JP5125457B2 - 制御装置、音響信号処理システムおよび音響信号処理装置並びに制御用プログラム - Google Patents

制御装置、音響信号処理システムおよび音響信号処理装置並びに制御用プログラム Download PDF

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この発明は、プログラム可能な複数の信号処理部を備える音響信号処理装置、音響信号処理装置における信号処理の構成を設定する制御装置および制御用プログラム、音響信号処理装置および制御装置を備える音響信号処理システムに関する。
従来から、プログラムに従って動作可能なDSP(Digital Signal Processor)を用いて音響信号処理装置を構成すると共に、音響信号処理装置に接続されているPC(パーソナルコンピュータ)において制御用プログラムを実行させることにより制御装置として機能させ、制御装置により設定した信号処理構成に基づいて、音響信号処理装置が音響信号を処理できるようにした音響信号処理システムが知られている。このような、音響信号処理システムの概要の構成を図16に示す。図16において、DME101は複数のDSPを備える音響信号処理装置であり、DME101に通信インタフェースを介して接続されているパーソナルコンピュータとされるPC100により信号処理構成を設定することができる。DME101は、PC100により設定された信号処理構成に基づいて信号ソース102から入力された音響信号に音響処理を施して図示しないアンプを介してスピーカ(SP)103に音響信号を出力することができる。
PC100においてDME101における信号処理構成を設定する際には、制御用プログラムを起動させて表示手段に図17に示すCAD110のCAD(computer-aided design)画面を表示させる。CAD110の画面には、異なる機能を有する複数の構成要素(以下、「コンポーネント」という)の組み合わせからなるDME101における信号処理構成の一例が示されている。CAD110の画面に表示されているような信号処理構成を設定する際には、図示しないウィンドウに予め用意されているコンポーネントのリストから、使用するコンポーネントをCAD100の画面上にドラッグ&ドロップして所定位置に配置し、配置されたコンポーネントの入出力間の結線を行うことにより、図17に示すような信号処理構成を設定することができる。設定された信号処理構成を示すコンフィグデータはPC100上に記憶することができると共に、DME101に送ることができる。
「DIGITAL MIXING ENGINE DME64N/DME24N 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2004年 特開2005−234801 特開2005−252686
DME101においては、信号処理構成に使用している各コンポーネントのリソースを、備えられている複数のDSPにそれぞれ割り当てることにより、信号処理を行えるようになる。この場合、DSPにおいては実行できるステップ数が例えば1024ステップ等の限りがあることから、信号処理構成に使用している各コンポーネントのリソースをどのDSPにどの順番で割り当てるかを決める処理を行うことにより、複数のDSPに各コンポーネントのリソースをそれぞれ割り当てるようにしている。この処理を以下ではコンパイルと云うことにし、コンフィグデータをコンパイルすることによりコンパイル結果ファイルが生成される。コンフィグデータのコンパイルは、PC100において実行されてコンパイル結果ファイルがDME101に送られるようになる。DME101は、PC100から送られたコンパイル結果ファイルの内容に基づいて各DSPのマイクロプログラムを生成し、生成したマイクロプログラムを各DSPが実行することにより、PC100により設定された信号処理構成がDME101において実現される。これにより、DME101に入力された音響信号に設定された信号処理構成による信号処理が施されてDME101から出力されるようになる。
従来のコンパイルでは、通常アルゴリズムに基づいてコンパイルされる。通常アルゴリズムでは、コンフィグで使用される各コンポーネントのリソースを予め想定された割当パターンにより複数の信号処理部へ割り当てるようにする。想定される代表的な割当パターンとしては、
1.コンフィグにおける複数の入力スロット(Input)のコンポーネントに、それぞれ均等に他のコンポーネントが割り当てられる事を想定して、複数の入力スロットを複数のDSPへ分散配置させ、入力スロットから結線をたどってコンポーネントを探索し、探索されたコンポーネントのリソースを各々のDSPがいっぱいになるまでアサインし、あふれたら別のDSPにアサインする割当パターン
2.入出力端子数が32in32outのように入出力端子数の多いコンポーネントを優先的にDSPにアサインする割当パターン
3.コンポーネントの識別番号(ID)順に、1つ目のDSPからコンポーネントをアサインする割当パターン
などの割当パターンとされる。
従来の通常アルゴリズムによるコンパイル処理のフローチャートを図18に示す。
PC100において設定されたコンフィグデータをコンパイルする指示がされた際に、コンパイル処理が起動されステップS100において想定している全ての割当パターンを試したか否かが判断される。初回においては全ての割当パターンを試していないことからステップS101に進み想定した最初の割当パターンを用いた通常アルゴリズムによるコンパイルが行われる。次いで、ステップS102にてコンパイルできたか否かが判断される。ここで、コンフィグで使用される全てのコンポーネントのリソースをDSPに割り当てることができた場合は、コンパイルできたと判断されてステップS103に進み、各コンポーネントをいずれかのDSPに割り当てた情報からなるコンパイル結果ファイルが作成されてコンパイルは終了する。作成されたコンパイル結果ファイルを備えられた記憶手段に保存することができる。
また、コンフィグにおける全てのコンポーネントのリソースをDSPに割り当てることができず、ステップS102においてコンパイルできなかったと判断された場合は、ステップS100に分岐して戻り、ステップS100およびステップS101において次の割当パターンを用いた通常アルゴリズムによるコンパイルが行われる。このような処理が、ステップS102においてコンパイルできたと判断されるまで繰り返し行われる。そして、コンパイルできたと判断されるとステップS103に進み、コンパイル結果ファイルが作成されてコンパイルは終了する。また、全ての割当パターンを試してもステップS102においてコンパイルできたと判断されない場合は、ステップS100において全ての割当パターンを試したと判断されてステップS104に分岐し、コンパイルが失敗したことがユーザに通知されコンパイルは終了する。このユーザーへの通知は、表示画面にメッセージ等を表示することにより行われる。なお、コンパイル結果のファイルが作成された場合は、当該ファイルがDME101に送信される。しかし、コンパイルが失敗した場合はDME101にはコンパイル結果ファイルが送られず、DME101では信号処理を行うことができないことになる。
従来の通常アルゴリズムによるコンパイルでは、コンフィグにおける全てのコンポーネントのリソース量が複数のDSPに割り当てられるリソース量の合計以内であっても、コンパイルできない場合があるという問題点があった。また、膨大なコンポーネントの数からなるコンフィグが設定された場合は、従来の通常アルゴリズムによるコンパイルでは、ほとんどコンパイルすることができないという問題があった。
そこで、本発明は、コンフィグにおける全てのコンポーネントのリソース量が少ない場合でも多い場合でも極力コンパイルできるようにした制御装置、音響信号処理システムおよび音響信号処理装置並びに制御用プログラムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、コンフィグで使用される各コンポーネントのリソースを予め想定された割当パターンにより複数の信号処理部へ割り当てる通常アルゴリズムと、該通常アルゴリズムによるコンパイルに失敗した場合に実行され、コンフィグで使用される各コンポーネントのリソースを複数の信号処理部へ最適化して割り当てる最適化アルゴリズムとを有し、設定されたコンフィグのコンフィグデータおよび複数の信号処理部のいずれに複数のコンポーネントのリソースをそれぞれ割り当てるかの割り当て情報が少なくとも含まれているプロジェクトファイルに、コンパイルに使用したアルゴリズムの種類およびパラメータ値を少なくとも含むコンパイル情報を記録するようにしたことを最も主要な特徴としている。
本発明によれば、予め想定されたコンポーネントの組み合わせのパターンに基づいてコンパイルを行う通常アルゴリズムによるコンパイルに失敗しても、コンフィグで使用される各コンポーネントのリソースを複数の信号処理部へ最適化して割り当てる最適化アルゴリズムによりコンパイルすることができることから、コンフィグにおける全てのコンポーネントのリソース量が少ない場合でも多い場合でも極力コンパイルすることができるようになる。
本発明の実施例にかかる音響信号処理装置(DME)1の構成を示すブロック図を図1に示す。
音響信号処理装置1は、CPU10,ROM(Read Only Memory)11,RAM(Random Access Memory)12,操作子13,検出回路14,表示器15,表示回路16,通信インタフェース(I/F)17,音声インタフェース(I/F)18,信号処理部(DSP:Digital Signal Processor)21を備え、これらが通信バス22によって接続されている。音響信号処理装置1は、外部機器18とされる制御装置から通信I/F17を介して受信した後述するコンパイル結果ファイルの内容に従って、DSP21を制御するためのマイクロプログラムを生成し、そのマイクロプログラムに従ってDSP21を動作させることにより、外部機器20から音声I/F19を介して入力される音響信号に対して種々の信号処理をDP21において施し、音声I/F19を介して他の外部機器20に出力する機能を有している。
CPU10は、音響信号処理装置1の全体を制御する制御手段であり、ROM11に記憶された制御用プログラムを実行することにより、表示器15における表示を表示回路16により制御したり、操作子13の操作を検出回路14により検出して、その操作に従ってパラメータの値を変更する処理を行う。さらに、制御装置から通信I/F17を介して受信したコンパイル結果ファイルの内容に従って、DSP21を制御するためのマイクロプログラムを生成してDSP21に設定する処理を行う。ROM11には、CPU10が実行する制御用プログラムや予め用意されているデータ等が記憶されている。このROM11をフラッシュメモリ等の書き換え可能なROMとすることで、制御用プログラムの書き換えを可能とすることができ、制御用プログラムのバージョンアップを容易に行うことができる。
RAM13には、CPU10のワークメモリや制御装置から受信した信号処理構成を示す情報等のデータを記憶する記憶エリアが設定されている。表示回路16は、液晶ディスプレイ(LCD)等からなる表示器15に表示を行う表示回路である。検出回路14は、キー、スイッチ、ロータリーエンコーダ等によって構成される操作子13を走査することによって操作子13のイベントを検出して、イベントのあった操作子13に対応するイベント出力を出力している。操作子13は、ユーザが音響信号処理装置1を直接操作してシーンの編集等を行うための操作子である。通信I/F17は、外部機器18として音響信号処理装置1を制御する制御装置を接続し通信を行うためのインタフェースであり、イーサネット(登録商標)などのネットワーク用のインタフェースとされている。音声I/F19は、音響信号を出力したり入力する外部機器20との間で音響信号を授受するためのネットワーク用のインタフェースである。DSP21は複数のプロセッサからなり、音声I/F19を介して入力される音響信号に対し、複数のプロセッサのそれぞれに設定されているマイクロプログラム及びその処理パラメータに従った信号処理を施して、音声I/F19を介して出力する信号処理部である。
本発明の実施例にかかる音響信号処理装置1を制御する制御装置2の構成を示すブロック図を図2に示す。
制御装置2は、音響信号処理装置1の信号処理構成を設定することができ、設定した信号処理構成を示す情報を音響信号処理装置1に送ることができる。図2に示す制御装置2はパーソナルコンピュータ(PC)と同様の構成とされており、CPU(Central Processing Unit)23は制御装置2の全体の動作を制御すると共に、制御用プログラム等の動作ソフトウェアを実行している。ROM25には、CPU23が実行する制御用プログラム等の動作ソフトウェアが格納されており、RAM24には、CPU23のワークエリアや設定した信号処理構成を示すコンフィグデータやコンフィグデータを含むプロジェクトファイル等を記憶する記憶エリアが設定されている。このROM25をフラッシュメモリ等の書き換え可能なROMとすることで、動作ソフトウェアの書き換えを可能とすることができ、制御用プログラムや動作ソフトウェアのバージョンアップを容易に行うことができる。なお、図示されていないがハードディスク装置等の大容量記憶装置を備えており大容量記憶装置にオペレーションシステム等の基本ソフトウェアやアプリケーション等のソフトウェアが記憶されている。
検出回路27は、制御装置2に設けられているキーボードやマウス等の操作子26を走査することによって操作子26のイベントを検出して、イベントのあった操作子26に対応するイベント出力を出力している。表示回路29は、起動されたアプリケーションに応じたアプリケーション画面を液晶表示器(LCD)等の表示器28に表示させており、制御用プログラムが起動された際には信号処理構成を設定できる画面等のCAD画面が表示器28に表示される。通信インターフェース(I/F)30は、イーサネット(登録商標)等のネットワークのインタフェースでありネットワーク通信ケーブルを介してネットワーク上の外部機器32とされる音響信号処理装置1等に接続可能とされている。制御装置2はネットワークに存在する外部機器32と通信を行うことにより、制御装置2と外部機器32との間で各種データの授受を行うことができる。これらの各部は通信バス31に接続されて、通信バス31を介してデータの授受を行っている。
次に、本発明の実施例にかかる音響信号処理システムの構成例を示すブロック図を図3に示す。図3においては、上記した音響信号処理装置を構成しているそれぞれのデバイスをDMEとして表し、上記した制御装置をPCとして表している。
図3に示す音響信号処理システムはゾーンを1つだけ有しており、PC2と3台のDME#1、DME#2、DME#3が接続されているネットワークを備えている。このゾーンにはDME#1、DME#2、DME#3の3台が属しており、3台のDME#1〜#3が1台の音響信号処理装置として動作することで、入力される音響信号に対して種々の信号処理が施されて出力されるようになる。ネットワークは、一般的に用いられているイーサネットにより構築されており、PC2と3台のDME#1〜#3はネットワーク上のハブ3に接続されている。PC2には本発明の実施例にかかる制御用プログラムがインストールされており、PC2において制御用プログラムを起動することにより、3台のDME#1〜#3からなる音響信号処理装置における信号処理構成、すなわちコンフィグレーション(以下、「コンフィグ」という。)の設定をすることができる。この設定は、PC2の表示器28に表示されたコンフィグ設定のCAD画面において行われ、3台のDME#1〜#3からなる音響信号処理装置のコンフィグが作成されるようになる。
次に、本発明の実施例にかかる音響信号処理システムの他の構成例を示すブロック図を図4に示す。図4においても、上記した音響信号処理装置を構成しているそれぞれのデバイスをDMEとして表し、上記した制御装置をPCとして表している。
図4に示す音響信号処理システムは、ネットワークに接続されたPC2と3つのゾーンとを備えている。第1のゾーン(Zone1)では、ルータ4に接続されているハブ3aにDME#1−1、DME#1−2、DME#1−3が接続されて第1のゾーンの音響信号処理装置が構成され、第2のゾーン(Zone2)では、ルータ4に接続されているハブ3bにDME#2−1、DME#2−2が接続されて第2のゾーンの音響信号処理装置が構成され、第3のゾーン(Zone3)では、ルータ4に接続されているハブ3cにDME#3−1、DME#3−2、DME#3−3が接続されて第3のゾーンの音響信号処理装置が構成されている。また、PC2はルータ4に接続されている。ネットワークは、一般的に用いられているイーサネットにより構築されている。PC2には本発明の実施例にかかる制御用プログラムがインストールされており、PC2において制御用プログラムを起動することにより、3台のDME#1−1〜#1−3からなる第1のゾーンの音響信号処理装置におけるコンフィグの設定、2台のDME#2−1〜#2−2からなる第2のゾーンの音響信号処理装置におけるコンフィグの設定、3台のDME#3−1〜#3−3からなる第3のゾーンの音響信号処理装置におけるコンフィグの設定をすることができる。この設定は、PC2の表示器28に表示されたコンフィグ設定のCAD画面において各ゾーンのDME毎に行われ、それぞれのゾーンにおける音響信号処理装置のコンフィグデータが作成されるようになる。各ゾーンでは、当該ゾーンに属する複数台のDMEからなる音響信号処理装置が独立して動作するようになり、各ゾーンにおいて入力される音響信号に対して種々の信号処理が施されて当該ゾーンの音響信号処理装置から出力されるようになる。
PC2において音響信号処理装置のコンフィグの設定を行う際には、まず、図5に示すコンフィグの概要を設定する画面CAD1が表示器28に表示されるようになる。図5に示す画面CAD1では、n本のマイクMIC1〜MICnからの音響信号およびミキサMIXからの複数の音響信号の信号処理を第1DME#1で行うように設定されている。そして、第1DME#1において信号処理が施された第1の複数チャンネルの音響信号の信号処理を第2DME#2で行うように設定されていると共に、第1DME#1において信号処理が施された第2の複数チャンネルの信号処理を第3DME#3で行うように設定されている。さらに、第2DME#2において信号処理が施されたm系統の出力は、ステレオのアンプ1a〜1mでそれぞれ増幅され、増幅された音響信号は左スピーカSP1La〜SP1Lmおよび右スピーカSP1Ra〜SP1Rmにそれぞれ出力されている。このような画面CAD1に示すようなコンフィグの設定が行われることにより、設定されたコンフィグに使用するDMEの台数が、第1DME#1〜第3DME#3の3台と決定される。なお、画面CAD1で設定される構成はDMEの使い方を示すだけの設定であり、使用されるDME数は決定されるが、画面CAD1に表示された構成はコンフィグデータには反映されない。
必要とするDMEの台数が画面CAD1により決まると、音響信号処理装置におけるコンフィグの詳細を各DME毎に設定する図6に一例を示す画面CAD2が表示器28に表示されるようになる。
図6に示すように、画面CAD2には第1DME#1のコンフィグの詳細を設定する画面が表示され、コンポーネントウィンドウ(Component)W−1とデザイナーウィンドウ(Designer)W−2と、リソースメータウィンドウ(Resource Meter)W−3とが表示されている。リソースメータウィンドウW−3では、DME本体のDSPメモリの合計使用率の目安がパーセント表示されると共に、デザイナーウィンドウW−2に配置したリバーブ、ディレイ、モジュレーション系エフェクト等のエフェクト用のコンポーネントとされるSPXコンポーネントのリソース使用率がパーセント表示される。このリソースメータウィンドウW−3で表示される使用されるリソース使用量の目安を確認しながらコンフィグの設計を行っていく。デザイナーウィンドウW−2の初期画面には、出力端子のみ備えるスロットインSlot#1(Slot Input)と入力端子のみ備えるスロットアウトSlot#2(Slot Output)とスロットアウトSlot#3(Slot Output)とが表示される。スロットインSlot#1は、コンフィグを設定する第1DME#1が備える物理的な入力端子および出力端子に相当しており、スロットアウトSlot#2,Slot#3は、コンフィグを設定する第1DME#1が備える物理的な出力端子に相当している。
そして、スロットインSlot#1とスロットアウトSlot#2との間、および、スロットインSlot#1とスロットアウトSlot#3との間に使用するコンポーネントを配置していく。この場合、複数種類のコンポーネントがコンポーネントウィンドウW−1に用意されており、使用するコンポーネントをコンポーネントウィンドウW−1から選択してデザイナーウィンドウW−2の所定位置にドラッグ&ドロップすることにより使用するコンポーネントが決定される。そして、決定されたコンポーネント間の出力端子と入力端子間の結線を行う。このような操作を使用する全てのコンポーネントについて行うと、図6のデザイナーウィンドウW−2に示すような信号処理の構成が設定される。この設定例の構成では、スロットインSlot#1から出力される4チャンネルの音響信号は4入力4出力の第1ミキサコンポーネント(Matrix Mixer)#1に入力され、ミキシングされた2系統のステレオ信号が出力される。第1ミキサコンポーネント#1からの1系統のステレオの出力は第1グラフィックイコライザコンポーネント(GEQ)#1に入力されて、ステレオ信号の周波数特性およびレベルが調整される。第1GEQ#1から出力されたステレオ信号は、第1ディレイコンポーネント(Delay)#1に入力され、ディレイ効果の与えられたステレオ信号がスロットアウトSlot#2に出力される。
また、第1ミキサコンポーネント#1からのもう1系統のステレオの出力は第2グラフィックイコライザコンポーネント(GEQ)#2に入力されて、ステレオ信号の周波数特性およびレベルが調整される。第2GEQ#2から出力されたステレオ信号は、第2ディレイコンポーネント(Delay)#2に入力されて、ディレイ効果の与えられたステレオ信号がスロットアウトSlot#2に出力される。さらに、スロットインSlot#1から出力される残りの4チャンネルの音響信号は4入力8出力の第2ミキサコンポーネント(Matrix Mixer)#2に入力され、8通りにミキシングされた8チャンネルが出力される。第2ミキサコンポーネント#2からの8チャンネルのミキシング出力はスロットアウトSlot#3に出力される。このデザイナーウィンドウW−2で設定された第1DME#1のコンフィグで使用される全てのコンポーネントの配置情報と、コンポーネント間の結線の情報からなるコンフィグデータはRAM24やPC2に接続されている外部記憶手段に保存することができる。なお、図示されている設定例のコンフィグにおいては、リソースメータウィンドウW−3に示されているように第1DME#1本体のDSPメモリの合計使用率が約70%、SPXリソースの使用率が約50%となっている。また、デザイナーウィンドウW−2に表示されているコンポーネント上にカーソルを置いてダブルクリックする等により、コンポーネントエディタのウィンドウが開いて当該コンポーネントのパラメータを編集することができる。
このようにしてPC2において設定された第1DME#1のコンフィグデータは第1DME#1に送られる。第1DME#1は、複数のDSPを備えておりコンフィグデータに基づいて各コンポーネントのリソースを複数のDSPのいずれかにそれぞれ割り当てることになる。この場合、各DSPにおいては実行できるステップ数が例えば1024ステップ等の限りがあることから、使用する各コンポーネントのリソースをどのDSPにどの順番で割り当てるかを決めて割り当てないと、すべてのコンポーネントのリソースがDSPに割り当てられないことが生じるおそれがある。そこで、コンフィグに使用されるすべてのコンポーネントのリソースを、第1DME#1における複数のDSPのいずれかにそれぞれ割り当てる処理を予め行うようにしている。この処理が、前述したようにコンパイルであり、コンフィグデータをコンパイルすることにより使用する全てのコンポーネントのリソースを複数のDSPのいずれかにそれぞれ割り当てた情報からなるコンパイル結果ファイルが生成される。コンフィグデータのコンパイルは、PC2において実行されてコンパイル結果ファイルが、ネットワークを介してPC2から第1DME#1に送られるようになる。第1DME#1では、PC2から送られたコンパイル結果ファイルの内容に基づいて各DSPのマイクロプログラムが生成され、生成されたマイクロプログラムを各DSPが実行することにより、PC2により設定されたコンフィグの通りの信号処理の構成が第1DME#1において実現される。これにより、第1DME#1のスロットインSlot#1に入力された音響信号に、デザイナーウィンドウW−2に示す構成により信号処理が施されて第1DME#1のスロットアウトSlot#2,Slot#3から出力されるようになる。
ところで、上記した従来の通常アルゴリズムによるコンパイルでは、コンフィグにおける全てのコンポーネントのリソース量が複数のDSPに割り当てられるリソース量の合計以内であっても、コンパイルできない場合があったり、膨大なコンポーネントの数からなるコンフィグが設定された場合は、従来の通常アルゴリズムではコンパイルすることがほぼ不可能になる。そこで、本発明にかかるPC2において実行されるコンパイルでは、まず、従来の通常アルゴリズムによるコンパイルを試し、通常アルゴリズムによりコンパイルができた場合はコンパイルを終了させる。また、通常アルゴリズムによりコンパイルができない場合は、割り当ての最適化を行う最適化アルゴリズムによりコンパイルを行う。最適化アルゴリズムによるコンパイルでは、通常アルゴリズムに比べ多くの時間を要するが、通常アルゴリズムではコンパイルできなかったコンフィグでもコンパイルすることができる可能性が飛躍的に増大する。
そして、第2DME#2および第3DME#3においても、画面CAD2に第2DME#2,第3DME#3のコンフィグの詳細を設定する画面を表示し、上記したように使用するコンポーネントを配置し、コンポーネント間の出力端子と入力端子間の結線を行うことによりコンフィグを設定していく。そして、設定された第2DME#2,第3DME#3におけるコンフィグデータは、それぞれコンパイルされコンパイル結果ファイルが、ネットワークを介してPC2からそれぞれ送られる。第2DME#2,第3DME#3では、コンパイル結果ファイルの内容に基づいて各DSPのマイクロプログラムがそれぞれ生成される。そして、生成されたマイクロプログラムを各DSPが実行することにより、PC2により設定されたコンフィグの通りの構成が第2DME#2,第3DME#3において実現される。これにより、図5に示す第1DME#1〜第3DME#3を備える音響信号処理装置が実現される。ただし、第1DME#1〜第3DME#3間の結線およびマイク、ミキサ、アンプ、スピーカの外部機器との間の結線は物理的な結線であることから、ユーザがその結線を行うようにしている。
次に、PC2で実行されるコンパイル処理のフローチャートを図7に示す。
PC2において設定されたコンフィグデータをコンパイルする指示あるいはコンフィグデータを音響信号処理装置を構成しているDMEに送る指示がされた際に、図7に示すコンパイル処理が起動されステップS10において想定している全ての割当パターンを試したか否かが判断される。初回においては全ての割当パターンを試していないことからステップS11に進み想定した最初の割当パターンを用いる上記した通常アルゴリズムによるコンパイルが行われる。次いで、ステップS12にて通常アルゴリズムによりコンパイルできたか否かが判断される。ここで、使用する全てのコンポーネントのリソースを、備えられている複数のDSPのいずれかにそれぞれ割り当てることができた場合は、コンパイルできたと判断されてステップS15に進み、各コンポーネントのリソースをいずれのDSPにいずれの順番で割り当てたかの情報からなるコンパイル結果ファイルが作成されてコンパイルは終了する。作成されたコンパイル結果ファイルはRAM24上のキャッシュメモリに格納されるが、さらに他の記憶手段に保存することができる。
また、使用する全てのコンポーネントのリソースを複数のDSPに割り当てることができず、ステップS12において通常アルゴリズムではコンパイルできなかったと判断された場合は、ステップS10に分岐して戻り、ステップS10およびステップS11において次の割当パターンを用いる通常アルゴリズムによるコンパイルが行われる。このような処理が、ステップS12においてコンパイルできたと判断されるまで繰り返し行われる。そして、通常アルゴリズムによりコンパイルできたと判断されるとステップS13に進み、コンパイル結果ファイルが作成されてコンパイルは終了する。また、全ての割当パターンを試してもステップS12においてコンパイルできたと判断されない場合は、ステップS10において全ての割当パターンを試してもコンパイルできなかったと判断されてステップS13に分岐する。この場合は、通常アルゴリズムによるコンパイルができなかったことから、ステップS13では最適化アルゴリズムによるコンパイル処理が実行される。最適化アルゴリズムとしてはアニーリング(焼きなまし)法、山登り法、遺伝的アルゴリズム等を用いることができる。なお、一般に、アニーリング法は、山登り法に比べ探索効率がよいとされるうえ、遺伝的アルゴリズムなどの他の最適化アルゴリズムに比べ、実装が比較的容易であるというメリットがある。
そして、ステップS14にて最適化アルゴリズムによりコンパイルできたか否かが判断される。この場合、評価関数としてリソース用と結線用の2種類の評価関数が用意され、両方の評価関数においてそれぞれの評価値がクリアされた場合は、最適化アルゴリズムによりコンパイルできたと判断されてステップS15に進み、各コンポーネントをいずれのDSPにいずれの順番で割り当てたかの情報からなるコンパイル結果ファイルが作成されてコンパイルは終了する。作成されたコンパイル結果ファイルはRAM24上のキャッシュメモリに格納されるが、さらに他の記憶手段に保存することができる。また、両方の評価関数における評価値の一方がクリアされず、ステップS16において最適化アルゴリズムでもコンパイルできなかったと判断された場合は、ステップS16に分岐してコンパイルが失敗したことがユーザに通知されコンパイルは終了する。このユーザーへの通知は、表示器28にメッセージ等を表示することにより行われる。なお、コンパイル結果ファイルが作成された場合は、当該ファイルが音響信号処理装置を構成しているDMEに送信される。
図7に示すコンパイル処理においてステップS13で実行される最適化アルゴリズムによるコンパイル処理のフローチャートを図8に示す。
最適化アルゴリズムによるコンパイル処理が起動されると、ステップS20にて前回最適化アルゴリズムによりコンパイルした時からコンフィグに変化があったか否かが判断される。ここで、コンフィグが前回と同様とされて変化がないと判断された場合は、ステップS21に分岐して前回最適化アルゴリズムによりコンパイルしたコンパイル結果ファイルのデータがキャッシュに保存されているか否かが判断される。ここで、前回のコンパイル結果ファイルのデータがキャッシュに保存されていると判断された場合は、ステップS22に進みキャッシュ内の前回のコンパイル結果ファイルのデータがコンパイル結果とされて最適化アルゴリズムによるコンパイル処理は終了し、図7に示すコンパイル処理におけるステップS14に戻りコンパイルできたと判断される。
また、ステップS20でコンフィグが前回と変化していると判断された場合、あるいは、ステップS21で前回コンパイルしたコンパイル結果ファイルのデータがキャッシュに保存されていないと判断された場合は、ステップS23にて、コンパイルするコンフィグに対応するDMEにおける現在のリソース使用量がネットワークを介して取得される。このリソース使用量は、図6に示すリソースメータウィンドウW−3におけるDSPメモリの合計使用率とSPXコンポーネントのリソース使用率とされる。次いで、ステップS24にて取得されたりソース使用量に応じて最適化アルゴリズムにおける初期パラメータがセットされる。この場合、アニーリング法の最適化アルゴリズムとされる場合は、状態遷移確率を制御する変数である温度パラメータTがリソース使用量に応じて設定される。
次いで、ステップS25にて最適化アルゴリズムによるコンパイルが行われ、ステップS26にてコンパイルできたか否かが判断される。ステップS25における最適化アルゴリズムでは、解を繰り返し求め直すことにより最適な解を求めていくが、ステップS25における解を繰り返し求める繰り返し回数はN回までとされる。そして、解を繰り返し求めていく過程において、DSPにアサインできた使用するコンポーネントのリソースの割合[%]であるリソース用評価関数と、DSPにアサインできた結線の割合[%]である結線用評価関数の両方の評価値を満たす解が見つかった際には、ステップS26にてコンパイルすることができたと判断され、ステップS29に分岐する。なお、コンパイルできたときにはコンフィグ内で使用されている全てのコンポーネントの全ての種類のリソースがDSPに割り当てられるようになる。ステップS29では、コンパイルが成功とされて最適化アルゴリズムによるコンパイル処理は終了し、図7に示すコンパイル処理におけるステップS14に戻りコンパイルできたと判断される。なお、2種類の評価関数においては、リソース用評価関数が結線用評価関数より優先度が大きくされている。
また、解を繰り返し求める繰り返し回数がN回に達しても両方の評価値を満たす解が見つからなかった場合は、ステップS26にてコンパイルできなかったと判断されてステップS27に進み繰り返し回数がN回で1試行回数とされる試行回数が、指定された試行回数Mに達しているか否かが判断される。この場合は、試行回数が1回目とされていることからステップS27において試行回数はまだM回に達していないと判断されて、ステップS28に進む。ステップS28では試行回数が1だけインクリメントされ、ステップS25に戻り乱数の種をふり直すことにより初期パラメータ値が変更されて最適化アルゴリズムによるコンパイルが再度行われる。ステップS25ないしステップS28の処理はステップS26にてコンパイルできたと判断されるまで繰り返し行われ、繰り返し行われている際にコンパイルすることができたと判断された場合はステップS26からステップS29に分岐して、コンパイルが成功とされて最適化アルゴリズムによるコンパイル処理は終了し、図7に示すコンパイル処理におけるステップS14に戻りコンパイルできたと判断される。また、試行回数が指定されたM回に達してもコンパイルできたと判断されない場合は、ステップS27からステップS30に分岐してコンパイル失敗とされ、最適化アルゴリズムによるコンパイル処理は終了し、図7に示すコンパイル処理におけるステップS14に戻りコンパイルできなかったと判断される。
ここで、最適化アルゴリズムとしてのアニーリング法について概略説明すると、アニーリング法では、探索空間の各点が物理システムの「状態」に対応し、最小化すべき関数が物理状態の「内部エネルギー」に対応する。そして、「初期状態」からエネルギーが極力最小になる状態にすることが目標とされる。ここで、ステップS25においてアニーリング法によるコンパイルが行われる際には、現在状態のいくつかの近傍を検討し、現在状態のままがよいか、いずれかの近傍状態に遷移するのがよいかを確率的に決定する。その際に最終的にエネルギーの低い状態へ向かうよう考慮して解を求める。解を求める回数は上記N回まで繰り返されるが、途中において上記両方の評価値を満たす解が見つかった際には、ステップS26にてコンパイルすることができたと判断される。
なお、解を求めていく際の現在状態から新たな状態候補への遷移確率は、温度パラメータTの関数となる。この遷移確率では、ときにはエネルギーの高い状態へも遷移可能とされる。これは、エネルギーが真の極小には遠いが、近傍とだけ比べれば極小であるような状態に張り付いてしまうのを防ぐためである。また、状態の変化は温度パラメータTに大きく依存するようになり、温度パラメータTが大きいときには状態は急激に変化し、温度パラメータTが小さくなると状態はゆるやかに変化するようになる。そこで、解が繰り返し求められて行くにつれて温度パラメータTは所定のスケジュールに従って徐々に下げられていく。このように、アニーリング法による最適化アルゴリズムでは、まず探索空間の広い領域から解を求めるようにされ、次第にエネルギーの低い領域に向かって探索範囲を狭めていき、最もエネルギーの低い状態に降りて最適解を求めるようにしている。また、アニーリング法における初期パラメータとしては温度パラメータTの値や各コンポーネントのリソースのDSPへの振り分けとなる。この振り分けでは、一意に振られたコンポーネント番号を一意なDSP番号に対応させることにより行われ、コンポーネント番号に対するDSP番号を振り直すことにより初期パラメータ値を変更することができる。
次に、コンフィグで使用されるコンポーネントのメモリイメージを図9に示す。
図9に示すコンポーネントのメモリイメージのように、リソース情報、パラメータ情報等からコンポーネントの情報が構成されている。リソース情報は、マイクロプログラムにおける必要とされるステップ数、レジスタの大きさを示すRAM使用量、入力数および出力数等から構成される。この場合、DSPにおいては、ステップ数は例えば1024ステップと限られたりソースであり、RAMとされるDSPメモリの大きさも限られたりソースであり、入力数および出力数はDSPの実際のピン数で限られたりソースとされることから、ステップ数、RAM使用量、入力数および出力数がリソース情報とされる。なお、コンパイルされた際には、リソース情報で示す全ての種類のリソースがDSPに割り当てられるようになる。
次に、図10にプロジェクトファイルのメモリイメージを図10ないし図13に示す。プロジェクトファイルには、他のPCでコンパイルしても同じ結果が得られるようにコンパイル結果ファイル、使用アルゴリズム、初期値なども記録されている。図10に示すように、プロジェクトファイルはエリアデータ(Area)とシーンデータ(Scene)等から構成されている。
エリアデータ(Area)は、図11に示すように第1ゾーンデータ(Zone1)、第2ゾーンデータ(Zone2)、・・・の複数のゾーンのデータから構成可能とされ、各ゾーンデータは複数のコンフィグデータから構成することができる。例えば、第1ゾーンデータは第1コンフィグデータ(Config1)、第2コンフィグデータ(Config2)、・・・から構成される。そして、各コンフィグデータは、当該ゾーンを構成する各DMEのコンフィグデータから構成することができる。例えば、第1のDME#1のコンフィグデータ(DME#1)、第2のDME#2のコンフィグデータ(DME#2)、・・・から構成される。DMEのコンフィグデータは、当該DMEのコンフィグで使用される第1コンポーネントデータ(Component1)、第2コンポーネントデータ(Component2)、・・・からなる全てのコンポーネントデータと、コンパイル結果ファイル(Compile)から構成される。各コンポーネントデータは、一意に振られた識別番号(ID)、コンポーネントに設定されている各種のパラメータ情報(Parameter)、リソース情報(Resource)等から構成される。リソース情報は図9に示すように、ステップ数、RAM使用量、入力数および出力数から構成される。
また、シーンデータ(Scene)は、図12に示すように複数のシーンデータ(Scene1,Scene2,…)を設定することができ、各シーンデータにはコンフィグデータ(Config)が含まれている。このコンフィグデータは、複数のDMEのコンフィグデータから構成することができる。例えば、コンフィグデータは、第1のDME#1のコンフィグデータ(DME#1)、第2のDME#2のコンフィグデータ(DME#2)、・・・から構成される。DMEのコンフィグデータは、当該DMEのコンフィグで使用される第1コンポーネントデータ(Component1)、第2コンポーネントデータ(Component2)、・・・からなる全てのコンポーネントデータから構成される。そして、各コンポーネントデータは、当該コンポーネントに設定される複数のパラメータセット(Parameter1,Parameter2,…)から構成され、各パラメータセットは、パラメータ名(Name)、パラメータ値(Value)等から構成される。
さらに、コンパイル結果ファイル(Compile)は、図13に示すようにコンポーネントのリソースの割り当て情報と、DSP間の結線情報と、コンパイルに使用したアルゴリズム情報とから構成される。割り当て情報は、コンパイルするコンフィグデータにおいて使用されている全てのコンポーネントデータ(Component1,Component2,…)から構成され、各コンポーネントデータは、一意に振られた識別番号(ID)、割り当てられるDSPの番号、割り当てられるDSPにおける割り当て順序等のデータから構成される。また、結線情報は、2つのDSPにまたがる結線がある場合の物理的な結線の結線情報とされる。例えば、「DSP1-3,DSP3-5」という情報はDSP1のピン3とDSP3のピン5とを結線するという情報であり、「DSP1-4,DSP4-12」という情報はDSP1のピン4とDSP4のピン12とを結線するという情報である。また、アルゴリズム情報は、通常アルゴリズムや最適化アルゴリズムにおけるアニーリング法、山登り法、遺伝的アルゴリズム等の使用アルゴリムと、そのアルゴリズムにおいて代表的なパラメータ種類および設定値のパラメータ情報とされる。
なお、上記したように最適化アルゴリズムを用いるコンパイルに切り替えられる際には、最適化アルゴリズムでのコンパイルを行うかどうかをユーザに問い合わせる図14に示すウィンドウW−4が表示器28に表示されるようになる。ウィンドウW−4において、「はい」のラジオボタンを選択して「OK」をクリックすると、最適化アルゴリズムを用いたコンパイルが行われるようになる。また、「いいえ」を選択して「OK」をクリックした場合および「キャンセル」をクリックした場合は、最適化アルゴリズムを用いたコンパイルは行なわれない。これは、コンパイルモードが切り替わった事をユーザに知らせると共に、最適化アルゴリズムは時間がかかるため、途中でPC2が止まったとユーザに勘違いさせないためである。
また、上記したように最後のコンパイル結果ファイルはRAM24にキャッシュされ、最後のコンパイル結果ファイルのコンパイル時以降にコンフィグに変更がなければ、図15に示すウィンドウW−5を表示器28に表示して、コンフィグに変更がないことからキャッシュ内のコンパイル結果を使用する旨をユーザに通知する。そして、コンパイルが指示された際にキャッシュされているコンパイル結果ファイルを使用する。
以上説明した本発明においては、1台以上の音響信号処理装置と制御装置とはネットワークを介して制御情報の授受を行うようにし、音響信号は音声I/Fにより音響信号処理装置から入出力するようにしている。この場合、高速なネットワークを別に設けて1台以上の音響信号処理装置とアンプを高速ネットワークに接続して、音響信号を高速ネットワークを介して授受するようにしてもよい。また、1台以上の音響信号処理装置と制御装置とアンプを1つのネットワークに接続して、このネットワークにより制御信号の授受および音響信号の授受を行うようにしてもよい。
なお、最適化アルゴリズムによるコンパイルには時間がかかることから、進捗ウィンドウを表示してコンパイルの進捗状況を表示するようにしてもよい。
本発明の実施例にかかる音響信号処理装置(DME)の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例にかかる音響信号処理装置を制御する制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例にかかる音響信号処理システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施例にかかる音響信号処理システムの他の構成例を示すブロック図である。 本発明にかかる制御装置に表示されるコンフィグの概要を設定する画面を示す図である。 本発明にかかる制御装置に表示されるコンフィグの詳細を設定する画面を示す図である。 本発明にかかる制御装置で実行されるコンパイル処理のフローチャートである。 図7に示すコンパイル処理において実行される最適化アルゴリズムによるコンパイル処理のフローチャートである。 本発明にかかる制御装置で設定されるコンフィグで使用されるコンポーネントのメモリイメージを示す図である。 本発明にかかるプロジェクトファイルのメモリイメージを示す図である。 本発明にかかるプロジェクトファイルにおけるエリアデータのメモリイメージを示す図である。 本発明にかかるプロジェクトファイルにおけるシーンデータのメモリイメージを示す図である。 本発明にかかるプロジェクトファイルにおけるコンパイル結果ファイルのメモリイメージを示す図である。 本発明にかかる制御装置に表示される最適化アルゴリズムでのコンパイルを行うかどうかをユーザに問い合わせるウィンドウを示す図である。 本発明にかかる制御装置に表示されるコンフィグに変更がないことからキャッシュ内のコンパイル結果を使用する旨をユーザに通知するウィンドウを示す図である。 従来の音響信号処理システムの概要の構成を示す図である。 従来の制御装置に表示されるDMEの信号処理構成を設定する画面を示す図である。 従来のコンパイルのアルゴリズムを示すフローチャートである。
符号の説明
1 音響信号処理装置(DME)、2 制御装置(PC)、3 ハブ、3a ハブ、3b ハブ、3c ハブ、4 ルータ、10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 操作子、14 検出回路、15 表示器、16 表示回路、17 通信I/F、18 外部機器、19 音声I/F、20 外部機器、21 DSP、22 通信バス、23 CPU、24 RAM、25 ROM、26 操作子、27 検出回路、28 表示器、29 表示回路、30 通信I/F、31 通信バス、32 外部機器、100 PC、101 DME、102 信号ソース、103 スピーカ

Claims (3)

  1. 音響信号に信号処理を施す複数のコンポーネントを組み合わせて構成され、該複数のコンポーネントとしてプログラム可能な複数の信号処理部が機能している音響信号処理装置の信号処理構成であるコンフィグを設定することが可能とされ、ネットワークを介して前記音響信号処理装置に接続可能な制御装置であって、
    前記複数のコンポーネントの組み合わせの設定、および、組み合わせた前記コンポーネントにおける出力端子と入力端子との間の結線の設定を行う設定手段と、
    該設定手段により設定された前記音響信号処理装置におけるコンフィグに基づいて、前記複数の信号処理部のいずれに前記複数のコンポーネントのリソースをそれぞれ割り当てるかを決めるよう所定のアルゴリズムに従ってコンパイルするコンパイル手段と、
    前記音響信号処理装置において、前記複数の信号処理部を前記複数のコンポーネントとして機能させる設定を行えるように、前記コンパイル手段によりコンパイルされたコンパイル結果ファイルを、前記音響信号処理装置に前記ネットワークを介して送る送信手段とを備えており、
    前記コンパイル手段は、前記コンフィグで使用される各コンポーネントのリソースを予め想定された割当パターンにより前記複数の信号処理部へ割り当てる通常アルゴリズムと、該通常アルゴリズムによるコンパイルに失敗した場合に実行され、前記コンフィグで使用される各コンポーネントのリソースを前記複数の信号処理部へ最適化して割り当てる最適化アルゴリズムとを有し
    設定されたコンフィグのコンフィグデータおよび前記複数の信号処理部のいずれに前記複数のコンポーネントのリソースをそれぞれ割り当てるかの割り当て情報が少なくとも含まれているプロジェクトファイルに、コンパイルに使用したアルゴリズムの種類およびパラメータ値を少なくとも含むコンパイル情報を記録するようにしたことを特徴とする制御装置。
  2. 前記最適化アルゴリズムの主要パラメータを、設定された前記コンフィグにおいて前記複数の信号処理部で使用されるリソース使用量に基づいて定められるようにしたことを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. コンピュータを、音響信号に信号処理を施す複数のコンポーネントを組み合わせて構成され、該複数のコンポーネントとしてプログラム可能な複数の信号処理部が機能している音響信号処理装置の信号処理構成であるコンフィグを設定することができるネットワークを介して前記音響信号処理装置に接続可能な制御装置として機能させる制御用プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記複数のコンポーネントの組み合わせの設定、および、組み合わせた前記コンポーネントにおける出力端子と入力端子との間の結線の設定を行う設定手段、
    該設定手段により設定された前記音響信号処理装置におけるコンフィグに基づいて、前記複数の信号処理部のいずれに前記複数のコンポーネントのリソースをそれぞれ割り当てるかを決めるよう所定のアルゴリズムに従ってコンパイルするコンパイル手段、
    前記音響信号処理装置において、前記複数の信号処理部を前記複数のコンポーネントとして機能させる設定を行えるように、前記コンパイル手段によりコンパイルされたコンパイル結果ファイルを、前記音響信号処理装置に前記ネットワークを介して送る送信手段として機能させ、
    前記コンパイル手段は、前記コンフィグで使用される各コンポーネントのリソースを予め想定された割当パターンにより前記複数の信号処理部へ割り当てる通常アルゴリズムと、該通常アルゴリズムによるコンパイルに失敗した場合に実行され、前記コンフィグで使用される各コンポーネントのリソースを前記複数の信号処理部へ最適化して割り当てる最適化アルゴリズムとを有し
    設定されたコンフィグのコンフィグデータおよび前記複数の信号処理部のいずれに前記複数のコンポーネントのリソースをそれぞれ割り当てるかの割り当て情報が少なくとも含まれているプロジェクトファイルに、コンパイルに使用したアルゴリズムの種類およびパラメータ値を少なくとも含むコンパイル情報を記録するようにしたことを特徴とする制御用プログラム。
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