JP5122241B2 - バケット及びこれを用いたブロック回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には、水底に設置されたブロックを回収するためのバケット及びこのバケットを用いたブロック回収方法に関する。特に、海洋中で貝類の中間育成を行う際に必要とされるアンカーブロックの回収に有用なものである。
近年、水産技術が発達した結果、多岐に亘る魚種について、養殖技術の向上並びに資源量の確保が実現されるようになった。とりわけ、養殖技術が確立されているホタテ貝については、日本でも有数なホタテ貝の生産地であるオホーツク海では、以下のような方法が行われている。
ホタテ貝の養殖では、水深10〜20m程度の海域で、4月〜5月頃に200kg程度の重量の錘となる土のうを海中に設置する。この錘に取り付けたロープには、ホタテ貝の幼生(ラーバ)が沈着できるよう、数個の採苗器と呼ばれる網状の袋30が数個取り付けられている。沈着した幼生は、8月頃に採苗器ごと陸上に運搬され、採苗器からふるい落とされる。この時、幼生は小さな稚貝まで成長しており、選別された稚貝は育成籠に移される。この過程は仮分散と呼ばれる。
図18は、仮分散されたホタテ貝の中間育成施設の設置状態を模式的に示した図である。水深が40〜60mといった深い海域において、アンカーブロック21を例えば500〜600m程度毎に海底62に設置する。アンカーブロック21の吊り環にはブロック綱22が取り付けられている(図示の例では1つのアンカーブロック21に2本)。そのブロック綱22の間には、メインの支持綱である幹綱23を取付け、その幹綱23には数メートル間隔で細いロープが取り付けられ、そのロープに育成籠(パールネット:ザブトン籠)が取り付けられている。なお、幹綱23には浮力を持たせるために数個の浮き玉24が取り付けられている。ブロック綱22の上端位置の目安として、目印25が海上に設けられる。育成籠で成長した稚貝は、再度陸揚げされて選別し、育成籠1個あたりの個体数を減少させて大きな目合いの育成籠(パールネット:ザブトン籠)に移し替えられ、再び幹綱23に垂下させる。この過程は本分散と呼ばれる。成長した稚貝は、翌年3月頃に一度陸揚げされ、検品作業後に、ホタテ貝放流漁場に放流される。数年後、通称「八尺」と呼ばれるけた網で漁獲される。なお、分散を省略して8月に1回しか行わないこともある。
しかし、近年、漁場の拡張や漁場の遷移を行いたいという漁業関係者からの要望があり、そのためには、既設のアンカーブロックを移設する必要性が生じている。北海道におけるアンカーブロックの設置は、昭和40年代から(オホーツク海では昭和50年代から)行われており、設置位置は大まかにしか管理されていない。そのため、アンカーブロックの正確な位置は知ることができず、現在の状況で知りうる位置は、アンカーブロックに取り付けられているブロック綱を小型船上からウインチで巻いて張力を働かせ、小型船を移動させ、最終的に小型船の真下にあると仮定する程度である。
このようなホタテ貝養殖施設におけるアンカーブロックに限らず、海底等の水底に設置されている構造物や種々のブロックを移設や撤去のために回収するには、次のような方法が考えられる。
(1)広く行われているように、潜水士が目的物を玉掛して起重機船で引き上げる。例えば、港湾・漁港の防波堤においては、波力を低減させるために消波ブロックを設けている場合が多い。消波ブロックは、設計以上の波が襲来すると破損・飛散することがあり、その場合には一度消波ブロックを撤去して、再度消波ブロックを据え付ける必要がある。この消波ブロックを撤去する際には、ダイバーによって玉掛を行い、クレーンもしくは起重機船で引き上げることが可能である。防波堤の設置水深は、10m〜15m以内であることが多い。
(2)特許文献1に開示されているように、開閉操作される3本の爪をもつグラブバケットにより4本脚の消波ブロックを掴み、吊り上げる。
(3)特許文献2に開示されているように、伸縮操作される網状チェーンを用いて4本脚又は直方体のブロックを包み込み、吊り上げる。
実用新案第3023473号 特開2002−362877
上記(1)のダイバーによる玉掛方法は、水深が比較的浅い場合には可能であるが、例えば水深が50mのような深い場合には、以下のような理由から困難となる。
・水深に関する問題:水深が10mを超えると潜水病の恐れがあり、潜水自体が困難な作業である上に、複雑かつ大掛かりな玉掛作業を行うことは不可能となる。
・作業性に関する問題:ダイバーの安全性確保のためにダイバーが浮上したことを確認してブロックの引き上げを行うので、作業時間がかかる。基本的にダイバーにとって危険を伴う作業である。
・水中視界の問題:水深が10mを超えると視界が狭くなる場合が多く、50m程度ではほとんど暗闇に近い。このため玉掛作業は困難を極める。
・海流・潮流に関する問題:海中では、潮の満ち引きによる潮流と、短時間では一定流速である海流の二つの流れが合わさった流れが生じている。一定以上の流れが存在する場合には、ダイバーは、ブロック綱を辿って真っ直ぐ下へ降下することができず、作業待ちとなることがあり、作業性が悪い。
上記(2)のグラブバケットによる方法は、撤去しようとするブロックの位置が確認又は想定できる場合に有効である。しかし、水深が50mもある海域では潮流や海流によって船体自体も揺れ、位置を想像することは困難を極める。そのような状況下で闇雲にバケットを降下させてもブロックに近づく可能性は極端に低いため、回収できない。また、ブロック綱を目安としてその近傍でバケットを降下させても、水深が50mもある海域では海流や潮流によって流されて位置は変位してしまい、やはり回収できない。
上記(3)の網状チェーンによる方法は、上記(2)と同様な理由で、移設しようとするブロックの位置が確認又は想定できる場合に有効であるが、水深50mもある海域では難しい。また、ブロック綱の近傍で網状チェーンを降下させると、網状チェーンがブロック綱と絡まる可能性がある。
また、上記(2)又は(3)では、ブロックの近傍に降下させるだけでは十分ではなく、グラブバケット又は網状チェーンを開いた内側にブロックが入るように降下させなくてはならないが、ブロックの位置が確認又は想定できない場合には、まず不可能である。
以上の現状に鑑み、本発明は、水底に設置されたブロックを回収するためのバケットであって、ブロックを掴むために確実にブロックの略真上に位置させられるものを提供することを目的とする。また、このようなバケットを用いた水底のブロックの回収方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は以下の構成を提供する。括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付する。
本発明による、ブロック綱を取り付けられ水底に設置されたブロック(21)を回収するためのバケット(1)は、ブロック綱を取り付けられ水底に設置されたブロック(21)を回収するためのバケット(1)であって、バケット本体(2,3)と、前記バケット本体に対し平面視にて放射状に取り付けられ、該バケット本体の下方に前記ブロックが位置する場合に該ブロックをその周囲から包み込むように掴むべく操作される複数の把持アーム(4)と、
前記ブロックに一端が取り付けられている前記ブロック綱の他端を、下から上へ通すために前記バケット本体を上下方向に貫通するガイド孔(2a,3a)とを備えたことを特徴とする。
上記バケットにおけるガイド孔(2a,3a)が、平面視にて前記バケット本体の略中央に位置することが好適である。
上記バケットには、前記バケット本体を貫通する前記ガイド孔が一対設けられており、該一対のガイド孔は上下方向に離隔して平面視にて略同位置に貫通しており、前記ブロック綱(22)が双方のガイド孔(2a,3a)に通されることが好適である。
上記バケットにおける前記複数の把持アーム(4)の各々は、基端部が前記バケット本体の外周縁に対し回動可能に取り付けられると共に該バケット本体から平面視にて放射状に延びつつ先端部に向かって内向きに湾曲した形状を有し、かつ各把持アームの両側縁には羽根部が形成されていることが好適である。
上記バケットにおけるバケット本体が上下方向に離隔した一対の平板状の上フレーム(2)と下フレーム(3)とを備え、前記把持アームの開閉機構の一部として、前記上フレーム(2)に対し一体的に取り付けられた複数の上シーブ(6a,6b,6c)と、前記下フレーム(3)に対し一体的に取り付けられた複数の下シーブ(6g,6h,6i,6j)と、前記複数の上シーブと前記複数の下シーブとの間に架け渡されかつ一端が前記上フレームに固定されるとともに他端に対して巻き取り又は送り出しの操作をされることにより該上フレームと該下フレームを互いに近づけ又は遠ざける少なくとも1つの開閉ワイヤー(8)とを備え、前記一対のガイド孔(2a,3a)が前記上フレーム(2)及び前記下フレーム(3)の略中央にそれぞれ設けられる場合に、前記上シーブ(6a,6b,6c)及び前記下シーブ(6g,6h,6i,6j)が前記ガイド孔の周囲に取り付けられていることが好適である。
上記バケットが、前記バケット本体に取り付けられた水中カメラをさらに備えることが好適である。さらに、上記水中カメラが前記ブロックと前記バケット本体との位置関係を判断可能な映像を撮影できるように、該水中カメラの撮影方向を調整する調整手段を備えることが好適である。
上記のバケット(1)を用いることにより、ブロック綱(22)を取り付けられ水底に設置されたブロック(21)を回収する方法であって、前記ブロックに一端が取り付けられている前記ブロック綱の他端を、前記ガイド孔(2a,3a)に下から上へ通し、該ブロック綱の他端を引張り緊張させた状態で、該ブロック綱全体が略鉛直方向を向くように前記バケットを水平移動させることにより、前記バケット本体を前記ブロックの略真上に位置させた後、該バケット本体を下降させ、前記複数の把持アームを操作して該ブロックを掴むことを特徴とする。
上記の水中カメラを取り付けられたバケット(1)を用いることにより、ブロック綱(22)を取り付けられ水底に設置されたブロック(21)を回収する方法であって、前記ブロックに一端が取り付けられている前記ブロック綱の他端を、前記ガイド孔(2a,3a)に下から上へ通し、該ブロック綱の他端を引張り緊張させた状態で、前記バケット本体を前記ブロックの略真上に近づけた後、該バケット本体を下降させ、前記複数の把持アームを操作して該ブロックを掴む一連の工程において、前記バケット本体を下降させる際に、前記調整手段を用いて前記水中カメラの撮影方向を調整し、前記ブロックと前記バケット本体との位置関係を判断可能な映像を撮影し、該映像に基づいて該バケット本体を該ブロックを掴むことが可能な位置まで近づけることを特徴とする。
上記のブロック回収方法において、前記ブロック綱の他端を、クレーンの先端に取り付けたピンローラーに掛けて引張り緊張させることが好適である。
本発明によるバケットは、バケット本体を上下方向に貫通するガイド孔とを備えている。一方、ブロック綱の一端は水底に設置されたブロックに取り付けられている。本発明のバケットを用いたブロック回収方法では、ブロック綱の他端をバケット本体のガイド孔に下から上へ向かって通し、例えば作業船のウインチで上方に引張り緊張させた状態で、ブロック綱全体が鉛直方向に向くようにバケットを水平移動させる。ブロック綱が鉛直方向になったとき、バケット本体はブロックの略真上に位置することになる。このように、ブロック綱を辿ることによりバケット本体をブロックの略真上に近づけることができる。その後、バケットを下降させることにより、把持アームを操作してブロックを掴むことができる。
ガイド孔が、平面視にてバケット本体の略中央に位置することにより、より正確にバケット本体をブロックの略真上に位置させかつブロックの直上まで下降させることができる。
バケット本体に上下方向に離隔した一対のガイド孔を設け、平面視にて双方のガイド孔が同位置にあることにより、これら上下2つのガイド孔にブロック綱が通されることで、いずれか1つのガイド孔のみにブロック綱が通される場合に比べて、バケット本体が真っ直ぐにブロックに向かって下降することができ、ブロックを確実に掴める範囲に着底することができる。また、1つのガイド孔のみにブロック綱が通される場合に比べて、上下2つのガイド孔にブロック綱が通された場合は、ブロック綱の折れ曲がり部分における荷重の集中が2箇所に分散され、ブロック綱の曲がりも小さくなる。ブロック綱の曲がりが大きければ大きいほど、ブロックに円滑に近づき難くなるので、上下2つのガイド孔にブロック綱を通すことが有利である。
回動可能な複数の把持アームが平面視にて放射状に延びて先端部に向かって内向きに湾曲した形状を有することにより、複数の把持アームを閉じるときにブロックをその全周囲から包み込むように確実に掴むことができる。さらに、各把持アームの両側縁に羽根部が形成されることで、これらの羽根部がブロックの支持を補助すると同時に、隣り合う把持アーム間の隙間を狭めてブロックの漏れ落ちを防止することができる。
把持アームの開閉機構の一部として、バケット本体を構成する上フレーム及び下フレームに対しそれぞれ上シーブ及び下シーブを取り付け、これらの間に開閉ワイヤーを架け渡してその一端を上フレームに固定し、開閉ワイヤーの他端に対して巻き取り又は送り出しの操作をすることで上フレームと下フレームを互いに近づけ又は遠ざける場合であって、ガイド孔が平面視にて上フレーム及び下フレームの略中央に位置する場合は、上シーブ及び下シーブを平面視にてガイド孔の周囲に取り付けることにより、上下のシーブ及びこれらに架け渡される開閉ワイヤーと干渉することなく、ガイド孔にブロック綱を通すことができる。一般的なグラブバケットの開閉機構においてはこれらのシーブが中央に設けられているが、本発明ではガイド孔を中央に設けることが好ましいため、開閉用のシーブの位置を工夫したものである。
本発明によるバケット及びこれを用いたブロック回収方法は、基本的にはバケット本体にガイド孔を設けて、その中にブロック綱を通して辿っていくことにより、効率良くブロックを回収することができる。潮流などを受けるためにあるいはクレーン操作による位置調整に技量を要するために、正確にブロックの真上に位置させることが難しくとも、従来技術に比べれば、ブロック近傍領域の上方に確実に位置させることが可能である。また、把持アームの掴める範囲は、通常、ブロックの大きさに対して余裕を持たせているので、バケット本体の位置が正確にブロックの真上でなくとも把持アームにより掴める範囲であれば十分である。本明細書における「略(ほぼ)真上」とはこのような意味で用いている。
潮流などの影響が大きい場合、ガイドとなるブロック綱を緊張させても、なかなか鉛直とならない状況もあり得る。このような場合には、ブロック綱に沿って下降させても、把持アームの掴める範囲外に着底する可能性がある。しかしながら、このような場合であっても、バケット本体は、ブロックから大きく離れていることはなく、近隣にあることは確実である。そこで、バケット本体に水中カメラを取り付けておけば、水中カメラによりバケット本体とブロックの位置関係を判断できるような映像を撮影し、それに基づいてバケット本体の位置を調整することができる。水中カメラの撮影方向を調整できる調整手段を備えていれば、広範囲を撮影可能であり確実にバケット本体とブロックの位置関係の判断できる映像を撮影できる。
ブロック綱の他端を、クレーン先端のピンローラーに掛けることにより、目視でブロック綱の鉛直方向を確認しやすくなるため、その後の工程においてブロック綱を鉛直方向にする作業を容易に行うことができる。
以下、実施例を示した図面を参照して本発明に係るバケット及びこれを用いたブロック回収方法の実施の形態について詳細に説明する。本発明によるバケットは、水底に設置されているブロックを回収するためのものであり、例えば、起重機船に搭載されたクレーンにより吊り下げられ、水底まで降下させられ水底のブロックを把持して持ち上げるものである。本発明のバケットは、例えばグラブバケット又はオレンジピールバケットと呼ばれるものの一種であり、水上からワイヤーを介して開閉操作される把持アームを有する。本発明は、バケットの備える把持アームの数、形状及び大きさを適宜設計することにより、種々のブロックに適用することができ、特定の形状、大きさ及び材質のブロックに限定されない。また、海底、湖底、川底等のいずれの水底に設置されたブロックにも適用できる。また、同等のものであれば、ブロック以外の名称(アンカー、水底構造物、消波ブロック、魚礁等)で呼ばれるものも含む。
図1は、本発明の一実施例であるバケット1の正面図である。図2は、図1のバケット1の外観斜視図である。但し、図1の状態は、把持アーム4を閉じた状態すなわちブロック21を把持した状態であり、図2の状態は、把持アーム4を開いた状態である。また、図2は、図1の正面図に対して、中心軸について45度異なる角度からの視点でありかつ水平軸について斜め上方からの視点である。なお、本明細書における「平面視」とは、図1において上側からの視点、すなわち鉛直上方からの視点をいう。
バケット1のバケット本体は、所定の厚さの平板状である上フレーム2と下フレーム3とから構成されている。上フレーム2及び下フレーム3の各面は平行である。上フレーム2と下フレーム3の間の距離は、把持アーム4の開閉操作に伴い変化する。図1の閉状態では上フレーム2と下フレーム3が近づいており、図2の開状態では上フレーム2と下フレーム3が遠ざかっている。
上フレーム2の上面2eに設けた2つの吊り環2gには、バケット支持ワイヤー9の下端が連結されている。バケット支持ワイヤー9の上端は、水上のクレーン(図示せず)に連結されており、バケット1を鉛直方向に上昇及び下降させたり水平方向に移動させることができる。
上フレーム2の略中央(図2においてやや右寄り)に貫通孔であるガイド孔2aが形成されており、ブロック21に取り付けられた2本のブロック綱22が通されている。図示の例では、ブロック綱22は2本であるが、1本でもよい。
上フレーム2の上面2eに設けたワイヤーガイド2cの2つのローラーの間には開閉ワイヤー8が通され、さらにワイヤーガイド2cの直下に貫通する開閉ワイヤー孔2dに通され、上フレーム2の下面側へ抜け出ている。
上フレーム2の下面中央領域には、箱状の上シーブケース7aが取り付けられ、後述する複数の上シーブを収容している。上シーブケース7aの下面は開放されている。
下フレーム3の上面中央領域には、箱状の下シーブケース7bが取り付けられ、後述する複数の下シーブを収容している。下シーブケース7bの上面は開放されている。
図2において、上シーブケース7aと下シーブケース7bの間の隙間に見える4本のワイヤのうち、両側の2本は開閉ワイヤー8の一部であり、中央の2本はブロック綱22である。開閉ワイヤー8の一端は、上フレーム2の下面に固定され、他端は、水上のクレーン(図示せず)に連結されている。上シーブ及び下シーブは、円盤状で外周に溝が形成されており、動滑車を構成する。
下フレーム3の略中央にも貫通孔であるガイド孔3aが形成されており、ブロック綱22が通されている。ガイド孔3aは、平面視にて上フレーム2のガイド孔2aとほぼ同位置にある。従って、ブロック綱22は、下から上へ向かってガイド孔3a、下シーブケース7b、上シーブケース7a、ガイド孔2aの順に通され、その上端は、水上のウインチ(図示せず)に巻き取られている。
ブロック21は、図示の例では、平面視でほぼ正方形の平たい直方体であり、上面に2つのブロック綱用の吊り環21aが取り付けられ、これらの吊り環21aに2本のブロック綱22の一端がそれぞれ連結され、他端は上方に延びている。
下フレーム3は、平面視にて略正方形でありその四隅から放射状に4本の把持アーム4がそれぞれ延びている。把持アーム4は、その基端部4aから先端部4dへ向かって爪状に内向きに湾曲している。各把持アーム4の基端部4aは、下フレーム3に対して回動可能に取り付けられている。回動軸は、いずれも水平方向を向いている。
さらに、各把持アーム4の両側縁には羽根部4cが形成されている。1つの羽根部4cは、湾曲した面状であって隣の把持アームへ向かって延びている。これらの羽根部4cは、把持アーム4が閉じたときに、隣り合う把持アーム間の隙間を塞ぐ、ないしは狭める働きをする。通常、把持アーム4が閉じたときの内部空間の大きさは、ブロックを確実に捕捉できるようにブロックよりも大きめに設計される。そのため、隣り合う把持アーム間の隙間からブロックがこぼれ落ちる可能性も高くなる。従って、ブロックのこぼれ落ちを防ぎ、確実にブロックを包み込めるように羽根部4cを設けている。
羽根部4cは、湾曲面ではあるが略三角形の形状が好ましい。すなわち、三角形の底辺が把持アーム4の側縁に沿っており、三角形の他の2辺が隣り合う把持アームの方へ延びて1つの頂点を形成している。この三角形の2辺の部分がブロック21と接触してブロックを固定できる。一般的なグラブバケットの特徴として、バケットを閉める際に左右不均等なままでも動作することが挙げられる。例えば、把持アーム4本の場合、ブロックの位置によっては2本の把持アームのみでブロックを掴むこともできる。このような場合にも、羽根部4cがあることによりブロックが落下し難い。
上フレーム2は、平面視にて下フレーム3とほぼ重なる略正方形であり、その四隅には、棒状の4本のアームロッド5の一端5aが回動可能にそれぞれ取り付けられている。アームロッド5の他端5bは、把持アーム4の基端部4aと先端部4dの間に位置する中間部分4bに対し回動可能に取り付けられている。アームロッド5の数は、把持アーム4の数と同じである。アームロッド5の両端の回動軸もまた、水平方向を向いている。
これらの把持アーム4及びアームロッド5における回動可能な取付部分は、上フレーム2と下フレーム3の距離が変わることにより回動することができる。図1に示すように上フレーム2と下フレーム3が近づくと、把持アーム4及びアームロッド5が下方に回動することにより把持アーム4が閉じる。図2に示すように上フレーム2と下フレーム3が遠ざかると、把持アーム4及びアームロード5が上方に回動することにより把持アーム4が開く。
図3〜図6を参照してバケット1の構成をさらに詳細に説明する。図3は図2のA矢視図であり、図4は図2のB矢視図であり、図5は図3のC矢視図であり、図6は図4のD矢視図である。
図3は、上フレーム2を下から見た図であり、4本のアームロッド5は、上フレーム2の外周縁において等角度間隔で放射状に取り付けられている。上フレーム2の外郭形状は、図示の例では平面視にて略正方形であるが、この形状に限られない。なお、アームロッドの数及び配置は、図4に示す把持アーム4の数及び配置と一致している。
図4は、下フレーム3を上から見た図であり、4本の把持アーム4は、下フレーム3の外周縁において等角度間隔で放射状に取り付けられている。下フレーム3の外郭形状は、図示の例では平面視にて略正方形であるが、この形状に限られない。
また、把持アーム4の数及び形状も図示の例に限られず、回収対象であるブロックの種類に適したものとしてよい。図示の4本の把持アームは、直方体形状のブロックに適している。全体的に球体又は楕円体に近いブロックの場合は、2本又は3本の把持アームが適している。またブロックの大きさが小さい場合は、オレンジピール型のように6本の把持アームが適している。また、把持アームの湾曲の曲率が大きい(例えば、把持アームを閉じた際に側面から見て横向きU字状)場合は、把持アームが閉じたときに比較的横長の内部空間形状となるので、平たいブロック形状に適している。一方、把持アーム4の湾曲の曲率が小さい(例えば、把持アームを閉じた際に側面から見て三日月状)場合は、把持アームを閉じたときに比較的縦長の内部空間形状となるので、消波ブロックのような高さのあるブロック形状に適している。
再び図3を参照すると、上フレーム2の下面2fに取り付けられた上シーブケース7a内には、3つの上シーブ6a、6b、6cが収容されている。上シーブケース7aのコ字状の3つの側面が二重壁となっており、二重壁によりシーブ軸6d、6e、6fがそれぞれ水平に支持され、二重壁の間に上シーブ6a(断面で示す)、6b、6cがそれぞれ収容されている。
3つの上シーブ6a、6b、6cは、上フレーム2の略中央に貫通しているガイド孔2aを取り囲むように周囲に配置されている。ガイド孔2aにはブロック綱22が通っている。ブロック綱22と、上シーブ6a、6b、6c及び開閉ワイヤー8との間には、上シーブケース7aの二重壁の内側の壁があるので、例えばブロック綱22が弛んだ場合でもこれらが接触したり絡んだりすることが避けられる。
上シーブケース7aの外側に位置する開閉ワイヤー孔2dから抜け出る開閉ワイヤー8は、図4に示す下シーブケース7b内へと入っていく。開閉ワイヤー8は、各シーブの外周溝に嵌め込まれている。
図4を参照すると、下フレーム3の上面3eに取り付けられた下シーブケース7b内には、4つの下シーブ6g、6h、6i、6jが収容されている。下部シーブケース7bの対向する2側面が三重壁となっており、これらの三重壁によりシーブ軸6k、6lがそれぞれ水平に支持されている。一方の三重壁の間に下シーブ6g、6hがそれぞれ収容され、他方の三重壁の間に下シーブ6i、6j(断面で示す)がそれぞれ収容されている。これら2つの三重壁の部分と、図3で説明した上シーブケース7aにおける上下2つの傾斜した二重壁の部分とは、平面視にてほぼ同じ位置にある。これにより、複数の上シーブと複数の下シーブの間に開閉ワイヤー8を交互に巻き付けることができる。開閉ワイヤー8は、各シーブの外周溝に嵌め込まれている。
4つの下シーブ6g、6h、6i、6jは、下フレーム3の略中央に貫通しているガイド孔3aを挟んでその周囲に配置されている。ガイド孔3aにはブロック綱22が通っている。ブロック綱22と、下シーブ6g、6h、6i、6j及び開閉ワイヤー8との間には、下シーブケース7bの三重壁の最も内側の壁があるので、例えばブロック綱22が弛んだ場合でもこれらが接触したり絡んだりすることが避けられる。
図3及び図4に示したガイド孔2a及び3aの外周は楕円形であるが、円形でもよい。なお、従来のグラブバケットの開閉機構における上下のシーブはバケットの中央領域に配置されていた。しかしながら、本発明ではガイド孔2a及び3aを中央領域に設けることが好適(但し、中央領域に設ける場合に限定しない)であるので、上下のシーブを中央領域以外の箇所すなわちガイド孔の周囲に設けると同時に、開閉機構としての機能を確保したものである。
図5は、上フレーム2の中央領域の縦断面図であり、ガイド孔2aの断面形状が示されている。ガイド孔2aは、その軸方向において上方の径が大きく下方の径が小さいテーパ状となっている。なお、上フレーム2の部材自体を加工する替わりに、この部分にテーパ状の別部品を嵌め込んでもよい。さらに、上方開口部には面取り2a1を施すことが好ましい。ガイド孔2aが、軸方向において径が変化するテーパ状であることにより、ブロック綱22に異物(浮き玉等)が取り付けられていた場合にそれらの異物がガイド孔2aに引っ掛かりにくくなる。その結果、これらの異物が引っ掛かることによるブロック綱22の損傷が回避できる。
図6は、下フレーム3の中央領域の縦断面図であり、ガイド孔3aの断面形状が示されている。ガイド孔3aは、その軸方向において上方の径が小さく下方の径が大きいテーパ状となっている。なお、下フレーム3の部材自体を加工する替わりに、この部分にテーパ状の別部品を嵌め込んでもよい。さらに、下方開口部には面取り3a1を施すことが好ましい。ガイド孔3aが、軸方向において径が変化するテーパ状であることによる作用効果は、図5のガイド孔2aと同様である。
図7(a)(b)はそれぞれ、3つの上シーブ6a、6b、6cと、4つの下シーブ6g、6h、6i、6jの間の開閉ワイヤー8の架け渡し方の実施例を示している。図7(a)は、1本の開閉ワイヤー8による一条掛けであり、図7(b)は、2本の開閉ワイヤー8a、8bによる二条掛けである。図3及び図4に示したような上下のシーブの配置であれば、いずれの掛け方も可能である。上下間を行き来する開閉ワイヤー8は、いずれもほぼ鉛直方向に向いている。開閉ワイヤー8の一端は、図3に示した上シーブケース7a内で上フレーム2に適宜の手段で固定され、他端は、図2に示したように上フレーム2を通り、水上のクレーン等へ連結されている。クレーン等の制御により開閉ワイヤー8の他端は巻き取り又は送り出しの操作をされる。
巻き取り操作では、開閉ワイヤー8の他端を引っ張りクレーン側へ移動させる。これにより動滑車である上シーブ6a等と下シーブ6g等は互いに近づく。上シーブ6a等は上フレーム2と一体であり、下シーブ6g等は下フレーム3と一体であるから、巻き取り操作により上フレーム2と下フレーム3の間隔が短くなる。これは、図1の状態であり、把持アーム4及びアームロッド5が回動して閉じた状態となる。
送り出し操作では、開閉ワイヤー8の他端を開放すると、下フレーム3の自重で下フレーム3が下がる。これにより、上シーブ6a等と下シーブ6g等は互いに遠ざかる。すなわち、送り出し操作により上フレーム2と下フレーム3の間隔が長くなる。これは、図2の状態であり、把持アーム4及びアームロッド5が回動して開いた状態となる。
図8は、本発明によるバケットの別の実施例を示す外観斜視図である。上述の図2と同様に、把持アームを開いた状態を示している。図1〜図7に示した実施例との相違点は、ガイド孔2a、3aの位置である。図8の実施例では、ガイド孔2a、3aがバケット本体の中央ではなく、外周に近い部分に設けられている。バケットを水底まで降下させた時、ブロック21の周囲に複数の把持アームが位置することが好ましいので、ガイド孔2a、3aはバケット本体の中央に設けることが最適である。しかしながら、図8のようにガイド孔が2a、3aが外周近傍に貫通している場合、又は図示しないがバケット本体の外周縁に筒状のガイド環として取り付けた場合であっても、従来技術との比較においては遙かに正確にブロックに対してバケットを近づけることができる。また、把持アームの拡がりがブロックより十分大きく設計されている場合には、バケット本体が必ずしもブロック中心の直上でなくとも十分に掴み取ることができる。
本発明における「バケット本体を上下方向に貫通するガイド孔」は、バケット本体と一体的な貫通孔であればよく、その位置は限定されず、バケット本体の外周縁の外側にガイド環として取り付ける場合も含むものとする。
また、ガイド孔の数についても、上フレーム及び下フレームから構成されるバケット本体の場合、双方に設けることが好適であるが、いずれか一方のみに設けてもよい。また、上フレームと下フレームの双方にガイド孔設けた場合、平面視にてほぼ同位置にかつほぼ同形状で設けることが好ましいが、この限りではない。
以上に述べた本発明の変形形態については、本発明の作用効果が得られる範囲内で可能である。この作用効果とは、水底における位置が不確定なブロックに対し、確実に把持可能な程度にバケットを近づけることができるということである。
以下、図9〜図15を参照して、本発明によるバケットを用いたブロック回収方法の実施形態を説明する。なお、図9〜図15では、上述の図18で示したホタテ貝の中間育成施設におけるアンカーブロック21を回収する場合を例として説明する。以下、アンカーブロックを単に「ブロック」と称する。
図9は、ブロック回収手順の第1工程を示す。ブロック綱22の一端は、海底のブロック21に連結されている。ブロック綱22と幹綱23との結合部23aを切断し、ブロック綱22(2本とも同じ扱いである。以下同じ)の他端を水上に取り出す。
図10は、ブロック回収手順の第2工程を示す。作業船14はウインチ42を搭載している。第1工程で取り出したブロック綱22の他端をウインチ42で巻き取り、緊張させることにより、これをガイドとして作業船をブロック21のほぼ略真上に移動させる。ブロック綱22がほぼ鉛直方向に向いた位置を、ブロック21のほぼ略真上とみなす。この段階では、大体の目安の位置でよい。作業船はGPS端末を搭載しており、このときの作業船の位置をブロックの位置として起重機船(図示せず)に送信し、起重機船は自己の搭載するGPS装置(ナビゲーション機能付)にブロックの位置を記憶させる。
図11は、ブロック回収手順の第3工程を示す。起重機船51が、GPS装置を用いて作業船41の近くまで移動し、起重機船51のアンカー53をセットする。起重機船51は、アンカー53の基端を取り付けた適宜のウインチ(図示せず)を調整しながら、さらに作業船41へ近づく。起重機船51は、クレーン52を搭載しており、海面より高い位置にバケット1を吊り下げている。バケット1には、上述のバケット支持ワイヤー9及び開閉ワイヤー8が連結されている。バケット支持ワイヤー9はバケット1全体を支えている。開閉ワイヤー8はバケット1を開状態としている(上述の図2の状態)。
図12は、ブロック回収手順の第4工程を示す。図11に示した作業船上で、ブロック綱22の他端22aに別の延長ロープ26を連結する。延長ロープ26のもう1つの端部は、バケット1のガイド孔2a、3aに通され、クレーン52の先端近傍のピンローラー52aを介して、起重機船51に搭載されたウインチ54に取り付けられる。ブロック綱22の他端22aを延長ロープ26を介してピンローラー52aに掛けることにより、後述するようにブロック綱22を鉛直方向にする作業を容易に行うことができる。ピンローラー52aに掛けることにより、目視で鉛直方向を確認しやすくなる。ウインチ54により延長ロープ26を巻き取ることにより、ブロック綱22を上方に引張り緊張させる。バケット1を降下させる際には、これらのワイヤーを緊張状態に維持する必要がある。
図13Aは、ブロック回収手順の第5工程の一例を示す。バケット1がブロック21の略真上となるように移動させる。この移動においては、先ず、第2工程で起重機船51のGPS装置に記憶させた作業船の位置を参考にする。バケット1の位置は、起重機船51の位置とクレーン52による制御位置の双方から正確に導出することができる。そして、最終的には、目視により、上方に引っ張られて緊張しているブロック綱22の全体が鉛直方向に向くようにバケット1を水平方向に移動させる。ブロック綱22の全体とは、ブロック綱22の一端から他端までの全長に亘る部分をいう。ブロック綱22の全体が鉛直方向に向いたとき、バケット1は、海底のブロック21の略真上に位置することになる。これは、本発明の原理であって、ここでは、後述する海水の流れの影響によるブロック綱22の変形については無視する。基本的には、この位置を、バケット1の降下開始位置と決定する。
図13Bは、ブロック回収手順の第5工程の別の例を示す。先ず、図13Aで示したように、ブロック21の略真上にバケット1を移動させた後、さらに、海水の流れ(海中の白抜き矢印参照)の向き及び速度を考慮して、上流側に所定の距離だけバケット1を移動させる(黒矢印参照)。そして、この位置を、バケット1の降下開始位置と決定する。
図13Bのような方法を採用する理由は、次の通りである。潮流及び海流による海水の流れの影響があると、通常、ブロック綱22は、点線で示すように弓状に曲がってしまう。この状態でバケット1を降下させると、傾斜した姿勢で降下することになる。この結果、下側に位置する把持アームが先に海底に到達してしまい、バケット1の中心がブロック21の中心から離れてしまう可能性がある。そこで、バケット1の降下開始位置を、海水の流れの上流側に若干シフトさせると、流れの影響を受けて海中でのブロック綱22がほぼ鉛直方向に向くことになる。このように、海中では、ブロック綱22もバケット1も潮流を受けて流され、特にバケットは流されやすいが、その分だけバケット1の降下開始位置を上流側に設定すれば、潮流により流される距離を相殺することができ、ブロック21に近づき易くなる。海水の流れの向き及び速度は、作業船から流速計を垂下させて計測することができる。なお、海水の流れの影響の少ない場合は、図13Aの工程のみでよい。
図14は、ブロック回収手順の第6工程を示す。バケット支持ワイヤー9及び開閉ワイヤー8を延ばすことによりバケット1を降下させる。この降下の間、バケット1のガイド孔2a、3aを通るブロック綱22が鉛直方向を向きかつ緊張状態であることを維持する。バケット1は、ブロック綱22を辿るように降下する。把持アーム4は開いた状態であり、把持アーム4の先端部が海底に到達したとき、バケット本体はブロック21の直上に位置することになる。バケット1が海底に到着したことは、クレーン52に取り付けたバケット支持ワイヤー9の緩みや荷重計から知ることができる。
図15は、ブロック回収手順の第7工程を示す。バケット1が海底に到達した後、開閉ワイヤー8の巻き取り操作を行い、把持アーム4を閉じさせる。これによりブロック21が4本の把持アーム4により包み込まれるように把持される。その後、把持アーム4を閉じたまま、バケット1を引き上げる。バケット1を引き上げる際には、バケット支持ワイヤー9、開閉ワイヤー6及び延長ロープ26のいずれもウインチで巻き取る必要がある。因みに、引き上げる際には、開閉ワイヤー6でバケット1とブロック21の荷重を受ける。支持ワイヤー9と延長ロープ26は弛みをなくす程度に巻き取る。こうして、ブロック21の回収を完了する。
なお、把持アーム4がブロック21を掴めなかった場合や、ブロック21の上に把持アームが4が載ってしまった場合は、バケット1の引き上げ開始時に荷重計からそのことを知ることができる。その場合には、バケット1を一旦引き上げ、ブロック綱22の張力を適切に調整した上で、再度バケット1を降下させる。これを数回繰り返すことにより、ブロック21を確実に回収することができる。
次に、図示しないが、本発明によるバケット及びこれを用いたブロック回収方法のさらに別の実施形態を説明する。この形態では、バケットに水中カメラを取り付ける。水中カメラは、好適には、有線又は無線によりパン・チルトの遠隔操作が可能であり、撮影方向を調整して広範囲を撮影可能である。また、その映像データを出力信号として有線又は無線で送信する機能を備えている。さらに、水中カメラから送信された映像データの受信装置及び受信した映像データを分析してクレーンの動きを制御する制御装置が、起重機船51等に設置されているものとする。これにより、バケットの位置を調整することができる。
バケットに水中カメラを取り付けた場合、ブロック綱を鉛直方向とする(すなわちバケットをブロックの略真上に位置させる)ことが困難な場合でも、水中カメラからの映像をもとに、バケットをブロックに近づけることができ、ブロックを掴むことができる。例えば、バケットの少なくとも一部とブロックとが1つの映像の中に撮影されていれば、両者の位置関係を把握できる。また、ブロック綱を撮影すれば、海中でのブロック綱の傾斜の程度を判断でき、これによってもバケットとブロックの位置関係を把握できる。また、バケットの着底後に把持アームを閉じた場合、ブロックを掴めたか否かを水中カメラの映像で確認することができるので、荷重計のみに頼らなくてよい。これにより、ブロックの把持のために把持アームの開閉を何度も試みなくともよくなるので、作業効率が良くなる。
図16を参照して、上下方向に離隔した一対のガイド孔を設ける効果を説明する。上フレームと下フレームの双方にガイド孔を設けた場合、当然ながら双方のガイド孔にブロック綱を通すことが好ましい。これは、次の理由による。
潮流がなければ、ブロックの真上にバケット1を位置させることができれば、ブロック綱を1つのガイド孔のみに通しても、2つのガイド孔の双方に通してもほとんど同じ効果である。
しかしながら、潮流の影響が大きい場合など、バケット1の位置がブロック21の真上からずれてしまうことがある。このような場合、図16(a)〜(c)に示すようにブロック綱22は、鉛直ではなくやや傾いた状態になっている。ブロック綱22の鉛直方向からの偏心距離をdで示している。このような状態でバケット1を下降させると、バケット1の自重によってブロック綱22は折れ曲がる。この折れ曲がる度合いは、バケット1の重量やブロック綱22の傾斜度及び緊張度によって変わる。
バケット1の傾斜が大きくなりすぎると、バケット1はブロック21に到達できないが、傾斜の程度が一定の範囲であればバケット1はブロック21に到達することができる(このことは、1/50スケールの実験で確認されている)。この到達範囲が、ガイド孔2a、3aの個数で大きく異なる。図16(a)のようにブロック綱22を通すガイド孔が上側の1ヶ所のみの場合、又は、図16(b)のようにガイド孔が下側の1箇所のみの場合は、ブロック綱22にバケット1がぶら下がった状態で下降するため、着底時にブロックの横(把持アームの把持可能な範囲外)に着底し易い。一方、図16(c)のようにガイド孔が上下2ヶ所の場合には、傾斜したブロック綱22に対してバケット1のフレーム面がほぼ垂直となりながら下降するため、ブロック21に向かって下降することになる(矢印参照)。その結果、バケット1の多少の傾斜があってもブロック21を掴める範囲に着底する。この際、片側の爪が先に着底するが、十分にブロックの近くであるため、問題ない。
また、ブロック綱22が折れ曲がることに対しても、ガイド孔が1ヶ所だと荷重が集中するために大きく曲がるが、ガイド孔が上下2ヶ所の場合では荷重が分散されるためにブロック綱22の曲がりも小さくなる。ブロック綱22の曲がりが大きければ大きいほど、ブロック21に近づきにくくなるので、ガイド孔が2ヶ所の場合には有利となる。
もちろん、施工条件や作業の都合上の問題がなければ、一方のガイド孔にのみブロック綱を通して作業を行ってもよい。その場合、下フレームのガイド孔に通す方が、よりブロックの中心に近づきやすいことは、図16の(a)と(b)を比較すれば明らかである。
図17は、バケット1に2つの水中カメラC1、C2を取り付けた実施例を示す概略図である。第1のカメラC1はパン・チルト式であり、下フレームに取り付けられる。第2のカメラC2は固定式であり、適宜の取付具により上フレームに取り付けられる。それぞれのカメラの撮影可能範囲v1、v2を点線で示す。水上から延びる水中カメラケーブルL0は、水中コネクタJを介して2つの分岐ケーブルL1、L2により2つのカメラC1、C2と接続されている。
バケット1の下降時には、ブロック21に到着できるようにブロック21を探し出すことを目的として、下フレームに取り付けた第1のカメラC1でブロック綱22(下端部の図示を省略)を撮影しながら下降させる。海底付近では透視度が低いため、ブロック21が少し離れていると撮影できない。従って、第1のカメラC1は下フレームに取り付ける必要がある。水中カメラは、暗くても撮影可能な低照度カメラが好ましい。
バケット1がブロック21の近傍まで到着した後は、下フレームの第1カメラC1は、ブロック21に近すぎて撮影不能となる。従って、把持アームがブロック21を掴める位置にあるか否かを確認するために、上フレームに取り付けた第1のカメラC2で撮影を行う。この2台のカメラC1、C2の映像を切り替えて確認し、バケット1の位置を調整することにより、ブロック21を確実に掴むことができる。
本発明の一実施例であるバケットの正面図である。 図1のバケットの外観斜視図である。 図2のA矢視図である。 図2のB矢視図である。 図3のC矢視図である。 図4のD矢視図である。 (a)(b)はそれぞれ、3つの上シーブと、4つの下シーブの間の開閉ワイヤーの架け渡し方の実施例を示している。 本発明によるバケットの別の実施例を示す外観斜視図である。 本発明によるバケットを用いたブロック回収手順の第1工程を示す。 本発明によるバケットを用いたブロック回収手順の第2工程を示す。 本発明によるバケットを用いたブロック回収手順の第3工程を示す。 本発明によるバケットを用いたブロック回収手順の第4工程を示す。 本発明によるバケットを用いたブロック回収手順の第5工程の一例を示す。 本発明によるバケットを用いたブロック回収手順の第5工程の別の例を示す。 本発明によるバケットを用いたブロック回収手順の第6工程の一例を示す。 本発明によるバケットを用いたブロック回収手順の第7工程の一例を示す。 上下方向に離隔した一対のガイド孔を設ける効果を説明する図である。 水中カメラを取り付けた実施例を示す図である。 ホタテ貝の中間育成施設の設置状態を模式的に示した図である。
符号の説明
1 バケット
2 上フレーム
2a ガイド孔
3 下フレーム
4 把持アーム
5 アームロッド
6a、6b、6c 上シーブ
6d、6e 上シーブ軸
6g、6h、6i、6j 下シーブ
6k、6l 下シーブ軸
7a 上シーブケース
7b 下シーブケース
8 開閉ワイヤー
9 バケット支持ワイヤー
21 ブロック(アンカーブロック)
22 ブロック綱
23 幹綱
26 延長ロープ
51 起重機船
52 クレーン
53 アンカー
54 ウインチ
C1、C2 水中カメラ

Claims (10)

  1. ブロック綱を取り付けられ水底に設置されたブロック(21)を回収するためのバケット(1)であって、
    バケット本体(2,3)と、
    前記バケット本体に対し平面視にて放射状に取り付けられ、該バケット本体の下方に前記ブロックが位置する場合に該ブロックをその周囲から包み込むように掴むべく操作される複数の把持アーム(4)と、
    前記ブロックに一端が取り付けられている前記ブロック綱の他端を、下から上へ通すために前記バケット本体を上下方向に貫通するガイド孔(2a,3a)とを備えたことを特徴とするバケット。
  2. 前記ガイド孔(2a,3a)が、平面視にて前記バケット本体の略中央に位置することを特徴とする請求項1に記載のバケット。
  3. 前記バケット本体を貫通する前記ガイド孔が一対設けられており、該一対のガイド孔は上下方向に離隔して平面視にて略同位置に貫通しており、前記ブロック綱(22)が双方のガイド孔(2a,3a)に通されることを特徴とする請求項1又は2に記載のバケット。
  4. 前記複数の把持アーム(4)の各々は、基端部が前記バケット本体の外周縁に対し回動可能に取り付けられると共に該バケット本体から平面視にて放射状に延びつつ先端部に向かって内向きに湾曲した形状を有し、かつ各把持アームの両側縁には羽根部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のバケット。
  5. 前記バケット本体が上下方向に離隔した一対の平板状の上フレーム(2)と下フレーム(3)とを備え、
    前記把持アームの開閉機構の一部として、前記上フレーム(2)に対し一体的に取り付けられた複数の上シーブ(6a,6b,6c)と、前記下フレーム(3)に対し一体的に取り付けられた複数の下シーブ(6g,6h,6i,6j)と、前記複数の上シーブと前記複数の下シーブとの間に架け渡されかつ一端が前記上フレームに固定されるとともに他端に対して巻き取り又は送り出しの操作をされることにより該上フレームと該下フレームを互いに近づけ又は遠ざける少なくとも1つの開閉ワイヤー(8)とを備え、
    前記一対のガイド孔(2a,3a)が前記上フレーム(2)及び前記下フレーム(3)の略中央にそれぞれ設けられる場合に、前記上シーブ(6a,6b,6c)及び前記下シーブ(6g,6h,6i,6j)が前記ガイド孔の周囲に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバケット。
  6. 前記バケット本体に取り付けられた水中カメラをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバケット。
  7. 前記水中カメラが前記ブロックと前記バケット本体との位置関係を判断可能な映像を撮影できるように、該水中カメラの撮影方向を調整する調整手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のバケット。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載されたバケット(1)を用いることにより、ブロック綱(22)を取り付けられ水底に設置されたブロック(21)を回収する方法であって、
    前記ブロックに一端が取り付けられている前記ブロック綱の他端を、前記ガイド孔(2a,3a)に下から上へ通し、該ブロック綱の他端を引張り緊張させた状態で、該ブロック綱全体が略鉛直方向を向くように前記バケットを水平移動させることにより、前記バケット本体を前記ブロックの略真上に位置させた後、該バケット本体を下降させ、前記複数の把持アームを操作して該ブロックを掴むことを特徴とするブロック回収方法。
  9. 請求7に記載されたバケット(1)を用いることにより、ブロック綱(22)を取り付けられ水底に設置されたブロック(21)を回収する方法であって、
    前記ブロックに一端が取り付けられている前記ブロック綱の他端を、前記ガイド孔(2a,3a)に下から上へ通し、該ブロック綱の他端を引張り緊張させた状態で、前記バケット本体を前記ブロックの略真上に近づけた後、該バケット本体を下降させ、前記複数の把持アームを操作して該ブロックを掴む一連の工程において、
    前記バケット本体を下降させる際に、前記調整手段を用いて前記水中カメラの撮影方向を調整し、前記ブロックと前記バケット本体との位置関係を判断可能な映像を撮影し、該映像に基づいて該バケット本体を該ブロックを掴むことが可能な位置まで近づけることを特徴とするブロック回収方法。
  10. 前記ブロック綱の他端を、クレーンの先端に取り付けたピンローラーに掛けて引張り緊張させることを特徴とする請求項8又は9に記載のブロック回収方法。
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