JP5122214B2 - 電池パック、充電装置、及び充電システム - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池を備えた電池パック、二次電池を充電する充電装置、及び二次電池を用いた充電システムに関する。
従来より、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の二次電池を充電する充電方法として、充電の初期には一定の電流を二次電池に供給することにより充電する定電流(CC)充電を行い、二次電池の端子電圧が予め定める終止電圧に達すると、二次電池の満充電時の端子電圧に等しい一定の充電電圧を印加することにより二次電池を充電する定電圧(CV)充電を行うようにした定電流定電圧(CCCV)充電が知られている。
CCCV充電では、二次電池の出力電圧が低い充電初期には、定電流(CC)充電を行うことによって、過大な充電電流が二次電池に流入して二次電池が劣化することを防止する。そして、充電が進んで二次電池の出力電圧がある程度上昇した後は、定電圧(CV)充電を行うことで、二次電池の充電に伴う出力電圧の増大に従って徐々に充電電流が低減するので、過充電を回避することが容易である。このようなCCCV充電では、充電電流が所定の充電終止電流値以下に減少すると二次電池が満充電になったものと判定して充電を終了するようになっている。
ところで、二次電池は、充電時の温度によって劣化の程度が異なることが知られている。例えば、リチウムイオン二次電池の場合、低温環境化では負極のリチウムイオンの充電受け入れ性が低下する。すなわちリチウムイオン二次電池は、低温環境下では、負極表面に金属リチウムが析出し、さらに析出した金属リチウムが電解液等と反応して絶縁物を形成する。そうすると、このようにして形成された絶縁物によって、リチウムイオン二次電池の内部抵抗が増加し、充電受け入れ性が低下するという性質がある。そして、このような充電受け入れ性が低下した状態でリチウムイオン二次電池の充電を行うと、リチウムイオン二次電池の劣化が加速される。
一方、高温時にリチウムイオン二次電池の充電を行うと、電池内部の正極活物質の溶解反応や電解液の分解反応が加速されるため、電池温度の上昇に伴って電池の劣化が進行する傾向がある。
そこで、低温時にヒータを用いて二次電池を過熱し、二次電池の温度を上昇させて充電することにより、二次電池の劣化を低減する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、CCCV充電における定電流充電を実行する前に、低温時には、充電電流値を低くして、電池への通電による電池の自己発熱で電池が昇温するに従って電池に対する充電電流値を段階的に増加させることで、二次電池の劣化を低減する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−284133号公報 特開平11−341698号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、二次電池を加熱するヒータが必要となるためコストの増大を招くと共に、高温時における二次電池の劣化を低減することができないという不都合があった。また、特許文献2に記載の技術では、ヒータは必要としないものの、二次電池の自己発熱により二次電池の温度を上昇させ、温度が上昇するに従って充電電流値を増大させるので、リチウム二次電池が高温になっているときは、充電電流が増大して二次電池の劣化を加速させてしまうという不都合があった。
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、二次電池の温度が低温であるか高温であるかに関わらず、二次電池が充電に適さない温度で充電されることにより劣化するおそれを低減することができる電池パック、充電装置、及び充電システムを提供することを目的とする。
本発明に係る電池パックは、二次電池と、前記二次電池を充電するための充電電流を出力する充電部から、前記出力された充電電流を受電するための接続端子と、前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、前記接続端子により受電された電流に基づく前記二次電池の充電電圧を、当該二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下させる充電電圧制御部とを備える。
この構成によれば、二次電池の温度が、二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、充電電圧制御部によって、二次電池の充電電圧が二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下される。従って、充電に適さない温度では、充電電圧が低下されることにより二次電池の劣化が低減されるので、二次電池の温度が低温であるか高温であるかに関わらず、二次電池が充電されることにより劣化するおそれを低減することができる。
また、前記接続端子から前記二次電池へ流れる充電電流をオン、オフするスイッチング素子と、前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出部とをさらに備え、前記充電電圧制御部は、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記第1温度である場合、前記スイッチング素子をオンし、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第2温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より低い第2電圧を超えているとき前記スイッチング素子をオフし、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧を下回るとき前記スイッチング素子をオンすることが好ましい。
この構成によれば、温度検出部により検出される二次電池の温度が、二次電池の充電に適した第1温度である場合、充電電圧制御部によってスイッチング素子がオンされて、接続端子により受電された電圧で二次電池が充電される。また、二次電池の温度が第1温度とは異なる第2温度である場合においては、二次電池の端子電圧が第1電圧より低い第2電圧を超えているとき充電電圧制御部によってスイッチング素子がオフされて端子電圧が低下し、二次電池の端子電圧が第2電圧を下回るとき充電電圧制御部によってスイッチング素子がオンされて端子電圧が上昇する。従って、二次電池の温度が第2温度である場合、二次電池の充電電圧が上下しつつ、おおよそ第1電圧より低い第2電圧に低下させることができる。
また、前記充電電圧制御部は、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第2温度である場合において、前記スイッチング素子をオフしても当該電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧以上となるとき、前記二次電池の充電を終了することが好ましい。
この構成によれば、温度検出部により検出される二次電池の温度が第2温度である場合において、スイッチング素子がオフされて充電電流がゼロになったときの二次電池の端子電圧、すなわち開路電圧(OCV)が第2電圧以上となるとき、充電電圧制御部によって、二次電池の充電が終了される。これによれば、二次電池の温度が第2温度である場合、二次電池の開路電圧(OCV)が、定電圧充電における充電電圧である第1電圧より低い第2電圧になったときに充電を終了させることができるので、二次電池の劣化を低減することができる。
また、前記充電電圧制御部は、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第1温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より高い第3電圧を超えているとき前記スイッチング素子をオフし、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧以下のとき前記スイッチング素子をオンすることが好ましい。
この構成によれば、温度検出部により検出される二次電池の温度が第1温度である場合において、二次電池の端子電圧が第1電圧より高い第3電圧を超えているとき、充電電圧制御部によってスイッチング素子がオフされて端子電圧が低下し、二次電池の端子電圧が第1電圧以下のとき、充電電圧制御部によってスイッチング素子がオンされて端子電圧が上昇する。この場合、充電部の出力電圧にかかわらず、電池パック側で、二次電池の充電電圧が第3電圧を超えないように抑制することができるので、二次電池の劣化を低減することができる。
また、前記充電電圧制御部は、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第1温度である場合において、前記スイッチング素子をオフしても当該電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧を超えるとき、前記二次電池の充電を終了することが好ましい。
この構成によれば、二次電池の温度が第1温度である場合において、スイッチング素子がオフされて充電電流がゼロになったときの二次電池の端子電圧、すなわち開路電圧(OCV)が第1電圧を超えるとき、充電電圧制御部によって、二次電池の充電が終了される。二次電池の開路電圧(OCV)が第1電圧を超えていれば、当該二次電池は満充電になっていると考えられるから、充電電圧制御部によって二次電池の充電が終了されることにより、二次電池が過充電されるおそれが低減される。
また、前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出部をさらに備え、前記充電部は、前記充電電圧制御部からの指示に応じて前記二次電池への供給電流を調節するものであり、前記充電電圧制御部は、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記第2温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より低い第2電圧を超えているとき、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧以下になるように前記充電部による供給電流を低下させる指示を行うようにしてもよい。
この構成によれば、温度検出部により検出される二次電池の温度が、第2温度である場合において、二次電池の端子電圧が第1電圧より低い第2電圧を超えているとき、充電電圧制御部によって、当該二次電池の端子電圧が第2電圧以下になるように充電部による供給電流を低下させる指示が行なわれる。その結果、二次電池の温度が第2温度である場合、充電部によって、二次電池の充電電圧を第1電圧より低い第2電圧に低下させることができる。
また、前記二次電池の充電電流を検出する電流検出部をさらに備え、前記充電電圧制御部は、前記電流検出部により検出される充電電流が、前記定電圧充電を終了すべき電流値として予め設定された充電終止電流値以下になった場合、前記充電部による電流供給を停止させる指示を行って前記二次電池の充電を終了することが好ましい。
この構成によれば、二次電池の充電電流が、定電圧充電を終了すべき電流値として予め設定された充電終止電流値以下になった場合、充電電圧制御部によって、充電部による電流供給を停止させる指示が行われる結果、充電部による二次電池の充電を終了させることができる。
また、前記充電部は、前記充電電圧制御部からの指示に応じて出力電圧を調節するものであり、前記充電電圧制御部は、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記第1温度である場合、前記充電部により前記第1電圧を前記二次電池へ供給させることで定電圧充電を行い、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第2温度である場合、前記充電部により前記第1電圧より低い第2電圧を前記二次電池へ供給させることで定電圧充電を行うようにしてもよい。
この構成によれば、二次電池の温度が充電に適した第1温度である場合、充電電圧制御部によって、充電部による二次電池への供給電圧が第1電圧にされる。また、二次電池の温度が第1温度とは異なる第2温度である場合、充電電圧制御部によって、充電部による二次電池への供給電圧が第1電圧より低い第2電圧にされる。これにより、二次電池の温度が第2温度である場合、二次電池の充電電圧を第1電圧より低い第2電圧に低下させることができる。
また、前記二次電池は、複数の二次電池が直列接続された組電池であり、前記第1電圧は、前記定電圧充電における前記二次電池一つあたりの充電電圧として設定されており、前記電圧検出部は、前記複数の二次電池の端子電圧をそれぞれ検出し、前記充電電圧制御部は、前記電圧検出部により検出された前記複数の二次電池の端子電圧のうち最大の電圧を、前記電圧検出部により検出された二次電池の端子電圧として用いることが好ましい。
この構成によれば、電圧検出部によって、直列接続された複数の二次電池の端子電圧がそれぞれ検出される。そして、充電電圧制御部によって、複数の二次電池の端子電圧のうち最大の電圧が、前記電圧検出部により検出された二次電池の端子電圧として用いられるので、二次電池の温度が第2温度である場合、複数の二次電池における各充電電圧のうち、最大の電圧を、おおよそ第1電圧より低い第2電圧に低下させることができる。従って、各二次電池の端子電圧に差異が生じている場合であっても、すべての二次電池の劣化を低減することができる。
また、本発明に係る充電装置は、二次電池を接続するための接続端子と、前記二次電池を充電するための充電電流を出力する充電部と、前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、前記充電部により出力された充電電流に基づく前記二次電池の充電電圧を、当該二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下させる充電電圧制御部とを備える。
また、本発明に係る充電システムは、二次電池と、前記二次電池を充電するための充電電流を出力する充電部と、前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、前記充電部により出力された充電電流に基づく前記二次電池の充電電圧を、当該二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下させる充電電圧制御部とを備える。
この構成によれば、充電に適さない温度では、充電電圧が低下されることにより二次電池の劣化が低減されるので、二次電池の温度が低温であるか高温であるかに関わらず、二次電池が充電されることにより劣化するおそれを低減することができる。
このような構成の電池パック、充電装置、及び充電システムは、充電に適さない温度では、充電電圧が低下されることにより二次電池の劣化が低減されるので、二次電池の温度が低温であるか高温であるかに関わらず、二次電池が充電されることにより劣化するおそれを低減することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電池パックを備えた充電システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示す充電システム1は、電池パック2と充電装置3(充電部)とが接続されて構成されている。なお、この充電システム1は、電池パック2から給電が行われる図示しない負荷装置をさらに含む電子機器システムとして構成されてもよい。その場合、電池パック2は、図1では充電装置3から充電が行われるけれども、該電池パック2が前記負荷装置に装着されて、負荷装置を通して充電が行われてもよい。
電池パック2は、接続端子11,12、組電池14、電圧検出回路15(電圧検出部)、電流検出抵抗16(電流検出部)、温度センサ17(温度検出部)、制御IC18、及びスイッチング素子Q1,Q2を備えている。また、制御IC18は、アナログデジタル(A/D)変換器201と、制御部202とを備えている。
接続端子11は、充電用のスイッチング素子Q1と放電用のスイッチング素子Q2とを介して組電池14の正極に接続されている。スイッチング素子Q1,Q2としては、例えばFET(Field Effect Transistor)が用いられる。スイッチング素子Q1は、寄生ダイオードのカソードが接続端子11の方向にされており、スイッチング素子Q2は、寄生ダイオードのカソードが組電池14の方向にされている。
また、接続端子12は、電流検出抵抗16を介して組電池14の負極に接続されており、接続端子11からスイッチング素子Q1,Q2、組電池14、及び電流検出抵抗16を介して接続端子12に至る充放電経路が構成されている。そして、組電池14の負極は、回路グラウンドになっている。
電流検出抵抗16は、組電池14の充電電流および放電電流を電圧値に変換する。組電池14は、複数、例えば三個の二次電池141,142,143が直列に接続された組電池である。二次電池141,142,143は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の二次電池である。
なお、組電池14は、複数の二次電池が直列接続されたものに限られず、例えば複数の二次電池が並列接続されていてもよく、直列と並列とが組み合わされて接続されていてもよい。また、組電池14の代わりに単体の二次電池が用いられてもよい。
温度センサ17は、組電池14の温度を検出する温度センサである。そして、温度センサ17によって検出された組電池14の温度は、アナログデジタル変換器201に入力される。また、組電池14の端子電圧Vt、及び二次電池141,142,143の各端子電圧V1,V2,V3は、電圧検出回路15によってそれぞれ検出され、アナログデジタル変換器201に入力される。さらにまた、電流検出抵抗16によって検出された充放電電流Icの電流値も、アナログデジタル変換器201に入力される。アナログデジタル変換器201は、各入力値をデジタル値に変換して、制御部202へ出力する。
制御部202は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部202は、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、充放電制御部211、及び充電電圧制御部212として機能する。
充放電制御部211は、アナログデジタル変換器201からの各入力値から、接続端子11,12間の短絡や、接続端子11,12に接続される図略の負荷機器本体からの異常電流等、電池パック2の外部における異常や、組電池14の異常な温度上昇及び組電池14の過充電等の異常を検出する。具体的には、充放電制御部211は、例えば、電流検出抵抗16によって検出された電流値が予め設定された異常電流判定閾値を超えると、接続端子11,12間の短絡や図略の負荷機器本体からの異常電流に基づく異常が生じたと判定する。
また、充放電制御部211は、例えば温度センサ17によって検出された組電池14の温度が予め設定された異常温度判定閾値を超えると、組電池14の異常が生じたと判定する。そして、充放電制御部211は、このような異常を検出した場合、スイッチング素子Q1,Q2をオフさせて、過電流や過熱等の異常から、組電池14を保護する保護動作を行う。
また、充放電制御部211は、電圧検出回路15によって検出された端子電圧V1,V2,V3が、予め設定された過充電検出電圧を超えると、過充電が生じたと判定し、スイッチング素子Q1をオフさせて、過充電から組電池14を保護する保護動作を行う。
また、充放電制御部211は、例えば電圧検出回路15により検出された二次電池141,142,143の端子電圧V1,V2,V3のいずれかが、二次電池の過放電を防止するために予め設定された放電禁止電圧以下になった場合、スイッチング素子Q2をオフさせて、過放電による二次電池141,142,143の劣化を防止するようになっている。
充電電圧制御部212は、温度センサ17により検出される組電池14の温度が、二次電池141,142,143の充電に適した温度として予め設定された第1温度、例えば10℃以上、45℃以下(10℃〜45℃)の温度範囲である場合、スイッチング素子Q1,Q2をオンする。また、充電電圧制御部212は、温度センサ17により検出される組電池14の温度が、第1温度とは異なる第2温度、例えば10℃未満であったり、45℃を超えていたりする場合において、電圧検出回路15により検出される端子電圧V1,V2,V3のうち最大の電圧が、予め設定された電圧Vc1(第1電圧)より低い電圧Vc2(第2電圧)を超えているときスイッチング素子Q1をオフし、当該端子電圧V1,V2,V3のうち最大の電圧が、電圧Vc2を下回るときスイッチング素子Q1をオンする。
電圧Vc1は、二次電池141,142,143におけるセルあたりの充電電圧の上限値であり、例えば充電装置3が定電流充電を終了して定電圧充電を開始するセルあたりの充電終止電圧であると共に、充電装置3における定電圧充電のセルあたりの充電電圧である。リチウムイオン二次電池の場合、電圧Vc1(第1電圧)は、例えば、リチウムイオン二次電池の負極電位が実質的に0Vになったときの、正極電位と負極電位との電位差(例えば、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用いた場合に約4.2V、正極活物質としてマンガン酸リチウムを用いた場合に約4.3V)が設定されている。
なお、「負極電位が実質的に0V」とは、二次電池141,142,143の温度等の環境条件や、製造上の特性バラツキ、測定誤差等によるバラツキの範囲を0Vに含む意であり、例えば負極電位が0V±0.1Vの範囲となることを示すものとする。
また、充電電圧制御部212は、温度センサ17により検出される組電池14の温度が第2温度である場合、例えば10℃未満であったり、45℃を超えていたりする場合において、スイッチング素子Q1をオフしても電圧検出回路15により検出される端子電圧V1,V2,V3のうち最大の電圧が、電圧Vc2を下回らないとき、スイッチング素子Q1をオフして組電池14の充電を終了する。
さらに、充電電圧制御部212は、温度センサ17により検出される組電池14の温度が第1温度(例えば10℃〜45℃の温度範囲)である場合において、電圧検出回路15により検出される端子電圧V1,V2,V3のうちの最大値が電圧Vc1(例えば4.2V)より高い第3電圧である電圧Vc3(例えば4.22V)を超えているとき、スイッチング素子Q1をオフし、当該検出される端子電圧V1,V2,V3のうちの最大値が電圧Vc1(例えば4.2V)以下のときスイッチング素子Q1をオンする。
そして、充電電圧制御部212は、温度センサ17により検出される組電池14の温度が温度センサ17により検出される組電池14の温度が第1温度(例えば10℃〜45℃の温度範囲)である場合において、スイッチング素子Q1をオフしても電圧検出回路15により検出される端子電圧V1,V2,V3のうちの最大値が電圧Vc1(例えば4.2V)以下にならないとき、スイッチング素子Q1をオフして組電池14の充電を終了する。
充電装置3は、接続端子31,32を備えている。また、充電装置3に電池パック2が取り付けられると、接続端子31,32と接続端子11,12とが接続されるようになっている。そして、充電装置3は、接続端子31,32と接続端子11,12とを介して電池パック2へ、組電池14を充電するための充電電流、充電電圧を供給することにより、いわゆる定電流定電圧(CCCV)充電を行う。
具体的には、充電装置3は、接続端子31,32から、電流値Iccの充電電流Icを電池パック2へ供給することにより定電流充電を実行し、接続端子31,32間の電圧Voutが予め設定された基準電圧Ve1に達すると、基準電圧Ve1を充電電圧として接続端子31,32間に印加して組電池14を充電する定電圧充電に切り替える。さらに、充電装置3は、組電池14に流れる充電電流Icが充電終止電流値Ia以下になると、組電池14が満充電になったものと判定して充電を終了する。
図2は、図1に示す充電装置3の構成の一例を示すブロック図である。図2に示す充電装置3は、接続端子31,32、直流電源回路35、DC−DCコンバータ36、充電制御部37、誤差増幅器38,39,40、基準電圧源41,42,43、及び電流検出抵抗RSを備えている。基準電圧源41,42,43は、予め設定された基準電圧Ve1,Ve2,Ve3を出力する定電圧回路である。
直流電源回路35は、例えば商用交流電源電圧を直流電圧に変換して出力する。そして、直流電源回路35の高電位側出力端子がスイッチング素子Q4、及びコイルL1を介して接続端子31に接続され、低電位側出力端子がグラウンドに接続されると共に、電流検出抵抗RSを介して接続端子32に接続されている。
DC−DCコンバータ36は、例えばFETのスイッチング素子Q4、コイルL1、ダイオードD1、コンデンサC1、及びPWM(Pulse Width Modulation)信号生成回路361を備えて構成されている。スイッチング素子Q4とコイルL1との接続点は、ダイオードD1のカソードに接続され、ダイオードD1のアノードがグラウンドに接続されている。また、ダイオードD1とコイルL1との直列回路と並列に、コンデンサC1が接続されている。そして、PWM信号生成回路361は、充電制御部37からの制御信号に応じてパルス幅を変化させたPWM制御信号をスイッチング素子Q4のゲートへ出力してスイッチング素子Q4をオン、オフさせることにより、充電制御部37からの制御信号に応じた直流電流、直流電圧を生成し、接続端子31,32を介して電池パック2へ供給する。
充電制御部37は、例えば順序回路や論理回路、発振回路等を用いて構成されている。そして、充電制御部37は、後述するように、誤差増幅器39,40の出力信号に応じてPWM信号生成回路361へ制御信号を出力することにより、DC−DCコンバータ36から接続端子31,32を介して電池パック2へ出力される充電電圧、及び充電電流を制御して、例えばCCCV(定電流定電圧)充電を行う。
誤差増幅器40は、電流検出抵抗RSの両端電圧と、基準電圧源42から出力される基準電圧Ve2とを比較し、電流検出抵抗RSの両端電圧が基準電圧Ve2以下であればローレベル、電流検出抵抗RSの両端電圧が基準電圧Ve2を超えればハイレベルの信号を充電制御部37へ出力する。
基準電圧Ve2は、定電流充電の充電電流Icとして予め設定された電流値Icc(設定電流)の電流が電流検出抵抗RSを流れることにより、電流検出抵抗RSの両端に生じる電圧が設定されている。
そして、充電制御部37は、誤差増幅器39の出力電圧がローレベルであれば、PWM信号生成回路361へ制御信号を出力してDC−DCコンバータ36の出力電流を増大させる一方、誤差増幅器39の出力電圧がハイレベルであれば、PWM信号生成回路361へ制御信号を出力してDC−DCコンバータ36の出力電流を低下させることで、電池パック2へ供給する充電電流Icを電流値Iccで一定にして定電流充電を行う。
電流値Iccは、例えば二次電池141,142,143の1セルあたりの公称容量値NCを定電流放電して、1時間で放電できるレベルを1It(=1C=電池容量(Ah)/1(h))として、その70%に、並列セル数PNを乗算した電流値(例えば、NC=2000mAhで、2個並列であるとき、70%で2800mA)に設定されている。
誤差増幅器39は、電池パック2へ供給される接続端子31,32間の電圧Voutと、基準電圧源41から出力される基準電圧Ve1とを比較し、電圧Voutが基準電圧Ve1以下であればローレベル、電圧Voutが基準電圧Ve1を超えればハイレベルの信号を充電制御部37へ出力する。基準電圧Ve1は、例えば定電流充電を終了する充電終止電圧(定電圧充電の充電電圧)として予め設定されており、充電電圧の上限値となっている。基準電圧Ve1は、電圧Vc1(例えば4.2V)に直列セル数3を乗じた電圧(例えば12.6V)が予め設定されている。
そして、充電制御部37は、定電流充電中に誤差増幅器39の出力電圧がハイレベルとなれば、定電圧充電に移行する。充電制御部37は、定電圧充電に移行すると、誤差増幅器39の出力電圧がローレベルであれば、PWM信号生成回路361へ制御信号を出力してDC−DCコンバータ36の出力電流を増大させる。一方、充電制御部37は、誤差増幅器39の出力電圧がハイレベルであれば、PWM信号生成回路361へ制御信号を出力してDC−DCコンバータ36の出力電流を低下させることで、出力電圧Voutが基準電圧Ve1で一定になるように制御して、定電圧充電を実行する。
誤差増幅器38は、電流検出抵抗RSの両端電圧と、基準電圧源43から出力される基準電圧Ve3とを比較し、電流検出抵抗RSの両端電圧が基準電圧Ve3以下であればローレベル、電流検出抵抗RSの両端電圧が基準電圧Ve3を超えればハイレベルの信号を充電制御部37へ出力する。
基準電圧Ve3は、電池パック2の充電を終了すべき電流値として予め設定された充電終止電流値Iaの電流が電流検出抵抗RSを流れることにより、電流検出抵抗RSの両端に生じる電圧が設定されている。そして、充電制御部37は、誤差増幅器39の出力電圧が、予め設定された監視時間twの間ローレベルに維持されると、組電池14が満充電になったと判断し、PWM信号生成回路361へ制御信号を出力してスイッチング素子Q4をオフさせることで、電池パック2の充電を終了する。充電終止電流値Iaは、例えば0.05Itに設定されている。
なお、充電システム1は、必ずしも電池パック2と充電装置3とに分離可能に構成されるものに限られず、充電システム1全体で一つの回路として構成されていてもよい。また、電池パック2における組電池14以外の構成要素を充電装置3に含んで充電装置が構成されていてもよく、電池パック2における組電池14以外の構成要素を電池パックと充電装置とで分担して備える構成であってもよい。また、図略の負荷回路へ負荷電流を供給しながら組電池14を充電する構成であってもよい。
次に、上述のように構成された充電システム1の動作について説明する。図3、図4は、図1に示す電池パック2の動作の一例を示すフローチャートである。以下のフローチャートにおいて、同一の動作には同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。また、図5〜図8は、図1に示す充電システム1の動作を説明するための説明図である。以下、第1温度が10℃〜45℃の範囲、第2温度が10℃未満の範囲及び45℃を超える範囲、電圧Vc1(第1電圧)が4.2V、電圧Vc2(第2電圧)が4.15Vの場合を例に説明する。
まず、充電装置3は、定電流充電を開始して、電流値Iccの充電電流Icを出力する(タイミングT1)。また、充放電制御部211によって、スイッチング素子Q1,Q2がオンされる(ステップS1)。
そうすると、組電池14が充電されて、二次電池141,142,143の端子電圧V1,V2,V3が徐々に上昇する。このとき、二次電池141,142,143の劣化の度合いが異なっている等して、二次電池141,142,143に特性バラツキがあると、端子電圧V1,V2,V3の間に差異が生じる。図5、図6、図7では、端子電圧V3,V2,V1の順に電圧が高い例を示している。
次に、充電電圧制御部212によって、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが、10℃〜45℃の範囲内であるか否か、すなわち組電池14が充電に適した温度であるか否かが確認される(ステップS2)。そして、温度tが、10℃〜45℃の範囲内であれば(ステップS2でYES)、標準的な充電電圧(例えばセルあたり4.20V)で組電池14を充電するべくステップS3へ移行する。
図5は、ステップS3以降での標準的な充電電圧で充電を行う場合における充電システム1の動作の一例を示す説明図である。ステップS3では、充電電圧制御部212によって、電圧検出回路15で検出された端子電圧V1,V2,V3のうち、最大の電圧値である電圧Vmaxが4.22Vと比較される(ステップS3)。ここで、比較電圧は、例えば4.20Vに0.02V加算した電圧にされており、スイッチング素子Q1がオンされる電圧とオフされる電圧との間に0.02Vのヒステリシス電圧が設けられている。必ずしもヒステリシス電圧を設ける必要はないが、ヒステリシスを設けることで、動作を安定化することができる。
以下、電圧検出回路15で検出された端子電圧V1,V2,V3のうちの最大値を電圧Vmaxと称する。
そして、電圧Vmaxが4.22V以下であれば(ステップS3でNO)、再びステップS2へ移行する。一方、電圧Vmaxが4.22Vを超えていれば(ステップS3でYES)、充電電圧制御部212によって、スイッチング素子Q1がオフされる(ステップS4、タイミングT2)。
そうすると、充電電流Icがゼロとなり、端子電圧V1,V2,V3が開路電圧(OCV)となる。そして、二次電池141,142,143の内部抵抗を充電電流Icが流れることにより生じていた電圧降下がなくなる結果、端子電圧V1,V2,V3が低下する。
次に、充電電圧制御部212によって、電圧Vmaxと4.20Vとが比較される(ステップS5)。そして、電圧Vmaxが4.20V以下であれば(ステップS5でYES)、再びステップS1へ移行してスイッチング素子Q1がオンされる(ステップS1、タイミングT3)。スイッチング素子Q1がオンされることで、二次電池141,142,143が充電され、端子電圧V1,V2,V3の合計電圧、すなわち組電池14の端子電圧Vtが12.6V(=4.20V×3)を超えると(タイミングT4)、充電装置3は、定電流充電から定電圧充電に移行して充電電流Icが徐々に低下する。
以下、タイミングT5まで、ステップS1〜S5が繰り返し実行される。そうすると、タイミングT2〜T5の期間、充電電流Icがパルス状にオン、オフされて、組電池14がパルス充電される。これにより、電圧Vmax(図5の例では端子電圧V3)が4.22Vを超えることが抑制されるので、最も端子電圧の高い二次電池の劣化が加速されるおそれが低減される。
そして、このようなパルス充電が行われると、二次電池141,142,143の開路電圧(OCV)が徐々に上昇し、スイッチング素子Q1がオフされてから予め設定された監視時間twを経過しても、電圧Vmaxが4.20V以下に下がらなくなる(ステップS5でNO、ステップS6でYES、タイミングT6)。そうすると、充電電圧制御部212によって、少なくとも端子電圧が最大の二次電池(図5の例では二次電池143)が満充電になったと判断されて、充電を終了する。
なお、図3では、図示を省略しているが、ステップS5,S6のループ内(ステップS6でNO)には、ステップS2と同様のステップが設けられており、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが10℃〜45℃の範囲外になった場合には、低電圧(例えばセルあたり4.15V)で組電池14を充電するべくステップS9へ移行する。
この場合、スイッチング素子Q1がオフされた状態では電流Icはゼロであり、充電終止電流値Iaに満たないから、誤差増幅器40の出力信号レベルが監視時間tw以上ローレベルとなる結果、充電制御部37によってDC−DCコンバータ36の出力電流がゼロにされ、充電装置3が充電を停止する。
次に、組電池14が充電に適した温度でない場合における充電システム1の動作について説明する。図6は、組電池14が充電に適した温度でない場合における充電システム1の動作を説明するための説明図である。
ステップS2において、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが10℃〜45℃の範囲内ではなく、組電池14の温度tが10℃より低温であった場合や45℃より高温であった場合、すなわち組電池14が低温であるか高温であるかに関わらず、組電池14が充電に適した温度ではなかった場合、低電圧(例えばセルあたり4.15V)で組電池14を充電するべくステップS7へ移行する。
ステップS7では、充電電圧制御部212によって、電圧Vmaxが4.20Vより低い4.15Vと比較される(ステップS7)。そして、電圧Vmaxが4.15Vを超えると(ステップS7でYES)、充電電圧制御部212によって、スイッチング素子Q1がオフされる(ステップS8、タイミングT11)。
なお、図3では、図示を省略しているが、ステップS7において、電圧Vmaxが4.15V以下(ステップS7でNO)の場合には、後述するステップS11と同様のステップが設けられており、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが15℃〜40℃の範囲内になると、標準的な電圧(例えばセルあたり4.20V)で組電池14を充電するべくステップS3へ移行する。
そうすると、充電電流Icがゼロとなり、端子電圧V1,V2,V3が開路電圧(OCV)となる。そして、二次電池141,142,143の内部抵抗を充電電流Icが流れることにより生じていた電圧降下がなくなる結果、端子電圧V1,V2,V3が低下する。
次に、充電電圧制御部212によって、電圧Vmaxと4.13Vとが比較される(ステップS9)。ここで、比較電圧は、例えば4.15Vから0.02Vを減じた電圧にされており、スイッチング素子Q1がオンされる電圧とオフされる電圧との間に0.02Vのヒステリシス電圧が設けられている。必ずしもヒステリシス電圧を設ける必要はないが、ヒステリシスを設けることで、動作を安定化することができる。
そして、電圧Vmaxが4.15V以下であれば(ステップS9でYES)、ステップS11へ移行する。ステップS11では、充電電圧制御部212によって、スイッチング素子Q1がオンされる(ステップS11、タイミングT12)。スイッチング素子Q1がオンされることで、二次電池141,142,143が充電され、端子電圧V1,V2,V3の合計電圧、すなわち組電池14の端子電圧Vtが12.6V(=4.20V×3)を超えると(タイミングT13)、充電装置3は、定電流充電から定電圧充電に移行して充電電流Icが徐々に低下する。
次に、充電電圧制御部212によって、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが15℃〜40℃の範囲内であるか否か、すなわち組電池14が充電に適した温度であるか否かが確認される(ステップS12)。そして、温度tが、15℃〜40℃の範囲内であれば(ステップS12でYES)、再びステップS3へ戻って、以下、上述と同様ステップS3〜S6が実行される。
この場合、比較される温度範囲は、例えば第1温度より下限温度が5℃高く、上限温度が5℃低く設定されている。これによって、低電圧(例えばセルあたり4.15V)での充電モードから標準的な電圧(例えばセルあたり4.20V)での充電モードへ移行する際の温度条件に、5℃のヒステリシスが設けられている。必ずしも温度条件にヒステリシスを設ける必要はないが、ヒステリシスを設けることで、動作を安定化することができる。
そして、温度tが、10℃〜45℃の範囲内でなければ(ステップS12でNO)、再びステップS7へ戻って、以下、タイミングT14まで、ステップS7〜S12が繰り返し実行される。そうすると、タイミングT11〜T14の期間、充電電流Icがパルス状にオン、オフされて、組電池14がパルス充電される。これにより、電圧Vmax(図6の例では端子電圧V3)が4.15Vを超えることが抑制されるので、組電池14の温度tが10℃より低温であった場合や45℃より高温であった場合、すなわち組電池14が充電に適した温度ではなかった場合には、充電電圧が、組電池14が充電に適した温度における標準的な充電電圧(例えば4.20V)より低い電圧(例えば4.15V)におさえられるので、組電池14が低温であるか高温であるかに関わらず、組電池14が充電に適さない温度で充電されることにより劣化するおそれが低減される。
そして、このようなパルス充電が行われると、二次電池141,142,143の開路電圧(OCV)が徐々に上昇し、スイッチング素子Q1がオフされてから予め設定された監視時間twを経過しても、電圧Vmaxが4.13V以下に下がらなくなる(ステップS9でNO、ステップS13でYES、タイミングT15)。そうすると、充電電圧制御部212によって、少なくとも端子電圧が最大の二次電池(図6の例では二次電池143)が満充電になったと判断されて、充電を終了する。
この場合、スイッチング素子Q1がオフされた状態では電流Icはゼロであり、充電終止電流値Iaに満たないから、誤差増幅器40の出力信号レベルが監視時間tw以上ローレベルとなる結果、充電制御部37によってDC−DCコンバータ36の出力電流がゼロにされ、充電装置3が充電を停止する。
図7は、定電流充電による組電池14の充電中に、組電池14の温度tが充電に適した第1温度から充電に適さない第2温度へ変化した場合の端子電圧V1,V2,V3と、充電電流Icとの変化の一例を示している。図7に示す例では、タイミングT21において、電圧Vmax(端子電圧V3)が、4.15Vを超えた後に、組電池14の温度tが例えば10℃を下回ったり、45℃を上回ったりした場合を示している。
この場合、タイミングT21において、ステップS2で温度tが10℃〜45℃の範囲外になったことが検出され(ステップS2でNO)、ステップS7へ移行するので、定電流充電の途中で電圧Vmaxが4.15Vを超えた後に組電池14の温度tが変化した場合であっても、温度tの変化に応じて充電電圧を変化させることができる。
図8は、定電圧充電による組電池14の充電中に、組電池14の温度tが充電に適した第1温度から充電に適さない第2温度へ変化した場合の電圧Vmaxと、充電電流Icとの変化の一例を示している。図8に示す例では、タイミングT22において、充電装置3により定電流充電から定電圧充電に切り替えられ、充電電流Icが徐々に減少していく過程において、組電池14の温度tが例えば10℃を下回ったり、45℃を上回ったりした場合を示している。
この場合、タイミングT23において、ステップS2で温度tが10℃〜45℃の範囲外になったことが検出され(ステップS2でNO)、ステップS7へ移行するので、定電圧充電の途中で組電池14の温度tが変化した場合であっても、温度tの変化に応じて充電電圧を変化させることができる。なお、組電池14の温度tの判定に用いる温度範囲を多段階に設けて、各温度範囲の段階に応じて、充電電圧の上限値を多段階に設定するようにしてもよい。
図1に示す電池パック2によれば、組電池14の温度と無関係に充電電圧が設定された充電装置3を用いて、組電池14に印加される充電電圧を、組電池14の温度に応じて変化させることができる。
また、もし仮に、充電装置3において、定電圧充電における充電電圧を低下させようとすると、定電流充電から定電圧充電へ移行するための判定基準となる低電圧に対応した基準電圧源を、基準電圧源41の他に設けたり、基準電圧源の切替回路を設けたり、さらに定電圧充電における充電電圧を低下させるための制御回路を充電制御部37に追加したりする必要があるため、コストが上昇する。一方、電池パックは、従来より過充電、過放電保護を行うために制御部202(充放電制御部211)を備えているものがあり、これを電池パック2とするためには充電電圧制御部212の制御プログラムをROMに記憶させるだけでよく、コストの上昇を低減することが容易である。
また、充電装置3のように、電池パック2との間での通信機能を有しない安価な充電装置では、充電電流及び充電電圧の制御は、組電池14の端子電圧Vt(端子電圧V1,V2,V3の合計)に基づき行われる。そのため、上述したように、端子電圧V1,V2,V3の間に差異が生じた場合には、端子電圧の高い二次電池に過電圧が印加されて劣化するおそれがある。一方、図2に示す電池パック2では、電池パック2側で電圧Vmaxが規定電圧を超えないように(例えば4.22V以下になるように)、充電電圧が制御されるので、端子電圧V1,V2,V3の間に差異が生じた場合であっても、端子電圧の高い二次電池に過電圧が印加されて劣化させてしまうおそれを低減することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電池パックを備えた充電システムについて説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る充電システム1aの構成の一例を示すブロック図である。図9に示す充電システム1aと図1に示す充電システム1とでは、下記の点で異なる。すなわち、図9に示す充電システム1aでは、電池パック2aが、通信用の接続端子13と、通信部203とをさらに備える。充電装置3aは、接続端子33を備えており、充電装置3aに電池パック2aが取り付けられると、接続端子13と接続端子33とが接続されて、充電装置3aと電池パック2aとの間で通信可能となるようにされている。
充電電圧制御部212aは、温度センサ17により検出される組電池14の温度tが組電池14の充電に適した温度として予め設定された第1温度(例えば10℃〜45℃の範囲の温度)である場合、終止電圧Vfとして、電圧Vc1(例えば4.20V)に直列セル数の3を乗じた電圧を設定する旨の指示信号を、通信部203によって電池パック2aへ送信させる。また、充電電圧制御部212aは、温度センサ17により検出される組電池14の温度tが第1温度とは異なる第2温度である場合(例えば10℃〜45℃の範囲から外れる場合)、終止電圧Vfとして、電圧Vc2(例えば4.15V)に直列セル数の3を乗じた電圧を設定する旨の指示信号を、通信部203によって電池パック2aへ送信させる。
充電装置3aは、接続端子31,32,33と、制御IC50と、充電電流供給部356とを備えている。また、制御IC50は、制御部51と通信部52とを含んでいる。通信部203,52は、例えばSMBus(System Management Bus)(登録商標)その他の通信インターフェイス回路である。充電電流供給部356は、制御部51からの制御信号に応じた電流を、接続端子31,32を介して電池パック2aへ供給する電源回路であり、例えば直流電源回路35とDC−DCコンバータ36とから構成されている。制御部51は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成された制御回路である。
制御部51は、充電電流供給部356から接続端子31,32を介して電流値Iccの充電電流Icを電池パック2へ供給させることにより定電流充電を実行し、接続端子31,32間の電圧Voutが、充電電圧制御部212aからの指示信号により設定された終止電圧Vfに達すると、終止電圧Vfを充電電圧として接続端子31,32間に印加して組電池14を充電する定電圧充電に切り替える。さらに、充電装置3は、組電池14に流れる充電電流Icが充電終止電流値Ia以下になると、組電池14が満充電になったものと判定して充電を終了する。
なお、充電装置3aは、電池パック2aを充電するものに限られず、制御部202a、電圧検出回路15、電流検出抵抗16等を備え、接続端子31,33に直接接続された組電池14を充電するものであってもよい。
その他の構成は図1に示す充電システム1と同様であるのでその説明を省略する。以下本実施形態の動作について説明する。図10は、図9に示す電池パック2aの動作の一例を示すフローチャートである。また、図11は、図9に示す充電システム1aの動作の一例を説明するための説明図である。
まず、充電装置3aは、定電流充電を開始して、電流値Iccの充電電流Icを出力する(タイミングT31)。また、充放電制御部211によって、スイッチング素子Q1,Q2がオンされる(ステップS21)。そうすると、組電池14が充電されて、組電池14の端子電圧Vtが徐々に上昇する。
次に、充電電圧制御部212aによって、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが10℃〜45℃の範囲内であるか否か、すなわち組電池14が充電に適した温度であるか否かが確認される(ステップS22)。そして、温度tが10℃〜45℃の範囲内であれば(ステップS22でYES)、標準的な充電電圧(例えばセルあたり4.20V)で組電池14を充電するべく、終止電圧Vfとして、電圧Vc1(例えば4.20V)に直列セル数の3を乗じた電圧を設定する旨の指示信号が、通信部203によって電池パック2aへ送信され、制御部51において、終止電圧Vfが12.6V(=4.20×3)に設定される(ステップS23)。
そして、図11に実線で示す端子電圧Vtが12.6Vに達すると、制御部51によって、接続端子31,32間の電圧Voutが12.6Vで一定になるように充電電流供給部356の出力電流Icが調節されて、セルあたり4.20Vの充電電圧による定電圧充電が実行される(タイミングT32)。
さらに、図11に実線で示す充電電流Icが充電終止電流値Ia以下になると、制御部51によって、組電池14が満充電になったものと判定されて充電電流供給部356からの電流出力がゼロにされ、充電を終了する(タイミングT33)。
一方、ステップS22において、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが10℃〜45℃の範囲内ではなく、組電池14の温度tが10℃より低温であった場合や45℃より高温であった場合、すなわち組電池14が低温であるか高温であるかに関わらず、組電池14が充電に適した温度ではなかった場合、低電圧(例えばセルあたり4.15V)で組電池14を充電するべくステップS24へ移行する。
ステップS24では、終止電圧Vfとして、電圧Vc2(例えば4.15V)に直列セル数の3を乗じた電圧を設定する旨の指示信号が、通信部203によって電池パック2aへ送信され、制御部51において、終止電圧Vfが12.45V(=4.15V×3)に設定される(ステップS24)。
そして、端子電圧Vtが12.45Vに達すると、制御部51によって、接続端子31,32間の電圧Voutが12.45Vで一定になるように充電電流供給部356の出力電流Icが調節されて、セルあたり4.15Vの充電電圧(破線で示す電圧Vt)による定電圧充電が実行される(タイミングT34)。
さらに、図11に破線で示す充電電流Icが充電終止電流値Ia以下になると、制御部51によって、組電池14が満充電になったものと判定されて充電電流供給部356からの電流出力がゼロにされ、充電を終了する(タイミングT35)。
また、ステップS24において、終止電圧Vfが12.45V(=4.15V×3)に設定された後、充電電圧制御部212aによって、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが15℃〜40℃の範囲内であるか否か、すなわち組電池14が充電に適した温度であるか否かが確認される(ステップS25)。そして、温度tが、15℃〜40℃の範囲内であれば(ステップS25でYES)、ステップS23へ移行して、終止電圧Vfが12.45V(=4.15V×3)に設定される。
この場合、ステップS25において比較される温度範囲は、例えば第1温度より下限温度が5℃高く、上限温度が5℃低く設定されている。これによって、低電圧(例えばセルあたり4.15V)での充電モードから標準的な電圧(例えばセルあたり4.20V)での充電モードへ移行する際の温度条件に、5℃のヒステリシスが設けられている。必ずしも温度条件にヒステリシスを設ける必要はないが、ヒステリシスを設けることで、動作を安定化することができる。
なお、組電池14の温度tの判定に用いる温度範囲を多段階に設けて、各温度範囲の段階に応じて、充電電圧の上限値を多段階に設定するようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電池パックを備えた充電システムについて説明する。第3の実施形態に係る電池パック2bを備えた充電システム1bは、第2の実施形態に係る充電システム1aと同様、図9によって示される。図9に示す充電システム1bと充電システム1aとでは、充電電圧制御部212bと制御部51bとの動作が異なる。
充電電圧制御部212bは、アナログデジタル変換器201からの各入力値に応答して、充電装置3bに対して、出力を要求する充電電流の電圧値、電流値を演算し、通信部203から接続端子13,33を介して充電装置3へ送信することで、いわゆるCCCV(定電流定電圧)充電を実行させる。
充電装置3bでは、充電電圧制御部212bからの要求を通信部52で受信し、制御部51bが充電電流供給部356を制御して、充電電圧制御部212bからの要求に応じた電圧値、及び電流値で、充電電流を供給させる。
具体的には、充電電圧制御部212aは、温度センサ17により検出される組電池14の温度tが組電池14の充電に適した温度として予め設定された第1温度(例えば10℃〜45℃の範囲の温度)である場合、充電装置3bから、電流値Iccの充電電流Icを供給させることにより定電流充電を実行し、電圧Vmaxが電圧Vc1(第1電圧)に達すると、電圧Vc1を印加して組電池14を充電する定電圧充電に切り替える。そして、充電電圧制御部212bは、組電池14に流れる充電電流Icが充電終止電流値Ia以下になると、組電池14が満充電になったものと判定して充電を終了する。
また、充電電圧制御部212aは、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが10℃〜45℃の範囲内ではなく、組電池14の温度tが10℃より低温であった場合や45℃より高温であった場合、すなわち組電池14が低温であるか高温であるかに関わらず、組電池14が充電に適した温度ではなかった場合、充電装置3bから、電流値Iccの充電電流Icを供給させることにより定電流充電を実行し、電圧Vmaxが電圧Vc2(第2電圧)に達すると、電圧Vc2を印加して組電池14を充電する定電圧充電に切り替える。そして、充電電圧制御部212bは、組電池14に流れる充電電流Icが充電終止電流値Ia以下になると、組電池14が満充電になったものと判定して充電を終了する。
その他の構成は図9に示す充電システム1aと同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的な点について説明する。図12は、第3の実施形態に係る充電システム1bの動作の一例を示すフローチャートである。
まず、充放電制御部211によって、スイッチング素子Q1,Q2がオンされる(ステップS31)。そして、充電電圧制御部212bによって、通信部203から充電装置3bへ、充電電流Icを電流値Iccに設定すべき旨の指示信号が送信される(ステップS32)。そうすると、充電装置3bから電流値Iccの充電電流Icが出力されて、定電流充電が開始される。
次に、充電電圧制御部212bによって、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが10℃〜45℃の範囲内であるか否か、すなわち組電池14が充電に適した温度であるか否かが確認される(ステップS33)。そして、温度tが、10℃〜45℃の範囲内であれば(ステップS33でYES)、ステップS34へ移行する。
ステップS34では、電流値Iccの充電電流Icで定電流充電が行われ、組電池14が充電されて、二次電池141,142,143の端子電圧V1,V2,V3が徐々に上昇する。次に、充電電圧制御部212bによって、電圧Vmaxが4.20Vと比較される(ステップS35)。そして、電圧Vmaxが4.20Vに満たなければ(ステップS35でNO)、再びステップS33へ移行する。一方、電圧Vmaxが4.20V以上であれば(ステップS35でYES)、充電電圧制御部212bによって、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが10℃〜45℃の範囲内であるか否かが確認される(ステップS36)。そして、温度tが、10℃〜45℃の範囲内であれば(ステップS36でYES)ステップS37へ移行し、10℃〜45℃の範囲外であれば(ステップS36でNO)ステップS40へ移行する。
ステップS37では、充電電圧制御部212bによって、標準的な充電電圧(例えばセルあたり4.20V)となるように、充電装置3bの出力電圧を指示する指示信号が、通信部203を介して充電装置3bへ送信される。そうすると、例えばセルあたり4.20Vで組電池14が定電圧充電される(ステップS37)。
そして、電流検出抵抗16により検出された充電電流Icが充電終止電流値Ia以下になると、充電電圧制御部212bによって、充電電流Icをゼロにすべき旨の指示信号が充電装置3bへ送信され、制御部51bによって充電電流Icがゼロにされて、通常のCCCV充電を終了する。
次に、組電池14が充電に適した温度でない場合における充電システム1bの動作について説明する。図13は、組電池14が充電に適した温度でない場合における充電システム1bの動作を説明するための説明図である。
ステップS32において定電流充電が開始(タイミングT41)された後、ステップS33において、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが10℃〜45℃の範囲内ではなく、組電池14の温度tが10℃より低温であった場合や45℃より高温であった場合(ステップS33でNO)、すなわち組電池14が低温であるか高温であるかに関わらず、組電池14が充電に適した温度ではなかった場合、低電圧(例えばセルあたり4.15V)で組電池14を充電するべくステップS39へ移行する。
ステップS39では、充電電圧制御部212bによって、電圧Vmaxが4.20Vより低い4.15Vと比較され(ステップS39)、電圧Vmaxが4.15V以下のとき(ステップS39でNO)、ステップS41へ移行する。そして、電流検出抵抗16により検出された充電電流Icが充電終止電流値Iaを超えている場合(ステップS41でNO)、充電電流Icがそのまま維持されて定電流充電が継続される(ステップS42)。
次に、ステップS43において、充電電圧制御部212bによって、電圧検出回路15により検出された組電池14の温度tが15℃〜40℃の範囲内であるか否か、すなわち組電池14が充電に適した温度であるか否かが確認される(ステップS43)。そして、温度tが、15℃〜40℃の範囲内であれば(ステップS43でYES)、再びステップS34へ戻って、以下、上述と同様ステップS34〜S38が実行される。
この場合、比較される温度範囲は、例えば第1温度より下限温度が5℃高く、上限温度が5℃低く設定されている。これによって、低電圧(例えばセルあたり4.15V)での充電モードから標準的な電圧(例えばセルあたり4.20V)での充電モードへ移行する際の温度条件に、5℃のヒステリシスが設けられている。必ずしも温度条件にヒステリシスを設ける必要はないが、ヒステリシスを設けることで、動作を安定化することができる。
そして、温度tが、10℃〜45℃の範囲内でなければ(ステップS43でNO)、再びステップS39へ戻って、充電電圧制御部212bによって、電圧Vmaxが4.20Vより低い4.15Vと比較される(ステップS39)。そして、電圧Vmaxが4.15Vを超えると(ステップS39でYES)、充電電圧制御部212bによって、通信部203から充電装置3bへ、電流値が予め設定された電流値Idだけ減じられた充電電流Icの電流値を、新たな充電電流Icとして設定すべき旨の指示信号が送信される(ステップS40)。そうすると、充電装置3bからの充電電流Icが電流値Idだけ減少し、二次電池141,142,143の内部抵抗を充電電流Icが流れることにより生じていた電圧降下が減少する結果、端子電圧V1,V2,V3が低下し、電圧Vmaxが4.15V以下に低下する(タイミングT42)。
電流Idは、二次電池141,142,143の内部抵抗により生じる電圧降下が、電圧Vmaxを4.15V以下に低下させることができる程度の電流値に設定されている。
以下、タイミングT43まで、ステップS41〜S40が繰り返し実行される。そうすると、タイミングT42〜T43の期間、充電電流Icが電流値Idずつ段階的に減少されることで、電圧Vmaxが4.15Vを超えることが抑制されるので、組電池14の温度tが10℃より低温であった場合や45℃より高温であった場合、すなわち組電池14が充電に適した温度ではなかった場合には、充電電圧が、組電池14が充電に適した温度における標準的な充電電圧(例えば4.20V)より低い電圧(例えば4.15V)におさえられる結果、組電池14が低温であるか高温であるかに関わらず、組電池14が充電に適さない温度で充電されることにより劣化するおそれが低減される。
そして、電流検出抵抗16により検出された充電電流Icが充電終止電流値Ia以下になると(ステップS41でYES)、充電電圧制御部212bによって、充電電流Icをゼロにすべき旨の指示信号が充電装置3bへ送信され、制御部51bによって充電電流Icがゼロにされて、通常のCCCV充電を終了する(タイミングT44)。
図14は、定電流充電による組電池14の充電中に、組電池14の温度tが充電に適した第1温度から充電に適さない第2温度へ変化した場合の端子電圧V1,V2,V3と、充電電流Icとの変化の一例を示している。図14に示す例では、タイミングT45において、電圧Vmax(端子電圧V3)が、4.15Vを超えた後に、組電池14の温度tが例えば10℃を下回ったり、45℃を上回ったりした場合を示している。
この場合、タイミングT45において、ステップS33で温度tが10℃〜45℃の範囲外になったことが検出され(ステップS33でNO)、ステップS39へ移行するので、定電流充電の途中で電圧Vmaxが4.15Vを超えた後に組電池14の温度tが変化した場合であっても、温度tの変化に応じて充電電圧を変化させることができる。
図15は、定電圧充電による組電池14の充電中に、組電池14の温度tが充電に適した第1温度から充電に適さない第2温度へ変化した場合の電圧Vmaxと、充電電流Icとの変化の一例を示している。図15に示す例では、タイミングT46において、充電装置3bにより定電流充電から定電圧充電に切り替えられ、充電電流Icが徐々に減少していく過程におけるタイミングT47において、組電池14の温度tが例えば10℃を下回ったり、45℃を上回ったりした場合を示している。
この場合、タイミングT47において、ステップS33で温度tが10℃〜45℃の範囲外になったことが検出され(ステップS33でNO)、ステップS39へ移行するので、定電圧充電の途中で組電池14の温度tが変化した場合であっても、温度tの変化に応じて充電電圧を変化させることができる。なお、組電池14の温度tの判定に用いる温度範囲を多段階に設けて、各温度範囲の段階に応じて、充電電圧の上限値を多段階に設定するようにしてもよい。
本発明は、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、携帯電話機等の電子機器、電気自動車やハイブリッドカー等の車両、等の電池搭載装置の電源として用いられる電池パック、二次電池を充電する充電回路及び充電システムとして好適に利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る電池パックを備えた充電システムの構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す充電装置の構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す電池パックの動作の一例を示すフローチャートである。 図1に示す電池パックの動作の一例を示すフローチャートである。 図1に示す充電システムの動作を説明するための説明図である。 図1に示す充電システムの動作を説明するための説明図である。 図1に示す充電システムの動作を説明するための説明図である。 図1に示す充電システムの動作を説明するための説明図である。 本発明の第2、第3の実施形態に係る充電システムの構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る電池パックの動作の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る充電システムの動作の一例を説明するための説明図である。 第3の実施形態に係る電池パックの動作の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る充電システムの動作の一例を説明するための説明図である。 第3の実施形態に係る充電システムの動作の一例を説明するための説明図である。 第3の実施形態に係る充電システムの動作の一例を説明するための説明図である。
符号の説明
1,1a,1b 充電システム
2,2a,2b 電池パック
3,3a,3b 充電装置
11,12,13,31,32,33 接続端子
14 組電池
15 電圧検出回路
16 電流検出抵抗
17 温度センサ
51,51b 制御部
52,203 通信部
141,142,143 二次電池
202,202a,202b 制御部
211 充放電制御部
212,212a,212b 充電電圧制御部
356 充電電流供給部
361 PWM信号生成回路
Ia 充電終止電流値
Ic 充電電流
Icc 電流値
Id 電流値
Q1,Q2 スイッチング素子
V1,V2,V3 端子電圧

Claims (11)

  1. 二次電池と、
    前記二次電池を充電するための充電電流を出力する充電部から、前記出力された充電電流を受電するための接続端子と、
    前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、前記接続端子により受電された電流に基づく前記二次電池の充電電圧を、当該二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下させる充電電圧制御部と
    前記接続端子から前記二次電池へ流れる充電電流をオン、オフするスイッチング素子と、
    前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出部とを備え、
    前記充電電圧制御部は、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記第1温度である場合、前記スイッチング素子をオンし、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第2温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より低い第2電圧を超えているとき前記スイッチング素子をオフし、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧を下回るとき前記スイッチング素子をオンすること
    を特徴とする電池パック。
  2. 前記充電電圧制御部は、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第2温度である場合において、前記スイッチング素子をオフしても当該電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧以上となるとき、前記二次電池の充電を終了すること
    を特徴とする請求項記載の電池パック。
  3. 前記充電電圧制御部は、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第1温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より高い第3電圧を超えているとき前記スイッチング素子をオフし、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧以下のとき前記スイッチング素子をオンすること
    を特徴とする請求項1又は2記載の電池パック。
  4. 前記充電電圧制御部は、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第1温度である場合において、前記スイッチング素子をオフしても当該電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧を超えるとき、前記二次電池の充電を終了すること
    を特徴とする請求項記載の電池パック。
  5. 二次電池と、
    前記二次電池を充電するための充電電流を出力する充電部から、前記出力された充電電流を受電するための接続端子と、
    前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、前記接続端子により受電された電流に基づく前記二次電池の充電電圧を、当該二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下させる充電電圧制御部と
    前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出部とを備え、
    前記充電部は、
    前記充電電圧制御部からの指示に応じて前記二次電池への供給電流を調節するものであり、
    前記充電電圧制御部は、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記第2温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より低い第2電圧を超えているとき、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧以下になるように前記充電部による供給電流を低下させる指示を行うこと
    を特徴とする電池パック。
  6. 前記二次電池の充電電流を検出する電流検出部をさらに備え、
    前記充電電圧制御部は、
    前記電流検出部により検出される充電電流が、前記定電圧充電を終了すべき電流値として予め設定された充電終止電流値以下になった場合、前記充電部による電流供給を停止させる指示を行って前記二次電池の充電を終了すること
    を特徴とする請求項記載の電池パック。
  7. 前記二次電池は、複数の二次電池が直列接続された組電池であり、
    前記第1電圧は、前記定電圧充電における前記二次電池一つあたりの充電電圧として設定されており、
    前記電圧検出部は、前記複数の二次電池の端子電圧をそれぞれ検出し、
    前記充電電圧制御部は、前記電圧検出部により検出された前記複数の二次電池の端子電圧のうち最大の電圧を、前記電圧検出部により検出された二次電池の端子電圧として用いること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電池パック。
  8. 二次電池を接続するための接続端子と、
    前記二次電池を充電するための充電電流を出力する充電部と、
    前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、前記充電部により出力された充電電流に基づく前記二次電池の充電電圧を、当該二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下させる充電電圧制御部と
    前記接続端子から前記二次電池へ流れる充電電流をオン、オフするスイッチング素子と、
    前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出部とを備え、
    前記充電電圧制御部は、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記第1温度である場合、前記スイッチング素子をオンし、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第2温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より低い第2電圧を超えているとき前記スイッチング素子をオフし、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧を下回るとき前記スイッチング素子をオンすること
    を特徴とする充電装置。
  9. 二次電池と、
    前記二次電池を充電するための充電電流を出力する充電部と、
    前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、前記充電部により出力された充電電流に基づく前記二次電池の充電電圧を、当該二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下させる充電電圧制御部と
    前記充電部から前記二次電池へ流れる充電電流をオン、オフするスイッチング素子と、
    前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出部とを備え、
    前記充電電圧制御部は、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記第1温度である場合、前記スイッチング素子をオンし、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が前記第2温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より低い第2電圧を超えているとき前記スイッチング素子をオフし、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧を下回るとき前記スイッチング素子をオンすること
    を特徴とする充電システム。
  10. 二次電池を接続するための接続端子と、
    前記二次電池を充電するための充電電流を出力する充電部と、
    前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、前記充電部により出力された充電電流に基づく前記二次電池の充電電圧を、当該二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下させる充電電圧制御部と
    前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出部とを備え、
    前記充電部は、
    前記充電電圧制御部からの指示に応じて前記二次電池への供給電流を調節するものであり、
    前記充電電圧制御部は、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記第2温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より低い第2電圧を超えているとき、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧以下になるように前記充電部による供給電流を低下させる指示を行うこと
    を特徴とする充電装置。
  11. 二次電池と、
    前記二次電池を充電するための充電電流を出力する充電部と、
    前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記二次電池の充電に適した温度として予め設定された第1温度とは異なる第2温度である場合、前記充電部により出力された充電電流に基づく前記二次電池の充電電圧を、当該二次電池を定電圧充電するための電圧として予め設定された第1電圧より低下させる充電電圧制御部と
    前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出部とを備え、
    前記充電部は、
    前記充電電圧制御部からの指示に応じて前記二次電池への供給電流を調節するものであり、
    前記充電電圧制御部は、
    前記温度検出部により検出される二次電池の温度が、前記第2温度である場合において、前記電圧検出部により検出される二次電池の端子電圧が前記第1電圧より低い第2電圧を超えているとき、当該検出される二次電池の端子電圧が前記第2電圧以下になるように前記充電部による供給電流を低下させる指示を行うこと
    を特徴とする充電システム。
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