以下、本発明の一実施形態を、図1〜図12に基づいて説明する。図1には、一実施形態の露光装置100の構成が概略的に示されている。
露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では投影光学系PLとプライマリアライメント系AL1(図4、図5等参照)が設けられている。以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内で光軸AXとプライマリアライメント系AL1の検出中心を結ぶ直線と平行な方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、図1に示されるように、照明系10、レチクルステージRST、投影ユニットPU、局所液浸装置8、ウエハステージWST及び計測ステージMSTを有するステージ装置50、並びにこれらの制御系等を備えている。図1において、ウエハステージWST上には、ウエハWが載置されている。
照明系10は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド等(いずれも不図示)を有する照明光学系と、を含む。照明系10は、レチクルブラインド(マスキングシステム)で規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとして、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。
レチクルステージRST上には、そのパターン面(図1における下面)に回路パターンなどが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図7参照)によって、XY平面内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面内左右方向であるY軸方向)に所定の走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)116によって、移動鏡15(実際には、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡(あるいは、レトロリフレクタ)とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計116の計測値は、主制御装置20(図1では不図示、図7参照)に送られる。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に保持された投影光学系PLと、を含む。投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向と平行な光軸AXに沿って配列される複数の光学素子(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられる。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。このため、照明系10によってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、その第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では照明系10、レチクルR及び投影光学系PLによってウエハW上にパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
本実施形態の露光装置100には、液浸方式の露光を行うために、前述の如く、局所液浸装置8が設けられている。局所液浸装置8は、液体供給装置5、液体回収装置6(いずれも図1では不図示、図7参照)、液体供給管31A、液体回収管31B、及びノズルユニット32等を含む。ノズルユニット32は、図1に示されるように、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子、ここではレンズ(以下、「先端レンズ」ともいう)191を保持する鏡筒40の下端部周囲を取り囲むように、投影ユニットPUを保持する不図示のメインフレームに吊り下げ支持されている。本実施形態では、ノズルユニット32は、図1に示されるように、その下端面が先端レンズ191の下端面とほぼ同一面に設定されている。また、ノズルユニット32は、液体Lqの供給口及び回収口と、ウエハWが対向して配置され、かつ回収口が設けられる下面と、液体供給管31A及び液体回収管31Bとそれぞれ接続される供給流路及び回収流路とを備えている。液体供給管31Aと液体回収管31Bとは、図4に示されるように、平面視(上方から見て)でX軸方向及びY軸方向に対してほぼ45°傾斜し、投影光学系PLの光軸AXとプライマリアライメント系AL1の検出中心とを結ぶY軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LVに関して対称な配置となっている。図4において、符号UPはウエハステージWST上のウエハのアンロード時にウエハステージWSTの中心が位置するアンローディングポジションを示し、符号LPはウエハステージWST上へのウエハのロード時にウエハステージWSTの中心が位置するローディングポジションを示す。
液体供給管31Aは液体供給装置5(図1では不図示、図7参照)に、液体回収管31Bは液体回収装置6(図1では不図示、図7参照)に接続されている。ここで、液体供給装置5には、液体を貯蔵するタンク、加圧ポンプ、温度制御装置、液体の流量を制御するためのバルブ等が備えられている。液体回収装置6には、回収した液体を貯蔵するタンク、吸引ポンプ、液体の流量を制御するためのバルブ等が備えられている。
主制御装置20は、液体供給装置5(図7参照)を制御して、液体供給管31Aを介して先端レンズ191とウエハWとの間に液体を供給するとともに、液体回収装置6(図7参照)を制御して、液体回収管31Bを介して先端レンズ191とウエハWとの間から液体を回収する。このとき、主制御装置20は、供給される液体の量と回収される液体の量とが常に等しくなるように、液体供給装置5と液体回収装置6を制御する。従って、先端レンズ191とウエハWとの間には、一定量の液体Lq(図1参照)が常に入れ替わって保持され、これにより液浸領域14(図4参照)が形成される。なお、投影ユニットPUの下方に後述する計測ステージMSTが位置する場合にも、同様に先端レンズ191と計測テーブルとの間に液浸領域14を形成することができる。
本実施形態では、上記の液体として、ArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する純水(以下、特に必要な場合を除いて、単に「水」と記述する)を用いるものとする。なお、ArFエキシマレーザ光に対する水の屈折率nは、ほぼ1.44であり、水の中では、照明光ILの波長は、193nm×1/n=約134nmに短波長化される。
ステージ装置50は、図1に示されるように、ベース盤12の上方に配置されたウエハステージWST及び計測ステージMST、両ステージWST,MSTの位置情報を計測する計測システム200(図7参照)、及び両ステージWST,MSTを駆動するステージ駆動系124(図7参照)等を備えている。計測システム200は、図7に示されるように、干渉計システム118、エンコーダシステム150、及び面位置計測システム180などを含む。
ウエハステージWST及び計測ステージMSTは、不図示の非接触軸受、例えばエアベアリングなどにより、数μm程度のクリアランスを介して、ベース盤12の上方に支持されている。また、両ステージWST,MSTは、リニアモータ等を含むステージ駆動系124(図7参照)によって、独立して駆動可能である。
ウエハステージWSTは、図1に示されるように、ステージ本体91と、該ステージ本体91上に搭載されたウエハテーブルWTBとを含む。ウエハテーブルWTB及びステージ本体91は、リニアモータ及びZ・レベリング機構(ボイスコイルモータなどを含む)を含む駆動系によって、ベース盤12に対し、6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)に駆動可能に構成されている。
ウエハテーブルWTBの上面の中央には、ウエハWを真空吸着等によって保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。ウエハホルダ(ウエハの載置領域)の外側には、図2(A)に示されるように、ウエハW(ウエハホルダ)よりも一回り大きな円形の開口が中央に形成され、かつ矩形状の外形(輪郭)を有するプレート(撥液板)28が設けられている。プレート28の表面は、液体Lqに対して撥液化処理されている(撥液面が形成されている)。なお、プレート28は、その表面の全部(あるいは一部)がウエハWの表面と同一面となるようにウエハテーブルWTB上面に固定されている。
プレート28は、中央に上述の円形の開口が形成された矩形の外形(輪郭)を有する第1撥液領域(第1撥液板)28aと、その周囲に配置された矩形枠状(環状)の第2撥液領域(第2撥液板)28bと、を有する。
第1撥液板28aの+Y側の端部には、長方形の切り欠きが形成され、該切り欠きの内部にその表面がプレート28とほぼ同一面となる状態で計測プレート30が設けられている。この計測プレート30には、中央に基準マークFMが設けられ、基準マークFMのX軸方向の両側に一対の空間像計測スリットパターン(スリット状の計測用パターン)SLが、設けられている。そして、各空間像計測スリットパターンSLに対応して、それらを透過する照明光ILを、ウエハステージWST外部(後述する計測ステージMSTに設けられる受光系)に導く送光系(不図示)が設けられている。
第2撥液板28bには、後述するエンコーダシステムで用いられるスケールが形成されている。詳述すると、第2撥液板28bのX軸方向(図2(A)における紙面内左右方向)の一側と他側の領域には、それぞれYスケール39Y1,39Y2が形成されている。Yスケール39Y1,39Y2は、例えば、X軸方向を長手方向とする格子線38が所定ピッチでY軸方向に配列された、Y軸方向を周期方向とする反射型の格子(例えば回折格子)によって構成されている。
同様に、第2撥液板28bのY軸方向(図2(A)における紙面内上下方向)の一側と他側の領域には、Yスケール39Y1及び39Y2に挟まれた状態で、Xスケール39X1,39X2がそれぞれ形成されている。Xスケール39X1,39X2は、例えば、Y軸方向を長手方向とする格子線37が所定ピッチでX軸方向に配列された、X軸方向を周期方向とする反射型の格子(例えば回折格子)によって構成されている。
なお、格子線37,38のピッチは、例えば1μmと設定される。図2(A)及びその他の図において、図示の便宜のため、格子のピッチは実際のピッチよりも大きく図示されている。
また、回折格子を保護するために、撥液性をそなえた低熱膨張率のガラス板でカバーすることも有効である。ここで、ガラス板(カバーガラスとも呼ばれる)としては、厚さがウエハと同程度、例えば厚さ1mmのものを用いることができ、そのガラス板の表面がウエハ面と同じ高さ(同一面)になるよう、ウエハテーブルWST上面に設置される。
また、ウエハテーブルWTBの−Y端面,−X端面には、図2(A)に示されるように、後述する干渉計システムで用いられる反射面17a,反射面17bが形成されている。
計測ステージMSTは、図1に示されるように、不図示のリニアモータ等によってXY平面内で駆動されるステージ本体92と、ステージ本体92上に搭載された計測テーブルMTBとを含んでいる。計測ステージMSTも、不図示の駆動系によりベース盤12に対し、少なくとも3自由度方向(X,Y,θz)に駆動可能に構成されている。
なお、図7では、ウエハステージWSTの駆動系と計測ステージMSTの駆動系とを含んで、ステージ駆動系124として示されている。
計測テーブルMTB(及びステージ本体92)には、各種計測用部材が設けられている。この計測用部材としては、例えば、図2(B)に示されるように、照度むらセンサ94、空間像計測器96、波面収差計測器98、照度モニタ(不図示)などが設けられている。また、ステージ本体92には、前述の一対の送光系(不図示)に対向する配置で、一対の受光系(不図示)が設けられている。本実施形態では、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとがY軸方向に関して所定距離以内に近接した状態(接触状態を含む)において、ウエハステージWST上の計測プレート30の各空間像計測スリットパターンSLを透過した照明光ILを各送光系(不図示)で案内し、計測ステージMST内の各受光系(不図示)の受光素子で受光する、空間像計測装置45(図7参照)が構成される。
また、計測テーブルMTBの+Y端面、−X端面には、干渉計用の反射面19a,19bが形成されている。
計測テーブルMTBの−Y側の面には、図2(B)に示されるように、X軸方向に延びるフィデューシャルバー(以下、「FDバー」と略述する)46が取り付けられている。FDバー46の長手方向の一側と他側の端部近傍には、センターラインCLに関して対称な配置で、Y軸方向を周期方向とする基準格子(例えば回折格子)52がそれぞれ形成されている。また、FDバー46の上面には、複数の基準マークMが形成されている。各基準マークMとしては、後述するアライメント系によって検出可能な寸法の2次元マークが用いられている。なお、FDバー46の表面及び計測テーブルMTBの表面も撥液膜で覆われている。
本実施形態の露光装置100では、図4及び図5に示されるように、前述の基準軸LV上で、投影光学系PLの光軸AXから−Y側に所定距離隔てた位置に検出中心を有するプライマリアライメント系AL1が設けられている。プライマリアライメント系AL1は、不図示のメインフレームの下面に固定されている。図5に示されるように、プライマリアライメント系AL1を挟んで、X軸方向の一側と他側には、基準軸LVに関してほぼ対称に検出中心が配置されるセカンダリアライメント系AL21,AL22と、AL23,AL24とがそれぞれ設けられている。セカンダリアライメント系AL21〜AL24は、可動式の支持部材を介してメインフレーム(不図示)の下面に固定されており、駆動機構601〜604(図7参照)を用いて、X軸方向に関してそれらの検出領域の相対位置が調整可能となっている。
本実施形態では、アライメント系AL1,AL21〜AL24のそれぞれとして、例えば画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。アライメント系AL1,AL21〜AL24のそれぞれからの撮像信号は、不図示の信号処理系を介して主制御装置20に供給される。
干渉計システム118は、図3に示されるように、反射面17a又は17bにそれぞれ干渉計ビーム(測長ビーム)を投射し、その反射光を受光して、ウエハステージWSTの位置を計測するY干渉計16、及び3つのX干渉計126〜128、並びに計測ステージMSTの位置を計測するY干渉計18、及びX干渉計130等を備えている。詳述すると、Y干渉計16は、基準軸LVに関して対称な一対の測長ビームB41,B42を含む少なくとも3つのY軸に平行な測長ビームを反射面17a、及び後述する移動鏡41に投射する。また、X干渉計126は、図3に示されるように、光軸AXと基準軸LVとに直交するX軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LH(図4参照)に関して対称な一対の測長ビームB51,B52を含む少なくとも3つのX軸に平行な測長ビームを反射面17bに投射する。また、X干渉計127は、アライメント系AL1の検出中心にて基準軸LVと直交するX軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LA(図4参照)を測長軸とする測長ビームB6を含む少なくとも2つのY軸に平行な測長ビームを反射面17bに投射する。また、X干渉計128は、Y軸に平行な測長ビームB7を反射面17bに投射する。
干渉計システム118の上記各干渉計からの位置情報は、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、Y干渉計16及びX干渉計126又は127の計測結果に基づいて、ウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)のX,Y位置に加え、θx方向の回転情報(すなわちピッチング情報)、θy方向の回転情報(すなわちローリング情報)、及びθz方向の回転情報(すなわちヨーイング情報)も求めることができる。
また、図1に示されるように、ステージ本体91の−Y側の側面に、凹形状の反射面を有する移動鏡41が取り付けられている。移動鏡41は、図2(A)からわかるように、X軸方向の長さがウエハテーブルWTBの反射面17aよりも、長く設計されている。
移動鏡41に対向して、干渉計システム118(図7参照)の一部を構成する一対のZ干渉計43A,43Bが配置されている(図1及び図3参照)。Z干渉計43A,43Bは、移動鏡41を介して、例えば投影ユニットPUを支持するフレーム(不図示)に固定された固定鏡47A,47Bにそれぞれ2つの測長ビームB1,B2を投射する。そして、Z干渉計43A,43Bは、それぞれの反射光を受光して、測長ビームB1,B2の光路長を計測する。その結果より、主制御装置20は、ウエハステージWSTの4自由度(Y,Z,θy,θz)方向の位置を算出する。
本実施形態では、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、主として、後述するエンコーダシステム150を用いて計測される。干渉計システム118は、ウエハステージWSTがエンコーダシステム150の計測領域外(例えば、アンローディングポジション又はローディングポジション付近)に位置する際に、使用される。また、干渉計システム118は、エンコーダシステム150の計測結果の長期的変動(例えばスケールの経時的な変形などによる)を補正(較正)する場合などに補助的に使用される。勿論、干渉計システム118とエンコーダシステム150とを併用して、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)の全位置情報を計測することとしても良い。
干渉計システム118のY干渉計18、及びX干渉計130は、図3に示されるように、反射面19a,19bに、干渉計ビーム(測長ビーム)を投射して、それぞれの反射光を受光することにより、計測ステージMSTの位置情報(例えば、少なくともX軸及びY軸方向の位置情報とθz方向の回転情報とを含む)を計測し、その計測結果を、主制御装置20に供給する。
本実施形態の露光装置100には、干渉計システム118とは独立に、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を計測するためのエンコーダシステム150を構成する複数のヘッドユニットが設けられている。
図4に示されるように、ノズルユニット32の+X側、+Y側、−X側、及びプライマリアライメント系AL1の−Y側に、4つのヘッドユニット62A、62B、62C、及び62Dが、それぞれ配置されている。また、図5に示されるように、アライメント系AL1、AL21〜AL24のX軸方向の両外側にヘッドユニット62E、62Fが、それぞれ配置されている。これらのヘッドユニット62A〜62Fは、支持部材を介して、投影ユニットPUを保持するメインフレーム(不図示)に吊り下げ状態で固定されている。
ヘッドユニット62A及び62Cは、図5に示されるように、それぞれ複数(ここでは5個)のYヘッド651〜655及びYヘッド641〜645を備えている。ここで、Yヘッド652〜655及びYヘッド641〜644は、基準軸LH上に間隔WDで配置されている。Yヘッド651及びYヘッド645は、基準軸LHから−Y方向に所定距離離れたノズルユニット32の−Y側の位置に配置されている。Yヘッド651,652間、及びYヘッド644,645間のX軸方向の間隔もWDに設定されている。なお、Yヘッド651〜655とYヘッド645〜641は、基準軸LVに関して対称に配置されている。以下では、必要に応じて、Yヘッド651〜655及びYヘッド641〜645を、それぞれ、Yヘッド65及びYヘッド64とも記述する。
ヘッドユニット62Aは、Yスケール39Y1を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のY軸方向の位置(Y位置)を計測する多眼(ここでは5眼)のYリニアエンコーダ70A(図7参照)を構成する。同様に、ヘッドユニット62Cは、Yスケール39Y2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のY位置を計測する多眼(ここでは5眼)のYリニアエンコーダ70C(図7参照)を構成する。なお、以下では、Yリニアエンコーダを、適宜、「Yエンコーダ」又は「エンコーダ」と略述する。
ここで、ヘッドユニット62A,62Cがそれぞれ備える5個のYヘッド65,64(より正確には、Yヘッド65,64が発する計測ビームのスケール上の投射点)のX軸方向の間隔WDは、Yスケール39Y1,39Y2のX軸方向の幅(より正確には、格子線38の長さ)より僅かに狭く設定されている。従って、例えば、露光の際などにはそれぞれ5個のYヘッド65,64のうち、少なくとも各1つのYヘッドが、常に、対応するYスケール39Y1,39Y2に対向する(計測ビームを投射する)。
ヘッドユニット62Bは、図5に示されるように、基準軸LV上に間隔WDで配置された複数(ここでは4個)のXヘッド665〜668を備えている。また、ヘッドユニット62Dは、基準軸LV上に間隔WDで配置された複数(ここでは4個)のXヘッド661〜664を備えている。以下では、必要に応じて、Xヘッド665〜668及びXヘッド661〜664をXヘッド66とも記述する。
ヘッドユニット62Bは、Xスケール39X1を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のX軸方向の位置(X位置)を計測する、多眼(ここでは4眼)のXリニアエンコーダ70B(図7参照)を構成する。また、ヘッドユニット62Dは、Xスケール39X2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のX位置を計測する多眼(ここでは4眼)のXリニアエンコーダ70D(図7参照)を構成する。なお、以下では、Xリニアエンコーダを、適宜、「Xエンコーダ」又は「エンコーダ」と略述する。
ここで、ヘッドユニット62B,62Dがそれぞれ備える隣接するXヘッド66(より正確には、Xヘッド66が発する計測ビームのスケール上の投射点)のY軸方向の間隔WDは、Xスケール39X1,39X2のY軸方向の幅(より正確には、格子線37の長さ)よりも狭く設定されている。また、ヘッドユニット62Bの最も−Y側のXヘッド665とヘッドユニット62Dの最も+Y側のXヘッド664との間隔は、ウエハステージWSTのY軸方向の移動により、その2つのXヘッド間で切り換え(つなぎ)が可能となるように、ウエハテーブルWTBのY軸方向の幅よりも狭く設定されている。従って、例えば、露光の際などには、ヘッドユニット62B,62Dが備えるXヘッド66のうち少なくとも1つが、常に、対応するXスケール(39X1又は39X2)に対向する(計測ビームを投射する)。
ヘッドユニット62Eは、図5に示されるように、複数(ここでは4個)のYヘッド671〜674を備えている。ここで、3個のYヘッド671〜673は、セカンダリアライメント系AL21の−X側に、基準軸LA上に間隔WDとほぼ同一間隔で配置されている。Yヘッド674は、基準軸LAから+Y方向に所定距離離れたセカンダリアライメント系AL21の+Y側に配置されている。なお、Yヘッド673,674間のX軸方向の間隔もWDと設定されている。
ヘッドユニット62Fは、複数(ここでは4個)のYヘッド681〜684を備えている。これらのYヘッド681〜684は、基準軸LVに関して、Yヘッド674〜671と対称な位置に配置されている。以下では、必要に応じて、Yヘッド671〜674及びYヘッド681〜684を、それぞれYヘッド67及びYヘッド68とも記述する。
アライメント計測の際には、少なくとも各1つのYヘッド67,68が、それぞれYスケール39Y2,39Y1に対向する。このYヘッド67,68(すなわち、これらYヘッド67,68によって構成されるYエンコーダ70E,70F)によってウエハステージWSTのY位置(及びθz回転)が計測される。
また、本実施形態では、セカンダリアライメント系のベースライン計測時などに、セカンダリアライメント系AL21,AL24にX軸方向で隣接するYヘッド673,682が、FDバー46の一対の基準格子52とそれぞれ対向し、その一対の基準格子52と対向するYヘッド673,682によって、FDバー46のY位置が、それぞれの基準格子52の位置で計測される。以下では、一対の基準格子52にそれぞれ対向するYヘッド673,682によって構成されるエンコーダをYリニアエンコーダ(適宜、「Yエンコーダ」又は「エンコーダ」とも略述する)70E2,70F2(図7参照)と呼ぶ。また、識別のため、Yスケール39Y2,39Y1に対向するYヘッド67,68によって構成されるYエンコーダを、Yエンコーダ70E1、70F1と呼ぶ。
上述したリニアエンコーダ70A〜70Fの計測値は、主制御装置20に供給され、主制御装置20は、リニアエンコーダ70A〜70Dのうちの3つ、又はリニアエンコーダ70E1,70F1,70B及び70Dのうちの3つの計測値に基づいて、ウエハテーブルWTBのXY平面内の位置を制御するとともに、リニアエンコーダ70E2,70F2の計測値に基づいて、FDバー46(計測ステージMST)のθz方向の回転を制御する。
本実施形態の露光装置100には、図4及び図6に示されるように、ウエハステージWSTに載置されるウエハWの全面の面位置を計測するための、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示されるものと同様の構成の斜入射方式の多点焦点位置検出系(90a,90b)が設けられている。多点AF系(90a,90b)の複数の検出点は、被検面上でX軸方向に沿って所定間隔で配置される。図4及び図6では、それぞれ検出ビームが照射される複数の検出点が、個別に図示されず、照射系90a及び受光系90bの間でX軸方向に延びる細長い検出領域(ビーム領域)AFとして示されている。
また、図6に示されるように、多点AF系(90a,90b)の検出領域AFの両端部近傍に、基準軸LVに関して対称な配置で、各一対のZ位置計測用の面位置センサのヘッド(以下、「Zヘッド」と略述する)72a,72b、及び72c,72dが設けられている。
さらに、前述のヘッドユニット62A,62Cは、図6に示されるように、それぞれが備える5つのYヘッド65j,64i(i,j=1〜5)と同じX位置に、ただしY位置をずらして、それぞれ5つのZヘッド76j,74i(i,j=1〜5)を備えている。
Zヘッド72a〜72d、76j,74iとしては、例えば、CDドライブ装置などで用いられる光ピックアップと同様の光学式変位センサのヘッドが用いられる。Zヘッド72a〜72d、76j,74iは、ウエハテーブルWTBに対し上方から計測ビームを投射し、その反射光を受光して、投射点におけるウエハテーブルWTBの面位置を計測する。なお、本実施形態では、Zヘッドの計測ビームは、前述のYスケール39Y1,39Y2(反射型回折格子)によって反射される構成を採用している。
上述したZヘッド72a〜72d,741〜745,761〜765は、図7に示されるように、信号処理・選択装置170を介して主制御装置20に接続されている。主制御装置20は、信号処理・選択装置170を介してZヘッド72a〜72d,741〜745,761〜765の中から任意のZヘッドを選択して作動状態とし、その作動状態としたZヘッドで検出した面位置情報を信号処理・選択装置170を介して受け取る。本実施形態では、Zヘッド72a〜72d,741〜745,761〜765と、信号処理・選択装置170とを含んでウエハステージWSTのZ軸方向及びXY平面に対する傾斜方向の位置情報を計測する面位置計測システム180が構成されている。
主制御装置20は、面位置計測システム180を用いて、ウエハステージWSTの有効ストローク領域、すなわちアライメント計測及び露光動作のためにウエハステージWSTが移動する領域において、その少なくとも2自由度方向(Z,θy)の位置座標を計測する。
図7には、露光装置100の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御するマイクロコンピュータ(又はワークステーション)から成る主制御装置20を中心として構成されている。なお、図7においては、前述した照度むらセンサ94、空間像計測器96、及び波面収差計測器98など、計測ステージMSTに設けられた各種センサが、纏めてセンサ群99として示されている。
本実施形態では、主制御装置20は、エンコーダシステム150(図7参照)を用いることにより、ウエハステージWSTの有効ストローク領域、すなわちアライメント及び露光動作のためにウエハステージWSTが移動する領域において、その3自由度(X,Y,θz)方向の位置座標を計測する。
本実施形態では、上述した各エンコーダヘッドとして、例えば、国際公開第2007/097379号パンフレットに開示されている干渉型のエンコーダヘッドが用いられている。この種のエンコーダヘッドでは、2つの計測光を対応するスケールに投射し、それぞれの戻り光を1つの干渉光に合成して受光し、その干渉光の強度を光検出器を用いて計測する。ここで、スケールが計測方向(回折格子の周期方向)に変位すると、干渉光の強度IがI(φ)∝1+cos(φ)と変化する。ただし、2つの計測光の位相差をφと表記した。また、2つの計測光の強度を互いに等しいと仮定した。
位相差(以下、位相と略述する)φは、理想状態において、計測方向(X軸方向とする)についてのヘッドとスケール間の相対変位ΔXに対し、次式(1)のように変化する。
φ(ΔX)=2πΔX/(p/4n)+φ0 …(1)
ここで、pはスケールが有する回折格子のピッチ、nは回折次数(例えばn=1)、φ0は境界条件(例えば変位ΔXの基準位置の定義など)より定まる定位相項である。
式(1)より、位相φは計測光の波長λに依存しないことがわかる。そして、干渉光の強度Iは、変位ΔXが計測単位(計測ピッチとも呼ぶ)p/4n増加あるいは減少する毎に、強弱を繰り返すことがわかる。そこで、予め定められた基準位置からの変位ΔXに伴う干渉光の強度の強弱の回数を計測する。その計数値(カウント値)をcΔXと表記する。計数値cΔXはint(φ/2π)に相当する。さらに、干渉光の正弦的な強度変化を、内挿器(インターポレータ)を用いて分割することにより、干渉光の強度I(φ)の位相φ’(=φ%2π)を計測する。
各エンコーダヘッドから、上記のカウント値cΔXと位相φ’が、計測結果として出力される。これらの計測結果より、変位ΔXの計測値CΔXは、次式(2)のように求められる。
CΔX=(p/4n)×〔cΔX+(φ’−φ0)/2π〕 …(2)
ここで、定位相項φ0を位相オフセット(ただし、0≦φ0<2πと定義する)とし、変位ΔXの基準位置での位相φ(ΔX=0)を保持することとする。
前述のようなエンコーダヘッドの配置を採用したことにより、ウエハステージWSTが前述の有効ストローク領域にあるときには常時、Xスケール39X1又は39X2に少なくとも1つのXヘッド66が、Yスケール39Y1に少なくとも1つのYヘッド65(又は68)が、Yスケール39Y2に少なくとも1つのYヘッド64(又は67)が、それぞれ対向する。スケールに対向しているエンコーダヘッドは、ヘッドの位置(より正確には計測ビームの投射点の位置)を基準とする、それぞれの計測方向についてのウエハステージWSTの位置(より正確には計測ビームを投射するスケールの位置)を計測する。その計測結果は、上述のリニアエンコーダ70A,70B,70C,70D,70E1,70F1の計測結果として、主制御装置20に供給される。
主制御装置20は、リニアエンコーダ70A、70C及び70B又は70D、又はリニアエンコーダ70E1、70F1及び70B又は70Dの計測結果に基づいて、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を算出する。ここで、Xヘッド66,Yヘッド65(又は68),64(又は67)の計測値(それぞれCX,CY1,CY2と表記する)は、ウエハステージWSTの位置(X,Y,θz)に対して、次式(3)〜(5)のように依存する。
CX= (pX−X)cosθz+(qX−Y)sinθz …(3)
CY1=−(pY1−X)sinθz+(qY1−Y)cosθz …(4)
CY2=−(pY2−X)sinθz+(qY2−Y)cosθz …(5)
ただし、(pX,qX),(pY1,qY1),(pY2,qY2)は、それぞれXヘッド66,Yヘッド65,Yヘッド64のX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)である。そこで、主制御装置20は、3つのヘッドの計測値CX,CY1,CY2を連立方程式(3)〜(5)に代入し、それらを解くことにより、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を算出する。また、主制御装置20は、算出結果に従って、ウエハステージWSTを駆動制御する。
また、主制御装置20は、リニアエンコーダ70E2,70F2の計測値に基づいて、FDバー46(計測ステージMST)のθz方向の回転を制御する。ここで、リニアエンコーダ70E2,70F2の計測値(それぞれCY1,CY2と表記する)は、FDバー46の(X,Y,θz)位置に対し、式(4)(5)のように依存する。従って、FDバー46のθz位置は、計測値CY1,CY2より、次式(6)のように求められる。
sinθz=−(CY1−CY2)/(pY1−pY2) …(6)
ただし、簡単のため、qY1=qY2を仮定した。
次に、エンコーダヘッドの切換え手順について説明する。本実施形態では、前述したエンコーダヘッドの配置により、ウエハステージWSTの移動に伴い、スケールに対向するヘッドが、順次、隣接ヘッドと入れ換わる。そこで、主制御装置20は、ウエハステージWSTの位置を算出するために計測値を監視するエンコーダヘッドを、ウエハステージWSTの移動に従って、順次、隣接ヘッドに切り換える。
例えば、図8(A)に示されるように、ウエハステージWSTが+X方向に移動したとする。この場合、矢印e1で示されるように、ウエハステージWSTのY位置を計測するYヘッド64が、Yヘッド642からYヘッド643へと、切り換えられる。また、図8(B)に示されるように、ウエハステージWSTが+Y方向に移動したとする。この場合、矢印e2で示されるように、ウエハステージWSTのX位置を計測するXヘッド66が、Xヘッド666からXヘッド667へと、切り換えられる。このように、Yヘッド64(及び65)は、ウエハステージWSTのX軸方向への移動に伴い、順次、隣のヘッドに切り換えられる。また、Xヘッド66も、ウエハステージWSTのY軸方向への移動に伴い、順次、隣のヘッドに切り換えられる。
なお、エンコーダでは相対変位が検出されるので、絶対変位(すなわち位置)を算出するために、基準位置(位置計測の基準点)を定めなくてはならない。そこで、ヘッドの切り換え時には、切り換え後に使用されるヘッドによる位置計測の基準点(計測値の原点)がリセットされる。このヘッドの切り換え時に行う基準点のリセット処理を、つなぎ処理と呼ぶ。
次に、エンコーダヘッドの切り換え時に実行するつなぎ処理について、主制御装置20の動作を中心に、説明する。
本実施形態では、前述の如く、ウエハステージWSTの有効ストローク範囲内では、常に3つのエンコーダヘッド(Xヘッド66、Yヘッド65(又は68)及びYヘッド64(又は67))がウエハステージWSTの位置を監視する。以下では、これら3つのエンコーダ(ヘッド)を、それぞれEhX,EhY1,EhY2と表記する。本実施形態では、ヘッドの切り換え時には、上記3つのエンコーダヘッドに切り換え後に使用される4つめのエンコーダヘッドを加えた、4つのエンコーダヘッドがウエハステージWSTの位置を監視することになる。ここで、一例として、図8(A)に示される、Yヘッド642から隣のYヘッド643への切り換えについて説明する。ただし、Xヘッド667をEhX、Yヘッド652をEhY1、Yヘッド642をEhY2、Yヘッド643をEhY2’、と表記する。
前述の通り、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置を算出するためには、少なくとも3つのエンコーダヘッドの計測値が必要となる。従って、ヘッドの切り換え処理では、3つのヘッドEhX,EhY1,EhY2を用いる位置計測から、別のヘッドEhY2’を含む3つのヘッドEhX,EhY1,EhY2’を用いる位置計測へと、切り換えられる。すなわち、あるヘッドEhY2を別のヘッドEhY2’に切り換えるのではなく、3つのヘッドの組み合わせから別の3つのヘッドの組み合わせに切り換えるものである。
その際、主制御装置20は、まず、エンコーダEhX,EhY1,EhY2の計測値CX,CY1,CY2を用いて連立方程式(3)〜(5)を解き、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置を算出する。次に、ここで算出された(X,Y,θz)位置を用いて、新たに使用するYヘッドEhY2’の計測値が従う理論式(7)より、予測値CY2’を求める。
CY2’=−(pY2’−X)sinθz+(qY2’−Y)cosθz …(7)
ここで、pY2’,qY2’は、YヘッドEhY2’の計測点のX、Y位置である。そして、予測値CY2’をYヘッドEhY2’の計測値として設定する。
以上のつなぎ処理により、ウエハステージWSTの位置計測の結果(X,Y,θz)を維持したまま、ヘッドの切り換え処理が完了する。ヘッドの切り換え処理の完了後には、主制御装置20は、切り換え後に使用する3つのヘッドEhX,EhY1,EhY2’の計測値CX,CY1,CY2’を用いて、連立方程式(3)、(4)、(7)を解き、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置を算出する。そして、主制御装置20は、その算出結果に基づいて、ウエハステージWSTを駆動制御する。
なお、図8(B)に示される、Xヘッド666(EhXと表記する)から隣のXヘッド667(EhX’と表記する)へのXヘッド間の切り換えの場合、主制御装置20は、次の理論式(8)を用いてXヘッドEhX’の計測値CX’を予測する。
CX’= (pX’−X)cosθz+(qX’−Y)sinθz …(8)
ここで、pX’,qX’は、XヘッドEhX’の計測点のX、Y位置である。そして、主制御装置20は、予測値CX’をXヘッドEhX’の計測値として設定する。このようにしてヘッドの切り換え処理が完了すると、その後、主制御装置20は、切り換え後に使用する3つのヘッドEhX’,EhY1,EhY2の計測値CX’,CY1,CY2を用いて、連立方程式(8)、(3)、(4)を解いて、ウエハステージWSTの(X,Y,θz)位置を算出する。そして、主制御装置20は、その算出結果に基づいて、ウエハステージWSTを駆動制御する。
ただし、エンコーダの実際の計測値(生値)には、様々な計測誤差が含まれている。そこで、主制御装置20は、誤差補正した値を計測値として提示する。従って、上述のつなぎ処理において、主制御装置20は、ステージ位置起因誤差補正情報、スケールの格子ピッチの補正情報(及び格子変形の補正情報)等を用いて、理論式(7)又は(8)から求まる理論値を逆補正し、補正前の生値を算出し、その生値をエンコーダの初期計測値として設定する。ここで、ステージ位置起因誤差とは、エンコーダヘッドの非計測方向に関するウエハステージWSTの位置に起因して生じるエンコーダヘッドによるウエハステージの位置の計測誤差を指す。このステージ位置起因誤差は、エンコーダヘッドの非計測方向に関するウエハステージWSTの位置が、Yエンコーダ又はXエンコーダの計測値に影響する度合いを示す。
エンコーダヘッドのつなぎ処理、すなわち第4のエンコーダヘッド(EhY2’又はEhX’)の初期計測値(CY2’又はCX’)の算出と設定において、誤差(つなぎ誤差と呼ぶ)が発生し得る。ここで、実際にウエハ上の全ショット領域の露光を行うと、ヘッドの切り換えが、例えばおよそ100回行われる。従って、1回のつなぎ処理で発生する誤差が無視できるほど小さくても、切り換えを何度も繰り返すことにより、誤差が累積され、許容範囲を超えてしまう恐れがある。なお、誤差はランダムに発生するとして、100回の切り換えによって発生する累積誤差は、1回当たりに発生する誤差の約10倍である。従って、つなぎ処理の精度を最大限向上しなければならない。
そこで、次の2つのつなぎ法、すなわち座標つなぎ法と位相つなぎ法を導入する。ここでは、図8(A)に示される、Yヘッド642(EhY2)からYヘッド643(EhY2’)への切り換えを例に、上記2つのつなぎ法について説明する。
座標つなぎ法では、まず、切り換え前の3つのヘッドEhX,EhY1,EhY2の計測値CX,CY1,CY2から、連立方程式(3)〜(5)を介して、ウエハステージWSTの位置座標(X,Y,θz)を算出する。この位置座標から、式(7)を介して、第4のヘッドEhY2’の計測値CY2’を予測する。この予測値CY2’を、計測単位δの離散値、すなわちカウント値cY2’を用いてδ×cY2’に変換する。そして、この離散値と微小量dCY2’の和δ×cY2’+dCY2’を、式(7)の左辺に代入し、連立方程式(3)、(4)、(7)を解いて、位置座標を逆算する。ただし、計測値CX,CY1は、先と共通である。ここで求まる位置座標(X’,Y’,θz’)が、先に求められた位置座標(X,Y,θz)に一致するように、微小量dCY2’を決定する。そして、第4のヘッドEhY2’に対し、離散値δ×cY2’(カウント値cY2’)を初期値として設定する。それと同時に、位相φ’を微小量dCY2’に相当する位相2πdCY2’/δに補正するために、位相オフセットをφ0=φ’−2πdCY2’/δと設定する。ここで、微小量dCY2’は、式(7)を用いたウエハステージWSTの位置座標の算出誤差などにより、剰余CY2’%δと異なり得る。
座標つなぎ法では、その原理より、算出されるウエハステージWSTの位置座標は、エンコーダヘッドの切り換え前後で、必ず保存される。しかし、つなぎ処理を繰り返す度に、誤差が累積されてしまうことに変わりはない。そこで、位相つなぎ法を適用する。
位相つなぎ法の場合、その基本手順は先の座標つなぎ法と同じであるが、位相オフセットの取り扱いが異なる。座標つなぎ法では、ヘッドを切り換える前と後とで、算出されるウエハステージWSTの位置座標が完全に一致するように、第4のヘッドに対する位相オフセットφ0を再設定した。位相つなぎ法では、位相オフセットφ0の再設定はおこなわず、すでに設定されている位相オフセットφ0を引き続き使用する。すなわち、位相つなぎ法では、カウント値cY2’のみを再設定する。この場合、ヘッドの切り換え前後で、算出されるウエハステージWSTの位置座標は不連続となり得るが、つなぎ誤差の発生及び累積を避けることができる。
エンコーダヘッドの計測値に対する位相オフセットφ0(前述の式(2)参照)は、一度正確に設定したとしても、エンコーダヘッドの設置位置の安定性により、正確さを失うこともあり得る。従って、例えば露光装置のアイドル中、あるいはロット先頭時等に、位相オフセットφ0を再設定するための、後述するようなキャリブレーションシーケンスを用意し、適宜、最新値に更新する処理が必要となる。
本実施形態では、主制御装置20は、面位置センサシステム180(図7参照)を用いて、ウエハステージWSTの有効ストローク領域において、その2自由度方向(Z,θy)の位置座標を計測する。
主制御装置20は、露光時には面位置センサシステム180(図7参照)を構成する各1つのZヘッド74i,76j(i,jは1〜5のいずれか)を用いて、ウエハステージWSTの高さZと傾斜(ローリング)θyを計測する。また、主制御装置20は、フォーカスマッピング、すなわちZヘッド72a〜72dの計測値を基準とする、ウエハWの面位置(Z位置)情報の計測を行うときなどには、4つのZヘッド72a〜72dを用いて、ウエハステージWSTの高さZと傾斜(ローリング)θyを計測する。なお、上記各Zヘッドは対応するYスケール39Y1又は39Y2に形成された反射型回折格子の反射面(計測面)に計測ビームを投射し、その反射光を受光することにより、計測面の面位置(Z軸方向の位置)を計測する。
主制御装置20は、露光時には、少なくとも各1つのZヘッド74i,76j(i,jは1〜5のいずれか)の計測値に基づいて、テーブル面上の基準点(テーブル面と光軸AXとの交点)における、ウエハステージWSTの高さZ0とローリングθyを算出する。ここで、Zヘッド74i,76j(i,jは1〜5のいずれか)の計測値(それぞれZL,ZRと表記する)は、ウエハステージWSTの(Z0,θx,θy)位置に対して、次式(9),(10)のように依存する。
ZL=−tanθy・pL+tanθx・qL+Z0, …(9)
ZR=−tanθy・pR+tanθx・qR+Z0 …(10)
ただし、計側面を含めウエハテーブルWTBの上面は、理想的な平面だとする。なお、(pL,qL),(pR,qR)は、それぞれZヘッド74i,76jのX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)である。式(9),(10)より、次式(11),(12)が導かれる。
Z0=〔ZL+ZR−tanθx・(qL+qR)〕/2, …(11)
tanθy=〔ZL−ZR−tanθx・(qL−qR)〕/(pR−pL) …(12)
従って、主制御装置20は、Zヘッド74i,76jの計測値ZL,ZRを用いて、式(11),(12)より、ウエハステージWSTの高さZ0とローリングθyを算出する。ただし、ピッチングθxは、別のセンサシステム(本実施形態では干渉計システム118)の計測結果を用いる。
主制御装置20は、例えばフォーカスマッピング時などには、4つのZヘッド72a〜72dの計測値(それぞれZa,Zb,Zc,Zdと表記する)に基づいて、多点AF系(90a,90b)の複数の検出点の中心(X,Y)=(Ox’,Oy’)におけるウエハテーブルWTBの高さZ0とローリングθyを、次式(13),(14)より、算出する。
Z0=(Za+Zb+Zc+Zd)/4, …(13)
tanθy=−(Za+Zb−Zc−Zd)/(pa+pb−pc−pd) …(14)
ここで、(pa,qa),(pb,qb),(pc,qc),(pd,qd)はそれぞれZヘッド72a〜72dのX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)である。ただし、pa=pb,pc=pd,qa=qc,qb=qd,(pa+pc)/2=(pb+pd)/2=Ox’,(qa+qb)/2=(qc+qd)/2=Oy’とする。なお、先と同様に、ピッチングθxは、別のセンサシステム(本実施形態では干渉計システム118)の計測結果を用いる。
次に、Zヘッドの切り換え手順について説明する。主制御装置20は、スケールに対向している少なくとも各1つのZヘッド74i,76jの計測値を用いて、ウエハステージWSTの(Z0,θy)位置を算出する。図6に示されるZヘッド74i,76j(i,j=1〜5)の配置から明らかなように、ウエハステージWSTの移動に伴い、スケールに対向するZヘッドが、順次、隣接ヘッドと入れ換わる。そこで、主制御装置20は、ウエハステージWSTの位置を算出するために計測値を監視するZヘッドを、ウエハステージWSTの移動に従って、順次、隣接ヘッドに切り換える。
例えば、図8(A)に示されるように、ウエハステージWSTが+X方向に移動したとする。この場合、矢印fで示されるように、Zヘッド74が、Zヘッド742からZヘッド743へと、切り換えられる。
なお、Zヘッドでは個々のヘッドの原点を基準とする計側面の面位置が検出されるので、全てのZヘッドの原点を統一しなければならない。そこで、Zヘッドの切り換え時には、切り換え後に使用されるZヘッドの計測値の原点(位置計測の基準点)がリセットされる。このZヘッドの切り換え時に行う計測値の原点のリセット処理を、つなぎ処理と呼ぶ。
次に、Zヘッドの切り換え時に実行する座標つなぎ処理について、主制御装置20の動作を中心に、説明する。なお、この座標つなぎ処理は、前述のエンコーダの切り換え時に実行する座標つなぎ法と同じ原理に基づく処理で、特に断らない限りつなぎ処理と呼ぶ。
本実施形態では、前述の如く、例えば露光時におけるウエハステージWSTの移動範囲内では、常に2つのZヘッド76j,74iがステージWSTの位置を監視する。これら2つのZヘッドを、それぞれZh1,Zh2と表記する。従って、Zヘッドの切り換え時には、切り換え後に使用される3つめのZヘッドを加えた、3つのZヘッドがステージWSTの位置を監視することになる。ここで、図8(A)に示される、Zヘッド742から隣のZヘッド743への切り換えを例に考える。ただし、Zヘッド762をZh1、Zヘッド742をZh2、Zヘッド743をZh2’、と表記する。
ウエハステージWSTの(Z0,θy)位置を算出するためには、少なくとも2つのZヘッドの計測値が必要となる。従って、Zヘッドの切り換え処理では、2つのヘッドZh1,Zh2を用いる位置計測から、別のヘッドZh2’を含む2つのヘッドZh1,Zh2’を用いる位置計測へと、切り換えられる。
その際、主制御装置20は、まず、ZヘッドZh1,Zh2の計測値ZR,ZLを用いて、式(11)、(12)より、ウエハステージWSTの(Z0,θy)位置を算出する。次に、ここで算出された(Z0,θy)位置を用いて、新たに使用するZヘッドZh2’の計測値が従う次の理論式(15)より、予測値ZL’を求める。
ZL’=−tanθy・pL’+tanθx・qL’+Z0 …(15)
ここで、pL’,qL’は、ZヘッドZh2’のX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX、Y位置)である。ただし、ピッチングθxとして、別のセンサシステム(本実施形態では干渉計システム118)の計測結果が用いられる。そして、主制御装置20は、オフセットOL’=ZL’−ZL0’を設定する。ここで、ZL0’はZヘッドZh2’の実計測値、すなわち対向するYスケール39Y2の面位置の実測結果である。ZヘッドZh2’の計測値ZL’は、実計測値ZL0’をオフセット補正することにより、次式(16)のように与えられる。
ZL’=ZL0’+OL’ …(16)
このオフセットOL’を用いた取り扱いにより、予想値ZL’がZヘッドZh2’の計測値ZL’として設定される。
以上のつなぎ処理により、ウエハステージWSTの位置計測の結果(Z0,θy)を維持したまま、ヘッドの切り換え処理が完了する。ヘッドの切り換え処理が完了後には、主制御装置20は、ZヘッドZh1,Zh2’の計測値ZR,ZL’を用いて、式(11)、(12)より、ウエハステージWSTの(Z0,θy)位置を算出する。ただし、式(11)、(12)のZLをZL’に置き換える。そして、主制御装置20は、その算出結果に基づいて、ウエハステージWSTを駆動制御する。
ところで、Zヘッドの実際の計測値(生値)には、様々な計測誤差が含まれている。そこで、主制御装置20は、誤差補正した値を計測値として提示する。従って、上述のつなぎ処理において、主制御装置20は、Zセンサ設置誤差、ヘッド起因誤差、スケール(反射面)表面の凹凸による誤差、波長変化による誤差等の補正情報を用いて、理論式(15)から求まる理論値を逆補正し、補正前の生値を算出し、その生値をZヘッドの初期計測値として設定する。なお、これらの誤差補正情報を上述のオフセットOL’に含め、オフセット補正(式(16)参照)と同時に誤差補正すると便利である。
なお、つなぎ処理を実行することにより、Zヘッドの切り換え前後で、算出されるウエハステージWSTの(Z0,θy)位置は必ず連続となる。しかし、新たに使用するZヘッドの計測値の予測及びオフセットの算出等により、誤差(つなぎ誤差)が発生し得る。ここで、実際にウエハ上の全ショット領域の露光を行うと、Zヘッドの切り換えを、例えばおよそ100回実行することになる。従って、1回のつなぎ処理で発生する誤差が無視できるほど小さくても、切り換えを何度も繰り返すことにより、誤差が累積され、許容範囲を超えてしまう恐れがある。なお、誤差はランダムに発生するとして、100回の切り換えによって発生する累積誤差は、1回当たりに発生する誤差の約10倍である。従って、つなぎ処理の精度を最大限向上するとともに、つなぎ精度の影響を受けないステージ制御方式を採用しなければならない。
そこで、例えば、つなぎ処理を実行し、前述の式(16)を用いてオフセット補正されたZヘッドの出力より得られるステージ位置座標に従ってウエハステージWSTを駆動制御し、つなぎ処理を実行せず、実のZヘッドの出力より得られるステージ位置座標に従ってフォーカスマッピング等を行うと良い。また、ウエハステージWSTが停止する際には、オフセットOL’をクリアし、累積したつなぎ誤差を解消すると良い。
なお、前述の式(16)で表されるZヘッドの計測値に対するオフセット(原点)OL’は、一度正確に設定したとしても、ヘッドの設置位置の安定性により、正確さを失うこともあり得る。従って、例えば露光装置のアイドル中、あるいはロット先頭時等に、オフセットOL’を再設定するための、後述するようなキャリブレーションシーケンスを用意し、適宜、最新値に更新する手続きが必要となる。
本実施形態の露光装置100では、特に、高い計測精度(例えば、0.1nm程度)が要求される。この計測精度に対し、エンコーダヘッド及びZヘッドの設置の不安定性が、無視できないレベルの計測誤差を発生し得る。また、エンコーダヘッド及びZヘッドの設置の安定性を、長期にわたって保証することも困難である。このため、正確かつ簡易な較正処理を、適宜、実行し、エンコーダシステム150及び面位置センサシステム180の計測精度を保証する必要がある。
前述の座標つなぎ法では、ウエハステージWSTの位置座標((X,Y,θz)又は(Z、θy))の算出結果が変わらないように、切り換え後に用いられるヘッドの計測値、すなわちオフセットφ0又はOL’がリセットされる。ここで、切り換え対象のヘッドも含め、ウエハステージWSTの位置座標を算出するために計測値を使用しているすべてのヘッドの計測精度が十分保証されているとする。この条件の下で座標つなぎ法を適用することは、切り換え対象の2つのヘッド間の位置関係を求めることに相当する。従って、座標つなぎ法を適用してオフセットφ0又はOL’を更新することにより、エンコーダヘッド又はZヘッドの設置位置を較正することができる。
そこで、座標つなぎ法を適用して、式(2)で表されるエンコーダヘッドの計測値に対する位相オフセットφ0、及び式(16)で表されるZヘッドの計測値に対するオフセット(原点)OL’を、更新(リセット)するためのキャリブレーションシーケンスについて説明する。
図9には、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)上に新しいウエハWが載置され、ウエハステージWSTがローディングポジション(LP)から有効ストローク領域に侵入した直後で、かつキャリブレーションシーケンスが開始される直前の状態が示されている。この状態では、エンコーダシステム150を構成するXヘッド661がXスケール39X2に対向し、Yヘッド673とともにYヘッド672がYスケール39Y2に対向し、かつYヘッド683とともにYヘッド682がYスケール39Y1に対向している。このとき、主制御装置20により、Xヘッド661及びYヘッド673、683の計測値(エンコーダ70D、70E1、70F1の計測値)に基づく、ウエハステージWSTの駆動制御が開始されている。なお、3つのヘッド661,673,683の計測値(位相オフセットφ0)は、干渉計システム118の計測結果を基に、設定されている。
図9に示される状態から、主制御装置20によって、ヘッドユニット62E,62Fを構成するYヘッド67,68を較正する第1キャリブレーションシーケンス(以下、第1シーケンスと略述する)が開始される。表1にキャリブレーションシーケンスの詳細が示されている。第1シーケンスでは、表1中の較正処理(1)〜(3)が実行される。
較正処理(1)では、主制御装置20は、図9に示される位置にウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法をそれぞれ実行して、Yヘッド672の位相オフセットφ0をリセットするとともに、Yヘッド682の位相オフセットφ0をリセットする。
表1には各較正処理において、つなぎ処理を適用するヘッドが示されている。例えば、上記較正処理(1)におけるYヘッド673から672へのつなぎ処理は、表1中のユニット62E(ヘッド67)の列(縦列)の較正処理(1)の行(横列)の欄に、3→2と表記されている。また、較正処理(1)におけるYヘッド683から682へのつなぎ処理は、ユニット62F(ヘッド68)の列の較正処理(1)の行の欄に、3→2と表記されている。その他の表記の詳細は表1の欄外に示されている。
なお、表1には、つなぎ処理には係わらないが、ウエハステージWSTの位置計測に使用される(スケールに対向する)ヘッドも示されている。例えば、較正処理(1)では、処理開始時にはXヘッド661、Yヘッド673,683、終了時にはXヘッド661、Yヘッド672,682が使用される。
較正処理(2)では、主制御装置20は、較正処理(1)の実行後の状態から、ウエハステージWSTを−X方向に駆動し、Yヘッド672とともにYヘッド671をYスケール39Y2に対向させる。そして、主制御装置20は、Yヘッド672,671がYスケール39Y2に対向した状態で、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を実行して、Yヘッド671の位相オフセットφ0をリセットする。また、この時、Yヘッド682とともにYヘッド681がYスケール39Y1に対向している。そこで、主制御装置20は、座標つなぎ処理を実行して、Yヘッド681の位相オフセットφ0をリセットする。
較正処理(3)では、主制御装置20は、較正処理(2)の実行後の状態から、ウエハステージWSTを+X方向に移動させ、Yヘッド673とともにYヘッド674をYスケール39Y2に対向させる。そして、主制御装置20は、Yヘッド673,674がYスケール39Y2に対向した状態で、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を実行して、Yヘッド674の位相オフセットφ0をリセットする。また、この時、Yヘッド683とともにYヘッド684がYスケール39Y1に対向している。そこで、主制御装置20は、座標つなぎ処理を実行して、Yヘッド684の位相オフセットφ0をリセットする。
以上の処理により、ヘッドユニット62E,62Fを構成するYヘッド67,68を較正する第1シーケンスが終了する。なお、表1より、第1シーケンスでは、Xヘッド661、Yヘッド67,68がウエハステージWSTの位置計測に使用される。
第1シーケンスが終了すると、主制御装置20は、ウエハステージWSTを、再び、図9に示される位置に戻して停止させる。そして、主制御装置20は、ヘッドユニット62Dを構成するXヘッド661〜665とヘッドユニット62Bを構成するXヘッド666を較正する第2キャリブレーションシーケンス(以下、第2シーケンスと略述する)を開始する。
第2シーケンスでは、表1中の較正処理(4)〜(8)が実行される。較正処理(4)では、主制御装置20は、ウエハステージWSTを、図9に示される位置から+Y方向に駆動し、Xヘッド661とともにXヘッド662をXスケール39X2に対向させる。そして、主制御装置20は、Xヘッド661,662がXスケール39X2に対向した状態で、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を実行して、Xヘッド662の位相オフセットφ0をリセットする。また、この時、Zヘッド72b,72dとともにZヘッド72a,72cが、それぞれYスケール39Y2,39Y1に対向している。そこで、主制御装置20は、座標つなぎ処理を実行して、Zヘッド72a,72cのオフセットOL’をリセットする。
次に、較正処理(5)では、主制御装置20は、ウエハステージWSTを、較正処理(4)の実行後の状態から、さらに+Y方向に移動させ、図10に示されるように、Xヘッド662とともにXヘッド663をXスケール39X2に対向させる。主制御装置20は、図10に示される位置で、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を実行して、Xヘッド663の位相オフセットφ0をリセットする。同様に、較正処理(6)〜(8)では、それぞれXヘッド664,665,666の位相オフセットφ0がリセットされる。
なお、表1より、第2シーケンスでは、主制御装置20により、Xヘッド661〜666、Yヘッド673(又は672),682(又は683)を用いてウエハステージWSTの位置計測が行われる。なお、較正処理(6)〜(8)では、Yヘッド673,682の代わりに、Yヘッド643,653を使用することもできる。
第2シーケンスの終了した時、ウエハステージWSTは、図11に示される位置に位置している。この状態から、主制御装置20は、ヘッドユニット62Aを構成するYヘッド651〜655及びZヘッド761〜765と、ヘッドユニット62Cを構成するYヘッド641〜645及びZヘッド741〜745と、を較正する第3キャリブレーションシーケンス(以下、第3シーケンスと略述する)を開始する。
第3シーケンスでは、表1中の較正処理(9)〜(16)が実行される。較正処理(9)では、主制御装置20は、ウエハステージWSTを、図11に示される位置から−X方向に移動させ、Yヘッド643とともにYヘッド642をYスケール39Y2に対向させる。そして、主制御装置20は、Yヘッド643,642がYスケール39Y2に対向した状態で、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を適用し、Yヘッド642の位相オフセットφ0をリセットする。また、この時、Zヘッド743とともにZヘッド742がYスケール39Y2に対向している。そこで、主制御装置20は、座標つなぎ処理を実行して、Zヘッド742のオフセットOL’をリセットする。
較正処理(10)では、主制御装置20は、較正処理(9)の実行後の状態から、ウエハステージWSTをさらに−X方向に移動させ、Yヘッド653とともにYヘッド652をYスケール39Y1に対向させる。そして、主制御装置20は、Yヘッド653,652がYスケール39Y1に対向した状態で、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を実行して、Yヘッド652の位相オフセットφ0をリセットする。また、この時、Zヘッド763とともにZヘッド762がYスケール39Y1に対向している。そこで、主制御装置20は、座標つなぎ処理を実行して、Zヘッド762のオフセットOL’をリセットする。
同様に、較正処理(11)、(12)において、主制御装置20は、それぞれYヘッド641,651の位相オフセットφ0の位相オフセットφ0、及びZヘッド741,761のオフセットOL’をリセットする。
較正処理(13)では、主制御装置20は、較正処理(12)の実行後、ウエハステージWSTを+X方向に駆動し、Yヘッド653とともにYヘッド654をYスケール39Y1に対向させる。そして、主制御装置20は、Yヘッド653,654がYスケール39Y1に対向した状態で、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を実行して、Yヘッド654の位相オフセットφ0をリセットする。また、この時、Zヘッド763とともにZヘッド764がYスケール39Y1に対向している。そこで、主制御装置20は、座標つなぎ処理を実行して、Zヘッド764のオフセットOL’をリセットする。
較正処理(14)では、主制御装置20は、較正処理(13)の実行後の状態から、さらにウエハステージWSTを+X方向に駆動し、Yヘッド643とともにYヘッド644をYスケール39Y2に対向させる。そして、主制御装置20は、Yヘッド643,644がYスケール39Y2に対向した状態で、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を実行して、Yヘッド644の位相オフセットφ0をリセットする。また、この時、Zヘッド743とともにZヘッド744がYスケール39Y2に対向している。そこで、主制御装置20は、座標つなぎ処理を実行して、Zヘッド744のオフセットOL’をリセットする。
同様に、較正処理(15)、(16)において、主制御装置20は、それぞれYヘッド655,645の位相オフセットφ0、及びZヘッド765,745のオフセットOL’をリセットする。
なお、表1より、第3シーケンスでは、主制御装置20により、Xヘッド665又は666、Yヘッド64,65を用いてウエハステージWSTの位置計測が行われる。なお、Yヘッド64,65の代わりに、Yヘッド67,68を使用することもできる。
第3シーケンスが終了すると、主制御装置20は、ウエハステージWSTを、再び、図11に示される位置に戻して停止させる。そして、主制御装置20は、ヘッドユニット62Bを構成するXヘッド667〜669を較正する第4キャリブレーションシーケンス(以下、第4シーケンスと略述する)を開始する。
第4シーケンスでは、表1中の較正処理(17)〜(19)が実行される。較正処理(17)では、主制御装置20は、ウエハステージWSTを、図11に示される状態から、+Y方向に駆動し、Xヘッド666とともにXヘッド667をXスケール39X1に対向させる。そして、主制御装置20は、Xヘッド666,667がXスケール39X1に対向した状態で、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を実行して、Xヘッド667の位相オフセットφ0をリセットする。次に、較正処理(18)では、主制御装置20は、較正処理(17)の実行後の状態から、ウエハステージWSTを、さらに+Y方向に駆動し、図12に示されるように、Xヘッド667とともにXヘッド668をXスケール39X1に対向させる。そして、主制御装置20は、図12に示される位置に、ウエハステージWSTを位置決め後、座標つなぎ法を実行して、Xヘッド668の位相オフセットφ0をリセットする。同様に、主制御装置20は、較正処理(19)において、Xヘッド669の位相オフセットφ0をリセットする。
なお、表1より、第4シーケンスでは、主制御装置20により、Xヘッド666〜669、Yヘッド64,65を用いてウエハステージWSTの位置計測が行われる。また、較正処理(17)、(18)では、Yヘッド64,65の代わりに、Yヘッド67,68を使用することもできる。
上述したキャリブレーションシーケンスは、例えば、露光装置のアイドル中、あるいはロット先頭時等、適宜なタイミングで実行すれば良い。エンコーダヘッド及びZヘッドの設置位置の安定性が十分保証されるのであれば、実行頻度を下げてもかまわない。反対に、エンコーダヘッド及びZヘッドの設置位置の安定性が低い場合には、例えば、各ウエハの露光開始直前(又は直後)毎に実行しても良い。また、所定時間の経過の度に実行する、あるいは適宜、手動で実行することとしても良い。
本実施形態の露光装置100では、主制御装置20により、国際公開第2007/097379号パンフレットの実施形態中に開示されている手順と同様の手順に従って、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとを用いた並行処理動作が実行される。主制御装置20は、この並行処理動作中に、適宜のタイミングで、上記キャリブレーションシーケンスを実行し、エンコーダシステム150及び面位置センサシステム180の計測精度を較正する。また、主制御装置20は、較正された両システム150、180の計測結果に従って、ウエハステージWSTを駆動制御する。
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置100によると、XY平面内を移動するウエハステージWSTの位置を計測するために、ウエハステージWST上面に対向して複数のセンサヘッド、例えばウエハステージWSTのY位置を計測するYヘッド64,65、及びウエハテーブルWTB上面の面位置を計測するZヘッド74i,76j等が配置されている。そして、個々のセンサヘッドの取り付け位置を較正するために、主制御装置20により、同じ系列、例えば同じヘッドユニット(例えば62A)に属するセンサヘッド(Yヘッド65j、Zヘッド76j)に対して、ウエハステージWSTの静止状態で、前述した座標つなぎ法が実行され、各センサヘッドの計測値の原点(位置計測の基準点)がリセットされる(計測値に対するオフセットが再設定される)。主制御装置20は、この個々のセンサヘッドの取り付け位置の較正処理(キャリブレーションシーケンス)を、露光装置の起動時、ロット先頭時等に、適宜実行して、センサヘッドの計測精度を較正することにより、高いウエハステージWSTの駆動制御を保障することが可能となる。
また、本実施形態の露光装置100では、必ず隣接ヘッド間にて座標つなぎ法を実行するので、つなぎ精度が高く、高い較正精度を確保することができる。この一方、そのために、較正処理の順序が制限される。ただし、本実施形態の露光装置100では、各ヘッドユニットに属するエンコーダヘッド及びZヘッドを、おおよそ直線上に配置しているので、図9〜図12に示されるように、ウエハステージWSTを直線的に移動させて、座標つなぎ法を実行すれば良く、ウエハステージWSTを曲線移動させて、座標つなぎ法を実行する必要はない。
また、本実施形態の露光装置100によると、露光の際などには、主制御装置20により、ヘッドの計測値の原点が精度良く較正されたエンコーダシステム150及び面位置計測システム180を用いてウエハステージWSTの位置を計測しながら、ウエハステージWSTが駆動される。従って、ウエハステージWSTを高精度に駆動することが可能になり、ひいては露光により、ウエハ上に精度良くレチクルパターンを転写することが可能になる。
なお、上記実施形態では、キャリブレーションシーケンスの実行に際し、十分なつなぎ精度を確保するため、必ずウエハステージWSTを停止させてから座標つなぎ法(ヘッドの計測値の原点の再設定を含む)を実行することとしたが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、十分なつなぎ精度を確保できる速度範囲で、ウエハステージWSTを等速移動させながら座標つなぎ法を実行することとしても良い。このようにすると、キャリブレーションシーケンスの実行に費やす時間を短縮して、スループットの向上を図ることができる。ただし、ウエハステージWSTの加速移動中は、スケールの変形による計測誤差が発生するため、必ず等速移動中に座標つなぎ法を実行することとする。
また、上記実施形態では、キャリブレーションシーケンスとして、第1ないし第4シーケンスの4つを続けて実行する場合を説明したが、これに限らず、必要に応じて、各シーケンスを単独で、あるいは適宜組み合わせて実行しても良い。特に、高いスループットを維持する観点より、露光に先立つ前処理計測、例えばアライメント計測、フォーカスマッピングなど、と同時に実行すると良い。例えば、第1シーケンスはアライメント計測を実行する前に、第2シーケンスはアライメント計測中に、第3シーケンスはXスケール39X1,39X2の較正計測と同時に、第4シーケンスはフォーカスマッピング中に、実行すると良い。
なお、上記実施形態では、本発明が、投影光学系とウエハとの間に照明光の光路を含む液浸空間を形成し、投影光学系及び液浸空間の液体を介して照明光でウエハを露光する露光装置に適用された場合について説明したが、非液浸タイプの露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に本発明を適用しても良い。ステッパなどであっても、露光対象の物体が搭載されたステージの位置を上記実施形態と同様に、エンコーダを用いて計測することができるので、同様の効果を得ることができる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、又はミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明は適用することができる。また、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも本発明を適用できる。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。また、前述の照明領域及び露光領域はその形状が矩形であるものとしたが、これに限らず、例えば円弧、台形、あるいは平行四辺形などでも良い。
なお、上記実施形態の露光装置の光源は、ArFエキシマレーザに限らず、KrFエキシマレーザ(出力波長248nm)、F2レーザ(出力波長157nm)、Ar2レーザ(出力波長126nm)、Kr2レーザ(出力波長146nm)などのパルスレーザ光源、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどを用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を露光光とし、オール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置にも本発明を好適に適用することができる。この他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、本発明は適用できる。
また、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。
また、例えば干渉縞をウエハ上に形成することによって、ウエハ上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。
また、物体上にパターンを形成する装置は、前述の露光装置(リソグラフィシステム)に限られず、例えばインクジェット方式にて物体上にパターンを形成する装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものではなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。