JP5120638B2 - 電流遮断機構を備えた電池 - Google Patents

電流遮断機構を備えた電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5120638B2
JP5120638B2 JP2008210814A JP2008210814A JP5120638B2 JP 5120638 B2 JP5120638 B2 JP 5120638B2 JP 2008210814 A JP2008210814 A JP 2008210814A JP 2008210814 A JP2008210814 A JP 2008210814A JP 5120638 B2 JP5120638 B2 JP 5120638B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
welded portion
electrode body
current
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008210814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009295565A (ja
Inventor
圭一郎 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008210814A priority Critical patent/JP5120638B2/ja
Publication of JP2009295565A publication Critical patent/JP2009295565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5120638B2 publication Critical patent/JP5120638B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、電池の異常時に電流を遮断する機構を内蔵した電池に関する。
近年、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池その他の二次電池(蓄電池)は、車両搭載用電源、或いはパソコンおよび携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。このような二次電池の典型的な構造の一つとして、正極および負極を備える電極体を電解質とともにケース内に密閉して成る密閉構造の電池(密閉型電池)が挙げられる。
ところで、この種の電池を充電処理する際、不良電池の存在や充電装置の故障による誤作動等があった場合、電池に通常以上の電流が供給されて過充電状態に陥ることが想定される。かかる過充電等の際に、電池反応が急速に進行して電池が過熱したり、電池ケースの内圧が過剰に上昇して該ケースの変形等を生じたりすることがあり得る。そこで、このような電池の異常時に電流を遮断する機構を設けることが提案されている。例えば特許文献1には、通常時にはバイメタルの当接を介して集電リードとキャップとを電気的に接続させておき、温度上昇時には上記バイメタルを変形させて上記当接状態を解除することにより電流を遮断する技術が記載されている。電流遮断に関する他の従来技術文献として特許文献2が挙げられる。
特開平5−205727号公報 特開平10−321213号公報
しかしながら、特許文献1のようにバイメタルの当接を介して電流を取り出す構成では電池の内部抵抗が高くなりがちである。かかる内部抵抗の上昇は電池の出力低下につながることから、車両搭載用電池等のように高出力が求められる電池への適用は困難である。また特許文献1には、関連する技術として、圧力により変形する部材と集電リードとを溶着しておき、電池の内圧が上昇したときには上記部材を変形させて該溶着を破断させる(溶着面に垂直な方向への引張力を加えて溶着部を引き剥がす)ことにより電流を遮断する技術が記載されている。しかし、かかる電流遮断機構では大電流(例えば10A以上の大電流)を放電可能な電池を提供することが困難となる。すなわち、大電流を放電するには溶着部の断面積(溶着面積、すなわち通電面積)を大きくとることが有利であるが、溶着面積を大きくとると当該溶着部の破断に要する力(延いては電流遮断機構を作動させるケース内圧、すなわち該機構の作動圧力)も大きくなる。このため、電流遮断機構の機能低下を防ぐ(例えば、異常モードの早期に電流遮断機構を作動させる)ためには、適切なタイミングで溶着部を破断させ得る程度に溶着面積を制限する(小さくする)必要があり、このことが大電流放電に対する制約となっていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電流遮断機構の機能低下を防ぎつつ、大電流を通電可能な電池を提供することである。
本発明によると、正負の電極を有する電極体がケースに収容された電池が提供される。その電池は、前記電極の少なくとも一方と前記ケース外部に露出する外部端子とを結ぶ導電経路を分断することで前記電極体と該電池外部との導通を遮断する電流遮断機構を備える。前記導電経路は、前記電極体側から第一導電部材および第二導電部材をこの順に経て前記外部端子側に至っている。また、前記第一導電部材と前記第二導電部材とは、前記ケース内において、両導電部材の溶接部で接合されている。前記電流遮断機構は、前記電池の異常時に、前記溶接部に対して該溶接部の溶接面に沿う方向(典型的には、溶接面に略平行な方向)への力を加えることにより該溶接部を破断させて前記導電経路を分断するように構成されている。
なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス一般を指す用語であって、一次電池および二次電池を含む概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、リチウムイオン電池、金属リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する概念である。ここに開示される技術は、典型的には密閉型の二次電池に好ましく適用される。
このように溶接面に沿う方向への力(すなわち剪断力)を利用して溶接部を破断させる上記構成によると、溶接部の断面積(溶接面積、すなわち通電面積)をより大きく確保しても、該溶接部を適切なタイミングで(例えば、異常モードがそれほど進行しないうちに)破断させることができる。これは、一般に金属材料の剪断強度は引張強度の50〜70%程度であることから、溶接部を引張力により破断させる(溶接面と交差(典型的には直交)する方向への引張力を加えて溶接部を引き剥がす)場合と比較して、該溶接部を剪断力により破断させる場合には概ね3〜5割減の力で足りるためである。したがって本発明によると、通常時には大電流を放電(通電)可能であり、且つ異常時には良好な電流遮断機能を発揮する電流遮断機構を備えた電池が提供され得る。また、上記のように溶接部の通電面積を大きくとり得ることから、該溶接部を設けたことによる内部抵抗(直流抵抗)の上昇を抑えて、より高性能な(例えば高出力の)電池を提供することができる。
なお、ここに開示される電池は、該電池の異常時に上記溶接部に対して剪断力を含む力を加えるものであればよく、該溶接部に対して剪断力とともに引張力が加わる構成であり得る。好ましい一態様では、電池の異常時に上記溶接部に対して加わる力(溶接部の破断に寄与する力)が主として(すなわち、上記力の主成分が)剪断力である。上記溶接部に加わる力が実質的に剪断力のみであってもよい。
前記剪断力は、前記第二導電部材に対して前記第一導電部材を一方向に直線的にずらす剪断力(以下、単純剪断力ということもある。)であってもよく、前記第二導電部材に対して前記第一導電部材を前記溶接部の周りに回転させる方向への回転剪断力(ねじれの剪断力)であってもよく、これらの合力であってもよい。上記剪断力が主として回転剪断力であるか、あるいは実質的に回転剪断力である態様を好ましく採用し得る。かかる態様によると、上記回転剪断力を利用して溶接部をねじ切ることにより、該溶接部を適切なタイミングで破断させることができる。また、ねじれの剪断に要する力は直線的な剪断に比べて溶接部の品質(溶接のばらつき)の影響を受けにくいことから、上記態様によると電流遮断機構をより確実に(精度よく)作動させることができる。このように回転剪断力を利用して溶接部を破断する電流遮断機構は、円筒型のケースを備える電池(円筒型電池)に好ましく適用され得る。例えば、該ケースの軸方向の端部に電流遮断機構を配置することにより、ケースの外形サイズ(軸長)の増大を抑えつつ(換言すれば、ケース内のスペースを有効に利用して)電流遮断機構を設けることができる。
ここに開示される電池の好ましい一態様では、前記電流遮断機構が、前記電池の温度が所定値(すなわち作動温度)以上に上昇した場合に前記溶接部を破断させるように構成されている。例えば、温度に応じて形状が変化する感熱変形部材(形状記憶材料製の部材等)を含み、該感熱変形部材の形状変化(典型的には、溶接面に沿う方向への変形、すなわち溶接面に平行な平面に対する投影形状の変化を含む。)によって前記溶接部に前記溶接面に沿う方向への力(剪断力)が加わるように構成された電流遮断機構であり得る。このように温度上昇により作動するタイプの電流遮断機構は、ケース内空間の大きさや内圧上昇に関与する材料(電極活物質、電解質等)の種類を問わず、同様の構成を種々の電池に適用し得る。したがって部品の共通化や設計の効率化が容易である。かかる電流遮断機構は、密閉型電池および非密閉型電池のいずれにも好ましく適用され得る。
ここに開示される電池の好ましい他の一態様では、前記電流遮断機構が、前記ケースの内圧が所定値(すなわち作動圧力)以上に上昇した場合に前記溶接部を破断させるように構成されている。このように内圧上昇により作動するタイプの電流遮断機構は、電池の使用環境(外気温)の影響を抑えて精度よく動作し得るという利点を有する。したがって、該電流遮断機構を備えた電池によると、様々な使用環境下で安定して(精度よく)電流遮断機構を作動させることができる。また、電池の内圧はケース内空間の各所で等しくなるため(パスカルの定理)、電流遮断機構の配置(ケース内における位置)を問わず、該電流遮断機構を所定の作動圧力で機能させることができる。なお、温度と圧力の両方によって溶接部を破断させてもよい。
内圧上昇により作動する電流遮断機構としては、種々の構成を採用することができる。好ましい一例として、内周に案内ラインが設けられた案内筒と、前記案内筒の内周に嵌め込まれて前記ケース内の一部空間を前記電極体が収容された空間から気密に区画する感圧ディスクであって前記電極体収容空間の圧力上昇に伴う押圧力を受けて前記案内ラインに沿って移動する感圧ディスクとを備え、前記感圧ディスクの移動により前記溶接部に前記溶接面に沿う方向への力(剪断力)が加わるように構成された電流遮断機構が挙げられる。前記案内ラインはスパイラル状に形成されており、前記押圧力を受けて前記感圧ディスクが前記案内ラインに沿ってスパイラル状に移動することにより前記溶接部に回転(ねじれ)剪断力が加わるように構成されていることが好ましい。かかる電流遮断機構を備えた電池によると、ねじれの剪断力を利用して、電流遮断機構をより確実に(精度よく)作動させることができる。
内圧上昇により作動する電流遮断機構の他の好ましい一例として、前記ケース内の一部空間を前記電極体が収容された空間から気密に区画する第一筒体と、前記第一筒体の軸方向の端部に係合して該第一筒体と同軸に配置された第二筒体とを備えた電流遮断機構が挙げられる。ここで、両筒体の対向する端部には、前記電極体収容空間の圧力上昇に伴う押圧力を受けて該第一筒体を軸周りに回転させつつ軸方向に案内するガイド機構(例えば、一対のラチェット機構)が設けられている。このことによって、上記押圧力を受けた前記第一筒体の回転により前記溶接部に回転(ねじれ)剪断力が加わるように構成されている。かかる電流遮断機構を備えた電池によると、ねじれの剪断力を利用して、電流遮断機構をより確実に(精度よく)作動させることができる。
ところで、電流遮断機構が作動する状況において、上記電極体が収容された空間には可燃性ガス(例えば、過充電により電解液が分解されて生じた可燃性ガス)が存在することがあり得る。一方、電流遮断機構が作動して溶接部が破断(通常は一瞬で起こる。)する際には、第一導電部材と第二導電部材との間の通電面積(導電経路の太さ)が一瞬のうちにゼロ近くに減少することにより電気抵抗が急激に上昇するため、続いて破断が完了する瞬間に両導電部材の間に火花が飛ぶことがあり得る。大電流(例えば10A以上)で放電させることを想定して設計された電池や大容量の電池(例えば、車両電源用電池)では、上記火花の発生がより起こりやすくなる傾向にある。かかる事情に鑑みて、ここに開示される電池の好ましい一態様では、前記ケース内において、前記溶接部(電流遮断箇所)は前記電極体収容空間(ガス滞留空間)から気密に隔てられている。すなわち、ケース内において溶接部が密閉されている。かかる構成によると、溶接部の破断時に火花が発生したとしても、該火花が電極体収容空間内に存在し得る可燃性ガスに引火する事象を確実に防止することができる。
前記電極体収容空間から前記溶接部を気密に隔てる態様としては、例えば、前記第一導電部材と前記第二導電部材との間に前記溶接部を囲むシール部材(典型的には、Oリング等の環状シール部材)を配置する態様を好ましく採用し得る。
ここに開示されるいずれかの電池は、大電流の放電に適することから、車両に搭載される電池として好適に利用され得る。したがって本発明によると、ここに開示されるいずれかの電池(例えばリチウムイオン電池)を備える車両(例えば自動車)が提供される。
以下、本発明のいくつかの好適な実施形態例を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明に係る電池(典型的には二次電池、例えばリチウムイオン電池)は、大電流放電(高出力)が可能であることから、特に自動車等の車両に搭載されるモータ(電動機)用電源として好適に使用され得る。したがって本発明によると、例えば図16に模式的に示すように、かかる電池2(当該電池2を複数個直列に接続して形成される組電池の形態であり得る。)を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車等のような電動機を備える自動車)1が提供され得る。
特に限定することを意図したものではないが、以下では捲回型の電極体(捲回電極体)と非水電解質(典型的には液状電解質、すなわち電解液)とを円筒型のケース(容器)に収容した形態の密閉型リチウムイオン電池を例として本発明を詳細に説明する。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を正確に反映するものではない。
<実施形態1>
本実施形態は、電池の温度が所定の作動温度以上に上昇した場合に、第一導電部材と第二導電部材との溶接部Wに回転剪断力を加えて該溶接部Wを破断させるタイプの電流遮断機構を備えたリチウムイオン電池の一例に関する。図1〜4を参照しながら、本実施形態に係るリチウムイオン電池2の構成および作動を説明する。図1は正常時(電流遮断機構4が作動する前の状態)、図4は異常時(電流遮断機構4が作動して電流が遮断された状態)における電池2の断面形状を示している。
本実施形態に係るリチウムイオン電池2は、図1に示すように、従来の一般的なリチウムイオン電池と同様、典型的には所定の電池構成材料(正負それぞれの集電体に活物質が保持された正極および負極、セパレータ等)を具備する電極体80が適当な電解液(図示せず)とともに電池ケース3に収容された構成を有する。ケース3は、開口部を有するケース本体10と、その開口部を塞ぐ蓋体20とを備える。
ケース本体10は、後述する電極体80を収容し得る形状であればよく、本実施形態では軸方向の一端が開口した円筒形状(すなわち有底円筒形状)である。ケース本体10を構成する材質としては、従来のリチウムイオン電池で使用されるものと同様の材質のものを適宜採用することができ、特に制限はない。本実施形態のケース本体10はニッケルメッキ鋼板製であって、電極体80の負極に接続された負極集電板84が底部内面に接合されることによりケース本体10が負極側の外部端子を兼ねるように構成されている。
蓋体20は、概ね円板状の金属板からなる封口板22と、封口板22の外周部に固定された樹脂製の筒部26と、筒部26とは反対側に突出する正極側の外部端子30とを備える。この蓋体20を筒部26側からケース本体10の開口部に挿入し、絶縁封止材(例えば絶縁性樹脂)12を介して封口板22の外周にケース本体10の開口端をカシメることにより、封口板22とケース本体10との間を絶縁するとともに、ケース本体10の開口部を気密に封止してケース3の密閉構造を構築している。
筒部26の内側に位置する封口板22の内側面には、金属製の接続部材24が、後述する溶接部Wにより固定されている。また、接続部材24には、帯状の金属板からなるリード部材36の一端が、例えば溶接により固定されている。また、電極体80を構成する正極(典型的には、正極活物質を保持する正極集電体)には正極集電板82が接続されており、この正極集電板82にリード部材36の他端が、例えば溶接により固定されている。このように、電極体80を構成する正極は、該電極体80側から順に、正極集電板82、リード部材36、接続部材24および封口板22を経て、正極外部端子30と電気的に接続されている。電池2の正常時には、かかる導電経路を介して電極体80の正極と外部端子30との導通が確保されている。
本実施形態の電池2は、該電池の温度が所定の作動温度(例えば凡そ60〜120℃、典型的には凡そ70〜100℃に設定され得る。)以上に上昇した場合に上記導電経路を分断して電流を遮断する電流遮断機構4を備える。この電流遮断機構4は、接続部材24と封口板22との溶接部Wに対して溶接面に沿う方向への力(剪断力)を加え、これにより該溶接部Wを破断させることで導電経路を分断するように構成されている。
電流遮断機構4の構成および作動をより具体的に説明する。図3に示すように、本実施形態における第一導電部材たる接続部材24は、溶接部Wを中心とする回転対称(本実施形態では二回対称)形状であって、長方形状の平面部24Aと、その一方の長辺の一端側と他方の長辺の他端側からそれぞれ略垂直に立ち上がる係合部24Bとを有する。溶接部Wは、本実施形態における第二導電部材たる封口板22と平面部24Aの中央部とを溶接(例えば超音波溶接)することにより形成されている。
筒部26の内周には、感熱変形部材32を支持する支持部26A(例えば、筒部26の外周部分と同質の樹脂製)が、略180度間隔で二箇所に設けられている。本実施形態の感熱変形部材32は、上記作動温度に対応する変態温度を有する形状記憶材料(例えば形状記憶合金)により、正常時(電流遮断機構4の作動前)には概ね丸リベット状を呈するように成形されている。図2に示すように、感熱変形部材32は、その脚部Bが支持部26Aに固定され、頭部32Aの先端が係合部24Bに当接するように配置されている。
電池2の温度が感熱変形部材32の変態温度以上に上昇すると、図2に二点鎖線で示すように、感熱変形部材32が主として頭部32Aの変形により丸リベット状から棒状(図4参照)に変形しようとする。上述のように感熱変形部材32の脚部Bは支持部26Aに固定されていることから、頭部32Aが棒状に伸びようとすると、係合部24Bは支持部26Aから遠ざかる方向に押圧力を受けることとなる(図2の黒塗矢印参照)。頭部32Aと係合部24Bとの当接箇所は溶接部Wに対して回転対称となる二箇所に配置されているので、上記押圧力は溶接部Wへの回転剪断力として働く。この回転剪断力が溶接強度に打ち勝つと、図2に二点鎖線で示すように、溶接部Wを中心に接続部材24が回転する。これにより溶接部Wが破断し(ねじ切られ)、図4に示すように、接続部材24と封口板22との間で導通経路が分断されて電流が遮断される。
なお、溶接部Wが破断すると接続部材24が封口板22からフリーな状態となるため、該部材24が例えば自重により変位して封口板22から離隔する。ここで、接続部材24をより確実に封口板22から離隔させるために、例えば図4に示すように、封口板22の内表面のうち正常時における係合部24Bの前方(上記回転方向に対する前方をいう。)に絶縁性(例えば樹脂製)の凸部23を配置しておき、感熱変形部材32の変形により接続部材24が回転すると該部材24が凸部23に乗り上げるように構成してもよい。また、リード部材36の屈曲部36Aを外側に弾性変形させた(引き伸ばした)状態で接続部材24および集電板82に接合しておき、溶接部Wが破断するとリード部材36の弾性復元力により接続部材24が集電板82側(封口板22から遠ざかる側)に離隔するように構成してもよい。あるいは、平面部26Aの外縁部(溶接部Wの外部)と封口板22の内表面との間で弾性部材(例えばゴムシート)を圧縮した状態で接続部材26と封口板22とを溶接しておき、溶接部Wが破断すると上記弾性部材の弾性復元力により接続部材24と封口板22との間が隔てられるように構成してもよい。これらの離隔手法は、必要に応じて一または二以上を組み合わせて採用することができる。
本実施形態の構成によれば、回転剪断力を利用して(典型的には、実質的に回転剪断力のみにより)溶接部Wを破断させるので、主として引張力により(例えば、実質的に引張力により)破断させる場合に比べて、溶接面積の割に小さな力で溶接部Wを破断させることができる。したがって、温度上昇時(異常時)に感熱変形部材32が形状変形(復元)しようとする力を、溶接部Wを破断させるために効率よく利用することができる。これにより、適切なタイミングで溶接部Wを破断可能な溶接面積(通電面積)の上限を高めることができる。すなわち、本実施形態の電池2は、所望の大電流(例えば10A〜150A程度)を通電可能な程度にまで溶接面積を大きくとっても(典型的には凡そ2mm〜20mm、例えば凡そ4mm〜10mm)、適切なタイミングで溶接部Wを破断させる(電流遮断機構を作動させる)ことができる。また、溶接面積の割に小さな力で溶接部Wを破断させ得ることから、より余裕をもって該破断を行うことができる。すなわち、溶接部Wを破断させるために最低限必要な力と、異常時に溶接部Wに加わる力(ここでは回転剪断力)との間に、より大きなマージンを確保することができる。したがって、本実施形態の電池2は、電流遮断機構4の作動確実性(作動精度)に優れたものとなり得る。
このように温度上昇により作動するタイプの電流遮断機構4は、ケース3内の空間の大きさや内圧上昇に関与する材料(電極活物質、電解質等)の種類を問わず、種々の電池に同様の構成を適用し得る。したがって部品の共通化や設計の効率化が容易である。
なお、頭部32Aと係合部24Bとの当接箇所から溶接部Wまでの距離を大きくすることにより、より小さな力で溶接部Wを破断させ得る(テコの原理)。したがって、他の要因(電池2の体格、ケース3内のスペース等)を考慮して可能であれば、上記距離をより大きくすることによって更に大きな効果が実現され得る。
また、上記では二つの感熱変形部材32を用い、該部材32の変形に伴う押圧力が溶接部Wに対して回転対称な二箇所に加わるように構成された例につき説明したが、三つ以上の感熱変形部材32を用い、それらの部材32を溶接部Wに対して好ましくは概ね放射状に(典型的には回転対称に)配置してもよい。このように感熱変形部材32の数を多くすることにより、溶接部Wの溶接面積をより大きくしても該溶接部Wを適切に破断させることができ、あるいは、より余裕をもって該破断を行うことができる。
また、感熱変形部材32を構成する材質としては、従来公知の各種形状記憶材料のなかから適当なものを(例えば、変態温度、強度、形状回復力、成形性、耐薬品性等を考慮して)選択することができる。金属系の材料(形状記憶合金)を成形してなる感熱変形部材32、有機系の材料(形状記憶ポリマー)を成形(射出成形、押出成形等)してなる感熱変形部材32のいずれも使用可能である。好ましく採用し得る形状記憶合金の市販品として、例えば、株式会社古川テクノマテリアル製の商品名「古川NT合金」、NECトーキン株式会社製の商品名「メモアロイ(登録商標)」等が挙げられる。
<実施形態2>
本実施形態は、電池の温度が所定の作動温度以上に上昇した場合に、第一導電部材と第二導電部材との溶接部Wに単純剪断力を加えて該溶接部Wを破断させるタイプの電流遮断機構を備えたリチウムイオン電池の一例に関する。
図5および図6(電流遮断機構104が作動して電流が遮断された状態)に示すように、本実施形態に係る電池102は、第一接続部材としての接続部材124の形状、感熱変形部材132の形状および変形態様、および該部材132を支持する筒部126(支持部126A)の形状を除いては、実施態様1に係る電池2と概ね同様に構成されている。したがって、以下の説明では主に上記相違部分について述べる。
図5は、本実施形態に係る電池102(電流遮断機構104が作動する前)の要部をケース3の内側から見た平面図である。図示するように、本実施形態の電流遮断機構104では、感熱変形部材132として、作動温度に対応する変態温度を有する形状記憶材料(実施態様1と同様の材料を採用し得る。好ましくは形状記憶合金)により形成されたコイルバネを用いている。この感熱変形部材132の一端(基端)は、筒部26の内周の一箇所に設けられた支持部26Aに固定されている。接続部材124は、長方形状の平面部124Aと、その一端(支持部26Aから遠い側の端部)から略垂直に立ち上がる係合部124Bとを有する略L字形状(図6参照)であって、平面部124Aの中央部が封口板(第二導電部材)22の例えば中央部に溶接されることで溶接部Wが形成されている(図5参照)。感熱変形部材132の先端は係合部124Bに係止されている。典型的には、支持部26Aと係合部124Bとの間でやや圧縮された状態で感熱変形部材132が取り付けられている。
電池2の温度が感熱変形部材132の変態温度以上に上昇すると、図5の黒塗矢印方向に感熱変形部材132が伸びようとすることにより、係合部124Bが支持部26Aから遠ざかる方向への押圧力を受ける。本実施形態では、図5に示されるように、支持部26Aから係合部124Bに至る線上に溶接部Wが位置することから、上記押圧力は溶接部Wへの単純剪断力として働く。該剪断力が溶接強度に打ち勝つと溶接部Wが破断し、接続部材124が図6に二点鎖線で示す位置(正常時、すなわち電流遮断機構104の作動前における位置)から実線で示す位置へと変位する。これにより接続部材124と封口板22との間で導通経路が分断されて電流が遮断される。
本実施態様の電流遮断機構104は、回転剪断力を利用するタイプのものに比べて、該機構104の設置に要するスペースをより小さくし得る。したがって、より多様な形状およびサイズの電池に容易に適用し得るという利点を有する。
なお、感熱変形部材132の形状は上述のようなコイルバネ状に限定されず、温度上昇により変形することで係合部124Bに押圧力を加え得る種々の形状を適宜採用することができる。例えば、本実施態様の電池102において、感熱変形部材132の形状を実施態様1と同様の丸リベット形状としてもよい。同様に、実施態様1の電池2における感熱変形部材32の形状も丸リベット形状に限定されず、コイルバネ状その他の種々の形状を適宜採用することができる。
<実施形態3>
本実施形態は、電池ケースの内圧が所定の作動圧力以上に上昇した場合に、第一導電部材と第二導電部材との溶接部Wに回転剪断力を加えて該溶接部Wを破断させるタイプの電流遮断機構を備えたリチウムイオン電池の一例に関する。
図7〜9を参照しつつ、本実施形態に係る電池202の構成および作動につき、実施形態1に係る電池との相違点を中心に説明する。図7は正常時(電流遮断機構204が作動する前の状態)、図9は異常時(電流遮断機構204が作動して電流が遮断された状態)における電池202の断面形状を示している。
本実施形態に係る電池202の蓋体20は、概ね円板状の金属板からなる封口板222と、封口板222の外周部に固定された樹脂製の案内筒226と、案内筒226とは反対側に突出する正極側の外部端子30とを備える。この蓋体20を案内筒226側からケース本体10の開口部に挿入し、絶縁封止材12を介して封口板222の外周にケース本体10の開口端をカシメることにより、封口板222とケース本体10との間を絶縁するとともに、ケース本体10の開口部を気密に封止してケース3の密閉構造を構築している。
案内筒222の内周には、該内周に沿って回りつつ軸方向に延びるスパイラル状の案内ライン(畝状の凸部)226Aが設けられている。図8によく示されるように、本実施形態の案内筒(スパイラルリング)222は、周方向に略90度づつ位相をずらして概ね平行に配置された4本の案内ライン226Aを有する。案内筒222の内側には、概ね円板状の金属板からなる感圧ディスク228が気密に嵌め込まれている。かかる気密状態を実現するために、感圧ディスク228の外周には、案内ライン226Aの断面形状に見合った形状の凹部228Aが形成されている。感圧ディスク228は、凹部228Aが案内ライン226Aに沿って滑り移動することにより、該案内ライン226Aに沿って(案内されて)回りながら案内筒222の軸方向に移動し得るように構成されている。
ケース3内の空間は、感圧ディスク228を介して、電極体80および電解質が収容された空間S1と、案内筒222の内側であって感圧ディスク228の背面側(感圧ディスク228と封口板222との間)の空間S2とに気密に区画されている。本実施形態の電流遮断機構204では、空間S2の容積をある程度大きく確保するために、図7に示す正常時には感圧ディスク228が案内筒226の下端付近に位置するように構成されている。この位置において、感圧ディスク228の背面(空間S2側の面)に金属製の接続部材224の一端が固定(例えば溶接)されている。接続部材224の他端は封口板222の内側面に固定(例えば溶接)されている。また、感圧ディスク228の前面(空間S1側の面、すなわち電極体80側の面)には帯状の金属板からなるリード部材236の一端が溶接(例えば超音波溶接)され、これにより本実施形態の溶接部Wが形成されている。リード部材236の他端は正極集電板82に固定(例えば溶接)されている。すなわち、本実施形態では、リード部材236が第一導電部材として、感圧ディスク228が第二導電部材として機能する。
このように、電極体80を構成する正極は、該電極体80側から順に、正極集電板82、リード部材236、感圧ディスク228、接続部材224および封口板222を経て正極外部端子30と電気的に接続されている。電池202の正常時には、かかる導電経路を介して電極体80の正極と外部端子30との導通が確保されている。その他の部分の構成は実施形態1に係る電池2(図1参照)と概ね同様である。
過充電等によりケース3(電極体収容空間S1)内でガスが発生して電極体収容空間S1の内圧が上昇すると、空間S1,S2間の圧力差により感圧ディスク228の前面(空間S1に対向する面)に押圧力が加わる(図8中の白抜き矢印参照)。ここで、感圧ディスク228は案内ライン226Aに沿って移動するように規制されていることから、上記押圧力を受けた感圧ディスク228は溶接部Wを中心に回転しつつ(図8中の黒矢印参照)案内筒226の軸方向に移動しようとする。したがって上記押圧力により溶接部Wへの回転剪断力が働くこととなる。そして、電極体収容空間S1の圧力が所定の作動圧力(例えば凡そ0.5〜2MPaとなるように設定することができる。本実施態様では約0.5MPa)以上に上昇すると、図9に示すように、溶接部Wの溶接強度に打ち勝って感圧ディスク228が案内ライン226A沿いに移動する。これにより溶接部Wが破断するとともに感圧ディスク228がリード部材236から離隔して導電経路が分断される。なお、上記導電経路の分断を効率よく行うために、リード部材236には剛性の高い金属部材を用いることが好ましい。一方、接続部材224としては、該接続部材224が感圧ディスク228の移動に追随して変形(撓みおよび捩れ変形)しやすいように、比較的柔軟な金属部材を用いることが好ましい。
本実施形態の電池202は、内圧上昇により作動するタイプの電流遮断機構204を備えるので、種々の温度において異常が発生した場合(例えば−30℃程度の極低温環境において過充電された場合)にも適切なタイミングで電流遮断機構204を作動させることができる。また、回転剪断力を利用して溶接部Wを破断させることにより、溶接面積の割に小さな力で溶接部Wを破断させることができる。したがって、電流遮断機構204の機能低下を防ぎつつ、大電流を通電可能な電池202が提供される。
なお、上記ではリード部材236と感熱ディスク228との溶接部Wを破断させることで電流を遮断する例につき説明したが、リード部材236と感熱ディスク228との溶接部に対してリード部材236と正極集電板82との溶接部の断面積(溶接面積、ひいては溶接強度)をより小さく設定し、このリード部材236と正極集電板82との溶接部が破断することで電流を遮断してもよい。すなわち、電極体収容空間S1の内圧が上昇すると、感熱ディスク228とリード部材236とが一体に回転しつつ上昇しようとすることでリード部材236と正極集電板82との溶接部に回転剪断力が加わり、これにより該溶接部が破断するように構成してもよい。かかる構成の電流遮断機構では、正極集電板82が第一導電部材として機能し、感熱ディスク228と一体に移動するリード部材236が第二導電部材として機能することとなる。あるいは、感圧ディスク228と接続部材224との溶接部または接続部材224と封口板222との溶接部を破断させてもよい。
<実施形態4>
本実施形態は、電池ケースの内圧が所定の作動圧力以上に上昇した場合に、第一導電部材と第二導電部材との溶接部Wに回転剪断力を加えて該溶接部Wを破断させるタイプの電流遮断機構であって、実施形態3とは異なる電流遮断機構を備えたリチウムイオン電池の一例に関する。
本実施形態に係る電池は、図10に示す構成の電流遮断機構304を備える。この電流遮断機構304は、実施形態3の電流遮断機構204における感圧ディスク228および案内筒226に代えて、有底円筒状の第一筒体328と、リング状(王冠状)の第二筒体329とを備える。第一筒体328の底面328Bは概ね円板状の金属板からなり、その側面は樹脂成形体からなる。第二筒体329は樹脂成形体からなり、第一筒体328の軸方向外側(電極体80から遠い側)の端部に続いて、第一筒体328と同軸に配置されている。第二筒体329の軸方向外側端は、実施形態3の案内筒226と同様に、封口板222(図9参照)の外周部に固定されている。第一筒体328の外周表面は、ケース本体10の外周に沿って設けられた環状の窪み(絞り部)の内周表面と気密に当接している(図9参照)。換言すれば、第一筒体328の外周はケース本体10の内周に支持されている。上記当接によって、ケース3内の空間は、電極体80および電解質が収容された空間S1と、その外側の空間S2とに気密に区画されている。
第一筒体328および第二筒体329の対向する端部には、互いに対応する形状のラチェット刃328A,329Aが設けられている。換言すれば、両筒体328,329は、一対のラチェット機構を形成するように構成されている。図10に示す第一筒体328と第二筒体329との位置関係は、電池の正常時(電流遮断機構304が作動する前)における状態を例示するものである。図示するように、本実施形態の電流遮断機構304では、空間S2の容積をある程度大きく確保するために、上記正常時にはラチェット刃328Aとラチェット刃329Aとが浅く係合するように両筒体328,329が配置されている。この位置において、第一筒体328には、その底面328Bの背面(封口板222側の面)に金属製の接続部材224の一端が固定されている。接続部材224の他端は、実施形態3と同様に、封口板222の内側面に固定されている。また、底面328Bの前面(空間S1側の面)には帯状の金属板からなるリード部材236の一端が溶接(例えば超音波溶接)され、これにより本実施形態の溶接部Wが形成されている。リード部材236の他端は、実施形態3と同様に、正極集電板82に固定されている。すなわち、本実施形態では、リード部材236が第一導電部材として、第一筒体328の底面328Bが第二導電部材として機能する。
このように、電極体80を構成する正極は、該電極体80側から順に、正極集電板82、リード部材236、底面328B(第一筒体328)、接続部材224および封口板222を経て正極外部端子30と電気的に接続されている(図9参照)。その他の部分の構成は実施形態3に係る電池202と概ね同様である。
過充電等によりケース3内でガスが発生して電極体収容空間S1の内圧が上昇すると、底面328Bの前面(空間S1側)と背面(空間S2側)との圧力差により第一筒体328に押圧力が加わる(図10中の白抜き矢印参照)。ここで、第一筒体328(すなわち、内圧を受ける側のラチェット)の上方への移動はラチェット刃329Aにより規制されていることから、上記押圧力を受けた第一筒体328は溶接部Wを中心に回転しつつ(図10中の黒矢印参照)上昇しようとする。したがって上記押圧力により溶接部Wへの回転剪断力が働くこととなる。そして、電極体収容空間S1の圧力が所定の作動圧力以上に上昇すると、溶接部Wの溶接強度に打ち勝って第一筒体328がラチェット刃329A沿いに回りつつ上昇する(ラチェット刃328A,329Aがより深く係合する)。これにより溶接部Wが破断するとともに第一筒体328の底面328Bがリード部材236から離隔して導電経路が分断される。
本実施形態の電池によると、実施形態3の電池202と同様、種々の温度において異常が発生した場合にも適切なタイミングで電流遮断機構304を作動させることができる。また、回転剪断力を利用して溶接部Wを破断させるので、溶接面積の割に小さな力で溶接部Wを破断させることができる。したがって、電流遮断機構304の機能低下を防ぎつつ、大電流を通電可能な電池が提供される。
<実施形態5>
本実施形態は、電池ケースの内圧が所定の作動圧力以上に上昇した場合に、第一導電部材と第二導電部材との溶接部Wに単純剪断力を加えて該溶接部Wを破断させるタイプの電流遮断機構を備えたリチウムイオン電池の一例に関する。
図11,12を参照しつつ、本実施形態に係る電池402の構成および作動につき、実施形態3に係る電池との相違点を中心に説明する。図11は正常時(電流遮断機構404が作動する前の状態)、図12は異常時(電流遮断機構404が作動して電流が遮断された状態)における電池402の断面形状を示している。
電池402は、封口板222の外周部に固定された樹脂製の案内筒426を備える。本実施形態の案内筒426の内周には、案内筒426の軸方向に沿って延びる直線状の案内ライン(畝状の凸部)426Aが、例えば90度間隔で4本設けられている。案内筒426の内側には、概ね円板状の金属板からなる感圧ディスク428が気密に嵌め込まれている。この感圧ディスク428を介してケース3内が空間S1(電極体収容空間)と空間S2とに気密に区画されている。図11に示す正常時には、感圧ディスク228が案内筒226の下端付近に位置している。
正極集電板82には、金属板をL字状に成形してなるリード部材436の一方の端部(底面)が、例えば溶接により固定されている。リード部材436の他方の端部は、感圧ディスク428の下面中央部から電極体80側に延びる長方形状の突出部428Aと溶接(例えば超音波溶接)され、これにより本実施形態の溶接部Wが形成されている。すなわち、本実施形態では、リード部材436が第一導電部材として、感圧ディスク428(突出部428A)が第二導電部材として機能する。
電極体80を構成する正極は、該電極体80側から順に、正極集電板82、リード部材436、感圧ディスク428、接続部材224および封口板222を経て正極外部端子30と電気的に接続されている。その他の部分の構成は実施形態3に係る電池202(図9参照)と概ね同様である。
過充電等によりケース3でガスが発生して電極体収容空間S1の内圧が上昇すると、空間S1,S2間の圧力差により感圧ディスク428の前面に押圧力が加わる。そして、電極体収容空間S1の圧力が所定の作動圧力以上に上昇すると、図12に示すように、溶接部Wの溶接強度に打ち勝って感圧ディスク428が案内ライン426A沿いに移動(上昇)する。これにより溶接部Wが破断するとともに、感圧ディスク428がリード部材436から離隔して導電経路が分断される。
本実施形態の電池404によると、実施形態3の電池202と同様、種々の温度において異常が発生した場合にも適切なタイミングで電流遮断機構404を作動させることができる。また、剪断力を利用して溶接部Wを破断させるので、溶接面積の割に小さな力で溶接部Wを破断させることができる。したがって、電流遮断機構404の機能低下を防ぎつつ、大電流を通電可能な電池404が提供される。
<実施形態6>
本実施形態は、電池の温度が所定の作動温度以上に上昇した場合に、第一導電部材と第二導電部材との溶接部Wに回転剪断力を加えて該溶接部Wを破断させるタイプの電流遮断機構であって、実施形態1とは異なる電流遮断機構を備えたリチウムイオン電池の一例に関する。
図13〜15を参照しつつ、本実施形態に係る電池502の構成および作動につき、実施形態1に係る電池との相違点を中心に説明する。図13は正常時(電流遮断機構504が作動する前の状態)における電池502の断面形状を示している。
本実施形態に係る電池502の蓋体20は、概ね円板状の金属板からなる封口板522と、封口板522の外周部に固定された樹脂製の筒部526とを備える。封口板522の中央部には、例えばプレス成形により、ケース3の内側に向けて突出する略円錐台形状の凸部523が形成されている。一方、正極集電板82には、帯状の金属板からなるリード部材536の一端が固定(例えば溶接)されている。リード部材536の他端には、例えばプレス成形によって、略円錐台形状の凸部525が形成されている。封口板522の凸部523とリード部材536の凸部525とは略同一の頂面形状を有し、該頂面において凸部523と凸部525とを溶接(例えば超音波溶接)することで本実施形態の溶接部Wが形成されている。すなわち、本実施形態では、リード部材536が第一導電部材として機能し、封口板522が第二導電部材として機能する。そして、両導電部材(ここではリード部材536および封口板522)は互いに近づく方向に突出する凸部523,525を有し、該凸部523,525の頂面を溶接することで溶接部Wが形成されている。溶接面積(ひいては溶接強度)の制御が容易であることから、上記頂面の全体(全面積)を溶接部Wとすることが好ましい。
そして、図14によく示されるように、凸部523,525の周囲には、溶接部Wを取り巻くようにして感熱変形部材532が配置されている。本実施形態の電流遮断機構504では、感熱変形部材532として、作動温度に対応する変態温度を有する形状記憶材料(実施態様1と同様の材料を採用し得る。好ましくは形状記憶合金)により形成されたコイルバネを用いている。形状記憶合金製の感熱変形部材532を用いる場合には、該部材532の表面が絶縁性の樹脂膜(塗料等)でコートされていることが好ましい。この感熱変形部材532の一端は、凸部523の側面に設けられた凹部(図示せず)に差し込んで固定されている。感熱変形部材532の他端は、上記一端から溶接部Wの周辺を回り込んで、凸部525の側面に設けられた凹部(図示せず)に差し込んで固定されている。
電極体80を構成する正極は、該電極体80側から順に、正極集電板82、リード部材536および封口板522を経て正極外部端子30と電気的に接続されている。その他の部分の構成は実施形態1に係る電池2(図1参照)と概ね同様である。
電池502の温度が感熱変形部材532の変態温度以上に上昇すると、感熱変形部材532のコイル形状が広がる(バネが伸びる)ように該部材532が変形しようとする。ここで、感熱変形部材532の両端は凸部523,525に固定されていることから、上記変形しようとする力により、図14に黒矢印で示すように、凸部523(封口板522)に対して凸部525(リード部材536)を回転させる方向への力(溶接面に対してやや斜めに回転する方向への力であり得る。)が加わる。これにより溶接部Wに剪断力が働く。該剪断力が溶接強度に打ち勝つと、図15に示すように溶接部Wが破断し(ここでは、やや斜めに捻じ切られる場合を図示している。)、これにより封口板522とリード部材536との間で導通経路が分断されて電流が遮断される。
本実施形態の電流遮断機構504は、実施形態1と同様、種々の電池に同様の構成を適用し得ることから、部品の共通化や設計の効率化が容易である。また、回転剪断力を利用して溶接部Wを破断させるので、溶接面積の割に小さな力で溶接部Wを破断させることができる。したがって、電流遮断機構504の機能低下を防ぎつつ、大電流を通電可能な電池502が提供される。
なお、上記説明では一つの感熱変形部材532(典型的には形状記憶合金製のコイルバネ)を用いる例につき説明したが、同様の感熱変形部材532を二つ以上用いた構成としてもよい。例えば、凸部523,525の周方向に略180度位相をずらして二つの感熱変形部材(形状記憶合金製のコイルバネ)を略平行に配置してもよい。三つ以上の感熱変形部材を用いる場合には、それらの位相間隔を略均等にすることが好ましい。また、図13〜15では感熱変形部材532が凸部523,525の回りに一周を少し超えて巻き付くように該部材532の長さを設定しているが、例えば感熱変形部材532を凸部523,525の回りに二周以上巻き付けてもよい。このように感熱変形部材の数および/または巻数を多くすることにより、溶接部Wの溶接面積をより大きくしても該溶接部Wを適切に破断させ得る。あるいは、より余裕をもって上記溶接部Wを破断させ得る。
本実施形態のように第一、第二導電部材(ここではリード部材536および封口板522)に互いに近づく方向に突出する凸部523,525を設け、該凸部523,525の頂面(好ましくは該頂面の全体)を溶接して溶接部Wを形成することにより、両導電部材の溶接面積(ひいては溶接強度)を容易に規定(制御)することができる。このことによって電流遮断機構504をより精確に作動させる(作動タイミングのバラツキを抑える)ことができる。凸部523,525の背面は、対応する形状の凹部となっていることが好ましい。かかる態様によると、上記凹部を利用して溶接装置(例えば、超音波溶接機におけるホーン、抵抗溶接におけるロッド(電極)等)の位置合わせをより的確に行うことができる。これにより溶接品質(ひいては溶接強度)のバラツキを抑制し、電流遮断機構504をより精確に作動させることができる。
なお、凸部の頂面同士を溶接して溶接部Wを形成することにより得られる上記効果は、本実施態様のほか、例えば上述した実施態様1〜5にも適用可能である。すなわち、これら実施態様に係る溶接部Wを凸部の頂面同士を溶接して形成することにより、本実施態様と同様の効果が実現され得る。
<実施形態7>
本実施形態は、図17に示すように、実施形態1に係る電池(図1参照)においてケース10内の電極体80が収容された空間S1から溶接部Wが気密に隔てられるように構成した一例である。本実施形態に係る電池602の他の部分の構成および該電池602に具備された電流遮断機構604の作動により電流が遮断される機構自体は実施態様1に係る電池2と同様であるので、以下の説明では主に上記相違部分について述べる。
図17に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン電池602(電流遮断機構604が作動する前の状態を示している。)では、接続部材(第一導電部材)24と封口板(第二導電部材)22との間に、それらの溶接部Wを囲んでOリング625(典型的には弾性材料製)が配置されている。このOリング625は、接続部材24と封口板22との間で圧縮されており(換言すれば、Oリング625が上記圧縮状態となるように溶接部Wが形成されており)、これにより電極体収容空間S1から溶接部Wが気密にシールされている。接続部材24および封口板22には、図18に示すように、Oリング625に対応する箇所に溝625a,625bが設けられていてもよい。このことによってOリング625の位置決めを容易かつ確実に行うことができる。なお、図18には接続部材24および封口板22の両方に溝625a,625bを設けた例を示しているが、接続部材24および封口板22のいずれか一方のみに溝を設けてもよい。なお、Oリング625の平面形状は、溶接部Wを取り囲む形状(環状)であれば特に限定されず、例えば、円形、楕円形、長円形、多角形等の種々の形状であり得る。本実施形態では、Oリング625が概ね円形の平面形状に配置されている。
本実施形態の構成によると、実施形態1の構成により得られる効果に加えて、電池602の温度上昇により感熱変形部材32が変形して溶接部Wが破断する瞬間にその破断部(典型的には、接続部材24と封口板22との間)で火花が発生したとしても、溶接部Wと電極体収容空間S1とはOリング625により物理的に隔てられているので、電極体収容空間S1内に存在し得る可燃性ガスに上記火花が引火する事象を防止できるという効果が得られる。また、溶接部Wの破断に伴ってOリング625が圧縮状態(弾性変形した状態)から開放されるので、このOリング625を接続部材24と封口板22とを離隔させるスペーサとして利用することができる。
なお、本実施形態では、実施形態1に係る電池において溶接部Wの周囲にシール部材としてのOリング625を配置(封入)することで該溶接部Wと電極体収容空間S1とを隔てる構成を適用した例につき説明したが、かかる構成の適用対象は実施形態1に係る電池に限定されない。例えば、実施形態3,4に係る電池においても同様の構成を適用することができ、このことによって本実施形態と同様の効果が実現され得る。
<実施形態8>
本実施形態は、実施形態1に係る電池(図1参照)において電極体80が収容された空間S1から溶接部Wが気密に隔てられるように構成した他の例である。すなわち、図19に示すように、本実施形態に係る電池702(電流遮断機構704が作動する前の状態を示している。)では、筒部26の下端開口部が隔壁735で塞がれている。この筒体26および隔壁735によって、筒部26内の空間S3(封口板22と接続部材24との溶接部Wに隣接する空間)と電極体収容空間S1とが気密に隔てられている。リード部材36は、隔壁735を貫通して(その貫通部は気密に封止されている。)集電板82と接続部材24とを連結している。なお、隔壁735の構成材料としては、例えば、筒部26の構成材料と同様の樹脂材料を好ましく採用し得る。本実施形態の構成によると、実施形態1の構成により得られる効果に加えて、感熱変形部材32が変形して溶接部Wが破断する瞬間にその破断部で火花が発生したとしても、溶接部Wと電極体収容空間S1とは筒体26および隔壁735によって物理的に隔てられているので、電極体収容空間S1内に存在し得る可燃性ガスに上記火花が引火する事象を防止できるという効果が得られる。
<実施形態9>
本実施形態は、実施形態3に係る電池(図7参照)において空間S2に面する位置に溶接部Wを設定することにより、電極体収容空間S1から溶接部Wが気密に隔てられるように構成した例である。すなわち、図20に示すように、本実施形態に係る電池802(電流遮断機構804が作動する前の状態を示している。)は、電極体収容空間S1の内圧上昇により感圧ディスク828が案内ライン226A沿いに回転しつつ案内筒226の軸方向(図20の上側)へ移動するとき、感圧ディスク(第一導電部材)828と接続部材(第二導電部材)824との溶接部Wが破断する(ねじ切られる)ことで導電経路が分断されるように構成されている。本実施形態の構成によると、実施形態3の構成により得られる効果に加えて、溶接部Wが破断する瞬間にその破断部で火花が発生したとしても、溶接部Wと電極体収容空間S1とは筒体226および感圧ディスク828により物理的に隔てられているので、電極体収容空間S1内に存在し得る可燃性ガスに上記火花が引火する事象を防止できるという効果が得られる。
なお、上記分断を効率よく行うために、接続部材824には剛性の高い金属部材を用い、リード部材836には感圧ディスク828の移動に追随して変形しやすい(相対的に柔軟な)金属部材を用いることが好ましい。
以下、図1を参照しながら、実施形態1に係るリチウムイオン電池2(実施形態2〜9に係る電池についても同様である。)においてケース3に収容される電極体80の構成等を説明する。この電極体80は、通常のリチウムイオン電池の捲回電極体と同様、シート状の正極集電体に正極活物質層が保持された正極(正極シート)と、シート状の負極集電体に負極活物質層が保持された負極(負極シート)とを、シート状のセパレータ(セパレータシート)を介して重ね合わせ、次いで捲回して構成されている。正極シートの長手方向に沿う一方の端部(すなわち幅方向の一方の端部)には、正極集電体上に正極活物質層を有しない部分(活物質層非形成部分)が設けられている。同様に、負極シートの長手方向に沿う一方の端部には、負極集電体上に負極活物質層を有しない部分(活物質層非形成部分)が設けられている。正負の電極シートをセパレータシートと重ね合わせる際には、両電極シートの活物質層を重ね合わせるとともに活物質層非形成部分が長手方向に沿う一方の端部と他方の端部とに別々に配置されるように、幅方向(捲回軸方向)にやや位置をずらして積層する。これにより、電極体80の軸方向の一端および他端には、正負の電極シートの活物質非形成部分(集電体)が捲回コア部分(すなわち、両電極シートの正極活物質層形成部分とセパレータシートとが密に捲回された部分)から外方にはみ出した部分が形成されている。正極側はみ出し部分(図1では電極体80の上端)および負極側はみ出し部分(図1では電極体80の下端)には、正負の集電板82,84が、例えば溶接により接続されている。
かかる捲回電極体80を構成する材料および部材自体は、従来のリチウムイオン電池の電極体と同様でよく、特に制限はない。例えば、正極集電体にはアルミニウム箔(本実施形態)その他の正極に適する金属箔が好適に使用される。正極活物質としては従来からリチウムイオン電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、LiNiO、LiCoO、LiMn等のリチウム遷移金属参加物が挙げられる。負極集電体には銅箔(本実施形態)その他の負極に適する金属箔が好適に使用される。負極活物質としては従来からリチウムイオン電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボンやアモルファスカーボン等の炭素系材料が挙げられる。セパレータシートとしては多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。なお、電解質として固体電解質もしくはゲル状の電解質を使用する場合には、一般的な樹脂製のセパレータシートが不要な場合(すなわちこの場合には電解質自体がセパレータとして機能し得る。)があり得る。
捲回電極体80とともにケース3内に収容される電解質としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。例えば、LiPF等のリチウム塩(支持塩)をジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(例えば質量比1:1)に適当な濃度(例えば濃度1M)で溶解させた非水電解液を用いることができる。
上述した各実施形態に係るリチウムイオン電池において、電極体80の正極から外部端子30に至る導電経路を形成する部材(正極集電板、リード部材、接続部材、封口板、感圧ディスク等)の構成材料としては、正極集電体と同様の金属材料を好ましく採用し得る。例えば、正極集電体および上記導電経路形成部材をアルミニウム製とすることが好ましい。溶接部Wの断面積(溶接面積)は、電池の大きさ(容量等)や用途(想定される放電電流等)によっても異なり得るが、例えば凡そ2mm〜20mm程度の溶接面積を採用し得る。第一導電部材および第二導電部材がアルミニウム製である場合には、該溶接面積を例えば5mm以上(より好ましくは8mm以上、典型的には20mm以下)とすることが好ましい。
また、上述した各実施形態に係るリチウムイオン電池において、電流遮断機構の樹脂部分(筒部、案内筒等)を構成する材料としては、使用する電解液に対して耐性を示す樹脂材料を用いることが好ましい。例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂、パーフロロアルコキシアルカン(PFA)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン樹脂(PEKK)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)等の樹脂材料を好ましく採用することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん種々の改変が可能である。例えば、第一導電部材と第二導電部材との溶接方法(すなわち溶接部Wの形成方法)としては、超音波溶接、抵抗溶接のほか、TIG(タングステン・イナート・ガス)溶接、MIG(メタル・イナート・ガス)溶接、プラズマ溶接のようなアーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接等の、従来公知の各種溶接(金属溶接、樹脂溶接等)方法を適宜採用することができる。
上記実施形態では正極側の導電経路に電流遮断機構を設ける例につき説明したが、負極側の導電経路(電極体を構成する負極から負極側の外部端子に至る経路)に電流遮断機構を設けてもよい。例えば、上述した各実施形態において正極と負極とを逆にしてもよい。負極側の導電経路に電流遮断機構を設ける場合、該導電経路を構成する部材としては、負極集電体と同様の金属材料(例えば銅)を好ましく採用し得る。
なお、アルミニウム(正極側の導電経路に使用される金属材料の典型例)に比べて銅は導電性に優れることから、第一導電部材および第二導電部材が銅製である場合には、所定の大電流を放電するために必要な溶接部W(抵抗溶接等の溶接方法により好ましく形成され得る。)の断面積をより小さくし得る。例えば、上記溶接面積を例えば2mm以上(より好ましくは8mm以上、典型的には20mm以下)とし得る。したがって、電流遮断機構が正極側に設けられた態様の電池では、溶接部Wの面積をより大きくとることが望まれる傾向にあるため、ここに開示される技術を適用することによる効果がよりよく発揮され得る。
電池の外形は上述のような円筒型に限られず、例えば角型(扁平な角型等)の電池であってもよい。電極体の構成は上述のような捲回タイプに限られず、例えば正負の電極シートをセパレータシートと共に交互に積層して成る積層タイプの電極体(積層電極体)であってもよい。電池の種類は上述したリチウムイオン電池に限られず、電極体構成材料や電解液の組成が異なる種々の電池であり得る。例えば、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタ(すなわち物理電池)等にも本発明の構成を好ましく適用することができる。特に好ましい適用対象としてリチウムイオン電池が挙げられる。リチウムイオン電池は高エネルギー密度で高出力を実現できる電池であるため、高性能な電源、特に車両搭載用電源を構築することができる。
実施形態1に係る電池(電流遮断機構作動前)を示す断面図。 実施形態1に係る電池(電流遮断機構作動前)の要部をケース内側から見た平面図。 実施形態1に係る電池の第一導電部材を示す斜視図。 実施形態1に係る電池(電流遮断機構作動後)を示す断面図。 実施形態2に係る電池(電流遮断機構作動前)の要部をケース内側から見た平面図。 実施形態2に係る電池(電流遮断機構作動後)を示す断面図。 実施形態3に係る電池(電流遮断機構作動前)を示す断面図。 実施形態3に係る電池の要部を示す分解斜視図。 実施形態3に係る電池(電流遮断機構作動後)を示す断面図。 実施形態4に係る電池の要部を示す分解斜視図。 実施形態5に係る電池(電流遮断機構作動前)を示す断面図。 実施形態5に係る電池(電流遮断機構作動後)を示す断面図。 実施形態5に係る電池(電流遮断機構作動前)を示す断面図。 実施形態5に係る電池(電流遮断機構作動前)の要部を示す側面図。 実施形態5に係る電池(電流遮断機構作動後)の要部を示す側面図。 本発明に係る電池を搭載した車両を模式的に示す側面図。 実施形態7に係る電池(電流遮断機構作動前)を示す断面図。 図17の要部を拡大して示す断面図。 実施形態8に係る電池(電流遮断機構作動前)を示す断面図。 実施形態9に係る電池(電流遮断機構作動前)を示す断面図。
符号の説明
1 車両(自動車)
2,102,202,402,502,602,702,802 リチウムイオン電池(電池)
3 電池ケース(ケース)
4,104,204,304,404,504,604,704,804 電流遮断機構
10 ケース本体
20 蓋体
22,522 封口板(第二導電部材)
24,524 接続部材(第一導電部材)
26,526 筒部
30 外部端子
32,132,532 感熱変形部材
32A 頭部
32B 脚部
36,536 リード部材
80 捲回電極体(電極体)
82,84 集電板104 電流遮断機構
124 接続部材(第一導電部材)
222 封口板
224 接続部材
226 案内筒(スパイラルリング)
226A,426A 案内ライン
228,428 感圧ディスク(第二導電部材)
228A 凹部
236,436 リード部材(第一導電部材)
328 第一筒体(第二導電部材)
328A ラチェット刃(ガイド機構)
328B 底面
329 第二筒体
329A ラチェット刃(ガイド機構)
426 案内筒
428A 接続部
523,525 凸部
625 Oリング(シール部材)
735 隔壁
824 接続部材(第二導電部材)
828 感圧ディスク(第一導電部材)

Claims (11)

  1. 正負の電極を有する電極体がケースに収容された電池であって、
    前記電極の少なくとも一方と前記ケース外部に露出する外部端子とを結ぶ導電経路を分断することで前記電極体と該電池外部との導通を遮断する電流遮断機構を備え、
    前記導電経路は、前記電極体側から第一導電部材および第二導電部材を経て前記外部端子側に至り、且つ前記第一導電部材と前記第二導電部材とは前記ケース内において両導電部材の溶接部で接合されており、
    前記電流遮断機構は、前記電池の異常時に、前記溶接部に対して該溶接部の溶接面に沿う方向への力を加えることにより該溶接部を破断させて前記導電経路を分断するように構成されている、電池。
  2. 前記溶接面に沿う方向への力は、前記第二導電部材に対して前記第一導電部材を前記溶接部の周りに回転させる方向への回転剪断力である、請求項1に記載の電池。
  3. 前記電流遮断機構は、前記電池の温度が所定値以上に上昇した場合に前記溶接部を破断させるように構成されている、請求項1または2に記載の電池。
  4. 前記電流遮断機構は、温度に応じて形状が変化する感熱変形部材を含み、該感熱変形部材の形状変化により前記溶接部に前記溶接面に沿う方向への力が加わるように構成されている、請求項3に記載の電池。
  5. 前記電流遮断機構は、前記ケースの内圧が所定値以上に上昇した場合に前記溶接部を破断させるように構成されている、請求項1または2に記載の電池。
  6. 前記電流遮断機構は、
    内周に案内ラインが設けられた案内筒と、
    前記案内筒の内周に嵌め込まれて前記ケース内の一部空間を前記電極体が収容された空間から気密に区画する感圧ディスクであって前記電極体収容空間の圧力上昇に伴う押圧力を受けて前記案内ラインに沿って移動する感圧ディスクとを備え、
    前記感圧ディスクの移動により前記溶接部に前記溶接面に沿う方向への力が加わるように構成されている、請求項5に記載の電池。
  7. 前記案内ラインはスパイラル状に形成されており、前記押圧力を受けて前記感圧ディスクが前記案内ラインに沿ってスパイラル状に移動することにより前記溶接部に回転剪断力が加わるように構成されている、請求項6に記載の電池。
  8. 前記電流遮断機構は、
    前記ケース内の一部空間を前記電極体が収容された空間から気密に区画する第一筒体と、
    前記第一筒体の軸方向の端部に係合して該第一筒体と同軸に配置された第二筒体とを備え、
    両筒体の対向する端部には、前記電極体収容空間の圧力上昇に伴う押圧力を受けて該第一筒体を軸周りに回転させつつ軸方向に案内するガイド機構が設けられており、
    前記第一筒体の回転により前記溶接部に回転剪断力が加わるように構成されている、請求項5に記載の電池。
  9. 前記ケース内において、前記溶接部は前記電極体が収容された空間から気密に隔てられている、請求項1から8のいずれか一項に記載の電池。
  10. 前記溶接部は、該溶接部を囲んで前記第一導電部材と前記第二導電部材との間に配置されたシール部材によって前記電極体収容空間から気密に隔てられている、請求項9に記載の電池。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の電池を備えた車両。
JP2008210814A 2008-05-08 2008-08-19 電流遮断機構を備えた電池 Expired - Fee Related JP5120638B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008210814A JP5120638B2 (ja) 2008-05-08 2008-08-19 電流遮断機構を備えた電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008122304 2008-05-08
JP2008122304 2008-05-08
JP2008210814A JP5120638B2 (ja) 2008-05-08 2008-08-19 電流遮断機構を備えた電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009295565A JP2009295565A (ja) 2009-12-17
JP5120638B2 true JP5120638B2 (ja) 2013-01-16

Family

ID=41543551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008210814A Expired - Fee Related JP5120638B2 (ja) 2008-05-08 2008-08-19 電流遮断機構を備えた電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5120638B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101902625B1 (ko) 2015-12-25 2018-09-28 인더스트리얼 테크놀로지 리서치 인스티튜트 배터리 안전 밸브의 작동 구조

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5541101B2 (ja) * 2010-11-12 2014-07-09 トヨタ自動車株式会社 蓄電装置
KR101836412B1 (ko) 2011-06-03 2018-03-12 에스케이이노베이션 주식회사 2차 전지 배터리 셀의 과충전 방지장치
JP5699869B2 (ja) * 2011-09-05 2015-04-15 株式会社豊田自動織機 二次電池
EP2838138B1 (en) * 2012-04-12 2019-02-27 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Current interrupter and electrical storage device using same
KR101912004B1 (ko) 2015-04-30 2018-10-25 주식회사 엘지화학 바이메탈 탭을 이용하여 안전성을 개선시킨 리튬 이차전지
JP6906193B2 (ja) * 2015-12-10 2021-07-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 電池
CN107799782B (zh) * 2017-10-19 2024-04-09 东莞超霸电池有限公司 一种高压防爆锌锰电池
CN107833991B (zh) * 2017-10-19 2023-12-22 东莞超霸电池有限公司 一种自动断路的防爆锌锰电池
US20200403210A1 (en) * 2019-06-20 2020-12-24 Apple Inc. Battery cell with serpentine tab

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1145701A (ja) * 1997-07-28 1999-02-16 Toshiba Battery Co Ltd 密閉型非水電解液電池
JP2000331671A (ja) * 1999-05-19 2000-11-30 Sanyo Electric Co Ltd 電気エネルギー蓄積デバイス
JP2002124236A (ja) * 2000-10-12 2002-04-26 Toyota Motor Corp 密閉型電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101902625B1 (ko) 2015-12-25 2018-09-28 인더스트리얼 테크놀로지 리서치 인스티튜트 배터리 안전 밸브의 작동 구조

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009295565A (ja) 2009-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5120638B2 (ja) 電流遮断機構を備えた電池
JP6025001B2 (ja) 密閉型二次電池
JP4596289B2 (ja) 密閉型電池
JP5611251B2 (ja) 密閉型二次電池
JP4238228B2 (ja) キャップ組立体及びこれを備えた二次電池
WO2012011470A1 (ja) 電池及び組電池
JP5592020B2 (ja) キャップアッセンブリー及びこれを用いた二次電池
US20130196187A1 (en) Prismatic secondary battery
JP6008200B2 (ja) 二次電池
EP2793293B1 (en) Rechargeable battery
JP6399021B2 (ja) 二次電池および組電池
EP4099496A1 (en) Power storage device
US20140127541A1 (en) Cylindrical secondary battery and battery system
JP2014056716A (ja) 密閉型二次電池
US10741821B2 (en) Secondary battery
JP2008171678A (ja) 非水電解質二次電池
US10115956B2 (en) Electricity storage device
US20160093865A1 (en) Rechargeable battery
FR2977379A1 (fr) Dispositif de securite pour accumulateur etanche
JP2009272162A (ja) 電流遮断機構付き電池
US20220181755A1 (en) Secondary battery and assembled battery
JP2009032504A (ja) 非水電解質二次電池およびその製造方法
JP2007227283A (ja) 密閉型電池
WO2015146365A1 (ja) 電流遮断装置とそれを用いた蓄電装置
JP2010267549A (ja) 密閉型二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120927

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121010

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees