JP5123545B2 - スピーカ - Google Patents

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本発明は、スピーカの技術分野に属する。
スピーカに発光体を装着して電飾効果を得る技術がある。例えば特開2001−95074号公報(特許文献1)には、光源から発せられる光を振動板の中心部に装着したセンターキャップに照射して、その内面に設けられた梨地等によって拡散させるスピーカが開示されている。
特開2001−197579号公報
しかしながら、 特許文献1に記載のスピーカは中心部しか光らないので視覚的な効果は限定的であった。
本願の出願人は、振動板の全面を光らせることが可能なスピーカを既に提案済みである(特願2006−83028)。
上記出願のように、透光性の合成樹脂を素材としたコーン型の振動板の背後にLEDを配し、そのLEDの光を振動板に照射して振動板を発光させる場合、LEDを配線基板に実装し、その配線基板をフレームに取り付けるのが好適である。
一方、LEDが正常に発光できない状態になったときには、これを交換する等の修理作業が必要になるが、従来のスピーカではフレームと磁気回路とは分解可能になっておらず、従来のままの構造であると上記の修理作業はきわめて難しかった。
本願発明は、このような修理作業を容易にすることを目的としている。
請求項1記載のスピーカは、
透光性の合成樹脂を素材としたコーン型の振動板と、
前記振動板の大径側端部と連結されたエッジと、
ボイスコイルが圏回されて前記振動板の小径側端部と連結されたボビンと、
前記ボビンを該ボビンの軸方向に振動可能に支持するダンパと、
前記エッジ及び前記ダンパを介して前記振動板を支持するフレームと、
前記振動板の背面に光を照射するLEDが実装された配線基板と、
前記ボビンを該ボビンの軸方向に振動させるための磁気回路と
を備え、
前記磁気回路は、前記フレームとの連結を解除可能に前記フレームと連結され、
前記配線基板は、前記フレームと前記磁気回路とに挟まれる位置に配されて、前記フレームから取外し可能に前記フレームに取り付けられており、
前記フレームから前記磁気回路を分離させると前記配線基板を前記フレームから取外し可能となる
ことを特徴とするスピーカであるから、
LED又は配線基板の修理や交換が必要になったときには、フレームから磁気回路を分離させて配線基板をフレームから取外し、例えば正常なLEDが実装された配線基板に交換して組み立てることができる。このように、LEDが実装された配線基板の修理や交換の作業はきわめて容易になる。
なお、配線基板は1枚でなくても、つまり複数枚を組み合わせた構造であってもよい。
振動板は透光性の合成樹脂、例えばポリカーボネート、ポリエチレン、アクリル、PET等のシートを使用すればよい。透光性とは、透明であってもよいし半透明であってもよい。透明であれば振動板が明るく発光し、半透明であれば柔らかな発光になる。また、透光性の合成樹脂が染料や顔料で着色されていてもよい。
また、振動板には、微小な凸又は凹によって形成された光拡散パターンを設けるとよい。そうすると、LEDから発せられた光が振動板に設けられた光拡散パターンによって拡散させられて放射されるので、振動板のほぼ全域を発光による装飾効果のために有効に利用できる。
光拡散パターンとしては、例えば直線的な凸条を多数、平行に配置したパターン、直線的な凸条を多数、格子状に配置したパターン、この格子状のパターンに更に対角線方向の凸条を加えたパターン、円、楕円、多角形(三角形、四角形、六角形など)、その他の図形(星形、ダイヤ等)をそれぞれ同心円状に配置して構成される基本パターンを繰り返すパターン等を例示することができる。同様のパターンを凹条で形成してもよい。また、ここに例示した以外のパターンであってもよい。
凸条又は凹条によって光拡散パターンを形成する場合、線密度(凸条又は凹条の幅方向に沿った単位長さ当たりの本数)を1本/1mm以上(1mmピッチ以下)にするのが好ましい。例えば2本/1mm(0.5mmピッチ)、4本/1mm(0.25mmピッチ)、8本/1mm以上(0.125mmピッチ)、10本/1mm(0.1mmピッチ)等にもできるし、さらに線密度を高くしてもよい。
このような光拡散パターンは、透光性の合成樹脂製シートにプレス加工して設けることができる。
光拡散パターンは振動板の片面だけに設けられてもよいし、振動板の両面に設けられてもよい。良好な音響効果を期待するなら片面だけに設ければよいし、両面に設ければ光学的な特性が向上する。
光拡散パターンを振動板の両面に設ける場合、光拡散パターンを両面で同じにしてもよいが、それぞれのパターンを異ならせると拡散の態様が変化に富んだものになる。
LEDは複数個を環状に配置すると、振動板の広い範囲(ほぼ全域)を発光による装飾効果のために利用できる。
その場合、請求項2に記載のように、LEDは、環状の前記配線基板上に実装されて前記振動板の背後且つ前記ダンパの外周よりも外側に配されている構成にするとよい。
複数個のLEDを、環状の配線基板上に例えば円に沿うように実装して振動板の背後且つダンパの外周よりも外側に配すると、それらのLEDから発せられた光は振動板の背面に入射し、振動板を透過して、振動板の前面から放射される。従って、振動板の広い範囲(ほぼ全域)を発光による装飾効果のために利用できる。
この場合も、配線基板は1枚でなくても、つまり複数枚を組み合わせて環状にしたものであってもよい。或いは、一部が切れていても(いわゆるC字状でも)よい。また、環状の部分があればよいので、例えばコネクタを実装するための張出部分などが付属していてもよい。
またLEDの配置は、環状の配線基板上に配置されていればよく、その間隔は特に制限されないが、等間隔にするのが好ましい。
請求項3記載のように、前記配線基板は、前記LED1個について1箇所あてで前記フレームに設けられた開口内に各前記LEDを位置させて、前記フレームの背後に取り付けられている構成にすれば、配線基板をフレームと磁気回路とに挟まれる位置に配した構成において、容易にLEDからの光を振動板の背面に照射できる。
ところで、スピーカには音声信号入力端子とボイスコイルとをつなぐリード線がつきものであるが、従来と同様にリード線を引き回すと、このリード線がLEDから放射されて振動板に向かう光の光路を横切って、リード線の影が振動板に映り出されるおそれがある。
これに対しては、請求項4記載のように、音声信号入力端子と前記ボイスコイルとをつなぐリード線は、前記LED同士の間になる位置で前記スピーカのフレームに止付けられている構成を採用することで回避できる。すなわち、リード線が、配線基板に実装されたLED同士の間になる位置でスピーカのフレームに止付けられるので、リード線の配線経路をLEDから放射されて振動板に向かう光の光路を横切らない位置にできる。これにより、リード線の影が振動板に映り出されることはなくなり、そのような影が美観を損なうのを防止できる。この請求項4の構成を採用する場合は、請求項3記載の構成を前提として、開口と開口の間にてリード線をフレームに止付けるのが望ましい。
なお、リード線をフレームに止付けるための構成、手段に制限はなく、例えば接着や粘着で固定してもよいし、フックやクランプをフレームに設けて、これらにて止付ける構成でもよい。
次に、本発明の実施例等により発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は下記の実施例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
[実施例]
図1に示すように、本実施例のスピーカ1は、骨格となるフレーム3にて各部を支持する構成である。また、フレーム3の前端部は略正方形のフランジ4とされており、フランジ4に設けられた穴5を使用してスピーカ1を固定できる。本実施例のスピーカ1は例えば遊技機の前枠等に取り付けて使用されるが、用途はこれに限るわけではなく、汎用できる。
フランジ4の前面にはリング6が取り付けられ、フランジ4とリング6とによってエッジ7の周縁部を挟持している。エッジ7はコーン型の振動板8の前端部の外周と接合されており、フレーム3はエッジ7を介して振動板8の前端部を支持している。
振動板8は透光性の合成樹脂、例えばポリカーボネート、ポリエチレン、アクリル、PET等のシートをコーン形状に成形したものであるが、その片面または両面には、図4〜6に例示するような光拡散パターンが設けられている。エッジ7も振動板8と同材質で、同様に光拡散パターンが設けられている。
図4に示す光拡散パターンは、直線状の凸条を縦、横、斜めの格子状に配置した構造、図5に示す光拡散パターンは、直線状の凸条を平行に配置した構造、図6に示す光拡散パターンは、凸条を大小の同心円状に配置した基本パターンを繰り返す構造である。また、図7に示すのは、光拡散パターンを構成する凸条の断面形状の例であり、三角形(a、b)、台形(c、d)、円弧(e)等にできる。
フレーム3の胴部分3aには、柱状のマグネット取付部11が4箇所に設けられ、またテラス状の基板支持部12が設けられている。また胴部分3aの外面には、共に音声信号入力端子である+端子13a及び−端子13bを備える端子部13が固着されている。
マグネット取付部11には磁気回路部15が、ねじ16によって取り付けられている。詳しくは、磁気回路部15は、図3(b)、(c)に良好に示されるとおり、環状のマグネット17、センターポール18及びリングヨーク19にて構成されており、リングヨーク19の内周とセンターポール18との間に磁気ギャップが形成されている。また、リングヨーク19の外周には4箇所の固定片21が突出して連設されている。上述のねじ16は固定片21を貫通してマグネット取付部11に螺合しており、これにより磁気回路部15がマグネット取付部11すなわちフレーム3に取り付けられている。
基板支持部12はプリント配線基板23の取り付けに用いられている。
プリント配線基板23は、図3(a)に示されるとおり、環状のLED配置部23aと長方形状のコネクタ配置部23bとからなり、LED配置部23aには8個の多色LED25が等間隔で実装され、コネクタ配置部23bの端部にはコネクタ26が実装されている。
プリント配線基板23は、磁気回路部15とフレーム3とに挟まれて配され、ねじ27によって基板支持部12及びフレーム3の後壁3bに螺着されている。つまり、プリント配線基板23をフレーム3にねじ止めした後に磁気回路部15をフレーム3にねじ止めしてある。そして、ねじ16を抜き取れば磁気回路部15をフレーム3から離脱させることができ、その後でねじ27を抜き取ればプリント配線基板23をフレーム3から離脱させることができる。すなわち、スピーカ1をフレーム3、プリント配線基板23、磁気回路部15に分解できる。
多色LED25はプリント配線基板23の前面(振動板8の対面する側)に実装されているが、フレーム3の後壁3bには、各多色LED25に対応して開口28が設けられており、多色LED25は各々開口28の内側に差し込まれている。従って、多色LED25から放射される光はフレーム3の後壁3bによって遮られない。
一方、フレーム3の内側においては、ボビン31がスピーカ1のほぼ中央部に配されている。
ボビン31の先端部は振動板8の小径側端部を貫通しており、この部分で振動板8と連結されている。また振動板8には、振動板8の内側に突出しているボビン31の開口を覆うためのセンターキャップ32が取り付けられている。
ボビン31の後端部は、センターポール18の先端部に外嵌状になっているが、ボビン31の内周とセンターポール18の外周とにはクリアランスがあり、ボビン31がセンターポール18に嵌着されているわけではない。
また、ボビン31には、上述の磁気ギャップ内になる位置にボイスコイル33が巻回されているが、ボイスコイル33とリングヨーク19の内周とにもクリアランスがあり、ボイスコイル33(ボビン31)はリングヨーク19によって拘束されてはいない。
そして、ボビン31の中央部にあっては、ボビン31の外周にダンパ34の内周部が連結されており、そのダンパ34の外周部34aはフレーム3の後壁3bに固定されている。なお、上述した開口28(すなわち多色LED25)は、ダンパ34の外周よりも外側に位置しており、ダンパ34は多色LED25から振動板8へ向かう光を遮らない。
すなわち、ボビン31はダンパ34を介してフレーム3(後壁3b)に支持されており、またセンターポール18及びリングヨーク19とは非接触で、ボビン31は、その軸方向に変位可能である。
こうした構造であるから、ボイスコイル33に音声信号電流を流せば、ボイスコイル33が巻かれたボビン31が軸方向に振動し、それに伴って振動板8を振動させて、音声を発生させることができる。
ところで、ボイスコイル33に音声信号電流を流すためには、外部から音声信号電流が供給される音声信号入力端子(+端子13a及び−端子13b)とボイスコイル33とを電気的に導通させる必要がある。そのためのリード線35が、図3(a)に示されるように+端子13a及び−端子13bそれぞれから1本ずつ引き出されてボイスコイル33の正、負端子に結ばれている。
これらリード線35は、図3(a)、(c)に示されるように多色LED25同士の間になる位置(クランプ部37)でフレーム3の後壁3bに止付けられ、開口28(多色LED25)の前方を通らずにボビン31の外面に達している。本実施例では、クランプ部37においてリード線35を後壁3bに接着しているが、例えばフックやクランプを後壁3bに設けておいて、これらにてリード線35を止付ける構成でもよい。
従って、多色LED25から発される光は、フレーム3(特に後壁3b)、ダンパ34、リード線35によって遮られることなく、また他の部材によっても遮られることなく振動板8及びエッジ7の背面に照射される。
このため、多色LED25を点灯すると、それらから発せられた光は振動板8及びエッジ7に設けられた光拡散パターンによって拡散させられて放射される。従って、振動板8及びエッジ7のほぼ全域を発光による装飾効果のために利用できる。
また、振動板8及びエッジ7は光拡散パターンが設けられたプラスチックシートを成形したものであるから、その成形に伴って光拡散パターンにひずみが生じている。このひずみがあるために、例えば振動板8の中心部(ボビン31側)と外周部(エッジ7側)とで輝度が変化する等、光拡散パターンが設けられた平坦なシートに光を照射したときに比べて、拡散のパターンが変化に富んだものになっている。
多色LED25から出た光が振動板8を透過する際に拡散されるので、振動板8の発光面積に対して多色LED25の数が少なくても、振動板8の全面を光らせることができる。
また、環状に配置された多色LED25を順次、循環的に発光させたり、変色させたりする等によって、拡散の効果を変化させ幅広い光演出が可能である。
多色LED25が、ボビン31を支持するダンパ34の外周に沿って配置されているが、後壁3bのダンパ34の外側になる部分(開口28が設けられている部分)は従来のスピーカにおいては使用されていなかった部分であるから、多色LED25(プリント配線基板23)をスピーカ1に装備するために新規なスペースを創出する必要がなく、スピーカ1は大型化しない。
しかも、リード線35は、プリント配線基板23に実装された多色LED25同士の間(フレーム3に設けられた開口28同士の間)になるクランプ部37でフレーム3に止付けられるので、リード線35の配線経路を多色LED25から放射されて振動板8に向かう光の光路を横切らない位置にできる。これにより、リード線35の影が振動板8に映り出されることはなくなり、そのような影が美観を損なうのを防止できる。
更には、プリント配線基板23とフレーム3、磁気回路部15とフレーム3とをそれぞれねじ止めにて連結した構造で、スピーカ1をフレーム3、プリント配線基板23、磁気回路部15に分解できるから、プリント配線基板23の取り外し及び再組み付けが可能である。従って、例えば多色LED25のいずれかが故障する等の不具合がプリント配線基板23に生じたときには、プリント配線基板23を取り外して修理するとか、交換するとかの対応が容易に行える。
実施例のスピーカの平面図(a)、正面図(b)、右側面図(c)及び底面図(d)。 実施例のスピーカの左上斜視図(a)、右上斜視図(b)、左下斜視図(c)及び右下斜視図(d)。 実施例のスピーカの一部を隠れ線で記載した平面図(a)、B−B断面図(b)及びE−E断面図(c)。 実施例のスピーカで振動板に設けた光拡散パターンの例示図(1)。 実施例のスピーカで振動板に設けた光拡散パターンの例示図(2)。 実施例のスピーカで振動板に設けた光拡散パターンの例示図(3)。
符号の説明
1・・・スピーカ、
3・・・フレーム、
8・・・振動板、
13・・・端子部、
13a・・・+端子、
13b・・・−端子、
15・・・磁気回路部、
23・・・プリント配線基板、
25・・・多色LED、
28・・・開口、
31・・・ボビン、
33・・・ボイスコイル、
34・・・ダンパ、
35・・・リード線、
37・・・クランプ部。

Claims (3)

  1. 透光性の合成樹脂を素材としたコーン型の振動板と、
    前記振動板の大径側端部と連結されたエッジと、
    ボイスコイルが圏回されて前記振動板の小径側端部と連結されたボビンと、
    前記ボビンを該ボビンの軸方向に振動可能に支持するダンパと、
    前記エッジ及び前記ダンパを介して前記振動板を支持するフレームと、
    前記振動板の背面に光を照射するLEDが実装された配線基板と、
    前記ボビンを該ボビンの軸方向に振動させるための磁気回路と
    を備え、
    前記フレームの後壁に前記各LEDに対応して開口が設けられ、
    音声信号入力端子と前記ボイスコイルとをつなぐリード線は、前記LED同士の間になる位置であって前記開口同士の間になる位置で前記スピーカのフレームの後壁に止付けられ、
    前記磁気回路は、前記フレームとの連結を解除可能に前記フレームと連結され、
    前記配線基板は、前記フレームと前記磁気回路とに挟まれる位置に配されて、前記フレームから取外し可能に前記フレームに取り付けられており、
    前記フレームから前記磁気回路を分離させると前記配線基板を前記フレームから取外し可能となることを特徴とするスピーカ。
  2. 前記LEDは、環状の前記配線基板上に実装されて前記振動板の背後且つ前記ダンパの外周よりも外側に配されていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
  3. 前記配線基板は、前記LED1個について1箇所あてで前記フレームの後壁に設けられた開口内に各前記LEDを位置させて、前記フレームの背後に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のスピーカ。
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