JP5120908B2 - 表示パネル駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示パネル駆動装置に関し、特に交流駆動型プラズマディスプレイパネル(以下PDPと記す)やエレクトロルミネセンス(EL)などの容量性負荷をパルス駆動するデータ電極駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
駆動装置を含む一般的な交流駆動型のPDPについて、図4を参照して説明する。図に示すように、PDP10は、一方の面にn本のデータ電極X1〜Xi〜Xnを垂直方向に延在し水平方向に並設し、所定の間隔をもって配置される対向面にm本の走査電極Y1〜Yj〜Ymおよび共通電極Zを水平方向に延在し垂直方向に交互に並設している。共通電極Zは、各走査電極Y1〜Ymと近接して配置し対を成していて、その一端を共通に接続している。これらの近接したX,Y,Zの3種類の電極は電気的に絶縁されており、相互間の容量による結合関係にある。各データ電極Xiと各走査電極Yj及び共通電極Zとの交点を含んで表示セルC(i,j)を構成する。表示セルは、水平方向の3つずつをR(赤)、G(緑)、B(青)のサブ画素とし、このサブ画素3つで1つの画素をなす。そして、PDP10を駆動するために、各データ電極X1〜Xnには、それぞれに対応する出力端子を備えるデータ電極駆動IC20が接続され、各走査電極Y1〜Ymには、それぞれに対応する出力端子を備える走査電極駆動IC30が接続され、共通電極Zには、共通電極駆動回路40が接続されている。尚、図では、データ電極駆動IC20および走査電極駆動IC30をそれぞれ1個のICで示しているが、PDP10のデータ電極Xおよび走査電極Yの本数が多い場合は、複数のデータ電極駆動IC20および走査電極駆動IC30を並置することが多い。
【0003】
このPDP10の動作原理を説明する。点灯される表示セルC(i1,j1)に対応するデータ電極Xi1と走査電極Yj1との間には放電が生じる高い電圧のパルス信号を供給し、非点灯の表示セルC(i2,j2)に対応するデータ電極Xi2と走査電極Yj2との間には放電が生じない低い電圧を供給して書込みが行われる。このデータの書込みは1つの走査電極Yjに対応する表示セルC(1,j)〜C(n,j)で同時に行われる。そして、各走査電極Y1〜Ymについて順次に書込みが行われると、各走査電極Y1〜Ymと共通電極Zとの間に、点灯セルでは放電を維持するが、非点灯セルで新たな放電が生じることのない電圧の交流電圧が所定の維持時間供給されて放電を維持する。このように点灯と非点灯の2値表示で所定の維持時間の表示を行うサブフィールドがそれぞれ維持時間を異ならせて複数設定され、それを重ねて1フィールドの諧調表示が行われる。すなわち、最も明るく表示される表示セルではすべてのサブフィールドで点灯となる書込みが行われ、比較的明るく表示される表示セルでは合計の維持時間が長くなるように選ばれたサブフィールドで点灯となる書込みが行われ、比較的暗く表示される表示セルでは合計の維持時間が短くなるように選ばれたサブフィールドで点灯となる書込みが行われ、最も暗く表示される表示セルではすべてのサブフィールドで非点灯となる書込みが行われる。
【0004】
上記の動作原理に基づくPDP10の駆動方法について、1サブフィールド分を図5を参照して説明する。この1サブフィールドの期間は、予備放電期間と、データ書込み期間と、維持放電期間とに区分される。最初の予備放電期間では、負の消去パルスVapを走査電極Y1〜Ymに、負の予備放電パルスVpを共通電極Zにそれぞれ供給して前のフレームの表示内容を消去すると共に新たなデータの書込みのための壁電荷の準備を行う。次のデータ書込み期間では、表示データに基づき書込みを線順次に行う。データ電極Xi(i=1〜n)には、点灯セルに対して正のデータパルス電圧Vdを、非点灯セルには0vを出力する。先ず走査電極Y1を負の走査パルスVwに選択すると、点灯セルのデータ,走査両電極間で書込み放電が行われて壁電荷を形成する。以下、Y2〜Ymの走査電極についてもこの順に、同様の動作を行う。次の維持放電期間では、共通電極Zと走査電極Y1〜Ymの全てに負の維持パルス電圧Vsを交互に繰り返して出力して、上記書込み動作で壁電荷が形成されたセルで所定の維持期間放電を維持する。
【0005】
次にデータ電極駆動IC20の従来例について図6を参照して説明する。尚、説明を簡明にするためにデータ電極を3個(X1,X2,X3)として説明する。データ電極駆動IC20としての従来例のデータ電極駆動IC120は、クロックCLKに同期してシリアルに入力されるデータDAをパラレルにして出力S1〜S3として順次出力するシフトレジスタ121と、出力S1〜S3を順次取込み保持しラッチイネーブル信号LEに同期して同時に出力L1〜L3として出力するラッチ122と、ラッチ122からの出力L1〜L3をデータ電極X1,X2,X3を駆動可能な能力に高めて出力端子O1,O2,O3へ出力する電極単位ドライバ123とを有している。
【0006】
次に、このデータ電極駆動IC120の動作について図7を併用して説明する。尚、データ電極X2と隣接するデータ電極X1,X3とで出力が逆相となる場合について説明する。クロックCLKに同期してデータDAがシフトレジスタ121に供給され、シフトレジスタ121の各ビットからの出力S1、S2、S3として、例えば、出力S2が走査電極Yjに対応してハイレベル、走査電極Yj+1に対応してロウレベル、出力S1,S3が走査電極Yjに対応してロウレベル、走査電極Yj+1に対応してハイレベルで出力されている。ラッチイネーブル信号LEのパルスの立ち上がりが時刻T1j、T1(j+1)のタイミングでラッチ122へ供給されている。
【0007】
ラッチ122からの出力L2は走査電極Yjに対応して時刻T1jにハイレベル、走査電極Yj+1に対応して時刻T1(j+1)にロウレベル、出力L1,L3は走査電極Yjに対応して時刻T1jにロウレベル、走査電極Yj+1に対応して時刻T1(j+1)にハイレベルとなる。この出力L1,L2,L3が各電極単位ドライバ123に入力されると、走査電極Yjに対応して時刻T1jに、出力端子O2において0vからデータパルス電圧Vdへの立ち上がり出力の変化を始めると同時に、出力端子O1,O3においてデータパルス電圧Vdから0vへの立ち下がり出力の変化を始め、走査電極Yj+1に対応して時刻T1(j+1)に、出力端子O2においてデータパルス電圧Vdから0vへの立ち下がり出力の変化を始めると同時に、出力端子O1,O3において0vからデータパルス電圧Vdへの立ち上がり出力の変化を始める。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、PDP10の等価容量は、図8に示すように、データ電極X1,X2間およびデータ電極X2,X3間の線間容量Cwと、各データ電極X1,X2,X3と走査電極Yj間のパネル容量Cpとで表され、データ電極駆動IC120を用いて、データ電極X2と隣接する両側のデータ電極X1,X3とに互いに逆相となる出力を供給する場合、線間容量Cwには、走査電極Yjに対応して、データ電極X2からの充電電流とデータ電極X1,X3への放電電流が同時に流れ、また、走査電極Yj+1に対応して、データ電極X1,X3からの充電電流とデータ電極X2への放電電流が同時に流れ、見かけの容量が2倍となり、多大なピーク電流が流れ、この電流の影響で電源の揺れが大きくなりシフトレジスタやラッチのロジック部の誤動作の原因となる虞があった。
従って、本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、隣接するデータ電極間で駆動装置からの出力が逆相となる場合でも線間容量Cwに充放電電流が同時に流れない表示パネル駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表示パネル駆動装置は、複数本のデータ電極と走査電極とが直交配置されその交点に容量性負荷の表示セルが形成された表示パネルの各データ電極をパルス駆動して表示セルの点灯または非点灯のデータを書込む表示パネル駆動装置において、各データのうち、点灯から非点灯または非点灯から点灯のデータに変化するときのデータのみ、書込みタイミングをずらすことを特徴とする。
また、本発明に係る表示パネル駆動装置は、複数本のデータ電極と走査電極とが直交配置されその交点に容量性負荷の表示セルが形成された表示パネルの各データ電極をパルス駆動して表示セルの点灯または非点灯のデータを書込むためのデータをシリアル入力してパラレル出力するシフトレジスタと、シフトレジスタからのデータをラッチイネーブル源信号に基づきラッチするラッチと、ラッチからのデータを駆動能力を高めて出力する電極単位ドライバとを具備した表示パネル駆動装置において、ラッチが第1ラッチと第2ラッチの2段からなり、ラッチイネーブル源信号に同期して、各データ電極に対応するシフトレジスタ出力と第2ラッチ出力とを比較し、その比較結果に基づき、第1ラッチをラッチする第1ラッチイネーブル信号と第2ラッチをラッチする第2ラッチイネーブル信号とを生成するラッチイネーブル信号制御回路を有し、各データのうち、点灯から非点灯または非点灯から点灯のデータに変化するときのデータのみ、第2ラッチイネーブル信号により書込みタイミングをずらすことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に基づき表示パネル駆動装置の一実施例のPDPのデータ電極駆動ICを図1を参照して説明する。尚、説明を簡明にするためにデータ電極を3個(X1,X2,X3)として説明する。データ電極駆動IC20としてのデータ電極駆動IC220は、クロックCLKに同期してシリアルに入力されるデータDAをパラレルにして出力S1〜S3として順次出力するシフトレジスタ221と、出力S1〜S3を順次取込み保持し出力LA1〜LA3として出力する第1ラッチである1段目のハーフラッチ222Aおよび出力LB1〜LB3として出力する第2ラッチである2段目のハーフラッチ222Bとからなるラッチ222と、ラッチ222からの出力LB1〜LB3をデータ電極X1,X2,X3を駆動可能な能力に高めて出力端子O1,O2,O3へ出力する電極単位ドライバ223と、ラッチイネーブル源信号であるラッチイネーブル信号LEに基づいて、ハーフラッチ222Aへのラッチイネーブル信号LEAを生成するとともに、ハーフラッチ222Bからの出力LB1〜LB3とシフトレジスタ221からの出力S1〜S3とを比較し、出力LB1〜LB3と出力S1〜S3とがそれぞれハイレベルとロウレベルのときのみラッチタイミングをずらすハーフラッチ222Bへのラッチイネーブル信号LEB1〜LEB3を生成するラッチイネーブル信号制御回路224とを有している。
【0011】
ラッチイネーブル信号制御回路224は、例えば、図2に示すように、ハーフラッチ222Bからの出力LB1〜LB3とシフトレジスタ221からの出力S1〜S3とを比較する比較回路50と、ハーフラッチ222Aへのラッチイネーブル信号LEAを生成するとともに、比較回路50からの出力に基づいて出力LB1〜LB3と出力S1〜S3とがそれぞれハイレベルとロウレベルのときのみラッチタイミングをずらすハーフラッチ222Bへのラッチイネーブル信号LEB1〜LEB3を生成するラッチイネーブル信号生成回路60とを有している。比較回路50は、NOT回路51(1),51(2),51(3)とNAND回路52(1),52(2),52(3)とからなり、出力S1〜S3がNOT回路51(1),51(2),51(3)を介してNAND回路52(1),52(2),52(3)の一方の入力に供給され、出力LB1〜LB3がNAND回路52(1),52(2),52(3)の他方の入力に供給される構成となっている。ラッチイネーブル信号生成回路60は、NOT回路61,62と、NOT回路が偶数で段接続されて構成される遅延回路63と、OR回路64(1),64(2),64(3)とからなり、ラッチイネーブル信号LEがNOT回路61,62を介してラッチイネーブル信号LEAとして出力され、ラッチイネーブル信号LEが遅延回路63を介してOR回路64(1),64(2),64(3)の一方の入力に供給されるとともに、他方の入力にNAND回路52(1),52(2),52(3)の出力が供給され、OR回路64(1),64(2),64(3)からラッチイネーブル信号LEB1〜LEB3が出力される構成となっている。
【0012】
ラッチイネーブル信号制御回路224にラッチイネーブル信号LE、出力LB1〜LB3および出力S1〜S3が供給されると、表1に示すように、出力LBがハイレベル、出力Sがロウレベルのときに遅延回路63の出力がハイレベルになると、ラッチイネーブル信号LEBがハイレベルとなる。すなわち、出力LBがハイレベルからロウレベルに変化するのは、ラッチイネーブル信号LE(LEA)に対して、遅延時間td後である。遅延時間tdは、出力端子O1,O2,O3において、0vからデータパルス電圧Vdへの立ち上がりおよびデータパルス電圧Vdから0vへの立ち下がりに要する各時間と同程度またはそれより長く設定する。
【0013】
【表1】
【0014】
次に、このデータ電極駆動IC220の動作について図3を併用して説明する。尚、データ電極X2と隣接する両側のデータ電極X1,X3とで出力が逆相となる場合について説明する。クロックCLKに同期してデータDAがシフトレジスタ221に供給され、シフトレジスタ221の各ビットからの出力S1〜S3として、例えば、出力S2が走査電極Yjに対応してハイレベル、走査電極Yj+1に対応してロウレベル、出力S1,S3が走査電極Yjに対応してロウレベル、走査電極Yj+1に対応してハイレベルで出力されている。ラッチイネーブル信号LEのパルスの立ち上がりが時刻T1j,T1(j+1)のタイミングでラッチイネーブル信号制御回路224へ供給されている。
【0015】
ラッチイネーブル信号制御回路224からラッチイネーブル信号LEAのパルスの立ち上がりが時刻T1j,T1(j+1)のタイミングで1段目のハーフラッチ222Aの各ビットに供給され、ハーフラッチ222Aの各ビットがこのタイミングでラッチされ、ハーフラッチ222Aの各ビットから出力LA1〜LA3がハーフラッチ222Bに供給される。ハーフラッチ222Aからの出力LA2は走査電極Yjに対応して時刻T1jにハイレベル、走査電極Yj+1に対応して時刻T1(j+1)にロウレベル、出力LA1,LA3は走査電極Yjに対応して時刻T1jにロウレベル、走査電極Yj+1に対応して時刻T1(j+1)にハイレベルとなる。
【0016】
ラッチイネーブル信号制御回路224には、ハーフラッチ222Bの各ビットからの出力LB1〜LB3とシフトレジスタ221の各ビットからの出力S1〜S3とが供給されている。ラッチイネーブル信号制御回路224内の比較回路50で出力LB1〜LB3と出力S1〜S3とがそれぞれ比較され、その比較結果がラッチイネーブル信号制御回路224内のラッチイネーブル信号生成回路60に供給されている。ラッチイネーブル信号生成回路60内では、ラッチイネーブル信号LEが遅延回路63を介して時間tdの遅れでOR回路64(1)、64(2)、64(3)の一方の入力に供給され、他方の入力に比較回路50の比較結果が供給されている。OR回路64(1)、64(2)、64(3)の出力がラッチイネーブル信号生成回路60からラッチイネーブル信号LEB1〜LEB3として2段目のハーフラッチ222Bの各ビットに供給されている。ラッチイネーブル信号LEB1〜LEB3のパルスの立ち上がりで、ハーフラッチ222Bの各ビットはラッチされ、ハーフラッチ222Bの各ビットから出力LB1〜LB3が電極単位ドライバ223に供給される。ラッチイネーブル信号LEB1〜LEB3の時刻T1jの直前の状態は、ラッチイネーブル信号LEB2はハイレベル、ラッチイネーブル信号LEB1,LEB3はロウレベルとなっている。
【0017】
ラッチイネーブル信号生成回路60からラッチイネーブル信号LEB2は走査電極Yjに対応して時刻T1j、T1j+tdにハイレベルのまま、そして出力S2のハイレベルからロウレベルに同期してハイレベルからロウレベルになった後、走査電極Yj+1に対応して時刻T1(j+1)+tdにロウレベルからハイレベル、出力LEB1,LEB3は走査電極Yjに対応して時刻T1j+tdにロウレベルからハイレベル、そして走査電極Yj+1に対応して時刻T1(j+1),T1(j+1)+tdにハイレベルのままの後、出力S1,S3のハイレベルからロウレベルに同期してハイレベルからロウレベルとなる。ラッチイネーブル信号LEB1〜LEB3が2段目のハーフラッチ222Bの各ビットに供給されると、出力LB2はラッチイネーブル信号LEB2により走査電極Yjに対応して時刻T1jに出力LA2のロウレベルからハイレベルがスルーし、ロウレベルからハイレベル、走査電極Yj+1に対応して時刻T1(j+1)+tdに出力LA2のロウレベルがラッチされハイレベルからロウレベル、出力LB1,LB3はラッチイネーブル信号LEB1,LEB3により走査電極Yjに対応して時刻T1j+tdに出力LA1,LA3のロウレベルがラッチされハイレベルからロウレベル、走査電極Yj+1に対応して時刻T1(j+1)に出力LA1,LA3のロウレベルからハイレベルがスルーし、ロウレベルからハイレベルとなる。
【0018】
この出力LB1〜LB3が各電極単位ドライバ223に供給されると、出力端子O2において、走査電極Yjに対応して出力LB2がロウレベルからハイレベルになる時刻T1jに0vからデータパルス電圧Vdへの立ち上がり出力の変化を始め、走査電極Yj+1に対応して出力LB2がハイレベルからロウレベルになる時刻T1(j+1)+tdにデータパルス電圧Vdから0vへの立ち下がり出力の変化を始め、出力端子O1,O3において、走査電極Yj+1に対応して出力LB1,LB3がハイレベルからロウレベルになる時刻T1j+tdにデータパルス電圧Vdから0vへの立ち下がり出力の変化を始め、走査電極Yj+1に対応して出力LB1,LB3がロウレベルからハイレベルになる時刻T1(j+1)に0vからデータパルス電圧Vdへの立ち上がり出力の変化を始める。
【0019】
以上で説明したように、走査電極Yjに対応してハイレベルからロウレベルになるラッチ222出力LB1,LB3と、走査電極Yj+1に対応してハイレベルからロウレベルになるラッチ222出力LB2とを遅延させて、データ電極X2に対応する電極単位ドライバ223出力の立ち上がりと立ち下がりのタイミングとデータ電極X1,X3に対応する電極単位ドライバ223出力の立ち下がりと立ち上がりのタイミングをずらすことにより、データ電極X2と隣接するデータ電極X1,X3とで互いに逆相となる出力を供給する場合でも、線間容量Cwには、データ電極X2からの充電電流とデータ電極X1,X3への放電電流、または、データ電極X1,X3からの充電電流とデータ電極X2への放電電流が同時に流れることはなく、従来よりピーク電流を抑えることができ、データ電極駆動IC220の誤動作を防止できる。
尚、上記実施例では、出力LB1〜LB3と出力S1〜S3とがそれぞれハイレベルとロウレベルのときのみ、その対応するデータ電極への出力タイミングをずらすことで説明したが、出力LB1〜LB3と出力S1〜S3とが反対にそれぞれロウレベルとハイレベルのときのみ、その対応するデータ電極への出力タイミングをずらしてもよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、表示パネル駆動装置から表示パネルの隣接するデータ電極間で互いに逆相となる出力を供給する場合、各データのうち、点灯から非点灯または非点灯から点灯のデータに変化するときのデータのみ、書込みタイミングをずらすことにより、従来よりピーク電流を抑えることができ、表示パネル駆動装置の誤動作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のデータ電極駆動ICのブロック図。
【図2】 図1に示すデータ電極駆動ICに使用される一例のラッチイネーブル信号制御回路の回路図。
【図3】 図1に示すデータ電極駆動ICの動作を説明するためのタイムチャート。
【図4】 一般的なPDP表示パネルの概略構成を示すブロック図。
【図5】 図4のPDP表示パネルの駆動方法の一例を示すタイムチャート。
【図6】 従来のデータ電極駆動ICの回路図。
【図7】 図6に示すデータ電極駆動ICの動作を説明するためのタイムチャート。
【図8】 図4のPDP表示パネルの等価容量を示す図。
【符号の説明】
10 PDP表示パネル
220 データ電極駆動IC
221 シフトレジスタ
222 ラッチ
222A 1段目のハーフラッチ(第1ラッチ)
222B 2段目のハーフラッチ(第2ラッチ)
223 電極単位ドライバ
224 ラッチイネーブル信号制御回路
Claims (1)
- 表示パネルを駆動する表示パネル駆動装置であって、
前記表示パネルは、
それぞれ同一方向に延在し、且つ並列に並ぶm(≧2)本の走査電極と、
それぞれ同一方向に延在し、且つ並列に並ぶn(≧2)本のデータ電極と
を備え、
前記n本のデータ電極が前記m本の走査電極に対してそれぞれ垂直に配置され、
前記m本の走査電極と前記n本のデータ電極とのm×n個の交点に容量性負荷を持つm×n個の表示セルがそれぞれ形成された前記表示パネルであり、
前記m本の走査電極を順次走査し、前記m本の走査電極のうちの走査対象である第1走査電極にパルスを供給する走査電極駆動回路と、
前記走査電極駆動回路が前記第1走査電極に前記パルスを供給したとき、ラッチイネーブル源信号に同期して、n個のデータパルスを前記n本のデータ電極にそれぞれ供給するデータ電極駆動回路と
を有し、
前記第1走査電極と前記n本のデータ電極とのn個の交点に位置するn個の表示セルは、前記n個のデータパルスの各々の電圧レベルに対応して点灯または非点灯し、
前記電圧レベルは、第1電圧レベルまたは第2電圧レベルのいずれかであり、
前記データ電極駆動回路は、
前記n個のデータパルスの列からなるnビットの書き込みデータをシリアルに入力し、前記書き込みデータをパラレルに出力するシフトレジスタと、
nビット分のラッチで構成された第1ラッチであって、前記シフトレジスタからパラレルに出力された前記n個のデータパルスを第1ラッチイネーブル信号に同期して一斉にラッチする前記第1ラッチと、
nビット分のラッチで構成された第2ラッチであって、前記第1ラッチから出力された前記n個のデータパルスをnビット分の第2ラッチイネーブル信号にそれぞれ同期してラッチする前記第2ラッチと、
前記ラッチイネーブル源信号を入力し、前記ラッチイネーブル源信号を前記第1ラッチイネーブル信号として前記第1ラッチに出力すると共に、前記nビット分の第2ラッチイネーブル信号を前記ラッチイネーブル源信号を用いて生成するラッチイネーブル信号制御回路と、
前記第2ラッチから出力された前記n個のデータパルスの各々の駆動能力を高めた上で前記n個のデータパルスを前記n本のデータ電極にそれぞれ供給する電極単位ドライバと
を有し、
前記走査電極駆動回路が前記第1走査電極の次の走査対象である第2走査電極にパルスを供給した際に、前記データ電極駆動回路が供給すべきn個のデータパルスのうち電圧レベルが前記第1電圧レベルから前記第2電圧レベルに切り替わったデータパルスを対応するデータ電極に供給する場合、前記データパルスを遅延させて前記対応するデータ電極に供給し、
前記ラッチイネーブル信号制御回路は、
それぞれが第1入力端子と第2入力端子とを備え、前記第1入力端子への入力と前記第2入力端子への入力との論理和をそれぞれとるn個の論理回路と、
前記ラッチイネーブル源信号を入力し、前記ラッチイネーブル源信号を一定時間遅延させて前記n個の論理回路の各々の前記第1入力端子に出力する遅延回路と、
前記ラッチイネーブル源信号に同期して、n個の第1比較データパルスをn個の第2比較データパルスとそれぞれ比較し、n個の比較結果を前記n個の論理回路の前記第2入力端子にそれぞれ出力する比較回路と
を備え、
前記n個の第1比較データパルスは、前記走査電極駆動回路の走査対象が前記第1走査電極であるときに前記第2ラッチが既にラッチしているn個のデータパルスであり、
前記n個の第2比較データパルスは、前記走査電極駆動回路の走査対象が前記第1走査電極であるときに前記シフトレジスタから出力されたn個のデータパルスであり、
前記比較回路は、前記n個の第1比較データパルスのうち比較対象の第1データパルスが前記第1電圧レベルであり、且つ前記n個の第2比較データパルスのうち比較対象の第2データパルスが前記第2電圧レベルである場合のみ、前記第2電圧レベルを持つ比較結果を前記n個の論理回路のうちの対応する論理回路の前記第2入力端子に出力し、
前記n個の論理回路は、それぞれの論理和を前記nビット分の第2ラッチイネーブル信号として前記第2ラッチに出力し、
前記n個の論理回路のうち前記第2電圧レベルを持つ比較結果を前記第2入力端子に入力した論理回路は、前記遅延回路が前記ラッチイネーブル源信号を出力するまでの期間、前記第2電圧レベルを持つ第2ラッチイネーブル信号を前記第2ラッチの対応するラッチに出力し、
前記第2ラッチは、前記第2ラッチイネーブル信号が前記遅延回路による前記ラッチイネーブル源信号の出力に伴い前記第2電圧レベルから前記第1電圧レベルへ変化するタイミングでラッチを行う
表示パネル駆動装置。
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