JP5126524B2 - 鉄鋼スラグを使用する土木用材の製造方法 - Google Patents

鉄鋼スラグを使用する土木用材の製造方法 Download PDF

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本発明は、製鉄所などで発生する鉄鋼スラグである高炉スラグ(徐冷スラグ(以下、「高炉除冷スラグ」とも記す。)、水砕スラグなど高炉から得られるスラグ)および製鋼スラグ(転炉スラグ、溶銑予備処理スラグ、二次精錬スラグなど製鋼工程において生成するスラグ)を使用し、固結が抑制された土木用材の製造方法に関するものである。
従来から高炉スラグおよび製鋼スラグは、土木用材として利用されてきた。
スラグを利用した土木用材は、強固な地盤を形成させるという目的で水硬性が有利に働き、施工した後に数日後には固結し始める。
しかし、施工をした数日から数年後に、その施工箇所を掘り起し、新たに埋設物を埋める工事をしたり、植裁を施したり、さらに数十年が経過した後に再度掘り起こしたりするケースもある。
このような場合に、固結した土木用材、特にスラグ路盤材は、掘り起こし作業に大きな力を必要とし、さらに、配管工事などでの掘削作業は、既埋設物の破損を引き起こす危険性もある。
このようなスラグ土木用材の固結硬化現象は、以下のような機構で進行すると考えられる。
まず、スラグ表面のCaOが周囲の水に溶解し、pH上昇(pH10〜11)が始まる。
CaO+HO→Ca2++2OH-
このアルカリ刺激により、スラグ表面のガラス質のシリカ等の成分が溶出する。
SiO+OH→SiO 2−+H
スラグ粒子近傍の液相中のカルシウム、シリコン、アルミニウム等の成分濃度が、各種水和生成物の析出条件まで上昇すると水和物の生成が始まり、珪酸カルシウム水和物(CaO-SiO-HOゲル)や、エトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)等の水和鉱物相を生成し、次第に層厚を増し、粒子同士の固結硬化へ至る。また、この水和物生成反応は、液相においてのみならず、スラグの表面近傍の粒子内部でも生じる。
このスラグ路盤材の固結硬化を抑制する発明として、例えば、特許文献1に開示された方法が示されている。
特許文献1に示されている方法は、自由水を存在し始める水分値未満で、かつ、該水分値よりも10質量%少ない値以上の範囲となるように添加する水分量を調整した後に、炭酸ガスを含有し相対湿度が75〜100%のガスを流し、スラグを炭酸化させ、スラグの外周部に固結硬化をもたらす鉱物相が生成することを抑制し、スラグ粒同士が固結することのないようにするものである。
特許第3828897号公報
しかし、上記従来技術の特許文献1においては、以下のような問題点がある。
スラグ自体を自由水が存在し始める水分値未満で、かつ、該水分値よりも10質量%少ない値以上の範囲となるように添加する水分量を調整することが必要である。しかも、炭酸ガスを含有する相対湿度75〜100%のガスを流し、スラグを炭酸化させるとしているが、スラグ表面がどの程度炭酸化され、何%以上炭酸化されることでスラグの外周部に固結硬化となる鉱物相を抑制できるのか規定されていない。
ここに、本発明の課題は、そのような問題点を解決し、効率的にスラグ土木用材の固結を抑制できる製造方法を提供でき、特に粒度調整鉄鋼スラグ、クラッシャラン鉄鋼スラグの道路用鉄鋼スラグに有効に使用することが可能となる方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく検討した結果、本発明者は、高炉スラグおよび製鋼スラグ表面のCaOを不溶性鉱物相(CaCO)に変化できれば、スラグ周囲の水を高pHにすることなく、珪酸カルシウム水和物およびエトリンガイトなどの水和物生成による固結硬化を抑制できるとの考えに至った。
つまり、炭酸ガスを含有した自由水(炭酸水)を、スラグ粒子の表面に接触させる(具体的には、炭酸水への浸漬や炭酸水の吹付けが例示される。)ことで、スラグ側から溶出したCaイオンと、自由水に溶解したCOとが反応(炭酸化反応)することにより、各々のスラグ粒子表面にCaCOが析出すると考えた。具体的には、スラグ表面を一定程度以上炭酸化することによって、高炉スラグおよび製鋼スラグの表面からのCaOの溶出を抑制できるため、pH上昇が抑制されると共に、土木用材の固結固化が抑制される。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたもので、その要旨は下記の通りである。
)粒径25mm以下の高炉徐冷スラグをエージング処理し、その後さらに炭酸化処理を行って製造する土木用材の製造方法であって、そのエージング処理および炭酸化処理をそれぞれ次のように行うことを特徴とする、土木用材の製造方法。
(A)粒径25mm以下の高炉徐冷スラグをエージング処理して、そのエージング処理後の粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、当該粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、当該粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグに含有される遊離CaO含有率を、質量%で0.45%以下に管理すること。
(B)前記のエージング処理をしたスラグを、炭酸を含有しpHが3.5〜5.4に調整された自由水に浸漬する炭酸化処理によって、その炭酸化処理後の粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、当該粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、当該粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグの炭酸化率を15%以上に管理すること。
ここで、炭酸化率は、(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO質量濃度―炭酸化処理後のスラグ遊離CaO質量濃度−炭酸化処理後のスラグ遊離Ca(OH)質量濃度×0.76)/(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO質量濃度)×100である。
)上記()に記載される方法により製造した土木用材を質量%で100〜30%、かつ粒径25mm以下の転炉スラグをエージング処理し、その後さらに炭酸化処理を行って製造する土木用材の製造方法であって、そのエージング処理と炭酸化処理をそれぞれ次のように行う方法により製造した土木用材を質量%で70%以下配合することを特徴とする土木用材の製造方法製造方法。
(C)粒径25mm以下の転炉スラグをエージング処理して、そのエージング処理後の粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、当該粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、当該粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグに含有される遊離CaO含有率を、質量%で4.5%以下に管理すること。
(D)前記のエージング処理をしたスラグを、炭酸を含有しpHが3.5〜5.4に調整された自由水に浸漬する炭酸化処理によって、その炭酸化処理後の粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、当該粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、当該粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグの炭酸化率を15%以上に管理すること。
ここで、炭酸化率は、(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO質量濃度―炭酸化処理後のスラグ遊離CaO質量濃度−炭酸化処理後のスラグ遊離Ca(OH)質量濃度×0.76)/(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO質量濃度)×100である。
)前記炭酸化処理により得られた土木用材がJIS A 5015に基づく一軸圧縮強度が0.7N/mm以下であって、当該土木用材をJIS A 0058−1に基づき溶出させて得られた検液のpHが8.0以下である上記()または()に記載された土木用材の製造方法。
本発明に係る製造方法は、高炉スラグおよび/または製鋼スラグが配合されたスラグ土木用材における固結硬化を効率的に抑制することができる。このため、得られた用材を道路用材や土木用材に有効に使用することが可能である。
また、本発明に基づき炭酸化処理された徐冷スラグおよび転炉スラグは、表面が不溶性鉱物層で覆われているため、CaOやCa(OH)が溶出して地下水のpHや海水のpHを上昇させる問題を生じさせることもない。したがって、各種骨材や路盤材、天然砂の代替原料としての利用が可能である。
しかも、処理に用いる炭酸ガスとして、製鉄所内の各種工場から排出されるガスに含まれる炭酸ガスを利用できるので、このガス中のCOの大気への放散を抑制することができ、地球温暖化問題の解決手段の一つとしても位置づけることが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
高炉スラグおよび/または製鋼スラグを用いたスラグ土木用材の固結硬化を抑制する効率的な処理方法を開発するにあたって、スラグ遊離CaO濃度に対する炭酸化影響を検討した。
ここで、遊離CaO濃度とは、鉄鋼製造において添加された生石灰が、未溶解のままスラグ中に残存した濃度であり、具体的には全スラグ質量に対する残存CaO質量の比率(単位:質量%)として定義される。本発明においては、遊離CaO濃度の管理を『粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、この粒径5mm以下のサンプルスラグから200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、この粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒度0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグ』により行う。この粒径範囲のサンプルスラグを管理することで、サンプルの母集団の遊離CaO濃度を管理できることが分かったからである。この遊離CaO濃度が高い場合には、水と反応してCa(OH)となり、スラグを膨張崩壊させる要因となる。したがって、エージング処理後のスラグについて上記の方法を適用して得られた50gのサンプルスラグに含有される遊離CaO濃度が0.45質量%以下(高炉除冷スラグ)、4.5質量%以下(転炉スラグ)になるように、粒径25mm以下のスラグをエージング処理すればよい。
エージング処理された高炉徐冷スラグ(CaO:42%、SiO:33.8%、Al:14.4%、MgO:6.7%の一般的な高炉除冷スラグ)および転炉スラグ(CaO:44.3%、SiO:13.8%、Al:1.5%、MgO:6.4%の一般的な転炉スラグ)を、炭酸ガスを含有するガス(炭酸ガス濃度20%)を一定量(ガス圧4kg/cm)流して、炭酸水の一般的なpHである3.5〜5.4に調整された、自由水(炭酸水)に浸漬した。
本発明に使用される炭酸ガスを含有するガスとしては、実験室的には市販の炭酸ガスもしくは炭酸ガスに空気や市販の窒素またはアルゴンガスを混合したものを用いたが、実際に現場での処理方法については、例えば、製鉄所内の各種工場から排出されている排ガス、または炭酸塩を用いることが効率的である。
炭酸ガス含有ガス中の炭酸ガス濃度が低いと、炭酸化効果は低下するが、炭酸濃度が低いほど炭酸化の効率は高くなることから、炭酸化処理時間が延びる以外に特段の影響はない。
このようにしてpH3.5〜5.4で炭酸を含む自由水(炭酸水)への浸漬によって炭酸化処理を行った高炉徐冷スラグおよび転炉スラグの任意の粒を樹脂に埋込み、断面を観察したところ、CaCOに安定化していることが確認できた。また、pH3.5〜5.4の自由水へ浸漬し、炭酸化率(=(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO濃度―炭酸化処理後の遊離CaO濃度−炭酸化処理後の遊離Ca(OH)濃度)/(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO濃度))が15.1%になるように炭酸化処理を行った前・後の、高炉徐冷スラグおよび転炉スラグについて、JIS K 0058−1(スラグ類の化学物質試験方法 第1部:溶出試験方法)に則り、得られた溶出液のpHを、いずれの場合も検体数を3として測定した。その結果を図1、図2に示す。なお、遊離CaO濃度はエチレングリコール抽出-原子吸光分析法で測定した。本発明においては、炭酸化率の管理を『粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、この粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、この粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒度0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグ』により行う。この粒径範囲のサンプルスラグを管理することで、サンプルの母集団の炭酸化率を管理できると分かったからである。
本結果より、本発明による炭酸処理、すなわち、浸漬後のスラグについて上記の方法を適用して得られた50gのサンプルスラグの炭酸化率が15%以上になるように、エージング処理後のスラグをpHが3.5〜5.4に調整された炭酸を含有する自由水に浸漬する処理を行うことで、pH11.2〜11.5の高炉徐冷スラグが6.0〜7.1に、pH12.4〜12.6の転炉スラグが6.9〜7.5に低下することが判明した。
上記の15.1%の場合を含む複数の炭酸化率になるように炭酸化処理を行って得られた各種のスラグについて、炭酸化率と圧縮強度との関係を評価した結果を図3に示す。この結果より、本発明による炭酸処理を行うことで、処理後のスラグの圧縮強度を0.7N/mmに抑制できることが判明した。
以上の結果、特許文献1に開示された方法の、スラグ自体に自由水が存在し始める水分値未満で、かつ、該水分値よりも10質量%少ない値以上の範囲となるように添加する水分量を調整する必要もなく、炭酸ガスを含有した自由水である炭酸水を単に接触させることで、スラグからの溶出液のpHを8.0以下に調整、つまりスラグ表面のCaOを不溶性鉱物相(CaCO)に変化させ、高pH雰囲気のスラグ粒子間で発生する珪酸カルシウム水和物およびエトリンガイトなどのスラグの固結硬化に寄与する水和物生成を抑制する効率的な処理方法を提供できることが確認できた。
前記したスラグ組成の高炉徐冷スラグ30kgを、3ヵ月間の大気エージングを施して、その含有する遊離CaO濃度を0.45質量%以下とした。この遊離CaOは、粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、この粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、この粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグを、前記したエチレングリコール抽出-原子吸光分析法により測定することにより管理した。
なお、この測定管理は一般的な粒径25mm以下の高炉徐冷スラグであれば、3ヵ月大気エージングによって達成できているので、毎回測定する必要はない。また、エージング処理の方法は「大気エージング」に限定されず、要するに「含有する遊離CaO濃度を0.45質量%以下」で管理されれば十分であるから、加圧雰囲気や水蒸気雰囲気に暴露するエージング処理であってもよい。さらに、この後で炭酸化処理に供される直前のスラグは、この「エージング処理されたスラグ」をそのまま用いれば良いのだが、念のため説明すれば、エージング処理後の炭酸化処理までの期間は、長くても3ヵ月であって、その程度の期間延長ではスラグ中の遊離CaOは実質的に不変(変化率≦0.1%)である。
また、前記したスラグ組成の転炉スラグ30kgを、大気圧下で、100℃の水蒸気雰囲気の中で72時間エージング処理(蒸気エージング)を施して、その含有する遊離CaO濃度を4.5質量%以下とした。この遊離CaO濃度は、粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、この粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、この粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグを、前記したエチレングリコール抽出-原子吸光分析法により測定することにより管理した。
なお、この測定管理も、一般的な粒径25mm以下の転炉スラグであれば、72時間の蒸気エージングによって通常達成できているので、毎回測定する必要はない。また、エージング処理の方法は「蒸気エージング」に限定されず、要するに「含有する遊離CaO濃度を4.5質量%以下」で管理されれば十分である。さらに、この後で炭酸化処理に供される直前のスラグは、この「エージング処理されたスラグ」をそのまま用いればよいのだが、念のため説明すればエージング処理後の炭酸化処理までの期間は、長くても3ヵ月であって、その程度の期間を大気雰囲気下で経過しても、そのスラグ中の遊離CaOは0〜4.5質量%の間にあって、実質的に不変(変化率≦0.1%)である。
これらエージング処理が完了した高炉徐冷スラグおよび転炉スラグを、濃度20%の炭酸ガスをガス圧4kg/cmで吹き込み続けて得られた炭酸水(自由水、pH3.5〜5.4、水温20℃)に浸漬した。
この浸漬処理の処理時間を変化させることで、炭酸化率15、16%に調整した高炉徐冷スラグおよび転炉スラグを表1に示す条件に配合し、一軸圧縮強度試験要領(JIS A5015準拠)に則り、供試体を作成した。なお、炭酸化率を15%とするための浸漬時間は、上記の炭酸水では5分であった。
比較例として用いた供試体は、炭酸化率12、14%に調整した高炉徐冷スラグおよび転炉スラグを表1に示す条件に配合し、一軸圧縮強度用供試体の作成要領(JIS A5015準拠)にて作成した。
作成した供試体を封緘し、温度20℃の恒温槽内で養生した試験結果を表2に示す。
本発明により作成した供試体は、どの養生期間においても構成する各スラグ粒子同士が固結しておらず、指で軽く触れる程度の外力でばらばらとなる凝集体であった。
Figure 0005126524
Figure 0005126524
炭酸化処理前後の高炉除冷スラグのpH変化を示すグラフである。 炭酸化処理前後の転炉スラグのpH変化を示すグラフである。 エチレングリコール抽出-原子吸光分析法での測定結果に基づいて算出した炭酸化率と圧縮強度との関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 粒径25mm以下の高炉徐冷スラグをエージング処理し、その後さらに炭酸化処理を行って製造する土木用材の製造方法であって、そのエージング処理および炭酸化処理をそれぞれ次のように行うことを特徴とする、土木用材の製造方法。
    (A)粒径25mm以下の高炉徐冷スラグをエージング処理して、そのエージング処理後の粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、当該粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、当該粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグに含有される遊離CaO含有率を、質量%で0.45%以下に管理すること。
    (B)前記のエージング処理をしたスラグを、炭酸を含有しpHが3.5〜5.4に調整された自由水に浸漬する炭酸化処理によって、その炭酸化処理後の粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、当該粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、当該粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグの炭酸化率を15%以上に管理すること。
    ここで、炭酸化率は、(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO質量濃度―炭酸化処理後のスラグ遊離CaO質量濃度−炭酸化処理後のスラグ遊離Ca(OH)質量濃度×0.76)/(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO質量濃度)×100である。
  2. 請求項に記載される方法により製造した土木用材を質量%で100〜30%、かつ
    粒径25mm以下の転炉スラグをエージング処理し、その後さらに炭酸化処理を行って製造する土木用材の製造方法であって、そのエージング処理と炭酸化処理をそれぞれ次のように行う方法により製造した土木用材を質量%で70%以下配合することを特徴とする土木用材の製造方法製造方法。
    (C)粒径25mm以下の転炉スラグをエージング処理して、そのエージング処理後の粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、当該粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、当該粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグに含有される遊離CaO含有率を、質量%で4.5%以下に管理すること。
    (D)前記のエージング処理をしたスラグを、炭酸を含有しpHが3.5〜5.4に調整された自由水に浸漬する炭酸化処理によって、その炭酸化処理後の粒径0〜25mmのサンプルスラグをランダムに1kg採取してその全部を粒径5mm以下に粗粉砕・縮分し、当該粒径5mm以下のサンプルスラグから採取した200gを粒径1mm以下に粉砕・縮分し、当該粒径1mm以下のサンプルスラグから採取した50gを粒径0.25mm以下に粉砕して回収した50gのサンプルスラグの炭酸化率を15%以上に管理すること。
    ここで、炭酸化率は、(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO質量濃度―炭酸化処理後のスラグ遊離CaO質量濃度−炭酸化処理後のスラグ遊離Ca(OH)質量濃度×0.76)/(炭酸化処理前のスラグ遊離CaO質量濃度)×100である。
  3. 前記炭酸化処理により得られた土木用材がJIS A 5015に基づく一軸圧縮強度が0.7N/mm以下であって、当該土木用材をJIS A 0058−1に基づき溶出させて得られた検液のpHが8.0以下である請求項またはに記載された土木用材の製造方法。
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