JP5125957B2 - 音域特定システム、プログラム - Google Patents
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Description
この種のカラオケ装置の中には、ユーザが歌唱可能な音域を特定し、その特定した歌唱可能な音域をユーザに報知するものがある。
が歌唱可能な歌唱音域として特定する。
つまり、本発明の音域特定システムにおいて、集計安定度を正規化した場合、その集計安定度の分布は、歌唱の上手なユーザほど、各歌唱区間に対応する構成音の音高それぞれの集計結果(即ち、集計安定度)が最大値に近い値となる。一方、集計安定度の分布において、歌唱の下手なユーザほど、最大値と、最大値に対応しない音高それぞれの集計結果(即ち、集計安定度)との値の差が大きくなる。
このため、本発明の音域特定システムにおける音域特定手段は、請求項3に記載のように、歌唱区間に対応する構成音の音価が長いほど、歌唱安定度に大きな重みを付して集計するように構成されていることが望ましい。
そして、本発明の音域特定システムにおける安定度導出手段は、請求項4に記載のように、歌唱データを歌唱区間毎に周波数解析することで音高を検出し,音高の時間変化に含まれるビブラート振動成分から振動数ピークの先鋭度を歌唱安定度として導出するように構成されていても良い。
なされていない場合には、先鋭度は小さな値となる。
ただし、この場合、本発明のプログラムは、ユーザによる楽曲の歌唱時における音声信号を取得する音声信号取得手順と、その取得した音声信号を周波数解析することで、歌唱の音高の推移を表す歌唱データを生成する歌唱データ生成手順と、楽曲を構成する構成音それぞれの音高及び音価を表す楽曲データを取得する楽曲データ取得手順と、歌唱データ生成手順で生成した歌唱データを、楽曲データと照合することで、歌唱区間を特定する歌唱区間特定手順と、歌唱区間特定手順で特定された歌唱区間それぞれでのビブラートの安定度合いを表す歌唱安定度を導出する安定度導出手順と、その導出された歌唱安定度を、それぞれの歌唱区間に対応する構成音の音高毎に集計し、その集計された歌唱安定度が、予め規定された規定値以上である最低音高から最高音高までの範囲を、ユーザが歌唱可能な歌唱音域として特定する音域特定手順とを含んでいる必要がある。
また、このような本発明のプログラムによれば、例えば、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードさせて起動することや、必要に応じて通信回線を介してコンピュータに取得させて起動することにより用いることができる。
まず、図1は、本発明が適用されたカラオケシステムの概略構成を示すブロック図である。
〈カラオケシステム全体の構成〉
カラオケシステム1は、カラオケ用に予め加工された楽曲(以下、カラオケ楽曲とする)の演奏に応じてユーザが歌唱するためのものである。
用したユーザに関する情報(以下、ユーザ情報とする)や、カラオケ装置20から送信されたカラオケ採点の結果及びユーザの使用履歴等を一元管理する共に、カラオケ装置20からの要求に対して楽曲データやカラオケ処理プログラムを送信するように構成されている。
また、ガイドメロディは、カラオケ楽曲の旋律を形成する各構成音の音高、及び音価から構成されている。具体的に、本実施形態のガイドメロディは、各構成音それぞれの楽音出力開始時間及び楽音出力終了時間が、各構成音の音高と共に表されている。ただし、ここで言う楽音出力開始時間とは、構成音の出力を開始するカラオケ楽曲の演奏開始からの時間であり、楽音出力終了時間とは、構成音の出力を終了するカラオケ楽曲の演奏開始からの時間である。
〈カラオケ装置について〉
次に、カラオケ装置20の構成について説明する。
理プログラムを格納するプログラム格納領域と、楽曲データを記憶する楽曲データ格納領域と、音声データを記憶する特定用データ格納領域とを備えている。なお、特定用データ格納領域は、予め規定された規定数(例えば、5曲分)分のカラオケ楽曲に対する音声データを格納する音声データ格納領域が、予め設定されたユーザ数(例えば、5人分)分だけ用意されたものである。
カラオケシステム1が使用される場合、カラオケ装置20では、ユーザ情報処理プログラムを実行して、当該カラオケ装置20を利用するユーザの人数分のユーザ情報を受け付け、その受け付けたユーザ情報それぞれを各音声データ格納領域と対応付ける。
該当カラオケ楽曲と称す)に応じてユーザが歌唱する。そして、該当カラオケ楽曲の演奏が終了すると、制御部28では、CPU28cが蓄積処理プログラムを実行して、ユーザの歌唱音声から生成した音声データを、該当カラオケ楽曲の曲番号データと対応付けた上で(以下、音声データと、曲番号データとが対応付けられたデータを対応データとも称す)、音声データ格納領域に格納する。ただし、対応データが格納される音声データ格納領域は、該当カラオケ楽曲に対して歌唱を実行したユーザのユーザ情報に対応付けられたものである。これにより、音声データと、曲番号データと、ユーザ情報とが対応付けられることになる。
〈歌唱音域特定処理〉
次に、CPU28cが実行する歌唱音域特定処理について説明する。
この歌唱音域特定処理は、記憶部21の音声データ格納領域に規定数の音声データが格納された場合、即ち、一人のユーザが規定数分のカラオケ楽曲を歌唱した場合に起動されるものである。
さらに、S130では、S120での周波数解析の結果(周波数スペクトル)に基づいて、該当カラオケ楽曲をユーザが歌唱した時の基本周波数f0の時間遷移を表し、本発明の歌唱データに相当する基本周波数遷移f0v(t)を導出する。
続くS140では、S110で取得した音声データと対応付けられている曲番号データ
に従って、該当カラオケ楽曲のガイドメロディを記憶部21から取得する。
このように、ガイドメロディ音高と、基本周波数遷移f0v(t)との照合から、時間遅延量tl(k)の算出までの一連の流れを、カラオケ楽曲の時間進行に従って(即ち、kが1からkが最大となるまで、kを順次増加させながら)繰り返す。これにより、全構成音についての時間遅延量tl(k)が求められる。
データの中から、規定処理を未実行である音声データを取得して、S120へと進む。
そのS180では、安定度分布導出処理(S160)にて導出した歌唱安定度分布に従って、歌唱音域を特定する。
〈安定度分布導出処理〉
ここで、図3は、安定度分布導出処理の処理手順を表したフローチャートである。
なお、対応期間T(k)は、k番目の構成音に対する歌唱時切替タイミング(即ち、楽音出力開始時間st(k)+時間遅延量tl(k))を、その対応期間T(k)の開始タイミングとする。さらに、対応期間T(k)の時間長tt(k)は、k番目の構成音に対する歌唱時切替タイミングと、k+1番目の構成音に対する歌唱時切替タイミングとの差として求められ、0[s]から、k番目の構成音の音価(即ち、構成音を出力している時間)len(k)[s]までの範囲内となる。すなわち、k番目の構成音について、ユーザが全期間にわたって歌唱できれば、時間長tt(k)は構成音の音価len(k)[s]となり、ユーザが全期間にわたって歌唱できなければ、時間長tt(k)は0[s]となる。
具体的に、本実施形態のS330では、ビブラートスペクトルにおける振動数ピークを検出し、さらに、検出した振動数ピークの中から、振幅値P0(g)が最大値P0mとなる振動数ピークを最大振動数ピークとして検出する。なお、振動数ピークを検出する手法としては、ビブラートスペクトル上において、予め設定された設定閾値を超える振動数のピーク点(即ち、極大点)を振動数ピークとして検出すれば良い。
続く、S340では、S330で導出した歌唱安定度vsi(k)に基づいて、歌唱安定度分布を生成する。
以上説明したように、本実施形態の歌唱音域特定処理(安定度分布導出処理)では、各構成音に対してユーザが実際に歌唱した対応期間T(k)についての基本周波数遷移f0v(t)(即ち、歌唱区間f0vn(t))を周波数解析することでビブラートスペクトルを導出する。さらに、歌唱音域特定処理では、そのビブラートスペクトルから最大振動数ピークを検出して、最大振動数ピークの先鋭度Qを歌唱安定度vsi(k)として導出する。
[実施形態の効果]
つまり、本実施形態のカラオケ装置20では、ビブラートによる発声方法でユーザが安定して歌唱できる音高の範囲を歌唱音域として特定している。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
また、上記実施形態の安定度分布導出処理におけるS340では、集計安定度mvsi(f)を導出する時に、構成音の音価が長いほど大きな重みを付して歌唱安定度vsi(k)を集計していたが、重み付けは実行しなくとも良い。
この場合、ユーザがビブラートにて安定して発声可能な構成音の音価(時間長)を特定することができる。
[本発明と実施形態との対応]
ところで、歌唱音域特定処理のS110を実行することで得られる機能が、本発明の音声信号取得手段に相当し、S120,S130を実行することで得られる機能が、本発明の歌唱データ生成手段に相当する。また、歌唱音域特定処理のS150、及び安定度分布導出処理のS310を実行することで得られる機能が、本発明の歌唱区間特定手段に相当し、安定度分布導出処理のS320,S330を実行することで得られる機能が、本発明の安定度導出手段に相当する。さらに、安定度分布導出処理のS340、及び歌唱音域特定処理のS180を実行することで得られる機能が、本発明の音域特定手段に相当する。
Claims (5)
- ユーザによる楽曲の歌唱時における音声信号を取得する音声信号取得手段と、
前記音声信号取得手段で取得した音声信号を周波数解析することで、歌唱の音高の推移を表す歌唱データを生成する歌唱データ生成手段と、
前記楽曲を構成する構成音それぞれの音高及び音価を表す楽曲データを取得する楽曲データ取得手段と、
前記歌唱データ生成手段で生成した歌唱データを、前記楽曲データと照合することで、前記構成音それぞれに対応する前記歌唱データ中の区間である歌唱区間を特定する歌唱区間特定手段と、
前記歌唱区間特定手段で特定された歌唱区間それぞれでのビブラートの安定度合いを表す歌唱安定度を導出する安定度導出手段と、
前記安定度導出手段で導出された歌唱安定度を、それぞれの歌唱区間に対応する構成音の音高毎に集計し、その集計された歌唱安定度を集計安定度とし、前記集計安定度が、予め規定された規定値以上である最低音高から最高音高までの範囲を、前記ユーザが歌唱可能な歌唱音域として特定する音域特定手段と
を備えることを特徴とする音域特定システム。 - 前記音域特定手段は、
前記集計安定度を正規化すると共に、
その正規化された前記集計安定度の最大値に対して予め規定された割合を前記規定値とすることを特徴とする請求項1に記載の音域特定システム。 - 前記音域特定手段は、
前記歌唱区間に対応する構成音の音価が長いほど、前記歌唱安定度に大きな重みを付して集計することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音域特定システム。 - 前記安定度導出手段は、
前記歌唱データを歌唱区間毎に周波数解析することで音高を検出し,音高の時間変化に含まれるビブラート振動成分から振動数ピークの先鋭度を前記歌唱安定度として導出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の音域特定システム。 - コンピュータに、
ユーザによる楽曲の歌唱時における音声信号を取得する音声信号取得手順と、
前記音声信号取得手順で取得した音声信号を周波数解析することで、歌唱の音高の推移を表す歌唱データを生成する歌唱データ生成手順と、
前記楽曲を構成する構成音それぞれの音高及び音価を表す楽曲データを取得する楽曲データ取得手順と、
前記歌唱データ生成手順で生成した歌唱データを、前記楽曲データと照合することで、前記構成音それぞれに対応する前記歌唱データ中の区間である歌唱区間を特定する歌唱区間特定手順と、
前記歌唱区間特定手順で特定された歌唱区間それぞれでのビブラートの安定度合いを表す歌唱安定度を導出する安定度導出手順と、
前記安定度導出手順で導出された歌唱安定度を、それぞれの歌唱区間に対応する構成音の音高毎に集計し、その集計された歌唱安定度が、予め規定された規定値以上である最低音高から最高音高までの範囲を、前記ユーザが歌唱可能な歌唱音域として特定する音域特定手順と
を実行させることを特徴とするプログラム。
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