間に抵抗R1を接続している。
またトランジスタQ2のコレクタとマイナス側の伝送線12bとの間に抵抗R4を接続すると共に、トランジスタQ2のエミッタとプラス側の伝送線12aの間に抵抗R5を接続している。
オペアンプ54の非反転入力端子(プラス入力端子)には所定の基準電圧Vf、例えばVf=1ボルトが設定される。オペアンプ54の反転入力端子(マイナス入力端子)は、抵抗R3を介してトランジスタQ2のコレクタと抵抗R4の接続点に接続される。オペアンプ54の出力はトランジスタQ1のベースに接続される。
更にトランジスタQ1のエミッタからオペアンプ54の反転入力端子との帰還回路に抵抗R2を接続している。抵抗R1〜R4の間には次の関係がある。
R2>>R1
R4>>R3
ここで、トランジスタQ2のベース、エミッタ間電圧をVBE、抵抗R1を流れる電流(線路電流)をI1とすると、変動負荷50の負荷両端電圧E1は次式で表すことができる。
Figure 0005129063
この(1)式の導出過程を示すと次のようになる。まず抵抗R5の両端電圧V5は次式となる。
V5=E1−VBE
また、抵抗R4の両端電圧V4は、抵抗R4とR5の按分により次式となる。
Figure 0005129063
一方、R1の両端電圧V1は
V1=R1×I1
であり、抵抗R2の両端電圧V2は次式となる。
V2=Vf−V1=Vf−R1・I1 (3)
このため抵抗R3の両端電圧V3は、抵抗R2,R3の按分により次式となる。
Figure 0005129063
ここでオペアンプ54のイマジナリショートによりマイナス入力端子はプラス入力端子と同じVfにあることから、
V4=V3+Vf (5)
が成立する。
そこで(5)式に(2)(3)(4)式を代入すると次式が得られる。
Figure 0005129063
これをE1についてまとめると次式が得られる。
Figure 0005129063
ここで、Vf,R1〜R4,VBEは定数であることから、
E1=A−K・I1 (6)
の関係が成立している。
図5は前記(1)式で与えられる図3の電流変動抑制装置の負荷両端電圧E1の変化に対する線路電流I1の制御特性を示したグラフ図である。図5の特性から明らかなように、変動負荷50に電流が流れていない線路電流I1=0mAのとき、負荷両端電圧E1は例えば11.6ボルトとなっている。この11.6ボルトは前記(6)式における定数Aに相当する。
この状態から負荷両端電圧E1が低下すると、負荷両端電圧E1の低下に伴って線路電流I1が直線的に増加する。そして、例えば負荷両端電圧E1が10.6ボルトに低下したとき、線路電流I1はI1=50mAに増加している。
図4の電流変動抑制装置20にコンデンサC1を設けていない場合には、変動負荷50における負荷抵抗の低下に伴う負荷両端電圧E1の低下に対し、定電流回路52は図5の特性に従って、負荷両端電圧E1の減少に応じて増加する線路電流I1を伝送線12a,12bに流すこととなり、変動負荷50の抵抗値の変化に伴うステップ的な負荷電流の変化が、そのまま伝送線12a,12bに表れることになる。
しかしながら、本実施形態にあっては、変動負荷50と並列にコンデンサC1を接続したことにより、負荷両端電圧E1のステップ的な変化をコンデンサC1の充電または放電により緩やかに変化させ、伝送線12a,12bに流れる電流を、コンデンサC1の放電時定数または充電時定数に従った緩やかな電流変化に抑制することができる。
図4の電流変動抑制装置20における動作を具体的に説明すると次のようになる。いま図5の特性図に示すように、負荷装置25の変動負荷50に負荷電流Izが流れておらず、電流I1=0mAの状態で負荷両端電圧E1が11.6ボルトにあったとする。
このため、並列接続したコンデンサC1も負荷両端電圧E1と同じ11.6ボルトに充電され、これによりトランジスタQ2のエミッタ,ベース間を順バイアスし、トランジスタQ2を導通状態として、抵抗R4に電流を流している。
オペアンプ54は、イマジナリショートによって反転入力端子の入力電圧を非反転入力端子の基準電圧Vfに一致させるように、出力に接続したトランジスタQ1を制御しているが、このとき抵抗R1に線路電流I1を流さないようにすることから、トランジスタQ1はカットオフ状態に保たれる。
この状態で、変動負荷50の負荷抵抗がステップ的に減少し、例えば負荷電流IzとしてIz=50mAが流れたとする。変動負荷50の負荷抵抗の減少に伴い、それまで11.6ボルトに充電されていたコンデンサC1は、変動負荷50の負荷抵抗の低下に伴い放電電流を変動負荷50に流し、これによって、負荷両端電圧E1がコンデンサC1と変動負荷50の負荷抵抗で決まる放電時定数に従って減少を始める。
負荷両端電圧E1が減少を始めると、トランジスタQ2のベース,エミッタ間電圧VBEが減少してトランジスタQ2を流れる電流が減少し、これに伴い抵抗R,R4で決まるオペアンプ54の反転入力端子の入力電圧が低下する。この反転入力端子の入力電圧の低下に対し、オペアンプ54は反転入力端子の入力電圧を非反転入力端子の基準電圧Vfに一致させるようにトランジスタQ1を駆動し、これによって、抵抗R1に流れる線路電流I1が図5に示す直線特性に従って増加を始める。
変動負荷50の負荷抵抗の低下で放電を開始したコンデンサC1は、負荷両端電圧E1が10.6ボルトに低下すると、放電を終了し、このとき抵抗R1には線路電流I1としてI1=50mAが流れる。
即ち、図4に示す電流変動抑制装置20にあっては、後の説明で明らかにする図9(A)のタイムチャートに示すように、時刻t1における変動負荷50における負荷電流Izの0mAから50mAの増加に対し、コンデンサC1の充電時定数に従って線路電流I1を緩やかに増加させる。
また時刻t2で変動負荷50の抵抗負荷が元に戻って、負荷電流IzがIz=0mAに戻ると、負荷両端電圧E1がE1=11.6ボルトに回復してコンデンサC1の充電を開始し、このときの充電時定数に従って、線路電流I1は緩やかに減少するようになる。
図6は図2の受信機10に設けた伝送入力回路の実施形態を示した回路図である。図6において、伝送入力回路28には、子機により伝送線12a,12bに流れる電流信号、即ち子機から伝送された上り信号としての電流信号を検出する電流検出抵抗R10が設けられ、電流検出抵抗R10の両端に線路電流I1に比例した検出電圧Vaが得られる。
受信抵抗R10に続いてはオペアンプ56が設けられる。オペアンプ56は、プラス入力端子に電流検出抵抗R10で検出した検出電圧Vaを入力し、マイナス入力端子にDAコンバータ62にセットしたデジタルデータに基づく調整電圧Vbを抵抗R11を介して入力している。
オペアンプ56は、マイナス入力端子と出力端子との間に基幹抵抗R12を備えた差動増幅回路を構成している。このためオペアンプ56は、検出電圧Vaから調整電圧Vbを差し引いた調整検出電圧Vc、即ち
Vc=Va−Vb
を出力する。
オペアンプ56から出力された調整検出電圧Vcは、コンパレータ58のマイナス入力端子に入力される。コンパレータ58のプラス入力端子には、基準電圧源60によって基準電圧Veが設定されている。コンパレータ58は、基準電圧Veを超える調整検出電圧Vcの電流に相当するローレベルに立ち下がるパルスを出力する。
コンパレータ58の出力は、CPU22に設けられたプログラムにより実現される機能として設けた基準調整部64に入力される。基準調整部64は、伝送線12a,12bに信号電流のない所定の調整タイミングで、コンパレータ58の出力電圧に基づき、オペアンプ56から出力される調整検出電圧Vcを基準電圧Veに一致するように、DAコンバータ62にデジタルデータをセットして調整電圧Vbを変更する。
この変更後に、調整電圧Vbを基準電圧Veの半分の値、即ち(Ve/2)だけ低下させるように、DAコンバータ62にデジタルデータをセットする。
基準調整部64により調整検出電圧Vcを基準電圧Veに一致させるためのDAコンバータ62に対するデジタルデータのセットは、コンパレータ58の出力電圧がHレベルとLレベルの中間電圧(2分の1電圧)となるように、DAコンバータ62にデジタルデータをセットして行う。
図7は図6の基準調整部による調整検出電圧を示したタイムチャートである。図7(A)は図6のオペアンプ56から出力される電流検出抵抗R10の検出電圧VaからDAコンバータ62による調整電圧Vbを差し引いた調整検出電圧Vcであり、図1に示したアナログ型感知器14から受信機10からのポーリングに応じて一定周期で正常を示す電流パルスに対応した電流検出電圧パルス72を含む調整検出電圧Vcが得られている。
調整検出電圧Vcに含まれる電流検出電圧パルス72に対しては基準電圧Veが設定されており、コンパレータ58が基準電圧Veを超える電流検出電圧パルス72の部分をLレベルに反転した受信パルスを、CPU22に出力することになる。
このような調整検出電圧Vcに対し、一定周期T1で基準調整のための調整タイミング70を信号電流のないタイミングに設定している。調整タイミング70における基準調整は、A部を拡大した図7(B)に示すようになる。
即ち基準調整は、調整開始時におけるP1の調整検出電圧Vcを基準電圧Veに一致するように、DAコンバータ62にデジタルデータをセットして調整電圧Vbを調整する。これによって調整検出電圧は、P2に移動して基準電圧Veに一致する。
次に、P2で基準電圧Veに一致した調整検出電圧Vcを、DAコンバータ62に対するデジタルデータのセットで基準電圧Veの半分の(Ve/2)だけ低下させて、調整検出電圧VcをP3に移動し、これで基準調整を終了する。
このような基準調整により、負荷電流の変化に伴って変動する信号電流のない状態での基底定電流としての調整検出電圧Vcは、基準電圧Veに対し常に、その半分即ち(Ve/2)だけ低いレベルを保つように調整され、基底部分に重畳される信号電流による電圧パルスの振幅のほぼ中心が基準電圧Veとなるように調整し、これによって確実に信号電流を検出してCPU22に入力することができる。
図8は図6のCPU22に設けた基準調整部64による処理動作を示したフローチャートである。図8において、基準調整処理は、ステップS1で信号電流のない周期T1ごとの調整タイミングに達したことを判別すると、ステップS2に進み、コンパレータ58の出力レベルを読み込み、ステップS3で基準電圧Veと調整検出電圧Vcが一致するVc=Veとするコンパレータ58の基準出力レベルか否かチェックする。
このコンパレータ58の基準出力レベルは、HレベルとLレベルの中間に位置する2分の1のレベルである。コンパレータ58の基準出力レベルであればVc=Veの関係が得られていることから、ステップS4に進み、DAコンバータ62から出力している調整電圧Vbの値を(Ve/2)だけ低下させるようにデジタルデータをセットする。
一方、ステップS3でVc=Veとするコンパレータ58の基準出力レベルにない場合には、ステップS5に進み、基準出力レベル以上であることを判別してステップS6に進み、DAコンバータ62の値を低下させ、調整電圧VbをΔDA分だけ減少させる。
このようなステップS2,S3,S5,S6の処理をVc=Veとするコンパレータの基準出力レベルが得られるまで、DAコンバータ62の値をΔDAずつ下げながら繰り返し、ステップS3でVc=Veの関係が得られたら、ステップS4でDAコンバータ62の値により(Ve/2)だけ調整電圧Vbを低下させ、これによって、基準電圧Veに一致した調整検出電圧Vcは(Ve/2)だけ低下されて調整処理を終了する。
逆に、ステップS5でコンパレータ58の出力が基準出力レベル未満であった場合には、ステップS7に進み、DAコンバータ62による調整電圧Vbの値をΔDA分だけ順次増加させる処理を繰り返す。
この調整電圧Vbを増加させる処理の繰り返しを行っている途中で、ステップS3でVc=Veが判別されると、ステップS4に進み、調整検出電圧Vcから(Ve/2)だけ減少させるDAコンバータ62のデジタルデータのセットを行い、調整処理を終了し、ステップS1で次の調整タイミングを待つことになる。
図9は図3の電流変動抑制装置による線路電流の変化と受信機における基準調整を示したタイムチャートである。図9(A)は、図4の電流変動抑制装置20における負荷電流Izと線路電流I1の変化を示している。
即ち、時刻t1で変動負荷50の負荷抵抗が低下して負荷電流Izが50mAにステップ的に増加したとする。このような負荷電流Izの増加に対し、コンデンサC1の放電により負荷電流Iz=50mAが流れ、負荷両端電圧E1がI1=0mAにおける図5の特性の11.6ボルトからI1=50mAとなる10.6ボルトに向けて、コンデンサC1と変動負荷50の負荷抵抗で決まる放電時定数に従って緩やかに減少する。
このような負荷両端電圧E1の減少に伴い、定電流回路54の抵抗R1を流れる線路電流I1は、放電時定数による減少と逆の放電時定数に従った上昇カーブに従って緩やかに増加して50mAに達する。
このような電流変動抑制装置20により緩やかに変化する線路電流I1は、図6に示した受信機に設けている伝送入力回路28の電流検出抵抗R10に流れて、検出電圧Vaに変換されてオペアンプ56に入力している。
伝送入力回路28にあっては、図9(B)の矢印で示す調整タイミングごとに、基準調整部64による基準調整を実行している。したがって、図9(A)に示すような線路電流I1の緩やかな増加に対し、それより短い調整周期T1で調整処理が実行され、信号電流のない状態で流れている線路電流I1に比例したオペアンプ56の出力となる調整検出電圧Vcを、基準電圧Veに対し(Ve/2)だけ低下したレベルとなるように調整する。
変動負荷は、その後、時刻t2で負荷抵抗が元に戻って負荷電流Iz=0mAに戻り、コンデンサC1がI1=0mAのE1=11.6ボルトに向かって充電を開始し、このときの充電時定数に従った負荷両端電圧E1の増加に伴い、負荷電流I1は放電電流の増加を反転した形で減少し、0ミリアンペアに戻る。
このような負荷電流のステップ的な低下についても、電流変動抑制装置20により線路電流I1は緩やかに低下し、受信機における伝送入力回路28の基準調整動作により、図9(B)に示す調整タイミングで緩やかに変動する線路電流に対する調整検出電圧Vcが基準電圧Veに対し(Ve/2)だけ低下した位置を保つように調整される。
図10は本発明の電流変動抑制装置20を設けずに負荷装置25を直接、伝送線12a,12bに接続した場合の線路電流の変化と受信機における基準調整を示したタイムチャートである。
本発明の電流変動抑制装置20を設けなかった場合、図10(A)に示すように、負荷電流Izの50mAに増加するステップ的な変化は、そのまま線路電流I1となって表れる。
時刻t1の線路電流I1の立ち上がりに対し、図10(B)に示すように、基準調整が行われることで、最初の立ち上がり部分はそのまま伝送入力回路28における調整検出電圧Vcに表れるが、その後は調整された電圧となる。
また時刻t2で負荷電流Izが立ち上がって0mAに戻ると、同様に線路電流I1も0mAに立ち下がり、このとき図10(B)の伝送入力回路28における調整検出電圧Vcもステップ的に50mA下がるが、その後の調整タイミングによる基準調整で元に戻る。
しかしながら、線路電流I1の立ち上がり及び立ち下がりに続く矩形的な調整検出電圧Vcが生ずることで、この部分で信号電流を受信すると、基準電圧Vcによる信号電流の検出は不能となるため、受信機との通信ができなくなる。このような問題を図9(A)に示すような本発明の電流変動抑制装置20による抑制作用で改善することができる。
図11は伝送線に信号電流が伝送されている状態で変動負荷によるステップ的な線路電流の上昇が生じた場合のタイムチャートである。図11(A)は図9(A)の時刻t1と同じであり、時間軸を長く表して示している。
時刻t1における負荷電流Izのステップ的な上昇に対し、本発明の電流変動抑制装置20による抑制作用で線路電流I1は、緩やかに0mAから50mAに向かって上昇している。
このような線路電流I1の増加に対し、図6に示した伝送入力回路28にあっては、CPU22の基準調整部64による基準調整が矢印で示す調整タイミング70ごとに行われ、調整タイミング70ごとに信号電流のない基底レベルとしての調整検出電圧Vcは、基準電圧Veに対し(Ve/2)だけ低下したレベルに調整され、これによって電流信号のない状態の基底レベルとなる調整検出電圧Vcが基準電圧Veを上回って信号電流を検出できなくなる通信不能状態を確実に回避することができる。
図12は本発明における電流変動抑制装置の他の実施形態を示した回路図である。図12の電流変動抑制装置20の実施形態にあっては、電源投入時や負荷装置25の短絡時に過大な線路電流I1が流れることを防止するようにしたことを特徴とする。
即ち、電流変動抑制装置20にはコンデンサC1が設けられているため、伝送線12a,12b間に電源を投入すると、コンデンサC1を充電するため大きな突入電流が流れる。
このような電源投入時の突入電流などの過大電流を防止するため、オペアンプ54の帰還回路に設けている抵抗R2と並列にダイオードD1を接続している。ここでダイオードD1の順方向の電圧効果を例えば0.6ボルトとすると、抵抗R1に流れる線路電流I1の最大電流(I1)maxは
(I1)max=(Vf+0.6)/R1
とすることができる。
また図12の実施形態にあっては、コンデンサC1と並列にツェナーダイオードZD2を接続し、コンデンサC2に加わる最大電圧を規制している。
図13は本発明による電流変動抑制装置の他の実施形態を示した回路図であり、図1に示したように本発明の電流変動抑制装置20は中継器16の前段に設けられることから、別の装置とせずに中継器と一体化したことを特徴とする。
図13において、中継器18は図2に示した中継器16本来の部分である負荷部66と負荷電流制御部68で構成されており、負荷部66は変動負荷50として等価回路的に表している。負荷電流制御部68は図12の実施形態と同じ回路構成である。
このように負荷電流制御部68を伝送路に接続する中継器などの負荷側装置と一体化することで、装置構成を簡単にし、別々の装置を接続する必要がないことから設置作業を容易にすることができる。
図14は本発明による電流変動抑制装置の他の実施形態を示した回路図である。図14の実施形態にあっては、図3に示した変動負荷50とコンデンサC1の並列回路に接続される定電流回路52として、トランジスタQ1、オペアンプ54、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R14、第5抵抗R15で構成したことを特徴とする。
即ち定電流回路52は、プラス側の伝送線12aとトランジスタQ1のコレクタとの間に変動負荷50とコンデンサC1の並列回路を接続し、トランジスタQ1のエミッタとマイナス側の伝送線12bの間に抵抗R1を接続している。
またオペアンプ54は、非反転入力端子(プラス入力端子)をトランジスタQ1のコレクタと所定の基準電圧Vf(例えばVf=1ボルト)との間に直列接続した抵抗R14とR15の接続部分に接続し、また反転入力端子(マイナス入力端子)をトランジスタQ1のコレクタとプラス側の伝送線12aとの間に接続した抵抗R2とR3の間の部分に接続している。
この図14の回路は、図4におけるトランジスタQ2を省略し、コンデンサC1の充放電による負荷両端電圧E1の変化を直接、抵抗R3を介してオペアンプ54の反転入力端子に加えており、その分、回路構成を簡略化することができる。
図14に設けた定電流回路52の動作も基本的には図4の実施形態と同じであり、負荷両端電圧E1の変化に対し、図5に従った負荷電流I1を抵抗R1に流し、コンデンサC1を変動負荷50に並列接続したことで、負荷電流のステップ的な変動に伴い、コンデンサC1の充放電で決まる時定数に従って定電流回路52が線路電流を緩やかに変化させることができる。
ここで図14の定電流回路52による負荷両端電圧E1と抵抗R1を流れる線路電流I1の間には次の関係式が成立している。
まず抵抗R1,R2の間には次の関係を持たせている。
R2>>R1
また抵抗R14は抵抗R2に等しく、抵抗R15は抵抗R3に等しいことから
R14=R3
R15=R2
に置き換える。
ここで、トランジスタQ1のエミッタ側の電圧をV1、プラス側伝送線12aの電圧をV2、トランジスタQ1のコレクタ側の電圧をV3、抵抗R14,R15を流れる電流をI2、抵抗R3,R2を流れる電流をI3とすると、次の関係式が成り立つ。
V2−R3・I3=R2・I2+Vf (7)
I3=(V2−V2)/(R3+R2) (8)
I2=(V3−Vf)/(R3+R2) (9)
そこで、(7)式に、(8)(9)式を代入してまとめると次のようになる。
V2−R3(V2−V2)/(R3+R2)=[R2(V3−Vf)/(R3+R2)]+Vf
これを展開すると次のようになる。
V2R3+V2R2−R3V2+R3V2=R2V3−R2Vf+R3Vf+R2Vf
V2R2−R2V3=−R3V1+(−R2+R3+R2)Vf
R2(V2−V3)=R3・Vf−R3・V1
V2−V3=(R3/R2)Vf−(R3/R2)V0 (10)
ここで
E1=V2−V3
であることから、(10)式を代入すると次式が得られる。
E1=(R3/R2)Vf−(R3/R2)R1・I1 (11)
ここで、R1〜R3、Vfは定数であることから、
E1=A−K・I1 (12)
の関係が成立している。
図14の定電流回路52の動作を具体的に説明すると次のようになる。まず変動負荷50の負荷電流Izが0mAのとき、負荷両端電圧E1は例えば図5に示したように11.6ボルトとなっている。
この状態でオペアンプ54の反転入力端子と非反転入力端子の入力電圧が同じになるように、抵抗R14,R15による分圧電圧も及び抵抗R3,R2,R1による分圧電圧を決めており、したがってトランジスタQ1はカットオフ状態にあり、抵抗R1に流れる線路電流I1は0mAとなっている。
次に、変動負荷50の負荷抵抗が低下して負荷電流Iz=50mAが流れ、負荷両端電圧E1が図5に示した10.6ボルトに低下したとする。このような負荷両端電圧V1の低下に対し、コンデンサC1は抵抗値が下がった変動負荷50に対し放電電流を流し、負荷両端電圧E1が放電時定数に従って低下を始める。
このためオペアンプ54の反転入力端子に加わる入力電圧が低下を始め、この低下分を補うようにオペアンプ54はトランジスタQ1を導通して、抵抗R1に流れる線路電流を増加させ、コンデンサC1の放電が終了する負荷両端電圧E1=10.6ボルトへの到達で、負荷電流I1は50mAとなる。
このような電流変動抑制装置20の動作により、図9(A)に示したと同様にして、負荷電流Izのステップ的な変化に対し線路電流I1を緩やかに変動させることができる。
なお上記の実施形態は、オンオフ型感知器を負荷に接続した中継器に電流変動抑制装置を設けた場合を例に取るものであったが、本発明はこれに限定されず、一時的に負荷電流がステップ的に増加する適宜の子機につき同様に電流変動抑制装置を設ける場合を含む。
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
本発明による監視システムの基本的な構成を示したシステムブロック図 本発明の監視システムにおける受信機、アナログ型感知器及び中継器の回路構成を示したブロック図本発明の伝送システムが適用される防災監視システムを示したブロック図 本発明による電流変動抑制装置の等価回路を示した回路図 本発明により電流変動抑制装置の実施形態を示した回路図 図3の電流変動抑制装置の負荷両端電圧E1の変化に対する線路電流I1の制御特性を示したグラフ図 図2の受信機に設けた伝送入力回路の実施形態を示した回路図 図6の基準調整処理による電流検出電圧波形を示した説明図 図6のCPUに設けた基準調整部による処理動作を示したフローチャート 図4の電流変動抑制装置による線路電流の変化と信号電流がない状態での受信機の基準調整を示したタイムチャート 電流変動抑制を行わない場合の線路電流の変化と受信機の基準調整を示したタイムチャート 図3の電流変動抑制装置による線路電流の変化と信号電流があるときの受信機の基準調整による電流パルス検出電圧を示したタイムチャート 最大電流規制用のダイオードを設けた本発明による電流変動抑制装置の実施形態を示した回路図 中継器と一体に設けた図12と同じ電流変動抑制装置の実施形態を示した回路図 本発明による電流変動抑制装置の他の実施形態を示した回路図 従来の監視システムを示したシステムブロック図 従来の監視システムにおける中継器とアナログ型感知器を等価回路で示した本ブロック図 負荷電流が安定している時の受信機における電流パルス検出電圧を示したタイムチャート 負荷電流がステップ的に増加した時の受信機における通信不能となる電流パルス検出電圧を示したタイムチャート
符号の説明
10:受信機
12a,12b:伝送線
14:アナログ型感知器
15a,15b:感知器回線
16:中継器
18:オンオフ型感知器
20:電流変動抑制装置
22,38,44:CPU
24:伝送回路部
25:負荷装置
26:伝送出力回路
28:伝送入力回路
30:表示部
32:操作部
34:記憶部
36:移報部
40:センサ部
42,48:伝送回路部
46:発報受信部
50:変動負荷
52:定電流回路
54,56:オペアンプ
58:コンパレータ
60:基準電圧源
62:DAコンバータ
64:基準調整部
70:調整タイミング

Claims (12)

  1. 親機から引き出された電源供給線を兼ねた伝送線に複数の子機を接続し、親機から子機に電圧モードで下り信号を伝送し、子機から親機に電流モードで上り信号を伝送し、親機で子機により検出された異常を受信して警報する監視システムに於いて、
    前記子機に、負荷の変動に伴う線路電流のステップ的な変動を抑制する電流変動抑制装置を設け、
    前記電流変動抑制装置は、
    前記変動負荷の負荷両端電圧の低下に応じて線路電流を直線的に増加させる定電流回路と、
    前記変動負荷と並列に接続され、負荷抵抗のステップ的変化に対する充電又は放電により前記負荷両端電圧を放電時定数又は充電時定数に応じて緩やかに変化させることにより前記定電流回路に線路電流のステップ的変化を抑制させるコンデンサと、
    を備えたことを特徴とする監視システム。
  2. 請求項1記載の監視システムに於いて、前記定電流回路は、
    プラス伝送線とコレクタの間に前記変動負荷とコンデンサの並列回路を接続し、エミッタとマイナス伝送線の間に第1抵抗を接続したNPN型の第1トランジスタと、
    前記マイナス伝送線とコレクタの間に第4抵抗を接続し、プラス伝送線とエミッタの第5抵抗を接続し、プラス伝送線とベースとの間に前記負荷両端電圧を入力したPNP型の第2トランジスタと、
    非反転入力端子に所定の基準電圧を印加し、反転入力端子に前記第2トランジスタのコレクタを第3抵抗を介して接続し、出力端子を前記第1トランジスタのベースに接続し、出力端子から反転入力端子に至る帰還回路に第2抵抗を接続したオペアンプと、
    を備えたことを特徴とする監視システム。
  3. 請求項2記載の監視システムに於いて、前記定電流回路のオペアンプの帰還回路に設けた第2抵抗と並列に、電源投入時や負荷短絡時の最大電流を規制するダイオードを並列接続したことを特徴とする監視システム。

  4. 請求項1記載の監視システムに於いて、前記定電流回路は、
    プラス伝送線とコレクタの間に前記変動負荷とコンデンサの並列回路を接続し、エミッタとマイナス伝送線の間に第1抵抗を接続したNPN型の第1トランジスタと、
    反転入力端子に、前記トランジスタのエミッタとプラス伝送線の間に接続した第2抵抗と第3抵抗の接続部分を接続し、非反転入力端子に、前記トランジスタのコレクタと所定の基準電圧との間に接続した第4抵抗と第5抵抗の接続部分を接続し、出力端子を前記第1トランジスタのベースに接続したオペアンプと、
    を備えたことを特徴とする監視システム。
  5. 請求項1記載の監視システムに於いて、
    前記親機は受信機であり、
    前記子機は、火災による煙濃度又は温度のアナログ値を検出して前記受信機に伝送するアナログ型感知器、及び、異常を検出して発報電流信号を出力するオンオフ型の検知器を前記伝送線から電源供給を受けている信号回線に接続した中継器であり、
    前記中継器を、前記電流変動抑制装置を介して伝送線に接続したことを特徴とする監システム。

  6. 請求項1記載の監視システムに於いて、
    前記親機は受信機であり、
    前記子機は、火災による煙濃度又は温度のアナログ値を検出して前記受信機に伝送するアナログ型感知器、及び、異常を検出して発報電流信号を出力するオンオフ型の検知器を前記伝送線から電源供給を受けている信号回線に接続した中継器であり、
    前記中継器に前記電流変動抑制装置を一体に設けたことを特徴とする監視システム。

  7. 請求項又は記載の監視システムに於いて、前記オンオフ型の検知器は、火災を検出して信号回線に発報電流を流すオンオフ型火災感知器、又は、侵入者を検出して信号回線に検出電流を流す盗難検知器であることを特徴とする監視システム。
  8. 請求項1記載の監視システムに於いて、前記受信機は、子機から電流モードで伝送された上り信号を受信して入力する伝送入力回路を有し、
    前記伝送入力回路は、
    前記伝送線に流れる線路電流を電圧信号に変換する電流検出抵抗と、
    デジタルデータのセットにより出力される調整電圧を設定するDAコンバータと、
    前記電流検出抵抗の検出電圧から前記DAコンバータの調整電圧を差し引いた調整検出電圧を出力するオペアンプと、
    前記オペアンプから出力された調整検出電圧と所定の基準電圧とを比較し、前記基準電圧を超える調整検出電圧の部分に応じた受信信号を出力するコンパレータと、
    信号電流のない所定の調整タイミングで、前記コンパレータの出力電圧に基づき、前記調整検出電圧を前記基準電圧に一致するように前記DAコンバータにデジタルデータをセットして前記調整電圧を変更した後に、変更後の調整電圧を前記基準電圧の半分の値だけ低下させるように前記DAコンバータにデジタルデータをセットする基準調整部と、
    を備えたことを特徴とする監視システム。
  9. 請求項8記載の監視システムに於いて、前記基準調整部は、前記コンパレータの出力電圧がHレベルとLレベルの中間電圧となるように前記DAコンバータにデジタルデータをセットして前記調整検出電圧を前記基準電圧に一致するように前記調整電圧を変更することを特徴とする監視システム。
  10. 親機から引き出された電源供給線を兼ねた伝送線に接続した子機に設けられ、負荷の変動に伴う線路電流のステップ的な変動を抑制する電流変動抑制装置に於いて、
    前記負荷の両端電圧の低下に応じて線路電流を直線的に増加させる定電流回路と、
    前記変動負荷と並列に接続され、負荷抵抗のステップ的変化に対する充電又は放電により前記負荷両端電圧を放電時定数又は充電時定数に応じて緩やかに変化させることにより前記定電流回路により線路電流のステップ的変化を抑制させるコンデンサと、
    を備えたことを特徴とする電流変動抑制装置。
  11. 請求項10記載の電流変動抑制装置に於いて、前記定電流回路は、
    プラス伝送線とコレクタの間に前記変動負荷とコンデンサの並列回路を接続し、エミッタとマイナス伝送線の間に第1抵抗を接続したNPN型の第1トランジスタと、
    前記マイナス伝送線とコレクタの間に第4抵抗を接続し、プラス伝送線とエミッタの第5抵抗を接続し、プラス伝送線とベースとの間に前記負荷両端電圧を入力したPNP型の第2トランジスタと、
    非反転入力端子に所定の基準電圧を印加し、反転入力端子に前記第2トランジスタのコレクタを第3抵抗を介して接続し、出力端子を前記第1トランジスタのベースに接続し、出力端子から反転入力端子に至る帰還回路に第2抵抗を接続したオペアンプと、
    を備えたことを特徴とする電流変動抑制装置。
  12. 請求項11記載の電流変動抑制装置に於いて、前記定電流回路のオペアンプの帰還回路に設けた第2抵抗と並列に、電源投入時や負荷短絡時の最大電流を規制するダイオードを並列接続したことを特徴とする電流変動抑制装置。
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