JP5120565B2 - ソフトウェア試験方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術では、直交表を使用して組合せを最適化しているものの、試験手順の遷移経路は直交表に反映されないという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、少ない試験項目で効果的に不具合を検出することの可能なソフトウェア試験方法を提供することにある。
請求項3のソフトウェア試験方法では、請求項1において、さらに、前記水準は前記車両を構成する部品スペックを含むことを特徴とする。
これにより、直交表を用いることで試験精度を保持したまま試験項目数を減らすことができ、効率的にソフトウェアの不具合を検出することができるので、ソフトウェア試験に要する工数を削減することができる。
さらに、フローグラフの分岐条件を満たす車両の操作条件が水準となるので、直交表にそのまま割り付けることができ、直交表の作成に要する工数を低減することができる。
請求項2のソフトウェア試験方法によれば、因子には試験環境も含まれるので、試験環境を試験手順に盛り込むことができ、より確実に設定された試験環境で試験を実施することができる。
本実施形態では、本発明に係るソフトウェア試験方法を車両の実車試験に適用した場合について説明する。
図1は、本発明の実施形態に供試されるヘッドランプオートライト制御装置を備えた車両の概略構成図が示されている。
イグニッションスイッチ14の近傍にはワイパースイッチ20が設けられ、ワイパースイッチ20は複数の操作態様を備えており、フロントウィンドウ(図示せず)にはフロントワイパー22が配設されている。
ECU50はCPUやメモリ等(図示せず)からなり、詳しくはECU50の入力側にはACCスイッチ10、エンジン12、イグニッションスイッチ14、ワイパースイッチ20、オートライトスイッチ30及びオートライトセンサ32が接続されており、出力側にはフロントワイパー22、オートライトセンサ32及びヘッドランプ60が接続されている。
図2には本発明に係るソフトウェア試験手順作成ルーチンを示すフローチャートが示されており、同フローチャートに従い、途中図3、4に示すフローグラフを参照しながら説明する。
(a)イグニッションスイッチ14及びオートライトスイッチ30がONのとき、オートライトセンサ32の出力値が0.78V以下になってから1秒後または100cm走行したらヘッドランプ60をLOビームで点灯すること。
(b)イグニッションスイッチ14及びオートライトスイッチ30がONのとき、フロントワイパー22駆動中はヘッドランプ60をLOビームで点灯すること。
(c)オートライトセンサ32故障時はフェールセーフモードへ移行すること。
(d)オートライトセンサ32の出力値が4.71V以上、または0.3V未満のときはフェールセーフモードへ移行すること。
続くステップS2では、因子となる車両操作及び試験環境を抽出し、検査手順をフローグラフ化させる。
図3には上記(a)に示した検査項目をフローグラフ化させたものが示されている。
当該フローグラフはS(START)因子F10から始まり、当該S因子F10には検査前の初期状態が定義される。そして、E(END)因子F18で終了となるが、当該E因子F18には検査の最終出力が定義される。S因子F10とE因子F18を除いた7つの因子F11からF17には、各因子の車両操作または試験環境の成立または不成立について各因子の分岐条件として設定する。
詳しくは、因子F11から因子F17にそれぞれ定義された車両操作の成立水準と不成立水準の2種類の水準表を作成する。このとき、上記ステップS2にて各因子に定義された成立条件や不成立条件を満たす車両操作条件は1つとは限らない。そこで、成立条件と不成立条件を満たす車両操作条件を全て水準表に定義する。
同様に、表2に示されている車両操作を示す因子の各水準値は、いずれの水準を選択した場合でも不成立になるよう設定する。また、設定するアナログ値については表1と同様である。
ステップS4では、フローグラフから遷移経路を抽出する。ここで全遷移経路を抽出する必要があるが、本実施形態では図4に示すように遷移経路C101及びC102のみ抽出する。ここで抽出した遷移経路がそれぞれ試験ケースとなる。
詳しくは、遷移経路C101は最終出力であるE因子F18に到達する経路であるので、期待値は「ヘッドランプLOビームを点灯すること」となる。また、遷移経路C102はSTART位置であるS因子F10に戻る経路であるので、期待値は「ヘッドランプLOビームが点灯しないこと」となる。
ステップS6では、直交表に従い試験を実施する。
試験ケースC101は図4に示すように最終出力であるE因子F18に到達する遷移経路であり、当該E因子F18に至ったとき、表4に定義された16項目全ての試験項目で期待値「ヘッドランプLOビームが点灯すること」の出力を得ることができれば、試験ケースC101は合格となる。しかし、1項目でも期待値の出力が得られなかった場合、試験ケースC101は不合格となる。
また、フローグラフを使用することにより試験手順を直交表へ反映させることができるため、試験手順及び試験対象とする機能を明確にすることができる。
また、フローグラフから遷移経路を抽出して直交表に割り当てることにより、仕様情報に対しパステスト法に基づくステートメントテスト及びブランチテストの網羅率を100%にすることのできる試験手順を得ることが可能である。
そして、因子F16の水準にはオートライトセンサ32の出力値についてオートライトセンサ32の分解能を考慮して閾値及び閾値境界付近の値を設定しているので、車両1を構成する要素部品の分解能に対して要求事項を満足しているか否かを確認することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態では実車試験でのソフトウェア試験方法について述べているが、試験環境は特に問わず、試験の特性に合わせて選択可能である。
30 オートライトスイッチ
32 オートライトセンサ
50 ECU
60 ヘッドライト
Claims (3)
- 組み込み系のソフトウェアを備えた車両の仕様情報に対する期待値を評価するソフトウェア試験方法において、
前記車両の仕様情報から検査項目を策定するステップと、
前記検査項目毎に、前記ソフトウェアの試験手順に対応する前記車両の操作として少なくともオートライトスイッチの入力およびフロントワイパーの操作態様を因子としてフローグラフを作成するステップと、
前記オートライトスイッチの入力およびフロントワイパーの操作態様を少なくとも含む因子の分岐条件を満たす前記車両の操作条件を前記因子の水準とする水準表を作成するステップと、
前記フローグラフから前記因子が遷移する経路を抽出するとともに、該遷移する経路に対応する前記分岐条件及び期待値を定義するステップと、
前記分岐条件により発生する前記因子間の遷移条件組合せを直交表にて抽出するステップと、
前記直交表に基づいて試験を行い、定義された前記期待値が得られるか否かを前記車両に備えられたヘッドランプの点灯状態によって確認するステップと、
を備えたことを特徴とするソフトウェア試験方法。 - さらに、前記因子は試験環境を含むことを特徴とする、請求項1に記載のソフトウェア試験方法。
- さらに、前記水準は前記車両を構成する部品スペックを含むことを特徴とする、請求項1に記載のソフトウェア試験方法。
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