JP5126166B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像表示デバイス等に用いるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと示す)と製造方法およびその保護層用材料に関する。
交流面放電型のPDPは、走査電極および維持電極からなる複数の表示電極を形成した前面基板と、その表示電極に直交するように複数のアドレス電極を形成した背面基板とを、基板間に放電空間を形成するように対向配置して周囲を封着し、放電空間にネオンおよびキセノン等の放電ガスを封入して構成している。表示電極は誘電体層で覆われ、誘電体層上には保護層が形成されている。保護層は、一般的に、酸化マグネシウム(MgO)のような耐スパッタ性の高い物質を用いて形成され、放電で生じるイオン衝撃から誘電体層を保護している。また、各表示電極は1つのラインを構成し、表示電極とアドレス電極とが交差する部分に放電セルが形成される。
このようなPDPでは、映像信号の1フィールド(1/60秒)を、輝度の重みづけを有する複数のサブフィールドによって構成し、各サブフィールドは、1ラインずつ順番に走査しながら点灯させるべき放電セルにおいて書き込み放電を発生させてデータの書き込みを行うアドレス期間と、アドレス期間でデータが書き込まれた放電セルにおいて輝度の重みづけに対応した回数だけ放電を起こして放電セルを点灯させるサステイン期間を有している。
テレビ映像を表示する場合には、1フィールド内で各サブフィールドの全ての動作を終了させる必要があるので、放電セルの高精細化に伴ってラインの数(走査線数)が増加すると、各ラインでの書き込み放電をより短時間で行わなければならなくなる。すなわち、アドレス期間において、書き込み放電を発生させるために走査電極およびアドレス電極に印加するパルスの幅を狭くして高速駆動を行わなければならない。しかし、パルスの立ち上がりから或る時間だけ遅れて放電が発生するという「放電遅れ」が存在するために、上記のような高速駆動を行おうとすると、パルスが印加されている間に放電が終了する確率が低くなり、本来点灯すべき放電セルにデータの書き込みができずに点灯不良が生じて表示品質が悪くなる場合があった。
上記の放電遅れが生じる主要な要因としては、放電が開始される際にトリガーとなる初期電子が、保護層から放電空間中に放出されにくくなっていることが考えられる。そこで、保護層について検討することにより、表示品質を改善できることが期待される。
このような、保護層からの電子放出の改善として、MgOからなる保護層に珪素(Si)を含ませることにより、2次電子の放出量が増大し表示品質を高めることができることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−334809号公報
ところが、MgOからなる保護層にSiを含ませた場合には、保護層の温度によって電子放出能力が大きく変動するため放電遅れ時間が大きく変動し、実際にPDPを使用するときの環境温度によって画像表示品位が変化するという課題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、放電遅れ時間を短くして電圧印加に対する放電発生の優れた応答性を実現するとともに、その放電遅れ時間の温度に対する変化を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のPDPの製造方法は、基板上に形成した走査電極および維持電極を覆うように誘電体層を形成し、誘電体層上に保護層を形成したPDPの製造方法であって、前記保護層を形成する工程が炭化珪素を含む酸化マグネシウムを用いた工程であり、前記炭化珪素の濃度範囲が40重量ppm〜12000重量ppmであることを特徴とする。
このような製造方法によれば、高速応答性に優れ、放電遅れ時間に対しての温度依存性を抑制したPDPの保護層を形成することができる。
本発明によれば、放電遅れ時間が短く電圧印加に対する放電発生の優れた応答性を有するとともに、その放電遅れ時間の温度に対する変化を抑制することができ、良好な画像を表示できるPDPを得ることができる。
本発明の第1の実施の形態におけるPDPの一部を示す斜視図 同PDPを用いた画像表示装置の一例を示すブロック図 同PDPの駆動波形を示すタイムチャート 本発明の第2の実施の形態におけるPDPの放電遅れ時間の活性化エネルギーを示す特性図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における交流面放電型のPDPの一部を切り欠いて示す斜視図である。このPDPは、前面パネル1と背面パネル2とを対向配置してそれらの間に放電空間3を形成し、放電空間3にネオンおよびキセノン等からなる放電ガスを封入して構成されている。
前面パネル1は次のような構成である。すなわち、ガラス製の基板である前面基板4上に、ストライプ状の走査電極5とストライプ状の維持電極6とからなる表示電極7を複数形成し、隣接する表示電極7の間に遮光層8を形成している。そして、表示電極7および遮光層8を覆うように誘電体層9を形成し、誘電体層9上にはその表面を覆うように、炭素(C)および珪素(Si)を含む酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層10を形成している。
また、背面パネル2は次のような構成である。すなわち、ガラス製の基板である背面基板11上に、走査電極5および維持電極6と直交するようにストライプ状のアドレス電極12を複数形成し、アドレス電極12を覆うように電極保護層13を形成している。そして、この電極保護層13上であってアドレス電極12の間に位置するように、アドレス電極12と平行な隔壁14を設け、隔壁14の間に蛍光体層15を形成している。電極保護層13は、アドレス電極12を保護し、蛍光体層15が発生する可視光を前面パネル1側に反射する作用を有している。
各表示電極7は1つのラインを構成し、表示電極7とアドレス電極12とが交差する部分に放電セルが形成される。各放電セルの放電空間3内で放電を発生させ、放電に伴って蛍光体層15から発生する赤、緑、青の3色の可視光が、前面パネル1を透過することにより、表示が行われる。
図2は、図1に示すPDPを用いた画像表示装置の一例を示すブロック図である。図2に示すように、PDP16のアドレス電極12にアドレス電極駆動部17が接続され、PDP16の走査電極5に走査電極駆動部18が接続され、PDP16の維持電極6に維持電極駆動部19が接続されている。
図3は、PDPの駆動波形を示すタイムチャートである。一般に交流面放電型のPDPでは、1フィールドの映像を複数のサブフィールドに分割することによって階調表現を行う方式が用いられている。そして、この方式では、各放電セルでの放電を制御するために、1サブフィールドをセットアップ期間、アドレス期間、サステイン期間およびイレース期間からなる4つの期間によって構成する。図3は、1サブフィールド中の駆動波形を示すタイムチャートである。
図3において、セットアップ期間では、放電を生じやすくするために、PDP内の全放電セルに均一に壁電荷を蓄積させる。アドレス期間では、点灯させる放電セルの書き込み放電を行う。サステイン期間では、アドレス期間で書き込まれた放電セルを点灯させ、その点灯を維持させる。イレース期間では、壁電荷を消去させることによって放電セルの点灯を停止させる。
セットアップ期間では、走査電極5に初期化パルスを印加することにより、走査電極5に、アドレス電極12および維持電極6よりも高い電圧を印加し、放電セル内で放電を発生させる。その放電によって発生した電荷は、アドレス電極12、走査電極5および維持電極6間の電位差を打ち消すように放電セルの壁面に蓄積される。その結果、走査電極5付近の保護層10表面には負の電荷が壁電荷として蓄積され、また、アドレス電極12付近の蛍光体層15表面および維持電極6付近の保護層10表面には、正の電荷が壁電荷として蓄積される。この壁電荷により、走査電極5−アドレス電極12間、走査電極5−維持電極6間には所定の値の壁電位が生じる。
アドレス期間では、放電セルを点灯させる場合、走査電極5に走査パルスを印加し、アドレス電極12にデータパルスを印加するが、走査電極5にアドレス電極12および維持電極6に比べて低い電圧を印加する。すなわち、走査電極5−アドレス電極12間に、壁電位と同方向に電圧を印加するとともに、走査電極5−維持電極6間にも壁電位と同方向に電圧を印加することにより、書き込み放電を発生させる。その結果、蛍光体層15表面と維持電極6付近の保護層10表面には負の電荷が蓄積され、走査電極5付近の保護層10表面には正の電荷が壁電荷として蓄積される。これにより維持電極6−走査電極5間には、所定の値の壁電位が生じる。
サステイン期間では、まず走査電極5に維持パルスを印加することにより、維持電極6に比べて高い電圧を走査電極5に印加する。すなわち、維持電極6−走査電極5間に、壁電位と同方向に電圧を印加することにより維持放電を生じさせる。その結果、放電セルの点灯を開始させることができる。続いて、維持電極6−走査電極5間の極性が交互に入れ替わるように維持パルスを印加することで、断続的にパルス発光させることができる。
イレース期間では、幅の狭い消去パルスを維持電極6に印加することで不完全な放電が発生し、壁電荷が消滅するため、消去が行われる。
ここで、アドレス期間では、走査電極5−アドレス電極12間に書き込み放電を行うための電圧を印加してから、書き込み放電が生じるまでが放電遅れとなる。この放電遅れによって、走査電極5−アドレス電極12間に書き込み放電を行うための電圧を印加している時間(アドレス時間)内に書き込み放電が起こらなかった場合には書き込みミスとなって、維持放電が生じず、表示のちらつきとなって画像に現れてくる。また、さらなる高精細化が進んだ場合、各走査電極5に割り当てられるアドレス時間は短くなり、書き込みミスが生じる確率が高くなる。
本発明の第1の実施の形態におけるPDPは、保護層10の構成材料に特徴がある。次にその内容について、真空蒸着法を用いて保護層を形成する場合について説明する。
上述したような保護層10を形成する際の真空蒸着法に用いる装置は、一般に仕込み室、加熱室、蒸着室、冷却室から構成され、基板をこの順に搬送して、MgOからなる保護層10を蒸着により形成している。このとき、本発明の実施の形態では、蒸着源となるCおよびSiを含むMgOの蒸着材料を、酸素雰囲気中でピアス式電子ビームガンを用いて加熱して蒸発させ、基板上に堆積させる成膜工程により保護層10を形成する。ここで、成膜工程における電子ビーム電流量、酸素分圧量、基板温度等を任意に設定する。以下に成膜の設定条件の一例を示す。
到達真空度:5.0×10-4Pa以下
蒸着時基板温度:200℃以上
蒸着時圧力:3.0×10-2Pa〜8.0×10-2Pa
ここで、保護層用材料としては、MgOの焼結体とSiの粉末およびCの粉末とを混合した蒸着材料を用意した。このとき、添加するSiの粉末およびCの粉末の濃度をそれぞれ変化させた複数種類の蒸着材料を用意した。そして、この複数種類の蒸着材料をそれぞれ用いて保護層10を蒸着した複数種類の基板を作製し、これら各基板を用いてそれぞれPDPを作製した。
また、各PDPの保護層10を2次イオン質量分析法(SIMS)にて分析することにより、保護層10中に含まれるCおよびSiの濃度を求めた。このときイオン注入によってSiあるいはCを注入したMgO膜を標準試料として用いることによって、SIMS分析によって得られた保護層10中に含まれるCおよびSiの濃度を単位体積あたりの原子数に換算している。
そして雰囲気温度が−5℃〜80℃の環境下において、各PDPの放電遅れ時間を計測し、この計測結果から温度に対する放電遅れ時間のアレニウスプロットを作成して、その近似した直線から保護層10中のSi濃度、C濃度に対する放電遅れ時間の活性化エネルギーを求めた。
ここでいう放電遅れ時間とは、アドレス期間において走査電極5−アドレス電極12間に電圧を印加してから放電(書き込み放電)が起きるまでの時間である。各PDPにおいて書き込み放電を発生させながら観察し、書き込み放電による発光の強度がピークを示した時間を放電が起きた時間とし、その書き込み放電による発光の100回分を平均化することにより放電遅れ時間を計測した。
また、活性化エネルギーは温度に対する特性(本実施の形態では放電遅れ時間)の変化を示す数値であり、活性化エネルギーの値が低くなるほど温度に対して特性が変化しないということになる。
以上のようにして得られた結果として、保護層10中に含まれるSi濃度、C濃度に対する活性化エネルギーの値を表1に示す。
Figure 0005126166
ここで、従来の例は、MgOの焼結体にSiのみを300重量ppm添加した蒸着材料を用いて蒸着した保護層を有するPDPである。この従来の例のPDPの保護層をSIMSにて分析したところ、保護層中にSiの原子数が1×1020個/cm程度含まれていた。表1においては、この従来の例のPDPでの放電遅れ時間の活性化エネルギーの値を1とし、各PDPでの放電遅れ時間の活性化エネルギーを相対値で示している。なお、MgOの焼結体にSiのみを添加した蒸着材料を用いた場合の活性化エネルギーの値は、Siの添加濃度によらずほぼ一定であった。
表1において、Si濃度が7×1021個/cmおよび1.2×1022個/cmのPDPでは放電遅れ時間が大きくなるか、あるいは放電に必要な電圧値が異常に高くなり、従来の設定電圧値では画像表示ができなくなった。このため、保護層10中のSi濃度は5×1018個/cm〜2×1021個/cmの範囲が好ましい。また、保護層10中のC濃度が大きくなると活性化エネルギーの値が小さくなる傾向にあることがわかる。Si濃度が小さい場合にはC濃度が小さくても活性化エネルギーがかなり小さくなるが、Si濃度が大きい場合において活性化エネルギーをかなり小さくするためには、C濃度をある程度大きくする必要があることがわかる。このように、活性化エネルギーをかなり小さくするためには、保護層10中のSi濃度が大きいとそれに応じてC濃度を大きくするのが好ましい。特に、表1中の下線をつけたデータに示すように、C濃度/Si濃度≧1の範囲、すなわち保護層10中のCの原子数がSiの原子数以上となる場合、活性化エネルギーがかなり小さくなっていることがわかる。
したがって、PDPの保護層10中にSiおよびCを含ませることによって、放電遅れ時間を短くできるとともに放電遅れ時間の温度に対する変化を抑制することができる。以上の結果より、好ましい濃度範囲はSi濃度が5×1018個/cm〜2×1021個/cm、C濃度が1×1018個/cm〜2×1021個/cmである。またさらに、C濃度/Si濃度≧1の条件を満たす保護層10を有するPDPでは、活性化エネルギーをかなり小さくすることができ、放電遅れ時間の温度に対する変化を効果的に抑制することができる。
また、保護層10の最表面から膜厚方向に200nmの深さまでの間の一部において上記濃度範囲の箇所が存在すれば、上記の効果を得ることができることを確認している。
さて、上記に示したSi、Cの濃度範囲を有する保護層10を作製するためには蒸着材料中にSi、Cそれぞれの粉末を添加する必要があるが、これはSi単体、C単体の粉末でも可能であり、あるいはそれぞれの化合物でもよい。化合物の例として、例えば、SiO、Al、BCを挙げることができる。また、蒸着源となる蒸着材料への添加量は蒸着条件によって異なるため、成膜後にSIMSを用いて分析することによって確認する必要がある。表2には本実施の形態で用いた蒸着源に対するSiの添加濃度と保護層10中のSi原子数を示し、表3には本実施の形態で用いた蒸着源に対するCの添加濃度と保護層10中のC原子数を示す。
Figure 0005126166
Figure 0005126166
表2に示すように本実施の形態においては、蒸着源に添加する濃度を、Si粉末の場合には7重量ppm〜8000重量ppm、SiO粉末の場合には14重量ppm〜17200重量ppmとすることで、保護層10中のSi濃度をほぼ5×1018個/cm〜2×1021個/cmとすることができる。また、表3に示すように、蒸着源に添加する濃度を、C粉末の場合には5重量ppm〜1500重量ppm、Al粉末の場合には19重量ppm〜6000重量ppm、BC粉末の場合には22重量ppm〜7000重量ppmとすることで、保護層10中のC濃度をほぼ1×1018個/cm〜2×1021個/cmとすることができる。ここで、SiO粉末を14重量ppm〜17200重量ppm添加した蒸着源には、ほぼ7重量ppm〜8000重量ppmのSiが含まれている。また、Al粉末を19重量ppm〜6000重量ppm添加した蒸着源には、ほぼ5重量ppm〜1500重量ppmのCが含まれており、BC粉末を22重量ppm〜7000重量ppm添加した蒸着源には、ほぼ5重量ppm〜1500重量ppmのCが含まれている。
(第2の実施の形態)
蒸着源である蒸着材料の作成方法としては、MgOの結晶体あるいは焼結体に上記粉末を混合する方法や、あるいは母剤となるMgO粉末に、表2あるいは表3に記載した粉末を混合した後に焼結体とする方法がある。
第1の実施の形態では、蒸着源にSi、Cそれぞれの粉末を添加した場合について説明したが、炭化珪素(SiC)を添加した蒸着源を用いてもよい。SiCを添加する場合、第1の実施の形態のように保護層10中のSi濃度およびC濃度を独立して制御することはできないが、SiおよびCを含む保護層10を得ることができる。
ここで、本実施の形態では、保護層用材料として、MgOの焼結体とSiCの粉末とを混合した蒸着源を用いて保護層10を形成し、この保護層10を有するPDPを作製した。そして、各PDPの放電遅れ時間の活性化エネルギーを第1の実施の形態と同様に求めた。この結果を図4に示す。図4においても、第1の実施の形態と同じく、MgOにSiのみを300重量ppm添加した場合を従来の例とし、この活性化エネルギーの値を1として示している。
図4に示すように、蒸着源へのSiCの添加濃度を40重量ppm以上とすると、Siのみを添加した従来の例に比べ活性化エネルギーの値が低下する。しかしながら、添加濃度を15000重量ppm以上では放電遅れ時間が大きくなるか、あるいは放電に必要な電圧値が異常に高くなり、従来の設定電圧値では画像表示ができなくなった。すなわち、SiCの濃度を40重量ppm〜12000重量ppmとしたMgO蒸着源を用いて形成された保護層10を有するPDPでは、従来の設定電圧値を変更することなく画像表示を行うことができ、優れた電子放出能力が得られ、放電遅れ時間の温度に対する依存性を抑制することができる。なお、SiCの濃度を40重量ppm〜12000重量ppmとしたMgO蒸着源を用いて形成された保護層10中では、Si濃度がほぼ5×1018個/cm〜2×1021個/cmであり、C濃度がほぼ1×1018個/cm〜1×1021個/cmであった。
以上の説明からわかるように、PDPの保護層10中にSiおよびCを含ませることによって、放電遅れ時間を短くできるとともに放電遅れ時間の温度に対する依存性を抑制することができる。また、MgOからなる保護層10中に含まれるSiの原子数が5×1018個/cm〜2×1021個/cmであり、Cの原子数が1×1018個/cm〜2×1021個/cmであるPDPでは、従来の設定電圧値を変更することなく画像表示を行うことができ、放電遅れ時間の温度に対する依存性を抑制することができる。さらに、Cの原子数がSiの原子数以上である保護層10を有するPDPでは、活性化エネルギーを小さくして放電遅れ時間の温度に対する依存性を効果的に抑制することができる。
これらの現象は明確ではないが、SiだけでなくSiおよびCをMgOに添加することによって、温度特性を強くしていた要因を排除できたためであると考えられる。また、本発明の実施の形態による保護層は、価電子帯と伝導帯との間に不純物準位を形成し、優れた電子放出能力を有して、放電遅れ時間が短くなり電圧印加に対する放電発生の応答性に優れる。そのため、ちらつきの視認されない良好な画像を表示できる。
なお、上記の保護層の製造方法では蒸着法について説明したが、この蒸着法に限らず、スパッタ法やイオンプレーティング法等を用いることが可能であり、この場合にもターゲット材料、および原材料の成分制御を行い、上記の材料を用いて成膜すればよい。
また、あらかじめ成分制御を行った保護層用材料を用いる方法ではなく、保護層の成膜中に元素を添加するようにしてもよい。例えば、蒸着法によって保護層を成膜する際に、雰囲気ガスとしてSi、Cを含むガスを用いるようにしてもよい。
さらに、保護層を成膜して形成した後、その保護層にC元素およびSi元素を添加するようにしてもよく、その方法としてイオン注入法が挙げられる。この場合、まず高純度のMgOを成膜し、その後、C元素およびSi元素のイオン注入を行う。イオン注入法を用いることにより、的確に濃度規定されたC元素およびSi元素を含む保護層を形成することができる。イオン注入を行うときの設定条件の一例を示す。
ドーズ量:1011/cm2〜1016/cm
加速電圧:10keV〜150keV
また、保護層の成膜後に元素を添加する他の方法として、C、Siを含むガス雰囲気中でのプラズマドープによる方法や、高純度のMgOを成膜した後にSi、Cを成膜し、熱拡散を行う方法を採用することが考えられる。
以上のように本発明によれば、放電遅れ時間が短く電圧印加に対する放電発生の優れた応答性を有するとともに、その放電遅れ時間の温度に対する変化を抑制することができ、良好な画像を表示できるPDPを得るのに有用である。
1 前面パネル
2 背面パネル
4 前面基板
5 走査電極
6 維持電極
9 誘電体層
10 保護層

Claims (1)

  1. 基板上に形成した走査電極および維持電極を覆うように誘電体層を形成し、前記誘電体層上に保護層を形成したプラズマディスプレイパネルの製造方法において、前記保護層を形成する工程が炭化珪素を含む酸化マグネシウムを用いた工程であり、前記炭化珪素の濃度範囲が40重量ppm〜12000重量ppmであることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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