JP5128296B2 - 静電振動子および発振器 - Google Patents

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Description

本発明は、各種電子機器の基準周波数発振器に使用される静電振動子に関する。
携帯電話等に代表される無線携帯機器や、パーソナルコンピュータ、時計等の電子機器において、小型でしかも安定な高周波信号源として水晶振動子が用いられてきた。水晶振動子は他の高周波電子部品と比較すると大型であることから、近年、小型化の要求が高まってきている。しかし、その要求を十分に満足させることはできていない。
そのような要求を満足させ、水晶振動子を置き換えるものとして、近年、MEMS(Micro-Electro-Mechanical-System)技術を用いて作製した静電振動子が注目されている。静電振動子は機械的に振動する振動体とそれに対して間隙を隔てて配置された電極とを含む。振動体と電極との間隙にバイアスされた交流電圧を印加すると、ある一定の周波数において共振が起こる。静電振動子は水晶振動子と同程度の共振Q値を持つだけでなく、水晶振動子に比べ、小型化、集積化、高周波数対応が容易である等の利点があり、次世代の高周波信号源として期待されている。
上述のように静電振動子は水晶振動子に比べ多くの利点がある反面、解決しなければならない課題もある。静電振動子は水晶振動子に比べ共振周波数の温度依存特性が悪く、温度変化時の共振周波数の安定性が低い。そのために信頼性において水晶振動子より劣る。
この問題を解決することを目的として、温度変化時の共振周波数変化を補償する方法が考案されてきた。特許文献1および非特許文献2によって、その方法が公開されている。上述のように振動体と電極との間隙にバイアスされた交流電圧を印加すると、そのバイアス成分、すなわちバイアス電圧により、振動体と電極との間に静電力が生じる。前記静電力は前記間隙の大きさや前記バイアス電圧の大きさに依存する。そして、共振周波数は前記静電力の大きさに依存する。特許文献1の方法は、温度変化時における前記静電力の大きさの能動的または受動的な変化により、共振周波数変化を補償する方法である。その能動的な補償は、温度や、その温度における共振周波数を計測した結果をフィードバックし、温度変化時に共振周波数を一定に保つように、前記間隙の大きさや前記バイアス電圧の大きさを変えることで行う。その受動的な補償は、前記間隙の大きさの温度依存性が静電振動子を構成する各部材の大きさと熱膨張率とに依存することを利用し、温度変化時に共振周波数が一定に保たれるように、それらの大きさと熱膨張率とを設計することで行う。
共振周波数は、振動体の剛性にも依存する。非特許文献2の方法は、温度変化時における前記剛性の受動的な変化により、共振周波数変化を補償する方法である。その受動的な補償は、温度変化に依存して大きさの変わる応力が振動体に印加されると前記剛性の温度依存性が変わることを利用し、温度変化時に共振周波数が一定にたもたれるように、前記応力が印加されるような構造をつくることで行う。
上述したような能動的な補償は、広い温度範囲で共振周波数を一定に保つ補償を実現できる反面、温度や共振周波数の計測、およびフィードバック動作のために、消費電力および製造コストが増加する。一方、受動的な補償は、温度や共振周波数の計測、およびフィードバック動作が必要なく、能動的な補償に比べ消費電力および製造コストが少ない。しかし、既存技術による受動的な補償は、能動的な補償に比べ、広い温度範囲で共振周波数を一定に保つことが困難である。
米国特許第6987432号明細書,pp.16-17,figs.2A,2B,3,4A. W. -T. Hsu, et al., "Mechanically Temperature-Compensated Flexural-Mode Micromechanical Resonators," IEEE Int. Electron Devices Meeting, 2000.
温度変化に起因する共振周波数変化を温度変化に対して受動的に補償した従来の静電振動子は、能動的に補償した静電振動子に比べ、広い温度範囲で共振周波数を一定に保つことが困難である。
本発明は、温度変化に起因する共振周波数変化を温度変化に対して受動的に補償した従来の静電振動子に比べ、広い温度範囲で共振周波数を一定に保つことが可能な静電振動子を提供することが目的である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、基板に固定された振動体と、前記振動体に対し間隙を隔て配置された電極と、前記振動体に圧接する拘束体と、を備え、前記電極からの交流電圧によって前記振動体に振動が生じる静電振動子であって、前記拘束体は、前記振動体を圧接する側の面に備わり、前記振動体への圧接箇所に傾斜面を備えた出っ張り状の振動体圧接部を有し、前記振動体と前記拘束体が温度変化に起因して膨張、または収縮し、前記膨張、または前記収縮によって前記振動体圧接部に変化が生じ、前記振動体圧接部の変化によって前記振動体の振動範囲の長さが変化することを特徴とする静電振動子である。
また、本発明は、前記振動体圧接部の変化が、圧接する面積の変化であることを特徴とする静電振動子である。
また、本発明は、前記振動体圧接部の変化が、圧接する位置の変化であることを特徴とする静電振動子である。
また、本発明は、前記振動体の熱膨張率が、前記拘束体の熱膨張率とは異なることを特徴とする静電振動子である。
また、本発明は、前記振動体が、互いに熱膨張率の異なる複数の異種材料から構成されることを特徴とする静電振動子である。
また、本発明は、前記拘束体が、互いに熱膨張率の異なる複数の異種材料から構成されることを特徴とする静電振動子である。
また、本発明は、前記拘束体に圧接する制限体を備えた静電振動子であって、前記拘束体と前記制限体とが圧接する制限体圧接部において、前記拘束体の前記膨張、または前記収縮が制限されることを特徴とする静電振動子である。
また、本発明は、前記制限体の熱膨張率が、前記拘束体の熱膨張率とは異なることを特徴とする静電振動子である。
また、本発明は、前記静電振動子と、前記電極に駆動電圧を印加する駆動回路と、を備えていることを特徴とする発振器である。
温度変化時における前記振動体圧接部の変化は、前記振動体、前記拘束体、前記制限体、および前記基板の、相対的な配置、形状、大きさ、および熱膨張率に依存する。
本発明によれば、温度変化時における振動体圧接部の変化により、振動体の振動範囲の長さを変化させることができる。前記振動範囲の長さの変化により、温度変化時における共振周波数変化の受動的な補償が可能である。それにより、従来の受動的な補償がなされた静電振動子に比べ、広い温度範囲で共振周波数を一定に保つことが可能な静電振動子を作製できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。図1〜図6は、それぞれ本発明の一実施形態による静電振動子の構造を示す平面図である。
図1は、本発明の実施形態1による静電振動子の構造を示す平面図である。図1において、振動体1は両端を基板8に固定された両持ち梁である。電極2は振動体1に対して間隙を隔てるように配置され、基板8に固定されている。振動体1と電極2との間隙には、電極2に接続された図示しない駆動回路よりバイアスされた交流電圧が印加される。振動体1は、そのバイアスされた交流電圧により振動する。振動体1の一方の固定端付近において、拘束体3、6が、振動体1を挟むように対を成して配置されている。また、振動体1の他方の固定端付近において、拘束体4、5が、振動体1を挟むように対を成して配置されている。各拘束体は、それぞれ基板8に固定されている。また、各拘束体は、直方体がその一つの面の一部で出っ張った形状をしている。拘束体3は、その出っ張りの部分を図の通りに振動体1と圧接している。振動体圧接部7は、振動体1と拘束体3との圧接箇所である。同様に、拘束体4、5、6は、それぞれの振動体圧接部において図の通りに振動体1と圧接している。拘束体3と振動体1とは、振動体圧接部7における圧接によって弾性変形している。同様に、拘束体4、5、6と振動体1とは、それぞれの振動体圧接部における圧接によって弾性変形している。基板8は、上述した通りに静電振動子を構成する全ての部材を固定している。
以下、温度変化時における各振動体圧接部の変化と、それによる共振周波数変化の補償と、について説明する。以下の説明において、温度は常に任意に設定した補償範囲内の温度であると仮定する。温度が上昇するとき、振動体1の振動方向への熱膨張量と、各拘束体の同方向への熱膨張量と、の和が基板8の同方向への熱膨張量よりも大きければ、各振動体圧接部において圧力が強まり、各拘束体の形状に依存して振動体1と各拘束体とが互いに押しつぶし合うように弾性変形し、各振動体圧接部の面積が増加する。それが小さければ、前記圧力が弱まり、前記面積が減少する。等しければ各振動体圧接部において変化はない。逆に、温度が下降するとき、振動体1の振動方向への熱収縮量と、各拘束体の同方向への熱収縮量と、の和が基板8の同方向への熱収縮量よりも大きければ、前記圧力が弱まり、前記面積が減少する。それが小さければ、前記圧力が強まり、前記面積が増加する。等しければ各振動体圧接部において変化はない。
前記圧力が強まり、前記面積が増加すると、振動体1の振動範囲の長さが短くなる。逆に、前記圧力が弱まり、前記面積が減少すると、前記振動範囲の長さが長くなる。前記振動範囲の倍の長さを波長と定義する。前記振動範囲の長さが短くなれば波長も短くなる。以下の説明では、前記振動範囲の長さという代わりに波長という語を用いる。
一般に、静電振動子の共振周波数は、前記波長、振動体のヤング率、振動体の振動軸方向単位長さあたりの質量、および振動体と電極との間隙に印加するバイアス電圧による静電力の大きさ、の各値に依存する。また、共振周波数の温度依存特性、すなわち温度変化時の共振周波数変化も、同様にそれらの値に依存する。温度変化時にそれらの値が変化するために、共振周波数が変化する。逆に、その変化を利用することで、共振周波数変化を温度変化に対して受動的に補償することができる。本発明においては、温度変化時の前記波長の変化をコントロールすることで共振周波数変化を補償する。温度変化時の前記波長の変化のコントロールは、温度変化時の前記圧力と前記面積との変化をコントロールすることで行う。
実施形態1においては、温度変化時の前記圧力と前記面積との変化は、振動体1と、各拘束体と、基板8と、の相対的な配置と、それらの形状と、それらの熱膨張量または熱収縮量とに依存する。振動体1と、各拘束体と、基板8と、の熱膨張量または前記熱収縮量は、それらの大きさと熱膨張率とに依存する。そのため、温度変化時の前記波長の変化は、振動体1と、各拘束体と、基板8と、の相対的な配置、それらの形状、それらの大きさ、それらの熱膨張率といった設計パラメータを適切に決めることでコントロールできる。そして、それらの設計パラメータを適切に決めることにより、実施形態1の静電振動子は、温度変化に起因する共振周波数変化を温度変化に対して受動的に補償した従来の静電振動子に比べ、広い温度範囲で共振周波数を一定に保つことが可能な静電振動子となる。
温度変化時に共振周波数変化の補償を何も行わない場合の、温度T0のときの共振周波数をf0、温度Tのときの共振周波数をf、および温度Tのときの波長をλとする。温度Tのときの共振周波数がf0に等しくなるように共振周波数変化を補償するには、補償後の温度Tにおける前記波長が式1のλ'と等しくなるように、各設計パラメータの値を決めればよい。
Figure 0005128296
そのような各設計パラメータの値の組み合わせは幾通りも存在するが、その中でも、振動体1と各拘束体とが補償範囲内の温度において常に弾性変形をする組み合わせを選ばなければならない。そのためには、振動体1、各拘束体、および基板7の間の熱膨張率の差がなるべく小さく、各拘束体の振動体1と圧接する出っ張りがなるべく低い形状の組み合わせを選ぶのが望ましい。
実施形態1の静電振動子は、作製プロセス中では各振動体圧接部に圧力を加えず、振動体1と各拘束体がただ接した状態で作製する。その補償温度範囲は、作製時の温度を最高温度または最低温度とすることで定めることができる。補償温度範囲は、作製後に、静電振動子の外部から圧力または張力を加えることで変更することができる。
ここで説明した図1は実施形態1の一つの実施例であり、静電振動子を構成する全ての部材(基板8以外)の相対的配置および形状はこの限りではない。また、全ての部材の固定先はただ一つの基板である必要はなく、各部材が基板8以外の別々の基板に固定されており、それらが接合されているような構造も可能である。
図2は、本発明の実施形態2による静電振動子の構造を示す図である。図2は、図1とは、振動体が両端固定の振動体1の代わりに一端固定他端自由の振動体9になっている点で異なり、拘束体3、6が存在しない点で異なる。以下、図1と同一部分には同一符号を与え、説明を省略する。振動体9は一端を基板8に固定された片持ち梁である。電極2は振動体9に対して間隙を隔てるように配置され、基板8に固定されている。振動体9と電極2との間隙には、電極2に接続された図示しない駆動回路よりバイアスされた交流電圧が印加される。振動体9は、そのバイアスされた交流電圧により振動する。振動体9の固定端付近において、拘束体4、5が、振動体9を挟むように対を成して配置されている。拘束体4、5は、それぞれ基板8に固定されている。拘束体4、5は、その出っ張りの部分で図の通りに振動体9と圧接している。拘束体4、5と振動体9とのそれぞれの圧接箇所である各振動体圧接部において、拘束体4、5および振動体9は弾性変形している。
図2の構造によると、各部材の相対的な配置、大きさ、および熱膨張率を図1と等しくとれば、およそ1/6の大きさの共振周波数を得ることができる。その際、図1の場合と同様に共振周波数を一定に保つ補償を行うには、拘束体4、5の形状をわずかに変えるだけでよい。
ここで説明した図2は一つの実施例であり、静電振動子を構成する全ての部材の相対的配置および形状はこの限りではない。また、全ての部材の固定先はただ一つの基板である必要はなく、各部材が基板8以外の別々の基板に固定されており、それらが接合されているような構造も可能である。
図3は、本発明の実施形態3による静電振動子の構造を示す図である。図3は、図1とは、振動体が単一の部材で構成された振動体1の代わりに振動部10と振動体支持部11、12との3つの部材で構成された振動体になっている点で異なり、拘束体5、6が存在しない点で異なる。以下、図1と同一部分には同一符号を与え、説明を省略する。振動部10は両端を振動体支持部11、12で支持された両持ち梁である。振動体支持部11、12は、それぞれ一方の端点で振動部10を支持し、他方の端点で基板8に固定されている。電極2は振動部10に対して間隙を隔てるように配置され、基板8に固定されている。振動部10と電極2との間隙には、電極2に接続された図示しない駆動回路よりバイアスされた交流電圧が印加される。振動部10は、そのバイアスされた交流電圧により振動する。振動部10の一方の端点付近において拘束体3が、他方の端点付近において拘束体4が、それぞれ配置されている。拘束体3、4は、それぞれ基板8に固定されている。拘束体3、4は、その出っ張りの部分で図の通りに振動部10と圧接している。拘束体3、4と振動部10とのそれぞれの圧接箇所である各振動体圧接部において、拘束体3、4および振動部10は弾性変形している。
図3の構造によると、温度変化時の各振動体圧接部の面積の変化を、振動体支持部11、12の大きさと熱膨張率とに依存させることができる。そのため、温度変化時の各振動体圧接部の前記面積の変化量を、図1の構造に比べ、より自由に設計できる。
ここで説明した図3は一つの実施例であり、静電振動子を構成する全ての部材の相対的配置および形状はこの限りではない。また、全ての部材の固定先はただ一つの基板である必要はなく、各部材が基板8以外の別々の基板に固定されており、それらが接合されているような構造も可能である。
図4は、本発明の実施形態4による静電振動子の構造を示す図である。図4は、図1とは、拘束体3、4、5、6を含まず、拘束部13と拘束体支持部15との2つの部材で構成された拘束体と、拘束部14と拘束体支持部16との2つの部材で構成された拘束体と、を含む点で異なる。以下、図1と同一部分には同一符号を与え、説明を省略する。振動体1の一方の固定端付近において、拘束部13、14が、振動体1を挟むように対を成して配置されている。また、拘束部13は拘束体支持部15によって、拘束部14は拘束体支持部16によって支持されている。拘束部13、14は、直方体がその一つの面の一部で出っ張った形状をしている。図では拘束部13、14の出っ張りは先端が尖った形状をしているが、その形状はこれに限ったものではなく、例えば図1〜3の各拘束体の出っ張りの形状と等しくてもよい。拘束部13は、その出っ張りの先端を図の通りに振動体1と圧接している。振動体圧接部17は、振動体1と拘束部13との圧接箇所である。同様に、拘束部14は、その振動体圧接部において図の通りに振動体1と圧接している。図では、振動体1と拘束部13、14とは各振動体圧接部において点で圧接しているが、図1〜3の振動体1と各拘束体とのように面で圧接していてもよい。振動体1と拘束部13、14とは各振動体圧接部において弾性変形している。拘束体支持部15は、片持ちの支持梁であり、一方の端点で拘束部13を支持し、他方の端点で基板8に固定されている。拘束体支持部16も、同様に、片持ちの支持梁であり、一方の端点で拘束部14を支持し、他方の端点で基板8に固定されている。拘束体支持部15、16は温度変化に依存して長手方向に伸縮する(熱膨張または熱収縮する)。伸縮18は拘束体支持部15の前記伸縮であり、伸縮19は拘束体支持部16の前記伸縮である。また、拘束体支持部15、16は温度変化に依存して振動体1の振動方向に屈曲する。屈曲20は拘束体支持部15の前記屈曲であり、屈曲21は拘束体支持部16の前記屈曲である。
図4の構造によると、各部材の熱膨張または熱収縮により、各振動体圧接部の位置が変化し、振動体1の振動の波長が変化する。振動体圧接部17の位置の変化は、伸縮18の大きさに依存するだけでなく、屈曲20の大きさにも依存する。同様に、振動体1と拘束部14との振動体圧接部の位置の変化は、伸縮19と屈曲21との大きさに依存する。伸縮18、19と屈曲20、21との大きさは、各部材の大きさ、各部材と基板8とを形成する材料の熱膨張率といった設計パラメータに依存する。また、屈曲20、21の大きさは、振動体1の長手方向と拘束体支持部15、16の長手方向とがなす角度(振動体1と拘束体支持部15、16との相対的な配置)、拘束部13、14の形状といった設計パラメータにも依存する。それらの設計パラメータを適切に決めることにより、実施形態4の静電振動子は、温度変化に起因する共振周波数変化を温度変化に対して受動的に補償した従来の静電振動子に比べ、広い温度範囲で共振周波数を一定に保つことが可能な静電振動子となる。各設計パラメータの値の決め方は、実施形態1の場合と同様である。
実施形態4の静電振動子は、作製プロセス中では各振動体圧接部に圧力を加えず、振動体1と各拘束部がただ接した状態で作製する。その補償温度範囲は、作製時の温度を最高温度または最低温度とすることで定めることができる。補償温度範囲は、作製後に、静電振動子の外部から圧力または張力を加えることで変更することができる。
ここで説明した図4は一つの実施例であり、静電振動子を構成する全ての部材の相対的配置および形状はこの限りではない。また、全ての部材の固定先はただ一つの基板である必要はなく、各部材が基板8以外の別々の基板に固定されており、それらが接合されているような構造も可能である。
図5は、本発明の実施形態5による静電振動子の構造を示す図である。図5は、図4とは、振動体が均一な梁幅を持つ振動体1の代わりに均一でない梁幅を持つ振動体22になっている点で異なる。以下、図4と同一部分には同一符号を与え、説明を省略する。振動体22は両端を基板8に固定された両持ち梁であり、一方の固定端近くにおいて、その固定端に近いほど振動方向の幅が太くなる梁である。電極2は振動体22に対して間隙を隔てるように配置され、基板8に固定されている。振動体22の一方の固定端付近において、拘束体支持部15に支持された拘束部13と拘束体支持部16に支持された拘束部14とが、振動体22を挟むように対を成して配置されている。拘束部13は、その出っ張りの先端を図の通りに振動体22と圧接している。振動体圧接部23は、振動体22と拘束部13との圧接箇所である。同様に、拘束部14は、その振動体圧接部において図の通りに振動体22と圧接している。図では、振動体22と拘束部13、14とは各振動体圧接部において点で圧接しているが、図1〜3の振動体1と各拘束体とのように面で圧接していてもよい。拘束部13、14と振動体22とは各振動体圧接部において弾性変形している。
図5の構造によると、伸縮18、19と屈曲20、21との大きさを、各振動体圧接部付近の振動体22の形状に依存させることができる。各振動体圧接部の位置の変化は、伸縮18、19と屈曲20、21との大きさに依存する。よって、温度変化時の各振動体圧接部の位置の変化を、振動体22の形状に依存させることができる。それにより、温度変化時の各振動体圧接部の前記位置の変化量を、図4の構造に比べ、より自由に設計できる。また、振動体22と拘束部13、14とが任意の温度範囲で圧接するように設計できる。そのため、実施形態1〜4とは異なり、静電振動子の外部から圧力を加えなくとも補償温度範囲を自由に定めることができる。
ここで説明した図5は一つの実施例であり、静電振動子を構成する全ての部材の相対的配置および形状はこの限りではない。また、全ての部材の固定先はただ一つの基板である必要はなく、各部材が基板8以外の別々の基板に固定されており、それらが接合されているような構造も可能である。
図6は、本発明の実施形態6による静電振動子の構造を示す図である。図6は、図4とは、拘束部が拘束部13、14とは形状の異なる拘束部24、25になっている点、制限体26、27が含まれる点で異なる。以下、図4と同一部分には同一符号を与え、説明を省略する。振動体1の一方の固定端付近において、拘束体支持部15に支持された拘束部24と拘束体支持部16に支持された拘束部25とが、振動体1を挟むように対を成して配置されている。拘束部24、25は、直方体が、その二つの面において、それぞれの面の一部で出っ張った形状をしている。図では拘束部24、25の各出っ張りは先端が尖った形状をしているが、その形状はこれに限ったものではなく、例えば図1〜3の各拘束体の出っ張りの形状と等しくてもよい。拘束部24は、その一方の出っ張りの先端で図の通りに振動体1と圧接し、他方の出っ張りの先端で図の通りに制限体26と圧接している。振動体圧接部28は、振動体1と拘束部24との圧接箇所である。制限体圧接部29は、拘束部24と制限体26との圧接箇所である。同様に、拘束部25は、その振動体圧接部において図の通りに振動体1と圧接し、その制限体圧接部において図の通りに制限体27と圧接している。図では、振動体1と拘束部24、25とは各振動体圧接部において点で圧接しているが、図1〜3の振動体1と各拘束体とのように面で圧接していてもよい。同様に、振動体1と制限体26、27も、各制限体圧接部において面で圧接していてもよい。拘束部24、25と振動体1とは各振動体圧接部において弾性変形している。また、拘束部24、25と制限体26、27とは各制限体圧接部において弾性変形している。制限体26、27は、それぞれ基板8に固定されている。
図6の構造によると、伸縮18、19と屈曲20、21との大きさを、各制限体圧接部付近の制限体26、27の形状に依存させることができる。各振動体圧接部の位置の変化は、伸縮18、19と屈曲20、21との大きさに依存する。よって、温度変化時の各振動体圧接部の位置の変化を、制限体26、27の形状に依存させることができる。それにより、温度変化時の各振動体圧接部の前記位置の変化量を、図4の構造に比べ、より自由に設計できる。また、振動体1と拘束部13、14とが任意の温度範囲で圧接するように設計できる。そのため、実施形態1〜4とは異なり、静電振動子の外部から圧力を加えなくとも補償温度範囲を自由に定めることができる。また、各制限体で各拘束部が抑えられていることにより、図5の構造に比べ、振動体1から各拘束部および各拘束体支持部への振動の伝達が少なく、結果として発振器のQ値が高い。また、振動体1の形状を変えずに温度変化時の共振周波数変化を補償することができるため、図5の構造に比べ、所望の共振周波数を得る最適な補償が容易に実現できる(図5の構造のように振動体の形状を変えると、温度を一定とした場合の共振周波数も変わってしまうが、図6の構造ではそのようなことがない)。
ここで説明した図6は一つの実施例であり、静電振動子を構成する全ての部材の相対的配置および形状はこの限りではない。また、全ての部材の固定先はただ一つの基板である必要はなく、各部材が基板8以外の別々の基板に固定されており、それらが接合されているような構造も可能である。
本発明の実施形態1による静電振動子の構造を示す平面図である。 本発明の実施形態2による静電振動子の構造を示す平面図である。 本発明の実施形態3による静電振動子の構造を示す平面図である。 本発明の実施形態4による静電振動子の構造を示す平面図である。 本発明の実施形態5による静電振動子の構造を示す平面図である。 本発明の実施形態6による静電振動子の構造を示す平面図である。
符号の説明
1,9,22…振動体、2…電極、3,4,5,6…拘束体、7,17,23,28…振動体圧接部、8…基板、10…振動部、11,12…振動体支持部、13,14,24,25…拘束部、15,16…拘束体支持部、18,19…伸縮、20,21…屈曲、26,27…制限体、29…制限体圧接部

Claims (9)

  1. 基板に固定された振動体と、前記振動体に対し間隙を隔て配置された電極と、前記振動体に圧接する拘束体と、を備え、前記電極からの交流電圧によって前記振動体に振動が生じる静電振動子であって、
    前記拘束体は、前記振動体を圧接する側の面に備わり、前記振動体への圧接箇所に傾斜面を備えた出っ張り状の振動体圧接部を有し、
    前記振動体と前記拘束体が温度変化に起因して膨張、または収縮し、
    前記膨張、または前記収縮によって前記振動体圧接部に変化が生じ、
    前記振動体圧接部の変化によって前記振動体の振動範囲の長さが変化することを特徴とする静電振動子。
  2. 前記振動体圧接部の変化が、圧接する面積の変化であることを特徴とする請求項1に記載の静電振動子。
  3. 前記振動体圧接部の変化が、圧接する位置の変化であることを特徴とする請求項1に記載の静電振動子。
  4. 前記振動体の熱膨張率が、前記拘束体の熱膨張率とは異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電振動子。
  5. 前記振動体が、互いに熱膨張率の異なる複数の異種材料から構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電振動子。
  6. 前記拘束体が、互いに熱膨張率の異なる複数の異種材料から構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電振動子。
  7. 前記拘束体に圧接する制限体を備えた静電振動子であって、
    前記拘束体と前記制限体とが圧接する制限体圧接部において、前記拘束体の前記膨張、または前記収縮が制限されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の静電振動子。
  8. 前記制限体の熱膨張率が、前記拘束体の熱膨張率とは異なることを特徴とする請求項7に記載の静電振動子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電振動子と、
    前記電極に駆動電圧を印加する駆動回路と、を備えていることを特徴とする発振器。
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