JP5127098B2 - 耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維、抗菌性ポリアミド捲縮加工糸、抗菌性ポリアミド織編物及び抗菌性ポリアミド繊維の製造方法 - Google Patents

耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維、抗菌性ポリアミド捲縮加工糸、抗菌性ポリアミド織編物及び抗菌性ポリアミド繊維の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗菌剤を含有する樹脂からなる繊維であって、アルカリ処理を行っても変色(着色)が少なく、かつ耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ナイロン6をはじめとするポリアミド繊維等の合成繊維に抗菌性を有する粉体を含有させた抗菌性繊維は、これまでに数多く提案されている。
中でも、銀系の無機物質は抗菌剤として広く使用されており、銀イオンを担持させたリン酸塩系抗菌剤、銀イオンを担持させたゼオライト系抗菌剤、銀イオンを担持させたヒドロキシアパタイト焼成物系抗菌剤等が使用されている。
【0003】
このような銀系の無機抗菌剤を含有する繊維は、抗菌性が良好でその耐久性も優れているが、製織性を向上させるために付与した糊剤を染色前の工程で洗い流すためにアルカリ処理を行うと、抗菌成分である銀の酸化が起こって変色(着色)し、その結果、抗菌性が低下するので、アルカリ処理を行うような用途には使用し難いという欠点があった。
【0004】
そこで、変色を防止し、繊維の白度や鮮明性を向上させるために、過炭酸ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウム、あるいはメルカプト基を持たないアゾール化合物などの変色防止剤で処理した抗菌性繊維が、特開平4−50376号公報や特開平6−264360号公報、特開平6−272173号公報に提案されている。しかしながら、これらの繊維は、変色防止剤による処理のみではアルカリ処理を行ったときの変色(着色)を十分に回避することができず、処理も煩雑であり、衣料用などの白度や鮮明性が要求される用途には使用し難いという問題があった。
【0005】
これらの問題を解決するために、本発明者らは、特開平11−293521号公報において、粒子の表面をカップリング剤で被覆処理した酸化亜鉛微粒子を含有させることで、アルカリ処理をおこなっても変色(着色)が少ない抗菌性ポリアミド繊維を提案した。この繊維は、アルカリ処理後に着色が少ない、優れた抗菌性繊維である。
しかしながら、この繊維の製造においては、紡糸中に抗菌剤が繊維表面にブリードアウトしてくる傾向があり、得られる繊維中の抗菌剤の分布が不均一(特に表面に局在したもの)となることがあった。このため多洗後には繊維表面から抗菌剤が脱落し、抗菌性能の持続性が十分でないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決し、良好な抗菌性を発現し、アルカリ処理を行っても変色(着色)が少なく、かつ洗濯後の抗菌性の低下が著しく少ない耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維及び抗菌性ポリアミド捲縮加工糸、その製造方法を提供することを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は次の(1)〜(4)を要旨とするものである。
(1)酸化亜鉛粒子を0.1〜2.0質量%含有しているポリアミド樹脂からなり、単糸繊度が0.5〜3.3dtexであるポリアミド繊維であって、アルカリ処理後の色差ΔEが2.5以下であり、かつ50洗後の静菌活性値が2.2以上であることを特徴とする耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維。
(2)(1)記載の抗菌性ポリアミド繊維に捲縮を付与してなる抗菌性ポリアミド捲縮加工糸。
(3)(1)記載の抗菌性ポリアミド繊維又は(2)記載の抗菌性ポリアミド捲縮加工糸を少なくとも一部に用いて製編織した抗菌性ポリアミド織編物。
(4)酸化亜鉛微粒子を0.1〜2.0質量%含有するポリアミド樹脂チップを水分率が0.01〜0.2質量%となるように調整した後に、吐出時のポリマー温度235〜255℃、紡糸速度500〜5000m/分で溶融紡糸し、吹付温度5〜10℃、吹付速度1.5〜2.5m/分の冷却風で冷却させ、ノズル面より400mm以内で固化させることを特徴とする(1)記載の抗菌性ポリアミド繊維の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の繊維を構成するポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン46等の単独あるいはこれらの共重合体、またはブレンドしたもの等が挙げられる。そして、本発明の効果を損なわない範囲であれば、艶消剤、改質剤、制電剤、顔料等を含んだものでもよい。
【0009】
本発明の繊維に含有させる抗菌剤は酸化亜鉛微粒子である。酸化亜鉛微粒子は、紫外線吸収や脱臭という作用に加えて、殺菌、抗菌作用を有している。酸化亜鉛微粒子の殺菌及び抗菌性能は、酸化亜鉛の化学的な性質の一つである硫黄との高い親和性により発現するものと考えられる。詳細には、菌類の細胞膜内に存在する酵素のチオール基に酸化亜鉛微粒子が何らかの形で作用し、菌類の活性を低下させるものと類推される。
【0010】
また、本発明においては、酸化亜鉛微粒子はその表面がカップリング剤で被覆処理されていることが好ましい。なぜなら、酸化亜鉛は、光触媒活性を有するために、樹脂中に含有させたときに光劣化を生じることがあるためである。
【0011】
この酸化亜鉛微粒子の光触媒活性は粒子表面における反応であり、粒子の表面を処理することにより活性を抑制しようとする試みは従来よりなされている。例えば、酸素や水との接触を断つためのマイクロカプセル化表面処理がなされていたが、この処理を施した酸化亜鉛微粒子は、光学的には酸化亜鉛の性質を有しているが、化学的には酸化亜鉛の性質を失うという問題があった。
【0012】
そこで、本発明においては、酸化亜鉛微粒子の欠点である光触媒活性を抑制し、かつ光学的にも化学的にも酸化亜鉛の性質を有するようにするために、粒子の表面をカップリング剤で被覆処理したものを用いることが好ましい。
【0013】
カップリング剤としては、特に限定されるものではないが、シランカップリング剤が好ましく、例えば、信越化学社製のシランカップリング剤KBM−403、KBM−503が挙げられる。
【0014】
また、シランカップリング剤以外のカップリング剤としては、チタン系、アルミニウム系、ジルコニウム系、ジルコアルミネート系等のカップリング剤が挙げられる。
【0015】
そして、カップリング剤の被覆量は、酸化亜鉛微粒子の表面積にもよるが、おおむね0.1〜20質量%程度とすることが好ましい。このように酸化亜鉛微粒子の表面がカップリング剤で被覆されていることによって、酸化亜鉛微粒子が有する光触媒活性を少量の被覆量で無駄なく十分に抑制することができ、一方では、紫外線吸収作用や抗菌、殺菌等の作用をそのまま維持することができる。このため、このようなカップリング剤で表面が被覆された酸化亜鉛微粒子を含有する繊維は、紫外線による変色が防止され、同時に抗菌や殺菌等の効果が達成される。
【0016】
なお、本発明において、抗菌剤として上記のようなカップリング処理を行わない酸化亜鉛微粒子を用いる場合、紫外線により励起される光触媒活性が高く、ポリマーの劣化が促進されやすいため、ヒンダードフェノール系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系などの有機系紫外線吸収剤や、酸化防止剤などを繊維に添加させることが望ましい。
【0017】
また、本発明においては、上記のようなカップリング処理を行わない酸化亜鉛微粒子も好適に用いることができるが、これは後述するような本発明の製造方法を採用することにより、酸化亜鉛微粒子を繊維中に均一に分布させることができるためである。通常、酸化亜鉛微粒子を樹脂中に分散させた場合は、分散性が悪く、酸化亜鉛微粒子の凝集が大きいほど樹脂の劣化が早くなる。しかしながら、本発明の抗菌性繊維は酸化亜鉛微粒子が均一に分散しているので、樹脂の劣化が抑えられ、カップリング処理を行わない酸化亜鉛微粒子を用いても、アルカリ処理前後の色差ΔEを2.5以下とすることができる。
【0018】
本発明の繊維においては、酸化亜鉛微粒子のポリアミド樹脂中の含有量を0.1〜2.0質量%とすることが必要である。含有量が0.1質量%未満であると、抗菌性が十分に付与された繊維とならない。
【0019】
そして、酸化亜鉛微粒子は、紡糸から巻き取りまでの工程において、ガイド摩耗等の問題が生じないようにし、工程通過性をよくするために、また、ノズルパック圧の上昇も防ぐために、平均粒径0.01〜5.0μm程度のものとすることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明の繊維には、抗菌性の発現を阻害しないものであれば、後加工により防ダニ剤、消臭剤等を付与してもよいし、撥水加工、透湿防水加工等を施してもよい。
【0021】
本発明の繊維は、アルカリ処理前後の色差ΔEが2.5以下である。酸化亜鉛粒子の表面がカップリング剤で被覆処理されていない場合は、アルカリ処理前後の色差ΔEは、2.5以下、好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。抗菌剤として前記したようなカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛微粒子を用いると、より変色(着色)を防止することができ、アルカリ処理前後の色差ΔEを2.0以下とすることができ、好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下である。
すなわち、この値は、主に銀系の抗菌剤を使用することで生じていたアルカリ処理による変色(着色)がないことを示す指数である。
【0022】
本発明におけるアルカリ処理前後の色差ΔEとは、アルカリ処理後の抗菌性繊維と同アルカリ処理前の抗菌性繊維との色差ΔEであり、アルカリ処理前及び処理後の繊維を筒編みした編物を8枚重ねにして、分光光度計(マクベス社製、CE−3100)を用いて測定することにより行う。
【0023】
このアルカリ処理前後の色差ΔEが2.5を超えると、精練処理等のアルカリ処理により繊維が着色する度合いが大きく、顔料や着色剤を含有しない繊維の場合は白度が低下し、顔料や着色剤を含有する着色繊維の場合は、鮮明性が低下し、品位の低下した繊維となる。また、アルカリとの反応により抗菌性が著しく低下している場合もあり、好ましくない。
また、含有させる顔料や着色剤としては、カーボンブラック(特にチャンネルタイプが好ましい)や黄色顔料(例えば、Bayer社製Yellow10G)、青色顔料(例えば、大日精化社製シアニンブルー)、緑色顔料(例えば、大日精化社製シアニングリーン)、赤色顔料(例えば、DIC社製スレン系レッド)、紫色顔料(例えば、SANDOZ社製サンドリンバイオレットBL)等が挙げられる。
【0024】
次に、本発明の繊維は、50洗後の静菌活性値が2.2以上である。かつ、50洗後の殺菌活性値が0以上であることが好ましい。
50洗後の静菌活性値とは、抗菌性繊維又は捲縮加工糸を筒編みした編物を用い、繊維製品新機能評価協議会(JAFET)が定める繊維製品の定量的抗菌性試験方法(統一試験法)マニュアルに準じ、試験菌として黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538P)を用いて菌数を測定し、下記計算式より算出している。サンプルは、未処理、アルカリ処理、50洗後、耐候後(未処理サンプルを直接耐候処理した)について評価する。
なお、アルカリ処理は、0.1%水酸化ナトリウム水溶液で30分間煮沸して行い、50洗は、アルカリ処理後のサンプルをJIS L 0217の103の方法で行う。耐候処理は、JIS L 0842に準拠し、カーボンアークフェードメーターを用い、63℃で20時間、照射(4級照射)を行う。
静菌活性値=LogB−LogC
殺菌活性値=LogA−LogC
A:標準布(無加工布)の接種直後に回収した菌数の平均値を示す。
B:標準布(無加工布)の18時間培養後回収した菌数の平均値を示す。
C:加工布の18時間培養後回収した菌数の平均値を示す。
【0025】
50洗後の殺菌活性値とは、抗菌性繊維又は捲縮加工糸を筒編みした編物を用い、繊維製品新機能評価協議会(JAFET)が定める繊維製品の定量的抗菌性試験方法(統一試験法)マニュアルに準じ、試験菌として黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538P)、肺炎桿菌(ATCC4352)を用いる。そして、上記の静菌活性値と同様にして未処理、50洗後の殺菌活性値を求める。
【0026】
本発明において、50洗後の静菌活性値と殺菌活性値を基準として採用する意味は以下のとおりである。
すなわち、従来のような後加工工程で抗菌剤を繊維表面に被覆した繊維や抗菌剤を含有させたとしても繊維表面に抗菌剤が局在化した繊維では、高々数回〜10回程度の洗濯で抗菌性が著しく低下してしまうため、特に洗濯回数が多い衣料用途では使用が難しい。一方、本発明における洗濯回数50回は従来方法に比べ著しく耐洗濯性が向上したもの(従来法が数回〜10回に比べ、50回)であり、この50洗という数値は、例えば繊維製品新機能評価協議会(JAFET)のSEK評価の洗濯回数が最大でも50洗(衣料・寝具等)であることから判断して、衣料用途でも十分な耐洗濯性を有しているといえる。
【0027】
そして、抗菌効果と防臭効果の検討(繊維製品新機能評価協議会抗菌防臭加工部会評価基準WG報告書)より、静菌活性値が2.2以上の時に皮膚常在菌による臭気の発生が押さえられる。そこで、本発明において、衣料用に用いる際の実質的な抗菌効果が発現される指標である静菌活性値が2.2以上を採用する。
【0028】
50洗後の静菌活性値が2.2よりも小さいとき、多洗後に抗菌性が低下してしまい、抗菌性を持続できない繊維となる。このため、耐洗濯性が要求されるような衣料、メディカル用途などには使用し難くなる。本発明の抗菌性繊維においては、50洗後の静菌活性値は2.2以上であるが、特に、3.0以上、さらには4.0以上であることが好ましい。
【0029】
そして、本発明の抗菌性繊維は50洗後の殺菌活性値が0以上であることが好ましい。殺菌活性値は、JAFETが定める制菌加工評価であり、この値が0以上である場合に、繊維上の菌の増殖を抑制する。このため、生活環境(リビング、ライフ)やケア環境(ヘルス、メディカル)の向上を目指した用途に好適に使用することが可能となる。50洗後の殺菌活性値は、1.0以上がより好ましく、さらに好ましくは2.0以上である。
【0030】
さらに、本発明の抗菌性繊維においては、上記で示した殺菌活性値の測定方法において使用した2種類の菌のみならず、大腸菌、緑膿菌、MRSAに対する殺菌効果も有するものであり、これらの菌を上記と同様にして測定、評価した50洗後の殺菌活性値の値も0以上であることが好ましく、これらの殺菌活性値のより好ましい値は1.0以上であり、さらに好ましい値は2.0以上である。
特に黄色ブドウ状球菌及び肺炎桿菌に加え、MRSAに対する殺菌活性値が0以上のものは医療機関などのメディカル環境の向上を目指した用途に好適に使用することが可能となる。
【0031】
本発明の繊維において、上記のような50洗後の静菌活性値や殺菌活性値が良好な値を示すのは、後述するような本発明の製造方法を採用することにより、抗菌剤(酸化亜鉛微粒子)を繊維中に均一に分布させることができるためである。
これにより、繊維表面に抗菌剤が局在化して繊維表面から抗菌剤が脱落することがなく、耐洗濯性(持続性)に優れた抗菌性を有する繊維となる。
【0032】
そして、本発明の抗菌性ポリアミド繊維においては、繊維の横断面形状を異形度20〜60%の異形断面とすることが好ましい。このような異形断面形状とすることにより、フィラメントの表面積が増すため抗菌性能が向上する。また後記のノズル面より吐出後の糸条の冷却に有利となり、固化点をよりノズル面に近くすることができる。これらのため本発明の抗菌性繊維の効果、酸化亜鉛微粒子の効果が十分に発揮され、抗菌性及びその持続性が向上する。これにより、酸化亜鉛微粒子の含有量を減少させることもできるので、コストを軽減することもできる。
【0033】
本発明の繊維における異形度とは、フィラメントの横断面形状における内接円の直径を外接円の直径で除した値に100を乗じた数値(%)をいう。このような形としては、三角や四角等の多角形のものや、凹凸を多数有する多葉断面形状のもの、また、田型や井型形状のものが挙げられる。
【0034】
そして、本発明の繊維においては、異形、異形でないにかかわらず、中空部を有していてもよく、製織時の糸切れや毛羽の発生等を回避するために、芯部に酸化亜鉛微粒子を含有させた芯鞘構造としてもよい。
【0035】
さらに、本発明の繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、長繊維としてはマルチフィラメントである。さらに、短繊維、長繊維ともに単糸繊度0.5〜3.3dtexのものであることが必要である
【0036】
次に、本発明の抗菌性繊維の製造方法について説明する。本発明の製造方法においては、酸化亜鉛微粒子もしくは粒子の表面をカップリング剤で被覆処理した酸化亜鉛微粒子を0.1〜2.0質量%含有するポリアミド樹脂チップを製造し、チップの水分率が0.01〜0.2質量%、好ましくは0.03〜0.15質量%、より好ましくは0.05〜0.10質量%となるように調整し、吐出時のポリマー温度235〜255℃、紡糸速度500〜5000m/分で溶融紡糸を行う。なお、酸化亜鉛微粒子を0.1〜2.0質量%含有するポリアミド樹脂チップを製造する際には、あらかじめこの量の酸化亜鉛微粒子を含有するチップを作成する方法のみならず、酸化亜鉛微粒子をポリアミド樹脂チップにブレンドする方法や、あらかじめ酸化亜鉛微粒子を高濃度に含有したポリアミド樹脂チップを製造し、このチップと通常のポリアミドとをブレンドするマスターチップ法などを採用することができる。ただし、いずれの場合も、使用する樹脂チップの水分率が上記の範囲となるように調製する。
【0037】
樹脂チップの水分率を上記の範囲内のものとするには、90〜160℃程度で乾燥させればよい。得られるポリアミド繊維の着色や変色には、樹脂チップ中の水分率が関与している。これは、ポリアミド繊維が溶融状態では加水分解等の劣化を受けやすいためであると思われ、水分率が増加するほど、得られる繊維のアルカリ処理後の着色や変色は大きくなる。すなわち、アルカリ処理を施す前の繊維においては、着色や変色の差がなくても、チップの水分率が大きいものほど、アルカリ処理後の繊維は着色や変色が大きくなる。
そこで、樹脂チップの水分率を上記の範囲内のものとするには、90〜160℃程度で乾燥させればよい。
【0038】
チップの水分率が0.2質量%を超えると、得られる繊維のアルカリ処理後の着色や変色が大きくなり、アルカリ処理前後の色差ΔEを2.5以下とすることが困難となり、チップの水分率が0.01質量%未満であると、チップを乾燥させる工程が長くなり、コストが高くなり、得られる繊維の強伸度等の物性も低下しやすくなる。
【0039】
さらに、本発明の方法においては、固化点をノズル面から400mm以内とする必要がある。本発明においてノズル面から固化点までの距離は、得られる繊維の繊維内部の抗菌剤の分散状態に非常に大きな影響をおよぼす。ここでいう固化点とは、ノズルより吐出した糸条の繊径が最初に実質的に一定になった点であり、いわゆる糸条が固化する点である。このノズル面から固化する点までの距離の計算方法は、モノフィラメントではその単糸の値であり、マルチフィラメントでは、各単糸の平均値である。
【0040】
通常の紡糸条件における固化点は、単糸繊度にもよるが、600〜2000mmの範囲内である。本発明においては、以下に説明するような方法を採用して、固化点がノズル面から400mm以内となるように冷却、固化させる必要がある。
すなわち、固化点をノズル面から400mm以内とすることにより、ノズル孔から吐出した溶融状態のポリアミドが冷却、固化する時間が短くなり、抗菌剤が繊維表面にブリードアウトすることを防ぐことができ、抗菌剤が繊維表面に局在化せず、繊維内に均一に含有された繊維とすることが可能となる。
【0041】
抗菌剤が繊維表面に局在化せず、繊維内に均一に分散された繊維とすることができることによって、抗菌剤が繊維表面から脱落することがなくなり、抗菌性能持続期間が長くなり、耐洗濯性に優れたものとなる。さらに、抗菌剤が繊維表面に局在化せず、繊維内に均一に分散された繊維とすることができることによって、樹脂の劣化が抑えられ、カップリング処理を行わない酸化亜鉛微粒子を用いても、アルカリ処理前後の色差ΔEを2.5以下とすることができる。
【0042】
固化点がノズル面により近いほど、繊維表面に抗菌剤がブリードアウトすることを防ぐことができ、抗菌剤を繊維内に均一分散させることができるので、中でも、350mm以内とすることが好ましい。
【0043】
固化点を400mm以内とするための方法としては、ノズル孔から吐出する際のポリマー温度を低く抑えること、ノズル孔から吐出した溶融ポリアミドを冷却するための冷却風の吹付温度を低くすることおよび吹付風量(吹付速度)を多くすることが必要である
【0044】
ノズル孔から吐出する際のポリマー温度を低く抑えるには、吐出時のポリマー温度を235〜255℃とすることが必要であり、さらに好ましくは250℃以下、より好ましくは245℃以下とする。通常の紡糸条件ではポリマー温度は255℃を超えることが多く、例えば258℃の場合、通常の冷却条件では、固化点を400mm以内とすることが難しく、繊維表面に抗菌剤がブリードアウトすることがある。一方、吐出時のポリマー温度が235℃よりも低い場合は、未溶解物等の発生により紡糸時に糸切れが発生しやすくなる。
【0045】
冷却風による冷却の際には、冷却風の温度を5〜10℃とすることが必要である。冷却風の温度が10℃を超えると、固化点を400mm以内とすることは難しい。
【0046】
冷却風の吹付風量は多いほど冷却には有利となり好ましく、冷却風の吹き付け速度を1.5〜2.5m/分とすることが必要であり、さらに好ましくは1.7〜2.3m/分である。風速が2.5m/分を超えると、紡糸時に糸切れが発生しやすくなり好ましくない。通常の条件では、風速は1.5m/分未満としており、1.5m/分未満では冷却が不十分となり固化点を400mm以内とすることが困難となる。
【0047】
繊維を冷却、固化させるときには、単糸繊度の大きさが関係し、単糸繊維が小さいほど表面積が大きくなるため冷却に有利となる。そこで、単糸繊度が3.3dtex以下本発明においては、冷却風による冷却を採用する必要がある。
【0053】
このような方法により本発明の抗菌性繊維を製造すると、紡糸中に抗菌剤が繊維表面にブリードアウトしないため、得られる繊維は、繊維内に抗菌剤が含有され、繊維中の抗菌剤の分布も均一のものとなる。このため多洗後でも繊維表面から抗菌剤が脱落せず、抗菌性が維持され、耐洗濯性が要求されるような衣料用途、さらには医療用途にも好適に使用することが可能となる。また、抗菌剤が繊維表面に局在化せず、繊維内に均一に分散された繊維とすることができることによって、樹脂の劣化が抑えられ、カップリング処理を行わない酸化亜鉛微粒子を用いても、アルカリ処理前後の色差ΔEを2.5以下とすることができる。
さらに、本発明の繊維は耐候処理後の抗菌性能も高く、耐候処理後の靜菌活性値が2.2以上となる。この理由は明らかではないが、抗菌剤が繊維表面に局在化せず、均一に分布することから耐候処理による抗菌剤の劣化も抑制されるものと推測される。
【0054】
本発明の抗菌性ポリアミド繊維を製造する場合、紡糸した未延伸糸を一旦巻き取った後延伸する二工程法でも、紡糸した糸条を冷却後、100m/分以上の速度で巻き取る直接紡糸延伸法により製造してもよい。
【0055】
本発明の繊維を、溶融紡糸後一旦巻き取り、延伸する二工程法により製造する場合には、25〜1500m/分程度の速度で巻き取り、その後、延伸倍率1.5〜6.0倍程度で延伸することが好ましく、糸条の種類により熱延伸としても、室温程度の冷延伸としてもよく、熱延伸の場合は50〜170℃程度で行うことが好ましい。
【0056】
直接紡糸延伸法により製造する場合には、溶融紡糸した糸条を一旦巻き取ることなく、100m/分以上の速度で巻き取って製造する。このとき、単糸繊度が大きい繊維を得るときほど、紡糸速度が遅いほうが好ましく、例えば単糸繊度が0.6〜3.3dtexでは500〜5000m/分が必要である。巻き取るまでの間で延伸を行ってもよく、この場合は、50〜150℃程度に加熱しながら、倍率1.1〜3.0倍程度で熱延伸を行うことが好ましい。
【0057】
ここで、本発明の製造方法の一例として直接紡糸延伸法を採用した場合の工程図を図3を用いて説明する。
スピンヘッド9に載置された紡糸口金10から紡糸された糸条1に、スリットノズル2より冷却媒体を付与して冷却固化させる。このとき、冷却風を吹き付ける冷却装置12を併用し、冷却を行う。その後、引取ローラ13a、13bを経て、巻取装置14で巻き取る。
【0059】
そして、本発明の捲縮加工糸の場合は、上記のようにして得られた繊維に捲縮加工を施すものであるが、捲縮を付与する方法としては、例えば、仮撚加工法、押込捲縮加工法、加熱流体による流体押込捲縮加工法等が挙げられる。中でも、品質安定性やコストの面で仮撚加工法が好ましい。
【0060】
仮撚加工機としては、ピンタイプやディスクタイプの施撚装置を備えた一般的な仮撚加工機を用いることができる。仮撚加工条件は、一般的な条件範囲で適宜選択すればよく、通常は仮撚数(T/M)と繊維繊度(d)の平方根との積で表される仮撚係数が15000〜33000の範囲となるようにすることが好ましい。しかしながら、捲縮が得られる限りこれらに限定されるものではなく、仮撚加工後にトルクを抑制するため連続して熱処理を行う2段ヒータ仮撚加工を行ってもよい。
【0061】
そして、本発明の抗菌性ポリアミド織編物は、本発明の抗菌性ポリアミド繊維又は抗菌性ポリアミド捲縮加工糸を少なくとも一部に用いて製編織して得られたものである。すなわち、本発明の抗菌性ポリアミド織編物は、織編物を構成する繊維の全てに本発明の抗菌性ポリアミド繊維及び又は捲縮加工糸を用いたものが好ましいが、十分な抗菌性が得られる範囲であれば、予め本発明の抗菌性ポリアミド繊維及び又は捲縮加工糸と、これ以外の繊維との交絡混繊糸や合撚糸等を製造しておき、このような混繊糸や合撚糸を製編織したもの、あるいは、本発明の抗菌性ポリアミド繊維及び又は捲縮加工糸と、これ以外の繊維とを交織、交編したものでもよい。
【0062】
なお、上記のような織編物中の抗菌性繊維又は捲縮加工糸の割合は、要求される抗菌性能や風合等の用途により適宜選択すればよい。
また、織編物とする際の組織等の条件は特に限定されるものではなく、常法により行えばよい。
【0063】
そして、本発明の抗菌性ポリアミド繊維及び捲縮加工糸はアルカリ処理前後の色差ΔEが2.5以下であり、顔料や着色剤を含有しないときには白度が、これらを含有するときには鮮明性に優れており、また抗菌性能の持続期間が長い。したがって、これらの繊維又は捲縮加工糸を一部又は全部に用いた本発明の織編物は所望の色に染色を行うことができ、且つ耐洗濯性が要求されるような用途に使用することができる。
【0064】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお、実施例中の特性値の測定は、次のとおりに行った。
(a) 強伸度
JIS L1090に準拠して測定した。
(b) 抗菌性
前記の方法にて測定した。
なお、殺菌活性値については、大腸菌、緑膿菌、MRSAを用いた値についても測定した。
(c) アルカリ処理前後の色差ΔE
前記の方法で行った。
(d) 耐候処理
前記の方法で行った。
(e) 固化点の測定(位置)
繊径測定装置(ZIMMER社製 460A/5)を用い、ノズル面より下方に5cmずつの間隔でそれぞれの位置で繊径を30秒測定し、平均値をとり、グラフを作成する。そして、その平均値が一定(平均値が±1%以内)になった最初の点(ノズル面下方からの距離)を糸条の固化点とする。
【0065】
実施例1
相対粘度(96%硫酸を溶媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が2.53、抗菌剤として酸化亜鉛微粒子(平均粒径0.2μm)を1.0質量%含有し、また紫外線吸収剤として2(2’−ヒドロキシ−4’オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール(住友化学工業社製)を0.5質量%含有するナイロン6チップを用い、このチップの水分率を0.10質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度255℃で溶融し、孔径が0.3mmの紡糸孔を24個有する紡糸口金より吐出させた。冷却装置より冷却風を吹き付けて糸条を冷却、固化させ、オイリングローラで油剤を付与した後、巻取速度4000m/分で巻き取って、44dtex/24fの抗菌性繊維を得た。
【0066】
実施例2、比較例1〜2
抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、吐出ポリマー温度、固化点の位置、冷却風の吹付温度及び風量を表1に示すように種々変更した。それ以外は、実施例1と同様とした。
【0067】
実施例3、比較例3
ナイロン6チップに顔料としてサンドリンバイオレットBL(SAN−DOZ社製)を0.01質量%添加し、抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、吐出ポリマー温度、固化点の位置、冷却風の吹付温度及び風量を表1に示すように種々変更した。それ以外は、実施例1と同様とした。
【0068】
実施例4
トリローバル形状をした紡糸孔を24個有する紡糸口金を用い、抗菌剤の含有量を表1に示すように変更した。それ以外は実施例1と同様として、異形度33%の三角断面形状の44dtex/24fの抗菌性繊維を得た。
【0069】
実施例1〜4、比較例1〜3で得られた繊維の強度、伸度、抗菌性、アルカリ処理前後の色差の評価を表1に示す。
【0070】
【表1】
Figure 0005127098
【0071】
表1から明らかなように、実施例1〜4で得られた抗菌性繊維は、強伸度等の糸質物性に優れ、抗菌性(静菌活性値及び殺菌活性値)の評価が高く、アルカリ処理前後の色差が小さく、また50洗後及び耐候処理後の抗菌性の評価が高いため、白度、鮮明性及び耐洗濯性の要求される用途に良好に使用できるものであった。また、実施例1〜4の繊維は、直接紡糸延伸法で製造したが、ガイド摩耗などが発生せず、操業性よく製造することができた。
一方、比較例1は、抗菌剤を含有していなかったため、抗菌性を有しないものであった。比較例2は、抗菌剤の含有量が高すぎたため、紡糸時や延伸時に糸切れが発生し、繊維を得ることができなかった。比較例3は、チップ中の水分率が高い状態で溶融紡糸を行い、固化点がノズル面より400mm以内の位置とすることができなかったため、得られた繊維のアルカリ処理前後の色差が高く、また50洗後の抗菌性能が急激に低下したものとなった。
【0072】
実施例5〜6、比較例4
抗菌剤の含有量を表2に示すように変更し、紡糸孔を34個有する紡糸口金を用いた。それ以外は実施例1と同様にして、70dtex/34fの抗菌性ポリアミド繊維を得た。 次に、この繊維に、フィードローラ、仮撚ヒータ、ピンタイプの仮撚施撚装置、デリベリローラ、捲取装置を順に備えた仮撚加工機を使用し、表2に示すように仮撚加工条件を種々変更して加工を施し、捲縮加工糸を得た。
得られた捲縮加工糸の強度、伸度、抗菌性、アルカリ処理前後の色差の評価を表2に示す。
【0073】
【表2】
Figure 0005127098
【0074】
表2から明らかなように、実施例5〜6で得られた抗菌性捲縮加工糸は、強伸度等の糸質物性に優れ、抗菌性の評価が高く、また、アルカリ処理前後の色差が小さく、また50洗後及び耐候処理後の抗菌性の評価が高いため、白度、鮮明性及び耐洗濯性の要求される用途に良好に使用できるものであった。
一方、比較例4は、抗菌剤を含有していなかったため、抗菌性を有していないものであった。
【0075】
実施例7
実施例1の繊維を経糸と緯糸として用いて、経密度140本/2.54cm、緯密度108本/2.54cmの平織物を製織した。この平織物の抗菌性、アルカリ処理前後の色差について測定、評価した。
なお、これらの評価、測定は、この実施例7のみならず、下記の実施例8〜10においても、前記記載の評価、測定方法のうち編物で行っていたものを織物で行ったものとした。
【0076】
実施例8
実施例5の捲縮加工糸を経糸と緯糸として用いて、経密度114本/2.54cm、緯密度86本/2.54cmの平織物を製織した。それ以外は実施例7と同様とした。
【0077】
実施例9
実施例1の繊維を経糸に用い、比較例1の繊維を緯糸に用いて、経密度140本/2.54cm、緯密度108本/2.54cmの平織物(抗菌性繊維の混率56%)を製織した。それ以外は実施例7と同様とした。
【0078】
実施例10
実施例5の捲縮加工糸と比較例4の捲縮加工糸とにデュポン社製インターレーサーJD−1を用いて空気交絡処理を施した交絡混繊糸を緯糸とし、比較例4の捲縮加工糸を経糸として、経密度114本/2.54cm、緯密度62本/2.54cmの平織物(抗菌性捲縮加工糸の混率26%)を製織した。それ以外は実施例7と同様とした。
【0079】
実施例11
実施例1の繊維を用い、メッシュ組織にてトリコット編物を得た。
【0080】
実施例12
実施例1の繊維と比較例1の繊維を用い、モックローディアの組織にて交編編物(筒編、抗菌性繊維の混率65%)を得た。
【0081】
実施例7〜10の織物と実施例11〜12の編物との抗菌性、アルカリ処理前後の色差の評価結果を表3に示す。
【0082】
【表3】
Figure 0005127098
【0083】
表3から明らかなように、本発明の抗菌性繊維や抗菌性捲縮加工糸を全て又は一部に用いた織編物は、抗菌性の評価が高く、アルカリ処理前後の色差も小さく、また50洗後及び耐候処理後の抗菌性の評価が高いため、白度、鮮明性及び耐洗濯性の要求される用途に良好に使用できるものであった。
【0084】
実施例13
相対粘度が2.53であり、抗菌剤としてシランカップリング剤で表面が被覆処理された酸化亜鉛微粒子(三井金属社製 Z−NOUVE、平均粒径0.2μm)を1.1質量%含有した、ナイロン6チップを用いた。そして、このチップの水分率を0.07質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度248℃で溶融し、孔径が0.3mmの紡糸孔を24個有する紡糸口金より吐出させた。冷却装置より表4に示す条件で冷却風を吹き付けて糸条を冷却、固化させ、オイリングローラで油剤を付与した後、巻取速度4000m/分で巻き取って、44dtex/24fの抗菌性繊維を得た。
【0085】
実施例14〜15、比較例5〜6
抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、冷却風の吹付温度及び風量、固化点の位置を表4に示すように種々変更した以外は、実施例13と同様に行った。
【0086】
実施例16
ナイロン6チップに、顔料としてサンドリンバイオレットBL(SANDOZ社製)を0.01質量%添加し、抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、固化点の位置を表1に示すように種々変更した以外は、実施例13と同様に行った。
【0087】
実施例17〜19、比較例7
抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、冷却風の吹付温度及び風量、固化点の位置、吐出ポリマー温度を表4に示すように種々変更した以外は、実施例13と同様の方法にて78dtex/24fの繊維を得た。
【0088】
実施例20、比較例8
ナイロン6チップに、顔料としてyellow10G(BAYEL社製)を0.1質量%添加し、抗菌剤の含有量、ナイロン6チップの水分率、冷却風の吹付温度及び風量、固化点の位置、吐出ポリマー温度を表4に示すように種々変更した以外は、実施例13と同様の方法にて78dtex/24fの繊維を得た。
【0089】
実施例13〜20、比較例5〜8で得られた繊維の強度、伸度、抗菌性、アルカリ処理前後の色差の評価を表4に示す。
【0090】
【表4】
Figure 0005127098
【0100】
4から明らかなように、実施例13〜20で得られた抗菌性繊維は、強伸度等の糸質物性に優れ、アルカリ処理前後の色差が小さく、また50洗後及び耐候処理後の抗菌性の評価が高いため、白度、鮮明性及び耐洗濯性の要求される用途に良好に使用できるものであった。また、実施例13〜20の繊維は、直接紡糸延伸法で製造したが、ガイド摩耗等もなく、操業性よく製造することができた。一方、比較例5〜8は、冷却条件等が最適でなく、固化点をノズル面より400mm以内の位置とすることができなかったため、アルカリ処理前の抗菌性は高いものの、50洗後に抗菌性能が急激に低下し、また耐候処理後の抗菌性もかなり低下したものとなった。
【0101】
実施例28〜29、比較例13
抗菌剤の含有量を表7に示すように変更し、また紡糸孔を34個有する紡糸口金を用いた。それ以外は実施例13と同様にして、78dtex/34fの繊維を得た。得られた抗菌性ポリアミド繊維に、フィードローラ、仮撚ヒータ、ピンタイプの仮撚施撚装置、デリベリローラ、捲取装置を順に備えた仮撚加工機を使用し、表7に示すように仮撚加工条件を種々変更して加工を施し、捲縮加工糸を得た。
得られた捲縮加工糸の強度、伸度、抗菌性、アルカリ処理前後の色差を表7に示す。
【0102】
【表7】
Figure 0005127098
【0103】
表7から明らかなように、実施例28〜29で得られた抗菌性繊維は、強伸度等の糸質物性に優れ、アルカリ処理前後の色差が小さく、また50洗後及び耐候処理後の抗菌性の評価が高いため、白度、鮮明性及び耐洗濯性の要求される用途に良好に使用できるものであった。
一方、比較例13は、抗菌剤を含有していなかったため、抗菌性を有していないものであった。
【0104】
実施例30
実施例13の繊維を経糸と緯糸として用いて、経密度140本/2.54cm、緯密度108本/2.54cmの平織物を製織した。この平織物の抗菌性、アルカリ処理前後の色差について測定、評価した。
これらの評価、測定は、前記記載の評価、測定方法のうち編物で行っていたものを織物で行ったものとした。
【0105】
実施例31
実施例28の捲縮加工糸を経糸と緯糸として用いて、経密度114本/2.54cm、緯密度86本/2.54cmの平織物を製織した。この平織物の抗菌性、アルカリ処理前後の色差について実施例30と同様に測定、評価した。
【0106】
実施例32
実施例13の繊維を経糸とし、比較例13の繊維を緯糸に用い、経密度140本/2.54cm、緯密度108本/2.54cmの平織物(抗菌性繊維の混率56%)を製織した。この平織物の抗菌性、アルカリ処理前後の色差について実施例30と同様に測定、評価した。
【0107】
実施例33
実施例28の捲縮加工糸と比較例13の捲縮加工糸につき、デュポン社製インターレーサーJD−1を用いて空気交絡処理を施して交絡混繊糸をえた。この交絡混繊糸を緯糸とし、経糸に比較例13の捲縮加工糸を用い、経密度114本/2.54cm、緯密度62本/2.54cmの平織物(抗菌性捲縮加工糸の混率26%)を製織した。この平織物の抗菌性、アルカリ処理前後の色差について実施例30と同様に測定、評価した。
【0108】
実施例34
実施例13の繊維を用い、メッシュ組織にてトリコット編物を得た。このトリコット編物の抗菌性、アルカリ処理前後の色差について実施例30と同様に測定、評価した。
【0109】
実施例35
実施例13の繊維と比較例13の繊維を用い、モックローディアの組織にて交編編物(筒編、抗菌性繊維の混率65%)を得た。
この交編編物の抗菌性、アルカリ処理前後の色差について実施例30と同様に測定、評価した。
【0110】
実施例30〜33の織物と実施例34〜35の編物との、抗菌性、アルカリ処理前後の色差の評価結果を表8に示す。
【0111】
【表8】
Figure 0005127098
【0112】
表8から明らかなように、本発明の抗菌性繊維や抗菌性捲縮加工糸をすべてまたは一部に用いた織編物は、抗菌性の評価が高く、アルカリ処理前後の色差が小さく、白度や鮮明性を要求される用途に良好に使用できるものであった。
【0113】
【発明の効果】
本発明の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維及び抗菌性ポリアミド捲縮加工糸は、アルカリ処理を行っても変色(着色)や抗菌性の低下がほとんどなく、さらに、耐洗濯性にも優れた良好な抗菌性を有し、強伸度にも優れ、白度や鮮明性が要求される用途にも好適に使用することが可能となる。
そして、本発明の抗菌性ポリアミド繊維の製造方法によれば、上記のような繊維及び捲縮加工糸を操業性よく得ることができる。
さらに、本発明の抗菌性ポリアミド織編物は、本発明の抗菌性ポリアミド繊維又は抗菌性ポリアミド捲縮加工糸を少なくとも一部に用いているため、耐洗濯性にも優れた良好な抗菌性を発現し、アルカリ処理を行っても変色(着色)や抗菌性の低下がほとんどなく、白度や鮮明性が要求される用途にも好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一実施態様を示す一部概略工程図である。
【符号の説明】
1 糸条
2 スリットノズル
3 液体供給管
9 スピンヘッド
10 紡糸口金
12 冷却装置
13 引取ローラ
14 巻取装置
15 液浴
16 延伸ローラ
17 温風ヒータ

Claims (8)

  1. 酸化亜鉛粒子を0.1〜2.0質量%含有しているポリアミド樹脂からなり、単糸繊度が0.5〜3.3dtexであるポリアミド繊維であって、アルカリ処理後の色差ΔEが2.5以下であり、かつ50洗後の静菌活性値が2.2以上であることを特徴とする耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維。
  2. 50洗後の殺菌活性値が0以上である請求項1記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維。
  3. 酸化亜鉛微粒子を、粒子の表面をカップリング剤で被覆処理した酸化亜鉛微粒子とし、アルカリ処理前後の色差ΔEが2.0以下である請求項1又は2記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維。
  4. 繊維の横断面形状が、異形度20〜60%の異形断面形状である、請求項1、2又は3記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維に捲縮を付与してなる抗菌性ポリアミド捲縮加工糸。
  6. 請求項1、2、3又は4記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維、又は請求項5記載の抗菌性ポリアミド捲縮加工糸を少なくとも一部に用いて製編織した抗菌性ポリアミド織編物。
  7. 酸化亜鉛微粒子を0.1〜2.0質量%含有するポリアミド樹脂チップを水分率が0.01〜0.2質量%となるように調整した後に、吐出時のポリマー温度235〜255℃、紡糸速度500〜5000m/分で溶融紡糸し、次いで、吹付温度5〜10℃、吹付速度1.5〜2.5m/分の冷却風で冷却させ、ノズル面より400mm以内で固化させることを特徴とする請求項1、2又は4記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維の製造方法。
  8. 粒子の表面をカップリング剤で被覆処理した酸化亜鉛微粒子を0.1〜2.0質量%含有するポリアミド樹脂チップを水分率が0.01〜0.2質量%となるように調整した後に、吐出時のポリマー温度235〜255℃、紡糸速度500〜5000m/分で溶融紡糸し、次いで、吹付温度5〜10℃、吹付速度1.5〜2.5m/分の冷却風で冷却させ、ノズル面より400mm以内で固化させることを特徴とする請求項3又は4記載の耐洗濯性に優れた抗菌性ポリアミド繊維の製造方法。
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