しかしながら、特許文献1においては、光源にRGBの各色光を射出するためにCRT方式光源管を使用していることから、真空管が必要であり電源部を含めて製造面ならびにコスト、スペース、重量面で課題がある。また、特許文献2においては、光源に青色を発光する発光ダイオード素子を2次元的に面配列して、赤色と緑色の各蛍光フィルムを用いて白色光を生成させる事例を開示しているが、投射型表示装置の表示品質に対する市場ニーズとして、より明るく、より綺麗さが要望される中で、光源の更なる高輝度化と演色性の良い鮮明なカラー表示が望まれていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、明るく演色性に優れた小型の投射型表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の投射型表示装置は、紫外発光素子からなる面状光源と、該面状光源から射出された紫外光を所定色の蛍光に変換して射出する面状蛍光体と、該面状蛍光体から射出された光を与えられた画像信号に基づき変調する光変調手段と、該光変調手段により変調された光を投射する投射光学手段とを備えたことを特徴とする。
上記発明によれば、紫外発光素子からなる面状光源から射出された面状の紫外光は、面状光源の近傍に配置された面状蛍光体に照射される。照射された紫外光は面状蛍光体により所定の各色光に変換され射出する。射出された各色光は面状蛍光体の近傍に配置された光変調手段により変調された後、投射光学手段によりスクリーン上で色合成され、カラー画像として投射される。
本発明の紫外発光素子からなる面状光源は、発光ダイオード(以下、「LED」という)、半導体レーザ(以下、「LD」という)、有機EL素子等の固体発光素子が用いられる。これらは、小型、軽量かつ低消費電力であることから、電源部の小型化が可能である。また、面状光源であることから点光源を用いる際に必要となる均一照明光学系が不要であり、光学系の小型化、低コスト化を可能とする。
また、本発明の面状蛍光体は、前記紫外発光素子からなる面状光源から出射された、可視光に比較して波長が短い紫外光で励起されるため、蛍光体の励起効率が高く、明るい色光を得ることが出来る。さらに蛍光体を構成する各種蛍光材料の配合比の調整によって、演色性の良い色光が得られる。
以上のことから本発明によれば、明るく演色性に優れた小型の投射型表示装置を得ることが出来る。
なお、光変調手段が透過型液晶パネルであれば、面状蛍光体と透過型液晶パネルとの間に偏光変換手段を備えることにより、透過型液晶パネルの入射側偏光板を透過できる光量を増やし、より明るい像を投射することが可能となる。また、透過型液晶パネルの入射側、出射側の少なくとも一方にマイクロレンズアレイを備えることにより、例えば入射側に備えた場合には液晶パネルの画素の開口部を通過できる光量を増やすことが出来ること、出射側に備えた場合には画素を透過した射出光の発散が押さえられること、によってさらに明るい像を投射することが可能となる。
本発明の投射型表示装置においては、前記面状蛍光体からの射出光が白色光であることが好ましい。さらに、面状蛍光体からの射出光が白色光の場合、光変調手段が、透過型液晶パネルと、該透過型液晶パネルの各画素に対応するように形成された波長領域の異なる複数の色光を出射するカラーフィルタとから構成されていることが好ましい。これによれば、蛍光体から射出された、明るく演色性に優れた白色光は、液晶パネルの各画素に対応するように形成された例えばRGBの各カラーフィルタに入射される。各カラーフィルタを透過することによって生成された各色光は、投射光学手段によりスクリーン上でカラー画像として合成される。これにより、色分離光学系、色合成光学系が不要な簡単な構成の光学系が得られるため表示装置が小型化できるとともに、明るいカラー画像を得ることが出来る。
本発明の投射型表示装置においては、前記面状蛍光体が、波長領域の異なる複数の色光がそれぞれの領域から射出される蛍光体カラーアレイからなることが好ましい。これによれば、例えば光変調手段である透過型液晶パネルの各画素に対応するように形成されたRGBの各蛍光体カラーアレイ領域からの各射出光は、液晶パネルの各画素を各色光ごとの映像信号に基づき透過して、投射光学手段によりスクリーン上でカラー画像として合成される。これにより、均一照明光学系、色分離光学系、色合成光学系が其々不要で簡単な構成の光学系が得られるため、表示装置が小型化できるとともに、明るいカラー画像を得ることが出来る。
本発明の投射型表示装置においては、紫外発光素子からなる面状光源と、該面状光源から射出された紫外光を与えられた画像信号に基づき変調する光変調手段と、該光変調手段により変調された紫外光を所定色の蛍光に変換して射出する蛍光体層が備えられた面状蛍光体と、該面状蛍光体から射出された光を投射する投射光学手段とを備えたことを特徴とする。
上記発明によれば、紫外発光素子からなる面状光源から射出された面状の紫外光は、該面状光源の近傍に配置された光変調手段により変調され、該光変調手段の近傍に配置された面状蛍光体に照射される。照射された紫外光は、該面状蛍光体に備えられた蛍光体層により所定の各色光に変換された後、該面状蛍光体から射出される。射出された各色光は投射光学系により其々スクリーン上で色合成され、カラー画像として投射される。
本発明の紫外発光素子からなる面状光源は、LED、LD、有機EL素子等の固体発光素子が用いられる。これらは、小型、軽量かつ低消費電力であることから、電源部の小型化が可能である。また、面状光源であることから点光源を用いる際に必要となる均一照明光学系が不要であり、光学系の小型化、低コスト化を可能とする。
面状光源から射出された紫外光は、光変調手段で変調された後、面状蛍光体に照射される。該面状蛍光体は、可視光に比較して短波長の紫外光で励起されるため、蛍光体の励起効率が高く、その結果明るい色光を出射することが可能となる。さらに蛍光体を構成する各種蛍光材料の配合比の調整によって、演色性の良い色光が得られる。
さらに、本発明では、面状蛍光体を光変調手段の後に配置していることから、蛍光体からの蛍光が直接投射光学手段に射出される。その結果、蛍光が光変調手段、例えば液晶パネルの偏光板、液晶層を通過する際に生じる視角特性低下、色調劣化等は解消されることになり、色純度に優れたカラー画像を得ることができる。
なお、光変調手段が透過型液晶パネルであれば、面状光源と透過型液晶パネルとの間に偏光変換手段を備えることにより、透過型液晶パネルの偏光板を透過できる光量を増やし、より高強度な紫外光を面状蛍光体に射出することが可能となる。また、透過型液晶パネルの入射側、出射側の少なくとも一方にマイクロレンズアレイを備えることにより、例えば入射側に備えた場合には液晶パネルの画素の開口部を通過できる光量を増やすことが出来ること、出射側に備えた場合には画素を透過した射出光の発散が押さえられること、によってさらに高強度な紫外光を、透過型液晶パネルの後側に配置された面状蛍光体に射出することが可能となる。その結果、面状蛍光体で紫外光から変換された各色光の射出光量が増加して、スクリーン上に投射される像をさらに明るくすることが出来る。
本発明の投射型表示装置においては、前記光変調手段が、透過型液晶パネルからなり、該透過型液晶パネルの入射光側には前記面状光源から射出される紫外光のうち、前記面状蛍光体の励起波長以下の紫外光をカットする遮光フィルタを備えていることが好ましい。これによれば、遮光フィルタによって、面状蛍光体の発光に必要な波長領域の紫外光のみを液晶パネルに入射させ、不要な波長領域の紫外光はカットされるため、面状蛍光体の紫外光による励起効率は確保され明るい蛍光が射出される一方、液晶パネルの紫外光による光劣化を最少化させることが可能となる。
本発明の投射型表示装置においては、前記面状蛍光体は、白色光が射出される面状蛍光体であって、該面状蛍光体の射出面側に波長領域の異なる複数の色光を射出するカラーフィルタを備えていることが好ましい。これによれば、光変調手段である、例えば透過型液晶パネルの各画素を映像信号に基づき透過した紫外光は、面状蛍光体により明るく演色性に優れた白色光に変換され、さらに透過型液晶パネルの各画素に対応するように形成されたRGBの各カラーフィルタに入射することになる。カラーフィルタから出射された、明るく色純度の良い各色光は投射光学手段によりスクリーン上でカラー画像として合成される。これにより、簡単な構成で色純度の優れた明るいカラー画像を得ることが可能となる。
本発明の投射型表示装置においては、前記面状蛍光体が、波長領域の異なる複数の色光がそれぞれの領域から射出される蛍光体カラーアレイからなることが好ましい。これによれば、光変調手段である、例えば透過型液晶パネルの各画素を映像信号に基づき透過した紫外光は、透過型液晶パネルの各画素に対応するように形成されたRGBの各蛍光体カラーアレイ領域に入射し各色光に変換される。変換された各色光は投射光学系によりスクリーン上でカラー画像として合成される。これにより、簡単な構成で色純度の優れた明るいカラー画像を得ることが可能となる。
本発明の投射型表示装置においては、前記面状蛍光体は、該面状蛍光体に備えられた蛍光体層の入射光側に、入射された紫外光を透過するとともに、前記蛍光体層から発光された光を反射する波長選択膜を更に備え、前記蛍光体層が蛍光(可視光)の波長の光に対して光透過性を有することが好ましい。これによれば、蛍光体層から発光された光のうち、該蛍光体層の入射光側に射出された光を波長選択膜により反射させて、該蛍光体層の出射光側に射出させることが出来る。このため、該蛍光体層から発光された光の利用効率が向上して、前記面状蛍光体の射出する光量が増加し、スクリーン上に投射された画像を更に明るくすることが出来る。
本発明の投射型表示装置においては、前記光変調手段は単一の光変調装置であることが好ましい。これによれば、本発明による面状光源から射出された紫外光、または、面状蛍光体から射出された白色光もしくは各色光は、単一の光変調装置、例えば単一の透過型液晶パネルを透過することによって、画像信号に基づき変調され、投射光学手段によりスクリーン上に画像として投射される。スクリーンにカラー画像を投射する構成にするには、例えば単一の透過型液晶パネルの各画素に対応するようにRGBの各カラーフィルタを各画素上に形成する。面状蛍光体からの白色光は、カラーフィルタを通して単一の液晶パネルから各色光ごとに射出され、投射光学手段によりスクリーン上にカラー画像として合成される。更に、例えば、光変調手段である透過型液晶パネルの各画素に対応するように形成されたRGBの各蛍光体カラーアレイ領域から射出された其々の色光が、同時または順次に単一の透過型液晶パネルに射出されることによって変調され、投射光学系によりスクリーン上にカラー画像として合成される。
以上の本発明に用いられる光源は、紫外発光素子からなる面状光源あるいは該面状光源から射出された紫外光を所定色の蛍光に変換する面状蛍光体からの光を利用している。いずれの光も均一で高強度の面状の光であることから、単一の光変調手段からなる投射型表示装置の光源に適しており、複数の光変調手段を有する構成では必要であるクロスダイクロイックプリズムのような光合成光学系が不要になる。従って、装置の更なる小型化、軽量化、低価格化を図ることができる。
本発明の投射型表示装置においては、前記光変調手段が、DMDであることが好ましい。その場合、前記面状蛍光体が、波長領域の異なる複数の色光が順次に連続的に射出される蛍光体カラーホイールからなることが好ましい。
これによれば、DMDが面状光源と蛍光体カラーホイールの後側に配置された場合は、面状光源である紫外発光素子から出射された紫外光は、例えばRGBの蛍光体カラーホイールに照射されることにより、各色光に変換され蛍光体カラーホイールから射出される。そして、映像の1フレーム間で、順次に射出されたRGBの各色光はDMDに照射され、該DMDから順次に変調、反射された各色光は投射光学系を通してスクリーン上でカラー画像として合成される。これにより、簡単な構成で明るいカラー画像を得ることが出来る。
また、DMDが面状光源と蛍光体カラーホイールの間に配置された場合は、面状光源である紫外発光素子から射出された紫外光は、映像の1フレーム間で、例えばRGBの各色光の映像信号に基づいてDMDから変調、反射される。DMDから反射された変調後の紫外光は、RGBの蛍光を発する蛍光体カラーホイールに照射されることにより、各色光に変換され順次に連続的に射出される。射出された各色光は投射光学系を通してスクリーン上でカラー画像として合成される。これによれば、DMDは半導体をベースとした極小ミラーのアレイであることから、高強度の紫外光照射でも部材劣化はほとんどなく、装置の長寿命化が図れる。また、簡単な構成で明るいカラー画像を得ることが出来る。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態1乃至6について説明する。なお、実施の形態1乃至6のうち、実施形態1乃至3を説明するにあたって、各実施形態で共通な全体構成1を説明しておく。
〔全体構成1〕
図1に、本発明を適用した投射型表示装置の光学系構成図を示す。
本発明の投射型表示装置は、図1に示すように表示要素1a、投射レンズ(投射光学手段)40および筐体50を備えて構成される。
表示要素1aは、面状光源10と面状蛍光体20と光変調器(光変調手段)30とから構成される。投射レンズ(投射光学手段)40は、表示要素1aから射出された像をスクリーン60上に結像させるように構成されている。同図では投射レンズが1枚図示されているのみだが、複数のレンズで構成されても良いことはもちろんである。つまり、投射レンズ(投射光学手段)40は、表示要素1aから射出された像を拡大等してスクリーン60上に結像させるように構成すればよい。筐体50は、投射型表示装置全体の収納容器として構成されており、各光学要素を適当に配置できるように構成されている。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態を図2〜図6に基づき説明する。
図2は、第1の実施形態の説明図であって、表示要素1aの光学系の構成図である。図3は、面状光源10の構成を示す平面図である。図4は、図3の面状光源10の一部断面図である。図5は、透過型液晶パネル31の概略断面図である。
図6は、透過型液晶パネル31の画素ごとに備えられたカラーフィルタ304の配列の一例を示す図である。
図2に示すように、本発明における表示要素1aは、面状光源10、面状蛍光体20、偏光変換素子400および透過型液晶パネル31を其々1個備えている。面状蛍光体20は、透明板201と該透明板201の透過型液晶パネル31側に設けられた選択反射膜202と蛍光体層203とから構成されている。本実施形態において、蛍光体層203は、紫外域の波長の光を吸収し、蛍光(可視光)の波長域の光を透過する。面状蛍光体20の面積は面状光源10の射出光面積にほぼ等しい面積を備えており、該面状光源10と対向する位置に、光の漏れを無くするようにリフレクタ110を介して密着配置されている。偏光変換素子400は反射偏光子や偏光ビームスプリッタアレイ(以下、「PBS」という)などの公知の素子が用いられる。面状光源10、透過型液晶パネル31の構成について更に別図で説明する。
図3に、面状光源10の構成を示す。光源基板102上に、紫外LED101が2次元的に複数個配列された紫外LEDアレイ100と、該紫外LEDアレイ100から射出された光を反射させるリフレクタ110とを備えている。リフレクタ110の内壁面には反射面111が形成されていて、例えばアルミニュウム等の金属膜処理がされている。前記紫外LEDアレイ100は、各紫外LED101からの紫外光の射出方向がほぼ同一方向を向くように揃えられている。また、紫外LEDアレイ100の発光面積は、面状蛍光体20と略同一もしくはやや小さくするのが好ましい。発光面積が面状蛍光体20より大きいと、射出された光が面状蛍光体20にすべて入射されずにロスが生じることになる。一方、発光面積が小さすぎると、光量不足や光量の不均一性が生じる。本実施形態では発光面積を面状蛍光体20よりやや小さくしている。なお、同図には説明を簡単にするため、紫外LED101を点灯させるための電極配線、電源回路を図示していない。
図4に、紫外LEDアレイ100の構成を概略断面図で示す。光源基板102上に紫外LED101が複数個配列されている。図4は、複数個配列された紫外LEDアレイ100の一部断面図である。紫外LED101は、LEDベースプレート103、LEDチップ104、LEDレンズ105、LEDリフレクタ106から構成されている。LEDレンズ105およびLEDリフレクタ106は、LEDチップ104から射出された紫外光を、前方に略平行光になるように反射させる機能を有している。
なお、同図には説明を簡単にするため、紫外LED101を点灯させるための電極配線、電源回路を図示していない。
図5に、透過型液晶パネル31の概略断面図を示す。図5に示すように透過型液晶パネル31は、入射光側から、偏光板301a、マルチレンズアレイ306a、透明基板302a、カラーフィルタ304、ブラックマトリックス305、画素電極307、液晶層303、対向電極308、透明基板302b、偏光板301b等を備えて構成されている。これらの構成は公知のカラーフィルタを備えた透過型液晶パネルと同様のものである。同図では、判り易く図解するため、薄膜トランジスタなどのスイッチング素子や液晶配向膜、セルギャップ材等は図示していない。偏光板301aと301bは、同一の構造を有し、入射光のうち特定の偏光状態の光のみを透過するように構成されている。ただし、偏光板301bの透過する光の偏光方向(振動方向)は、偏光板301aの透過する偏光方向に比べ、一定の角度だけずれて配置されている。この角度は、液晶層303が電圧無印加時に入射した光の偏光面を回転させる偏光面回転角に等しく設定する。液晶層303は、公知のツイストネマチック液晶等を用い、電圧が印加された状態では入射光の偏光面回転を与えず、電圧を印加されない状態で入射光の偏光面回転を与えるように構成されている。透明基板302a、302bには、その液晶層303側に透明電極からなる画素電極307、対向電極308がそれぞれ設けられており、画素ごとに液晶の駆動が可能に駆動回路が設けられている。駆動回路に供給される制御信号の電圧の変化により、面状蛍光体20からの光を透過させたり透過させなかったりする光変調が可能に構成される。
図5、図6に示すように、本実施形態の一例として、透明基板302a上に、RGBの各色のカラーフィルタ304が市松模様パターン状に其々透明電極の各画素と対応して配列されている。
以上の本実施形態の構成において、面状光源10の各紫外LED101を点灯することにより射出された紫外光は、各LEDレンズ105と各LEDリフレクタ106によって略平行光になるように前方に出射される。さらに、各LEDレンズ105と各LEDリフレクタ106とリフレクタ110と面状蛍光体20とで形成される光源内空間でほぼ均一な面状の平行光となり、面状蛍光体20に照射される。
面状蛍光体20に入射した紫外光は、波長選択膜202を透過して、蛍光体層203に照射される。蛍光体層203から発光された蛍光のうち、該蛍光体層203の入射光側に射出された光を波長選択膜202により反射させて、該蛍光体層203の出射光側に射出させる。これによって、本来、指向性のない蛍光に対して指向性を与えることが可能になり、光の利用効率を向上させることが出来る。
波長選択膜202は、透明板201上に形成された誘電体多層膜から構成されており、特定の波長の紫外光を透過して、蛍光体層203から発光した蛍光を反射するような多層膜構成からなる。このような誘電体としては、酸化チタン(TiO2)と酸化シリコン(SiO2)の積層構造や、酸化タンタル(Ta2O5)と酸化シリコン(SiO2)の積層構造などを用いることが出来る。
蛍光体層203は、各種蛍光物質を、所定の濃度、所定の配合比になるように合成樹脂溶液に含有させ、波長選択膜202上に所定厚みに塗布、乾燥させて設けられている。本発明では、各種蛍光物質の濃度、配合比、塗布厚を管理することで均一な面状の白色光が得られるように作られている。
蛍光物質の例としては、Rhodamine6G(赤)、Basic yellow HG(黄)、Eoine(赤)、Brilliantsulfoflavine FF(青)、3、6-テトラメチルジアミノ-N-メチルフタルイミド(緑)、Dioxazine violet(青)、Lumogen L Yellow Orenge(橙)、Lumogen L Brilliant Yellow(黄)、Lumogen L Yellow(黄)、LumogenL Blue(青)、Lumogen Brilliant Green(緑)、LumogenWater Blue(青)、Fluorol 5G、エオシン、チオフラビン、MnCl2(赤)、Sm2 (SO4 )3・8H2 O(橙)、Eu2 (SO4 )3 ・8H2 O(赤)、CaWO4 (青)、CaMoO4 (黄緑)、BaPt(CN)4 ・4H2 O(緑)、UO2 (NO3)2 ・6H2 O(緑)、NaCl:Mn(赤)、KCl:Tl(青)、CaF2:Sm(橙)、ZnS:Cu(黄緑)、ZnS:Cu、Al(緑)、ZnS:Ag(青)、ZnO:Zn(白緑)、CaS:Bi(紫)、Zn2 SiO4 :Mn(緑)、3Ca3 (PO4 )2・Ca(F、Cl)2 :Sb、Mn、BaSi2 O5 :Pb(紫外)、(Zn、Be)2 SiO4 :Mn(橙)、CaSiO3 :Pb(深赤)、CaSiO3 :Mn(深赤)、6MgO・As2 O5 :Mn(深赤)、Sr2 P2 O7 :Eu(青紫)、BaMg2 Al16O27:Eu(青)、MgGa2O4 :Mn(青緑)、(Ba、Mg)Al10O17:Eu(青)、(Ba、Mg)Al10O17:Eu,Mn(緑)、(Ce、Tb)MgAl11O19(緑)、Y2 SiO5 :Ce、Tb(緑)、Y2O3 :Eu(赤)、Y2O3S:Eu(赤)、YVO4 :Eu(赤)、(Sr、Mg、Ba)3 (PO4 )2 :Sn(橙)、3.5MgO・5MgF2 ・GeO2 :Mn(赤)、MgWO4 (青)等が挙げられるが、本発明の実施形態では、これらの蛍光物質の中から、赤色、緑色、青色の蛍光を発するもので、励起効率が良くて、光劣化が少なく、温度変化による特性変化が少ない等を勘案、選択し、白色光になるように調合して使用されている。
紫外光の照射を受けた面状蛍光体20からは、蛍光であるRGBの各色光が合成されて白色光として射出される。
射出された白色光は、偏光変換素子400によって光の偏光方向が1方向に揃えられ、透過型液晶パネル31に入射する。偏光変換素子400を用いることで、透過型液晶表示パネル31に備えられた偏光板301aを透過できる光量を増やすことができる。更に、マイクロレンズアレイ306aで各画素に集光された白色光は、画像信号に基づきカラーフィルタ304を含む透過型液晶パネル31の各構成部材を透過することによって各色光が生成、変調される。マイクロレンズアレイ306aは、液晶パネルの画素の開口部を通過できる光量を増やす効果を有する。透過型液晶パネル31を射出した各色光は投射光学手段によりスクリーン上でカラー画像として合成される。
以上のように、本実施形態によれば、表示要素1aは、面状光源10、面状蛍光体20、偏光変換素子400および透過型液晶パネル31とからなり、簡単な構成で明るいカラー画像を射出することが出来る。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態を図面に基づき説明する。
投射型表示装置の基本的な構成は第1の実施形態と同じであるが、面状蛍光体が、波長領域の異なる複数の色光がそれぞれの領域から射出される蛍光体カラーアレイからなる面状蛍光体であり、透過型液晶パネルにはカラーフィルタが備えられていないところが第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同一部分については、同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。
図7は、第2の実施形態の説明図であって、表示要素1bの光学系の構成図である。図7に示すように、表示要素1bは、面状光源10、面状蛍光体21、偏光変換素子400および透過型液晶表示パネル32を其々1個備えている。
図8は、面状蛍光体20に備えられた蛍光体カラーアレイ213を示す図である。図9は、透過型液晶パネル32の概略断面図である。
面状光源10の構成は、第1の実施形態と同様である。
図7に示すように、面状蛍光体21は、透明基板201と該透明基板201の偏光変換素子400側に設けられた選択反射膜202と蛍光体カラーアレイ213とを含んで構成されている。本実施形態において、蛍光体カラーアレイ213は、紫外域の波長の光を吸収し、蛍光(可視光)の波長域の光を透過する。面状蛍光体21の面積は面状光源10の射出光面積にほぼ等しい面積を備えており、該面状光源10と対向する位置に、光の漏れを無くするようにリフレクタ110を介して面状光源10に密着配置されている。
図8に示すように、蛍光体カラーアレイ213は、本実施形態の一例として、RGBの各色光を射出する各蛍光体領域が市松模様パターンに配列されている。本実施形態では、RGBの各色光が射出される各蛍光体領域は、透過型液晶パネル32の各画素電極と其々対応するように設けられている。
図9に示すように透過型液晶パネル32は、入射光側から、偏光板301a、マルチレンズアレイ306a、透明基板302a、画素電極307、液晶層303、対向電極308、透明基板302b、偏光板301b等を備えて構成されている。これらの構成は公知の透過型液晶パネルと同様のものである。また、第1の実施形態と異なるところは、第1の実施形態では備えていたカラーフィルタが、第2の実施形態では備えていないところであり、他の構成は同様である。従って、詳細な説明は省略する。なお、同図では、判り易く図解するため、透明基板上に設ける薄膜トランジスタなどのスイッチング素子や液晶配向膜、セルギャップ材、配線等は図示していない。
以上の本実施形態の構成において、面状光源10から射出された紫外光は、ほぼ全光量が面状蛍光体21照射される。
面状蛍光体21に入射した紫外光は、波長選択膜202を透過して、蛍光体カラーアレイ213に照射される。蛍光体カラーアレイ213から発光された蛍光のうち、該蛍光体カラーアレイ213の入射光側に射出された光を波長選択膜202により反射させて、該蛍光体カラーアレイ213の出射光側に射出させる。
蛍光体カラーアレイ213は、RGBの各色光を射出する各蛍光体領域が市松模様パターンに配列されていて、RGBの各色光が射出される各蛍光体領域は、透過型液晶表示パネル32の各電極画素と其々対応している。各蛍光体領域には、RGBの各色光が射出可能な各蛍光物質を、所定の濃度、所定の配合比になるように合成樹脂溶液に含有させ、波長選択膜202上に所定厚みに塗布、乾燥させて設けられている。各蛍光物質の濃度、配合比、塗布厚を管理することで、均一で高輝度なRGBの各色光が得られるように作られている。適用可能な蛍光物質については、第1の実施形態で説明したものと同様であるのでここでは省略する。
面状光源10から射出された面状の紫外光は、上記した蛍光体カラーアレイ213を備える面状蛍光体21を通過することで、所定のパターンであるRGBの各色光に変換される。面状蛍光体21を射出した各色光は偏光変換素子400によって光の偏光方向が1方向に揃えられ、透過型液晶パネル32に照射される。照射されたRGBの各色光は、透過型液晶パネル32の各電極画素と其々対応していることから、マイクロレンズアレイ306で集光され、該透過型液晶パネル32を透過する際に、画像信号に基づき変調される。変調された各色光は投射光学手段によりスクリーン上でカラー画像として合成される。
以上のように、本実施形態によれば、表示要素1bは、面状光源10、面状蛍光体21、偏光変換素子400および透過型液晶パネル32とを含んでおり、簡単な構成で明るいカラー画像を射出することが出来る。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の投射型表示装置の基本的な構成は、第1の実施形態、第2の実施形態と同様であって図1に示す構成であるが、第1の実施形態、第2の実施形態と異なるところは、面状蛍光体が、波長領域の異なる複数の色光が順次に連続的に射出される蛍光体カラーホイールからなることと、光変調手段が、DMDであることである。第1の実施形態および第2の実施形態と同一部分については、同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。
図10は、第3の実施形態の説明図であって、表示要素1cの光学系の構成図である。図10に示すように、本実施形態における表示要素1cは、面状光源10、蛍光体カラーホイール25およびDMD36を其々1個備えている。図11は、蛍光体カラーホイール25の構成を示す図である。図12は、蛍光体カラーホイール25の概略断面図である。
面状光源10の構成は、第1、第2の実施形態と同様である。従って、詳細な説明は省略する。
図11、図12に示すように、蛍光体カラーホイール25は、透明円板251と、該透明円板251のDMD36側に設けられた選択反射膜252とRGBの各蛍光色が其々射出される領域からなる蛍光体カラーフィルタ253と、回転モーター軸255とから構成されている。
DMD36は、画像信号に従って可動可能な複数のマイクロミラー(図示せず)を有しており、公知のDMDと同様の構成である。図10〜12では、判り易く図解するため、蛍光体カラーホイール25およびDMD36の駆動部、配線等は図示していない。
以上の本実施形態の構成において、面状光源10から射出された紫外光は、蛍光体カラーホイール25に設けられた波長選択膜252を透過してRGBの各蛍光体層253に照射され、所定の色光に変換される。変換された各色光はDMD36上に照射される。DMD36では、画像信号に応じて、各マイクロミラーの傾斜角を変化させ、その結果、照射された各色光の反射方向を変化させることによって変調する。変調された各色光は、順次に連続的に、投射光学手段を通してスクリーン上に投射され、カラー画像として合成される。
蛍光体カラーホイール25は、回転モータ軸255に接続されたモータ(図示せず)で高速回転させることにより、照射された紫外光をRGBの各蛍光体層253によって、順次に連続的に各色光に高効率に変換され、高輝度の光を射出する。
蛍光体層である蛍光体カラーフィルタ253におけるRGBの各蛍光体領域には、RGBの各色光が射出可能な各蛍光物質を、所定の濃度、所定の配合比になるように合成樹脂溶液に含有させ、波長選択膜252上に所定厚みに塗布、乾燥させて設けられている。各蛍光物質の濃度、配合比、塗布厚、塗布面積を管理することで、均一でホワイトバランスに優れた高輝度なRGBの各色光が得られるように作られている。適用可能な蛍光物質については、第1の実施形態で説明したものと同様であるのでここでは省略する。
以上のように、本実施形態によれば、表示要素1cは、面状光源10と蛍光体カラーホイール25とDMD36とを含んでおり、簡単な構成で明るいカラー画像を得ることが出来る。
更に、図面を参照して、本発明の実施の形態4乃至6について以下に説明する。なお、実施形態4乃至6を説明するにあたって、各実施形態で共通な全体構成2を説明しておく。
〔全体構成2〕
図13に、本発明を適用した投射型表示装置の光学系構成図を示す。
本発明の投射型表示装置は、図13に示すように表示要素2a、投射レンズ(投射光学手段)40および筐体50を備えて構成される。
表示要素2aは、面状光源10と光変調器(光変調手段)30と面状蛍光体20とから構成される。全体構成1と異なるのは、光変調器30と面状蛍光体20との配置が異なり、全体配置1では面状蛍光体20の後に光変調器30を配置したが、全体配置2では、面状蛍光体20の前に光変調器30を配置している。図13において、図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態を図面に基づき説明する。
図14は、第4の実施形態の説明図であって、表示要素2aの光学系の構成図である。図14に示すように、表示要素2aは、面状光源10、偏光変換素子400、透過型液晶パネル35および面状蛍光体22を其々1個づつ備えている。
図15は、透過型液晶パネル35の概略断面図である。各図において、第1〜3の実施形態と同一部分については、同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。
図14および図15において、透過型液晶パネル35は、第2の実施形態と基本構成は同様であるが、該透過型液晶パネル35の面状光源10側に、前記面状蛍光体20の励起波長以下の紫外光をカットする遮光フィルタ305を備えていることと、液晶パネルの入射側および出射側の両方にマイクロレンズアレイ306a、306bを備えているところが異なる。
図14に示すように、面状蛍光体22は、透明板201と該透明板201の投射光学手段40側に設けられた選択反射膜202と蛍光体層203とカラーフィルタ224とから構成されている。面状蛍光体22の面積は透過型液晶パネル35の面積にほぼ等しい面積を備えており、該透過型液晶パネル35と対向する位置に、光の漏れを無くするために透過型液晶パネル35に密着配置されている。
なお、この配置は限定されるものではない。カラーフィルタ224は、第1の実施形態の図5で説明したものと同様に、RGBの各色のカラーフィルタ224が市松模様パターン状に、透過型液晶表示パネル35の各電極画素と其々対応するように設けられている。
蛍光体層203は、RGBの各色光が射出可能な各蛍光物質を、所定の濃度、所定の配合比になるように合成樹脂溶液に含有させ、選択反射膜202上に所定厚みに塗布、乾燥させて設けられている。各蛍光物質の濃度、配合比、塗布厚を管理することで、均一で高輝度な白色光が得られるように作られている。適用可能な蛍光物質については、第1の実施形態で説明したものと同様であるので詳細な説明は省略する。
以上の本実施形態の構成において、面状光源10から射出された面状の紫外光は、透過型液晶パネル35に入射する。ここで、遮光フィルタ305により、面状蛍光体22の蛍光発光に必要な励起波長以外の紫外光はカットされる。これによって、動作時における紫外光照射により液晶パネルを構成している部材が劣化する問題を最少化することが出来る。
遮光フィルタ305を通過した紫外光は、画像信号に基づき透過型液晶パネル35の各構成部材を透過することで、変調された紫外光として面状蛍光体22へ射出される。面状蛍光体22に入射した紫外光は、波長選択膜202を透過して、蛍光体層203に照射され白色光に変換される。変換された白色光は、透過型液晶パネル30の各電極画素と其々対応して設けられているカラーフィルタ224により、各色光ごとの像として射出される。そして投射光学手段によりスクリーン上でカラー画像として合成される。以上の本発明の実施形態によれば、簡単な構成で装置の小型化と長寿命化が可能で、しかも明るく、色純度の高いカラー画像を得ることが出来る。
〔第5の実施形態〕
本発明の第5の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の投射型表示装置の基本的な構成は、第4の実施形態と同じであるが、カラー化の手段として、第4の実施形態では面状蛍光体にカラーフィルタが構成されていたが、本実施形態では、蛍光体カラーアレイを用いているところが異なる。
図16は、第5の実施形態の説明図であって、表示要素2bの光学系の構成図である。図16に示すように、表示要素2bは、面状光源10、偏光変換素子400、透過型液晶パネル35および面状蛍光体23を其々1個備えている。同図において、第1〜4の実施形態と同一部分については、同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。
図16に示すように、面状蛍光体23は、透明板201と該透明板202の投射光学手段40側に設けられた波長選択膜202と蛍光体カラーアレイ233とから構成されている。面状蛍光体23の面積は透過型液晶パネル35の面積にほぼ等しい面積を備えており、該透過型液晶パネル35と対向する位置に、光の漏れを無くするために透過型液晶パネル35に密着配置されている。なお、この配置は限定されるものではない。
蛍光体カラーアレイ233は、RGBの各色光を射出する各蛍光体領域が市松模様パターンに配列されていて、RGBの各色光が射出される各蛍光体領域は、透過型液晶表示パネル35の各電極画素と其々対応している。各蛍光体領域には、RGBの各色光が射出可能な各蛍光物質を、所定の濃度、所定の配合比になるように合成樹脂溶液に含有させ、波長選択膜202上に所定厚みに塗布、乾燥させて設けられている。各蛍光物質の濃度、配合比、塗布厚を管理することで、均一で高輝度なRGBの各色光が得られるように作られている。適用可能な蛍光物質については、第1の実施形態で説明したものと同様であるのでここでは説明を省略する。
以上の本実施形態の構成において、面状光源10から射出された面状の紫外光は、透過型液晶パネル35に入射する。ここで、遮光フィルタ305により、面状蛍光体23の蛍光発光に必要な励起波長以外の紫外光はカットされる。これによって、動作時における紫外光照射により液晶パネルを構成している部材が劣化する問題を最少化することが出来る。
遮光フィルタ305を通過した紫外光は、画像信号に基づき透過型液晶パネル35の各構成部材を透過することで、変調された紫外光として射出される。射出された紫外光は、面状蛍光体23の蛍光体カラーアレイ233に照射され、RGBの各色光に変換される。変換された各色光は投射光学手段によりスクリーン上でカラー画像として合成される。以上の本発明の実施形態によれば、簡単な構成で装置の小型化と長寿命化が可能で、しかも明るく、色純度の高いカラー画像を得ることが出来る。
〔第6の実施形態〕
本発明の第6の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の投射型表示装置の基本的な構成は、第4、第5の実施形態と同様であって図17に示す構成であるが、第4、第5の実施形態と異なるところは、光変調手段が、DMDあることと、面状蛍光体が、波長領域の異なる複数の色光が順次に連続的に射出される蛍光体カラーホイールからなることである。
図17は、第6の実施形態の説明図であって、表示要素2cの光学系の構成図である。図17に示すように、本実施形態における表示要素2cは、面状光源10とDMD36と蛍光体カラーホイール25とを其々1個ずつ備えている。実施形態3と異なるのは、DMD36と蛍光体カラーホイール25の配置の違いのみであることから、本実施形態における構成の詳細な説明は省略する。
本実施形態の構成において、面状光源10から射出された面状の紫外光は、DMD36上に照射される。DMD36では、画像信号に応じて、各マイクロミラーの傾斜角を変化させ、その結果、照射された紫外光の反射方向を変化させることによって変調する。変調された紫外光は、順次に連続的に、蛍光体カラーホイール25に射出される。射出された紫外光は、蛍光体カラーホイール25に設けられた蛍光体層である蛍光体カラーフィルタ253に照射され、所定の色光、例えばRGBの各蛍光に変換される。各色光は、投射光学手段を通してスクリーン上に投射され、カラー画像として合成される。以上のように、本実施形態によれば、簡単な構成で装置の小型化が可能で、しかも明るく、色純度の高いカラー画像を得ることが出来る。
以上、本発明の実施形態による投射型表示装置について説明したが、本発明は、光源に面状の紫外発光素子を用い、該紫外発光素子から射出された紫外光を所定色の蛍光に変換して射出する面状蛍光体を備えることにより、明るく演色性に優れた小型の投射型表示装置を提供することを目的としており、本発明の趣旨の範囲内であれば自由に変更が可能なものである。例えば、実施形態においては面状光源として紫外LEDを用いて説明したが、半導体レーザ、有機EL素子等の紫外発光素子であっても良いし、面状光源および面状蛍光体を複数個と、単一の光変調手段、例えば透過型液晶パネルや反射型液晶パネルとを組み合わせて用いても良い。また、本発明の面状光源によれば、メタルハライドランプや超高圧水銀灯等の放電型光源を用いた場合に比べ、光源発熱が少ないことから、本発明は、光源の色調の安定化と装置を構成する部材の熱劣化の低減による装置の長寿命化にも効果を有するものである。