JP5119975B2 - 車両用シートの回動操作レバー - Google Patents
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Description
また、ガラス繊維強化樹脂は成形性が悪い上に、質量が高く、樹脂のコストも高いという課題を有していた。本発明者はかかる問題について鋭意検討の結果、操作レバーの荷重集中部位における形状を改善することで、ガラス繊維強化樹脂を用いなくとも強度面を確保し、更には、軽量面、コスト面、成形性も同時に向上させることに着目したものである。
本発明の第1の発明は、車両用シートに備えられた各種機能手段を操作するための樹脂製で長尺状の車両用シートの回動操作レバーであって、該長尺状の回動操作レバーは、一端部が操作力をシートに備えられた各種機能手段に伝える軸心部位、他端部は操作者が操作する操作把持部位、及び該操作把持部位と前記軸心部位とを接続する接続部位からなっており、該接続部位には回動操作方向に補強リブが配列形成されており、該補強リブは、基本形態としてリブ片が三角形状を形成する形態として連続配列され、かつ、補助形態として該三角形状の各リブ片の交点箇所が円形のリブ形状として連続形成されていることを特徴とする。
そのため、本発明においては、リブ片が三角形状を形成する形態として連続配列されている。このため、荷重を三点支持する構成が連続配列されているため応力が一箇所に集中しにくい構成となっている。そのため、従来のように接続部位の端部を縦通または横断するように補強リブを配した構成のものよりも荷重を支持することができる。更には、この三角形状の各リブ片の交点箇所が円形のリブ形状として連続形成されているため、この交点部分における応力集中をより一層防ぐ構成となっている。また、補強リブは中空となっているため、軽量化を図ることができる。また、中空にした分、材料が多く必要とならないことからコスト面の向上も図ることができる。これにより、ガラス繊維強化樹脂を用いなくとも強度面を確保し、更には、軽量面、コスト面、成形性も同時に向上させることができる。
先ず、上記第1の発明の車両用シートの回動操作レバーによれば、従来の車両用シートの回動操作レバーに比べガラス繊維強化樹脂を用いなくとも強度面を確保し、更には、軽量面、コスト面、成形性も同時に向上させることができる。
次に、上記第2の発明の車両用シートの回動操作レバーによれば、補強リブが形成されている位置は、回動操作レバーが車両用シートに装着された際に裏面側となる面に形成されているため、表面側は意匠面とすることができる。そのため、意匠面の向上も図ることができる。
次に、上記第3の発明の車両用シートの回動操作レバーによれば、トルク荷重を支持する場合において、正三角形状あることにより均一な荷重分散が望めるため、より一層強度面の向上を図ることができる。
本実施の形態の車両用シートの回動操作レバーは、リフターレバーである場合である。
図1は、本実施例にかかるリフターレバーの全体斜視図であり、(A)図は、リフターレバーを車両外方側から見た全体斜視図である。(B)図は、リフターレバーを車両内方側から見た全体斜視図である。図2は、本実施例にかかるリフターレバーの軸心部位の凹凸構造を示した拡大図であり、(A)図は、リフターレバーの軸心部位の凹凸構造を車両内方側から見た拡大側面図である。(B)図は、リフターレバーの軸心部位の凹凸係合構造を示した拡大斜視図である。図3は、図1(B)図のA部分の拡大図である。図4は、本実施例にかかるリフターレバーにおいて、リフト機構を備えた車両用シートのフレーム構成中の取り付け構成を示した全体斜視図である。図5は、本実施例にかかるリフターレバーの配設構造の各構成品を示した斜視図である。図6は、本実施例にかかるリフターレバーの配設構造の側面図である。
先ず、図4に基づいて、リフターレバー10によって作動されるリフト機構78について説明する。図4は、リフト機構78を備えた車両用シートのフレーム構成40が図示されている。なお、この車両用シートのフレーム構成40は、車両の前部座席シートの助手席における構成を示したものである。この車両用シートのフレーム構成40は、概略、シートバックフレーム50、リクライニング機構52、リンク機構60、シートクッションフレーム62、スライドレール72、リフト機構78で構成されている。
リンク機構60は、連動ロッド70F、連動ロッド70Bとリンク66F、リンク66Bで構成されたものである。また、スライドレール72は、アッパーレール72U、ロアレール72Lで構成されたものである。また、リフト機構78は、ピニオンギヤ80、作動伝達部材82、リフターレバー10で構成されたものである。なお、シートクッションフレーム62にはシートクッションが取付けられ、シートバックフレーム50には背凭れクッションが取付けられるが、これらの構成については通常の取付構成であり図示を省略している。
シートバックフレーム50はシートクッションフレーム62の車両後方部に設けられたリクライニング機構52のリクライニング軸54回りに前後傾動可能に支持されている。
図5は、リフターレバー10の配設構造の各構成品を示した斜視図である。図5に図示されるように、シートクッションフレーム62の側面には、概略、リクライニング機構52、リクライニングレバー56、シールド74、作動伝達部材82、リフターレバー10が構成されている。リクライニングレバー56は、シートクッションの側面に構成されるシールド74に設けられた開口孔76を通じて、シートクッションフレーム62の側面の車両後方部に設けられたリクライニング機構52と連結されている。そのリクライニングレバー56の車両前方側には、リフターレバー10が配置されている。リフターレバー10は、シートクッションの側面に構成されるシールド74に設けられた開口孔76を通じて作動伝達部材82と連結されている。そしてこの作動伝達部材82がシートクッションフレーム62の側面部に設けられた開口孔64を介してピニオンギヤ80(図4参照)と連結される。
図5に図示されるように、リフターレバー10は、作動伝達部材82と連結される。この作動伝達部材82は、凹凸係合構造によって軸回動力伝達をする構造となっている。
図1(A)に図示されるように、リフターレバー10の軸心部位12は作動伝達部材82(図5参照)の軸端を覆い被せるキャップ形状を形成している。そして、図1(B)及び図2(A)(B)に図示されるように、作動伝達部材82(図5参照)との連結側である車両内方側には、作動伝達部材82の凹凸構造と対応するもう一方の凹凸構造24が形成されている。この凹凸構造24が係合することによって、リフターレバー10に及ぼされた回転作動力が作動伝達部材82(図5参照)に伝達され更にピニオンギヤ80(図4参照)に伝達されて、ピニオンギヤ80(図4参照)が回転することによってリンク66B(図4参照)が上下移動されるため、これと連動するリンク機構60(図4参照)によってシートクッションが上下移動される構成となっている。
図6に図示されるように、仮想線で示したリクライニングレバー56は、リクライニングレバー56を作動させたときの状態を示したものである。
このリフターレバー10は、シートクッションの側面の限られたスペースに装備されることを考慮してリクライニングレバー56と重なり合って配置されると共に、リクライニングレバー56と干渉しないで回動操作可能とさせるために、長尺状に形成して操作把持部位16をリクライニングレバー56の回動範囲から離れた車両前方側の位置に配置形成したものである。
本実施例に係る車両用シートのリフターレバー10は長尺状の樹脂製とされているものである。
なお、本実施例に係るリフターレバー10は、従来のガラス繊維強化樹脂に変えて、ポリアミド系樹脂のナイロン6を使用している。このポリアミド系樹脂のナイロン6は、熱可塑性合成樹脂の中の汎用エンジニアプラスチックに分類されるもので、強靭で耐摩擦・磨耗性や耐油性に優れており、従来より自動車部品、一般機器部品等の工業材料として使用されているものである。この他にも、熱可塑性合成樹脂の中の汎用エンジニアプラスチックに分類される公知のものが適用できる。例えば、ポリアミド以外にも、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
また、成形方法においても公知の成形方法によって成形すればよい。例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形、回転成形、注型成形等が挙げられる。本実施例においては、射出成形によって成形されたものである。
そして、図6に図示されるように、本実施例係る本車両用シートのリフターレバー10は、長尺状に形成されている。これは、リクライニングレバー56と干渉しないで回動操作を可能とするために、長尺状に形成して操作把持部位16をリクライニングレバー56の回動範囲から離れた車両前方側に配置形成したものである。
よって、接続部位14において、トルク荷重による応力が一箇所に集中しにくい構成となっている。
また、この三角形補強リブ28及び円形形状補強リブ30の面は、リフターレバー10の回転作動方向に直行して形成されている。
この、三角形補強リブ28及び円形形状補強リブ30は中空となっているため、軽量化を図ることができる。また、中空にした分、材料が多く必要とならないことからコスト面の向上も図ることができる。また、ガラス繊維等の繊維含有合成樹脂材を使用する必要がなくなり、単一の樹脂での成形が可能であるため成形性の向上を図ることもできる。
更に三角形補強リブ28は、正三角形状であれば均一な荷重分散が望めるためより一層強度面の向上を図ることができる。
例えば、上記実施例では、リフターレバーにおいて説明したが、これに限定されるものではなく、リクライニングレバー等の他の車両用シートの回動操作レバーにおいても適用できるものである。
また、上記実施例では、車両の前部座席シートの助手席における構成を説明したが、これに限定されるものでなく前部座席シートの運転席や後部座席シートにも適用できるものである。
また、上記実施例では、リフターレバーは、ポリアミド系樹脂のナイロン6を使用したものについて説明したが、かかるリフターレバーの接続部位に適用した三角形補強リブ及び円形形状補強リブは、従来のガラス繊維強化樹脂についても適用ができるものである。このガラス繊維強化樹脂を用いた場合には小型化、スマート化を図ることができる。
12 軸心部位
14 接続部位
16 操作把持部位
18 締結部
24 凹凸構造
28 三角形状補強リブ
30 円形形状補強リブ
40 フレーム構成
50 シートバックフレーム
52 リクライニング機構
54 リクライニング軸
56 リクライニングレバー
60 リンク機構
62 シートクッションフレーム
64 開口孔
66F リンク
66B リンク
68 セクターギヤ
70F 連動ロッド
70B 連動ロッド
72 スライドレール
72U アッパーレール
72L ロアレール
74 シールド
76 開口孔
78 リフト機構
80 ピニオンギヤ
82 作動伝達部材
Claims (3)
- 車両用シートに備えられた各種機能手段を操作するための樹脂製で長尺状の車両用シートの回動操作レバーであって、
該長尺状の回動操作レバーは、一端部が操作力をシートに備えられた各種機能手段に伝える軸心部位、他端部は操作者が操作する操作把持部位、及び該操作把持部位と前記軸心部位とを接続する接続部位からなっており、
該接続部位には回動操作方向に補強リブが配列形成されており、
該補強リブは、基本形態としてリブ片が三角形状を形成する形態として連続配列され、かつ、補助形態として該三角形状の各リブ片の交点箇所が円形のリブ形状として連続形成されていることを特徴とする車両用シートの回動操作レバー。 - 請求項1に記載の車両用シートの回動操作レバーであって、
前記接続部位の回動方向幅は前記軸心部位及び操作把持部位の回動方向幅より幅狭に形成されていると共に、前記補強リブは当該回動操作レバーが車両用シートに装着された際に裏面側となる面に形成されており表面側は意匠面とされていることを特徴とする車両用シートの回動操作レバー。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用シートの回動操作レバーであって、
前記補強リブの三角形状の連続配列は、均一の大きさの正三角形で配列されていることを特徴とする車両用シートの回動操作レバー。
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