JP5124732B2 - 断熱方法及び断熱構造 - Google Patents

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本発明は、断熱効果が向上するような断熱方法及び断熱構造に関する。
従来、建物や外壁、内装その他の構造体に、発泡スチロール、グラスウール、その他特許文献1に記載されているような断熱材が用いられている。外壁等に断熱材を使用することにより、その外壁の内外間の熱の移動を制限することができる。
図11は、従来における建物の壁の断熱について説明する図である。図11(a)は、内断熱の様子を示す。屋内側壁面は、内装下地10であり、その内側に断熱材15が備え付けられてある。屋外側壁面にはコンクリート(ALC)14等が設けられ、そのコンクリート(ALC)14壁面にタイル12がモルタルまたはタイル用接着剤11で、貼り付けられている。また、断熱材15とコンクリート14の間には、防水シート13が設けられている。
図11(b)は、外断熱の様子を示す。この場合には、コンクリート(ALC)14の屋外側に断熱材15が備え付けてある。更に、断熱材の屋外側には、アンカー21によって、タイト下地パネル20が支持され、そのタイル下地パネル20にタイル12がモルタルまたはタイル用接着剤11で、貼り付けられている。また、断熱材15とコンクリート14の間には、防水シートが設けられている。
しかし、このような断熱方法及び断熱構造には、以下に説明する課題があった。
特開2004−25791号公報
上記のような、発泡スチロール、グラスウール、断熱シート等を用いた断熱工法によれば、内断熱であろうと、外断熱であろうと、断熱材15に加え、防水シート13、接着剤11が別途必要となり、高コスト、施工期間の長期化、環境への高負荷が問題となっていた。また、発泡スチロールは、板状のため、曲面には対応しにくく、耐熱性に欠けるという問題があり、グラスウールは、断熱性が高いことで知られるものの、施工性に難があり、また別途仕上げ材を必要とするものであった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、断熱効果が高く、施工性・耐久性にも優れる断熱方法及び断熱構造を提供することにある。
本発明の断熱方法は、1の壁材やシャーシパネルからなる断熱対象物の対向する2表面、又は、空隙を設けて設置された2以上の断熱対象物の対向する表面のうち少なくとも2面に、中空ビーズとアクリル系樹脂とを混合させて構成される断熱材の塗膜を形成する断熱方法であって、前記中空ビーズは、アクリルビーズであり、前記アクリル系樹脂は、スチレンアクリル酸アルキルエステル共重合物エマルジョンであり、前記断熱材は、前記断熱対象物に直接塗布することを特徴とする。
また、本発明の断熱構造は、1の壁材やシャーシパネルからなる断熱対象物の対向する2表面、又は、空隙を設けて設置された2以上の断熱対象物の対向する表面のうち少なくとも2面に、中空ビーズとアクリル系樹脂とを混合させて構成される断熱材の塗膜を形成した断熱構造であって、前記中空ビーズは、アクリルビーズであり、前記アクリル系樹脂は、スチレンアクリル酸アルキルエステル共重合物エマルジョンであり、前記断熱材は、前記断熱対象物に直接塗布することを特徴とする。
このように、1の壁材やシャーシパネルからなる断熱対象物の対向する2表面、又は、空隙を設けて設置された2以上の断熱対象物の対向する表面のうち少なくとも2面に、中空ビーズとアクリル系樹脂とを混合させて構成される断熱材の塗膜を、直接塗布することで形成するので、断熱対象物の一面のみに塗布した場合と比較して、断熱効果が大幅に向上する。また、断熱材は、簡易かつ低廉に防水機能を発揮するだけなく、接着剤としても機能し、耐久性・施工性に優れるので、施工対象を問わず、適用用途が広がることが期待される。
また、前記中空ビーズは、アクリルビーズであり、前記アクリル系樹脂は、スチレンアクリル酸アルキルエステル共重合物エマルジョンであってもよい。
このように、同じアクリル系材料同士を混合することで、バインダーとしてのアクリル系エマルジョンが、中空ビーズを抱き込みやすい状態が生まれ、中空ビーズの重量比率の大きい、すなわち、断熱効果の高い断熱材の塗膜が形成される。
また、前記塗膜は、建築物の内外壁、自動車・航空機・列車の車体の内外表面、カーテンウォールの内外壁のいずれかに、形成されてもよい。
本発明の断熱方法及び断熱構造によれば、1の壁材やシャーシパネルからなる断熱対象物の対向する2表面、又は、空隙を設けて設置された2以上の断熱対象物の対向する表面のうち少なくとも2面に、中空ビーズとアクリル系樹脂とを混合させて構成される断熱材の塗膜を、断熱対象物に直接塗布することで形成するので、断熱対象物の一面のみに塗布した場合と比較して、断熱効果が大幅に向上する。また、断熱材は、簡易かつ低廉に防水機能を発揮するだけなく、接着剤としても機能し、耐久性・施工性に優れるので、施工対象を問わず、適用用途が広がることが期待される。
本発明の断熱方法及び断熱構造に用いられる断熱材は、セラミックビーズ、アクリルビーズ等の中空ビーズと、バインダー(結合材)としてアクリル系樹脂を混ぜて得られる。
かかる断熱材は、防水効果と断熱効果が一体になることにより、例えば、屋上の防水・断熱を同時に達成することができる。これにより施工の簡略化が実現され、コストの低減につながり、その結果、地球環境においてCOの削減につながる。
また、かかる断熱材の塗膜を、壁材やシャーシパネル等の断熱対象物の表面に形成することにより、建物におけるタイル貼・石貼において、断熱効果のある材料と接着剤とが一体である時、タイル・石貼の施工を行うと同時に外断熱の外壁ができる。これにより、施工の簡略化が実現され、コストの低減に繋がり、その結果、地球環境においてCOの削減につながる。
図1は、本発明の断熱方法及び断熱構造の一実施例を示す。本発明の断熱方法に用いられる断熱材1は、断熱効果を有すると同時に、防水機能、接着機能の3役を兼ね備えた組成物である。すなわち、図1(a)に示されるように、建築物等においては、コンクリート(ALC)14の外壁側表面に接着材として、断熱材1を塗布して、塗膜を形成し、塗膜上にタイル12を貼り付けることができる。
その結果、屋外側と屋内側との境に断熱材1が存在することになるので、グラスウールを断熱材として用いる場合のように仕上げ材やプラスターボード等の別部材を必要とせず、耐久性、施工性にも優れ、断熱効果及び防水効果が発揮される。また、図11で説明した防水シート13、接着材11、断熱材15をそれぞれ別に独立して設ける必要がないため、省スペース、低コスト、短工期化を図ることができる。
更に、本発明の断熱方法及び断熱構造は、図1(a)に示されるように、断熱材1の塗膜を、断熱対象物であるコンクリート14の表面の片面のみならず、対向する両面に形成することに特徴がある。このように、断熱材1の塗膜を、所定厚みを有するコンクリートや木材等の壁材(断熱対象物)の両面に形成することで、断熱効果が、片面のみに塗膜形成された場合に比較して大幅に向上する。
尚、屋内側の表面に形成された断熱材1の塗膜は、そのまま、室内壁面として露出していてもよいし、接着剤の役割を果たすから壁紙が貼られてもよい。
本発明の断熱方法及び断熱構造の別実施例を図1(b)に示す。図1(b)に示す断熱構造は、空隙Sを設けて配置された一対のアルミ鋼板16a,b等のシャーシ(筐体)パネルの対向する表面のうち、空隙Sに接しないほうの表面にそれぞれ、断熱材を塗布して塗膜を形成したものである。つまり、屋外側に配置されたアルミ鋼板16aの屋外側の表面と、屋内側に配置されたアルミ鋼板16bの屋内側の表面に、それぞれ断熱材1が塗布され、塗膜形成される。
このように空隙Sを設けて一対のシャーシパネルを配置する例は、自動車、航空機、列車や、カーテンウォールに多く見られ、これらの断熱に好適である。また、断熱材1は、耐久性、施工性に優れるので、建築物の内外壁や、平板のみならず曲面を有するこれら自動車・航空機・列車等の車体の内外表面や、カーテンウォールの内外壁に塗膜が形成されるのが好適である。尚、本明細書において、パネルには、平板のみならず、上記自動車・航空機・列車等の車体の曲面を有するものも含まれる。
本発明の断熱塗料塗布方法及び断熱材の別実施例を図1(c)に示す。図1(c)に示す断熱構造は、空隙Sを設けて配置された2枚の壁材(本実施例ではプラスターボード17とコンクリート14)の対向する表面のうち、屋外側に配置されたプラスターボード17の屋外側の表面に断熱材1を塗布し、更に、プラスターボード17よりも屋内側に設置されたコンクリート14の屋外側の表面(空隙Sに接する面)に断熱材1を塗布して、塗膜を2面に形成したものである。
図1(c)の断熱構造は、例えば、コンクリート14の屋内側の表面を、断熱材1を塗布せず敢えて剥きだしにして見せたい場合や、屋内側に配置される壁材の性質上や建築仕様上、屋内側の表面に断熱材1を塗布出来ない場合や、寒冷地対策として二重壁が採用される建築物の施工に好適である。尚、プラスターボード17の表面に塗布された断熱材1を接着材代わりにして、形成された塗膜上に、タイル12等が貼り付けられてもよい。また、図1(c)において、プラスターボード17の屋外側の表面に断熱材1を塗布できない場合には、屋外側とは反対の面に断熱材1が塗布されてもよい。
また、図1(c)の変形例として、図1(c)の屋内側と屋外側が逆転していてもよい。つまり、図1(c)でコンクリート14が屋外側に配置されている場合で、コンクリート14の屋外側の表面に断熱材1を塗布できない場合に、コンクリート14の屋内側の表面に断熱材1を塗布するとともに、屋内側に配置されたプラスターボード17の屋内側の表面に断熱材1を塗布するものであってもよい。
以上のように、1枚の壁材やシャーシパネル等の断熱対象物の対向する2表面に、または、空隙を設けて設置される2枚の断熱対象物(種類は異なっていてもよい)の対向する表面のうち少なくとも2面(屋外側、屋内側いずれでもよい)に、断熱材1を塗布し、塗膜を形成することで、壁材やシャーシパネルの1表面にのみ塗膜を形成した場合に比較して、断熱効果が大幅に向上する。
<本発明にかかる断熱材の製造方法>
表1に示すように、アクリル系樹脂エマルジョン、中空ビーズ、成膜助剤・チタン・体質顔料・着色顔料・消泡剤・粘性調整剤・可塑剤等の添加剤、及び、水を、同表に示す重量比率割合で混合し、均一になるまで撹拌した。このとき、撹拌しやすいように、場合によっては加熱により所定の温度で撹拌してもよい。
Figure 0005124732
本実施例では、表1におけるアクリル系樹脂エマルジョンは、スチレンアクリル酸アルキルエステル共重合物エマルジョン(BASFジャパン株式会社製)を用いた。また、成膜助剤は、テキサノールを用いた。
また、断熱機能の実現のために混合される中空ビーズは、平均粒子径20〜50μmのマイクロビーズ(松本油脂製薬株式会社)を用いた。また、チタンは、二酸化チタンルチル型を、体質顔料は、タルクを用いた。尚、チタン及び体質顔料は、中空ビーズを固めるために加えられるものである。
また、消泡剤は、カルシウム炭酸塩を、粘性調整剤は、高沸点オイルを、可塑剤は、防腐剤をそれぞれ用いた。尚、これらはいずれも、環境問題に配慮し、非ホルムアルデヒド系の材料を使用している。
このようにして、本発明の断熱方法及び断熱構造に用いる断熱材を得ることができる。
こうして本実施例で得た断熱材(以下、試料Sという)の塗膜について、日射反射率を求めた。その得られた日射反射率を表2に示す。尚、試料Sを乾燥させ、塗膜が形成された後の、断熱材成分の重量比率は、アクリル系樹脂エマルジョンが44%であり、中空ビーズが50%であり、その他の添加剤が6%となる。
Figure 0005124732
これより、0.6mm厚の試料Sの膜で、特に近赤外領域で隠ぺい率試験紙の白地上と黒地上での反射率に差異が認められた。すなわち、黒地上の反射率が低下している。このことは、試料Sの0.6mm膜厚では近赤外領域の光は通過しており、素地の黒地に吸収されていることを意味している。また、試料Sの日光反射率は90%以上であり、紫外線を含む太陽光の90%以上を反射させるので、建物等の構造物の外壁に塗布した場合、当該構造物の劣化を防止することが出来る。
本実施例の断熱材によれば、アクリル系樹脂エマルジョン(スチレンアクリル酸アルキルエステル共重合物エマルジョン)と、アクリルビーズという、同じアクリル系材料同士の混合により、親和性が高くなるので、バインダーとしてのアクリル系樹脂エマルジョンに、中空ビーズをより多く抱き込み、含有させることが出来、本実施例のように、乾燥後の断熱材の中空ビーズの重量比率を50%以上とすることが出来る。これにより、より断熱効果の高い断熱材を作ることが出来る。
尚、本実施例では、最終的に中空ビーズの重量比率が50%となるように、各成分を配合したが、断熱性の向上のためには、中空ビーズの重量比率が30〜70%となるように、各成分の調整が行なわれることが望ましい。
更に、試料Sの塗膜について、熱伝導率を測定し、遮断効果の程度を確認した。表3は、試料Sの熱伝導率の測定結果を示す。
Figure 0005124732
ちなみに、「漆喰」の熱伝導率は「0.6」、「石膏プラスター」の熱伝導率は「0.5」、「石膏ボード」の熱伝導率は「0.71〜0.1」、「コンクリート」の熱伝導率は「1.40」であるのに対し、試料Sの熱伝導率は表3より「0.121(Kcal/h・m・℃)」である。また、断熱性の高い「保温レンガ」の熱伝導率は「0.12」である。したがって、この試料Sの熱伝導率は比較的低い部類の塗装材料と言える。
次に、亜鉛めっき銅板及びコンクリート板に対する試料Sの接着強度を評価した、その結果を表4に示す。
Figure 0005124732
表4によれば、試料Sの接着強度は、対鋼板が1.7N/mm、対コンクリートが1.5N/mmである(JIS規格は、0.5N/mm以上である)。このことから、この試料Sは、JIS規格を十分に満足する接着強度を有する。
本発明の断熱方法及び断熱構造に用いる断熱材は、更に、以下の効果も有している。すなわち、この断熱材によれば、スチレンアクリル酸アルキルエステル共重合物エマルジョンをバインダーとして用いることで、元々、本材料に備わっている防水性、接着性が発揮されるとともに、被膜性、弾力性も有するので、より亀裂の出来にくい衝撃、振動に強い断熱材に仕上がる。また、塗膜を劣化させるあらゆる障害に対して驚異的に対抗し、抜群の耐久性を発揮することができる。
また、当該断熱材を壁に0.9mm厚塗布すると、屋根・天井・壁を通過する音が約10デシベル低下し、静かな環境が確保できる。また、当該断熱材は環境にやさしい水溶性で、シックハウス症候群の原因物質を含まない。また、当該断熱材の塗布膜は3層〜4層(0.6mm〜0.9mm)形成されることで、水の浸入を防ぐことができる。
また、当該断熱材は、コンクリート・鉄・鉄板・木など幅広い塗装適性を持っている。また、刷毛ローラー・吹付け・鏝など幅広い塗装デザインにも対応することができる。また、コンクリートなどの幅広い塗装適性の他、カラートタンの塗り替え、油性・アクリル系・ウレタン系等の旧塗膜に対しても優れた密着力を発揮することができる。当該断熱材は、保温、遮熱、美観、遮音、結露防止、防カビ、クラック補修、準防水等の用途で用いることができる。
当該断熱材の塗布対象は、例えば、工場、一般倉庫、保冷倉庫、研究所、学校、集会所、体育館等の大きな建物の屋根の外装及び内装であったり、冷凍コンテナ、ドライコンテナ、保冷車、穀物サイロ、冷凍冷蔵倉庫、貯蔵タンク、畜産舎、車両(自動車・航空機・電車等)の内外装、カーテンウォール、プラントの配管(LPガス・蒸気)であったり、鉄、コンクリート、発泡コンクリート、木材、瓦、スレート、サイデング、レンガ、タイル、アルミ、ステンレス、ブロック、石膏ボード等であってもよい。また、様々な色の顔料を混ぜることで着色材として用いることもできる。
図1に示した断熱方法により、断熱性が向上していることの確認のため、以下の実験を行なった。まず、シーラー(下地用塗料)に中空ビーズを添加した断熱材を作製する。
本実施例の断熱材は、実施例1で作製したものと同じであり、アクリル系樹脂エマルジョン(スチレンアクリル酸アルキルエステル共重合物エマルジョン)と成膜助剤(テキサノール)とからなるシーラーが27.5重量%、中空ビーズとチタン(二酸化チタン)と体質顔料(タルク)と着色顔料が34.1重量%、消泡剤(カルシウム炭酸塩)と粘性調整剤(高沸点オイル)と可塑剤(防腐剤)が6.0重量%、水が32.4重量%を混合し、塗膜形成後の中空ビーズの最終重量比率が50%となるようにしたものである。
図2(a)の見取り図及び(b)の平面図に示す実験装置18は、1.0mm厚のアルミニウム板製の直方体状の箱体19と、箱体19の開口部を覆う図示しないアルミニウム製の蓋体と、箱体19の内部を2つの略等しい250mm×250mm×250mmの空間イ、ロに2分する位置(中央部)に設けられ、1.0mm厚のアルミニウム板製の仕切板20a,bと、空間イの中央部にセットされる熱源21と、A,B,C,Dの位置(いずれも底面からの高さは125mm)に設置される、温度計等の温度検出器とから構成される。尚、熱源21は、40Wの白熱電球を使用した。
仕切板20a,bは、互いに25mmの空隙Sを設けて設置され、仕切板20a,bの両方又は片方の、仕切板20a,b同士が対向する面(空隙Sに接する内側面)全面に渡り、上記断熱材を塗布し、塗膜が形成される。
塗布される断熱材は、表5に示されるように、シーラーに添加される中空ビーズの重量比率(対シーラー)を50%に調整した断熱材を仕切板20aの一面にのみ1.0mm厚塗布した試料a,bと、仕切板20a,bの両方の各一面にそれぞれ1.0mmずつ塗布した試料cと、仕切板20aの一面に3.0mm、仕切板20bの一面に2.5mm塗布した試料dと、仕切板20a,bの両方の各一面にそれぞれ5.0mmずつ塗布した試料eである。尚、本実験に使用した中空ビーズは、試料aがセラミックビーズ、試料b〜eがアクリルビーズである。
Figure 0005124732
また、比較参考のために、グラスウールを仕切板20a,bの両方に貼り付けた試料Iと、アルミニウム製の仕切板20a,bに替えて、3mm厚のガラス板を空隙を25mm設けて2枚合わせた試料IIも用意する。
各試料につき、実験装置18を密閉した状態で、熱源21を駆動させ、A〜Dの温度検出器の値を測定する。
熱源を駆動させると同時に測定を開始し、測定開始から15分経過するまでは5分おき、15分〜60分経過するまでは15分おき、60分〜180分経過するまでは40分おきに各温度を測定した。各試料での測定結果を表す表とグラフを図2〜図9に示す。
そして、測定結果及び以下の数式に基づいて、各試料の断熱効果δを算出した。尚、このδ(%)の数値が高いほど、断熱効果が高いと言える。
(数1)
δ=1−(D−α)/(A−α)
A:空間イの温度
D:空間ロの温度
α:実験時の平均温度
各試料について求めたA−D,B−C,α,δを表す表とグラフを図10に示す。
図10の表とグラフにより、以下のことが考察される。まず、試料aと試料IIを比較すると、試料aのほうが断熱効果が高い(δの数値が大きい)ことが分かる。次に、試料aと試料bとを比較すると、セラミックビーズを中空ビーズとして使用した試料aよりも、アクリルビーズを中空ビーズとして使用した試料bのほうが、断熱効果が高い。つまり、中空ビーズとしては、アクリルビーズを断熱材に使用するほうが、断熱効果が高く、本発明の断熱方法及び断熱構造に好適である。
次に、試料bと試料cとを比較すると、仕切板20aの一面にのみアクリルビーズを塗布している試料bよりも、仕切板20a,bの二面にアクリルビーズを塗布した試料cのほうが、断熱効果が高く、δが約7%も向上している。
更に、試料d,eと、膜厚を大きくしていくに従って、δの数値は大きくなり、膜厚が5mm−5mmの試料eでは、δが90%以上となり、試料Iのグラスウール並みの断熱効果が得られる結果となった。本実施例のアクリルビーズによって作製された断熱材を仕切板の両面に5mmずつ塗布した時と塗布しなかった時の断熱効果の差を温度差に換算すると、約50℃となる。
このように、本実施例の断熱材を、図1の実施例のように、壁材やシャーシパネルの両面(内壁側と外壁側)に塗布して塗膜形成した断熱構造や、一方の壁材やシャーシパネルの片面及び、一方の壁材やシャーシパネルと空隙をあけて設置された他方の壁材やシャーシパネルの片面に塗布して塗膜形成した断熱構造を建築物の施工やシャーシ組立に用いることにより、絶大な断熱効果が発揮されると言える。
地球温暖化が問題視される昨今、建築物の内壁側と外壁側の2面両方に、本実施例の断熱材を塗布して塗膜形成することによる断熱効果は計り知れないものとなる。
以上、本発明の断熱方法及び断熱構造によれば、1の壁材やシャーシパネル等の断熱対象物の対向する2表面、又は、空隙を設けて設置された2以上の断熱対象物の対向する表面のうち少なくとも2面に、中空ビーズとアクリル系樹脂とを混合させて構成される断熱材の塗膜を形成することによって、断熱対象物の一面のみに塗布した場合と比較して、断熱効果が大幅に向上する。また、本発明の断熱方法及び断熱構造に用いた断熱材は、塗装するだけで断熱機能が発揮され、簡易かつ低廉に防水機能を発揮するだけなく、接着剤としても機能する。また、グラスウールや発泡スチロール等の断熱材と異なり、耐久性・施工性に優れるので、施工対象を問わず、適用用途が広がることが期待される。
本発明にかかる断熱方法及び断熱構造の一実施例を示す図である。 断熱効果を確認するための実験装置の見取り図と平面図である。 試料aの実験結果を表す表とグラフである。 試料bの実験結果を表す表とグラフである。 試料cの実験結果を表す表とグラフである。 試料dの実験結果を表す表とグラフである。 試料eの実験結果を表す表とグラフである。 試料Iの実験結果を表す表とグラフである。 試料IIの実験結果を表す表とグラフである。 試料a〜e,I,IIの実験結果をまとめて表す表とグラフである。 従来における建物の壁の断熱方法を説明する図である。
符号の説明
1:断熱材
10:内装下地
11:モルタルまたはタイル用接着剤
12:タイル
13:防水シート
14:コンクリート(ALC)
15:断熱材
16:アルミ鋼板
17:プラスターボード
18:実験装置

Claims (4)

1の壁材やシャーシパネルからなる断熱対象物の対向する2表面、又は、空隙を設けて設置された2以上の断熱対象物の対向する表面のうち少なくとも2面に、中空ビーズとアクリル系樹脂とを混合させて構成される断熱材の塗膜を形成する断熱方法であって、
前記中空ビーズは、アクリルビーズであり、前記アクリル系樹脂は、スチレンアクリル酸アルキルエステル共重合物エマルジョンであり、
前記断熱材は、前記断熱対象物に直接塗布することを特徴とする。
前記塗膜は、建築物の内外壁、自動車・航空機・列車の車体の内外表面、カーテンウォールの内外壁のいずれかに、形成されることを特徴とする請求項1に記載の断熱方法。
1の壁材やシャーシパネルからなる断熱対象物の対向する2表面、又は、空隙を設けて設置された2以上の断熱対象物の対向する表面のうち少なくとも2面に、中空ビーズとアクリル系樹脂とを混合させて構成される断熱材の塗膜を形成した断熱構造であって、
前記中空ビーズは、アクリルビーズであり、前記アクリル系樹脂は、スチレンアクリル酸アルキルエステル共重合物エマルジョンであり、
前記断熱材は、前記断熱対象物に直接塗布することを特徴とする断熱構造。
前記塗膜は、建築物の内外壁、自動車・航空機・列車の車体の内外表面、カーテンウォールの内外壁のいずれかに、形成されたことを特徴とする請求項3に記載の断熱構造。
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