JP2009252991A - 露光方法及びデバイス製造方法、並びに露光装置 - Google Patents

露光方法及びデバイス製造方法、並びに露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】面位置計測システムによる面位置計測の結果を用いて、安定且つ高精度な面位置計測を可能にする。
【解決手段】Zヘッド72aからステージWSTの上面の一部に設けられた計測面(スケール)39Y2に計測ビームLBを投射し、その計測面からの反射ビームを受光して、計測ビームLBの投射点における計測面のZ軸方向に関する面位置情報を計測する。それと同時に、反射ビームの強度I、あるいはビーム断面内の強度分布を計測する。強度I又は強度分布の計測結果を用いて、面位置情報の計測結果を検証し、さらに計測誤差を補正する。
【選択図】図8

Description

本発明は、露光方法及びデバイス製造方法、並びに露光装置に係り、さらに詳しくは、物体上にパターンを形成する露光方法及び該露光方法を利用するデバイス製造方法、並びに物体上にパターンを形成する露光装置に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが、主として用いられている。
この種の露光装置では、集積回路の微細化に伴い使用される露光光の波長は年々短波長化し、また、投影光学系の開口数も次第に増大(高NA化)しており、これによって解像力の向上が図られている。この一方、露光光の短波長化及び投影光学系の高NA化によって、焦点深度が非常に狭くなってきたため、露光動作時のフォーカスマージンが不足するおそれが生じていた。そこで、実質的に露光波長を短くして、かつ空気中に比べて焦点深度を実質的に大きく(広く)する方法として、液浸法を利用した露光装置が、最近注目されるようになってきた(特許文献1参照)。
しかしながら、この液浸法を利用した露光装置のように、投影光学系の下端面とウエハとの間の距離(ワーキングディスタンス)が狭い露光装置では、多点焦点位置検出系(以下、「多点AF系」とも呼ぶ)などのフォーカスセンサを投影光学系の近傍に配置することは困難である。この一方、多点AF系などの検出結果に基づいて、露光領域内でウエハ表面が常時投影光学系の像面に合致する(像面の焦点深度の範囲内となる)ように、ウエハを保持するテーブル又はステージの光軸方向の位置及び傾きを制御する、いわゆるフォーカス・レベリング制御、すなわち高精度なウエハの面位置制御を実現することは、高精度な露光を実現するためには重要である。
そこで、ウエハを保持するステージの上面(計測面)上の複数点に計測ビームを投射し、反射光を受光して、各計測ビームの投射点における計測面の光軸方向の位置を検出することによって、ステージの光軸方向の位置及び傾きを計測する面位置計測システムを多点AF系と共に備えた液浸露光装置に係る発明が、先に提案されている(例えば特許文献2参照)。この液浸露光装置では、面位置計測システムと多点AF系とを用いた計測面及びウエハ面の、面位置情報の同時計測を事前に行い、露光の際は、面位置計測システムのみを用いてフォーカス・レベリング制御を行う。
しかしながら、特許文献2に開示される露光装置の場合、計測面に異物が付着し、その異物によって計測ビームが遮られることによって、面位置計測システムに、今後の露光装置に要求されるウエハの面位置制御のレベルから考えると、無視できない計測誤差が発生する蓋然性が高いことが、その後判明した。
国際公開第2004/053955号パンフレット 国際公開第2007/097379号パンフレット
本発明は、上述の事情の下でなされたものであり、第1の観点からすると、所定平面に沿って少なくとも一軸方向に移動する移動体に保持された物体にエネルギビームを照射して前記物体上にパターンを形成する露光方法であって、前記移動体の前記所定平面に平行な一面に設けられた計測面に計測光を投射し、前記計測面からの反射光を受光して、前記計測光の投射点における前記計測面の前記所定平面に垂直な方向に関する面位置情報と、前記反射光の強度と、を計測し、計測された前記面位置情報と前記反射光の強度とに基づいて、前記移動体を駆動する露光方法である。
計測された反射光の強度は、同一の反射光の受光結果から得られる面位置情報の信頼度の高低を判定する指標となる。従って、計測された面位置情報と反射光の強度とに基づいて、移動体を駆動する場合には、反射光の強度を考慮しない場合と異なり、信頼度の高い面位置情報に基づいて、安定且つ高精度に移動体を駆動することが可能となり、ひいては物体上に精度良くパターンを形成することが可能になる。
本発明は、第2の観点からすると、本発明の露光方法を用いて、物体上にパターンを形成する工程と;前記パターンが形成された前記物体に処理を施す工程と;を含むデバイス製造方法である。
本発明は、第3の観点からすると、エネルギビームにより物体を露光して前記物体上にパターンを形成する露光装置であって、前記物体を保持して所定平面に沿って少なくとも一軸方向に移動するとともに、前記所定平面に平行な一面に計測面が設けられた移動体と;前記計測面に計測光を投射し、前記計測面からの反射光を受光して、前記計測光の投射点における前記計測面の前記所定平面に垂直な方向に関する面位置情報と、前記反射光の強度と、を計測するヘッドを、少なくとも1つ有する計測系と;前記計測系で計測された前記面位置情報と前記強度とに基づいて、前記移動体を駆動する処理装置と;を備える露光装置である。
計測された反射光の強度は、同一の反射光の受光結果から得られる面位置情報の信頼度の高低を判定する指標となる。従って、処理装置により、計測系で計測された面位置情報と反射光の強度とに基づいて、移動体が駆動される場合には、反射光の強度を考慮しない場合と異なり、信頼度の高い面位置情報に基づいて、安定且つ高精度に移動体を駆動することが可能となる。従って、移動体に保持された物体上に精度良くパターンを形成することが可能になる。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を、図1〜図14(C)に基づいて、説明する。図1には、第1の実施形態の露光装置100の構成が概略的に示されている。
露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では投影光学系PLとプライマリアライメント系AL1(図4、図5等参照)が設けられている。以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内で光軸AXとプライマリアライメント系AL1の検出中心を結ぶ直線と平行な方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、図1に示されるように、照明系10、レチクルステージRST、投影ユニットPU、局所液浸装置8、ウエハステージWST及び計測ステージMSTを有するステージ装置50、並びにこれらの制御系等を備えている。図1において、ウエハステージWST上には、ウエハWが載置されている。
照明系10は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド等(いずれも不図示)を有する照明光学系と、を含む。照明系10は、レチクルブラインド(マスキングシステム)で規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとして、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。
レチクルステージRST上には、そのパターン面(図1における下面)に回路パターンなどが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図7参照)によって、XY平面内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面内左右方向であるY軸方向)に所定の走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)116によって、移動鏡15(実際には、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡(あるいは、レトロリフレクタ)とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計116の計測値は、主制御装置20(図1では不図示、図7参照)に送られる。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に保持された投影光学系PLと、を含む。投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向と平行な光軸AXに沿って配列される複数の光学素子(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられる。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。このため、照明系10によってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、その第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では照明系10、レチクルR及び投影光学系PLによってウエハW上にパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
本実施形態の露光装置100には、液浸方式の露光を行うために、前述の如く、局所液浸装置8が設けられている。局所液浸装置8は、液体供給装置5、液体回収装置6(いずれも図1では不図示、図7参照)、液体供給管31A、液体回収管31B、及びノズルユニット32等を含む。ノズルユニット32は、図1に示されるように、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子、ここではレンズ(以下、「先端レンズ」ともいう)191を保持する鏡筒40の下端部周囲を取り囲むように、投影ユニットPUを保持する不図示のメインフレームに吊り下げ支持されている。本実施形態では、ノズルユニット32は、図1に示されるように、その下端面が先端レンズ191の下端面とほぼ同一面に設定されている。また、ノズルユニット32は、液体Lqの供給口及び回収口と、ウエハWが対向して配置され、かつ回収口が設けられる下面と、液体供給管31A及び液体回収管31Bとそれぞれ接続される供給流路及び回収流路とを備えている。液体供給管31Aと液体回収管31Bとは、図4に示されるように、平面視(上方から見て)でX軸方向及びY軸方向に対してほぼ45°傾斜し、投影光学系PLの光軸AXとプライマリアライメント系AL1の検出中心とを結ぶY軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LVに関して対称な配置となっている。図4において、符号UPはウエハステージWST上のウエハのアンロード時にウエハステージWSTの中心が位置するアンローディングポジションを示し、符号LPはウエハステージWST上へのウエハのロード時にウエハステージWSTの中心が位置するローディングポジションを示す。
液体供給管31Aは液体供給装置5(図1では不図示、図7参照)に、液体回収管31Bは液体回収装置6(図1では不図示、図7参照)に接続されている。ここで、液体供給装置5には、液体を貯蔵するタンク、加圧ポンプ、温度制御装置、液体の流量を制御するためのバルブ等が備えられている。液体回収装置6には、回収した液体を貯蔵するタンク、吸引ポンプ、液体の流量を制御するためのバルブ等が備えられている。
主制御装置20は、液体供給装置5(図7参照)を制御して、液体供給管31Aを介して先端レンズ191とウエハWとの間に液体を供給するとともに、液体回収装置6(図7参照)を制御して、液体回収管31Bを介して先端レンズ191とウエハWとの間から液体を回収する。このとき、主制御装置20は、供給される液体の量と回収される液体の量とが常に等しくなるように、液体供給装置5と液体回収装置6を制御する。従って、先端レンズ191とウエハWとの間には、一定量の液体Lq(図1参照)が常に入れ替わって保持され、これにより液浸領域14(図4参照)が形成される。なお、投影ユニットPUの下方に後述する計測ステージMSTが位置する場合にも、同様に先端レンズ191と計測テーブルとの間に液浸領域14を形成することができる。
本実施形態では、上記の液体として、ArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する純水(以下、特に必要な場合を除いて、単に「水」と記述する)を用いるものとする。なお、ArFエキシマレーザ光に対する水の屈折率nは、ほぼ1.44であり、水の中では、照明光ILの波長は、193nm×1/n=約134nmに短波長化される。
ステージ装置50は、図1に示されるように、ベース盤12の上方に配置されたウエハステージWST及び計測ステージMST、両ステージWST,MSTの位置情報を計測する計測システム200(図7参照)、及び両ステージWST,MSTを駆動するステージ駆動系124(図7参照)等を備えている。計測システム200は、図7に示されるように、干渉計システム118、エンコーダシステム150、及び面位置計測システム180などを含む。
ウエハステージWST及び計測ステージMSTは、不図示の非接触軸受、例えばエアベアリングなどにより、数μm程度のクリアランスを介して、ベース盤12の上方に支持されている。また、両ステージWST,MSTは、リニアモータ等を含むステージ駆動系124(図7参照)によって、独立して駆動可能である。
ウエハステージWSTは、図1に示されるように、ステージ本体91と、該ステージ本体91上に搭載されたウエハテーブルWTBとを含む。ウエハテーブルWTB及びステージ本体91は、リニアモータ及びZ・レベリング機構(ボイスコイルモータなどを含む)を含む駆動系によって、ベース盤12に対し、6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)に駆動可能に構成されている。
ウエハテーブルWTBの上面の中央には、ウエハWを真空吸着等によって保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。ウエハホルダ(ウエハの載置領域)の外側には、図2(A)に示されるように、ウエハW(ウエハホルダ)よりも一回り大きな円形の開口が中央に形成され、かつ矩形状の外形(輪郭)を有するプレート(撥液板)28が設けられている。プレート28の表面は、液体Lqに対して撥液化処理されている(撥液面が形成されている)。なお、プレート28は、その表面の全部(あるいは一部)がウエハWの表面と同一面となるようにウエハテーブルWTB上面に固定されている。
プレート28は、中央に上述の円形の開口が形成された矩形の外形(輪郭)を有する第1撥液領域(第1撥液板)28aと、その周囲に配置された矩形枠状(環状)の第2撥液領域(第2撥液板)28bと、を有する。
第1撥液板28aの+Y側の端部には、長方形の切り欠きが形成され、該切り欠きの内部にその表面がプレート28とほぼ同一面となる状態で計測プレート30が設けられている。この計測プレート30には、中央に基準マークFMが設けられ、基準マークFMのX軸方向の両側に一対の空間像計測スリットパターン(スリット状の計測用パターン)SLが、設けられている。そして、各空間像計測スリットパターンSLに対応して、それらを透過する照明光ILを、ウエハステージWST外部(後述する計測ステージMSTに設けられる受光系)に導く送光系(不図示)が設けられている。
第2撥液板28bには、後述するエンコーダシステムで用いられるスケールが形成されている。詳述すると、第2撥液板28bのX軸方向(図2(A)における紙面内左右方向)の一側と他側の領域には、それぞれYスケール39Y1,39Y2が形成されている。Yスケール39Y1,39Y2は、例えば、X軸方向を長手方向とする格子線38が所定ピッチでY軸方向に配列された、Y軸方向を周期方向とする反射型の格子(例えば回折格子)RG(図8参照)によって構成されている。
同様に、第2撥液板28bのY軸方向(図2(A)における紙面内上下方向)の一側と他側の領域には、Yスケール39Y1及び39Y2に挟まれた状態で、Xスケール39X1,39X2がそれぞれ形成されている。Xスケール39X1,39X2は、例えば、Y軸方向を長手方向とする格子線37が所定ピッチでX軸方向に配列された、X軸方向を周期方向とする反射型の格子(例えば回折格子)によって構成されている。
なお、格子線37,38のピッチは、例えば1μmと設定される。図2(A)及びその他の図において、図示の便宜のため、格子のピッチは実際のピッチよりも大きく図示されている。
また、回折格子RGは、撥液性をそなえた低熱膨張率のガラス板CG(図8参照)でカバーされ、保護されている。ここで、ガラス板(カバーガラスとも呼ばれる)CGとしては、厚さがウエハと同程度、例えば厚さ1mmのものを用いることができ、そのカバーガラスCGの表面がウエハ面と同じ高さ(同一面)になるよう、ウエハテーブルWST上面に設置されている。
また、ウエハテーブルWTBの−Y端面,−X端面には、図2(A)に示されるように、後述する干渉計システムで用いられる反射面17a,反射面17bが形成されている。
計測ステージMSTは、図1に示されるように、不図示のリニアモータ等によってXY平面内で駆動されるステージ本体92と、ステージ本体92上に搭載された計測テーブルMTBとを含んでいる。計測ステージMSTも、不図示の駆動系によりベース盤12に対し、少なくとも3自由度方向(X,Y,θz)に駆動可能に構成されている。
なお、図7では、ウエハステージWSTの駆動系と計測ステージMSTの駆動系とを含んで、ステージ駆動系124として示されている。
計測テーブルMTB(及びステージ本体92)には、各種計測用部材が設けられている。この計測用部材としては、例えば、図2(B)に示されるように、照度むらセンサ94、空間像計測器96、波面収差計測器98、照度モニタ(不図示)などが設けられている。また、ステージ本体92には、前述の一対の送光系(不図示)に対向する配置で、一対の受光系(不図示)が設けられている。本実施形態では、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとがY軸方向に関して所定距離以内に近接した状態(接触状態を含む)において、ウエハステージWST上の計測プレート30の各空間像計測スリットパターンSLを透過した照明光ILを各送光系(不図示)で案内し、計測ステージMST内の各受光系(不図示)の受光素子で受光する、空間像計測装置45(図7参照)が構成される。
また、計測テーブルMTBの+Y端面、−X端面には、干渉計用の反射面19a,19bが形成されている。
計測テーブルMTBの−Y側の面には、図2(B)に示されるように、X軸方向に延びるフィデューシャルバー(以下、「FDバー」と略述する)46が取り付けられている。FDバー46の長手方向の一側と他側の端部近傍には、センターラインCLに関して対称な配置で、Y軸方向を周期方向とする基準格子(例えば回折格子)52がそれぞれ形成されている。また、FDバー46の上面には、複数の基準マークMが形成されている。各基準マークMとしては、後述するアライメント系によって検出可能な寸法の2次元マークが用いられている。なお、FDバー46の表面及び計測テーブルMTBの表面も撥液膜で覆われている。
本実施形態の露光装置100では、図4及び図5に示されるように、前述の基準軸LV上で、投影光学系PLの光軸AXから−Y側に所定距離隔てた位置に検出中心を有するプライマリアライメント系AL1が設けられている。プライマリアライメント系AL1は、不図示のメインフレームの下面に固定されている。図5に示されるように、プライマリアライメント系AL1を挟んで、X軸方向の一側と他側には、基準軸LVに関してほぼ対称に検出中心が配置されるセカンダリアライメント系AL21,AL22と、AL23,AL24とがそれぞれ設けられている。セカンダリアライメント系AL21〜AL24は、可動式の支持部材を介してメインフレーム(不図示)の下面に固定されており、駆動機構601〜604(図7参照)を用いて、X軸方向に関してそれらの検出領域の相対位置が調整可能となっている。
本実施形態では、アライメント系AL1,AL21〜AL24のそれぞれとして、例えば画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。アライメント系AL1,AL21〜AL24のそれぞれからの撮像信号は、不図示の信号処理系を介して主制御装置20に供給される。
干渉計システム118は、図3に示されるように、反射面17a又は17bにそれぞれ干渉計ビーム(測長ビーム)を投射し、その反射光を受光して、ウエハステージWSTの位置を計測するY干渉計16、及び3つのX干渉計126〜128、並びに計測ステージMSTの位置を計測するY干渉計18、及びX干渉計130等を備えている。詳述すると、Y干渉計16は、基準軸LVに関して対称な一対の測長ビームB41,B42を含む少なくとも3つのY軸に平行な測長ビームを反射面17a、及び後述する移動鏡41に投射する。また、X干渉計126は、図3に示されるように、光軸AXと基準軸LVとに直交するX軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LH(図4参照)に関して対称な一対の測長ビームB51,B52を含む少なくとも3つのX軸に平行な測長ビームを反射面17bに投射する。また、X干渉計127は、アライメント系AL1の検出中心にて基準軸LVと直交するX軸に平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LA(図4参照)を測長軸とする測長ビームB6を含む少なくとも2つのY軸に平行な測長ビームを反射面17bに投射する。また、X干渉計128は、Y軸に平行な測長ビームB7を反射面17bに投射する。
干渉計システム118の上記各干渉計からの位置情報は、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、Y干渉計16及びX干渉計126又は127の計測結果に基づいて、ウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)のX,Y位置に加え、θx方向の回転情報(すなわちピッチング情報)、θy方向の回転情報(すなわちローリング情報)、及びθz方向の回転情報(すなわちヨーイング情報)も求めることができる。
また、図1に示されるように、ステージ本体91の−Y側の側面に、凹形状の反射面を有する移動鏡41が取り付けられている。移動鏡41は、図2(A)からわかるように、X軸方向の長さがウエハテーブルWTBの反射面17aよりも、長く設計されている。
移動鏡41に対向して、干渉計システム118(図7参照)の一部を構成する一対のZ干渉計43A,43Bが配置されている(図1及び図3参照)。Z干渉計43A,43Bは、移動鏡41を介して、例えば投影ユニットPUを支持するフレーム(不図示)に固定された固定鏡47A,47Bにそれぞれ2つの測長ビームB1,B2を投射する。そして、Z干渉計43A,43Bは、それぞれの反射光を受光して、測長ビームB1,B2の光路長を計測する。その結果より、主制御装置20は、ウエハステージWSTの4自由度(Y,Z,θy,θz)方向の位置を算出する。
本実施形態では、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、主として、後述するエンコーダシステム150を用いて計測される。干渉計システム118は、ウエハステージWSTがエンコーダシステム150の計測領域外(例えば、アンローディングポジション又はローディングポジション付近)に位置する際に、使用される。また、干渉計システム118はエンコーダシステム150の計測結果の長期的変動(例えばスケールの経時的な変形などによる)を補正(較正)する場合などに補助的に使用される。勿論、干渉計システム118とエンコーダシステム150とを併用して、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)の全位置情報を計測することとしても良い。
干渉計システム118のY干渉計18、X干渉計130は、図3に示されるように、反射面19a,19bに、干渉計ビーム(測長ビーム)を投射して、それぞれの反射光を受光することにより、計測ステージMSTの位置情報(例えば、少なくともX軸及びY軸方向の位置情報とθz方向の回転情報とを含む)を計測し、その計測結果を、主制御装置20に供給する。
本実施形態の露光装置100には、干渉計システム118とは独立に、ウエハステージWSTのXY平面内での位置(X,Y,θz)を計測するためのエンコーダシステム150を構成する複数のヘッドユニットが設けられている。
図4に示されるように、ノズルユニット32の+X側、+Y側、−X側、及びプライマリアライメント系AL1の−Y側に、4つのヘッドユニット62A、62B、62C、及び62Dが、それぞれ配置されている。また、図5に示されるように、アライメント系AL1、AL21〜AL24のX軸方向の両外側にヘッドユニット62E、62Fが、それぞれ配置されている。これらのヘッドユニット62A〜62Fは、支持部材を介して、投影ユニットPUを保持するメインフレーム(不図示)に吊り下げ状態で固定されている。
ヘッドユニット62A及び62Cは、図5に示されるように、それぞれ複数(ここでは5個)のYヘッド651〜655及びYヘッド641〜645を備えている。ここで、Yヘッド652〜655及びYヘッド641〜644は、基準軸LH上に間隔WDで配置されている。Yヘッド651及びYヘッド645は、基準軸LHから−Y方向に所定距離離れたノズルユニット32の−Y側の位置に配置されている。Yヘッド651,652間、及びYヘッド644,645間のX軸方向の間隔もWDに設定されている。なお、Yヘッド651〜655とYヘッド645〜641は、基準軸LVに関して対称に配置されている。以下では、必要に応じて、Yヘッド651〜655及びYヘッド641〜645を、それぞれ、Yヘッド65及びYヘッド64とも記述する。
ヘッドユニット62Aは、Yスケール39Y1を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のY軸方向の位置(Y位置)を計測する多眼(ここでは5眼)のYリニアエンコーダ70A(図7参照)を構成する。同様に、ヘッドユニット62Cは、Yスケール39Y2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のY位置を計測する多眼(ここでは5眼)のYリニアエンコーダ70C(図7参照)を構成する。なお、以下では、Yリニアエンコーダを、適宜、「Yエンコーダ」又は「エンコーダ」と略述する。
ここで、ヘッドユニット62A,62Cがそれぞれ備える5個のYヘッド65,64(より正確には、Yヘッド65,64が発する計測ビームのスケール上の投射点)のX軸方向の間隔WDは、Yスケール39Y1,39Y2のX軸方向の幅(より正確には、格子線38の長さ)より僅かに狭く設定されている。従って、例えば、露光の際などにはそれぞれ5個のYヘッド65,64のうち、少なくとも各1つのYヘッドが、常に、対応するYスケール39Y1,39Y2に対向する(計測ビームを投射する)。
ヘッドユニット62Bは、図5に示されるように、基準軸LV上に間隔WDで配置された複数(ここでは4個)のXヘッド665〜668を備えている。また、ヘッドユニット62Dは、基準軸LV上に間隔WDで配置された複数(ここでは4個)のXヘッド661〜664を備えている。以下では、必要に応じて、Xヘッド665〜668及びXヘッド661〜664をXヘッド66とも記述する。
ヘッドユニット62Bは、Xスケール39X1を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のX軸方向の位置(X位置)を計測する、多眼(ここでは4眼)のXリニアエンコーダ70B(図7参照)を構成する。また、ヘッドユニット62Dは、Xスケール39X2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のX位置を計測する多眼(ここでは4眼)のXリニアエンコーダ70D(図7参照)を構成する。なお、以下では、Xリニアエンコーダを、適宜、「エンコーダ」と略述する。
ここで、ヘッドユニット62B,62Dがそれぞれ備える隣接するXヘッド66(より正確には、Xヘッド66が発する計測ビームのスケール上の投射点)のY軸方向の間隔WDは、Xスケール39X1,39X2のY軸方向の幅(より正確には、格子線37の長さ)よりも狭く設定されている。また、ヘッドユニット62Bの最も−Y側のXヘッド665とヘッドユニット62Dの最も+Y側のXヘッド664との間隔は、ウエハステージWSTのY軸方向の移動により、その2つのXヘッド間で切り換え(つなぎ)が可能となるように、ウエハテーブルWTBのY軸方向の幅よりも狭く設定されている。従って、例えば、露光の際などには、ヘッドユニット62B,62Dが備えるXヘッド66のうち少なくとも1つが、常に、対応するXスケール(39X1又は39X2)に対向する(計測ビームを投射する)。
ヘッドユニット62Eは、図5に示されるように、複数(ここでは4個)のYヘッド671〜674を備えている。ここで、3個のYヘッド671〜673は、セカンダリアライメント系AL21の−X側に、基準軸LA上に間隔WDとほぼ同一間隔で配置されている。Yヘッド674は、基準軸LAから+Y方向に所定距離離れたセカンダリアライメント系AL21の+Y側に配置されている。なお、Yヘッド673,674間のX軸方向の間隔もWDと設定されている。
ヘッドユニット62Fは、複数(ここでは4個)のYヘッド681〜684を備えている。これらのYヘッド681〜684は、基準軸LVに関して、Yヘッド674〜671と対称な位置に配置されている。以下では、必要に応じて、Yヘッド671〜674及びYヘッド681〜684を、それぞれYヘッド67及びYヘッド68とも記述する。
アライメント計測の際には、少なくとも各1つのYヘッド67,68が、それぞれYスケール39Y2,39Y1に対向する。このYヘッド67,68(すなわち、これらYヘッド67,68によって構成されるYエンコーダ70E,70F(図7参照))によってウエハステージWSTのY位置(及びθz回転)が計測される。
また、本実施形態では、セカンダリアライメント系のベースライン計測時などに、セカンダリアライメント系AL21,AL24にX軸方向で隣接するYヘッド673,682が、FDバー46の一対の基準格子52とそれぞれ対向し、その一対の基準格子52と対向するYヘッド673,682によって、FDバー46のY位置が、それぞれの基準格子52の位置で計測される。以下では、一対の基準格子52にそれぞれ対向するYヘッド673,682によって構成されるエンコーダをYリニアエンコーダ(適宜、「Yエンコーダ」又は「エンコーダ」とも略述する)70E2,70F2と呼ぶ。また、識別のため、Yスケール39Y2,39Y1に対向するYヘッド67,68によって構成されるYエンコーダを、Yエンコーダ70E1、70F1と呼ぶ。
上述したリニアエンコーダ70A〜70Fの計測値は、主制御装置20に供給され、主制御装置20は、リニアエンコーダ70A〜70Dのうちの3つ、又はリニアエンコーダ70E1,70F1,70B及び70Dのうちの3つの計測値に基づいて、ウエハテーブルWTBのXY平面内の位置を制御するとともに、リニアエンコーダ70E2,70F2の計測値に基づいて、FDバー46(計測ステージMST)のθz方向の回転を制御する。
本実施形態の露光装置100には、図4及び図6に示されるように、ウエハステージWSTに載置されるウエハWの全面の面位置を計測するための、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示されるものと同様の構成の斜入射方式の多点焦点位置検出系(90a,90b)が設けられている。
多点AF系(90a,90b)の複数の検出点は、被検面上でX軸方向に沿って所定間隔で配置される。図4及び図6では、それぞれ検出ビームが照射される複数の検出点が、個別に図示されず、照射系90a及び受光系90bの間でX軸方向に延びる細長い検出領域(ビーム領域)AFとして示されている。
図6に示されるように、多点AF系(90a,90b)の検出領域AFの両端部近傍に、基準軸LVに関して対称な配置で、各一対のZ位置計測用の面位置センサのヘッド(以下、「Zヘッド」と略述する)72a,72b、及び72c,72dが設けられている。これらのZヘッド72a〜72dは、不図示のメインフレームの下面に固定されている。
さらに、前述のヘッドユニット62A,62Cは、図6に示されるように、それぞれが備える5つのYヘッド65j,64i(i,j=1〜5)と同じX位置に、ただしY位置をずらして、それぞれ5つのZヘッド76j,74i(i,j=1〜5)を備えている。ここで、ヘッドユニット62A,62Cのそれぞれに属する外側の3つのZヘッド763〜765,741〜743は、基準軸LHから+Y方向に所定距離隔てて、基準軸LHと平行に配置されている。また、ヘッドユニット62Aと62Cのそれぞれに属する最も内側のZヘッド761と745は投影ユニットPUの+Y側に、残りのZヘッド762と744はそれぞれYヘッド652と644の−Y側に、配置されている。そして、ヘッドユニット62A,62Cのそれぞれに属する5つのZヘッド76j,74iは、互いに基準軸LVに関して対称に配置されている。
ヘッドユニット62A,62Cがそれぞれ備える5つのZヘッド76j,74i(より正確には、Zヘッドが発する計測ビームのスケール上の投射点)のX軸方向の間隔は、Yヘッドの65,64のX軸方向の間隔WDと等しく設定されている。従って、Yヘッド65,64と同様に、例えば露光時などには、それぞれ5個のZヘッド76j,74iのうち、少なくとも1つのヘッドが、常に、対応するYスケール39Y1,39Y2に対向する(計測ビームを投射する)。
Zヘッド72a〜72d、76j,74iとしては、例えば、CDドライブ装置などで用いられる光ピックアップと同様の光学式変位センサのヘッドが用いられる。Zヘッド72a〜72d、76j,74iは、ウエハテーブルWTBに対し上方から計測ビームを投射し、その反射光を受光して、投射点におけるウエハテーブルWTBの面位置を計測する。なお、本実施形態では、Zヘッドの計測ビームは、前述のYスケール39Y1,39Y2(反射型回折格子)によって反射される構成を採用している。なお、計測原理の詳細は、後述する。
上述したZヘッド72a〜72d,741〜745,761〜765は、図7に示されるように、信号処理・選択装置170を介して主制御装置20に接続されている。主制御装置20は、信号処理・選択装置170を介してZヘッド72a〜72d,741〜745,761〜765の中から任意のZヘッドを選択して作動状態とし、その作動状態としたZヘッドで検出した面位置情報を信号処理・選択装置170を介して受け取る。本実施形態では、Zヘッド72a〜72d,741〜745,761〜765と、信号処理・選択装置170とを含んでウエハステージWSTのZ軸方向及びXY平面に対する傾斜方向の位置情報を計測する面位置計測システム180が構成されている。
図7には、露光装置100の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御するマイクロコンピュータ(又はワークステーション)から成る主制御装置20を中心として構成されている。なお、図7においては、前述した照度むらセンサ94、空間像計測器96、及び波面収差計測器98など、計測ステージMSTに設けられた各種センサが、纏めてセンサ群99として示されている。
露光装置100では、主制御装置20は、面位置計測システム180(図7参照)を用いて、ウエハステージWSTの有効ストローク領域、すなわちアライメント計測及び露光動作のためにウエハステージWSTが移動する領域において、少なくともその2自由度方向(Z,θy)の位置座標を計測する。
より具体的には、主制御装置20は、露光時には面位置計測システム180(図7参照)を構成する各1つのZヘッド74i,76j(i,jは1〜5のいずれか)を用いて、ウエハステージWSTの高さZと傾斜(ローリング)θyを計測する。また、主制御装置20は、フォーカスキャリブレーションとフォーカスマッピング時には4つのZヘッド72a〜72dを用いて、ウエハステージWSTの高さZと傾斜(ローリング)θyを計測する。
次に、Zヘッド72a〜72d,741〜745,761〜765の構成等について、図8に示されるZヘッド72aを代表的に採り上げて、さらに詳述する。図8では、Zヘッド72aからYスケール39Y2に検出光(計測ビーム)LBが照射されている。図8において、符号CGは、カバーガラスを示す。
Zヘッド72aは、図8に示されるように、フォーカスセンサFS、フォーカスセンサFSを収納したセンサ本体ZH、及びセンサ本体ZHをZ軸方向に駆動する駆動部DP(図8では不図示、図10参照)、並びにセンサ本体ZHのZ軸方向の変位を計測する計測部ZE等を備えている。
フォーカスセンサFSとして、計測ビームLBを計測面(Yスケール39Y)に投射し、その反射光を受光することにより、計測面の変位を光学的に読み取るピックアップ方式のフォーカスセンサ(この構成等については後述する)が用いられている。フォーカスセンサFSの出力は、後述する第1演算回路CC1(図8では不図示、図10参照)に送られ、該第1演算回路CC1で算出されるフォーカスエラーI(出力信号)が駆動部DP(図8では不図示、図10参照)に送られる。
駆動部DPは、アクチュエータ、例えばボイスコイルモータを含み、ボイスコイルモータの可動子及び固定子の一方は、センサ本体ZHに、他方はセンサ本体ZH及び計測部ZE等を収容する不図示の筐体の一部に、それぞれ固定されている。駆動部DPは、第1演算回路CC1からの出力信号に従って、センサ本体ZHと計測面との距離を一定に保つように(より正確には、計測面をフォーカスセンサFSの受光光学系のベストフォーカス位置に保つように)、センサ本体ZHをZ軸方向に駆動する。これにより、センサ本体ZHは計測面のZ軸方向の変位に追従し、フォーカスロック状態が保たれる。
計測部ZEとしては、一例として、エンコーダ70A〜70Fと同様の回折干渉方式のエンコーダが用いられている。計測部ZEは、センサ本体ZHの上面に固定されたZ軸方向に延びる支持部材SMの側面に設けられたZ軸方向を周期方向とする反射型の回折格子EGと、回折格子EGに対向して不図示の筐体に取付けられたエンコーダヘッドEHとを含む。エンコーダヘッドEHは、計測ビームELを回折格子EGに投射し、回折格子EGからの反射・回折光を受光素子で受光して計測ビームELの投射点の変位を読み取ることで、センサ本体ZHのZ軸方向の変位、すなわち計測面のZ軸方向の変位を計測する。このエンコーダヘッドEHの計測値が、Zヘッド72aの計測値Zaとして前述の信号処理・選択装置170を介して主制御装置20に供給される。
ここで、フォーカスセンサFSの構成及び機能を詳述する。フォーカスセンサFSは、一例として、図9(A)に示されるように、照射系FS1、光学系FS2、受光系FS3の3部分を含む。
照射系FS1は、例えばレーザダイオードから成る光源LDと、該光源LDから射出されるレーザ光の光路上に配置された回折格子板(回折光学素子)ZGとを含む。
光学系FS2は、一例として回折格子板ZGにて発生するレーザ光の回折光、すなわち計測ビームLB1の光路上に順次配置された偏光ビームスプリッタPBS、コリメータレンズCL、四分の一波長板(λ/4板)WP、及び対物レンズOL等を含む。
受光系FS3は、一例として、計測ビームLB1の計測面Sでの反射ビームLB2の戻り光路上に順次配置された円筒レンズCYL及び分割受光素子ZDを含む。
フォーカスセンサFSにおいて、照射系FS1の光源LDで発生した直線偏光のレーザ光が回折格子板ZGに投射され、該回折格子板ZGで回折光(計測ビームLB1)が発生する。この計測ビームLB1の中心軸(主光線)は、Z軸と平行で、且つ計測面Sに直交する。
計測ビームLB1は、光学系FS2内の偏光ビームスプリッタPBSに入射する。これに
より、計測ビームLB1の2つの偏光成分のうち、偏光ビームスプリッタPBSの分離面に対してP偏光となる成分が偏光ビームスプリッタPBSを透過する。そして、この偏光ビームスプリッタPBSを透過した計測ビームLB1は、コリメータレンズCLを透過して平行ビームに変換され、λ/4板WPを透過して円偏光に変換され、対物レンズOLを透過して集光され、そして計測面Sに投射される。これにより、計測面Sにて計測ビームLB1とは逆向きの円偏光である反射ビームLB2が発生する。反射ビームLB2は、計測ビームLB1の光路を逆に辿って、対物レンズOL、λ/4板WP、コリメータレンズCLを透過し、偏光ビームスプリッタPBSに向かう。ここで、再度λ/4板WPを透過することにより、反射ビームLB2は偏光ビームスプリッタPBSの分離面に対するS偏光に変換されている。そのため、反射ビームLB2は、偏光ビームスプリッタPBSの分離面で進行方向を折り曲げられ、受光系FS3へ送られる。
受光系FS3では、反射ビームLB2は円筒レンズCYLを透過して、四分割受光素子ZDの検出面に投射される。ここで、円筒レンズCYLは、いわゆる「かまぼこ型」のレンズで、図9(B)に示されるように、YZ断面はY軸方向に凸部を向けた凸形状(すなわち、直線と円弧(又は楕円の一部)とで囲まれた形状)を有するとともに、図9(C)に示されるように、XY断面は矩形状を有する。このため、円筒レンズCYLを透過することにより、反射ビームLB2はZ軸方向とX軸方向とでその断面形状が非対称に絞られる。すなわち、非点収差が発生する。そして、四分割受光素子ZDに投射される。
四分割受光素子ZDは、その検出面で反射ビームLB2を受光する。四分割受光素子ZDの検出面は、図11(A)に示されるように、全体として正方形で、その2本の対角線を分離線として、4つの検出領域a,b,c,dに等分割されている。検出面の中心をOZDとする。
ここで、図9(A)に示される理想フォーカス状態(ピントの合った状態、デフォーカス量ΔL=0)、すなわち計測ビームLB1が計測面S0上に焦点を結ぶ状態では、反射ビームLB2の検出面上での断面形状は、図11(C)に示されるように、中心OZDを中心とする円形となる。また、図9(A)において、計測ビームLB1の焦点に対して計測面S1が手前(+Z側)に位置する、いわゆる後ピン状態(ΔL<0)では、反射ビームLB2の検出面上での断面形状は、図11(B)に示されるような中心OZDを中心とする横長の長円形となる。また、図9(A)において、計測ビームLB1の焦点に対して計測面S-1が奥側(−Z側)に位置する、いわゆる前ピン状態(ΔL>0)では、反射ビームLB2の検出面上での断面形状は、図11(D)に示されるような中心OZDを中心とする縦長の長円形となる。
四分割受光素子ZD(検出部FS3)に接続された第1演算回路(図9(A)等では不図示、図10参照)CC1では、4つの検出領域a,b,c,dで受光する光の強度(それぞれIa,Ib,Ic,Idと表記する)から、次式(1)によって定義されるフォーカスエラーIを算出し、駆動部(図9(A)等では不図示、図10参照)DPに出力する。
I=(Ia+Ic)−(Ib+Id) …(1)
図12には、フォーカスエラーIとデフォーカス量△Z(上述の理想フォーカス状態を基準とする、計測ビームの焦点と計測面Sの離間距離ΔL)との関係が、図示されている。上述の理想フォーカス状態(ΔZ=0、すなわちΔL=0)では、4つの検出領域のそれぞれにおけるビーム断面の面積は互いに等しいので、式(1)より、I=0が得られる。また、後ピン状態(ΔL<0)ではI<0、前ピン状態(ΔL>0)ではI>0が得られる。
駆動部DPは、第1演算回路CC1よりフォーカスエラー(出力信号)Iを受信し、I=0を再現するように、フォーカスセンサFSを格納したセンサ本体ZHをZ軸方向に駆動する。この駆動部DPの動作により、計測面SのZ変位に追従して、センサ本体ZHも変位するため、計測ビームが計測面S上で焦点を結ぶ状態で、センサ本体ZHと計測面Sの間の距離が常に一定(ΔL=0)に保たれる、すなわちフォーカスロック状態が保たれる。なお、フォーカスセンサFSの光学系の焦点位置を所望の位置に調整するために、例えば対物レンズOLを駆動する駆動系などを設けても良い。
ここで、図13(A)及び図13(B)に示されるように、計測面S上に付着した微小な異物DWによって、計測ビームLB1のビーム断面内の一部が遮られること(以下、スケールの異常とも呼ぶ)に起因して、Zヘッドの計測誤差又は異常が発生する発生機構について説明する。前提として、異物DWによって計測ビームLB1が遮られる前には、計測ビームLB1と計測面Sは理想フォーカス状態(デフォーカス量ΔL=0、及びフォーカスエラーI=0)にあったものとする。
図13(B)のように計測ビームLB1のビーム断面内の一部が異物DWによって遮られることにより、図14(A)に示される反射ビームLB2の強度分布が、四分割受光素子ZDによって検出される。ただし、この強度分布は、計測ビームLB1が遮られた直後の分布である。検出された強度分布において、領域dw内の強度が減衰している。この領域dwが、計測ビームLB1の異物DWによって遮られた断面内の領域に対応する。
図14(A)の強度分布において、領域dwは検出領域c内に位置している。検出領域cによって受光される反射ビームLB2の強度Icは、異物DWによって計測ビームLB1が遮られることによって小さくなる。そのため、フォーカスエラーI<0と算出される。この算出結果は、図14(C)における点eに対応する。従って、理想フォーカス状態、すなわち計測ビームLB1の焦点は計測面S上に位置しているにも関わらず、Zヘッド72aの第1演算回路CC1は、後ピン状態(ΔL<0)、すなわち計測ビームLB1の焦点に対して計測面Sが手前(+Z側)に位置していると誤判断する。
Zヘッド72aの駆動部DPは、第1演算回路CC1(フォーカスセンサFS)のフォーカスエラーIの出力に従い、I=0を再現するように、フォーカスセンサFSを格納したセンサ本体ZHを+Z方向に駆動する。これにより、I=0が再現される。この時のIの変化が、図14(C)における点eから点fへの移動に対応する。なお、この時、四分割受光素子ZDによって検出される反射ビームLB2の強度分布は、図14(A)に示される分布から図14(B)に示される分布へと変化する。しかし、この時の真のデフォーカス量はΔL>0、すなわち計測ビームLB1の焦点に対して計測面Sは奥(−Z側)に外れている。
駆動部DPの誤動作により、センサ本体ZHは、理想状態におけるそのZ位置の+Z側に位置している。この実際のセンサ本体ZHのZ位置が計測部ZEによって計測され、Zヘッド72aの計測値(計測結果)Zaとして出力される。その結果、Zヘッド72aの計測値に誤差が生じることになる。
本実施形態では、フォーカスセンサFSの検出部FS3(四分割受光素子ZD)に、図10に示されるように、第2演算回路CC2も接続されている。第2演算回路CC2は、4つの検出領域a,b,c,dで受光する光の強度Ia,Ib,Ic,Idの和、すなわち次式(2)で表される反射ビームLB2の強度Iを算出する。
=(Ia+Ic)+(Ib+Id) …(2)
算出結果(強度I)は、計測部ZEから出力されるZヘッド72aの計測値、すなわち計測面の面位置(Z軸方向の位置)Zaととともに、信号処理・選択装置170を介して主制御装置20に供給される。
主制御装置20は、供給された反射ビームLB2の強度Iを指標として、それとともに供給されたZヘッド72aの計測値Zaの信頼度の高低を判定する。ここで、主制御装置20は、反射ビームLB2の強度Iと所定の閾強度Ithとを比較し、強度Iが閾強度Ith以上の場合(IR0≧I≧Ith)は、Zヘッド72aの計測値Zaの信頼度は高いと判断する。なお、IR0は理想状態における反射ビームLB2の強度である。従って、主制御装置20は、強度Iが、その強度を保っている場合(I=IR0)に、計測値Zaの信頼度が高いと判断することも可能である。逆に、強度Iが閾強度Ithを下回った場合(I<Ith)には、主制御装置20は、Zヘッド72aの計測値Zaの信頼度は低いと判断する。なお、反射ビームLB2の強度Iが理想状態における強度IR0からずれた場合(I≠IR0)に計測値Zaの信頼度は低いと判断することも可能である。
なお、環境の温度、気圧などの変化により、フォーカスセンサFS内の光源(レーザーダイオード)LDから射出されるレーザ光の強度が微小変化し得る。それに伴い、反射ビームLB2の強度Iが微小変化して、上述と同様な誤動作が発生し得る。そこで、レーザ光の強度Iを計測し、反射ビームLB2の強度Iを規格化し、規格化された強度I/(I/〈I〉)を指標として用いることとしても良い。ただし、〈I〉は、安定時におけるレーザ光の強度である。
なお、Zヘッド72aでは、センサ本体ZH及び計測部ZEは、ともに不図示の筐体内部に格納されており、また計測ビームLB1の筐体外部に露出する部分の光路長も極短いため、空気揺らぎの影響が非常に小さい。従って、Zヘッドを含むセンサは、例えばレーザ干渉計と比較しても、空気が揺らぐ程度の短い期間における計測安定性(短期安定性)に格段に優れている。
その他のZヘッドも、上述のZヘッド72aと同様に構成され機能する。
主制御装置20は、露光時には、少なくとも各1つのZヘッド74i,76j(i,jは1〜5のいずれか)の計測値を用いて、ウエハテーブルWTB上面(以下、テーブル面と略述する)上の基準点(テーブル面と投影光学系PLの光軸AXとの交点)における、ウエハステージWSTの高さZとローリングθyを算出する。ここで、計測面(すなわち対応するYスケール39Y又は39Y)に対向しているZヘッドからは、計測ビームの投射点における計測面の面位置(すなわちZヘッドの計測値)Zと反射ビームLB2の強度I(計測値)とが、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、上述のように、供給された強度Iを指標として、面位置Zの信頼度の高低を判定する。そして、各1つのZヘッド74i,76jの計測値の信頼度が高いと判定された場合、それらの計測値を用いてウエハステージWSTの高さZとローリングθyを算出する。
Zヘッド74i,76j(i,jは1〜5のいずれか)の計測値(以下では、それぞれZL,ZRと表記する)は、計側面を含めウエハテーブルWTBの上面が理想的な平面だとして、ウエハステージWSTの(Z0,θx,θy)位置に対して、次式(3),(4)のように依存する。
L=−tanθy・pL+tanθx・qL+Z0, …(3)
R=−tanθy・pR+tanθx・qR+Z0 …(4)
ここで、(pL,qL),(pR,qR)は、それぞれZヘッド74i,76jのX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)である。式(3)(4)より、次式(5)(6)が導かれる。
0=〔ZL+ZR−tanθx・(qL+qR)〕/2, …(5)
tanθy=〔ZL−ZR−tanθx・(qL−qR)〕/(pR−pL) …(6)
従って、主制御装置20は、Zヘッド74i,76jの計測値ZL,ZRを用いて、式(5)、式(6)より、ウエハステージWSTの高さZとローリングθyを算出する。ただし、ピッチングθxは、別のセンサシステム(本実施形態では干渉計システム118)の計測結果を用いる。
また、主制御装置20は、フォーカスキャリブレーションとフォーカスマッピング時には、4つのZヘッド72a〜72dの計測値(それぞれZa,Zb,Zc,Zdと表記する)を用いて、多点AF系(90a,90b)の複数の検出点の中心(X,Y)=(Ox’,Oy’)におけるウエハテーブルWTBの高さZとローリングθyを、次式(7)(8)より、算出する。
=(Za+Zb+Zc+Zd)/4, …(7)
tanθy=−(Za+Zb−Zc−Zd)/(pa+pb−pc−pd) …(8)
ここで、(p,q),(p,q),(p,q),(p,q)はそれぞれZヘッド72a〜72dのX,Y設置位置(より正確には計測ビームの投射点のX,Y位置)である。ただし、pa=pb,pc=pd,qa=qc,qb=qd,(pa+pc)/2=(pb+pd)/2=Ox’,(qa+qb)/2=(qc+qd)/2=Oy’とする。なお、先と同様に、ピッチングθxは、別のセンサシステム(本実施形態では干渉計システム118)の計測結果を用いる。
一方、Zヘッド72a〜72d,74i(i=1〜5),76j(j=1〜5)の計測値の信頼度が低いと判定された場合には、主制御装置20は、面位置計測システム180を用いるウエハステージWSTの位置計測を中断し、干渉計システム118を用いて位置計測を行う。そして、Zヘッドの計測値の信頼性が回復した際に、面位置計測システム180を用いる位置計測を再開する。
本実施形態の露光装置100では、国際公開第2007/097379号パンフレットの実施形態中に開示されている手順と同様の手順に従って、主制御装置20により、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとを用いた並行処理動作が実行される。かかる並行処理動作中に、主制御装置20により、上述した、ウエハステージWSTのZ、θy(及びθz)方向の位置の計測、及びその計測値に基づくウエハステージWSTの駆動が行われる。
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置100によると、面位置計測システム180が備えるZヘッド72a〜72d、74i、76jは、ウエハステージWST上面の計測面(Yスケール39Y1,39Y2)に計測ビームを投射し、計測面からの反射ビームを受光して、計測ビームの投射点における計測面のZ軸方向に関する面位置情報と、反射ビームの強度を計測する。そして、主制御装置20は、Zヘッド72a〜72d又は74i、76jで計測された反射ビームの強度を指標として、Zヘッド72a〜72d又は74i、76jで面位置情報(Z)の信頼度の高低を判定し、信頼度が高いと判定された場合にのみ面位置情報(Z)に基づいて、ウエハステージWSTのZ位置及びθy回転を計測、制御し、信頼度が低いと判定された場合には、干渉計システム118の計測値に基づいて、ウエハステージWSTのZ位置及びθy回転を計測、制御する。これにより、前述したスケールの異常等に起因する面位置計測システム180(が備えるZヘッド)の誤計測の動作を回避することができ、安定且つ高精度にウエハステージWSTのZ軸方向及びθy方向への駆動が可能となる。また、主制御装置20は、干渉計システム118の計測値に基づいてウエハステージWSTのθx方向の位置制御を行う。従って、前述の国際公開パンフレットの実施形態と同じ手順で、ウエハWのフォーカス・レベリング制御を、長期に渡って精度良く行うことができ、これにより、ウエハW上の複数のショット領域に、走査露光方式でレチクルRのパターンを精度良く形成することが可能になる。
なお、上記実施形態では、主制御装置20が、Zヘッドで計測された式(2)で表される反射ビームLB2の強度Iを用いて、Zヘッドの計測値(面位置情報)Zの信頼度の高低を判定し、この判定結果を利用することで、Zヘッドの誤計測の結果に基づく、ウエハステージWSTの位置制御誤差の発生を防止するものとした。しかし、これに限らず、例えば、フォーカスセンサFSの検出部FS3(四分割受光素子ZD)に、前述の第2演算回路CC2に代えて、あるいはこれに加えて、検出領域a,cにて受光する反射ビームLB2の強度の差Iac=Ia−Icと、検出領域b,dにて受光する反射ビームLB2の強度の差Ibd=Ib−Idと、を算出する第3演算回路(不図示)を接続することとしても良い。この場合、差Iac及び差Ibdの一方のみが零でないときは、計測面に異物が付着した(スケールの異常が発生した)と推測できるので、かかる場合に、Zヘッドの計測値(面位置情報)Zの信頼度が低いものとして、上記実施形態と同様の処理を行うようにしても良い。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を、図10、図9(A)、図12、図13、及び図15(A)〜図15(C)等に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分には同一の符号を用いると共にその説明を省略するものとする。本第2の実施形態の露光装置は、面位置計測システム180が備えるZヘッドの構成及びその計測結果の処理の方法が、前述の第1の実施形態の露光装置100と異なるが、その他の部分の構成等は露光装置100と同様になっている。以下では、相違点を中心として、第2の実施形態について説明する。
本第2の実施形態では、Zヘッド内のフォーカスセンサFS(図9(A)参照)を構成する四分割受光素子ZDが、例えばCCDイメージセンサCCD(図15(A)等参照)に置き換えられるとともに、第2演算回路CC2が、CCDイメージセンサCCDの出力信号に基づいて、反射ビームLB2のビーム断面内の強度分布を計測し、該強度分布を信号処理選択装置170を介して主制御装置20に供給する。この場合、反射ビームLB2が円筒レンズCYLを透過することによって非点収差が発生するため(図9(A)〜図9(C)参照)、第2演算回路CC2は、数値解析をおこない、円筒レンズCYLを透過する前の反射ビームLB2のビーム断面内の強度分布I(x,y)を復元し、その復元後の強度分布を主制御装置20に供給するものとする。
理想状態、すなわちデフォーカス量ΔL=0、且つフォーカスエラーI=0では、図15(A)に示されるような、反射ビームLB2のビーム断面内の強度分布I(x,y)が各Zヘッドの第2演算回路CC2で計測(算出)される。主制御装置20は、この強度分布I(x,y)を、記憶装置に保存している。
なお、図15(A)〜図15(C)では、四分割受光素子ZDの4つの検出領域a〜dに対応する、CCDイメージセンサCCDの領域が、同じ符号a〜dを用いて示されている。ヘッドが備える第1演算回路CC1は、4つの領域における強度分布の積分(それぞれIa,Ib,Ic,Idと表記する)から、式(1)によって定義されるフォーカスエラーIを算出する。算出されたフォーカスエラーIは、駆動部DPに出力される。そして、第1の実施形態と同様にして、駆動部DPによってセンサ本体ZHがZ軸方向に駆動され、センサ本体ZHのZ軸方向の変位、すなわち計測面のZ軸方向の変位が、Zヘッドの計測値Zとして計測部ZEから信号処理・選択装置170を介して主制御装置20に供給される。
ここで、本第2の実施形態において、図13(A)及び図13(B)に示されるように、計測面S上に付着した微小な異物DWによって、計測ビームLB1のビーム断面内の一部が遮られた場合、すなわちスケールの異常が発生した場合の、主制御装置20の動作について説明する。前提として、異物DWによって計測ビームLB1が遮られる前には、理想フォーカス状態(デフォーカス量ΔL=0、及びフォーカスエラーI=0)にあったものとする。
図13(B)に示されるように計測ビームLB1のビーム断面内の一部が異物DWによって遮られることにより、Zヘッドの第2演算回路CC2により、図15(B)に示される反射ビームLB2の強度分布I(x,y)が計測される。ただし、この強度分布I(x,y)は、前述の通り、数値解析によって復元された強度分布である。図15(B)に示されるように、計測された強度分布I(x,y)において、領域dw内の強度が減衰している。この領域dwが、計測ビームLB1の異物DWによって遮られた断面内の領域に対応する。
そこで、主制御装置20は、強度分布I(x,y)と理想状態における強度分布I(x,y)(図15(A)参照)とを用いて、強度変化分布ΔI(x,y)〔=I(x,y)−I(x,y)〕を、領域a,b,c,dのそれぞれについて求める。図15(C)には、この場合に求められる強度変化分布ΔI(x,y)が示されている。強度変化分布ΔI(x,y)より、領域dwにおいて、計測ビームLB1が異物DWによって遮られたことが読み取られる。異物DWの大きさ(面積)は領域dwの面積に等しい。その異物DWによって、計測ビームLB1が遮られて、領域cで受光する光の強度IcがΔIc=∫dxdyΔI(x,y)小さくなったことが分かる。ただし、積分範囲は領域cとする。なお、この時、領域a、b、dで受光する光の強度の変化分がすべて零(ΔIa=ΔIb=ΔId=0)であることも分かる。
主制御装置20は、領域dwの面積Sdw、強度変化ΔIを、予め定めた閾面積Sth、閾変化ΔIthとそれぞれ比較し、領域dwの面積Sdwが閾面積Sthを超えた場合(Sdw>Sth)、あるいは強度変化ΔIが閾変化ΔIthを超えた場合(ΔI>ΔIth)には、異常が発生し、Zヘッドの計測値Zの信頼度は低い(信頼できない)と判定する。なお、ここでの比較は、領域a,b,c,dの全体について行っても良いし、領域毎に行っても良い。
一方、正常状態(Sdw≦Sth且つΔI≦ΔIth)ではあるが、Sdw≠0,ΔI≠0の場合には、主制御装置20は、Zヘッドの計測結果(計測値Z)には、補正可能な誤差が発生していると判断する。そして、主制御装置20は、上で求められた強度変化ΔIa〜ΔIdからフォーカスエラーIに対する補正量ΔI=−(ΔIa+ΔIc)+(ΔIb+ΔId)を求める。そして、主制御装置20は、求められた補正量ΔIを、図12のフォーカスエラーIとデフォーカス量ΔLの関係に当てはめ、補正量ΔIに対応するデフォーカス量の補正量dLを求め、求められた補正量dLを、Zヘッドの計測値Zに加えて補正する。
ただし、上述の補正法では非点収差による強度分布I(x,y)の収差を考慮していない。従って、収差の影響が無視できる範囲内で、閾面積Sthと閾変化ΔIthとを適切に定めることとする。また、図12において、フォーカスエラーIのデフォーカス量ΔLに対する線形性が十分保障されるように閾変化ΔIthを定めた場合、補正量dL=gΔIより、補正量dLを求めると良い。ただし、g=dI(0)/dΔLである。
主制御装置20は、上述の手順に従って、Zヘッド72a〜72d,74i(i=1〜5),76j(j=1〜5)の計測値の信頼度の高低を判定するとともに、必要な場合計測誤差を補正する。そして、各1つのZヘッド74i,76jの計測値ZL,ZRの信頼度が高い場合(信頼できる場合)、第1の実施形態と同様に、計測値ZL,ZR(補正した場合には補正後の値)を式(5)、式(6)に適用して、ウエハステージWSTの高さZとローリングθyを算出する。また、Zヘッド72a〜72dの計測値Za,Zb,Zc,Zdの信頼度が高い場合(信頼できる場合)、計測値Za,Zb,Zc,Zd(補正した場合には補正後の値)を式(7)、式(8)に適用して、ウエハステージWSTの高さZとローリングθyを算出する。
一方、Zヘッド72a〜72d,74i(i=1〜5),76j(j=1〜5)の計測値の信頼度が低い場合(信頼できない場合)、主制御装置20は、面位置計測システム180を用いるウエハステージWSTの位置計測を中断し、干渉計システム118を用いて位置計測を行う。そして、Zヘッドの計測結果の信頼性が回復した際に、面位置計測システム180を用いる位置計測を再開する。
本第2の実施形態の露光装置では、主制御装置20により、第1の実施形態と同様のウエハステージWSTと計測ステージMSTとを用いた並行処理動作が実行され、かかる並行処理動作中に、主制御装置20により、上述した、ウエハステージWSTのZ、θy(及びθz)方向の位置の計測、及びその計測結果に基づくウエハステージWSTの駆動が行われる。
以上詳細に説明したように、本第2の実施形態の露光装置によると、前述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。これに加え、Zヘッドの計測値の信頼度が高い場合であっても、計測値の補正が必要な場合には、主制御装置20により、計測値の補正が行われるので、補正を行わない場合に比べて、より高精度なウエハステージWSTの(Z、θy)方向の位置計測、及び駆動制御が可能になる。
なお、上記第2の実施形態では、第2演算回路CC2が、四分割受光素子に代えて設けられたCCDイメージセンサCCDの出力信号に基づいて、反射ビームLB2のビーム断面内の強度分布を計測するものとしたが、これに限らず、反射ビームLB2の光路の一部に、例えば円筒レンズCYLより上流側の反射ビームLB2の光路上に、反射ビームLB2の一部を分岐するビームスプリッタ(ハーフミラーなど)を設け、分岐されたビーム(参照ビーム)のビーム断面内の強度分布を、例えばCCDイメージセンサを用いて計測することとしても良い。この場合、参照ビームについては、カバーガラス表面と共役な位置で検出することとしても良い。かかる場合には、フォーカスエラーを算出する第1演算回路に出力信号を供給する受光素子として、四分割受光素子及びCCDイメージセンサのいずれを用いても良い。この場合において、ビームスプリッタ(ハーフミラーなど)を、円筒レンズCYLと四分割受光素子ZDの間の反射ビームLB2の光路上に設置する場合には、先と同様に、数値解析を行って、円筒レンズCYLを透過する前の反射ビームLB2のビーム断面内の強度分布を復元することが望ましい。
なお、上記各実施形態では、本発明が、投影光学系とウエハとの間に照明光の光路を含む液浸空間を形成し、投影光学系及び液浸空間の液体を介して照明光でウエハを露光する露光装置に適用された場合について説明したが、非液浸タイプの露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上記各実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に本発明を適用しても良い。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、又はミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明は適用することができる。また、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも本発明を適用できる。
また、上記各実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。また、前述の照明領域及び露光領域はその形状が矩形であるものとしたが、これに限らず、例えば円弧、台形、あるいは平行四辺形などでも良い。
なお、上記各実施形態の露光装置の光源は、ArFエキシマレーザに限らず、KrFエキシマレーザ(出力波長248nm)、F2レーザ(出力波長157nm)、Ar2レーザ(出力波長126nm)、Kr2レーザ(出力波長146nm)などのパルスレーザ光源、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどを用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記各実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を露光光とし、オール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置にも本発明を好適に適用することができる。この他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、本発明は適用できる。
また、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。
また、例えば干渉縞をウエハ上に形成することによって、ウエハ上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記各実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものではなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した各実施形態の露光装置(パターン形成装置)によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記各実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
本発明の露光方法及び露光装置は、リソグラフィ工程において、物体上にパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、半導体素子又は液晶表示素子などの電子デバイスを製造するのに適している。
第1の実施形態の露光装置の構成を概略的に示す図である。 図2(A)はウエハステージを示す平面図、図2(B)は計測ステージを示す平面図である。 図1の露光装置が備えるステージ装置及び干渉計の配置を示す平面図である。 図1の露光装置が備えるステージ装置及び計測装置類の配置を示す平面図である。 エンコーダヘッド(Xヘッド、Yヘッド)とアライメント系の配置を示す平面図である。 Zヘッドと多点AF系の配置を示す平面図である。 第1の実施形態の露光装置の制御系の主要な構成を示すブロック図である。 Zヘッドの構成の一例を概略的に示す図である。 図9(A)はフォーカスセンサの構成の一例を示す図、図9(B)及び図9(C)は円筒レンズの形状及び機能を説明するための図である。 Zヘッドの構成の一例を、信号処理選択装置とともに示すブロック図である。 図11(A)は四分割受光素子の検出領域の構成を示す図、図11(B)、図11(C)、及び図11(D)は、それぞれ、前ピン状態、理想フォーカス状態、及び後ピン状態での反射ビームLB2の検出面上での断面形状を示す図である。 非点収差法におけるフォーカスエラーIとデフォーカス量ΔLとの関係(S字カーブ)を示す図である。 図13(A)及び図13(B)は、Zヘッドの計測光が計測面に付着した異物を走査した状況を説明するための図である。 図14(A)及び図14(B)は、Zヘッドの計測光が計測面に付着した異物を走査した場合における、四分割受光素子による計測光の検出結果の一例を示す図、図14(C)はこの時のフォーカスエラーIとデフォーカス量ΔLとの関係を示す図である。 図15(A)は第2の実施形態の露光装置が備えるZヘッドの理想状態における反射ビームLB2の強度分布を示す図、図15(B)はZヘッドの計測ビームが計測面に付着した異物を走査した時の反射ビームLB2の強度分布を示す図、図15(C)は図15(A)と図15(B)との間の反射ビームLB2の強度分布の変化を示す図である。
符号の説明
10…照明系、20…主制御装置、39X1,39X2…Xスケール、39Y1,39Y2…Yスケール、50…ステージ装置、62A〜62F…ヘッドユニット、72a〜72d,74,76…Zヘッド、100…露光装置、124…ステージ駆動系、170…信号処理・選択装置、180…面位置計測システム、200…計測システム、PL…投影光学系、PU…投影ユニット、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、WTB…ウエハテーブル。

Claims (14)

  1. 所定平面に沿って少なくとも一軸方向に移動する移動体に保持された物体にエネルギビームを照射して前記物体上にパターンを形成する露光方法であって、
    前記移動体の前記所定平面に平行な一面に設けられた計測面に計測光を投射し、前記計測面からの反射光を受光して、前記計測光の投射点における前記計測面の前記所定平面に垂直な方向に関する面位置情報と、前記反射光の強度と、を計測し、計測された前記面位置情報と前記反射光の強度とに基づいて、前記移動体を駆動する露光方法。
  2. 前記駆動に際して、計測された前記反射光の強度に基づいて、前記面位置情報の信頼度を判定し、信頼度が高いと判定された前記面位置情報に基づいて、前記移動体を駆動する、請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記計測に際して、前記計測光の強度をさらに計測し、
    前記駆動に際して、計測された前記計測光の強度と前記反射光の強度とに基づいて、前記面位置情報の信頼度を判定し、信頼度が高いと判定された前記面位置情報に基づいて、前記移動体を駆動する請求項1に記載の露光方法。
  4. 前記計測に際して、前記反射光の断面内の強度分布をさらに計測し、
    前記駆動に際して、計測された前記強度分布に基づいて前記面位置情報を補正する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光方法。
  5. 前記駆動に際して、計測された前記強度分布に基づいて、前記計測面の状態を診断する、請求項4に記載の露光方法。
  6. 前記計測面の状態の診断結果に基づいて、前記計測面に異物が付着したことが確認された場合、前記異物によって遮られた前記計測光の断面内の部分と光量とを特定し、該特定結果に基づいて前記面位置情報を補正する、請求項5に記載の露光方法。
  7. 前記移動体は、前記所定平面内で前記一軸に垂直な方向に移動することができ、
    前記計測に際して、少なくとも前記垂直な方向に関して位置が異なる複数のヘッドを用いて、前記計測面に計測光を投射する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の露光方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の露光方法を用いて、物体上にパターンを形成する工程と;
    前記パターンが形成された前記物体に処理を施す工程と;
    を含むデバイス製造方法。
  9. エネルギビームにより物体を露光して前記物体上にパターンを形成する露光装置であって、
    前記物体を保持して所定平面に沿って少なくとも一軸方向に移動するとともに、前記所定平面に平行な一面に計測面が設けられた移動体と;
    前記計測面に計測光を投射し、前記計測面からの反射光を受光して、前記計測光の投射点における前記計測面の前記所定平面に垂直な方向に関する面位置情報と、前記反射光の強度と、を計測するヘッドを、少なくとも1つ有する計測系と;
    前記計測系で計測された前記面位置情報と前記強度とに基づいて、前記移動体を駆動する処理装置と;を備える露光装置。
  10. 前記処理装置は、計測された前記反射光の強度に基づいて、前記面位置情報の信頼度を判定し、信頼度が高いと判定された前記面位置情報に基づいて、前記移動体を駆動する、請求項9に記載の露光装置。
  11. 前記計測系は、前記ヘッドから前記計測面に投射される計測光の強度をさらに計測し、
    前記処理装置は、計測された前記計測光の強度と前記反射光の強度とに基づいて、前記面位置情報の信頼度を判定し、信頼度が高いと判定された前記面位置情報に基づいて、前記移動体を駆動する請求項9に記載の露光装置。
  12. 前記計測系は、前記反射光の断面内の強度分布をさらに計測し、
    前記処理装置は、計測された前記強度分布に基づいて前記面位置情報の計測結果を補正する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の露光装置。
  13. 前記移動体は、前記所定平面内で前記一軸に垂直な方向に移動することができ、
    前記計測系は、前記計測面に計測光を投射する、少なくとも前記垂直な方向に関して位置が異なる複数のヘッドを備える、請求項9〜12のいずれか一項に記載の露光装置。
  14. 前記エネルギビームが経由する光学系と;
    前記光学系と前記物体の間に、液体を供給する液体供給装置と;をさらに備える、9〜13のいずれか一項に記載の露光装置。
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