JP6936490B2 - 水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケット - Google Patents

水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケット Download PDF

Info

Publication number
JP6936490B2
JP6936490B2 JP2018093580A JP2018093580A JP6936490B2 JP 6936490 B2 JP6936490 B2 JP 6936490B2 JP 2018093580 A JP2018093580 A JP 2018093580A JP 2018093580 A JP2018093580 A JP 2018093580A JP 6936490 B2 JP6936490 B2 JP 6936490B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bucket
underwater
skeleton
skeleton bucket
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018093580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018193059A (ja
Inventor
竜二 金井
竜二 金井
浩 小貫
浩 小貫
伸次郎 高橋
伸次郎 高橋
Original Assignee
株式会社西村組
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社西村組 filed Critical 株式会社西村組
Publication of JP2018193059A publication Critical patent/JP2018193059A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6936490B2 publication Critical patent/JP6936490B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)

Description

本発明は、水底に点在する水中物体を回収するのに好適な水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケットに関するものである。
従来、魚類の生息環境整備として、数十年前から沿岸域に魚礁ブロックが海底に設置されている。数十年経過した現在でも魚礁ブロックは機能しているものの、漁場を拡張または移設等する際に、移設や回収が必要となるケースがある。また、地球温暖化などの気候変動により、対象魚類の変化や生息箇所の変化が生じているため、これらの変化に対応し魚礁ブロックを移設することが好ましいケースもある。そこで、例えば、特開2009−107740号公報には、所定のバケットを用いて水底に設置されたブロックを回収するブロック回収方法が提案されている(特許文献1)。
特開2009−107740号公報
しかしながら、特許文献1に記載のブロック回収方法においては、回収しようとするブロックに、育成籠を設置する際に使用するブロック綱が取り付けられている。そして、前記ブロック綱に沿ってバケット本体を辿らせ、ブロックの略真上に近づけて回収するようになっている。このため、特許文献1の方法では、ブロック綱等が設けられておらず、単体で点在する水中物体を回収することは極めて困難であるという問題がある。
また、特許文献1に記載のバケットは、上記のとおり、ブロックの略真上に位置されることを前提とするため、放射状に設けられた複数本の把持アームによって、ブロックを一つずつ掴むように構成されている。このため、円筒形ブロックのように破損しやすい水中物体については、掴み方が悪いと引き上げる前に壊してしまうおそれがある。そうすると、壊れた水中物体が水中に拡散・放置されてしまうという問題もある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、水底に点在する多数の水中物体をできるだけ壊すことなく高効率で回収することができる水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケットを提供することを目的としている。
本発明に係る水中物体回収方法は、水底に点在する多数の水中物体をできるだけ壊すことなく高効率で回収するという課題を解決するために、所定の測深手段によって測定された水底の水深値に基づいて、水底に点在する回収対象である水中物体の物体位置を予め特定する物体位置特定工程と、前記水中物体が脱落しない格子状に形成されたスケルトンバケットを昇降可能な作業船を前記物体位置近傍に移動させる作業船移動工程と、前記スケルトンバケットに設けられた水中映像取得手段からの水中映像に基づいて、前記スケルトンバケットを前記水中物体上に降下させるバケット降下工程と、前記スケルトンバケットが前記水中物体を把持した状態で、前記スケルトンバケットを上昇させるバケット上昇工程と、を有する。
また、本発明の一態様として、水底に点在する多数の水中物体を回収するのに好適なスケルトンバケットを構成するという課題を解決するために、前記スケルトンバケットは、互いに向かい合う一対のバケット本体が開閉可能に構成されているとともに、各バケット本体は、各バケット本体を開閉可能に支持する開閉アームと、前記開閉アームに対して略水平方向に支持され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数本の横棒と、前記各横棒と略直交するように貫通され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数枚の縦板とを有していてもよい。
さらに、本発明の一態様として、スケルトンバケットが水底に刺さり過ぎるのを防止し、引き上げ開始直後から軽い力でも速やかに上昇するとともに、水底を過度に攪乱しないという課題を解決するために、前記各バケット本体には、前記各バケット本体によって形成される開口の端縁部近傍に設けられ、前記スケルトンバケットが水底に刺さり過ぎるのを防止する刺さり過ぎ防止パイプが設けられていてもよい。
また、本発明の一態様として、アンカーによる作業船の固定作業を省略することで回収作業を迅速化し、水底に点在する多数の水中物体をできるだけ多く回収するという課題を解決するために、前記作業船は、前記作業船の現在の位置および方向からなる船体位置を検出する船体位置検出手段と、前記スケルトンバケットを昇降させるクレーンの旋回角度、ジブ角度およびジブ長さに基づいて、前記船体位置に対する前記スケルトンバケットの相対的なバケット位置を特定するバケット位置特定部を有する水中物体回収管理装置と、前記作業船の前後位置および左右位置を補助的に調整する船体位置調整手段と、を備えており、前記バケット降下工程では、前記作業船をアンカーで固定することなく、前記船体位置調整手段によって、前記バケット位置と前記物体位置とが略一致するように保持してもよい。
さらに、本発明の一態様として、水中物体に対する作業船の誘導作業を簡易化かつ迅速化し正確性も向上させるという課題を解決するために、前記作業船は、前記作業船の現在の位置および方向からなる船体位置を検出する船体位置検出手段と、前記スケルトンバケットを昇降させるクレーンの旋回角、ジブ角およびジブ長さに基づいて、前記船体位置に対する前記スケルトンバケットの相対的なバケット位置を特定するバケット位置特定部と、前記物体位置、前記船体位置および前記バケット位置を表示手段に表示させる表示制御部とを有する水中物体回収管理装置と、を備えており、前記作業船移動工程では、前記表示制御部が、前記バケット位置とは別に、前記スケルトンバケットを降下する降下位置を仮想点として前記表示手段に表示してもよい。
また、本発明の一態様として、水流によってスケルトンバケットが流されやすい状況下や、水中映像が見えにくい状況下においても、水中物体を回収するという課題を解決するために、前記作業船は、水中における前記スケルトンバケットの水中位置を検出する水中位置検出手段を備えており、前記バケット降下工程では、前記水中位置と前記物体位置とが略一致するようにクレーンまたは作業船を操作してもよい。
さらに、本発明の一態様として、スケルトンバケットを正確に位置決めし易く、水底に到達した刃先が水中物体を破壊するのを防止するとともに、水底に到達するまでは、点在する水中物体の物体位置を正確に把握するという課題を解決するために、前記水中映像取得手段は、前記スケルトンバケットの開口における略中央部上方に設けられており、前記スケルトンバケットを最も開いた状態で、前記スケルトンバケットの刃先を含む画角を有し、水底に到達する直前の刃先を確認する刃先確認用水中カメラと、前記刃先確認用水中カメラの画角よりも狭い画角を有し、前記スケルトンバケットを降下させている間の前記物体位置を確認する物体位置確認用水中カメラとを有していてもよい。
また、本発明の一態様として、スケルトンバケットを水中物体の下方に潜り込み易くして破壊し難くするとともに、回収した水中物体を脱落し難くするという課題を解決するために、前記スケルトンバケットを最も閉じた状態における刃先が、水平面に対して15°以上25°以下の角度で下向きに傾斜されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、水中物体の破片等も漏らさずに回収するとともに、水中物体を破壊し難くするという課題を解決するために、前記縦板は、前記各バケット本体の両端部に設けられる一対の堰板と、前記各堰板間に設けられ鉤爪状に形成された複数の鉤爪板とを有するとともに、前記各鉤爪板間には、平板状に形成された複数の平爪板が設けられており、前記スケルトンバケットを最も閉じた状態において、一方の前記バケット本体に設けられた前記鉤爪板および/または前記平爪板の刃先と、他方の前記バケット本体に設けられた前記鉤爪板および/または前記平爪板の刃先とが交差されていてもよい。
また、本発明に係るスケルトンバケットは、水底に点在する多数の水中物体を効率的に回収するという課題を解決するために、互いに向かい合う一対のバケット本体が開閉可能に構成されているとともに、各バケット本体は、各バケット本体を開閉可能に支持する開閉アームと、前記開閉アームに対して略水平方向に支持され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数本の横棒と、前記各横棒と略直交するように貫通され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数枚の縦板とを有している。
また、本発明の一態様として、スケルトンバケットが水底に刺さり過ぎるのを防止し、引き上げ開始直後から軽い力でも速やかに上昇するとともに、スケルトンバケットの水底を過度に攪乱しないという課題を解決するために、前記各バケット本体には、前記各バケット本体によって形成される開口の端縁部近傍に設けられ、前記スケルトンバケットが水底に刺さり過ぎるのを防止する刺さり過ぎ防止パイプが設けられていてもよい。
また、本発明の一態様として、スケルトンバケットを水中物体の下方に潜り込み易くして破壊し難くするとともに、回収した水中物体を脱落し難くするという課題を解決するために、前記スケルトンバケットを最も閉じた状態における刃先が、水平面に対して15°以上25°以下の角度で下向きに傾斜されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、水中物体の破片等も漏らさずに回収するとともに、水中物体を破壊し難くするという課題を解決するために、前記縦板は、前記各バケット本体の両端部に設けられる一対の堰板と、前記各堰板間に設けられ鉤爪状に形成された複数の鉤爪板とを有するとともに、前記各鉤爪板間には、平板状に形成された複数の平爪板が設けられており、前記スケルトンバケットを最も閉じた状態において、一方の前記バケット本体に設けられた前記鉤爪板および/または前記平爪板の刃先と、他方の前記バケット本体に設けられた前記鉤爪板および/または前記平爪板の刃先とが交差されていてもよい。
本発明によれば、水底に点在する多数の水中物体をできるだけ壊すことなく高効率で回収することができる。
本発明に係る水中物体回収方法に用いる作業船およびスケルトンバケットの一実施形態を示す全体図である。 本第1実施形態のスケルトンバケットが閉じた状態を示す(a)正面図および(b)側面図である。 本第1実施形態のスケルトンバケットが開いた状態を示す(a)正面図および(b)平面図である。 本第1実施形態のスケルトンバケットの実物であって、(a)閉じた状態、および(b)開いた状態を示す写真である。 本第1実施形態の水中物体回収管理システムを示すブロック図である。 本第1実施形態の表示手段に表示される表示画面の一例である。 本第1実施形態の水中物体回収方法を示すフローチャートである。 本第2実施形態のスケルトンバケットが開いた状態を示す(a)正面図および(b)平面図である。 本第2実施形態のスケルトンバケットが閉じた状態を示す(a)正面図および(b)右側面図である。 スケルトンバケットが降下しながら閉じる際における、(a)第1実施形態の刃先の軌跡、および(b)第2実施形態の刃先の軌跡を示す図である。 本第2実施形態のスケルトンバケットの実物であって、(a)側面上方から見た状態、および(b)開いた状態を示す写真である。
以下、本発明に係る水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケットの一実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明において、水中物体とは、海底、湖底、川底等の水底に単体で点在する全ての物体を含む概念であり、例えば、魚礁ブロック、アンカー、水底構造物、消波ブロック、流木、漁網、水底に敷設される水産増養殖施設等が含まれる。
本第1実施形態では、本発明に係る水中物体回収方法を実行するに際して、図1に示すように、水中物体を回収するためのスケルトンバケット1Aと、このスケルトンバケット1Aを昇降ないし移動させるクレーン2が搭載された作業船3とを用いて、水中物体4としての魚礁ブロックを回収するようになっている。以下、各構成について説明する。
スケルトンバケット1Aは、水底に点在する水中物体4を回収するためのものである。本第1実施形態において、スケルトンバケット1Aは、作業船3に搭載されたクレーン2によって昇降可能に構成されているとともに、作業船3上のオペレータによる操作によって開閉可能に構成されている。具体的には、図2から図4に示すように、スケルトンバケット1Aは、互いに向かい合う一対のバケット本体11,11と、互いに近接または離隔する上フレーム12および下フレーム13と、各バケット本体11を開閉可能に支持するアームロッド14とを有している。
各バケット本体11は、図2から図4に示すように、各バケット本体11を開閉可能に支持する開閉アーム111と、この開閉アーム111に対して略水平方向に支持され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数本の横棒112と、各横棒112と略直交するように貫通され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数枚の縦板113とを有しており、水中物体4が脱落しない格子状に形成されている。
開閉アーム111は、図2から図4に示すように、略鉤爪状に形成された鋼板等によって構成されており、本第1実施形態では、各バケット本体11に対して二つ設けられている。横棒112は鋼パイプ等によって構成されており、本第1実施形態では、太さの異なる四本の横棒112が、バケット本体11のそれぞれに設けられている。縦板113は鋼板等によって構成されており、本第1実施形態では、各バケット本体11の両端部に設けられる一対の堰板113aと、各堰板113a間に設けられる略鉤爪状の鉤爪板113bとを有している。
なお、上述した四本の横棒112のうち、最も下方側の横棒112、すなわち、各バケット本体11によって形成される開口の端縁部近傍に沿って略水平方向に設けられる横棒112は、刺さり過ぎ防止パイプ112aとして機能する。この刺さり過ぎ防止パイプ112aは、スケルトンバケット1Aが水底に刺さり過ぎるのを防止し、水中物体4以外の余分な砂等を回収しないようになっている。また、水底に刺さり過ぎないことで、砂等を巻き上げにくく、水底を過度に攪乱することがない。このため、ホタテガイなどの底生魚貝類に大きな影響を及ぼすことがなく、効率的に水中物体4を回収することが可能となる。
上フレーム12の四隅には、各アームロッド14の上端部が回動可能に取り付けられている。また、各アームロッド14の下端部は、各開閉アーム111の中間部に対して回動可能に取り付けられている。さらに、各開閉アーム111の上端部は、下フレーム13の四隅において回動可能に取り付けられている。そして、上フレーム12に設けられた上シーブ121と、下フレーム13に設けられた下シーブ131とが開閉ワイヤ15によって巻回されて動滑車を構成している。
上記構成により、作業船3上のオペレータが、開閉ワイヤ15を操作することにより、上フレーム12と下フレーム13との距離が変化し、各バケット本体11が開閉するようになっている。具体的には、図2に示すように、上フレーム12と下フレーム13とが近接すると、各バケット本体11が閉じられる。一方、図3に示すように、上フレーム12と下フレーム13とが離隔すると、各バケット本体11が開かれるようになっている。
また、上フレーム12には、スケルトンバケット1Aを昇降させる昇降ワイヤ16の下端が連結されており、当該昇降ワイヤ16の上端が作業船3上のクレーン2に連結されている。このため、作業船3上のオペレータが、昇降ワイヤ16を操作することにより、スケルトンバケット1Aが鉛直方向に昇降し、クレーン2を操作することにより、スケルトンバケット1Aが移動するようになっている。
さらに、下フレーム13の略中央部には、図2(b)に示すように、水中を撮影可能な水中映像取得手段17が略鉛直下向きに設けられている。本第1実施形態において、水中映像取得手段17は、高感度で低照度でも撮影可能な水中カメラ17であって、パン・チルトを遠隔操作する機能と、撮影した映像信号を出力する機能とを有している。また、作業船3上には、水中カメラ17から出力された映像信号を受信して表示する映像表示装置(図示せず)が設けられており、スケルトンバケット1Aの開口周辺の水中映像がリアルタイムで表示されるようになっている。
また、本第1実施形態において、水中カメラ17と映像表示装置とは、映像ケーブルによって有線接続されている。このため、スケルトンバケット1Aを上昇させる際は、映像表示装置から映像ケーブルを取り外し、別途、巻き上げる必要がある。しかしながら、魚礁ブロックの回収作業のように、一日に何十回もスケルトンバケット1Aを上下させる必要がある場合、作業員の負担が大きい。そこで、本第1実施形態では、作業員の負担を軽減するため、当該映像ケーブルに被覆材を施して強化するとともに、映像ケーブルを機械的に巻き上げるためのケーブル巻上装置(図示せず)を作業船3上に設けている。
このケーブル巻上装置は、電動式または油圧式等の駆動源と、当該駆動源によって回転駆動される巻上ドラムとを有している。当該巻上ドラムは、映像ケーブルを数回巻き付けるだけで被覆材との間に摩擦を発生させ、その摩擦力で巻き上げるようになっている。なお、巻き上げられた映像ケーブルは、順次、巻上ドラムから外されて作業船3上に載置される。そして、スケルトンバケット1Aを降下させる際は、作業員の手作業によって映像ケーブルにテンションをかけながら徐々に水中に投入する。これにより、映像ケーブルが水流によって大きく流されてしまうことがないため、引っ掛かり等を防止できるとともに、繰り出すケーブル長も短くて済むため、巻き上げ作業も容易となる。また、本第1実施形態では、水中カメラ17が有線で接続されているが、この構成に限定されるものではなく、無線によって水中映像を送信するように構成されていてもよい。
なお、スケルトンバケット1Aの構成は、上記に限定されるものではない。すなわち、水底に点在する多数の水中物体4をできるだけ壊すことなく高効率で回収するという本発明の作用効果を奏する範囲において、形状や数量等を適宜、変更してもよい。また、光量や位置・向きを調整可能なLED(Light Emitting Diode)等の水中ライトを併用して水中映像の光量を補完することが好ましい。さらに、本第1実施形態では、水中映像取得手段17として水中カメラ17を使用しているが、これに限定されるものではなく、リアルタイムに水中を映像化できるものであれば、マルチビームソナーや音響カメラ等を使用してもよい。
具体的には、音響ビームの送受波機をスケルトンバケット1Aの下フレーム13等に取り付け、音響通信を介して作業船3上の映像表示装置へ連続的な静止画像を送信するようにしてもよい。これにより、映像ケーブルを用いることなく、ほぼリアルタイムに水中映像が取得できる。このため、映像ケーブルの破断等によって回収作業が中断ないし中止されてしまうことがない。
つぎに、作業船3は、起重機船(クレーン船)等によって構成されており、スケルトンバケット1Aを用いて水中物体4を回収するものである。本第1実施形態において、作業船3には、図5に示すように、作業船3の現在の位置および方向からなる船体位置を検出する船体位置検出手段5と、作業船3の前後位置および左右位置を補助的に調整する船体位置調整手段6と、水中におけるスケルトンバケット1Aの水中位置を検出する水中位置検出手段7と、水中物体4の回収作業を管理する水中物体回収管理装置10とからなる水中物体回収管理システムが備えられている。
船体位置検出手段5は、作業船3の現在の位置および方向からなる船体位置を検出するものであり、本第1実施形態では、二つのGPS受信機によって構成されている。なお、船体位置検出手段5は、GPS受信機とコンパスとによって構成されていてもよい。船体位置調整手段6は、作業船3の前後位置および左右位置を補助的に調整するものであり、本第1実施形態では、前後位置を調整する押し船と、左右位置を調整するサイドスラスターとによって構成されている。
水中位置検出手段7は、水中におけるスケルトンバケット1Aの水中位置を検出するものである。本第1実施形態において、水中位置検出手段7は、作業船3側に設けられるトランシーバと、スケルトンバケット1A側に設けられるトランスポンダとによって構成されている。そして、トランシーバーの呼びかけに応答して、トランスポンダから発信された音波信号を解析することにより、スケルトンバケット1Aの水中位置がリアルタイムで検出される。
水中物体回収管理装置10は、パーソナルコンピュータ等によって構成されており、水中物体4の回収作業を管理するものである。本第1実施形態において、水中物体回収管理装置10は、操船室やオペレータ室等に設けられており、図5に示すように、主として、キーボードやマウス等の入力手段20と、液晶ディスプレイ等の表示手段30と、各種のデータを記憶する記憶手段40と、これらの各手段を制御するとともに各種の演算処理を実行する演算処理手段50とを有している。
なお、本第1実施形態では、入力手段20と表示手段30とを別個に有しているが、この構成に限定されるものではなく、タッチパネル等のように、データの入力機能と表示機能とを兼ね備えた表示入力手段を有していてもよい。
記憶手段40は、各種のデータを記憶するとともに、演算処理手段50が演算処理を行う際のワーキングエリアとして機能するものである。本第1実施形態において、記憶手段40は、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等で構成されており、図5に示すように、プログラム記憶部41と、物体位置記憶部42と、降下位置記憶部43とを有している。
プログラム記憶部41には、水中物体回収管理プログラム10aがインストールされている。そして、この水中物体回収管理プログラム10aが演算処理手段50によって実行されることにより、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等のコンピュータを後述する各構成部として機能させるようになっている。なお、水中物体回収管理プログラム10aの利用形態は、上記構成に限られるものではなく、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体から直接読み出して実行してもよく、クラウドコンピューティング方式やASP(Application Service Provider)方式等で利用してもよい。
物体位置記憶部42は、水底に点在する水中物体4の物体位置を記憶するものである。本第1実施形態では、後述するとおり、水中物体4を回収するに際して、事前に所定の測深手段によって水底の水深値を測深し、当該水深値に基づいて水中物体4の物体位置を予め特定する。このため、物体位置記憶部42には、予め特定された物体位置に対応する座標値が記憶されている。なお、本第1実施形態では、測深手段としてマルチビームソナーを使用している。
降下位置記憶部43は、スケルトンバケット1Aを降下する降下位置を仮想点として表示するためのデータを記憶するものである。本第1実施形態において、降下位置記憶部43には、使用するクレーン2のジブ長さと、スケルトンバケット1Aを降下させる際に想定される、クレーン2の旋回角度およびジブ角度とが記憶されている。そして、これら三つのデータに基づいて、後述するバケット位置特定部52が、船体位置に対するスケルトンバケット1Aの相対的な降下位置を算出するようになっている。
演算処理手段50は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、水中物体回収管理プログラム10aを実行することにより、図5に示すように、船体位置特定部51と、バケット位置特定部52と、水中位置特定部53と、表示制御部54として機能するようになっている。
船体位置特定部51は、作業船3の現在の位置および方向からなる船体位置を特定するものである。本第1実施形態において、船体位置特定部51は、船体位置検出手段5としての二つのGPS受信機から作業船3上における二箇所の位置情報を取得する。そして、これらの位置情報に基づいて、船体位置特定部51が、作業船3の現在位置と、作業船3が現在向いている方向とを特定するようになっている。
バケット位置特定部52は、船体位置に対する前記スケルトンバケット1Aの相対的なバケット位置を特定するものである。本第1実施形態において、バケット位置特定部52は、スケルトンバケット1Aを昇降させるクレーン2の旋回角度、ジブ角度およびジブ長さに基づいて、スケルトンバケット1Aの現在位置であるバケット位置や、仮想点として表示する上述の降下位置を算出するようになっている。
水中位置特定部53は、水中におけるスケルトンバケット1Aの水中位置を特定するものである。本第1実施形態において、水中位置特定部53は、上述した水中位置検出手段7としてのトランシーバーで受信された、トランスポンダからの音波信号を解析し、スケルトンバケット1Aの水中位置をリアルタイムで特定するようになっている。
表示制御部54は、上述した物体位置、船体位置およびバケット位置を表示手段30に表示させるものである。本第1実施形態において、表示制御部54は、図6に示すように、物体位置記憶部42に記憶されている座標値に基づいて、予め特定された水中物体4の物体位置を表示手段30に表示させる。また、表示制御部54は、船体位置特定部51によって特定された船体位置を表示手段30に表示させる。さらに、表示制御部54は、バケット位置特定部52によって特定されたバケット位置を表示手段30に表示させるようになっている。
また、本第1実施形態において、表示制御部54は、作業船3を物体位置近傍に移動させる際、図6に示すように、上記バケット位置とは別に、スケルトンバケット1Aを降下する降下位置を仮想点として表示手段30に表示させる。このため、作業船3の移動時におけるバケット位置が、降下位置とは異なる場合であっても、降下位置が仮想点として常に表示される。よって、当該降下位置が物体位置と略一致するように作業船3を誘導することで、迅速な位置合わせが可能となる。
つぎに、本発明に係る水中物体回収方法およびスケルトンバケット1Aの作用について、図7を参照しつつ説明する。
本第1実施形態の水中物体回収方法を実行する場合、まず、所定の測深手段によって測定された水深値に基づいて、水底に点在する回収対象である水中物体4の物体位置を予め特定する(ステップS1:物体位置特定工程)。これにより、多数の水中物体4が点在するような水域においても、水中物体4の分布状況が正確に把握される。このとき、測深手段による計測ピッチを小さくし、測深手段の直下のデータを使用することで、計測精度が向上する。
つぎに、回収しようとする水中物体4の物体位置近傍に作業船3を移動させる(ステップS2:作業船移動工程)。このとき、水中物体回収管理装置10の表示制御部54が、水中物体4の物体位置と、作業船3の船体位置とを表示手段30にプロット表示する。このため、作業船3は、回収しようとする水中物体4に対して迅速かつ正確に誘導される。
また、本第1実施形態において、上記作業船移動工程では、表示制御部54が、バケット位置とは別に降下位置を仮想点として表示手段30にプロット表示する。このため、スケルトンバケット1Aの実際の位置が降下位置とは異なる場合でも、当該降下位置が物体位置と略一致するように作業船3を誘導するだけで位置合わせが完了するため、誘導作業が簡易化かつ迅速化し正確性も向上する。
つづいて、回収しようとする水中物体4上にスケルトンバケット1Aを開いた状態で降下させる(ステップS3:バケット降下工程)。このとき、オペレータは、スケルトンバケット1Aに設けられた水中カメラ17からのリアルタイムな水中映像に基づいて、スケルトンバケット1Aを操作する。このため、水中物体4の実際の位置が予め特定されていた物体位置と多少ずれていた場合でも、水中物体4に対してスケルトンバケット1Aを確実に誘導する。
また、本第1実施形態では、水底に点在する多数の魚礁ブロックをできるだけ多く回収することを想定している。このため、上記バケット降下工程では、作業船3をアンカーで固定することなく、船体位置調整手段6によって、バケット位置と物体位置とが略一致するように保持する。これにより、アンカーで固定しなくても作業船3の船体位置が保持されるため、スケルトンバケット1Aを正確に水中物体4上へ誘導する。また、アンカーによる固定作業を省略することで、一箇所あたりの回収作業時間が短縮するため、限られた時間でより多くの水中物体4を回収することが可能となる。
さらに、本第1実施形態において、上記バケット降下工程では、スケルトンバケット1Aの水中位置と水中物体4の物体位置とが略一致するようにクレーン2または作業船3を操作する。これにより、水流によってスケルトンバケット1Aが流されやすい状況や、水中映像が見えにくい状況においても、スケルトンバケット1Aを水中物体4に誘導することが可能となる。また、上記物体位置特定工程で特定された物体位置の信頼性が極めて高い場合には、水中映像を確認しなくても、スケルトンバケット1Aを水中物体4に誘導できる可能性があり、回収率も向上する。
なお、スケルトンバケット1Aが水中物体4を被覆するように水底に到達した後、オペレータが開閉ワイヤ15を操作することにより、スケルトンバケット1Aが閉じる。これにより、各バケット本体11が、水中物体4を包み込むように把持する。このとき、スケルトンバケット1Aは、互いに向かい合う一対のバケット本体11で構成されるため、複数の把持アームを放射状に備えた従来のバケットと比較して、水中物体4を破壊しにくく、逃しにくい。また、格子状のスケルトンバケット1Aは、自重が軽量化されて把持力が適度に抑制されるため、脆くなった水中物体4でも壊しにくく、回収率が向上する。また、格子状のスケルトンバケット1Aは、重量を増大させることなく大きな開口面積を確保することが可能となる。このため、水中物体4に対する位置が多少ずれていても回収するとともに、小さい水中物体4であれば一度に複数個回収できるため、回収率が向上する。
また、本第1実施形態では、スケルトンバケット1Aの開口に設けられた刺さり過ぎ防止パイプ112aが、水底に刺さり過ぎるのを防止する。このため、スケルトンバケット1Aを閉じる際に、水底に存在する余分な砂等をスケルトンバケット1A内に入れさせない。このため、スケルトンバケット1Aは、引き上げ開始直後から軽い力でも速やかに上昇する。また、スケルトンバケット1Aが水底を過度に攪乱しないため、ホタテガイなどの底生魚貝類に大きな影響を及ぼすことなく水中物体4が効率的に回収される。
つぎに、スケルトンバケット1Aが水中物体4を把持した状態で、スケルトンバケット1Aを上昇させる(ステップS4:バケット上昇工程)。このとき、格子状のスケルトンバケット1Aは、水中物体4を確実に把持する一方、不可避的に包み込んでしまう砂やゴミ等の不要物を篩い落とす。このため、スケルトンバケット1Aを引き上げる際の総重量が抑制され、昇降ワイヤ16の巻き取り能力を超えてしまう心配がない。また、作業船3上に回収してしまう不要物の量が抑制される。
なお、スケルトンバケット1Aを作業船3上まで引き上げた後、各バケット本体11を開くことにより水中物体4が作業船3上に回収される。このとき、本第1実施形態では、回収した水中物体4を載置する載置エリアに、水中物体4が破損するのを防止するための破損防止用敷砂を敷設している。このため、スケルトンバケット1Aを開いて載置する際の衝撃が緩和されるとともに、転がりにくくなるため、作業船3上での破損が防止される。
また、本第1実施形態では、水中物体4として魚礁ブロックを想定しているため、作業船3上に回収した後、必要に応じて清掃し、漁場の邪魔にならない水域に再投下する(ステップS5:水中物体再投下工程)。具体的には、作業船3上に回収した水中物体4をスケルトンバケット1Aで再度把持して所望の水域に再投下する。このとき、本第1実施形態では、スケルトンバケット1Aの刃先が破損防止用敷砂に潜り込んで下から包み込む。このため、スケルトンバケット1Aが水中物体4を側方から把持して破損してしまうことが抑制される。
以上のような本第1実施形態の水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケット1Aによれば、以下のような効果を奏する。
1.水底に点在する多数の水中物体4をできるだけ壊すことなく高効率で回収することができ、所望の水域に漁場を拡張または移設することができる。
2.水底に点在する多数の水中物体4を回収するのに好適なスケルトンバケット1Aを構成することができる。
3.スケルトンバケット1Aが水底に刺さり過ぎるのを防止し、引き上げ開始直後から軽い力でも速やかに上昇することができる。
4.アンカーによる固定作業を省略することで回収作業を迅速化し、水底に点在する多数の水中物体4をできるだけ多く回収することができる。
5.水中物体4に対する作業船3の誘導作業を簡易化かつ迅速化し正確性も向上することができる。
6.水流によってスケルトンバケット1Aが流されやすい状況下や、水中映像が見えにくい状況下においても、水中物体4を回収することができる。
つぎに、本発明に係る水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケットの第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態における構成のうち、上述した第1実施形態と同一もしくは相当する構成については同一の符号を付し、再度の説明を省略する。
本第2実施形態の特徴は、主として、水中映像取得手段17として画角の異なる2つの水中カメラを採用した点、およびスケルトンバケット1Bの構成を改良した点にある。
具体的には、水中映像取得手段17は、図8に示すように、スケルトンバケット1Bの開口における略中央部上方にある下フレーム13に設けられており、画角の異なる刃先確認用水中カメラ17aと、物体位置確認用水中カメラ17bとを有している。刃先確認用水中カメラ17aは、スケルトンバケット1Bを最も開いた状態で、スケルトンバケット1Bの刃先を含む広角な画角を有しており、水底に到達する直前の刃先を確認しうるようになっている。一方、物体位置確認用水中カメラ17bは、刃先確認用水中カメラ17aの画角よりも狭い多少広角な画角を有し、スケルトンバケット1Bを降下させている間の物体位置を確認しうるようになっている。
以上のような構成により、スケルトンバケット1Bの開口における略中央部上方に設けられた水中映像取得手段17は、その直下にある水中物体4を撮影するため、スケルトンバケット1Bを正確に位置決めし易くなる。また、刃先確認用水中カメラ17aは、最も開いたスケルトンバケット1Bの刃先を撮影するため、水底に到達した刃先の下に水中物体4があるか否かを確認でき、破壊してしまうのを防止する。さらに、物体位置確認用水中カメラ17bは、水底に到達するまでの間、刃先確認用水中カメラ17aよりも狭い画角によって、点在する水中物体4の物体位置を正確に把握させるため、スケルトンバケット1Bを迅速に誘導させることが可能となる。
また、本第2実施形態において、スケルトンバケット1Bは、図9(a)に示すように、スケルトンバケット1Bを最も閉じた状態における刃先が、水平面に対して約20°の角度で下向きに傾斜されている。これにより、図10(a)に示すように、第1実施形態では、スケルトンバケット1Aを閉じる際、刃先が略水平方向を向く軌跡を描くのに対し、本第2実施形態では、図10(b)に示すように、刃先が水底の深くまで潜る軌跡を描く。このため、水底の土砂に埋没している水中物体4の回収率が向上する。
なお、刃先の傾斜角度は20°に限定されるものではなく、15°以上25°以下であればよい。傾斜角度を15°以上とすることで、スケルトンバケット1Bを閉じる際、刃先が水中物体4の側面に沿って下方に潜り込み易くなり、破壊し難くなる。また、水底の土砂に埋没している水中物体4でも、すくい上げ易くなる。一方、傾斜角度を25°以下にすることで、スケルトンバケット1Bを閉じた後は、回収した水中物体4の自重によって開いてしまうのを抑制し、水中物体4の脱落を防止する。
さらに、図8(b)および図9(b)に示すように、本第2実施形態において、スケルトンバケット1Bの縦板113は、第1実施形態と同様、各バケット本体11の両端部に設けられる一対の堰板113aと、前記各堰板113a間に設けられ鉤爪状に形成された複数の鉤爪板113bとを有している。そして、本第2実施形態に特有の構成として、各鉤爪板113b間には、平板状に形成された複数の平爪板113cが設けられている。
各平爪板113cは鋼板等によって構成されており、図11に示すように、各鉤爪板113bの間に、それぞれ平爪板113cが2枚づつ設けられている。この構成により、平爪板113cが、各鉤爪板113bの間隔を狭小にするため、水中物体4の破片等を漏らし難くする。また、平爪板113cは平板状に形成されているため、水底の土砂を掻き上げ過ぎることがなく、水中の視界を良好に保持する。
なお、本第2実施形態では、一方のバケット本体11(図11(a)の奥側)における平爪板113cのみが、鉤爪板113bと同程度に下方へ突出されているが、他方のバケット本体11における平爪板113cも同様に突出させてもよい。また、各バケット本体11においては、鉤爪板113bの刃先のみ、または平爪板113cの刃先のみ、あるいは両者の刃先が下方に突出していてもよい。
そして、図9(a)に示すように、スケルトンバケット1Bを最も閉じた状態において、一方のバケット本体11に設けられた鉤爪板113bおよび平爪板113cの刃先と、他方のバケット本体11に設けられた鉤爪板113bの刃先とが交差されている。この構成により、回収した水中物体4が重くても、スケルトンバケット1Bの開口が開き気味になり難い。このため、スケルトンバケット1Bを閉じる力を抑え気味に設定できるため、水中物体4が壊れ難くなる。
以上のような本第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果に加えて、以下のような効果を奏する。
1.スケルトンバケット1Bを正確に位置決めし易く、水底に到達した刃先が水中物体4を破壊するのを防止するとともに、水底に到達するまでは、点在する水中物体4の物体位置を正確に把握することができる。
2.スケルトンバケット1Bを水中物体4の下方に潜り込み易くして破壊し難くするとともに、回収した水中物体4を脱落し難くすることができる。
3.水中物体4の破片等も漏らさずに回収するとともに、水中物体4を破壊し難くすることができる。
なお、本発明に係る水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケット1A,1Bは、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、上述した各実施形態の水中物体回収管理装置10において、水中物体4を回収した位置を記憶する回収位置記憶部を別途設けてもよい。当該回収位置記憶部に水中物体4を回収した際の位置情報を記憶させ、表示手段30上にプロット表示することにより、回収作業の出来形を管理することができる。
また、上述した各実施形態では、動滑車を構成するシーブ数を減らして三条掛けにすることで把持力を抑制し、水中物体4の破損を抑制している。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、適宜、シーブ数等を増減してもよい。
1A,1B スケルトンバケット
2 クレーン
3 作業船
4 水中物体
5 船体位置検出手段
6 船体位置調整手段
7 水中位置検出手段
10 水中物体回収管理装置
10a 水中物体回収管理プログラム
11 バケット本体
12 上フレーム
13 下フレーム
14 アームロッド
15 開閉ワイヤ
16 昇降ワイヤ
17 水中映像取得手段(水中カメラ)
17a 刃先確認用水中カメラ
17b 物体位置確認用水中カメラ
20 入力手段
30 表示手段
40 記憶手段
41 プログラム記憶部
42 物体位置記憶部
43 降下位置記憶部
50 演算処理手段
51 船体位置特定部
52 バケット位置特定部
53 水中位置特定部
54 表示制御部
111 開閉アーム
112 横棒
112a 刺さり過ぎ防止パイプ
113 縦板
113a 堰板
113b 鉤爪板
113c 平爪板
121 上シーブ
131 下シーブ

Claims (11)

  1. 所定の測深手段によって測定された水底の水深値に基づいて、水底に点在する回収対象である水中物体の物体位置を予め特定する物体位置特定工程と、
    前記水中物体が脱落しない格子状に形成されたスケルトンバケットを昇降可能な作業船を前記物体位置近傍に移動させる作業船移動工程と、
    前記スケルトンバケットに設けられた水中映像取得手段からの水中映像に基づいて、前記スケルトンバケットを前記水中物体上に降下させるバケット降下工程と、
    前記スケルトンバケットが前記水中物体を把持した状態で、前記スケルトンバケットを上昇させるバケット上昇工程と、
    を有する、水中物体回収方法であって、
    前記スケルトンバケットは、互いに向かい合う一対のバケット本体が開閉可能に構成されているとともに、各バケット本体は、各バケット本体を開閉可能に支持する開閉アームと、前記開閉アームに対して略水平方向に支持され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数本の横棒と、前記各横棒と略直交するように貫通され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数枚の縦板とを有し
    前記横棒のうち最も下方側の横棒が、前記各バケット本体によって形成される開口の端縁部に設けられ、前記スケルトンバケットが水底に刺さり過ぎるのを防止する刺さり過ぎ防止パイプとして機能する、水中物体回収方法。
  2. 前記作業船は、
    前記作業船の現在の位置および方向からなる船体位置を検出する船体位置検出手段と、
    前記スケルトンバケットを昇降させるクレーンの旋回角度、ジブ角度およびジブ長さに基づいて、前記船体位置に対する前記スケルトンバケットの相対的なバケット位置を特定するバケット位置特定部を有する水中物体回収管理装置と、
    前記作業船の前後位置および左右位置を補助的に調整する船体位置調整手段と、
    を備えており、
    前記バケット降下工程では、前記作業船をアンカーで固定することなく、前記船体位置調整手段によって、前記バケット位置と前記物体位置とが略一致するように保持する、請求項1に記載の水中物体回収方法。
  3. 所定の測深手段によって測定された水底の水深値に基づいて、水底に点在する回収対象である水中物体の物体位置を予め特定する物体位置特定工程と、
    前記水中物体が脱落しない格子状に形成されたスケルトンバケットを昇降可能な作業船を前記物体位置近傍に移動させる作業船移動工程と、
    前記スケルトンバケットに設けられた水中映像取得手段からの水中映像に基づいて、前記スケルトンバケットを前記水中物体上に降下させるバケット降下工程と、
    前記スケルトンバケットが前記水中物体を把持した状態で、前記スケルトンバケットを上昇させるバケット上昇工程と、
    を有する、水中物体回収方法であって、
    前記作業船は、
    前記作業船の現在の位置および方向からなる船体位置を検出する船体位置検出手段と、
    前記スケルトンバケットを昇降させるクレーンの旋回角、ジブ角およびジブ長さに基づいて、前記船体位置に対する前記スケルトンバケットの相対的なバケット位置を特定するバケット位置特定部と、前記物体位置、前記船体位置および前記バケット位置を表示手段に表示させる表示制御部とを有する水中物体回収管理装置と、
    を備えており、
    前記作業船移動工程では、前記表示制御部が、前記スケルトンバケットの現在位置である前記バケット位置とは別に、前記スケルトンバケットを降下する際の降下位置を仮想点として前記表示手段に表示させる、水中物体回収方法。
  4. 前記作業船は、水中における前記スケルトンバケットの水中位置を検出する水中位置検出手段を備えており、
    前記バケット降下工程では、前記水中位置と前記物体位置とが略一致するようにクレーンまたは作業船を操作する、請求項1から請求項のいずれかに記載の水中物体回収方法。
  5. 前記水中映像取得手段は、前記スケルトンバケットの開口における略中央部上方に設けられており、
    前記スケルトンバケットを最も開いた状態で、前記スケルトンバケットの刃先を含む画角を有し、水底に到達する直前の刃先を確認する刃先確認用水中カメラと、
    前記刃先確認用水中カメラの画角よりも狭い画角を有し、前記スケルトンバケットを降下させている間の前記物体位置を確認する物体位置確認用水中カメラとを有している、請求項1から請求項のいずれかに記載の水中物体回収方法。
  6. 前記スケルトンバケットを最も閉じた状態における刃先が、水平面に対して15°以上25°以下の角度で下向きに傾斜されている、請求項1から請求項に記載の水中物体回収方法。
  7. 所定の測深手段によって測定された水底の水深値に基づいて、水底に点在する回収対象である水中物体の物体位置を予め特定する物体位置特定工程と、
    前記水中物体が脱落しない格子状に形成されたスケルトンバケットを昇降可能な作業船を前記物体位置近傍に移動させる作業船移動工程と、
    前記スケルトンバケットに設けられた水中映像取得手段からの水中映像に基づいて、前記スケルトンバケットを前記水中物体上に降下させるバケット降下工程と、
    前記スケルトンバケットが前記水中物体を把持した状態で、前記スケルトンバケットを上昇させるバケット上昇工程と、
    を有する、水中物体回収方法であって、
    前記スケルトンバケットは、互いに向かい合う一対のバケット本体が開閉可能に構成されているとともに、各バケット本体は、各バケット本体を開閉可能に支持する開閉アームと、前記開閉アームに対して略水平方向に支持され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数本の横棒と、前記各横棒と略直交するように貫通され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数枚の縦板とを有し
    前記縦板は、前記各バケット本体の両端部に設けられる一対の堰板と、前記各堰板間に設けられ鉤爪状の平板に形成された複数の鉤爪板とを有するとともに、
    前記各鉤爪板間には、平板状に形成された複数の平爪板が設けられており、
    前記スケルトンバケットを最も閉じた状態において、一方の前記バケット本体に設けられた前記鉤爪板および/または前記平爪板の刃先と、他方の前記バケット本体に設けられた前記鉤爪板および/または前記平爪板の刃先とが交差されている、水中物体回収方法。
  8. 前記作業船には、電動式または油圧式の駆動源と、前記駆動源によって回転駆動される巻上ドラムとを有し、前記水中映像取得手段に接続された映像ケーブルを機械的に巻き上げるケーブル巻上装置が設けられている、請求項1から請求項7のいずれかに記載の水中物体回収方法。
  9. 水底に点在する水中物体を回収するためのスケルトンバケットであって、互いに向かい合う一対のバケット本体が開閉可能に構成されているとともに、各バケット本体は、各バケット本体を開閉可能に支持する開閉アームと、前記開閉アームに対して略水平方向に支持され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数本の横棒と、前記各横棒と略直交するように貫通され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数枚の縦板とを有し
    前記横棒のうち最も下方側の横棒が、前記各バケット本体によって形成される開口の端縁部に設けられ、前記スケルトンバケットが水底に刺さり過ぎるのを防止する刺さり過ぎ防止パイプとして機能する、スケルトンバケット。
  10. 前記スケルトンバケットを最も閉じた状態における刃先が、水平面に対して15°以上25°以下の角度で下向きに傾斜されている、請求項に記載のスケルトンバケット。
  11. 水底に点在する水中物体を回収するためのスケルトンバケットであって、互いに向かい合う一対のバケット本体が開閉可能に構成されているとともに、各バケット本体は、各バケット本体を開閉可能に支持する開閉アームと、前記開閉アームに対して略水平方向に支持され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数本の横棒と、前記各横棒と略直交するように貫通され所定の間隔を隔てて略平行に設けられる複数枚の縦板とを有し
    前記縦板は、前記各バケット本体の両端部に設けられる一対の堰板と、前記各堰板間に設けられ鉤爪状の平板に形成された複数の鉤爪板とを有するとともに、
    前記各鉤爪板間には、平板状に形成された複数の平爪板が設けられており、
    前記スケルトンバケットを最も閉じた状態において、一方の前記バケット本体に設けられた前記鉤爪板および/または前記平爪板の刃先と、他方の前記バケット本体に設けられた前記鉤爪板および/または前記平爪板の刃先とが交差されている、スケルトンバケット。
JP2018093580A 2017-05-15 2018-05-15 水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケット Active JP6936490B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017096753 2017-05-15
JP2017096753 2017-05-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018193059A JP2018193059A (ja) 2018-12-06
JP6936490B2 true JP6936490B2 (ja) 2021-09-15

Family

ID=64569614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018093580A Active JP6936490B2 (ja) 2017-05-15 2018-05-15 水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6936490B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09156879A (ja) * 1995-12-13 1997-06-17 Mitsubishi Nagasaki Mach Co Ltd 液圧グラブバケット
JP3916341B2 (ja) * 1999-03-29 2007-05-16 株式会社松本製作所 スケルトンバケット
JP5122241B2 (ja) * 2007-10-26 2013-01-16 株式会社西村組 バケット及びこれを用いたブロック回収方法
JP4883494B2 (ja) * 2008-11-04 2012-02-22 株式会社本間組 水底の危険物回収装置とその回収方法
JP6034561B2 (ja) * 2011-12-15 2016-11-30 川崎重工業株式会社 定点保持制御装置及びこれを備えた作業船
JP5780218B2 (ja) * 2012-07-10 2015-09-16 株式会社本間組 水中施工装置とその施工方法
US9452912B1 (en) * 2015-03-27 2016-09-27 Raymond Bergeron Hydraulic power bucket

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018193059A (ja) 2018-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5554366B2 (ja) 天端面均し方法、海底基礎施工方法、および天端面均しシステム
CN106471192B (zh) 用于基于感知系统反馈的挖掘机的操作员辅助特征
JP6856522B2 (ja) 情報処理装置、制御装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
NO20101207A1 (no) Anordning for holding og posisjonering av utstyr ved - samt fremgangsmate ved fôring av fisk i - en fiskemerd
JP2021087425A (ja) 自動ケージネット沈下システム
JP5912620B2 (ja) 投錨管理システムおよび投錨管理方法
JP6936490B2 (ja) 水中物体回収方法およびこれに用いるスケルトンバケット
JP5122241B2 (ja) バケット及びこれを用いたブロック回収方法
CN112654753B (zh) 指标值确定装置及指标值确定方法
JP4684048B2 (ja) 捨石投下システム、及び、捨石投下方法
CN113805479A (zh) 冲抓机自主作业控制方法及控制系统
CN110952562A (zh) 一种吊点入水精确定位系统及其使用方法
RU2378827C1 (ru) Устройство для лова рыбы и морских беспозвоночных
JP6354852B2 (ja) 防護材設置方法及び防護材設置装置
JP2010157828A (ja) 船舶監視システム
JP2008285871A (ja) 捨石投入システム及び捨石の投入方法
JP5898468B2 (ja) 水中コンクリート打設方法及び装置
KR102074685B1 (ko) 체인 타입 해저 공사용 사석 투하장치
CN209992017U (zh) 一种用于地下连续墙水下多参数自动检测的装置
JP2021063387A (ja) 管内土計測方法および管内土計測システム
JP2013163491A (ja) 掃海作業支援装置
JP2014141143A (ja) 漁撈漁網を備えた移動式浮体構造物
JP2003268798A (ja) 水中サンドポンプ制御装置
CN117084206A (zh) 人工鱼礁投放装置及投放方法
JP2020183672A (ja) 石基礎の構築方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6936490

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150